Method of Entry
あんまり扉を信用しない方がいい。
"こちら"と"むこう"で、
どれだけの違いがあるのやら。
・アバウト
・日記ログ
・SS
・テキスト ―― 『Dies irae 〜Amantes amentes〜』のOTHER STORY(追加シナリオ)について
・リンク
リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)
2026-04-23.・FANZAで現在「10本で9500円」や「20本で18000円」といったまとめ買いセールが開催中、Lair Softのスチームパンクシリーズを揃えるチャンス! と、なんとなく宣伝してみる焼津です、こんばんは。
具体的な手順としては、FANZAの「PCゲーム」のトップページに「スプリングセール2026」というバナーがあるからまずここを押す。そして「まとめ買い」のリンクをクリック。「ブランド合同まとめ買い」の中から買いたい本数を選び、対象ソフトを選択するページに移行。「ブランドで絞り込む」というボタンがあるので、ここで「ら行」の「ライアーソフト」を選んで検索。そうするとLair Softの対象ソフトがズラッと出てくるから、あとは欲しいソフトの「選択する」をクリックしていって、規定本数分溜まったら「バスケットへ」を押して決済に向かうだけです。
スチパン作品を一個も持ってない人の場合は、『蒼天のセレナリアFVR』『赫炎のインガノックFVR』『漆黒のシャルノスFVR』『白光のヴァルーシア』『紫影のソナーニル』『黄雷のガクトゥーン』『黄雷のガクトゥーン SHINING NIGHT』『Steampunk Full-voice Fandisk』の8本をチョイスすればいいです。8本なので「10本で9500円」を選ぶと2本足りないが、そこらへんはまぁ好きなので埋めて貰えれば……シリーズ外だけどライターが共通していて一応「同一の世界」ということになっている『ANGEL BULLET』とか、初期の傑作『腐り姫』、新撰組女体化エロゲ『行殺新選組ふれっしゅ』、百合エロゲとして定評がある『サフィズムの舷窓〜an epic〜』と『屋上の百合霊さん 〜フルコーラス〜』、奈須きのこも絶賛した『Forest』、後半の展開が慌ただしいのが玉に瑕だけど「冒険が終わった後の人生」をエンドロールで綴る『SEVEN-BRIDGE』、中国の「四凶」を女体化した『マスクドシャンハイ 魔都拳侠傳』などなど。自分たちを「童話の登場人物」だと思い込んでいる患者たちのための隔離病棟「楽園」を舞台にした「フェアリーテイルシリーズ」は『フェアリーテイル・アンコール』と『フェアリーテイル・シンフォニー Another Side』が対象だけど、肝心の本編『フェアリーテイル・レクイエム』が対象外なのであまりオススメしない。ライアーソフト以外だと「ALcot ハニカム」のゲームなんかもイイですね。私が好きなのは『キミのとなりで恋してる!』とそのFD(ファンディスク)『キミのとなりで恋してる!〜The respective happiness〜』です。趣味全開でいいなら「XANADU(キサナドゥ)」の『ひめしょ!』を推したいところ。さすがに時代を感じる内容だけど、ハチャメチャなノリで好きなんですよ、アレ。シリアスとギャグがごっちゃになっていて、「蜘蛛の巣が生えたデッドストックマ〇コのクセに!!」や「マグロの女」を始めとした「移植不可能だろ、これ」という下ネタの数々。田中ロミオの傑作『最果てのイマ COMPLETE』もまとめ買い対象ながら、「ザウス」作品は5本までが上限なので「3本で3000円」か「5本で5000円」のパックで買いましょう。
あくまで「この機会にスチームパンクシリーズを揃えたい」という方向けの案内なんで、例えば『蒼天のセレナリアFVR』は絵が好みじゃないなぁ、とか、『Steampunk Full-voice Fandisk』や『黄雷のガクトゥーン SHINING NIGHT』は内容が薄いみたいだからちょっとなぁ、というのであれば外して貰っても構わないです。またいずれ同種のセールが開催されるだろうから、気が変わったらその時にまた買えばいい。『赫炎のインガノックFVR』『漆黒のシャルノスFVR』『白光のヴァルーシア』『紫影のソナーニル』『黄雷のガクトゥーン』、このスターターセットめいた5本だけでも充分楽しめるし、「5本で5000円」のセットで購入してください。ちなみにいくつかのタイトルに付いている「FVR」は「Full Voice ReBORN」の略で、要するに「フルボイス版」の意味です。通常版だとパートボイス(部分的にしか声が付いていない)なんですよね。ちなみにスチームパンクシリーズは上記の他にシリーズ第7弾の『瞬旭のティルヒア』、バッドエンド後の世界(歴代スチパン主人公が軒並み志半ばで散ったifワールド)を舞台にした小説作品『灰燼のカルシェール』、企画開始から10年経ってもまだ発売していない『緋星のバルトゥーム』があります。本来なら『緋星のバルトゥーム』の方がシリーズ第7弾になるはずだったんですよね……シナリオライターの「桜井光」がFGOに掛かり切りになっちゃって、本当に出るのかどうかもうわからなくなっています。もう諦めているファンもいるが、気長に待って行くとしましょうや。スチパンは他に『無色のウルタール』、『冥闇のケルネテル』、『深闇のセレファイス』といったモノもあるらしいが、このへんは現時点で公式サイトの類が存在しないから扱いに困る。とりあえずタイトルを表記するだけに留めておきます。
・「魔女と傭兵」2027年TVアニメ化!坂泰斗、早見沙織が出演 アニメ制作はエイトビット(コミックナタリー)
原作はライトノベルで、コミカライズ版もメッチャ人気あるから「アニメ化発表は秒読み段階に入っているだろう」と目されていた作品です。巨漢で、双刃の両手剣(ツヴァイヘンダー)を振るう傭兵「ジグ=クレイン」と、200年の時を生き延び、超常の業を振るう魔女「シアーシャ」。二人は戦場で出逢い、ジグはあと一歩のところまでシアーシャを追い詰めたが、肝心の依頼主が直前で死んでしまったため、このままシアーシャを仕留めても賞金が貰える見込みは薄い(誰も魔女の顔を知らなかったので、彼女の首を持って行ってもそれが魔女であると証明できない)……と刃を引く。情ではなく金と依頼で動くジグの合理主義を見込んで、シアーシャは彼を護衛として雇った。二人が向かうのは、発見されたばかりの新大陸。そこでなら、誰もシアーシャの過去を気にしないだろう。かくして魔女と傭兵のコンビは海を越え、遥々新大陸へと足を踏み入れたが……って感じのファンタジーです。
要は「魔女と傭兵のふたりぐらし」です。あくまで依頼主と護衛の関係でしかないが、だんだん雰囲気が夫婦っぽくなっていくんですよね、阿吽の呼吸で通じ合っているから。生きることに飽いて、ジグに殺されかかった時もどこか諦めたような風情だったシアーシャさんながら、日に日にジグへの執着が増していくんだよなぁ。自分が殺されかかっても「おっと危ない」くらいなのに、ジグに危害が加えられるとぶちギレ金剛状態になる。シアーシャさんが本気出すと広域殲滅が可能だから、「らめぇ! 街が壊れひゃうのぉぉぉ!」な惨事が顕現します。シンプルに怖い。読者のほとんどが「敵と戦うよりシアーシャさんを怒らせる方が怖い」と口を揃えて太鼓判を押すのもむべなるかな。
なにぶん稼業が「傭兵」なので荒事も多く、ストーリーの大半が戦闘シーンで占められていますが、「俺はこれが書きたいんだ!」とノリノリで書いてるので筆が乗りまくっています。逆に言うと、戦闘シーンにあまり興味がない人は「話が動かねぇな……」と退屈するかもしれません。コミカライズの方はバトル描写をかなり簡略化しているので、戦闘シーンをじっくり読みたい人は小説版、ざっくりでいい人は漫画版、と棲み分ければ宜しいのではないかと。問題はアニメがどっち寄りになるか、ですね……小説版の描写を再現すると作画カロリーがとんでもないことになるから、漫画寄りになるかしら?
ファンタジーなのに「マフィアの抗争」が軸になったり、ファンの間で最強議論する際に「下剤」がTier表の上位に来たり、良くも悪くも「よくあるなろう系」からはズレた内容なのでハマるかハマらないか、人によって温度差が激しいと思います。小説版2巻の表紙を飾る褐色エルフ「イサナ」の見た目に「おっ」と惹かれるモノを感じる人にはオススメです。このイサナちゃんをボコって身ぐるみ剥ごうとしたりする。いや、結局未遂なんですけど……ともあれ九十九乱蔵的な、フィジカルの強い巨漢主人公が真っ当に活躍するフィクションいいよね……。
ジグ役の声優は「坂泰斗」、最近だと「お隣の天使様」の主人公「藤宮周」を演じていますね。シアーシャ役の「早見沙織」は、もはや解説不明の売れっ子「はやみん」です。最近だけでも『超かぐや姫!』の「月見ヤチヨ」役とか、「逃げ釣り」のサブヒロイン「アイーダ・アメーティス」役とか、『魔術師クノンは見えている』の主人公「クノン・グリオン」とか……『黄泉のツガイ』にも、チョイ役ながら「オシラサマ」役で出演していました。ちなみに個人的なシアーシャの声優イメージは「石川由依」でしたが、はやみんで不満ということではありません。制作は「エイトビット」、過去に『IS(インフィニット・ストラトス)』や『東京レイヴンズ』などのラノベアニメ、『ワルキューレ ロマンツェ』や“グリザイア”三部作などのエロゲアニメを手掛けた有名どころです。今だと「『転生したらスライムだった件』や『ブルーロック』のスタジオ」と書いた方が通りはいいかな。監督は「江崎慎平」、Production I.G出身で『ギルティクラウン』や『進撃の巨人』にも関わっているらしいが詳しいことはわかりません。PVを見た感じだと「作画がスゴい」と言われるタイプのアニメじゃなさそうだが、大きく崩れることもないかな? 地味なストーリーを淡々と丁寧にやるタイプなので、海外でも安定した人気が狙えるかもしれない。放送が待ち遠しいです。
・年の差ミステリーラブコメ「ペンと手錠と事実婚」TVアニメ化、特報PV公開(コミックナタリー)
あ、アニメ化なんだ。内容的にドラマ化かもと思ってた。喋れない女子高生「梔子鶫(くちなし・つぐみ)」が探偵役で、刑事の主人公とコンビを組み、スケッチブックで会話するんだけど「絵が下手過ぎて推理の内容を汲み取るのに苦労する」という若干コメディ要素が混じった推理マンガです。ヒロインが喋らないからお世辞にもアニメ向きとは言い難いが、そんなこと言ったら禰豆子だってほぼ喋んないしな。恐らく息遣いだけで演技するタイプでしょう。
事件自体は割と小粒なものが多く、路線としては金田一少年よりも名探偵コナンに近い。ヒロインは主人公(40歳で女っ気がまったくないヤモメの刑事)に惚れており、真顔でグイグイと結婚を迫ってくる。最初は突っぱねようとした主人公ですが、だんだん押し切られてマジでこのまま結婚しそうな雰囲気になっていくのが面白いです。白泉社のWebコミックサイト「ヤングアニマルWeb」に会員登録すればだいたい読めるので、気になる方は目を通してみてください。
やっとアニメ化か……実写版は別々のキャストでドラマ化および映画化しているんですけど、「どう見てもイメージと合わないだろ」って配役だったりして評判散々でした。原作人気からすると、とっくにアニメ化していてもおかしくない作品(1巻が出たのは2011年、なんと15年前)だから、ファンは驚くよりも「やっとか……」という感想に落ち着くだろう。私はずっと積んでるので内容知りません。作者の「三上延」がかつて「渡瀬草一郎」と並ぶ「幼馴染みヒロインが勝つ作家」枠だったことは知ってる。『ダーク・バイオレッツ』……『シャドウテイカー』……それ以降は読んでないな。とにかく、メチャクチャ売れてる作家なのに一度もアニメ化したことがない、という希有な立ち位置の人でした。ようやく「アニメ化作家」の仲間入りだ。ご本人曰く「かなり前からアニメ化の企画はあった」とのことで、実現までいろいろと難航したんでしょうね。倉田英之との共著『読書狂の冒険は終わらない!』が面白いので、興味がある方はご一読を。
おっ、“狩人”シリーズの新刊か。私、このシリーズ好きなんですよね。新宿署のマル暴刑事「佐江」が毎回登場するシリーズで、当初は脇役みたいなポジションがだんだん主役として確立していくところも含めて気に入っています。1996年の『北の狩人』、2002年の『砂の狩人』、2008年の『黒の狩人』、2014年の『雨の狩人』、2020年の『冬の狩人』と、これまでずっと6年周期で出ていましたが、今回もやはりその周期から漏れることはなかった。あまりの安定感に感心してしまうことしきりだ。
しかし、書籍の価格がドカンと一気に上がってるのが切ないですね……消費税を抜いた本体価格だけ見ると、『北の狩人』が341ページで1700円(記憶が曖昧だけど、確かこれだけ二段組だったのでページ数の割に文字量が多い)、『砂の狩人』は上巻が422ページ、下巻が397ページで各1667円、『黒の狩人』は上巻が409ージ、下巻が434ページで各1700円、『雨の狩人』は602ページで1800円、『冬の狩人』は568ページで1800円と、96年〜20年の24年間は比較的価格変化が少なかったのですが、『柩の狩人』はAmazonの情報によると644ページで過去最厚だから仕方ないとはいえ2400円と跳ね上がっています。まぁ6年に一度の新刊だから買いはしますけど、近い日に比嘉姉妹シリーズの新刊2つ(『ざんどぅまの影』と『ととはり屋敷』)や『マルドゥック・アノニマス11』、メフィスト賞作品の『大江戸フューチャーズ』も出るからキツなぁ。特にマルドゥック・アノニマス、文庫で非翻訳作品なのに本体価格1300円(ボリュームは416ページ)って。さすがに悲鳴の一つも挙げていいですよね?
・『超かぐや姫!』興行収入20億円+動員数100万人を突破。当初の「1週間限定&わずか19館」の上映とは何だったのか(電ファミニコゲーマー)
遂に20億の大台に乗ったか……「TVアニメの劇場化」ではない、オリジナルのアニメ映画としてはジブリ作品、新海誠監督作品、細田守監督作品に次ぐレベルです。10億超えてる作品はまだいくつか他にもあるんですが、20億以上となると比較対象がこの3つになってしまうんですよ。しかも大抵は大規模公開でTVCMバンバン打って〜みたいな、ブランド力とコマーシャルの合わせ技で押し上げていくのに対し、「たった19館から拡大していって20億」という動きは、どちらかと言えば実写邦画のカメ止め(『カメラを止めるな!』)に近い。さすがに30億は厳しいかもしれないが、この勢いなら25億は突破できるかも。この25億というのは劇場版ヒプマイの数字です。あれも公開規模は小さかったのに熱狂的なファンの支持でロングランした作品である。
ネットでは当初の「1週間限定」という告知が嘘すぎて未だに擦られている(「1週間限定公開、9週目――」みたいな調子で)が、今までのネトフリアニメ映画の劇場公開が惨憺たる有様だったことを考えると弱腰の展開だったことは仕方ない面もありますね。これまで最高でも2億届かなかったのに、一気に十倍以上なんだもんなぁ。監督とプロデューサーの新しいインタビュー記事も公開されており、「今回のヒットはYouTubeやSNSで気になったらすぐワンクリックで、Netflixで見られる状態で多くの人が観てくださって、そこからの口コミ。このフォーマットだからこそ実現できた。劇場上映を先にしていたらそうならなかったかもしれない」と語っている。オリジナルアニメは評価される以前に「認知される」のが難しく、もし劇場公開前提でやってたら苦戦していたでしょう。SNSで絶賛されている「パリエト」こと『パリに咲くエトワール』は興行的にかなり苦戦していて、累計3億円届くか届かないかの域で奮闘している。初動の数字を鑑みるに、もし高評価が広まらなかったら1億円前後で終わっていただろうし、これでもかなり健闘している方なんですよ。鬼滅やコナンというビッグタイトルのせいで世間の興収に対する感覚はすっかり狂ってしまったから、「たった3億?」という反応になってしまう……地域によってはもう上映終了していますが、まだ粘り強く興行を続けている劇場もあるので頑張ってほしいものだ。
・『Dies irae 〜Amantes amentes〜』のOTHER STORY(追加シナリオ)について
Dies iraeのAmantes amentesに実装された「OTHER STORY(追加シナリオ)」のプレーするタイミングについて解説した文章です。「今頃!? Aa出たの14年前だぞ!?」と驚かれてしまうかもしれません。御存知かもしれませんが、今SNSでは空前のDies iraeブームが訪れていまして……キッカケは今月7日頃、いつも通り神座シリーズのファンが「『Dies irae』の厨二パワーはすばらしいぞ」と布教活動を行っていて、私も「春だなぁ」と恒例行事を眺めるような感覚で傍観していたのですが、あれよあれよという間に拡散されて話が大きくなっていった。どうも鳥海浩輔や諏訪部順一、谷山紀章といった声優ファンの中にも『Dies irae』を知らない人が多く含まれていたみたいで、「こんな作品あったのか!」と驚きを持って迎え入れられたのです。なんだかんだ『Dies irae』も古いゲームですからね、初めてタイトルが公開されたのは2006年、もう20年前だ。それだけ経てば知らない人が多いのも当然で、今更ながら「再発見」されて若い層を中心に「流出」していってるわけです。
少し前に『ブルーアーカイブ』で『Dies irae』を仄めかすような演出があった件で一度バズっていたから、下地はありました。恐らくこの時に界隈外の人たちも、明確に記憶できたわけではないにしろ、『Dies irae』というタイトルを下意識へ刷り込まれたのでしょう。その伏線が効いて、「いつも通り」の布教活動であるにも関わらず信じられないほどバズった。PC向けのDL版を独占しているDMMの週間ランキングでディエスと神咒とイカベイが仲良く3位・4位・5位で並ぶという目を疑うような事態に……(ちなみに1位はKeyの新作『anemoi』で2位はドルフロ2のボイスドラマ)ちょうど半額セール中だったのも追い風になったんだろう。冗談抜きでセールスの数字が伸びているし、新規の「Dies iraeの〇〇って何?」という質問に対しシュバッてきた古参ファンが嬉々として答える光景があちこちで繰り広げられている。ハッキリ言ってアニメ化した時よりも話題になっています。皮肉すぎる!
今のSNSはコミュニティ分散型というか、「クラスタ」の概念が曖昧になっており、昔みたいに一箇所の掲示板やチャット場に集まってあれやこれやと議論を重ねる形式ではなくなった。それこそ「いつメンとの雑談」感覚で投稿したコメントがアルゴリズムの波に乗って拡散され、思いがけずバラバラに散らばっていた「かつてのファンたち」が、それこそ「すごい数の信者が集まってきている」(『DOKURO―毒狼― 』)みたいな勢いで集結し、お祭り騒ぎに発展する。私も最近、いつもの独り言のつもりで「『漆黒のシャルノス』はいいぞ」といった趣旨の呟きを投稿したら思いがけずバズってビックリしました。令和にもなってスチームパンクシリーズ関連の呟きがまさか30万View超えるとは……ちなみに私の普段のポストは2桁Viewです。Liar-soft公式アカウントのシャルノスOPムービー紹介も20万Viewくらい行ってるからマジで注目されているんだな。
とにかく、せっかく波が来ているんだからこれはもう「空前のDies iraeブーム」に便乗するしかないな、ということで急遽OTHER STORY(追加シナリオ)の「推奨するプレーのタイミング」について解説する記事を書こうと思ったわけですが、書いているうちに細部が気になってきてAaのHD版を引っ張り出したり、「あれ? これってファーブラの時からだっけ?」と気になって実家に立ち寄った際に昔のパソコンを立ち上げてチェックしたり、ちょっと執筆に時間が掛かり過ぎて便乗するタイミングを逸してしまった気がする。とりあえず書いたので公開しときました。このDies iraeブーム、なるたけ長く続くといいですね……毎日毎日ニュービー爪牙の新鮮な悲鳴と呆然自失気味な感想が届けられてくるの、幸せ過ぎる。何なら他の神座シリーズや相州戦神館學園シリーズ、新西暦サーガや諸々のlightゲーにもブームが訪れてほしいですね。OPムービーに戦闘機しか出て来ない異常エロゲこと『群青の空を越えて』とか。どんなにバズってもlightが復活することはもうありませんが、少しでもパンテオンの再起に弾みがつけば。
2026-04-14.・今頃『ぬきたし THE ANIMATION』を見て爆笑した焼津です、こんばんは。
去年の夏アニメとして放送された作品。原作はエロゲーで、あんまりも際どい要素が多いため地上波での放送は無理だと思われたが、規制を掛けまくったおかげで何とか放送されたという曰く付きの一本。あまりにもピー音が多過ぎて聞き取れないセリフが大量にあるのが難点です。
舞台は架空の島「青藍島」。「あおかんじま」ではなく「せいらんとう」です。もともと島の出身だったが本土に引っ越しして、両親の死をキッカケに島へ戻ってきた「橘淳之介」。過疎化が進む青藍島を救うためヤケクソ気味に制定された「ドスケベ条例」の影響で島中至る所で大っぴらに性行為(ドスケベセックス)が繰り広げられており、妹である「橘麻沙音」ともどもカルチャーショックでドン引きする。しかし、島民の中にもドスケベ条例を快く思わない者たちがいた。「乱交を推奨し、ただただ快楽だけを追い求める、愛のないドスケベセックスはイヤだ」と。淳之介は同志たちと反交尾勢力「NLNS(No Love No Sex)」を結成し、ドスケベのビッグウェーブに立ち向かっていくが……という、「エロゲーにしてもやり過ぎだろ!」って設定の話です。
淳之介は巨根で「他人に局部を見られる」ことにトラウマがあり、また妹の麻沙音は同性愛者で「男女のドスケベセックスを推奨する」青藍島においては「非性産的行為」と見做され迫害の対象になり得る(ドスケベ条例、実態はどうあれもともとは「少子化対策」という名目なので……)。「汚い『車輪の国、向日葵の少女』」とも言うべきツッコミどころ満載の内容ながら、主人公とヒロインが悩みながらも己の信念を貫こうとする姿はアツく、熱血アニメ的な面白さは充分にあります。淳之介役の「柳晃平」とヒロイン「片桐奈々瀬」役の「石上静香」が放送前に結婚する、いわゆる「ぬきたし婚」と呼ばれる深夜アニメ史に残る慶事が発生したのもむべなるかな。ジョークでも何でもなく本当にアニメの収録時が初対面だったらしく、「馴れ初めはぬきたし」「紛れもなくぬきたし婚」と本人たちも認めています。
ただ、ぬきたしのゲーム版(1作目)は2018年発売で、この当時奈々瀬の声を当てていたのは「柳ひとみ」という別の声優なんですよね。サンプルボイスを聞いてもらえるとわかるのですが、ずっちの別名義とか「生き別れの双子()」とかではなく、正真正銘本当に「別の声優」です。アニメ化の際になぜか声優が変更されている。生徒会長の「冷泉院桐香」は担当声優の「花澤さくら」が2022年に声優引退しているため已むなく「田澤茉純」に変更となっていますが、柳ひとみは別段引退しておらず、奈々瀬の声優変更に関しては「経緯不明」としか言いようがない。噂レベルならいくつかありますけどね……柳ひとみは表名義で声優事務所に所属していて、「裏名義でエロゲーに出演する」ことには目を瞑ってくれたけど、表名義でこんな際どいアニメに出演するのはダメだった――という、いわゆる「事務所NG」説が有力視されている。とにかく、石上静香はアニメ化が決まるまでぬきたしと縁がなく、淳之介もゲームでは声が付いていなかったことから「ぬきたしのアニメ化が二人を結びつけた」ことになるのだ。
内容は徹底してふざけているのにアニメーションの質は高く、エロゲー原作アニメとしては異例なほど高クオリティの仕上がりになっています。制作は「パッショーネ」、かの『異種族レビュアーズ』や『異世界迷宮でハーレムを』を手掛けたところだ。今後は『FX戦士くるみちゃん』や『生徒会にも穴はある!』を放送する予定。さておき、ぬきたし本編において奈々瀬は「超弩級のビッチ」として恐れられていたが、シナリオの後半で「実は処女」であることが全島民に対してバレてしまう。公衆の面前で無理矢理処女を散らされそうになっている奈々瀬を救いに行く――というのが物語のクライマックスで、まぁ無事なんとか救出できるのですが、「ビッチじゃなかったことがバレたんだよね? 今後どうすんの?」と思ったらモブが「ビッチすぎてSEXの回数が多すぎた結果、数値がオーバーフローして処女に戻っただけ」と言っていて噴いた。それで納得するのかよお前ら!
・『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』TVアニメが2027年1月よりスタート!(電ファミニコゲーマー)
えっ、蓮ノ空結局TVアニメ化するの!? 予想外でちょっと不意を打たれてしまった。『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ』はラブライブ・プロジェクトの一つで、2023年頃からスタートしています。石川県金沢市に位置する、という設定の架空の全寮制女子校「蓮ノ空女学院」を舞台に、「スクールアイドルの世代交代」をテーマに据えて展開していく。蓮ノ空は「ラブライブ!の強豪校」であり、100年以上の歴史を誇る……物凄く分かりやすく書くと「宝塚音楽学校」めいた場所です。主人公「日野下花帆」は103期生で、先輩が102期生、後輩が104期生や105期生といった感じ。これまでのラブライブ作品は「上級生・同級生・下級生」の隔たりを越えてユニットを結成することもあったわけですが、蓮ノ空は「先輩と後輩」が明確に区切られています。なぜなら、先輩たちが卒業した後も在校生たちのアイドル活動は続くからだ。
蓮ノ空は「リアルタイムと連動して時間経過する」のも特徴の一つで、2023年に入学した花帆ちゃんたち103期生は2026年の春、遂に卒業の時を迎えます。「103期生の卒業記念」として今年5月に公開されるのが『映画 ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ Bloom Garden Party』。そう、主人公の花帆ちゃんは来月公開される劇場版で卒業しちゃうわけです。いきなりエピローグなんです。だから「結局TVアニメ化するの!?」と驚いたんですよね。てっきり、TVアニメをやる予定がないからせめて卒業の晴れ舞台だけでもアニメ化しよう、ってことなのかと早合点していました。103期生が卒業した後は新たに106期生が入ってきますが、さすがにもうリアルタイムと連動させるのはキツいのか、「第2章 106期」は2027年1月スタートという予定になっている。アニメの放送を合わせているということは、TVでやるのは106期生の話なのか? 詳しいことは続報待ちです。
……と、ここまで原稿を用意して、手直しした後にアップロードしようと推敲していたのですが。
・『Link!Like!ラブライブ!』6月30日12:00をもってサービス終了。資金繰りの悪化で主要コンテンツ制作体制の維持が困難に(電ファミニコゲーマー)
いきなりのサ終告知に目が点になりました。終わり? お前ら本当にこれで終わり……?? 終わり……!? 確かに蓮ノ空はメチャクチャ閉じコン化していてどんな施策を打っても新規が流入せず「アプリの収益がヤバいらしい」という噂は漏れ聞こえていましたが、まさかTVアニメの放送まで保たないとは……「志半ばでサービスを終了せざるを得ない事態となりました」と公式垢がコメントしているくらいなので本当に不本意な形でのサービス終了なのだろうけど、シナリオチームへの通達も数日前ということだからスタッフ的にも「寝耳に水」なのでしょう。聞いた話によるとアプリを運営していた3年間、赤字に次ぐ赤字で積もり積もった負債額は100億円以上に及ぶとか。
あくまで『Link!Like!ラブライブ!』がサ終するだけで、5月公開予定のアニメ映画や来年1月に放送予定のTVアニメが中止になったりはしないとのことだから、蓮ノ空のプロジェクト自体が完全に畳まれるわけではありません。ただ、旗艦(フラグシップ)であるアプリが沈んだとなると「プロジェクトの先行きに暗雲が立ち込めている」と表現するしかない。これでラブライブ関連のアプリはすべて終了したことになりますね……主にYouTubeで展開している新規プロジェクト『イキヅライブ!』のアプリが新たに出てくる可能性もありますが、『学園アイドルマスター』が好調なアイマス・プロジェクトや、「ガルパ」が続いていて今年「アツドリ」も別枠として立ち上げるバンドリ・プロジェクトとは明暗が分かれた形になる。今の中高生からするともう、ラブライブは「なんか昔流行ったアニメ」ぐらいの感覚なのかもしれない。ロボアニメで言うとマクロスみたいな立ち位置というか。
TVアニメ以降の展開はどうなるのか? という懸念もありますが、もっとも差し迫っているのは「第2章 106期」がどうなるのかって問題ですね。アニメが106期生の話ならまだしも、そうじゃなかったら「殻を破ることができず卵の中で息絶えていった小鳥たち」になってしまう。既に書き上がっている未発表シナリオや発注済みの素材もあるらしいし、何とかして発表できるようにしてほしいです。
・『うたわれるもの ロストフラグ』、物語記録保存領域(ストーリーアーカイブス)制作決定!
具体的な仕様はまだ不明ですが、過去に配信したストーリーを読み返せるようになる模様。「メインストーリーおよびイベントストーリーのフルボイス化、ならびに新規ストーリーの追加などを検討」とあり、本気で全シナリオに声を付けるなら容量がとんでもないことになりそう。ロスフラは基本的にボイスなしのシナリオを配信して、後から一部だけボイス付きにするというマギレコ方式でやっていましたが、本編ストーリー・イベントストーリー・キャラストーリーのうち本編と重要イベントぐらいでしたからね、声が実装されたシナリオ。
「ストーリー版」と言い切っているということは戦闘パートや育成要素は全部削除になるのかな。既にiOSやAndroidで配信されている「うたわれ」三部作(ゲームパートをカットしてストーリー部分だけに絞ったアプリ)みたいになるのか、それとも「ゆゆゆい」みたいにコンシューマ向けの移植みたいになるのか……「新規ストーリーの追加」と謳っているから、内容次第では買ってもいいかな、という気持ち。ロスフラのシナリオは、舞台となるロスフラ世界(現実世界から切り離され、四方を霧に包まれたネオ九州)の支配者「織代」の正体を巡る第一部が終わって、織代の支配から脱した各國の皇(オロ)たちが干戈を交える群雄割拠の戦國時代に突入する第二部へ移る……はずだったが、サ終によって第二部の内容は大幅にオミットされ、「なんかよう知らんが大戦は終わった」「勝者はおらず、和睦によって決着」「世界を鎖していた霧が晴れた」と爆速でエピローグに到達して呆然。新規ストーリーではこの端折りまくった第二部の内容を補完するのか、それとも「霧が晴れた」以降の物語を綴るのか。差し当たっては続報待ちです。
・『テメレア戦記9 ドラゴン同盟』刊行、20年に渡る架空戦記ファンタジー、遂に完結
「もしこの地球にドラゴンが存在して軍に配備されていたら、ナポレオンは英国本土を侵攻していたのではないか?」というifに基づいて展開する海外版の架空戦記小説です。作者の「ナオミ・ノヴィク」はアメリカ人で、これの他に「デスゲーム版ハリー・ポッター」「アメリカ版『魁!!男塾』」とも言うべき“死のエデュケーション”3部作、数多の賞を獲った単発作品『銀をつむぐ者』などを手掛けている。かつて「ピーター・ジャクソン監督(ロード・オブ・ザ・リング撮った人)によって映画化する企画が動いている」という話もあったが、最近聞かないところをみると立ち消えになったのかな……(検索中)……2016年に著者のもとへ権利が戻ったらしい。
ハリウッド映画、やたら「映画化決定!→全然続報が届かない→有耶無耶」というパターンが多いけれど、これは「映像化権が転売できる」というアメリカ特有の事情が絡んでいます。まずヒット作や話題作が現れると原作側と交渉して映像化権(契約によって「ドラマのみ」「映画のみ」「両方」など細かく分かれている)を買い取り、もっと人気が出るまで待って程好く高騰してから他の業者に転売する……という稼業で食っている映画関係者がいるワケだ。この結果、映像化権だけが市場で遣り取りされて実現に至らず延々と塩漬けされる作品が出てくる。あまりにも映像化されないことにキレた原作者が権利を買い戻し、「本当に映像化するつもりのところ」へ売る――という珍事も発生しています。
具体例としては「マイクル・コナリー」のケースがある。コナリーは「ハリー(ヒエロニムス)・ボッシュ」シリーズで有名な作家で、1992年に出した1作目と1993年に出した2作目、そしてボッシュを主人公にしたオリジナル作品の映像化権を1995年にパラマウントへ売ったのですが、15年経っても全然動きがないので痺れを切らして2010年に権利を買い戻し、別のところでドラマ化されています。なおボッシュが出て来ない別の作品はちゃんと映画化されている(2002年の『ブラッド・ワーク』と2011年の『リンカーン弁護士』)。売った金額よりも買い戻した時の金額の方がずっと高かったらしいので、「よく考えず安易に映像化権を売るのはやめた方がいい」という教訓を残す結果になりました。
こういう事情もあって、ナオミ・ノヴィクは期限付きでピーター・ジャクソンに映画化権を売って、10年経っても実現しなかったから権利が手元に戻った……という経緯のようです。やはり、向こうでも映像化権が延々と転売される状況にウンザリしている作家が少なくないんでしょうね。そんな『テメレア戦記』はかつて「ヴィレッジブックス」という出版社から翻訳版が刊行されていましたが、途中で吸収合併されて消滅したため、7巻以降はハリポタの出版社として有名な「静山社」が出しています。静山社はシリーズ全体の翻訳権を獲得したが、1〜6巻は文庫版を出すだけに留め、ハードカバー版の再販は行っていない。このためハードカバーで全巻揃えようとすると途中でブックデザインが変わるというコレクター泣かせの状態に陥っている。比較的旧バージョンに寄せたデザインだから「全然違う」というほどでもないが、巻数のローマ数字表記がアラビア数字表記になっていたりと細かい部分が異なるんですよね。まぁ、完結まで刊行されただけでも御の字ではある。なお、「完結」はあくまで「ナポレオン戦争を軸にしたストーリー」であって、「同一の世界観を使った関連作」は今後も出るかもしれないとのこと。
ちなみに、ヴィレッジブックスという「今は存在しない出版社」も成立から消滅までの経緯が結構複雑。もともとは「ソニー・マガジンズ」というソニー・ミュージックの子会社が海外小説の翻訳本を出すときの文庫レーベルとして「ヴィレッジブックス」を作った(だいたい2000年頃)のですが、ソニー・マガジンズが2006年に書籍部門を「ウィーヴ」という出版社に売却、このとき「株式会社ヴィレッジブックス」が出来てウィーヴの子会社になります(なおソニー・マガジンズは2012年に会社統合に伴って消滅)。『テメレア戦記』の翻訳版が刊行され始めたのはちょうどこの頃。2011年に株式会社ヴィレッジブックスは親会社のウィーヴに吸収合併され、「独立した一出版社」から「ウィーヴの一部署」に格下げとなる。2019年、今度はウィーヴが親会社の「フリュー」に吸収合併され、ヴィレッジブックスは「ウィーヴの一部署」から「フリューの一部署」に変遷。このとき『テメレア戦記』は1巻だけ増刷されたので、ハードカバー版『テメレア戦記』1巻に関してはヴィレッジブックス版とフリュー版の2種類があります。2巻以降が増刷されなかったのは、まぁ単純に売れなかったんでしょうね。その3年後の2022年に「事業継続が困難」という理由で出版事業からの撤退を宣言。ソニー・マガジンズからの独立後、16年に渡る歴史に幕を引きました。
・映画の『WEAPONS/ウェポンズ』を観た。
去年(2025年)に公開されたアメリカのホラー映画です。監督および脚本は「ザック・クレッガー」、元コメディアンで2009年に『お願い!プレイメイト』というコメディ映画で監督デビューした……らしいが、この映画はよく知らない。2022年に『バーバリアン』というホラー映画も監督しており、これは観たことがあります。グロいシーンが多くてなかなか楽しかった。『WEAPONS/ウェポンズ』は3本目の監督作品に当たり、4000万ドル弱(日本円に換算すると60億円前後)というハリウッド映画にしては比較的低予算で作られた映画ながら全世界興収が2億7000万ドル弱(日本円に換算すると420億円ぐらい)のヒット作となりました。全米公開が8月で、この時点だと日本での公開予定はなかったのですが、「英語圏でヒットを飛ばしている」という情報が伝わってきたため11月に緊急公開される運びとなりました。緊急すぎて公開規模がメチャクチャ小さく、地元では上映されず……ネットで評判を漏れ聞いて「観たい!」と歯噛みしましたよ。アメリカ本国での評価も高く、アカデミー賞も受賞しています。獲ったのは「助演女優賞」。誰が獲ったのかは後述する。
舞台はペンシルベニア州の小さな町。ある男の子がこそこそと囁く。ちょっと前にこの町でたくさんの人が死んだんだ。でも、事件は揉み消されて全部「なかったこと」になった……と、いきなり結論から明かしてきます。発端は水曜日の朝、小学校の教師「ジャスティン・ギャンディ」はいつも通り授業を行おうと受け持ちの教室に向かった。しかし、教室はもぬけの殻……いや、たった一人、「アレックス・リリー」だけが登校している。体が小さく、気弱で、よくイジメられていた繊細な少年。ねぇアレックス、他の子たちはどうしたの? ――クラスに在籍する18人の子供のうち、17人が一夜にして姿を消すという異常事態に町中が蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。刑事たちはジャスティンに事情を尋ねるが、彼女は途方に暮れるばかり。「子供たちはみんな示し合わせてどこかに向かったんだよな? ただの悪ふざけだよな?」とアレックスに訊いても彼は俯いて「知らない」と答えるのみ。防犯装置やカメラの映像から、子供たちが「自主的に」家を飛び出した時刻は深夜2時17分頃と判明したものの、その行方を突き止めることはできなかった。学校は捜査のため一時休校となったが、いつまでも残された子供たちを放置するわけにも行かず、1ヶ月後に再開の運びとなる。収まらないのは子供が帰ってこないことに苛立つ親たち。ふざけるな! 何があったのかいい加減説明してくれ! なぁ、ギャンディ先生、あんたは何か知ってるんだよな? 俺たちに隠していることがあるんだろう! 詰め寄る保護者たちに対し答える言葉を持たないジャスティンは、「飲まなきゃやってらんねぇ」とばかりに酒に溺れるが……。
小学生たちの集団失踪事件をフックに、「町の醜聞」に切り込んでいくほんのりミステリ仕立てのストーリーで観ていてワクワクします。結論はあらかじめ語られているのに、なんだろう、この真相がうっすらと見えていても全容が掴めない感覚。痒いところは分かっているのに掻くことができない、良い意味で隔靴掻痒のムードに満ちた映画です。ネタバレ抜きで魅力を伝えるのは難しいし、もう公開から結構経っているのでここから先はネタバレありでどんどん語っていきます。観る気はある方はブラウザを閉じてさっさと『WEAPONS/ウェポンズ』を再生しちゃってください。
この映画はいわゆる「群像劇」のスタイルで撮られており、ある程度話が進むと「次の視点」に移ります。最初の視点は教師のジャスティン、担当クラスが丸ごと消滅した(アレックスは失踪してないけど、さすがにマンツーマンで授業を続けるわけにもいかず他のクラスへ編入した)事態に呆然とし、学校側からも「ほとぼりが冷めるまでは大人しくしてくれ」と余計な行動をしないよう釘を刺されている。町民からは疑惑の目を向けられ、車にペンキで「WITCH(魔女)」と落書きされる始末。しかしそれで大人しく縮こまるようなキャラじゃないジャスティンは、唯一の手掛かりであるアレックスに接触しようとします。直接彼の家に行って呼び鈴を鳴らすが、誰も出て来ない。窓から家の中を覗き込もうとすると、なぜか窓という窓に新聞紙で目張りがしてあった。野次馬やマスコミへの対策にしても、なんか変じゃないか? といった具合に「アレックスの家」が物語の焦点となっていくわけです。
第二の視点は失踪した生徒の保護者、「アーチャー・グラフ」。彼は息子の「マシュー」がどこに行ったのか知りたい一心でジャスティンに付きまとう。その一方、防犯カメラに残っていたマシューの映像を見返し、彼の向かった先を突き止める手掛かりが何かないかと目を皿にする。家を飛び出したマシューは道なりに走っていくのではなく、まるで「目的地へ真っ直ぐ向かっている」かのように躊躇なく道路を横断していた。目的地が直線方向にあるのだと仮定するなら、他の失踪生徒たちが向かった方角と突き合わせて交点を導き出せるのでは? 何かが掴めそうなアーチャー。交点を探している最中、ジャスティンの車を見掛け、「今度は何か情報を吐くまで逃さない!」と圧を掛けるが……「またしても何も知らないジャスティン」はうんざりしながらアーチャーと押し問答を繰り広げている最中、視界の端から見覚えのある誰かが走ってくるのを捉える。「あれは……マーカス?」 職場の上司である「マーカス校長」は完全に理性を失った状態で彼女に襲い掛かってきた! と予想外の方向から新展開始まります。もうこのへんまで来ると「観るのやめらんない」感じになりますね。
で、この後「ポール」「ジェームズ」「マーカス」と視点が切り替わっていって、マーカス校長のところでようやく真打登場となる。そう、彼女こそがアカデミー賞で助演女優賞を獲った「エイミー・マディガン」演じる……誤魔化す意味もないのでハッキリ書いてしまうと、本作のラスボスである「グラディス」だ。異様に厚化粧したババアで、とにかく見た目のインパクトが強い。監督が元コメディアンということもあってか、グラディスのところだけなんか「松本人志がダウンタウンの番組で演じていた『話の通じないクソババア』にまつわるコント」のノリなんですよね。「ただ厚化粧しているだけ」なのにここまでクリーチャー感が出せるのシンプルにスゴいですよ。
最終的にただ一人だけ教室に登校してきた男の子、「アレックス」の章が開幕し、いよいよ種明かしが始まります。マーカス校長の章で既に描かれていたが、アレックスの「叔母」を名乗るグラディスは本物のWITCH(魔女)で、平和だった彼の家庭にある日突然寄生虫の如く棲みついてしまったのだ! 対象の髪の毛や「愛用の品」を使って発動させる類感呪術タイプの魔法(ウィッチクラフト)で、「木の枝」を用いるところを見るとケルトのドルイド(女性だからドルイデス?)系かな。アレックスの母親の妹、つまり「叔母」だと言い張っているけど、どう見てもアレックスママよりずっと老けているので恐らく「そう思い込まされている」のでしょう。校長との会話から、少なくともアメリカ開拓時代には物心をついていたと推測される。グラディスの魔法によって傀儡にされたアレックスの両親、「言うこときかなかったら……わかってるよな?」とグラディスに脅され、アレックスは彼女の言いなりになってしまう。そんな中、「消えた子供たちが向かっていった先の交点」を探していたアーチャーとジャスティンはそこが「アレックスの家」だということに気付き、遂に物語はクライマックスへ。ここから先の展開はさすがにバラせないが、「最終決戦」の盛り上がりは期待通り……いや、期待以上の代物でテンションMAXになりましたよ。「うおお! そこだ! 殺れ! ブチ殺せ!」とまるでグラディエーターの試合を観戦しているような気分でしたね。監督曰く、脚本を書き始めた時点では着地点を決めていなくて「ある教室の子供たちが一斉に姿を消す」というアイデアを転がしていった結果、ああなったらしい。冷静に考えると「一斉に失踪させる必要があったのか?」という疑問は残るし、グラディスの動機も明確には描かれていないが、そこらへんは瑕疵というほどでもないです。
想定以上のヒット作になったこともあり、既にグラディスの来歴を綴る前日譚の企画も動いているようです。要は『X エックス』に対する『Pearl パール』みたいなもん。本当は『WEAPONS/ウェポンズ』本編の中でグラディスの過去も掘り下げる予定だったらしいが、尺の都合で削らざるを得なかったらしい。削ってなお128分ありますからね、この映画。さあ、みんなも「アカデミー賞を獲ったババア」に観に行きましょう。
・拍手レス。
陰実はすでにコミカライズの方が原作最新刊より早かったので追い抜くのほぼ確定です。一番残念なパターンは『紅』ですね。原作イラストレーターによる丁寧なコミカライズで人気も高かったのに。コミカライズが終わった後に原作新刊出たのも
『紅』は原作の残酷描写がハード過ぎたせいかコミカライズではだいぶマイルドにしないといけなかったり、アニメは別物になったりとメディアミックス的にはかなり混乱しちゃった作品ですね。コミカライズの特典として原作寄りのOVAもちょっとだけ作られたけど、あれをもっと大々的にやってほしかった。
2026-03-31.・やっと『劇場版 陰の実力者になりたくて! 残響編』の続報が来て「待ちくたびれたぜ……!」という顔になっている焼津です、こんばんは。
2期放送終了直後、制作決定が報じられたのは2023年12月21日。そこから続報らしい続報もなく、原作の刊行も止まっていた(原作者監修のソシャゲは動いていたけど)からファンたちはニュースに飢えていましたが、ようやく干天の慈雨が降り注いできた。原作読んでない人は「残響編? 何のこっちゃ」という感じでしょうが、内容としては単なる本編の続き(でもちょっと番外編っぽい話)なので深く気にしなくていいです。アニメの2期は原作小説4巻の前半を消化したところで終わっていて、残響編はその続き、つまり4巻後半のエピソードに当たります。もうPVも出ているからバラしてしまってもいいと思いますが、2期のラスボス「モードレッド」を倒した後、突如発生した謎の「ゲート」にシャドウ様が飛び込んだところ、そこは彼が転生する前に過ごしていた世界……即ち日本だった、ということでファンの間では「日本編」ないし「地球編」とも呼ばれている。アニメだと1期目第1話のエピソード「嫌いなクラスメイト」の続編に当たりますね。「スタイリッシュ暴漢スレイヤー」でお馴染みのアレ。書籍化記念として書かれた「彼の名は影野ミノル」がベースになっており、書籍版だと4巻、ちょうど2期ラストと残響編(日本編)の間に収録されています。そう、陰実のアニメって実は構成を変えていたんですよ。「2話以降ほっちゃん(堀江由衣)ボイスの同級生全然出て来ないけど、一体どうなってんの!?」と戸惑った方もおられるでしょうが、もともと残響編(日本編)の前フリに当たるエピソードだったワケだ。さすがにアニメ派の人は記憶が朧気になっていると思うので、残響編を観に行くつもりなら直前で「嫌いなクラスメイト」(1期目第1話)を再視聴しておいた方が宜しいでしょう。
とはいえ、アニメ2期のラストって実は原作と違うので、そのままだと4巻後半のストーリーに繋がらないんですよね……いったいどうするんだろう? と首を傾げつつあらすじを確認したら「追いかけてきたベータ」とあって「おい!」とツッコミを入れたくなった。原作だとシャドウ様がゲートに飛び込んだ後、慌ててベータがその背中を追う展開になっているんですが、アニメ2期ではなぜかベータが後を追う前にゲートが閉じてしまったんです。てっきり「ベータの出番を削除してアニメオリジナルのストーリーにする」んじゃないかと深読みしていましたが、結局原作通りの流れに戻すらしい。じゃあなんでアニメのラストを改変したんだよ!? アニメ番外編の「かげじつ!せかんど」最終話ではアニメ本編と違って「シャドウ様とベータがともに姿を消した」ことになってたし、ひょっとしてプロジェクトの連携が取れてなかったのでは……? という疑惑がある。まぁ作風的にしれっと展開を改変しても受け入れられそうではあるが……。
原作も遂に新刊が出るし、「ほぼソシャゲとコミカライズだけのプロジェクト」になりつつあった陰実が本格的な再始動を迎えていてアツい。いえ、「ソシャゲやコミカライズが動いているだけマシだろ」という意見もあるでしょうが、それはそれ。ちなみにコミカライズは5月に最新刊(18巻)が出る予定です。結構丁寧なコミカライズなので、「原作に追いつかず途中で終わるかもな」と思ったこともありましたが、あらすじ読んだかぎりではだいぶ追いついてきてますね。原作がエタらなければ完結まで漫画化できそうか?
かつてライトノベルのコミカライズ作品は「人気作でも作画に時間が掛かるせいで原作に追いつけず、途中で終わる」のが常でした。『灼眼のシャナ』は番外編含めて全26巻ある原作のうち4巻の範囲までしかコミカライズされていないし、『ナイツ&マジック』も第一部をやり切ったところで一旦完結した。珍しいところでは『災悪のアヴァロン』が「原作小説の内容に追い付いてしまうことを鑑み」て一旦休載になる、なんてこともありましたが……最近は小説本体よりもコミカライズの人気に後押しされてアニメ化が決まることも多くなった(そのため絵柄が小説の挿絵よりも漫画版の方に近くなるパターンも増えてきた)し、昔は低く見られていたコミカライズの地位もだんだん上がってきているようですね。一方、映画が興収40億を超えているヒット作『ほどなく、お別れです』はコミカライズもされている割にSNS等ではさほど話題にならない。この作品、原作は小説で、単行本が刊行されたのは2018年だから結構前なんですよ。シリーズ化していて4冊で累計80万部、巻割で20万部だから充分当たっているのですが、「お涙頂戴」と見做されて敬遠されているのか読書好きの間でもそこまで話題に上りません。私はコミカライズを途中まで読んでいるけど、印象に反してスピリチュアル系の内容(主人公は“気”に敏感ないわゆる「見える子ちゃん」)なんで「葬儀会社を題材にした地味なお仕事モノ」とか「『おくりびと』みたいな話」とかを想像して臨むと戸惑うでしょう。リアリティーラインの高低はあれど、私の中では『見えてますよ!愛沢さん』と同じ枠の作品です。
・『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』と『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』まさかのコラボイラスト公開! 衝撃の“ミルキー☆ハサウェイ”爆誕(電ファミニコゲーマー)
公開時期が近いんだし、「ミルキー☆ハサウェイ」みたいなコラボすればいいのに。と無責任なこと言って笑っていたら本当にコラボしてるよ! ミルキー☆サブウェイの監督が言うにはガンダムサイドから打診があったそうです。ミルキーハイウェイ側からコラボを提案していたら「なんて強い心臓の持ち主なんだ」と感心していたところだったが、常識的に考えてそれはなかったか。
一応、共通のキャストがいるので接点はないこともない。ミルサブの主役ポジションに位置する「マキナ(来栖真希菜)」と、ハサウェイ第2部では「おっぱい」が印象に残った褐色でお下げ髪のメカニック「ジュリア・スガ」、この両方を演じた声優が「永瀬アンナ」です。彼女は『超かぐや姫!』でも主役(酒寄彩葉)を演じており、『劇場版「僕の心のヤバイやつ」』や『パリに咲くエトワール』に脇役として登場しているので、なんと現在公開中のアニメ映画のうち5本もネームドキャラで出演していることになります。去年の出演作は『呪術廻戦』の総集編(星漿体の「天内理子」を演じた)くらいだったのに、出世しまくりやんけ。普通もっとこう、刻むだろ、段階を……! せっかく波が来てるんだから『超かぐや姫!』や『パリに咲くエトワール』ともコラボしてほしいですね(僕ヤバは原作があるから許可取るの大変だと思う)。「マフティーがツクヨミにいるわけないだろ!」「マフティーがパリにいるわけないだろ!」 『パリに咲くエトワール』、せっかく谷口悟朗が巨大ロボットを封印して作ったのにモビルスーツの影が忍び寄りそうなの笑ってしまう。
・高村和宏監督の新作「バーテックスフォース」今年放送、メカ×美少女のオリジナルアニメ(コミックナタリー)
「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」や「ビビッドアングル」でボンクラアニメ好きたちの血を熱く騒がせたあの「高村和宏」の新作オリジナルTVアニメだって!? 唐突にえらいニュースが飛び込んできた。『ストライクウィッチーズ』や『ビビッドレッド・オペレーション』の監督として知られる高村和宏だが、元ガイナックスの社員で、アニメ版『まほろまてぃっく』のキャラクターデザインを手掛けている。初監督作品が『ストライクウィッチーズ』であり、股間描写への熱烈なこだわりっぷりから「股間督」の二つ名を持っています。ストライクウィッチーズ関連のアニメだと『ブレイブウィッチーズ』の監督もやっていますね。ただ『ルミナスウィッチーズ』は『アサルトリリィ BOUQUET』の「佐伯昭志」が担当している。股間督が最後に監督したアニメは2020年の『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』、つまり6年ぶりの新作ってわけだ。ストライクウィッチーズ関連ではない、純粋な新作という意味では2013年の『ビビッドレッド・オペレーション』以来だから13年ぶり。いやビビオペがもう13年前ってビビってしまうな。
今のところタイトルとティザービジュアルくらいしかわからないが、監督のコメントからすると「メカと美少女」を愚直に貫き通した作品のようだ。ぶっちゃけ既に時代にそぐわなくなっている印象もあるが、私も「メカと美少女」が好きな男だ。普通に期待させてもらうぜ。
・”灰の中に、なお火は燃えている――” 『影技・暁(SHADOW SKILL DAWN)』、“COMICリュウ”にて4月24日より連載開始
アイエエエエエエエエ!! 影技(シャドウスキル)の新作!? 90年代に青春を過ごしたバトル漫画ジャンキーはこのニュースにブッ魂消たことだろう。「岡田芽武」、今は「聖闘士星矢のスピンオフを描いている人」として一部の層から認知されているかもしれないが、このシャドウスキルはOVAが出たりTVアニメが放送されたりと「オタク向けのバトル漫画」として当時大きなムーブメントを起こした作品です。「刃拳」と書いて「ハーケン」、「怖鎖」と書いて「フェンサー」などネーミングはちょっとダジャレっぽいが、このへんのノリが星矢スピンオフの方でも発揮されている。
異世界を舞台に、2000年の歴史を誇る「クルダ流交殺法」と呼ばれる格闘術の使い手たちの戦いを描くバトル系ファンタジーで、「雑誌を転々としたせいで完結まで20年以上掛かった」ことでも有名です。最初は竹書房の“コミックガンマ”で連載していたのですが、同誌が休刊になり一旦打ち切り。翌年富士見書房の“月刊ドラゴンジュニア”に移籍するも、一年半ほど連載した後で休載。そこから更に講談社へ移籍し、“アフタヌーン シーズン増刊”で連載するも休刊。最終的に“月刊アフタヌーン”で連載することになるが、かなり不定期気味の連載で、10年以上掛かってようやく完結した。そして今度は“COMICリュウ”で連載するんだから、「5つの雑誌を渡り歩いた作品」ということになる。単行本も竹書房(バンブーコミックス)版、富士見書房(ドラゴンコミックス)版、講談社(過去連載の復刻)版、講談社(アフタヌーン連載)版と4種類もあってややこしい。ワケが分からなくなって途中で買うのやめた読者も結構いました。今から読み出す場合、上記のうち竹書房版と富士見書房版は無視していいです。講談社に移籍してから過去連載の復刻として出したのが『SHADOW SKILL phantom of shade』、『SHADOW SKILL black howling』、『SHADOW SKILL black wing』の3冊なんですが、これは刊行順であって、ストーリーの順番としては『black howling』→『black wing』→『phantom of shade』。『black howling』は旧シリーズ1巻と2巻の合本、『black wing』は3巻と4巻の合本、『phantom of shade』は本来5巻として刊行されるはずだった単行本未収録の連載原稿をまとめたものです。「とにかく単行本未収録のエピソードを読ませてくれ」というファンの要望に応えるために『phantom of shade』を真っ先に出したわけですね。
で、アフタヌーンでの連載をまとめたものが『SHADOW SKILL』(全11巻)です。「1巻」と書いてるから「ここから読み出せばいいのか」と勘違いしそうになりますが。実際は6巻か7巻に相当する内容である。斯様に詳しい事情を知らない読者に対しては不親切な売り方をしており、新規があまり入って来ず、連載の終盤はコアなファンしか残っていなかった印象があります。電子版が販売されていた時期もありましたが、講談社から権利を引き上げたのか現在は電子書籍を購入することはできません。『暁』の連載が始まったら徳間で出すのかな? 何せ20年以上やってた作品だから絵柄の変遷が激しく、最初の巻と最後の巻では同じキャラでも別人にしか見えない。岡田芽武はもともと描き込みの細かいタイプで、絵の癖もどんどん強くなっていったからファンの間でも「どの時期の絵柄が好きか」は意見の分かれるところだ。
さておき、新作はタイトルが『影技・暁(SHADOW SKILL DAWN)』だということ以外、ほとんど謎に包まれています。「暁」という言葉の印象からすると前日譚か? 主人公「ガウ・バン」の師匠にして姉のようなポジションの「エレ・ラグ」の過去編とか……でもエレの出自はだいたい判明しているし、今更過去編をやるか? という疑問はある。エレをメインにしつつ、本編に出て来なかった過去の闘士を掘り下げる可能性もありますね。クルダ流交殺法は前述の通り2000年の歴史があり、その技を継ぐ闘士(ヴァール)の中でも特に優秀な者を修練闘士(セヴァール)と呼ぶのですが、ガウが第60代修練闘士でエレが第59代修練闘士。エレが過去の記憶を辿り、『修羅の刻』ばりに歴代の「第〇代修練闘士」を追想していく連作という可能性もあるかな。
シャドウスキル、バトル物としては今でも面白いしカッコいいと思っているけど、後半のストーリーは超常的な展開が目立つし、「ヒロイン・エレの驚くべき出生の秘密とは?」とか「主人公の実の父親が世界に混乱をもたらす元凶なので打ち倒さねばならない」とかいった具合にファミリーヒストリー方向へ話が進んでしまうため、物語としての爽快感は失われてしまった印象がある。『暁』はそこらへんも立て直してほしいところだが、いったいどうなることやら。
・アニメ『PSYREN -サイレン-』2026年10月に放送決定!新ビジュアル解禁、「原作の最後」までアニメ化することも発表(電ファミニコゲーマー)
「原作の最後」まで、つまり「俺たちの戦いはこれからだ!(完)」みたいな終わり方はしないと知ってまずはひと安心。そして次の心配は「いったい何クールでやるつもりなのか?」ってことですね。『PSYREN -サイレン-』の原作は全16巻、ジャンプ漫画はだいたい1クールに4、5巻分の原作を消費するのでゆっくりやれば4クール、やや駆け足気味に行けば3クールってところでしょうか。しかしこれはあくまで「理想の尺」であって、『PSYREN -サイレン-』クラスの知名度だといろいろ削って2クールに押し込む可能性も捨て切れません。さすがに1クールで原作の最後までやることはないと思うけど……そんなことしたら話が無茶苦茶になっちゃ……うっ! 覇穹……? なんだか嫌な言葉が脳裏をよぎったが、気のせいでしょう、きっと。
・アニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』、「Anime Trending Awards」にて「アニメ オブ ザ イヤー」受賞&8冠達成。映画『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』も「アニメ ムービー オブ ザ イヤー」に輝く(電ファミニコゲーマー)
この「Anime Trending Awards」というの、アメリカのアニメファンが集まって投票して決める、SFの「ヒューゴー賞」みたいな……日本だと「星雲賞」のようなポジションの賞らしい。今回が12回目ということで、初の開催は2015年(対象の作品は2014年のアニメ)、初代「アニメ オブ ザ イヤー」は『残響のテロル』です。日本だとそこまで大きく評価されていない作品ですが海外では人気があって、フランスでも賞を獲っていたりと、MAPPA人気の礎になっている。他、歴代のアニメ オブ ザ イヤーを列挙していくと『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続』、『夏目友人帳 伍』、『月がきれい』、『宇宙よりも遠い場所』、『ヴィンランド・サガ』、『アクダマドライブ』、『フルーツバスケット The Final』、『ぼっち・ざ・ろっく!』、『天国大魔境』、『葬送のフリーレン』、以上です。調べて初めて知ったけど、『葬送のフリーレン』の英題って "Frieren: Beyond Journey's End" なのか……「葬送」のニュアンスを翻訳しにくいから、「冒険の旅が終わった後の物語」という点を強調しているのね。『天国大魔境』は "Tengoku-Daimakyo" 、『月がきれい』は "Tsuki ga Kirei" と、そのまんま過ぎて笑った。
どちらかと言えば「リアリティーのある現代物や、重厚感のある歴史物・ファンタジー物、あるいはセンスの炸裂しているアニメが人気」という傾向の賞なんで、こういう「熱さ」とか「爽快感」を売りにしたスポ根路線のアニメが評価されるのは珍しい、と海外でも話題になっている模様だ。しかも年間最優秀賞(アニメ オブ ザ イヤー)だけでなく、部門賞も7つ(女性キャラクター賞「オグリキャップ」・男性サブキャラクター賞「北原穣」・女性サブキャラクター賞「ベルノライト」・ベストスポーツアニメ大賞・ベスト脚本賞・ベストアニメーション大賞・ベストキャラクターデザイン大賞)獲得しており、「8冠アニメ」となっています。「むしろ獲れなかった部門は何なの?」と逆に気になりますが、このへんは「ジャンル賞」と「非ジャンル賞」に分けて考える必要があります。
「ジャンル賞」はスーパーナチュラルアニメ(『ダンダダン2』が受賞)、日常・青春アニメ(『その着せ替え人形は恋をする Season 2』が受賞)、SF・メカアニメ(『Dr.STONE SCIENCE FUTURE』が受賞)、恋愛アニメ(『薫る花は凛と咲く』が受賞)、ミステリー・サスペンスアニメ(『薬屋のひとりごと 第2期』が受賞)、音楽アニメ(『ロックは淑女の嗜みでして』が受賞)、ファンタジーアニメ(『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season「反撃編」』が受賞)、ドラマアニメ(『タコピーの原罪』が受賞)、コメディアニメ(『SPY×FAMILY Season3』が受賞)、アクション・冒険アニメ(『僕のヒーローアカデミア FINAL SEASON』が受賞)です。この中だとシングレは「ドラマアニメ」部門で3位でした。
「非ジャンル賞」で逃したのは、エンディングテーマソング賞(『その着せ替え人形は恋をする Season 2』の「Kawaii Kaiwai」が受賞)、オープニングテーマソング賞(『よふかしのうた Season2』の「Mirage」が受賞)、女性声優賞(『薬屋のひとりごと』の「猫猫」役として悠木碧が受賞)、男性声優賞(『薬屋のひとりごと』の「壬氏」役として大塚剛央が受賞)、声優キャスティング賞(『Re:ゼロから始める異世界生活 3rd season「襲撃編」』が受賞)、サウンドトラック部門最優秀賞(『薬屋のひとりごと 第2期』が受賞)、背景・美術部門最優秀賞(『薬屋のひとりごと 第2期』が受賞)、オリジナル脚本賞(『全修。』が受賞)、ベストエピソード演出・絵コンテ賞(『タコピーの原罪』の1話目が受賞)、カップル・オブ・ザ・イヤー賞(『薫る花は凛と咲く』の「紬凛太郎&和栗薫子」が受賞)、男性キャラクター賞(『薬屋のひとりごと』の「壬氏」が受賞)。原作付き以外が対象となる「オリジナル脚本賞」、恋愛要素がないと選ばれにくい「カップル・オブ・ザ・イヤー」、そして「男性キャラクター賞」は主役級の男キャラがいないため無理でしょうね。女性声優賞とエンディングテーマソング賞とサウンドトラック部門では2位だったから「10冠」以上という栄光の可能性もうっすらと見えている状態でした。あと「年間アニメ映画大賞」というのもあって、こちらも当然ながら選外だったのですが、代わりに『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』が受賞している。つまり、30ある部門のうち9つ、1/3近くをウマ娘関連のアニメが占める結果となったわけだ。Umazing!
過去の最優秀賞アニメだとぼざろが8部門獲ってたので最多タイ。他はフリーレンが6部門、天国大魔境が5部門といった具合。最低でも何らかのジャンル賞を制していなきゃ最優秀賞に選ばれることはまずないため、過去の最優秀賞アニメは最小でも2部門を受賞しています。後から新設された部門もあるので、過去の受賞作と比較するのはあんまり適切じゃないかもですが。しかし、こうして過去の受賞リストを眺めると、「作品人気とキャラ人気って結構乖離してるんだな」というのが見て取れる。たとえば俺ガイル続は最優秀賞を獲っている割にキャラクター賞では一つも選ばれていない。同じ年の男性キャラクター賞は『食戟のソーマ』の「幸平創真」、女性キャラクター賞は『赤髪の白雪姫』の「白雪」、カップル・オブ・ザ・イヤーは『赤髪の白雪姫』の「ゼン&白雪」です。これだけキャラ人気あるのに『赤髪の白雪姫』が最優秀賞じゃないの? と不思議になりますが、シナリオや作画込みの評価で俺ガイルが上回ったってことなのかな。あと「ギャグが面白く、曲も良くて、青春ストーリーとしての完成度も高い」ことでコメディアニメ賞と音楽アニメ賞と日常・青春アニメの3部門を制したぼざろも、意外なことにキャラ部門では選ばれていません。同年の女性キャラクター賞は『その着せ替え人形は恋をする』の「喜多川海夢」、女性サブキャラクター賞は『サマータイムレンダ』の「南方ひづる」。最優秀賞を獲ったうえでキャラ部門を3つも制しているシングレの方が珍しいんです。
シンデレラグレイ、「日本の競走馬をモチーフにしたスポ根アニメ」というマニアックな題材だったせいもあって、放送前の注目度はかなり低かった。海外でもこれまでの『ウマ娘』シリーズのアニメは配信されていたが、前提となる競走馬の知識が共有されていなかったため、観ている人が少なかったんです。いざ放送が始まっても色物扱いでなかなか人気が伸びなかった。しかし、カサマツ編が終わるあたりから口コミでじわじわと広まり始め、6月にウマ娘のアプリのグローバル版が配信開始したことで一気に人気が爆発。空前のウマ娘ブームが到来しました。「地方から中央へ駆け上がっていった『オグリキャップ』というシンデレラ」を描いたアニメが、日本から世界へと羽ばたいていく、二重の意味での「シンデレラ・アニメ」となったのだ。『新時代の扉』が人気を博したのもシングレの影響が大きい。アメリカでは劇場公開ナシでいきなり配信されたんですけども、「どうしても映画館で観たい」と嘆願するファンたちの期待に応えて全米600館という、向こうの感覚としては小規模なスクリーン数で上映されました。
「分割だったけど1クール目と2クール目が同じ年に放送された」というのも功を奏したかな。分割形式で年を跨いじゃうと、こういう年間アワード的なものからは評価されにくくなりますゆえ。3クール目以降の放送がいつになるか、現時点ではまだわかりませんが、これだけ人気があればアニメの続編はほぼ確実に制作されるでしょう。アニメは「白い稲妻篇」、単行本で言うと8巻までやったので、3クール目から「永世三強篇」に入る。単行本は全23巻だから、このペースならアニメは全6クールで綺麗に収まりそうですね。全体でざっくり70話くらいになるのかな。逆に言えば、ここまで人気が出てなきゃ最後までアニメ化するのは「難しい」と言わざるを得なかっただろう。ホント、原作もアニメも好きな人間としては「人気が出てよかった」の一言に尽きる。どうかゴールまで駆け抜けてくれ、オグリキャップ。
・映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』観た。
久々に新規IPの洋画でヒット作になりそうだ、と話題になっている映画です。原作は「アンディ・ウィアー」、『火星の人』(映画版の邦題は『オデッセイ』)を書いた小説家。デビュー作の『火星の人』とこれの間に『アルテミス』という月面都市を舞台にした作品があるため、長編小説としては3作目に当たる。日本では2021年に単行本として翻訳され、ベストセラーに。なかなか文庫化されなかったが、今年の1月にやっと「ハヤカワ文庫SF」入りを果たした。映画化に合わせてのものだと思います。しかし5年近くの間に紙やら何やらが高騰していたため、本体価格2100円が1500円と、価格差が600円しかない状態に……4月以降はもっと値上がりする、という噂もあるからいずれ「単行本と文庫版の価格が一緒」の作品とか、逆転する作品すら出て来るかも。
原作小説は「ネタバレ厳禁」という触れ込みで、ほとんど内容に言及せず布教活動が行われたことで有名です。私もセールの時に購入したけど、結局読まないまま映画公開の日を迎えたので内容についてはほとんど知らなかった。まぁ「宇宙に出る話」だということと「ファーストコンタクト物」だということは漏れ聞いていたし、ドムドムハンバーガーと映画公式がじゃれ合っていたから「アレ」が出てきた時に「あっ、Xで見たやつだ」となっちゃったけど。愛読者たちがネタバレを避けようとあまりにも頑なに詳細を話そうとしないものだから、原作者のアンディ・ウィアーも痺れを切らして「そこまで神経質にならなくていいよ、本書の肝はそこじゃないんだから」と苦言を呈したほどです。今回の感想はネタバレに気にせず書いていくので、これから原作小説読むつもりの方やまだ映画を観に行ってない人はご注意ください。
「ライアン・ゴズリング」演じる主人公は記憶喪失に近い状態で目を覚ます。何か機械に囲まれて、点滴の管や電極やカテーテルが山ほど付けられている。ここはどこだ? いったい何があって自分はここで眠っていた? ワケが分からないゴズリングは、「病室」を抜け出し、まるで潜水艦の出入口みたいなハッチを空けて「答え」を探そうと歩き回る。そして気付く。ここは……宇宙船だ! ぼくは宇宙にいる! しかもぼく以外の乗組員(クルー)は全員死亡している! 船のコンピュータへ向かって「ヒューストン(NASA)に繋げ」と命令するが、「範囲外だ」とにべもなく断られる。せめて現在位置だけでも知ろうとマップを表示させたところ、画面に映し出された宇宙図は、ただただ広大な「虚空」。目印らしいものが何もなかった。おいおい、まさかここは海王星のあたりだとでも言うんじゃないだろうな、と愚痴りながらマップを縮小させて地球を見つけようとするゴズリング。やっとの思いで「地球(アース)」を発見するが、同時に残酷な事実も知ってしまう。海王星どころではない、ここは太陽系の遙か外だ……! 窓の外に見える太陽は「太陽のような別の恒星」だったんだ!
と、こんな具合でストーリーはいきなりクライマックスから始まる。記憶が混濁していたゴズリングは徐々に経緯を思い出していきます。作中の世界では金星から太陽にかけて帯のような赤外線、通称「ペトロヴァ・ライン」が発見された。その正体は宇宙微生物「アストロファージ」、こいつらは太陽のエネルギーを喰って活動し、取り込んだエネルギーを放出して移動する。このまま放置すれば太陽の放つ熱エネルギーが減少し、あと30年かそこらで地球は氷河期に突入してしまう。アストロファージは観測範囲内のあらゆる恒星を侵蝕していたが、唯一、地球から11.9光年離れたくじら座の恒星「タウ・セチ」だけ汚染されていなかった。普通ならそんなところまで行く手段などないが、皮肉なことに、採取したアストロファージが優秀な燃料として機能するため「片道なら」赴くことが可能となる。地球を救うための、帰還不能なミッション。自分がそれに参加していることを知り、途方に暮れるゴズリングだったが……と、ここからストーリーは更に二転三転していくことになります。
観た時、真っ先に浮かんだ言葉が「敵は出て来ないけど仲間が全員死んでいる『宇宙戦艦ヤマト』」だった。たった一人でコスモクリーナーのような物を探し出し、それを地球に届けないといけない。「コスモクリーナー的な何か」を地球に送るための探査機(プローブ)は搭載されているが、生命維持装置なんて積んでいないから自分がそれに乗って帰ることはできません。死んだロシア人クルーがこっそり船に持ち込んでいたウォッカを痛飲しながら現実逃避を図るゴズリングくん。そんな彼の前に、アストロファージとは別の地球外生命体、平たく書けば「異星人」の知性体が接触してきます。原作は文庫本で上下合わせて900ページくらいあり、この異星人(主人公が付けた名称は「エリディアン」)は上巻の終わり頃にやっと登場するので「えっ、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』ってそういう路線の話だったの!?」と驚愕する読者が続出して「ネタバレ厳禁」と通達が出回ることになったわけだ。「己以外が全滅したヤマト」とも言うべき悲愴すぎるシチュエーションが一転してファーストコンタクトSFに変貌するので、「そこのサプライズが肝」と受け取る読者が多かったんですね。でもアンディ・ウィアー的には「そのへんは『前提』であってサプライズではない」と、過度なネタバレ禁止の風潮にNOを突きつけました。なので主人公と接触したエリディアン、個体名「ロッキー」の魅力について語っていきます。
ロッキーは「見た目が岩のようだから」という理由でネーミングされており、その外観はカニとクモを掛け合わせたような五角形で五本脚の外骨格生物です。アニメファンには「タチコマ」と表現すれば伝わるだろうか。最近の作品で言うと『アポカリプスホテル』に出てきた「ハエトリロボ」がちょっと似てるかも。ロッキーは人形劇が好きなのか、主人公を模した人形を作ってそれを動かし、意思疎通しようとしてきます。「言葉の通じない異星人とどうやって分かり合うか」が本作の見所なわけですが、映画は尺の都合もあってあっという間に翻訳機が完成してしまうから少し拍子抜けではある。156分と、標準的な映画に比べて結構長い部類の作品(『オデッセイ』の上映時間は142分、ただし後のエクステンデッド・エディションで10分くらい追加された。ちなみにSF映画の中でも「長い話」として印象に残っている『インターステラー』が169分)であるが、文庫で900ページくらいの内容を圧縮しているからダイジェスト感は否めない。ゴズリングとロッキーの種の垣根を越えた友情が見所の映画なんで、SF版『最強のふたり』が観たい人にはオススメ。
余談ながら、ロッキーはCGではなく、それこそ人形劇のように操演しているそうです。操演の様子が映っている公式動画はこちら。ぶっちゃけ映画の世界に没入していたからCGかどうかなんてイチイチ考えてなかった。逆に言えば「CGか否かなんてことが気にならなくなるレベルの自然な動き」。子供の頃に観ていたらロッキーに夢中になって、ロッキーのオモチャやぬいぐるみをせがんでいたかもしれません。カットされた要素があまりにも多くて原作ファンからは不満の声も出ているようですが、「まだ原作読んでない」方は映画観てから読むかどうか検討しても大丈夫だと思います。私は今原作を読み進めていますが、映画の知識があるぶんスイスイ読めるし「こんな要素があったのか!」と新鮮で面白い。あくまで映画は「ヘイル・メアリーの入門用」と割り切った方がいいかも。あ、そういえば書き忘れていたが、タイトルの『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は日本語に訳すと「神頼み計画」。英語圏では「アヴェ・マリア」のことを「ヘイル・メアリー」と呼ぶので、ニュアンスとしては「どうかお助け下さい、マリア様!」ぐらいの意味です。日本語圏で近い言い回しとしては「南無三!」とか「南無八幡大菩薩!」とか「神様、仏様、〇〇様!」かな。「ああっ女神さまっ作戦」と意訳している人もいて笑ってしまった。「一発逆転」とか「イチかバチか」みたいな、もはや神仏に祈ってか細い希望に縋るしかない苦境へ追い込まれた人類の切羽詰まり具合を表現したタイトルなんですが、英語圏以外では伝わりにくいのが難点か。
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管理人:焼津