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あんまり扉を信用しない方がいい。
"こちら"と"むこう"で、
どれだけの違いがあるのやら。
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・テキスト ―― 『Dies irae 〜Amantes amentes〜』のOTHER STORY(追加シナリオ)について
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リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)
2026-06-03.・アニメ化したラブコメ『幼馴染とはラブコメにならない』が目を離した隙に完結していて仰天した焼津です、こんばんは。
えっ、いつの間に?(……日付を確認……)ほんの昨日か、なんというタイミング。御存知かもしれませんが「おさラブ」は登場するヒロインが全員「幼馴染」というラブコメで、七曜(月・火・水・木・金・土・日)に因んで7名の幼馴染が恋のレースを繰り広げる。言わば『幼馴染 プリティーダービー』。アニメだと4人目が出てきたあたりで終わったのかな? 途中で「もういいや」となって見るのやめちゃったから知らないんですよね……いわゆるヒロインレース系のラブコメで、各ヒロインとの距離が縮まりそうで縮まらないもどかしい関係がずっと続くタイプの漫画だったんですが、なんと途中で主人公が「俺が好きなのは……〇〇だ」と自覚し始める。
ルート確定!? と当時の読者は吃驚しましたが、自覚しながらも「幼馴染」という関係が壊れる事を恐れてウジウジし、告白を保留にしている間に他の幼馴染に心がグラつき……と、正直「引き伸ばし」としか思えない展開が続いてイライラした。これが曲がりなりにも「えーゆー」と呼ばれる男なのか? 読んでいた私が失望する中、遂に告白する覚悟を決めて……と、ここからも話が二転三転します。ネタバレにならない範囲で語るのが難しいが、一時は「マジでハーレムエンドになるのでは?」という雰囲気が流れていた。紆余曲折の末、やっと主人公が想いを告白し、ふたりは結ばれる。5人もの負けヒロインを残して……いや、1人だけ作者が扱いに困ったというか、早々にレースから脱落したヒロインがいたんで「そもそも負けてすらいない」疑惑があるんだよな、〇〇〇〇。まぁそんな感じで4人ぐらいの女の子が「豊橋行き」になりました。昔は「滑り台行き」でしたね。負けヒロインが辛そうにしながらそれでも幼馴染という関係を守ろうと健気に涙を堪えるので、そういうのが“癖”な人にはたまらんだろうけどたぶんほとんどの人にとっては気まずい展開だな。
最終的に勝ったヒロインは結構意外だったというか……いや、詳述はよそう。とにかく大団円です。正直、「俺が好きなのは……〇〇だ」以降の展開は迷走が目立ったというか、読者の顔色窺いながら描いてないか? という自信のなさが漂っていた。特に「7番目の幼馴染」は登場が遅すぎ(全204話中186話で何の伏線もなく初登場)だったから、その後の「う〜ん」なストーリー展開も含めて「テコ入れ失敗」にしか見えなかった。7番目がもっと人気出るようなキャラだったら続いてたのかな……でもこれ以上引き伸ばされてもな、って複雑極まりない心境。割合すっきり終わったが、ラブコメ漫画としては特に名作でも駄作でもなく、「凡作のちょい上」ぐらいに収まったと思う。嫌いじゃない、でもあんまり人に薦める気もしない(読むのを制止するほどでもない)、そんなところです。
・『此方より 小林泰三未収録短編集』、7月24日発売予定。驚異の704ページ!
2020年に58歳の若さで亡くなった小林泰三(こばやし・やすみ)の未収録短編集がやっとこさ出ます。あちこちで書いていたから結構な数が存在する、という話は聞いていましたけど、まさか704ページ分もあるとは。価格も1496円(税込)とインパクトのある代物になっている。というか、まず価格の方が目に入って「うお、随分と高価いな……まぁ、昨今の情勢を鑑みると仕方ないか」と諦めつつ受け入れるムードだった(3、400ページくらいのイメージだったんで)が、ページ数確認してひっくり返りましたね。こんだけ分厚けりゃ、そりゃお値段も張るわ。『AΩ』でも500ページくらいだから紛れもなく過去最厚の著書でしょう。
やすみん(ファンからの愛称)は1995年に「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞し、翌年にこれと「酔歩する男」という作品をカップリングした単行本『玩具修理者』でデビュー。私は表題作よりも「酔歩する男」の方に度肝を抜かれ、ハマった。続けて第二作品集の『人獣細工』、第三作品集の『肉食屋敷』も刊行され、すっかり病みつきに。と言っても当時の私は高校生なので単行本は買えず、文庫化されるまでじっと待っていたからリアタイ勢ではないのですが。豚の臓器を移植しまくった「継ぎ接ぎ娘(パッチワーク・ガール)」が主人公の「人獣細工」はあまりにも先進的すぎて、未だにちょくちょく話題になる。ともあれ、「ホラー短編の名手」として名を馳せることになったやすみんですが、ミステリ寄りの『密室・殺人』やSF寄りの『AΩ』も途轍もない傑作で、多方面から引っ張りだこになります。ハヤカワや創元でもよく書いてましたね。『不思議の国のアリス』を題材にした『アリス殺し』もブレイクし、「メルヘン殺し」と銘打たれたシリーズは全世界で累計50万部を突破したと云う。作者が亡くなったこともあり、2020年の第4弾『ティンカー・ベル殺し』が最終作となってしまったが……。
多種多様な作品を手掛ける作家であったが、正直「ハズレ」と感じる作品もなくはなかったです。一冊ぐらいは具体名を挙げてしまっても構わないだろう、『ネフィリム 超吸血幻想譚』です。「最強種の吸血鬼と、それに復讐したがっている吸血鬼狩り組織の男、自ら最強種になろうと吸血鬼を喰らうべく活動しているハンターの三つ巴」という、お膳立ては非常にワクワクする一品だったのだが、ストーリーにドライヴ感がなく盛り上がりに欠いたままダラダラと進んで呆気なく幕切れ。悪い意味でB級映画チックだ。噂によると長期シリーズ化する予定だったが、あまり人気が出なかったため1冊こっきりになったらしい。吸血鬼の設定がSFっぽかったりと「面白くなりそう」な要素は多々あったものの、アクション物・バイオレンス物・バトル物としては退屈すぎた。正直、やすみんは設定監修だけやって本編は倉阪鬼一郎や田中啓文、牧野修あたりが書いた方が良かったのではないかと思う。そんな感じで「全部が全部傑作」というわけではないのだが、大半が傑作であることに間違いはないので可能なかぎり読んで欲しい作家だ。やすみんの本を一冊も読んだことがないだなんて……勿体なさ過ぎる!
・『ガンダムX』『勇者警察ジェイデッカー』などで知られる脚本家・川崎ヒロユキ氏が2026年1月23日に逝去されていたと明らかに。脚本家・小山高生氏が伝える(電ファミニコゲーマー)
訃報が相次ぐのは気が滅入るな……アニメだとガンダムXやナデシコで有名で、ライトノベルだと『はっぴぃセブン』の作者として知られる川崎ヒロユキが60歳の若さで亡くなっていたとのこと。1月なので、もう結構前の話ですね。最近は家族葬が主流で大々的な葬儀は行われなくなってきているから、訃報もだんだん届きにくくなってきました。
付き合いのあるアニメ関係者やクリエイターも多かっただけに、悲しみの声があちこちから響いてくる。『はっぴぃセブン』、電子化してないしアニメ版(『はっぴぃセブン 〜ざ・テレビまんが〜』)も今は主要動画サイトで配信されていないみたいだから触れる機会は非常に少なくなっているが、イマイチどころかイマサンだった初期のスーパーダッシュ文庫をゆうきりんの『オーパーツ・ラブ』ともども支えた功労者であった。なのに今はそのどちらも電子版すら配信されていない……単純に需要が少ないからだろうが、あのSDを支えた功労者たちに対する仕打ちがコレなのか……という想いはある。ともあれ、ナデシコの監督だった佐藤竜雄ともども雲上に旅立ってしまった川崎ヒロユキを悼みたい。どうか安らかに。
・七河迦南の『刹那の夏』読んだ。
鮎川哲也賞受賞者である「七河迦南(ななかわ・かなん)」が去年出した作品集。5つの中短編を収録している。長いものは90ページ以上、短いものは40ページ程度とボリュームは結構バラつきがある。いつもの如く積んでいた一冊だが、少し前に第26回本格ミステリ大賞の候補になった(受賞は逸した、ちなみに受賞作は笠井潔の「矢吹駆」シリーズ新作『夜と霧の誘拐』)ことで話題になったので何となく気が向いて読み出した次第である。
「刹那の夏」 ―― 表題作。これがもっとも長くて93ページあります。「現在」と「過去」、ふたつのストーリーラインが存在する形式となっているが、物語のメインは「過去」です。東京から母に連れられ、母の実家がある海沿いの田舎へやってきた少年「田宮一斗(たみや・いちと)」。彼はそこで、美しくも移り気で悪戯っぽい、妖精(ニンフ)のような少女「みずは」と出逢う……まるでKeyの美少女ゲーム(『Summer Pockets』とか)をプレーしているような気分に陥る甘酸っぱいボーイ・ミーツ・ガールを軸に、「過去」に隠された「想い」を「現在」の人々が掘り起こしていく。ジャンルとしてはミステリなんだろうが、読み口としてはやっぱりボーイ・ミーツ・ガールですね。プロローグやエピローグで、本来はわかるはずもない「想い」の一端を明け透けに書いてしまっているのでミステリとして読むとそこが瑕疵と映るかもしれない。だが、鍵ゲーをやって「夢の跡」とか「夏影」とかのBGMで泣いちゃう私のような感性の人間が読むと「何が瑕疵だ! これこそが我々の読みたかったものだろうが!」と思ってしまう。最近忙しくてノベルゲーとか全然やってないんだよな……『anemoi』も気になっているんだけど……と躊躇している方はこの「刹那の夏」を読んで「自分が鍵ゲーに求めるもの」を再確認してみては如何だろう。あ? 鍵ゲーはやったことないし特に思い入れもない? なら普通にエモい青春ミステリとしてお楽しみください。ディスカッション方式の「手探りで答えを求めていく」推理モノなんで、慣れてないとそのへんは煩わしく感じるかもしれませんね。
「魔法のエプロン」 ―― 37ページの短編、「刹那の夏」と比べて落差のあるボリュームなので少し戸惑うかも。「児童虐待の可能性がある」 市民からの通報に、「とりあえず状況を確認しよう」と市役所の福祉課に勤務する「谷口」は保健師の「小岩井」とともにアパート「川崎荘」に向かう。出てきたのはまだ小学生とおぼしき女の子、奥の方にはまだ未就学児であろう弟妹の姿もあった。「母は留守です、お帰り下さい」 にべもない言葉で市役所の介入を拒む少女、果たしてこの一室で本当に児童虐待が行われているのか……? 短いぶん、ほとんどワン・アイデアに等しい内容で読んだ人の大半はすぐに「真相」を察すると思われる。「真相」をごまかすような迷彩もあるが、そこはあまり本質ではない。タイトルの意味が判明するクライマックス、是非とも身構えて押し寄せる切なさというか「超無理限界ギリなのでした」な光景に胸震わせよう。
「千夜行」 ―― 60ページあるので、本書の中では「刹那の夏」の次に長い。作中の具体的な年代は書かれていないが、「今年の大ヒット曲、GReeeeNの『キセキ』」という記述から察するに設定上は2008年あたりだろう。山奥の施設で暮らしている少年「吉田理水(よしだ・まさみ)」、彼は中学生だった頃に「ある事件」と関わったあの夜を思い出す……母親が「彼氏」のために国外へ出ることになり、その間理水を親族が預かることになった。理水の祖母「南浦日向」は恋多き女であり、三人いる娘は全員父親が違うという。その上、娘(理水にとっては伯母)が産んだ娘と養子縁組して引き取るなどといったこともしており、家系図は複雑怪奇になっていた。表面上は明るく取り繕いながら、何かの影に怯えている叔母と従姉妹。そして、嵐とともにあの夜が訪れる……あまりにも複雑すぎるせいで途中に家系図が出てくるタイプのミステリ。ポオ、ボードレール、ワーグナーといった意匠が鏤められており、最低限「ニーベルングの指環」の概要を知らないとチンプンカンプンかも。私は『Dies irae』の時にニーベルングの内容は調べていたのであまり混乱しなかった。やっててよかった、『Dies irae』。濃密と言えば濃密な一編だが、他とはあまりにも毛色が違い過ぎるため好みは分かれるところでしょう。正直、「ストーリーありき」で登場人物を駒扱いしている印象がある。そういう意味では「人間が描けていない作品」だが、「人間が描けていない作品」上等! な私からすると充分に楽しめる内容だった。
「わたしとわたしの妹」 ―― 41ページの短編。小学校の教師「沢田冬美」は教え子の一人、「宮田麻里亜」が実は双子の片割れだった……と麻里亜の母親から明かされる。一卵性で、妹の方も「紀里絵」という名前が決まっていたが、残念ながら死産に終わった、と。話を聞いた冬美は自分の妹、「紗羽」について思い出す。一つ違いで、「姉よりも優れた妹」として母から溺愛されていた紗羽。しかし、彼女は不治の病に罹って息を引き取った。「妹」という存在に囚われている点で他人事とは思えない麻里亜を気に掛ける冬美だったが……読み口としてはミステリというよりホラーかな? 正直かなり無理のある展開だが、41ページという一気に読み切れるボリュームのおかげもあって勢いで押し切っている。個人的には嫌いじゃない。
「地の涯て(ランズ・エンド)」 ―― 37ページの短編。オホーツク海に面した北海道の町、「地の涯て(ランズ・エンド)」の弁当屋でバイト生活を続けている「わたし」。若い女性を狙った通り魔的な殺人事件が連続する中、アパートの隣室で暮らしている住人「永瀬麻世」に少しずつ惹かれていくが……この作品集、一個一個のエピソードは独立していて特に繋がりはないのだが、末尾に収録されたこの「地の涯て(ランズ・エンド)」だけは他の作品と何か繋がりがあるのでは? と疑ってしまうほど不明点が多く残ったまま幕を下ろす。確証はないけど、たぶん作者の他の作品のスピンオフなんじゃないです? 既刊は積んでいるからよくわかりません。「七河迦南と言えば七海学園シリーズ」だし、そっちの番外編かな。気になって検索してみたところ、どうやら七海学園シリーズの他に『空耳の森』とも関連があるらしい。これも積んでいる……実家に帰ったら書庫を漁らないとな。
まとめ。ノン・シリーズの作品集だと思ったら既刊の関連作だった、というオチながら既刊の内容を知らなくても特に問題ない感じだった。表題作の「刹那の夏」は鍵ゲーとか、CIRCUSの『水夏』が好きだった人には是非読んで欲しい。オススメ。
・拍手レス。
令パト、自分も観ました。完全にテレビというか配信前提の作りですね。コードギアス奪還のロゼもそんな感じでしたし、最近の劇場版はスポンサーの許可もらいために最悪配信に変わっても放送できるor配信版を出す前提で作ってる感じ。 「トレンドは第二小隊」...操縦席の様子がガンダムでいう無印からZに変わった感じでの刷新を抱く。特車二課ってこんな感じだよなって導入 「閑中妄あり」...ヘッドギアらしい話。ただ零式が普通に知名度高いのをみるに、これ劇場版の世界線かよ...まさか劇場版Uも関係してんの? 「ホンモノが一番」...ファンが一番嬉しい話。山津神に火器が装備されてなくて良かった。Oさんなら一斉斉射の可能性あったし。 多分、劇場が一番沸いたのらケルベロスパロの時。次回も押井守作品のパロやりそうな感じはしますね、立喰師列伝とかの
わたなれのネクストシャインを映画館で見た時の感覚に近かったですね。 「トレンドは第二小隊」、キャラ見せ的なエピソードながら個々の掘り下げを抑えてレイバーの活劇に焦点を当ててる感じ。街中だと迷惑すぎですね、暴走レイバー。「閑中妄あり」、新規が戸惑ったぶんだけ古参が寛ぎそうな話。新規に媚びる気ないのか? 「ホンモノが一番」、うん、わかった、新規に媚びる気0だ。ケルベロスパロといい、「再会した旧友とふざけた会話する」ノリでずっとやってるのがスゲェな、と感心しました。
2026-05-22.・『機動警察パトレイバー EZY File 1』観てきた。
「令和にあのパトレイバーが甦る!」って感じで始まった新シリーズです。全3章構成で、「File 1」が5月15日公開、「File 2」が8月14日公開予定、「File 3」は来年の3月予定でまだ具体的な日取りは決まっていません。押井守が監督した実写ドラマ版「TNG(THE NEXT GENERATION)」とはまた別系統の続編に当たる。そもそもパトレイバーは「HEADGEAR」という「ゆうきまさみ」「出渕裕」「高田明美」「伊藤和典」「押井守」の5人チームのメンバーが集まって「あーでもねぇ、こーでもねぇ」と言い合いながら内容を決めていく方式なので特定の「原作」がなく、発表された作品はどれも「微妙にパラレル」な関係になってるんですよね。たとえば「帆場」というキャラ、押井守が監督した劇場版では冒頭で身を投げて姿を消しているが、ゆうきまさみの漫画版では普通に生存している(そもそも事件に関わっていない)。「漫画版が原作で、それを元にアニメ化した」わけでも「アニメが先で、それをコミカライズした」わけでもなく、何が「正史」なのか判然としないためちょっとややこしい。まぁ、あまり細かいことは気にしなくても楽しめる作品ではあります。
「全3章構成」と書きましたが、「File 1」自体がオムニバス形式の3本立てストーリーになっており、「話の途中でブツッと途切れて『次回につづく』となる」わけじゃありません。「半端なところでストーリーが終わる」ことを心配している人は安心してください。収録エピソードは「トレンドは#第二小隊」「閑中妄あり」「ホンモノが一番」。ちなみにFile 2とFile 3の収録タイトルも公表されていて、ついでに書いておきますと前者は「ワインと銃弾」「あさき夢みし」「恋のサバイバル」、後者は「おもちゃの国・前編」「おもちゃの国・後編」で、File 3のみオムニバス形式ではなく1本で連続したストーリーとなっています。ハッキリ言って「映画らしい雰囲気」はなく、「これ、もともとはTVシリーズの企画だったのでは?」と勘繰ってしまう。明らかに「ここでCMが入るな」というシーンあったし。最近は波代(放送権料)も高くなっているというし、どの局もいろんな企画でギチギチになってるから枠が取れなかったとか、そんな事情かしら。
各エピソードのストーリーは良くも悪くも「しょーもない」感じなので、あらすじとかは省略します。OVAやTVシリーズを観ている人にとってはほぼ「いつものノリ」で通じると思う。劇場版しか観てない人は戸惑うかもな、「パトレイバーってこんな巫山戯た話もあるの?」って。パトレイバーは基本的に「悪ふざけ」を堂々と行う作風なんですよ。「ラストのアレ、『ケルベロス 地獄の番犬』を知らない人が観たらどんな気持ちになるか」とか、そういう配慮は一切ない。内輪ウケを狙ったようなテイストの強さは平成通り越してもはや昭和だ。今回は出渕裕がメインですが、ゆうきまさみっぽさも濃い目なのでコミック版レイバーが好きな人にはオススメです。
ちなみに、無印の『機動警察パトレイバー』はだいたい西暦1990年代後半からゼロ年代前半にかけての出来事という設定になっていますが、TNGは西暦2013年、このEZYは「パンデミックの10年後」で西暦2033年が舞台となっている。劇パト2が「2002年の冬」なんで、その30年後ですね。テクノロジーが進歩し過ぎたせいか、旧来のパトレイバー作品にあった「未来感」が薄まり、むしろレトロな雰囲気さえ漂っているのは「オッサンに優しい」仕様だけど若者には煙たがられるところかもしれない。少なくとも、このEZYをキッカケにヤングな新規が増えるイメージは湧きません。なんていうか、昔はレイバーがデッカい銃をバンバン撃つシーンに興奮していたのに、それよりも出動要請を受けて輸送車に横たわったレイバーを公道で運ぶシーンの方にワクワクしちゃっている自分に気づき、「私もトシを取ったな……」と痛感しました。レイバーが大捕り物を繰り広げる光景にリアリティは感じないが、「レイバーの輸送車が公道を走ってる」様子にはどこか現実と非現実の境目みたいなものを感じてクラクラするんですよね。模型とはいえ「実物大のイングラム」が存在するせいもある。キャラはCV.上坂すみれの「久我十和(くが・とわ)」が好戦的かつ猪突猛進なキャラでカッコいい&可愛い。ただ、イケメン俳優をレイバーの中に引きずり込んでムフフ……というシーン、男女が逆だったらコンプラ的に完全にアウトで炎上してただろうな、
・映画『コート・スティーリング』を視聴。
『レクイエム・フォー・ドリーム』、『レスラー』、『ブラック・スワン』などを手掛けた「ダーレン・アロノフスキー」監督による新作。1998年のニューヨークを舞台に、映画『エルヴィス』でエルヴィス・プレスリーを演じた「オースティン・バトラー」が主役となって血腥いドタバタ劇を繰り広げる。公式のキャッチコピはー「マフィアもネコも、バッチこい。カオスが嵐を呼ぶ!破天荒アクション・クライムムービー!」 これで「バッチリ内容が伝わってきた」という人が居るならスゴいと思う。
かつてはドラフト候補になるほど将来を嘱望された野球少年だったが、交通事故を起こした事によりその夢を断たれた「ハンク」こと「ヘンリー・トンプソン」(ハンクはヘンリーの愛称)。今はニューヨークの下町にあるバーでバーテンダーとして働きながら恋人の「イヴォンヌ」とそれなりに幸せに暮らしていた。しかし、「数日だけ面倒を診てくれ」と飼い猫を押し付けて去っていった隣人のパンクロッカー「ラス」がマフィアの連中と揉め事を起こしたらしく、「ラスの居場所を吐け!」と凄むチンピラたちによってハンクはボコボコにされてしまう。チンピラどもは「何か」を探しているようで、家主(ラス)不在の隣室を執拗に荒らして回った。「まったく、無関係な俺がなんでこんな目に遭うんだよ」 愚痴りたくなるのもやまやまなハンク。彼はある日、押し付けられた猫「バッド」の猫砂トイレから「いかにも」って感じの鍵を発見して……。
この「鍵」を巡ってストーリーが展開していくことになります。とにかく主人公が無思慮で、後先考えない軽率な行動をしてはピンチに追い込まれる、という愚挙を繰り返す。主人公に知性を求める方が鑑賞するとイライラすることしきりでしょう。マフィアにボコられたせいで腎臓の片方が破裂し、腎機能が著しく低下したため「酒は飲むな」と言われていたのにそんなことも忘れたかの如く泥酔、そして肝心の鍵を失くしてしまう……と、もうこの時点で既にどうしようもない。この映画、分類上はクライム・サスペンスではなくブラック・コメディになるらしい。
やがて「最初の死人」が出て、いよいよハンクは引き返せない泥沼に足を突っ込んでしまう……と、この段階に入ってからが本番なのですが、ここから人が死にまくる。とにかく死にまくる。溜めとかなく一瞬で呆気なく人命が散る。無常感がスゴいので、そういうのが好きな人にはオススメです。ただゴア描写は少なめなので、そっち方面を期待すると肩透かしかも。
タイトルの「コート・スティーリング」は野球用語、日本語で言うと「盗塁死」(走者が盗塁を試みて失敗しアウトになる)に当たる。「コート(Caught)」はキャッチ(Catch)の過去形で、「スティーリング(Stealing)」は盗む(スティール)のing形。慣用句としては「一発逆転を夢見て勝負に出た結果、失敗する」くらいのニュアンスです。果たして元野球少年のハンク、ドタバタ騒動の末に盗塁成功なるや否や。個人的にはハンクの働き先であるバーの店長がなかなかキャラ濃くて好きです。
・拍手レス。
さすおにの劇場版は舞台挨拶中継で観ましたが、キャストのみなさんネタバレとかそんなん必要ないくらいの時間たってるのに、内容にはほとんど触れずというか敢えて触れない感じになってるのが笑えましたね。タイトルは四葉継承編とか分かりにくいのではなく、『キモウト本懐編』とかの方が良かったんじゃないか?果たしてどこまで原作を映像化できるのか?とあるシリーズと同じく電撃の長寿作品だから気になります
「四葉継承編」の方が原作ファンにとってはわかりやすいからそうしたんでしょうが、新規を引き込むつもりなら「実妹大勝利!希望の未来へレディ・ゴーッ!!」くらい露骨にすればよかったのに。まぁ新規の取り込みはほとんど期待してないんでしょうね。とりあえず無印の範囲(高校卒業)まではやると思いますが、乱立するスピンオフや番外編に関してはどうなんだろうな……リゼロでさえ番外編のほとんどがアニメ化されていないことを考えると厳しそう。
2026-05-11.・『劇場版 魔法科高校の劣等生 四葉継承編』観てきた焼津です、こんばんは。
TVシリーズは正直来訪者編あたりでタルくなって、『魔法科高校の優等生』も「これわざわざスピンオフとしてやる必要ある?」な内容にウンザリして観るのやめてしまったけど、四葉継承編は原作でも好きなエピソードなので「劇場クオリティで鑑賞できるなら……アリか」と足を運んだ次第です。ちなみに2017年の『星を呼ぶ少女』も映画館で観ています。
さておき、短編集である『魔法科高校の劣等生SS』を除いた原作本編の16冊目「四葉継承編」を映画化したものです。この前のエピソードが「古都内乱編」。『魔法科高校の劣等生』はアニメの1期目(全26話)が原作で言うと「入学編」「九校戦編」「横浜騒乱編」で7巻までの内容、2期目(全13話)が「来訪者編」で9巻から11巻まで、TVSPの「追憶編」が原作8巻、3期目(全13話)が「ダブルセブン編」「スティープルチェース編」「古都内乱編」で12巻から15巻までの内容となっている。前の劇場版『星を呼ぶ少女』は1期目と2期目の間に公開されたのに作中の時系列では「来訪者編」の後、というややこしい仕様だった。「来訪者編」は達也たちにとって1年生時代最後のエピソードで、『星を呼ぶ少女』は2年生に進級する直前、春休みの出来事を描いている。
ハッキリ言って『魔法科高校の劣等生』の人気のピークは1期目を放送していた頃なので、「学園モノなのにバンバン人が死にまくる」「隙あらばさすおに」「深雪(ヒロイン)のブラコンぶりが可愛いを通り越して、もはやおぞましい域」みたいなことは知っているけど、2期目や3期目は観てないor内容覚えていない……って方もおられるでしょう。大丈夫です、今回は達也たちが自身らのルーツである「四葉家」(イメージ的には魔法ヤクザ)に対峙していくというファミリーヒストリーめいたエピソードであり、1期目の内容を大まかに覚えていれば充分。できれば「追憶編」ぐらいは観ておいて欲しいが、2期目や3期目を無理して観る必要はナシ。四葉家の次期当主候補として最有力視されているのが「司波深雪」、達也の妹です。当主に選ばれたのなら、責務を果たすため可及的速やかに婚約者を宛がわれ、その胎で跡継ぎを作ることになるだろう。ブラコンの深雪、遂に兄離れして婚約→結婚→妊娠→出産→子育ての人生コンボを決めなければならなくなるのか……!?
この映画の焦点は「結局、達也と深雪はヨスガるのか否か?」なので「四葉継承編」ならぬ「ヨスガ継承編」と思っていただきたい。表面上は「仕方ない、お兄様への想いを潔く諦めよう」と振る舞う深雪ですが、本心では兄と結ばれたい気持ちがいっぱいで破裂しそうになっており、内面世界でコンフリクトが発生する。本音でズケズケと「お兄様から女として愛されたい!」って叫ぶド直球正直深雪、タイミングがタイミングだけに「Yachi8000」ならぬ「Miyu9000」という言葉が浮かんで笑ってしまった。相変わらず「シリアスな笑い」が多い作品なので、劇場で噴き出さないように注意しましょう。メロドラマみたいな空気が流れているシーンの後ろでお兄様たちがドラゴンボールめいた高速バトル繰り広げてるの、完全に笑わせに来てるだろ! さすがに劇場版だけあってアクションシーンの作画はスゴかったが、やってることは完全に内輪揉めなのでバトル物として盛り上がるかというと微妙。端的に書くと「絶対に笑ってはいけない広域指定暴力団・四葉組新春内輪揉めプロレス大会」なんですよね。このプロレス大会、半端ない死人が出てるんだけど、四葉家の力を以ってすれば隠蔽できるんだよォ!(OH、テリブル四葉!)
ネタバレにならないギリギリのラインで申し上げると、「フランケンシュタインの怪物とその花嫁」みたいな話になっていますので、やや歪な「割れ鍋に綴じ蓋」系ロマンスが好きな人にはオススメです。原作知識がないと冒頭の襲撃シーンは「いったい何の何?」と戸惑うかもしれませんが……確か原作の8巻、「追憶編」の後に収録されていた短編が大元だったかな? 達也たちの叔母である「四葉真夜」が「大漢」という国の「崑崙方院」なる機関に拉致された事件が発端。公式年表の「2062年」に書かれている出来事です。映画ではボカされているが、複数の男から性的暴行も受けている。当時の真夜はアイドルみたいな存在で、攫った崑崙方院の連中もテンション上がり過ぎてヤり過ぎちゃったんでしょう。まだ中学に上がったばかりで12歳だった真夜は三日三晩体中をいじくり回され、子供を産めない体となってしまう。心に深い傷を負って精神崩壊寸前の状態に陥った彼女だが、双子の姉(達也たちの母)である「四葉深夜」は稀少な精神操作系の魔法士だったこともあり、壊れかけていた真夜の精神構造(主に「認識」に関わる部分)を改竄してしまう。これによって真夜は記憶こそ連続しているものの人格の激変した、ある意味で「転生体」とも言うべき精神的キメラに化してしまった。娘をオモチャにされてトサカに来た当主(深夜と真夜の父)は有志を募って2063年に崑崙方院へ特攻、退路を断った背水の陣により当主含む30人の決死隊は全滅するが、引き換えに大漢の中枢である崑崙方院は4000人もの重要人物を喪って崩壊。翌年2064年に大漢の名も世界地図から消滅しました。以降、四葉家は「ブチ切れたら国ごと亡ぼすやべー連中」「安易に手を出しちゃいけない一族(アンタッチャブル)」として国内からも国外からも恐れられることになる。この、原作読んだ時からずっと「映像化されねぇかな〜」と願っていた「大漢ブッ潰しRTA」を劇場の大スクリーンで観ることができたから大満足です。
・アニメ監督の佐藤竜雄氏が逝去。『機動戦艦ナデシコ』や『ねこぢる草』『モーレツ宇宙海賊』などの作品で監督を務めた(電ファミニコゲーマー)
そんな……サトタツが……!? 『飛べ!イサミ』や『機動戦艦ナデシコ』で有名なアニメ監督です。ナデシコは当時「エヴァの後釜に座れるかもしれない」と言われるほど人気のあった作品で、TVシリーズが結構半端なところで終わったり、劇場版で大幅にキャラデザが変わったうえ本編主人公の「テンカワ・アキト」が闇堕ちしたりと様々な点で話題になったが、なぜか90年代のうちにほとんどの展開が終了して続編アニメやスピンオフアニメが出る事はなかった。「何か複雑な事情がある」「監督のサトタツは続編を作りたいと思っている」と囁かれていたものの、事情がどうあれ「サトタツの手による続編」はもう幻となってしまったようだ。
個人的には『宇宙のステルヴィア』も好きでしたね。昔の皆さん、ありがとう。地球は元気です。私もなんとか元気です、今は西暦2356年……(空を仰ぎ 星よ満ちて飛び立つの 明日への brilliant road 心の蒼さ この手に抱いて go far away)。ステルヴィアもなんか複雑な事情があったらしく続き出なかったですね。サトタツ監督は小説原作のアニメもいくつかやっていて、笹本祐一の『ミニスカ宇宙海賊(パイレーツ)』をアニメ化した『モーレツ宇宙海賊』(「ミニスカ」は商標か何かに抵触するため番組名として使えなかったらしい)はタイトルの間抜けさに反してそれこそ猛烈に面白かった。声優の「みかこし」こと小松未可子の出世作でもある。2014年放送の『魔弾の王と戦姫』は未だに語り草となっている「ムオジネルダンス」など、アニメとしての出来は決して褒められたものじゃなかったが、キャラデザは結構好きだった。嗚呼、「ご冥福を」だなんて決まり文句言いたくないよ。ナデシコやステルヴィアの続編が観たかった……。
・かわいいヤンデレ悪魔との“飲みサバイバル”ゲーム『PUKEY GODDESS SHOT TRICK』ウィッシュリスト件数が20万件を突破。殺したいほど愛してくる悪魔相手に、お酒のロシアンルーレットを行う話題作(電ファミニコゲーマー)
最近やたらSNSでファンアートが流れてくる「ピンク髪の酒カス巨乳悪魔」こと「ファム・スール」の出演作。キャラデザの秀逸さもさることながら、「崩し」が上手いんですよね。『超かぐや姫!』の日常パートといい、漫画的・アニメ的な「絵の崩し方」には独特の快楽があると思います。ファム・スールを演じる声優は「ななひら」、ニコニコ動画出身の歌い手で、分類上は「同人声優」になるのかな? 17年ほど前にルイズコピペを読み上げる動画で話題になった模様。買うかどうかはわからないけど、私もとりあえずウィッシュリストに入れておきました。Steamのウィッシュリストはセールが来ると毎回メールで教えてくれるのがいいですよね。迷ってまごまごしているうちにセールが終わっちゃうのも「いつもの事」ですが。
・作家の鈴木光司さん死去 68歳、ホラー小説「リング」「らせん」(朝日新聞)
サトタツに続いて鈴木光司の訃報まで舞い込んでくるとは……言わずと知れた『リング』の原作者であり、ジャパニーズ・ホラーにおけるクリーチャーの代名詞「貞子」の生みの親です。『リング』はもともと第10回横溝正史賞(現在の横溝正史ミステリ&ホラー大賞)へ応募した作品で、完成度こそ認められたものの選考委員から「明らかに推理小説ではない」「怪奇の方向に寄り過ぎて超常現象ノベルになっている」と評価されず、受賞は逸した。最終候補止まりではあったが、「このまま埋もれさせるのは惜しい」ということで賞の結果が発表された翌年の1991年に単行本として書籍化された。ちなみに同じ回の最終候補作である吉村達也の『ゴーストライター』は1990年に新書サイズで発売されている。ハードカバーで刊行された『リング』はさほど売れず「一部のマニアから『無名の傑作』として支持されている」程度だったが、1993年に文庫化したあたりから売れ始め、1995年のテレビドラマ化を経て1998年の映画化で大ブレイク。ちなみに「テレビ画面から貞子が這い出して来る」という有名なシーンは映画版のオリジナルです。
シリーズは『リング』の後に『らせん』(1995年)と『ループ』(1998年)が出て、一旦三部作(1999年に刊行された番外編『バースデイ』も含めると四部作)として完結しますが、高まる貞子需要に応えるべく2012年に『エス』、2013年に『タイド』が新作として発売され、現在は六部作となっています。『リング』シリーズ以外にも『仄暗い水の底から』が有名ですが、そこらへんを除くと知名度は一気に下がりますね。最新作は去年(2025年)刊行された『ユビキタス』、聞いた話だと四部作にする予定で、ここからどんどんスケールが膨らんでいく……筈でした。もう続きが読めないことが悲しい。
・『シュタゲ』新作『STEINS;GATE RE:BOOT』が8月20日に発売決定!huke氏がすべてのキャラデザを一新し、新規ストーリーを追加するリメイク作。OPテーマはいとうかなこさんの「スカイクラッドの観測者」が続投に(電ファミニコゲーマー)
シュタゲ、また本編を作り直してるのか……と呆れられそうだが、結局スピンオフとか続編とか完全新作を出すよりも既存のヒット作をリブートする方が安定して稼げるんでしょうね。「MAGES.」の「科学アドベンチャーシリーズ」でそれなりにヒットしたの、『CHAOS;HEAD』と『STEINS;GATE』くらいで、『ROBOTICS;NOTES』や『CHAOS;CHILD』、『OCCULTIC;NINE』は飛び抜けて売れたわけじゃないし、最新作の『ANONYMOUS;CODE』はそもそも知名度が……っていう。Vtuberがちゃんと公式から許諾を得てプレー動画を配信していたのに関係者がそのへんの事情を確認せず勝手に「ガイドライン違反」と決めつけて動画を削除させた不手際があって、ゲーム本編よりもむしろこの一件の方が有名かもしれない。
古いゲームのリマスター版やリブート版が出るのはよくあることで、例えばニトロの『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』なんてPC向けに限定してもCD版、DVD-PG版、INTEGRATION、アニメ絵版と4種類くらいある(単なるパッケージ違いも含めると更に多くなる)。シュタゲは2009年にXbox版を出した後、2010年にPC版を発売、以降はこのPC版をベースにしたバージョンをCS機に移植しまくって、2018年に作中のCGをアニメーションに置き換えた『STEINS;GATE ELITE』をリリース。要はさっき書いた『Phantom』のアニメ絵版みたいなやつですね。8月に出る『STEINS;GATE RE:BOOT』はこのエリート版をベースに、原画家の「huke」がキャラデザを現代風に一新させて作中のCGを全部描き直し、BGMもリメイク、背景画像も再構築。「E-mote」を使ってキャラの立ち絵もヌルヌル動かすみたいです。というかE-mote、久々に聞いたな……エロゲ制作では一時よく使われたツールだが、最近はあまり耳にしなくなっていた。競合の「Live2D」が伸長したことで相対的に下火になった印象がある。
「シュタゲは初期バージョンの時点で充分完成度が高かっただろ! わざわざ作り直す必要ないやん!」とは思うものの、このリブート版も結局買っちゃうだろうな……オタクの悲しきサガ。PC版はパッケージがなくSteamのDL版のみ販売となる模様。比較的出費が抑えられるのが幸いか。
・映画『ボディビルダー』見た。
原題は "Magazine Dreams" 。雑誌の表紙を飾る事を夢見て日々筋トレに励む男が主人公の映画です。邦題は「ボディビルダー」だが本職ではなく志望者(ワナビー)、「ボディビルダーになりたい」と夢想しながら日々スーパーでのバイト生活を送っている。「ボディビルダー版『ジョーカー』」みたいな形容が多いけど、個人的な印象としては「ムキムキ『レクイエム・フォー・ドリーム』」だった。本作とは関係ないがR4Dの監督も新作映画を撮っており、視聴済みなので次回感想を書きます。
キリアン・マドックス――両親を早くに亡くし、アメリカの片田舎で祖父の介護をしながら日々を過ごしている黒人青年。彼の夢は、憧れのボディビルダーたちみたいに雑誌の表紙を飾る事。俺は決して無名のまま終わったりしない、みんなの記憶に残って「すごい漢だ……」と言われるような「伝説」になってやる。しかし、度重なるステロイドの濫用により心身はもうボロボロ、肝臓にも悪性でないとはいえ腫瘍があるのに「手術痕が残るのはイヤだ」とメスを入れることを拒否する始末。職場の女の子をデートに誘う事も成功したのに、興味のない話を延々とし続けたせいもあって「ちょっとトイレに……」→逃亡のコンボも決められる。もはや悲劇の連続が喜劇に見え始めた頃、うっすらと顔を覗かせた「破滅」を前にして彼の自己顕示欲と承認欲求が暴走する……。
監督・脚本は『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』の「イライジャ・バイナム」。主演はMCUの「征服者カーン」や、『クリード 過去の逆襲』の「急に生えてきた兄貴分」こと「デイミアン・アンダーソン」を演じた「ジョナサン・メジャース」。2023年にDV事件を起こして逮捕され、同年に劇場公開予定だったこの『ボディビルダー』( "Magazine Dreams" )も煽りを喰らって公開延期となり、2025年にやっと上映されました。「筋肉の夢」に取り憑かれ、世間から疎外されていき「孤独感」(実際に孤独であるかどうかではない)を募らせていくマドックスを鬼気迫る演技で表現し切っている。メジャースは役作りのため必死に肉体改造を行って「ボディビルダーに憧れる青年」の説得力を発揮してみせたが、恐らく本職なのであろう他のボディビルダーたちと並ぶと明らかに見劣りするんですよね……筋肉の美しさが違う。そのへんもカメラは残酷に切り取っていきます。
マドックスの「暴走」がどんなものであるかは映画の核心でもあるので詳述しませんが、突然マドックスが「銃」にハマり始めたあたりで「あ、あかーん!」と叫び出したくなる。アメリカってあんな殺傷力の高い銃があっさり簡単に手に入るんだな、と再確認し、改めてドン引きした次第。そりゃ乱射事件とかなくならんわ。ハッキリ言ってマドックスは好きになれるタイプの主人公ではなく、ムカつく客の食べ物にこっそり唾を垂らすようなクソ野郎なのだが、それでも観ていて「怖い」というより「物悲しい」って気分になる映画だった。この「弱さ」は誰しもが裡に秘めているものだよね、と感じ入ってしんみり。
筋肉に鎧われた空虚で脆き魂の彷徨、その行く末を見届けろ。後味が良いか悪いかを書くだけで「ネタバレだ!」と感じる人もいるだろうからあまり書きたくないが、「観る前にせめてその点だけは確認しておきたい」という方もおられるでしょうし、迷ったけど言及しておきます。後味は……そんなに悪くない、といったところです(決して良いわけではない)。映画としての結論が前向きかどうかは解釈の分かれるところでしょうが、個人的には「前向きなメッセージが篭っている」と思いました。
・拍手レス。
鈴木光司逝去に驚きを隠せない…早い早すぎる。そして大半の記事のタイトルが「ホロ―作家の鈴木光司氏」に非常に違和感。いや、この人SF作家なの読書家なら周知の事実だし、なんならリングシリーズも近未来SFじゃん。
佐藤竜雄といい、鈴木光司も60代。クリエイターとしてはまだまだ若いのに本当に残念なことこの上ない。そして思い出す同じファンタジーノベル大賞受賞作家だった酒見賢一の件。酒見さんも60歳とかだったなぁ。ファンタジーノベル大賞は悪い意味で注目を集めそうです。酒見氏、鈴木氏、佐藤哲也氏、城戸光子氏、大賞や優勝賞を取られた作家は50〜60歳の若さで逝去されてるのが目立つ。嫌なジンクスです『リング』や『らせん』のイメージが強かったせいか、『ループ』以降の設定を受け付けない人が結構多いみたいですね。「『ループ』も映画化する案があったけど実現しなかった」という話もSNSで流れてきましたし。60代なんてクリエイターとしちゃまだ「若い」と言われる年齢なんだから、「これから」がなくなったことは悔やまれますね……逆に長寿でスゴい作家と言えば皆川博子さん、もう95歳を超えているというのに今月『ジンタルス RED AMBER』なる新刊も出すんだから圧倒されます。
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管理人:焼津