2009年9月分


・本
 『しなこいっ(2)』/黒神遊夜、神崎かるな(ジャイブ)
 『黄昏乙女×アムネジア(1)』/めいびい(スクウェア・エニックス)
 『わたしたちのかえりみち』/みなすきぽぷり(コアマガジン)

・ゲーム
 『漆黒のシャルノス』(ライアーソフト)
 『真剣で私に恋しなさい!』(みなとそふと)
 『装甲悪鬼村正』第二編体験版(ニトロプラス)

・ドラマCD
 『「俺たちに翼はない」ドラマCDセカンドシーズン第二巻「夢シアター・虹色リストランテ」』


2009-09-28.

ニトロプラスの『装甲悪鬼村正』、第二編体験版をプレー。

 鬼に逢うては鬼を斬る、仏に逢うては仏を斬る――「善悪相殺」をテーマに据えたスラッシュダークADVの体験版第2弾です。第一編体験版(ボイスなし)→第一編体験版(ボイスあり)→第二編体験版という順で発表されたので、正確には第3弾ですが。ちなみに第二編体験版は第一編の内容も併せて収録しているので、初めてプレーする方もこれだけダウンロードすればOKです。一番最初の「第一編体験版(ボイスなし)」をやった人も、ボイスのみならず演出強化されている箇所があったりしますので、スキップせずに再度プレーすることをオススメする。規制の関係か、一部きっつい描写が削除されてやや有耶無耶な方向に修正されていますけれど、代わりに戦闘ムービーが挿入されたりで、基本的にボイスなしverよりボイスありverの方が良くなっています。

 さて、当方は「第一編体験版(ボイスなし)」をプレーして既に感想文も書いた(これ)ので今更改めて述べることはそう多くない。はっきり言って前の体験版でしっかり購入確定しており、わざわざ今回の新しい体験版に手を伸ばす必要はなかったんですが、村正スレが物凄い勢いで盛り上がっているのを見て我慢できず、つい……パターンが某「怒りの日」を彷彿とさせて心配が湧いてきますが、話そのものは第二編も面白くて興奮した。興奮しまくった。グリリバ声の雪車町は「合っていない」と不評で、確かに文章で言及されているほどの厭らしさは感じなかったが、演技力のおかげもあって致命的な違和感を覚えることもなかった。見た目は豊満な若い娘であるに関わらずボイスが爺という小太郎も、意図的なミスマッチの割には大してインパクトがなく「結局何がやりたかったんだ……」と思わずにはいられないが、「老獪な爺」という役どころ自体は嵌まっていたおかげで劔冑戦に熱中させられた。第二編は第一編よりも戦闘シーンがふんだんに用意されており、とても満足が行きました。説明的なテキストが豊富で少しダラダラした印象もありますが、やむことなき奈良原節が心地良い。個人的には雪車町戦が意表を突いた展開で面白かった。糸目っぷりがライターの前作『刃鳴散らす』に登場した渡四郎兵を連想させることから村正スレで「雑魚」呼ばわりされている大鳥香奈枝も、イイ味を出してきた。一条さんはまさか方向音痴が伏線になってるとは思わなかった。そして見せ場の大半が爺キャラで占められていることにふと気づき、「あまりにも華がないから『せめて小太郎だけでも……』とあんな容姿にしたのか?」と勘繰ったりした。地球皇帝閣下こと茶々丸様の出番がなかったことはまことに残念至極だが、そちらは製品版に望みを託すとしよう。前髪公方の本気を見せてくれ。

 と、こんな具合の取り留めない感想を書き綴って終わりにしてもよかったが、やはり「善悪相殺」の部分を触れずに済ませるのは据わりが悪い。ネタバレ要素が山盛りなので、以下伏せて述べます。(反転→)作中で「善悪相殺」に関する説明がまだ為されていないのであくまで推測になりますが、恐らく「敵を一人殺したとき、味方も一人殺さなくてはならない」というルールになっているのでしょう。湊斗さんが極力敵を殺害しようとせず、なるべく撃退に留め、必要最低限だけ討ち取るようにしているのはその関係があってのことかと。「味方」の定義も、これまた推測ですが、「現時点でもっとも殺したくない者」「一番好感を抱いている人たち」になると思います。要所要所で好感度ゲージとおぼしきものが表示されますから、概ね当たっているはず。そう、つまりこのゲームは「フラグ立てた相手を斬り殺す」という前代未聞の生贄殺戮エロゲーなんです。『バジリスク』の「愛する者よ、死に候え」よりもタチが悪い。「殺し愛」とか「許容できる死傷者数」とかそういうレベルじゃない、戦う前から愛する人々の犠牲が確約されている。「目的を果たすためには、守りたいものを自らの手で打ち壊さねばならない」っつー倒錯し切ったシチュエーションのもと臨んでいるわけで、その厭らしさは『ぼくらの』や『アスラクライン』の設定にも匹敵する。さすがの湊斗さんも限界なのか壊れかけの表情を覗かせていましたが、そうまでして「善悪相殺」を厳守するからにはよっぽどペナルティが酷いんだろうな。たとえば「相殺規定を破ると強制的に天下布武モードへ突入、銀星号状態となって卵を撒き散らしてしまう」とか。湊斗さんの妹(らしい、詳細不明)光は愛する兄を殺せなくて呪いによりバーサク化し暴走、湊斗さんも妹の不始末を拭うため心を悪鬼にしているのでは……などと妄想してみる。第二編はいくつか選択肢が出てきて好感度が上下する(のか? 上がるのは確認したが、下がるのは未確認)仕組みとなっておりますが、どういう選択をしても最終的に斬るヒロインは固定で、きっと選択肢が重要になってくるのはもっと先のことでしょう。ひょっとすると、「あるヒロインを斬ることで別のヒロインのルートに分岐する」システムすらあるのかもしれない。イヤすぎる。そして当のヒロインのルートであってさえ、「ヒロイン死亡」というエンディングが待ち構えている可能性を否定できぬ。何せ奈良原ですから。『刃鳴散らす』の女性キャラなんて、半数以上が死亡していますよ? ああ想像するだけで凍えるような昏い興奮が込み上げてくる。湊斗さんの強さと醜さを容赦なく抉り出して行くであろう今後のことを考えれば暗澹とした心持にならずにはいられない。いっそここでプレーすることをやめた方がいいのかもしれない。だが、そんなことを書いても所詮戯れの空言に過ぎず、まったく心底やめる気が湧き上がってこないのだから『村正』が有する悪鬼的な魅力は恐ろしい。ここまで来たらもう終幕を見ずに済ませることなどできません。地獄の底まで付き合ってやる。(←反転終わり)

 あ、そういえば書き忘れていましたが、第二編に入ってからの村正さんが可愛すぎて惚れました。会話に詰まって助け舟を求められたときの素の反応が最高。湊斗さん自身もトンチンカンな掛け合いが多く、『塵骸魔京』の九門克綺が成人して謙虚になったような惚けた味わいがあります。真剣な場面でさえ真顔で間抜けなことをぬかしたりするからたまらない。つか、あらゆるシーンでシリアスとコメディが溶け合っている作風は相変わらずですね。湊斗さんが危機に陥っているというのに、「困ったのう! 困ったのう!」とほざく小太郎で和んでしまった。不覚なり。10月30日、元より購入するつもりでありましたが、これはいよいよ是が非でも買わねばなるまい、とより一層固く決意した次第。うちに来ている方々にも無論強くオススメしたいところですが、正直言って奈良原のテキストはちょっとクドいというか、一つ一つのセリフがいちいち長いので慣れていないと胃もたれを起こすかもしれません。あと寒いギャグがところどころに仕込まれているのは仕様です、諦めてください。個人的にはあの寒さも結構お気に入りだったりしますけど。

・みなすきぽぷりの『わたしたちのかえりみち』読んだー。

「こっ…これからっ さむいさむい時代がやって来るかもしれないけどッ…」
「ぽぷこちゃんは負けないで 描くんだぞぉッ…」
「あああ…お兄ちゃんはちびっ娘ま○こだいすきだああッ」

 栄えある王の御帰還である。さあ皆、盛大な拍手で以ってお迎えせよ。鳴らせ万雷、轟け妄念。地を裂き天を呑め。というわけでペドコミック業界にその名を響き渡らせる雷轟(ローリングサンダー)みなすきぽぷり3冊目の著書にして2年ぶりとなる新刊です。同人・商業ともに10年を超える活動歴を持ちながら、諸々の事情であまり単行本を出していないため、ファンにとってはまさしく待望かつ垂涎の一冊。「5年ぶりの新刊」であった2冊目に比べれば、まだまだ早い方ですが。ところで「ローリングサンダー」は「ローリング稲妻」であり、略せば「ロリ妻」になって案外とエロいですね?

 書店勤務の変態青年が次々とちびっ娘を喰い散らかす表題作「わたしたちのかえりみち」(3話構成)を含む10編+作品解説+描き下ろし巻末おまけマンガを収録しています。絵柄の変遷が激しいというか発表時期に幅がありすぎて、一番古いものなんか1999年――10年前の作品が混じっているから驚きだ。『しらみつぶしの時計』並みにバラついてやがる。なので表紙を参考にして購入するとがっかりするかもしれません。正直、当方もちょっとがっかりした。「くまがでるよ」の異質な雰囲気は嫌いじゃないんですけど、試行錯誤な感じが滲み出てしまっている。反面、最近作は迷いとか悩みとかいろいろ吹っ切れたのか「ウェイト、ウェイト、少しは自重しろ。さすがの俺もヒくわ」とコメントしたくなるほどの一直線な幼女愛が詰め込まれていて無性に魅了されます。「おさなさ」へのこだわりはもはや偏執とか妄執とかの域。ここまで行くと「性交」ってより「捕食」だな。

 「わたしたちのかえりみち」1話目、内気で性知識は乏しいけれど自慰癖のあるちびっ娘がなし崩しで変態ロリコンの玩具になっていく……と、大まかな流れにこそ新味はないが、男がはにかみつつ下半身全裸で飲み物とドラ焼きを運んでくる描写といい、パンツの匂いを嗅いで「ああ…少女くさい! 少女くさいい…!!」と叫びながらチ○コでほっぺをペチペチ叩く描写といい、喜びのあまりぼろぼろと涙をこぼしつつ口内射精する(ついでにマ○コも指で大きく押し広げている)描写といい、バックから抱きかかえて挿入した際に身長差のせいで足が地面に届かず宙ぶらりんとなる描写といい、いちいち極まっていて心底恐ろしい。恐れ入る。ガチである。ホンモノである。正真正銘、真実真性の、嘘偽りない全きロリコンである。ここまで本気なのは御免なさいの『おませで御免!』以来だ。そういえばアレも3話構成で順々にちびっ娘を喰っていく話があったっけ。

 「おちんちん入れただけだよ…(はあと)」「大丈夫ッ! これセックスと違うから!!」「めぐちゃんが気持ちよくないのはセックスって言わないから!!」ってな具合に軽く狂気が迸っているセリフの数々も見所。この人の絵柄はどちらかと言えば明るめで、可愛らしいとさえ言えるんですけれど、根底に漂う厭らしさは下手な陵辱モノを凌駕している。「へっへ…ガキのやる気のねーフェラはたまんねーな」――たとえばこの一言に篭もった業の深さ、付け焼刃の鬼畜路線では到底太刀打ちできぬ。「やる気のねーフェラ」に逆説的な価値を見出す、この低き視点と低き精神。多少の和姦はあれども、この本に気高きものなど何一つとして存在しない。同調か、否定か、あるいは屈服か。読者としてどれかを選ばねばならない。然るに、当方は心地良く敗北を喫しました。ああ実に清々しい猥雑と悪徳。エロ描写が半脱ぎ主体なのも素晴らしい。

 惜しげもなく誇りを捨てたことが誇り。滾々と湧き出でてやむことがない小さき者(プティフィーユ)への執着心(アタッシュマン)を刮目して見よ。溢れる性欲は淫らな大河となって氾濫し、未開の処女地を侵し耕し播種して肥沃な平原へと変えます。規制の暗雲が空を覆い始めたシーズンに発売延期が繰り返され、出版されるのかどうかすら危ぶまれたけれど、こうして無事書店に並んだことを様々な事象に対し感謝したい。「寄せ集めの単行本」であること自体は否定できないものの、「わたしたちのかえりみち」3部作だけでも充分しっかりと元が取れるクオリティである、そう自信を持って告げることが可能な内容であります。絶望も希望もなくただただ延々と粛々と、「おさなさ」が消え去るその日まで犯され嬲られ、野卑な男たちの慰み物にされ食い物にされ続けることを運命づけられながら、それでもなお安定と平和に満ちている強靭で優しくも無慈悲で怖い世界観。こういうマンガがいつまで買えるか分からない御時世、少しでも興味があるならばさっさと確保しておくことをオススメする。さあ、寿ぐがよい。蝋の翼ならぬ「ロリの翼」で許されざる楽園を追い求めて飛翔した宿業のイカロスを。「さむいさむい時代」という海に墜落しようとも、忘れてはならない。彼は天を望んで堕ちたのです。

・拍手レス。

 村正、グリーンなリバーの人が卑屈キャラ演じてるのがやたらに新鮮ですな
 ああいう珍しい演技も意外に好きかもしれません。

 マイナーな作品ですが、バガタウェイという漫画
 すいません。途中で送っちゃいました。マイナーな作品ですが、バガタウェイという漫画が面白いです。女子ラクロスを題材にしあた作品でキャラよし、話よし、ユニフォームよしです。

 そういえば2巻を積んでた……1巻は絵に釣られて購入しましたけど、なかなか良かったです。しかしラクロスというと2冊で打ち切られてしまった『暴風ガールズファイト』を思い出して涙流れるままに。


2009-09-25.

・「百合は苦手」と公言しつつ“百合姫”の単行本を読み漁っている当方は「まんじゅうこわい」を地で行く男。だって乙ひよりが良かったから……とまれかくまれ、最近読んだ百合コミックの中では倉田嘘の『リンケージ』が良かった焼津です、こんばんは。

 表紙イラストでは特に惹かれなかったが、ページを開いた途端「この絵……ツボだ!」と電流走った。柔らかくキレイでしかも可愛い、三拍子揃った見事な筆致に心和むことしきり。内容は「すれ違う気持ち」を軸にした話が多く、若干ワンパターンながら、それでも個々のキャラクターに魅力があって最後まで飽きさせなかった。読後感もすこぶる良い。百合への苦手意識は依然として治らない(女の子同士がくっつく過程でどうしても違和感が拭えない)んですが、食わず嫌いは徐々に治めていこうと思います。

トータルブランドの名も高きCLOCKUPにて怪しげな新作告知

 URLの「tease」はティーザー広告を意味するだけで本編の内容とは無関係でしょうが、それにしても何なんだこれ。最初は手の込んだ釣りかと疑いました。それにしても原画はよう太か……『魔法少女の大切なこと。』が今日発売されたばかりだというのに。ライトノベルの挿絵もいくつか手掛けてますし、最近よく名前を目にしますね。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、コンプリート。

 リュウゼツランルートの一言感想→「世界はKAWAKAMIやMOMOYOよりもNAOEの股間を脅威と認定すべき」

 囚われの姫君よろしく敵の手に落ちても焼け太って帰ってくる大和さんマジ半端ねぇっス。お前はどこのハード・ロマン小説(勝目梓とか西村寿行とかああいうの)の主人公ですか? 麻呂の愛する平安時代に生まれていたら弓削道鏡の再来として歴史を大きく動かしていたかもしれんな。山風の忍法帖シリーズに出てくるくノ一さえも、大和さんなら何とかしてしまいそうだ。ロミオ・ネバー・ダイ(色男は死なず)。正直、話の流れとしてはいささか唐突で突飛な感が否めないけれど、このストーリーを選択したことはエロゲーとして限りなく正しい。

 というわけで板垣軍団と釈迦堂、更に彼らを裏で操る黒幕的存在が登場し、川神市各地と、重要地点っぽいのにほとんど触れられる機会がなかった場所「チャイルド・パレス」にて最終決戦が繰り広げられ、物語はグランド・フィナーレを迎えます。全シナリオを統括するラストルートだけあって総力戦の趣があり、各ルートのネタ(たとえばクリスルートのメフィストフェレスとか)が惜しみなく投入される。特定のヒロインとはくっつかないが、一応サービスシーンも用意されていますし、キチンとエロゲーしているところにも好感が持てます。川神市にバラ撒かれている合法ドラッグ「ユートピア」を巡って、風間ファミリーが陰謀に巻き込まれ窮地に陥っていく……と鉄板で盛り上がるエンターテインメント精神満点のストーリーながら、発端が強引というか「そこは素直に警察呼んどけよ」ってツッコミ入れたくなる流れで半ば自業自得と言えなくもなく、走り出しはやや低調だったものの全面戦争が開幕するあたりから安定して面白くなった。これまでのルート含めバトル展開多過ぎでさすがに食傷気味な部分はあったけれど、「絶体絶命のピンチを間一髪で凌ぐ」というスリルの連続はやっぱり単純明快にハラハラさせられてマウスを握る手が熱くなる。人外級のパワーを持つ連中がゴロゴロいるせいで時にバカバカしくなるとはいえ、意外とパワーバランスの調整が利いていて、別段整理しなくともある程度なら強さのランクが自ずと知れるのは良い。戦闘描写そのものは割と大雑把にせよ、ダメなバトルものにありがちな「誰がどれくらい強いかよく分からん」って惨状だけは華麗に回避しております。伏線の張り方も丁寧だし、ライターの過去作と比べてもシナリオのまとまりがだいぶ良くなった気がするぜ。

 それにしてもホント、まじこい長かったわ……プレー開始からほぼ一ヶ月、毎日なるべく時間つくってちゃんとプレーし続けたのに、こんなに掛かるとは。累計すると50〜60時間くらいになるかな? Fate並みのテキスト量を誇るとあって尋常ならざるボリュームです。だいたい共通ルートに6時間、個別のメインルートに6時間×5、サブルート群を合算して9時間、ラストルートもメインルートと同等で6時間前後。大まかに計算しても軽く50時間を超えます。これでつまらなかったらマジすげぇ拷問だけど、日々床にうず高く積まれていく未読の新刊書籍を尻目に黙々とやり抜いた事実からいろいろとお察しください。まじこいのせいでなかなか本が読めなくて、積読の山がもう崩れそうですよ……実際何度か崩れましたが。

 個性的なキャラたち、極端な設定の数々、そして超ボリュームの合わせ技で最後まで見事に楽しませてくれた。長い割にダルい箇所がほとんどなかったことも評価したい。説明臭いセリフがやたらと目立った点はマイナスだが、長所に比べれば些細な瑕疵。テンポが良くて、ついついやめ時を見送ってしまうことが多々あった。個人的には京ルートと一子ルートが好みで、クリスルート終盤とサブルート群は若干落ちる印象。ピンポイントで選ぶなら、百代ルートの川神大戦が一番熱かった。シナリオ量が、というか、イベント量が豊富でいくら遊んでも飽きが来なかったですよ。まこと満足の行く大作であります。聞くところによればシナリオライターのタカヒロはFD的なソフトを作る気満々だとか。それはそれで楽しみだが、一方で完全新作を見たい気持ちもある。もし完全新作が次に来るとしたら、今度はもうちょっと小規模あるいは中規模のゲームがいいかな……まじこいクラスとなるとコンプした際におなか一杯でグッタリしてしまう悩みがありますし。それは贅沢な悩みだ、という自覚はある。

 気に入ったキャラは、強いて言えばクリスと心。対照的なふたりではあるが、可愛さのレベルはそれぞれ伯仲している。もちろんふたり以外のキャラクターたちも魅力的で、いちいちコメントしていったらキリがなさそう。付き合い出した後のバカップル描写が濃かったり、主人公がエロシーンで異様に精力絶倫なベッドヤクザぶりを見せ付けるあたりも素晴らしかった。軍師大和というかジゴロ大和だよね。待ちに待った甲斐のある一本でした。初回特典のマテリアルブックはwagiの原画と線画、タカヒロによる裏設定満載の用語集と制作秘話が詰め込まれていて嬉しい。

・拍手レス。

 ファーブラは12月25日に出れば綺麗な結末になるなんですけどね…
 2年前の傷が深いだけに、たとえ出たとしても「怒りの日、ふたたび」という疑念は捨てきれない。

 百代ルートクライマックス。あそこで立ち絵とそれに合わせた一枚絵があれば最高に燃えたろうになあ…。おもしろかっただけに、惜しい。飴…。
 声はすれども姿は見えず。○○さんのステルス機能はパーフェクトすぎる。ある意味、「権利絡み」は最強の敵か……。

 そういえばペルソナ2にはナチス・ドイツが出てきましたね。BGMの一つに「聖槍騎士団」という曲もありますしw。なんでも海外で出せない理由の一つがそれなんだとか。
 ヘルシングはドイツ版も出ているのに、ゲームはよほど規制が厳しいのかしら。

 仏蘭西少女は京極のいない関口を延々と読ませるゲームと某所でいわれておった・・・
 漏れ聞く評判から察するに、あれを自力ノーヒントでコンプリートできた人間は悟りも開ける気がします。

 村正・・・。感情移入すると立ち直れない・・・。鬱だ。
 分かっていてもズーンと来る。これが初エロゲーの人は確実にトラウマるんじゃないかな。OPムービーかっこよすぎだし、被害範囲拡大しそう。

 羽黒ヒロインのSS http://mai-net.ath.cx/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=all&all=12108&n=0&count=1
 なんと物好きなSS……キワいネタをチョイスした割に結構リズミカルな展開で、意外と読みやすいのが恐ろしい。

(追記) うおっ、lightで『Dies irae』の更新来てんじゃん。webラジオ「Happy light Cafe」でもチラチラと情報出てますね。「白本は今つくっている」「OPは曲もムービーも新しくなる、いつ仕上がるかは未定(11月くらい?)」「公式ページで10月9日に新情報を上げる」「『Paradise Lost』の再販希望は多いが、正田がDiesでいっぱいいっぱいなのでファーブラ終わってから社内で検討する」「新キャラを3人公開する(ベアトリス、櫻井兄、おじいちゃん)」「現時点でGユウスケの描いたカットは10枚くらい出来ている、テレカ絵もあるしまだ入り口の段階」「予約特典、正田が『ベアトリスを脱がせたくない』ってんで『じゃあラインハルト脱がせる?』なんて話も」「正田は今のめり込んでシナリオやってる」「蓮の音声は大幅追加する、調整中だがなるべくやる方向で」「アペンド版のタイトル、『シャルラッハロート・グリューン』は『緋色と緑』の意味」「アペンド版は『Also sprach Zarathustra』のままにするか『Acta est Fabula』に合わせるかで揉めた」「没タイトル案は『獅子と巫女』みたいな」……と、こんな感じか。色めき立つような新ネタこそないものの、不安を掻き立てる材料も特になくて、少し安堵。次の動きは2週間後か。ゆっくり待つとしよう。


2009-09-22.

『俺たちに翼はない』のドラマCDセカンドシーズン第二巻『夢シアター・虹色リストランテ』聴いたー。

 というわけで俺翼ドラマCDシリーズ第2期の2巻目です。2期は全4巻から成る予定なので、これでちょうど半分。1巻目が1章のエピソードを寄せ集めていたので、2巻目は当然の如く2章の後日談アンソロジーと化しています。冒頭いきなり伊丹伽楼羅が登場し、「ランティス神」だの「我が言動にも常識の範囲内でという著しい制限が……」とさりげなく大人の事情をバラしまくる。本編に入ると一旦は引っ込みますが、代わりにマスターがやりたい放題な店内放送を流しているので品位は依然一定に保たれます。鷲介の一人芝居に和みつつ日和子さんの出番を待っていると、「鷲介さ……千歳さん!」と開口一番からニヤけるようなことを言ってくれました。たまひよの隙がなさそうで隙だらけな簾じみた防御力は絶品。

 一部のネタが1巻と絡んでいるので、こっちも時期的にまだ12月みたいですね。黄な粉さんの訛りが作中作でかなりキツく聞こえるのは気のせいだろうか。えーりんの構想(というか妄想)はたまひよの可愛さが危険水域というか、そろそろ我々はえーりんにそっちのケがあるのではないか疑う時期が来ているような気がしたが、これも気のせいだろうか。えーりんと口喧嘩する日ょ子さんが活き活きとしている様を聴いているうちにどうでもよくなってきましたが。

 途中、いきなり伽楼羅による昔話が始まるが、彼の「昔」話というと相当深刻でヒドいエピソードになるのでは……と重々しい表情で聞き入っていたら、違う意味でヒドかった。深刻にヤバかった。桃太郎をベースにしているんですけれど、おじいさん=ハリュー、おばあさん=フェニックス、桃太郎=ガルーダという配役の時点でお察しくださいと申しますか、「大きなガルーダが流れてきました」で腹筋崩壊。ほとんど単なる奇声合戦じゃねぇか、これ。

 そして明日香もゲスト出演。シナリオ上の都合から1巻目とは位相が異なるパラレルワールド状態になっており、少々混乱する。本編やった人なら当然承知でしょうけれど、俺翼は時系列の制約が厳しいうえにトレードオフな要素もあって、いわゆる「御都合処理」――複数のルートを満遍なく解消したっていう設定にはできないんですよね。もどかしい。1巻目と2巻目が繋がっているようで繋がっていない、ちょいとねじれた関係に陥っていて、本編未プレーのまま聴いている人は首を傾げるハメになるでしょう。まあ、ガルーダが出てきている時点で「なんだこいつ?」と訝りまくりでしょうが。ファンにとっては相変わらず楽しい内容でほっこりした気分になりました。次の巻も待ち遠しい。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、百代エンドをクリア。

 無手でありながらタカヒロ・ワールドにおいて最強の座に位置するヒロイン、川神百代――ぶっちゃけヒロインというよりラスボスに近い存在だよね。難攻不落だし。テケトーに選択肢をポチってた一周目はあえなくバッドエンド直行だった。最近のエロゲーは主人公がヒロインを攻略しているのか、それとも主人公をヒロインが攻略しているのか、いまひとつ判然としないシナリオが多くなってきた(というか、まじこいの京ルートも被攻略な気がする)けれど、百代ルートに関しては丸きり昔ながらの「好きな女を必死こいて陥落(オト)す」パターンに属しています。意欲的に好感度を高め、懸命にフラグを立てていかなきゃ「お断りします」とバッサリ斬られてしまう。しかしそうなっても慌てる必要はありません、間違った選択肢を取ったときはいつもさりげなく指摘してくれているので、落ち着いてプレーし直せばクリア可能。難易度はさして高くないです。昔のギャルゲーやエロゲーはもっと不親切というか理不尽で、選択の結果があまり反映されなかったりして攻略条件が非常に分かりにくく、プレーも煩雑を極めた記憶がある。まぁ未だにそういう「頭を掻き毟りたくなるほど攻略が難しいエロゲー」も発売されているそうですけど……『仏蘭西少女』とか。

 ともあれ、プレーしていていかにも「攻略している」という感触が伝わってくる百代ルートですが、格闘技とかいう次元を超えて生身で音速突破しビームを射出する超能幻魔大戦が繰り広げられるため、少年漫画ライクな伝奇アクションを受け容れられる人でないと「なんじゃこりゃ」と絶句するやもしれません。空中に浮遊して戦うのが当たり前とか、どこのドラゴンボールですかよ。しかし逆に言えば、そこをあっさり許容できる人ならこのルートは血潮が燃えることしきりのはず。なにせ学園を二分して争う最大級のイベント、「川神大戦」が山場として待ち受けていますから。まゆっちルートのKOSもなかなか気合入っていたが、熱量でいうならあれをも凌駕している。両軍の布陣図を表示して采配を競い合うなどちょっぴり戦記っぽいノリもあるが、あんま込み入った軍略はなく非常に分かりやすい単純明快な作戦の数々(もちろん工夫は凝らされている)で楽しませてくれます。時間としても結構長いイベントであったが、夢中になって遊び耽ってしまった。川神百代は「単騎で百万の兵に相当」と自負するほど精強な駒であり、当然の如く勝敗の行方を決める重要ユニットで、その猛々しさと禍々しさは「武神」というよりもはや「魔王」でしょう。思わぬ鬼札も切られ、専用BGMが流れるシーンの盛り上がりは凄まじいものがあった。ここまでやられると本当、細かいことはどうでもよくなる。事前にやっていたサブルート群がまったりとしたシナリオばっかりだっただけに、ついつい圧倒されてしまいました。

 「棚から牡丹餅」方式ではなく、相応に苦労して成果を得る、「ねだるな/あたえて/かちとれ」で最後まで押し切ったところは面白かった。百代への恋心を自覚する過程が若干弱く、得てしがな、得てしがなと執心する主人公に同調できるようになるまで少々時間が掛かったというか「大和必死だな」と思った瞬間もあったりしたけれど、アフターで百代姉さんのエロ可愛さを目の当たりしてそういう憫笑めいた気持ちは淡雪の如く溶け去りました。さすがタカヒロ、「気位の高い女を篭絡する」ってシチュエーションを描くときはメチャ活き活きしているな。本編に一個も濡れ場がないままスタッフロール流れた際の心配もあっさり消滅し、ドロドロと濃厚に綴られるバカップルシーンで心癒された。コツコツと小さな努力を繰り返し、塵も積もれば……と忍耐の果てに願いを叶えた主人公の姿を見てふと『ですろり』趙山月を思い出したが、それにしてもまだ完成していなかったのか、『ですろり』……。

 さて、そんなこんなで『真剣で私に恋しなさい!』もコンプリート――とならないのが嬉しいところ。いよいよ全シナリオを総括し統合する(たぶん)グランドルートの開幕だ。「悪役かと思ったら脇役だった」な板垣ファミリーと釈迦堂さんも遂に真価を発揮するのか? 楽しみでしょうがない。

・拍手レス。

 ペルソナ2のシナリオは罪編も罰編も最高だと思うけどあわんかったのか……
 もっとJOJOっぽいスタンドバトルを期待していたせいか、いまひとつ合わなかったです。

 他ヒロイン→百代ルート→ラストシナリオがまじこいの一番楽しい遊び方だと信じてる
 実際そういうプレー順序で楽しめたので同意。ラストシナリオもあとひと息ですが、村正の新しい体験版が当方を誘惑する……。

 >12月予定 ああ、年内は無理ですか…
 クンフトも「7月予定」でなんとか7月に間に合わせたから、今度もきっと……。


2009-09-19.

lightの新作『Dies irae 〜Acta est Fabula〜』の予価が公表されました。「初回版:¥12,390(税込)」って……予想の範疇ではあったが高すぎて思わず噴いた焼津です、こんばんは。

 まさしく光栄のPCゲーム並みだな。アペンド版のタイトルも『Dies irae 〜Acta est Fabula〜 -Scharlachrot Grün-』と決まったようだ。相変わらず糞長ぇ……読み方は恐らく「ディエス・イレ 〜アクタ・エスト・ファーブラ〜 -シャルラッハロート・グリューン-」となるはず。「シャルラッハロート」は「真紅」、「グリューン」は「緑」で、それぞれルートヒロインの螢と玲愛を指すものと思われる。とにかくそのアペンド版が5040円(税込)なので、9240円(税込)だったクンフトと合わせて14080円。定価ベースで計算すれば差額1690円であり、ファーブラ買う人との格差はさして広がらないことになる。特典等を重視するのであればむしろお得でさえあったかもしれないが、さすがにそれは強引な考え方かしら。よく分からないが9240円(税込)の通常版も出る予定みたいなので、特典にこだわらない人はそちらを購入すれば宜しいかと。当方はとりあえず記念のために初回版とアペンド版を購入するつもり。通常版は……一応「回避」の方針ながら、状況次第で衝動買いするやもしれず。そんときの懐事情にもよりますね。

 まだ「12月発売予定」の表記のみで具体的な日付が出ていませんが、きっと25日のクリスマスに合わせる気満々でしょう。何せファーブラでルートを追加されるヒロインの一人、氷室玲愛の誕生日が12月25日という設定ですから。彼女の「神様は性格悪いね。今度一発、私がキミの代わりに殴っておくよ」発言がジョークではなく本気だったりするのかもしれない。神気取りで悠々と「芝居は終わり(アクタ・エスト・ファーブラ)だ……」と正体現したニートを背後から無表情のままガッと掴み、振り向いたところへすかさず中高一本拳を人中にブチ込んで、「Fuck off foolish God……」と呟きつつ一本拳の中指をピンと突き立てる先輩の勇姿がありありと脳裏に浮かびました。それにつけても動作環境の「彼の日こそ怒りの日なり」がフォントの関係か「彼のHこそ怒りのHなり」に見えてしょうがねぇ。「怒りのH」ってどんなのだ。螢の場合だと、入れようとした瞬間にチ○コが発火するとかか? 「言ったでしょう、睨んで燃やせる敵がいたらどうするのって……」「隠れて後ろから挿入すればいい? 無理よ。私そんなに鈍くないもの」 螢でこの調子ならザミー姐さんはもっと酷いだろうな。鈍刀(なまくら)だったら容赦なく叩き折って炭化させるだろうし。まさに激痛の剣。

丸戸史明がシナリオを手掛ける『WHITE ALBUM2』、結局エロゲーとして発売される模様

 『WHITE ALBUM』のPS3移植に合わせてこれもコンシューマで発売し、然る後XRATEDを出すのではないか……と心配していたが杞憂に終わった。値段が初回版で6090円(税込)、通常版で5040円(税込)とエロゲーにしちゃえらく安いが、「introduction chapter」と副題にあるように、これはあくまで導入編。後日また完結編が出るらしいです。近頃は『俺たちに翼はない』といい、『Dies irae』といい、『BALDR SKY』といい、『eden*』(この場合は『ef』を挙げた方が適切か?)といい、分割商法が多くて情報を把握するのもひと苦労だわ。個人的な意見としては、エロゲーの開発も昨今は大変になってきただろうし、内容がしっかりしているなら分割もありかな――と比較的容認派の方に傾いていますけれど、それはそれとして分割されると何をどう買えばいいのやら、ややこしくて困る。小説でも一冊完結かと思ったら続編があって、番外編があって、関連は薄いけど姉妹編があって、別のシリーズとも繋がりがあって、設定を理解するうえで欠かせない元ネタもあって……と調べるだけでグッタリする作品があったりするし。白川道の新刊ってことで喜び勇んで購入した『竜の道』、よくよく見れば「飛翔篇」なんて副題が書かれていて、「おいおい、この分厚さ(570ページ)で完結してねーのかよ!」とツッコんじまいました。ああもっとこう、スッキリとした満足感がほしい……。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、サブルート群をクリア。

 サブルート群とはいえ、合算すると想定した量よりもずっと多くて結構時間が掛かりました。発売からもう20日くらい経っているので気兼ねなくバラしてしまいますが、サブルートが存在するキャラはガクトとモロ、キャップ、梅先生、チカリンと委員長(真与)。プレー前の見込みではどれも1時間くらいの小品だろう、と思っていただけに予想以上の食べ応えで嬉しくなった。プレー時間にバラつきがありますが、『つよきす』で言うとよっぴールートばりに長いものが複数収録されている。短いものは祈ちゃんルート並みですけどね。恐らく、総計すればメインルート1個分の1.5倍くらいには相当するであろう。

 つっても、やっぱりサブはサブなので、メインルートに比べると盛り上がりは欠けますねー。ガクトルートは惚れっぽくてフラれまくりの岳人がちょっとイイところを見せるルートで、2-Fの男子と女子がいがみ合う描写多くて少し胃にもたれたが、全体としては手堅くキレイにまとまっている。おまけシナリオとしては満足の行く出来。反面、モロルートは風間ファミリーの中で突出した才能を持たない師岡卓也が自分の立ち位置に悩んで鬱屈を溜め込んでいく暗めのストーリーであり、最後に気の晴れる展開が来るとはいえジメジメしたムードの連続に滅入る。生粋のオタクであるスグルと同人ゲームを制作するイベントがあり、企画が右往左往して作業も難航するなど、現実味ありそうな生々しいグダグダさが面白かった。キャップルートはバイト先の川神書店が客来なくて経営難に陥っているから、どうにかして繁盛させようぜ! という話。ただでさえ本が売れず出版不況、大規模書店やネット書店の進出、そして紙の高騰と、町の中小規模書店にとって辛い時代であります。他の店は安売りセールで凌いでいるのに、本屋は再販維持制度のせいで自由に値下げできず、また大手のオトクなポイント制度にも追随できない。いくら風間ファミリーのリーダー、無敵のヒーローだからって無形の「敵」を打破することはできるのか……と、まぁそんな筋立てです。途中で派手な飛躍もあったりするけれど、最終的な着地点は割合納得できる範囲に絞られている。「ヒーローの挫折」というテーマを描出する手際が少々露骨過ぎるきらいがないでもないけれど、明確な目標があり、起承転結もハッキリしているのでストレートに楽しめた。

 サブルートでは風間ファミリー以外のメンバーも攻略できる。梅先生は、教師ということで祈ちゃんを彷彿とさせるけど、性格は全然違うのでストーリー展開もまったく異なっている。どことなく虚ろさを漂わせたまま終わった祈ちゃんルートに対し、こっちは「俺たちの戦いはこれからだ!」的な前向き姿勢でシナリオをブン投げています。ネタの調理は他のルートに比べてやや中途半端、尺も短い。巨人が当て馬にすらなっておらず、もはや哀れみさえ感じるぜ。サブルートというよりも「Hシーンがあるおまけシナリオ」って印象でした。チカリンこと千花のルートもやや短め。展開に起伏が少なく、盛り上がりにこそ欠けるものの、無難にまとまってはいます。フツーの学園モノのフツーのサブルートって感じ。いわゆるスイーツ(笑)を体現したようなキャラで、情報公開当初のイメージではビッチ系だと思っていたが、別にそんなことはなかったな。ビッチ系は羽黒が担当している、誰も得しないので攻略不可ですが。直江大和とのカップリングがいまひとつしっくりと来ないのが難点ながら、実はヨンパチと古い付き合いで普段喧嘩してばかりのくせに案外仲良いところは面白かった。何より、エロシーンのさりげない一文。

 間違って初めてをアナルに捧げるなんてアホなことするわけはない。

 に噴いた。てめーレオ君ディスってんのか? ラストに回した委員長こと真与はロリ担当。クラス一の早生まれでありながらも学年どころか学校自体違うんじゃね? ってほどの幼い容姿を見せ付ける。しかし本人はお姉さんぶっており、そこが微笑ましいというか、健気可愛い。シナリオの流れが強引で無理矢理くっつけた雰囲気がないでもないが、エッチして即終了ではなく後日談を交えてゆるりと話を畳みに掛かる大らかな構成がステキだった。これもフツーの学園モノにおけるフツーのサブルートって印象。

 以上でサブルートはみな終えた。あとは残すところ川神百代ルートのみ。未消化の要素がまだ結構残っていることを考えると、これで一気に物語を片付けに掛かる心算なのだろうか? 相手が世界最強クラスというハードルの高さながら、「障壁が高い相手との恋愛」はタカヒロの得意とするジャンルなので心配せず普通に期待させていただく。

・拍手レス。

 ものすごく時間がかかるゲームなんですが、アトラスのペルソナ3、4がすごい面白いですよ。マジでエンターティメントの全てが入っています
 ペルソナは2だけやった記憶があります。内容あんまり覚えてないけれど……3や4の評判は頓に聞きますし、手を伸ばす機会があればやってみようかしら。

 気付いたらSAOの外伝が始まってました。web版4の後日談という事で、文庫組にはもう何がなにやらという世界にw 現行の文庫と繋がりがなさ過ぎて、スターシステムの何かみたいな印象すら
 シリーズものはやはり読む順番が大切か。それにしても作者の執筆欲が旺盛すぎる。

 大和さんは極めて正しいエロゲ主人公だった!・・・・・・絶倫以外にも、軍師設定のおかげで神の視点に近い行動を取るストレスフリーな主人公ですよね、基本
 鈍感主人公に今まで散々イライラさせられてきた分、「きっと○○からして××だろう」とヒロインの感情等を素早く察してくれるヤマトンはマジありがたい。軍師設定で『泣き虫弱虫諸葛孔明』(来月文庫化するらしい)を思い出し、「ぐんしー大和」にならないかちょっと不安だったが、さすがにあそこまでの神算鬼謀ぶりは発揮しなくてホッとした。

 釈迦堂さん、真剣で私に恋しなさい!元ネタWikiで、まんま「元ネタは嘘喰いの箕輪」って書かれてましたな。まあ露骨に似過ぎだしね。
 箕輪さんは一度見たら忘れないようなキャラだしなぁ。『嘘喰い』と言えばテロリストの佐田国は作者の先輩をモデルにしているらしいですね。


2009-09-16.

・ネットで表紙を見たときは特にそそられなかったが、本屋で現物を確認して「これはイイな」と惹き寄せられ速やかに『黄昏乙女×アムネジア(1)』を購入した焼津です、こんばんは。

 タイトルの「アムネジア」は「記憶喪失」の意味。黄昏時、学校の怪談として囁かれていた幽霊「庚夕子」と出会うところから物語は幕を上げます。夕子さんは普通の人には見えないし触れることもできないが、特定の人間には見ることも触れることもできる「足の付いた幽霊」だ。数十年前に旧校舎で死亡しているけれど、記憶を失っているため「なぜ自分は死んだのか?」「生前はどんな暮らしを送っていたのか?」も分からず校舎を彷徨っている。そして「見ることも触れることもできる」体質の主人公にまとわりつき、「怪異調査部」なるものを勝手に設立して彼女の秘められた過去を探っていくわけです。

 1巻の時点ではあまり真相が明らかにされず、「夕子さんの過去を調べる」という目的もなんだか漠然としている(本人も「やっぱりちゃんと知りたいかな〜って わたし自身のこと」と割合軽い調子で、これといって差し迫った事情がない)し、いまひとつ芯のない緩やかなストーリーになっている。それでつまらないかと申せばさにあらず、長黒髪・黒スト・黒セーラーのフル武装で、更に構われたがり属性も完備した夕子さんに死角は見出せぬ。むしろあらゆる角度からねっとりと眺め回したい。彼女が醸し出す憂いを帯びたエロさは進行速度の遅さをカバーして余りある。主人公以外には見えないからと好き勝手し放題、どこでも露骨にアピールする様子が大変けしからん。本編では描かれていないが、たぶん授業中に淫らな悪戯を仕掛けるくらいは序の口だろう。やべぇ、ひょっとして夕子さんだけでエロマンガの単行本が一冊完成させられるんじゃね? とまれかくまれ、表紙買いして正解な本でした。

中二病ってあるけどおまいら実際中二のときなにやった?(暇人\(^o^)/速報)

 島田荘司がキッカケで新本格にハマり、ミスオタと化しました。麻耶雄嵩に熱中したのは中三の頃だったかな……「バールストン・ギャンビット」とか、どう考えても使う局面がほとんどない用語を必死に覚えたりして微笑ましかった。あと海外作家の名前をフルネームで言うのがカッコイイと思い込んでG・K・チェスタトンを「ギルバート・キース・チェスタトン」、A・E・W・メイスンを「アルフレッド・エドワード・ウッドリ・メイスン」とわざわざ呼んでました。スペルも覚えようとしたけど英語が苦手であっさり断念。カーの綴りが「Carr」であることは辛うじて記憶しています。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、一子ルートクリア。

【由紀江】「家族が、増えるよ!」
【松風】「やったね、まゆっち!」

 すかさず噴いた。「やったね、たえちゃん」は話に聞くだけで元ネタを読んだことはないから寛いで笑えましたが、じかに触れている人からすると笑えなかったりするんだろうか。ともあれワン子こと川神一子。川神百代の義妹にして直江大和の幼馴染み、努力家で犬のように従順な性格をしており、クリスと張り合うアホ可愛さを見せつける、言わば「毒気を抜いた蟹」と呼ぶべきヒロインです。声を当てているのが青山ゆかりで、この人は普段ツンデレキャラを演じることが多いため最初はちょっと違和感というか印象のズレを感じましたが、一時間もしないうちに慣れた。ひたむきで懸命、『つよきす』の幼馴染みヒロイン・蟹沢きぬとは逆方向を突っ走る女の子ながら、よくよく考えると蟹もあれで結構ド根性娘だったので、意外とイメージの重なるところがあります。「諦めが悪い」という点や「己の居場所を求めている」ことでも共通している。「キレイなワン子」路線に向かうか「汚いなさすが蟹きたない」路線に向かうかの違いだけですね。

 「武神」とまで称されるほどの祖父や姉に比べて「秀才」レベルに留まる一子は、当然ながら「夢を叶える事が出来るのか?」という疑問が付きまといます。京ルートでも「才能がないんじゃ?」と指摘されていました。そりゃ比較対象が小型ブラックホールを生み出したり隕石を召喚したり、「お前ら終いには宇宙創成するつもりですか」とツッコミたくなる超人どもなんで、ばっさり「不可能」と言い切った方が楽なんだけども、それで諦められるなら血尿が出るほどの特訓を重ねたりしないわけです。「あきらめない、絶対に!」って叫びと「諦めるときだ」って諭しの狭間で根性を振り絞り、最後の血の一滴まで抗ってみせる少女の姿には心震えることしきり。普通にエイヴィヒカイトを撃退しそうな連中が出てくるせいもあり、これまでバトルシーンの推移はどうにも大雑把に思えてしょうがなかったが、こと一子ルートの武術大会は現時点で「まじこい随一」と断言できるほど熱血していてマジにアツい。幾分か根性論めいた展開になっているものの、決して一子のみを優遇せず、対戦相手も充分に引き立てて伯仲させる戦闘は掛け値なしに最高潮の盛り上がりを示します。終わった瞬間にスタッフロールが流れ出しても違和感がないほどだった。武術大会の前にも球技大会という面白いイベントがあり、「下手するとこれが一子ルート最大の見せ場になってしまうのでは」との懸念を抱いたりもしたが、杞憂もいいところであった。ぶっちゃけ当初はウザい印象の強かった九鬼英雄が送る声援や絶叫に、いつしかぴったりとシンクロしている自分がいてビックリしましたよ。

 一子と大和が付き合い始めてからの甘々ぶりも見事で、どちらかと言えば「ペット」に近かった一子がしっかり「女の子」していて当方の愚息も大興奮。「そう、そのまま呑み込んで……アタシの薙刀……」と大和の直腸を蹂躙する肛虐イベントには勃起が止まりませんでした。ごめんなさい、嘘です。「武士娘の割には武器を使ったプレイがなくて物足りないな」と思う余り、ありもしない濡れ場を幻視してしまいました。世の中にはスケートシューズで足コキするエロマンガもあるそうなので、レイピアの先端で尿道を刺激するエロゲーがあってもいいのではないか。需要がないですかそうですか。

 くだらない冗談はさておき、「あれだけ泣き虫だったワン子が……」と感慨に耽る主人公ともども彼女の成長に目頭が熱くなる良いシナリオでした。京ルートのシナリオといい、今回はストーリー面でもかなり頑張っていて嬉しいですね。「一子アフター」はエッチシーンの補完で話的には特に見るところがないけれど、本編でキッチリまとめてくれているから不満も湧かない。前々から感じていたことですが、まじこいって基本的にテキストがあっさりめで、一つ一つのイベントを割と短く無駄なく切り詰めて描いているんですよね。そのせいでちょっと喰い足りない気分が残る場面もあるにせよ、描写を絞り込むことで密度を上げ、かつイベント数を増やして「賑やかな日々」を演出することに成功している。一見ダラダラと日常シーンを垂れ流しているようでいて、驚くくらいストレスのない話運びをしてみせます。緩急の付け方が絶妙だ。無茶な展開が待ち受けているところでさえ物語の呼吸を乱さないあたり、「流石」の一言に尽きる。地味ながらも抜かりないですわ(嬢)。

 さて、残すメインルートは百代ルートのみ。どうせならオーラスに回してしまいたいので、先にサブルートを攻略して回るとしよう。まだまだ先は長そうな予感がして気が遠くなりっぱなしだぜ。あと関係ないけど縁日イベントCGのりんご飴がすごく旨そうな塗りで生唾ごくり。

・拍手レス。

 釈迦堂さんはともかく、プレミアムが秀吉似はハツミミダー
 プッレミアは性格がアレだし、キャラデザが似てるって程度ですね。ただ釈迦堂はクリソツすぎる気が……。

 しなこいっ2巻での師範の衝撃の事実にビックリ。え、なに? 突飛なギャグだと思ってた一巻のあのリミッター解除とその後の戦闘は、もしかしてお色気映像だったの?
 『しなこいっアナザー 〜道場でガッツ!〜』としてエロゲー化。

 焼津さんの攻略順が今のところ自分の攻略順とパーフェクトで丸かぶり状態。
 コレは何かスタンド攻撃的なものでも受けているのでしょうか。
 ついでにごらんの有様ネタはスマガSPでも確認しましたよー

 「ごらんの有様だよ」はこのままスタンダードなネタとして定着していくのかしら。


2009-09-13.

・さーて今週の衝動買いはー、ムアコックの“エターナル・チャンピオン”シリーズ、新装版で約20冊ー。もちろん諭吉など余裕で吹っ飛んだ焼津です、こんばんは。

 財布の底が見えてきてそろそろ強制的に物品購入不可能モードへ移行しそうな昨今、エディングスの長大極まりないファンタジー群を早くもロックオンしそうになっている右手人差し指の邪気眼(特殊能力:「購入」ボタンをポチる)を鎮めねばなりませぬ。

「あ、こいつ負けるな」ってセリフ(VIPPERな俺)

 「10秒だ、10秒で片付けてやろう」「10秒後にお前は地を這っている、豚のように」――『真剣で私に恋しなさい!』より。もちろん発言した本人が10秒後に豚の如く地を舐めているわけです。それにしても、このセリフを言っているミスマ。素人臭いとしか言いようのない喋りなんですが、どうしてか聞いているうちにだんだん癖になってきて、遂にはプロ以上の味わいを感じてしまった。噛ませ犬な雰囲気が声だけで充分すぎるほど伝わってくる。いったい誰がやっているのか、とスタッフロールを確認したらあかべぇのミマスかよ。分かりやすいネーミングだ。公式の日記(8/1付)にもチラッと書いてありますね。るーすぼーいも下北沢君役で出演していますが、こっちは車輪ネタを絡ませつつ結構ヒドい扱いで笑った。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、クリスルートをクリア。

【大和】「ごらんの有様だよ」

 危険か安全かを問わず、全般的にパロネタ大好きのタカヒロが見逃すはずない――と思っていたがやはり使ったか、ごら有ネタ。聞くにところによれば既にもう他のソフトで使用されているらしく、別にこれがエロゲー史上初のアイ惨パロディというわけじゃないんですけどね。うちのサイトに来ている人で知らない人はまずいないでしょうけれど、もしご存知でなければ「ごらんの有様だよ」でぐぐってみてください。「怒りの庭」ともども未来永劫に渡って囁かれ続けるであろう、今世紀のエロゲー界を代表する不祥事、その筆頭でございます。他、『ドグラ・マグラ』の巻頭歌も弄ったりなど、やりたい放題やってるが今回はシナリオ総量が多いせいか相対的にパロネタの混入率が低くなっている印象あり。個人的には良い塩梅だと感じています。

 ともあれクリス。本名はクリスティアーネ・フリードリヒだっけ? ドイツからの留学生で金髪碧眼という目立つ容姿をしており、ヒロインたちの中でもやや浮いた雰囲気を放っていたが、正義感が強く直情径行気味、勧善懲悪の時代劇や「武士道」といった言葉が好きな日本かぶれ、また家系が貴族で軍人っつー事情から騎士道を志しつつ「自分」という堅苦しい一人称を使うなど、性格や嗜好、立ち居振る舞いにもかなり癖がある。単細胞というか、「騎士は挑発に乗らぬ!」と自信満々に言い切った直後「クリスってなんか頭悪そうだなぁ」と苦笑されて激昂する分かりやすさが巧い具合にキャラを破壊していて、普通なら成功しそうにない魔配合を見事に成立させています。とにかく可愛い。強くて勇ましいのにおバカでアホの子っぽい、なんとも絶妙な胸キュン性能だ。いちいちワン子と同レベルで張り合う様子に心が和む。ハッキリ言ってプレー前はノーチェックに等しかったんですけれど、本編をやってあっさり射落とされましたね。性格・声・見た目、すべてが素晴らしくマッチしている。あざといけど「かわいいは正義!」、空気読めなくてウザい発言を繰り返すのもノット・ギルティであります。

 主人公である直江大和に概ね好感を抱いている他のヒロインたちと違い、「大和は策ばかり弄する卑怯者」と捉えて事あるごとに反発し、お互い憎まれ口を叩きながらも徐々に親密になっていくっちゅう過程が用意されているあたりホントたまんねぇ。「対立関係のあるヒロイン」ってのは強い。ツンデレとかそういうんじゃなく、一旦主人公と衝突する段階を踏んで、それから互いに認め合う流れがあってこそロマンスは激しく燃え上がる。ラブコメにおいて「両者とも出会いの印象が最悪」という状態から始まるパターンが意外と多いのはそうした理由からでしょう。「対立」や「衝突」がないと、物語は恋愛モノに限らず何であれ「身内で誉め合うだけ」というマンセー合戦の様相を呈しかねない。そういう意味でクリスは一歩リードした存在と言えます。

 で、クリスルートの感想。やはりと申しますか、予想通りクリスの父親が交際のネックとなっています。娘を溺愛しているドイツ軍人。「自分たち、付き合うことにしました(はぁと)」の一言で「そうか」と納得して祝福のキスをくれるような人格者では、無論ありません。むしろ「そうか、命が要らないのか……」と納得して銃口を主人公の額にキスさせようとするでしょう。如何にしてこの娘至上主義者に己たちの関係を認めさせるか、がクリスルートの焦点となってきます。「普通のギャルゲーだったら、このへんで許して2人のことを認めるだろう」というような山場が少なくとも3回は用意されていて、非常に長いシナリオと化している。随所でプレーヤーを飽きさせぬよう工夫は凝らされているから間延びした印象こそさほど受けないが、それでもやっぱり「引っ張りすぎ」という感は否めません。クライマックスも正直言って超展開スレスレだ。付き合い出してからのイチャイチャ描写は京と並ぶほど濃厚で、そこに不満はないけれど、「クリスの父親に関係を認めさせる」という目標をストーリーの最大関門とせず、あくまで一つの通過点にしてほしかったかな。クリスが少しずつ成長していく様を写し取っているところは良かったし、堅物だったクリスが肉体関係を結んだ途端アッチ方面も積極的になるところもグッドながら、クライマックスの半端な派手さ加減が恋愛ムードを取っ払ってしまった気がして、なんだか惜しいんですよね。贅沢な悩みと言えば贅沢な悩み。

 エンディングを確認したので例によってアフターを見に行こう、とおまけモードを開いてみたが、「アフターストーリー」の項目にクリスアフターが追加されていなかった。ひょっとしてクリスにはアフターシナリオが用意されていないのか? それとも条件を満たしてないので出現しないのか。気になるが、まずはメインルートの攻略を重視する方針。次はワン子狙いで行きます。にしてもまじこい、マジでボリュームてんこ盛りっスね。発売から2週間以上、あんまり時間が取れないとはいえ、一応毎日ちゃんとスケジュール開けてプレーしているのに、それでもまだまだ終わらないなんて……連鎖的に積読も凄いことになっていて、嬉しい悲鳴が漏れるのを止められない。

 それにしても釈迦堂が『嘘喰い』の箕輪に見えて仕方ねぇ。武蔵小杉も『バカとテストと召喚獣』の秀吉に見えてしょうがないです。

・拍手レス。

 漆黒のシャルノスは確かに面白かったです
 あとメアリーのエロさは惜しかったほんとに惜しかった ゲームはよかったんですが惜しかった

 たとえ『漆黒のシャルノス2』が出たとしてもメアリのエロさは無駄遣いされるままだろうなー。

 軍師大和さんのTUEEE(物理的な意味で)はないかと思ったけどTueee(肉欲)が開始された。ベットヤクザ大和さんマジパネェっす…
 二つ名を付けるとすれば“轟チンの大和”。リロードの速度と回数が突き抜けてやがるぜ。


2009-09-10.

なぜ、積みゲーをするのか「独り言以外の何か」経由)

 単純に「見通しが甘い」というのもあります。予約した時点や購入した時点ではやる気満々だったのに、スケジュール管理ができていないせいで他の用事にかまけ、考える暇もないほど忙殺されてしまい、結局積んでしまう。「こんな低価格ゲーは数時間でクリアできる、フフン楽勝だ」と勇んで買って帰り、「まだ攻略中のゲームがある」ってことにはたと気づくわけです。つまり過去を顧みず、現在をレテ川の果てに流し、未来を思い煩うことをやめた人間のみが、積みの山へと至れる。無計画性と忘却力が試される場であり、そこに集う人々は楽観主義のファイナリストとも言えるのだ。

ジョジョ花札

 露伴先生の出オチっぷりがすごい。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、京ルートクリア。

 熱愛ストーカーキャラだけに血飛沫舞う惨デレ展開に突入するのではあるまいな……視界の外からいきなり矢が飛んできたら怖いぞ……と一抹の不安を抱えながら進めたが、途中ちょっと人間関係がギスギスする程度で、斜め上をカッ飛ぶようは話もなく順当にまとまってホッとした。あくまで「椎名京という少女の精神的成長」を要にしたストーリーであり、依存癖の強かった京が徐々に独り立ちしていく後半は何とも感慨深い。多少のバトルを交えつつも大部分は「ありふれた、どこにでもありそうな、なんてことない学園生活」で固めており、派手なアピールに欠けていてやや地味っぽく映るが、その分しっかりと丁寧に構成されています。どちらかと申せばタカヒロにはコメディ的な遣り取り、つまり細かなテキスト部分に主な期待を掛けていて、失礼な話をしますと全体的なシナリオにはさほど期待を寄せていなかったけれど、うまくこちらの読みを凌駕して期待以上に楽しませてくれた。実にありがたい。

 由紀江ルートでは雨天中止になった体育祭がこっちでは無事開催されていたり、逆に由紀江ルートで盛り上がっていた格闘大会KOS(キング・オブ・ソルジャーズ)があえなく中止になってしまったりと、ルートによって発生するイベントが結構違ってきますね。「主人公の選択とは無縁なところまで変わってるじゃん」「そもそも同じ日でもルートによって天候が変わるとかどうよ」とツッコむ向きもありましょうが、おかげで変化に富んだ物語を楽しめるのだからヨシとしませんか。体感的には由紀江ルートよりも濃密かつ長く遊べたような気がしますし、個人的にゃ「満足」の一言に尽きます。京アフターは「エロシーンの補完」って性格が強かった由紀江アフターと違い、純粋に後日談として描かれており、キスシーンのみで濡れ場はなかった。メインヒロインは1人あたり3回程度が基本になっているのかしら?

 次はクリスルートあたりを攻めてみようかな。まだ軽く二周しただけで、細かい選択肢を試していないから由紀江ルートおよび京ルートの再プレーもしたいところですが、やたら「そういう道もあるだろう」と他ルートの展開を仄めかす文章が多くて気になっちゃうんですよ。まずは大まかなフレームを掴んでからちょこちょこと隙間を埋めて行こうかな、と。ホント、たっぷり楽しめそうで無性に感謝したくなるぜ。反面、すっかり読書が滞って積読もどんどん増えてきちゃってますけど……ああ、電撃文庫の新刊を読む時間がねぇ!

・拍手レス。

 マジこいは京ルート最後にするのが推奨っぽいです百代ルートはいつものタカヒロ的姉ルートでした
 あークリアしてしもたー。確かにトリに持ってきても良さそうな出来映えではあります。


2009-09-07.

・楽しみにしていた『しなこいっ』の2巻を読み終えた焼津です、こんばんは。

 タイトルは「竹刀短し恋せよ乙女」の略。持ち前の脚力を活かした戦いぶりから「跳ね馬」の二つ名をほしいままとする短剣道の手練・遠山桜をヒロインにした剣術バトルマンガです。示現流の剣士であり魔剣“雲耀”の使い手でもある榊龍之介が「もう一人の主人公」として物語に絡んでくるわけですが、依然としてよく分からない部分が多く、まだまだストーリーの全容を掴めない。最たる疑問は、“番号持ち”が何なのかってことですよね。龍之介や、その盟友である北河には「四番」と「五番」が割り振られていて、ヒロインたる桜にも仮番ながら「六番」が割り当てられている。龍之介が行方を追っている因縁の少女・鳴神虎春は「二番」。現時点で判明しているのは、「番号が若くなるにつれ実力が上がっていく」ことと「“番号持ち”は代替わりする、通常は前任者の息子や娘などといった後継が選ばれるが、それらが適格でなければ他所から選出される」、「“番号持ち”は粛清されることもある」、「『一番』は永久欠番」ってことぐらいか。代替わりシステムが存在する以上、発祥は少なく見積もっても数十年前で、何かしら共通の目的を果たすために運営されている(とはいえ現状指揮系統に乱れがあり、一枚岩じゃないみたいだが)のであろうことは容易に推測されるが、まだそのへん本編じゃ全然触れられないんですよね。桜が「六番」を継ぐことを母親が嫌がった、という事情から察して“番号持ち”には激しい闘争が予期される、という程度しか読めぬ。

 開示されている情報が少ないしストーリーの盛り上がりはまだまだこれからに期待といったところだが、龍之介が執念篭めて追い求めている虎春もまた龍之介に対して異様な執着心を持っている(龍之介が気に入ってしまうのではないか、という懸念から六番=桜を潰そうと手駒を動かす)ことが判明して、個人的には早くもヒートアップしてきた。バトルものにしてはちょっと画力が物足りないかな、って不満点もあるにせよ、後半に出てきた新たな刺客・佐東鯨が良い感じに可愛い子で、3巻すごく楽しみだ。最後まで打ち切られずに完走できるようひたすら祈るばかり。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、とりあえず一周。

【松風】「大和……まさかお前の雄々しい刀は……」
【大和】「ああ……なおも突きの構えを崩さず……」

 これがエッチシーンに出てくる遣り取りとか、どんだけフリーダムですかよ。『つよきす』の蟹初体験で相当笑った記憶がありますけど、タカヒロは藤崎竜太あたりと一緒で濡れ場描写にも平気で容赦なくネタを篭めてくるな。中の人的には1月の『俺たちに翼はない』で繰り出された「ひぎぃっ(エコー)!」に続き笑エロ状態となっております。いいぞ、もっと演ってくれ。

 てなわけで由紀江エンドを迎えました。あ、由紀江というのはまゆっちのことです。あだ名で呼んでいる期間の方が長い分、本名だとあんまりしっくり来ませんね。このルート最大の目玉は格闘大会KOSでしょう……って、このイベント他のルートでもあるのかな? まだ二周目に入ってないから分かんね。とにかく、大勢のキャラが参加してバトルロイヤルなサバイバルを展開します。相変わらずここでも地の文は省略され気味で大雑把な説明が多いけれど、とにかく対戦が山盛りで、少年マンガ的なバトルが嫌いでなければ楽しめるでしょう。「銃とか剣とか、流れ弾やとばっちりで普通に死人が出ちゃうだろ……」というツッコミは抜きにして観戦すべき。他にも町内スタンプラリー大会があったりするものの、大きなイベントはKOSぐらいだった。試合終了後はまゆっちとイイ雰囲気になって、沖縄旅行で正式に付き合い始め、帰宅してしばらく経ってからゴールイン。初夜早々からねちっこい大和には笑った。CG枚数こそ少ないものの、射精回数は抜きゲー並みだ。以降はさしたる事件もなく、割合淡白な結末に落ち着き、スタッフロールが流れ出してENDです。終わり方があっさりしているのは『つよきす』も同じなので不満はなかったにせよ、まさかエロシーンが初夜だけで幕とは……もっと付き合いだしてからのイチャイチャが見たかったのに……そのへんはクリア後に追加される「由紀江アフター」で拝めますが、あっちはエロ主体なので、欲を言えば学園生活におけるエロ控え目ラブイチャを増量してほしかったところ。

 さて、そんなこんなでまずは一周目が終了しました。思ったほど長くはなかったが、決して短いということはなく、少なく見積もっても優に10時間は要したことになります。コンプするまでどれだけ掛かることやら。喜びながらも到達地点の遠さを思って意識が霞みそうになる。細かい選択肢がポツポツと仕込まれているのも面白いし、心置きなく熱中できるゲームではありますぜ。ただ、再生されない音声がいくつかあるなど、システム(というかスクリプト?)の不備が散見されて気になりました。修正パッチを望む。次は京を攻めるか。今後の方針としては、「百代がメインルートっぽいので最後に回し、百代以外のヒロインを攻略し終えたらサブキャラのルート開拓に突入する」ってことで一つ。ちなみに当方はサブキャラだと不死川心と忍足あずみの2人が好きです。麻呂のキモさもなかなか捨てがたいが。

・拍手レス。

 陰と影製作中されたはずです・・・
 いつか遠い未来に完成し発売されると、そう信じております。

 ライアーのスチームパンクシリーズは、相変わらずエロゲー、ギャルゲーとは思えん絵柄だなぁ
 その割にメアリ・クラリッサ・クリスティが全身から放つエロさは異常。

 いくら安永航一郎がフリーダムな男とはいえニトロプラス公式ページで『超感覚ANALマン』の続編(?)が始まるなどと誰が予想しようか。
 ニトロの放任主義は底がない。フリーダムというかフロムヘルな奈良原一鉄を「ブランド10周年記念作品」のライターに抜擢している時点で分かっていたことではありますが。

 魔法少女っても魔女系(水倉りすか、剣シロオとか。むしろ魔女少女?)とアニメ系(カードキャプターとか)じゃ結構違いがありますね。
 「魔女っ子」と「魔法少女」の差ですかね。この2つ、区別が面倒なのでひとまとめにされがちですけれど、結構違う気がする。


2009-09-04.

・地道に進めていたライアーソフトの『漆黒のシャルノス』、遂にコンプリート。

 副題「What a beautiful tomorrow」。製品版のプレーを開始したのが確か去年の12月でしたから、かれこれ9ヶ月は要したことになりますね。時間掛かりすぎ。本編そのものはそんなに長くないと申しますか、計ってないので正確な数値はよく分かりませんけれども……全10幕仕立ての一本道ゲーですから、ゲームパートにてこずらなければ1幕当たり2、3時間として、だいたい20〜30時間もあればクリアできると思います。パートボイスなのでフルボイス作品よりは若干プレー時間が短い。しかしライアー作品としては結構ボリュームがある部類かも。『SEVEN BRIDGE』なんか後半飛ばしまくりで、ほんの12時間くらいで終わった気がしますし。ともあれシャルノス、量的には文句ないっつーか、ダレないし呆気なくもないし、実に丁度イイ長さでした。

 時は1905年10月、ところは英国。霧と排煙に包まれ常時薄曇りで日の射すことがない機関都市・ロンドンを舞台に、王立碩学院へ通う優秀な女学生・メアリが、絵本から飛び出してきたような幻想生物“怪異(メタクリッター)”と命懸けの鬼ごっこを繰り広げるスチーム・パンク・ファンタジーです。とにかくこのメアリが可愛くて可愛くて、こんな素晴らしいヒロインがいなければ当方はきっと『漆黒のシャルノス』を買っていなかったと思う。“怪異”絡みで昏睡状態に陥った幼馴染みの少女・シャーロット(愛称シャーリィ)を助けるために、“怪異”を狩る謎の男・Mと契約を交わすメアリ。1904年の12月から彼女の右眼は「黄金瞳」と呼ばれる、金色で猫の目のような縦長の瞳孔を持つものに変わっており、“怪異”はこれを狙ってメアリに近づいてくる。Mは、彼女を「“怪異”をおびき寄せるための餌」として危険に晒す代わり、すべての“怪異”を狩り尽くした暁にはお前の願いを叶えてやる――と約束するわけです。かくして彼女は黒い異界、「シャルノスのはざま」で“怪異”の魔手から逃げ惑うハメになるわけです。この「逃げ惑う」ところは実際にユーザー自身がプレーするゲームパートなので、「もうイヤ! 追ってこないで!」と“怪異”を拒絶するメアリにひたすら共感すること請け合いです。決して難しくはないんですけど、ちょっとしたミスでそれまでの努力がパァになってしまうこともあり、結構非情。ライアーソフトはこういう「遊べる」要素をちょくちょくゲームシステムに仕込んで、大概途中で「もう飽きた……」とグッタリさせるものですけれど、今回は最後まで飽きずに楽しめました。むしろ、最終章にゲームパートが用意されておらず、我らが愛しのメアリを操作できないことに歯噛みさせられたほど。これまでリリースされてきたライアー作品の中でも、ノベルパートとゲームパートのバランスが極めてよく取れた部類に属するんじゃないかしら。それにつけても「あきらめない!」「仔猫(キティ)っていわないで!」と声を張り上げるメアリが可愛い。モデルがアガサ・クリスティであることをついつい忘れそうになる。

 「漆黒の〜」なんていうバトル主体の深夜アニメみたいな厨臭いタイトルをしている割に終始一貫して平易かつ鋭利な文体で物語を綴っており、また戦闘描写も単調というかごく一方的で駆け引きの要素が皆無、実に淡々としていて「激しくて派手な血沸き肉躍るアクションの数々! 危機一髪、紙一重で凌ぐスリルの連続!」を期待するとやや肩透かしです。共通テキストを何度も執拗に繰り返す構成も、慣れないうちは単なる手抜きにしか見えない。ワケも分からずただただ戸惑ってばかりいるヒロインの姿にもイライラさせられるかもしれません。そもそも、世界観やストーリー……メアリの黄金瞳を狙う“怪異”や、その背後に見え隠れする「チャペック研究会」の影、そしてMの所属している秘密結社「西インド会社」やシャーロック・ホームズが密かに在籍している帝国統治組織「ディオゲネス・クラブ」、涙を流しながら夜のロンドンを徘徊する泣き妖精「コード・バンシー」、女王陛下の肝煎りで運用された「ゾシーク計画」及びその後継「シャルノス計画」、シャルノスの世界で待ち受ける「タタールの門」、Mが己の正体を現す際に用いる「クルーシュチャの方程式」など、思わせぶりな設定が多いくせして詳密な解説は一向に行われず、読んでいる我々までもがメアリの如くただただ戸惑って右往左往させられる。3幕と4幕の「白牙の魔犬」は元ネタである『バスカヴィル家の犬』を知らないと少々分かりづらい。「シャルノス」は造語みたいですが「ゾシーク」は恐らく『ゾティーク幻妖怪異譚』に由来するものでしょう。クトゥルー関連の用語もチラホラ盛り込まれています。とにかく非常に広範囲からネタが拾われていて、「一つ一つのガジェットが理解できないと気持ち悪い」っていうプレーヤーならば途中で投げ出してしまっても不思議ではないし、そもそも全体像がすごく掴み辛い。勘の鈍い当方など、7幕あたりに至ってようやく話の一端を掴めてきたほどです。全容は、未だに把握しているとは言いがたい。しかし、「なぜ彼らは明日を否定するのか?」という部分に想像を巡らせられるようになれば俄然面白くなってくることは確かであり、メアリが頑なに繰り返す「諦めない!」の叫びも、平板なようでいて複数の意味が篭められていることに気づく。最初の壁が少し高いけれど、そこを越えると一気にハマりますよ。9幕から終幕に掛けての展開は「圧巻」の一言に尽きました。

 結局、全編通してまともな濡れ場が一個もなかった(何せこれ、メアリが恋をするとかそういうストーリーじゃないですから……)ので、エロゲーとしては失格も甚だしい出来ながら、雰囲気づくりは徹底しており、進めれば進めるほどに魅力と味わいが増していく一種のスルメゲーではありました。たくさんのキャラクターが登場する反面、活躍の場面が少なかったり退場するのが早かったりで、個々の扱いに不満を覚えることが多い(エド・オニールに至っては噛ませ犬ですらねぇ)ものの、入れ替わりの激しさによって「閉じていない、開かれた世界」を感じさせてくれたことはありがたかった。完全にメアリ目当てで購入したからそれ以外にはまったく期待していなかったんですが、プレーし終わった後に「メアリが好き」ではなく「『漆黒のシャルノス』が好き」と断言できる程度には愛着を持ってしまった次第。メアリの健気さよりもMの「眩しそうな目つき」の方に萌えちゃったしな。「あたしの手を取りなさい、黒猫(キティ)」「……黙れ」という遣り取りすら幻視した。あとシャーリィメアリを大好き過ぎて噴いた。気持ち悪いという次元を突破したドロドロの執着心が超ステキ。バンシーのループボイスは半ばホラーじみていましたね。ふたりの衝突、そして決着が見れたのは大きな収穫でした。

 公式ページに掲載されているウェブノベル「ナイハーゴの灰葬」は後日談ゆえ、クリア後に読むことをオススメ致します。てか、むしろクリアした人間は必ず読むべき。前編・中編・後編と3つに分かれており、またそれぞれが数ページに分かれていますから、勘違いして各編の冒頭1ページずつだけ読んで「ワケが分かんねぇな」とこぼしたりしませんようご注意。こんなことを書いている時点で「自分がそうして恥ずかしい思いをした」って事実がバレバレなわけですが……ちゃんとした方法で目を通せば内容は面白く、思わず『漆黒のシャルノス2』を希求したくなった。あと、原画を担当したAKIRAのサークルKaned Foolsがシャルノスの同人誌を2冊出しています。去年の冬コミで売られた「おさるのす」と今年の夏コミで売られた「しつこくのおさるのす」。同人誌とはいえ「しつこく」の方にはシナリオライターである桜井光の寄稿もあるなど、ほとんどオフィシャルに近い内容であり、機会と資金があれば是非押さえておきましょう。当方は「しつこく」のみ確保に成功しました。「おさるのす」はまたいずれ。


2009-09-01.

・カッとなって『ミレニアム』全巻を衝動買いした。1万円超えましたが、今のところ特に後悔はしていない焼津です、こんばんは。

 装丁とかタイトルとかにペーパーバックめいた安っぽさが漂うことや、本当は5部作となる予定だったのに作者が急死して3部作になってしまった経緯(そういやゴーメンガーストも似たような経緯で3部作に収まったんだっけ……)などから敬遠しておりましたが、結構評判イイし気になることは気になっていたんですよね。今更キャンセルもできないし、おとなしく着弾を待つとしよう。とりあえず、今後深夜に通販サイトへ繋げるのはやめにした方が良いと思うんだ。余計な買い物のうち6割方は真夜中に行っている気がする。

漫画をつまらなくさせたキャラクター50選(痛いニュース(ノ∀`))

 作者の都合で優遇される、ってタイプのキャラは嫌われやすいですね。漫画じゃないけど、『Dies irae』遊佐司狼も「出てきた途端に敵がショボくなり始める」と評判。「超人と渡り合う一般人」って位置づけなんですが、いくら何でも優遇されすぎという感が拭えない。ファーブラでも同じような苦言が呈されるのか、あるいは名誉挽回するのか、期待と不安が半々といったところ。ご都合主義が鼻に付きすぎるというだけで司狼のキャラ自体は嫌いじゃなく、「納得できる活躍」を願いたい。

現実世界と電脳世界を舞台にしたアニメ「serial experiments lain」がBlu-ray Disc化決定(GIGAZINE)

 まだ明確な目処は立っていない模様ですが、思い入れの深い作品だけにもし出たら買わずにはいられないな。

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、プレー開始。

 タイトルの「真剣」は「マジ」と読む。メインヒロイン全員が武士っ娘なので、態度の真剣と武具の真剣を掛けているのでしょう。略称は「マジこい」ないし「まじこい」。『姉、ちゃんとしようよ!』や『つよきす』といったヒット作を手掛けながらも様々な事情によりインターハート系のきゃんでぃそふとから抜け、戯画PBのみなとそふとを立ち上げたスタッフによるエロゲー最新作です。みなとそふととしては一昨年の『君が主で執事が俺で』に次ぐ2作目であり、きゃんでぃそふと時代も含めれば、看板ライターであるタカヒロがシナリオを担当したソフトの5本目あるいは6本目(『みにきす』をカウントすべきかどうかで迷った)に当たる。ちなみに『つよきす2学期』はタカヒロの関与していない(強いて言えば「原案」程度)作品なので注意。原画はこれまでの相棒だった白猫参謀からwagiに変更となった。「wagi」が「カワギシケイタロウ」の略であることは公然の秘密。武士っ娘をテーマにした話である一方、『つよきす』以来の「学園を主な舞台に据えたエロゲー」であり、発表直後の時点からファンの期待は高かった。「しかしこの題名どうよ」という声もあったがそれはそれ、2年近い期間を費やして完成させただけのことはあり、過去最高のシナリオ量を誇ると云う。事実、ここ3日間で数時間(計ってないが6、7時間くらい?)はプレーしたのに、ようやく共通ルートが終わってOPムービーが流れたところですよ。長ぇ。『つよきす』も共通ルートは長かったけれど、明らかに凌駕しています。これは、少なくともボリュームに関しては不満を述べる必要がなくなりそうだ。

 じゃあ内容に関しては? という話になりますけど、共通ルートしか終わらせていない時点であれこれ語るのも早計ですから短めにまとめますが、「期待通り面白い」って感じですね。もうメチャクチャ楽しくて、つい寝食を忘れてしまう! というほど夢中じゃありませんけども、テキストは平易で読みやすく、会話のテンポも整っていてボイスを聴いているとすごく和むし、登場するキャラクターの1人1人が個性的で、新しい面子が出てくるたび素直にワクワクする。ごく模範的な学園エロゲーと言えましょう。ノリ自体は少年漫画のそれながら、少年漫画じゃ使いにくい際どさ満点のシモネタをバンバン出してくる、その迷いなきオゲレツぶりが素晴らしい。ヨンパチ輝きすぎてるよ、あの声であのセリフだなんて。

 ただCGの塗りがあっさりしている点や、セリフ内に(苦笑)や(棒読み)といったカッコ書きの補足説明を入れることで地の文を省略しがちな点はちょっと残念だったし、画面演出もいまひとつ……たとえばあるキャラが怒りや恐怖に震える場面、立ち絵をガクガクと小刻みに揺らして「ふるえ」を表現するのですが、いくら何でもガクガクしすぎで「ふるえ」を通り越して「痙攣」になっており、見ていて怖い。他にもあるキャラがあるキャラを抱きかかえるシーンで、抱きかかえられる側の立ち絵を横倒しに表示して「荷物っぽさ」を演出するのは、うーん、どんなもんだろう。さすがに間抜けすぎないか? すべての演出が悪いということはなく、あくまで「いくつか気になる箇所があった」程度のことながら、演出したせいで却って安っぽくなってしまっているポイントを目撃するとなんだか気まずくて、複雑な心持ちになります。ageといい、立ち絵はそんな頻繁に目まぐるしく動き回らせなくても良いと個人的には思う。

 とはいえ、概ね許容範囲。軍師タイプの主人公が「こすい」「せこい」「卑怯」と罵られ、揶揄されながらも、己のスタイルを変えず一貫して策略を練り続けるあたりも好感が持てた。腕っ節は強くなくて「女の陰でバトルの解説」に陥るシーンが多々あるのに、不思議と嫌悪感が生じない。なんだかんだでストーカー幼馴染みを大切に想っていて有事の際は咄嗟に庇おうとするとか、男キャラのくせして格好可愛いじゃねぇか。主人公といいモロといい、うっかりすると萌えそうになる野郎がいて危ないなこのソフト。

 そろそろ話をヒロイン勢に移す。姉貴分の百代は無双キャラでドSで女好き、「ああ、またこのタイプか……つくづくタカヒロはこういうのが好きだな」と苦笑い。ぶっちゃけ性欲の矛先を向ける気にはならないが、ふざけた言動がなかなか面白くてそれなりに魅力を感じる。百代の妹、一子はあだ名が「ワン子」でまさしく犬を彷彿とさせるおバカで人懐っこい娘、戦力的には結構イイ線いっているのにメンタル面が弱く、仲間から叱責されたり睨まれたり無視されたりすると即座に凹んで涙目になる様子はなんとも微笑ましい。が、この子も百代同様「見ている分は面白いが、攻略したいってほどでは……」な路線ですね。姉妹揃ってサブヒロインに近い属性。

 発売前から特異な存在感を放っていたストーカー幼馴染みの京は開始時点で好感度MAX、主人公がその気になれば10分でエンディングに辿り着くであろうベタベタ偏愛少女であり、露骨なアプローチを仕掛けてはいなされ、それでもめげずまた果敢にアタックしていく化け物じみた健気さがステキ。キャラ選択でたった2回クリックすればもうルート確定しちゃう迅速さにも慄然とする。これ攻略されてるの大和の方じゃね? 雑誌のインタビューによると、「1回キャラ選択しただけで問答無用にエンディングが流れ始める」って無茶仕様も検討されたらしい。精神的にやや不安定なところがあって軽くメンヘラ入ってますが、個人的には感情を爆発させる京よりもキレすぎて笑顔全開になるモロの方が怖かったですよ? そういや俺翼にも京ってメンヘラヒロインいたっけな……ドラさんみたいな男ツンデレやコンドルさんみたいなラジオも存在していて、既視感がすごいわ。デジャヴりまくる。赤毛眼帯ドイツ軍人女も声優のせいでいつ「黒円卓」と言い出すだろうかと身構えてしまった。キャラ的にザミエルシュライバーのハイブリッドっぽいし。副首領閣下の術式には恐ろしくなる、本当に。

 『友達100人できるかな』を地で行くまゆっちこと黛は、「ずっと友達ができない」「距離感が測れず、挙動不審になりがちで、うまく会話をできない」「友達いないから携帯電話も不要なのに、携帯ストラップだけ持っている」と立ち居振る舞いの何もかもが哀れを誘います。まゆっち……不憫な子! 黒髪巨乳とまロやかな尻で割と性欲をそそる子ではあるものの、まだ全然恋愛フラグ立ってないのでヒロインという印象はあまりない。今後の頑張りに期待。最後、ドイツからやってきた日本かぶれの留学生クリスはなかなかイイ味出してる。もっとも登場が遅く、また外人ヒロインという学園モノではビショーなポジションに収まることが多いキャラだけあってやや不安があったが、あっさりと馴染んだうえで個性も発揮して魅力を放つなど、予想外の活躍を見せています。主人公に突っかかりながらも徐々に仲良くなっていく、ラブコメの黄金パターンを踏襲している姿にはニヤニヤ。子煩悩で「娘に彼氏ができたら殺す」を割と本気で実行しそうな雰囲気のあるドイツ軍人が父親であり、惨劇の予感に早くもワクテカさせられる。意外と一番ヒロインっぽいかもしれんな、クリスは。

 そんなこんなでコンプまではまだまだ遠い道のりながら、ゆっくり焦らず遊ばせてもらいます。そう、合間にシャルノスやるい智なんかもプレーして……できれば9月中にはコンプしてしまいたいですね。10月に食い込むとスケジュール的にいろいろ死ねる。つーか、積読も視野に入れると既に死んだも同然だったりしますが。マンガすら満足に消化し切れていねぇ。小説は言わずもがな。

・今月の購入予定。

(本)

 『悪霊の島(上・下)』/スティーヴン・キング(文藝春秋)
 『しなこいっ(2)』/黒神遊夜(ジャイブ)
 『洋梨形の男』/ジョージ・R・R・マーティン(河出書房新社)
 『ピコピコ少年』/押切蓮介(太田出版)
 『わたしたちのかえりみち』/みなすきぽぷり(コアマガジン)
 『天冥の標1(上・下)』/小川一水(早川書房)
 『アイスウィンド・サーガ 冥界の門』/R・A・サルバトーレ(アスキー・メディアワークス)

 『悪霊の島』はキングの大作。上下併せて購入すると5000円超えるわけで、到底気軽には買えない……はずなのだが、つい調子に乗ってポチッてしまった。キングの積読ってかなり多い(『IT』も『グリーン・マイル』も『ザ・スタンド』も『ドリームキャッチャー』も『ダーク・タワー』も、みんなみんな積んでるよ!)のに、なんでそんなことしちゃうんだろう、自分は。『しなこいっ(2)』は確か「竹刀短し恋せよ乙女」の略だったか。短い竹刀を片手で扱う「短剣道」の優れた選手であるヒロインが、示現流の剣士と出会ってバトって恋に落ちたりする話、だと思う、たぶん。1巻の時点ではバトルだけで、微塵もラブロマンスの要素がなかったからなぁ。薀蓄を重視した剣術バトル漫画で、マイナー作品ながら個人的にかなり期待している。『洋梨形の男』は“氷の炎の歌”の作者であるマーティンの作品をコレクトした短編集。“奇想コレクション”という、その筋では割と人気がある叢書の新刊です。税込で1995円。ちょいお高めの価格ながら、これは見逃せない。マーティンのノン・シリーズ短編集は『サンドキングス』以来ですね。

 『ピコピコ少年』は押切蓮介の自伝的コミックス。ファミコンやアーケードゲームに耽溺していた少年時代をエッセイ漫画風に振り返るノスタルジックなシリーズで、確か何かの短編集にも少しだけ収録されていましたが、今度は一冊丸ごとピコ少onlyでまとめるのかな? 実はよく分かっていない。つか、押切作品だったら何でもいいのでとにかく買います。当方は押切依存症。『わたしたちのかえりみち』は何度かの延期を重ねてようやく刊行される成年コミック。「自主規制だ何だで厳しくなってきた今の時期に出せるの?」と危ぶまれつつ現在に至ってますが、もし発売中止とかになったら身も世もなく頽れますよ当方。ロリコンと謗られようが構うものか、みなすきの新刊が読みたくてたまらないんですよ実際のところ。『天冥の標1(上・下)』は堂々たる「十巻計画」とともに発進する超大作SF。1巻の時点で既に上下ということは、完結する頃には20冊超えてるかもしれんね。1巻が上下併せて原稿用紙900枚とのことだから、この調子で進めば全9000枚――本当に最後まで書けるのか(そして出せるのか)心配になってくる。でもファンだから買わずにはいられぬ。『アイスウィンド・サーガ 冥界の門』は悲願の3部作完結編。16年越しの復刻であり、昔ながらのファンにとっては感慨もひとしおのはず。フォーゴトン・レルムを舞台にしたサルバトーレのシリーズは原書の既刊が30冊近く存在するが、日本語に翻訳されているのはこれを含めて10個程度なので、まだ半分も行っていない。先は長いぜ。

(ゲーム)

 なし

 めろめろキュートの『魔法少女の大切なこと。』が気になっているが、来月に購入予定のソフトが3本固まっていることもあり、買わずに素通りする可能性が高い。よう太原画の女装少年モノということで、相当後ろ髪引かれそうですが……とりあえず体験版だけでもやってみるとしますか。


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