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リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)


2020-10-12.

【期間限定】「超古代新選組列伝 ぐだぐだ邪馬台国2020」開催!

 「新規ぐだイベは今月下旬あたり開催が現実的なところかと」としたり顔で書いていたら「生放送配信終了後すぐ」のパターンだった件について。所用を済ませて帰宅しFGOを起動したら「ぐだぐた邪馬台国!」と宣告された私の気持ちがどんなだったかわかります? ぶっちゃけ、ぐだぐだイベントで邪馬台国ネタという発想自体はあった(その証拠として2018年6月7日の日記に「ぐだぐだ魏志倭人伝」という与太をチラッと書いている)が、「超古代新選組列伝」は斜め上すぎて予想しかねたわ。何だよ「闇の新選組」って、むしろ闇属性じゃない新選組ってある? バカの塊みたいなタイトルなのに新選組勢のみならず岡田以蔵にも見せ場があり、そのうえ「サーヴァントとしての織田信勝」の掘り下げまで並行して進める離れ業まで繰り出している。これが「ぐだぐだ本能寺」とかやっていた経験値シナリオのイベントなのかよ……と遠い目をしてしまう。あ、Fate/ぐだぐだオーダーも久々に更新されていますのでみんな読もう。

 「ぐだぐだ邪馬台国2020ピックアップ召喚」では☆5ルーラー「卑弥呼」と☆4セイバー「斎藤一」が実装された。告知CMで声聴いて「あっ」となったけど、卑弥呼のCVはなんと「田村ゆかり」だ。現在放送中の『ひぐらしのなく頃に 業』で「古手梨花」の役を演じていますが、もっとも有名な役は“魔法少女リリカルなのは”シリーズの「高町なのは」だろう。もともとは『とらいあんぐるハート3』というエロゲーの登場人物で、当時は「北都南」が担当していたけどいろいろあって田村ゆかりにバトンが渡された。同様の現象は『D.C.』の「芳乃さくら」でも起こっている。個人的には『ギャラクシーエンジェル』の「蘭花・フランボワーズ」役が印象に残っています。比較的最近の役としてはハグプリ(『HUGっと!プリキュア』)のルールーが有名か? 田村ゆかりの熱心なファンは俗に「王国民」と呼ばれており、卑弥呼役としてFGOに参戦したことで「邪馬台国はゆかり王国だった……?」「田村ゆかりは福岡出身、つまり『邪馬台国九州説』が裏打ちされた形になるな」みたいな呟きが飛び交う愉快な事態に発展しました。「卑弥呼=田村ゆかり、つまり弥生時代の頃から17歳だった」という珍説まで湧き出してくるのはいったいどこのメルクリウスかと。

 性能的にはバスター支援系の殴ルーラーであり、状況に応じてサポーターにもアタッカーにもなれるタイプ。早速借りてみたが第一スキル「巫女のカリスマ」が強力だ。自身含む味方サーヴァント(最大3騎)に毎ターンスター獲得状態を付与する副効果があって、1騎あたりスター8個、つまり1ターンで24個ものスターを供給する。3ターンに渡って「味方全員が未凸欠片を付けている状態」を生み出し、スキルマすればCT5でリキャスト可能。卑弥呼を編成すればグッとクリティカルを決めやすくなるわけです。あまり周回向きではないが、「ダラダラと素殴りしてクエストをこなす」状況下では便利。土方さんとの相性も良く、積極的に借りていきたいところです。なおシナリオ中で卑弥呼の後継者の名前は「壱与」(イヨ)となっているが、「台与」(トヨもしくはトヤ)と見做す向きもある。漫画の『邪馬台幻想記』が壱与派でライトノベルの『Kishin―姫神―』が台与派だった。『Kishin―姫神―』は東遷説に基づく記紀神話ベースの古代ファンタジーになっており、卑弥呼=日巫女=天照大神で、天忍穂耳命(天照の息子)の妻である「万幡豊秋津師比売命」を卑弥呼の後継者と設定しているので「台与=豊」……だったはず(うろ覚え)。とにかく『Kishin―姫神―』は傑作なので万民にオススメしたいが、新装版どころか電子書籍すら出ていないんだよな……悲しい。

 一方の斎藤一はアーツ単体剣。「卑弥呼は無理でも一ちゃんだけなら」と期待してガチャったが現実は無情だった……卑弥呼に比べて引いてる人が多いので借りやすいことは借りやすい。癖のない性能だけど欲を言えばNPチャージスキルが欲しかったかしら。宝具AAでNPをグーンと回収するから条件次第で連発も出来そう。特攻も付くし、レイドで活躍するかもしれない。斎藤一は新選組の三番隊隊長であり、割と長く生き残ったこともあっていろんなフィクション作品に登場する人物です。私の世代だと『るろうに剣心』の「悪・即・斬」なイメージが強い。『ちるらん』では拷問好きのサディストとして描かれている。坂本龍馬暗殺の実行犯候補として挙げられることもありますね。中には「坂本龍馬と斎藤一は同一人物だった!」なんていうかなり無茶な設定のゲームも……FGOにおける斎藤一は「飄々とした言動のお兄ちゃんだが殺るときは殺る」感じのキャラで、セイバーよりもアサシンに近い印象です。EXアタックの「よけんなよ〜? ――外さんがなッ!」が好き。CVは「石川界人」、代表作は何になるんだろう。よくライトノベル原作アニメの主人公やってる声優なんですが、出演作品かなり多くて逆に絞りにくい。映画化したことも考慮すると青ブタの咲太くんあたり? インパクトの強かった役で言うと『ダンベル何キロ持てる?』の街雄さんかな。ユニットとしての実装は恐らくないだろうが、新選組関連で「山南敬助」と「芹沢鴨」もストーリーに登場します。山南さんは『ちるらん』でも眼鏡キャラだったのでちょっと笑ってしまった。芹沢さんは「謎の黒幕」といった体裁で登場するのに正体を隠す気/Zeroでもっと笑ってしまった。新選組では近藤勇と並ぶ重要人物だったが土方たちの手で暗殺されたこともあり、大抵の新選組モノでは暴虐を振るう悪役として描かれます。実際酒乱で無茶苦茶なことやってますから仕方ない面もあるが……浅田次郎の小説『輪違屋糸里』が芹沢鴨暗殺を題材にしており、「闇の新選組」な側面が見れるので興味がある方はこちらもどうぞ。

 イベント期間中フレポガチャが「期間限定ぐだぐだ邪馬台国2020フレンドポイント召喚」という特別仕様になり、経験値礼装、そしてシークレットサーヴァントである「織田信勝」が排出されるようになります。2017年の「ぐだぐだ明治維新」で初登場したカッツ、3年経ってようやくの実装だ! 待望のユニット化にTLは歓喜で沸き立ちました。でもぶっちゃけ「信勝実装」とか「カッツ実装」というトレンドを目にしたとき、例によってファンたちの幻覚だと思ったんですよね……「とりあえずイベ礼装のためにフレポ回すか」ってやってたら銅弓からのカッツ降臨で目を剥いた次第。味方を強化した後に退場する即死宝具を持っており、「☆1弓は自爆しなきゃならんってルールでもあるのか!?」と仰天する人が続出しました。再臨ごとに見た目も大きく変わり、☆1とは思えないほど気合の入ったモーションになっています。差し当たって宝具5のカッツと宝具4〜1のカッツを1騎ずつ、計15体分引くまでフレポガチャを回し続けたので初日はほとんどイベントを進める余裕がなかった。ようやくカッツとノッブ、姉弟並べて編成できるようになったわけで素直に感激。ちなみにCVは「山下大輝」、『弱虫ペダル』の「小野田坂道」や『僕のヒーローアカデミア』の「緑谷出久」で有名な人です。相変わらずぐだぐだイベントの声優陣って豪華すぎない?

・拍手レス。

 今期はアサルトリリィや本家ストパンに加えて、シグルドリーヴァもありますね。「女の子部隊vs謎の敵」。
 シグルリは「柱状の謎の敵が現れ……」で既視感を覚えると思ったらアレだ、『バーサスアース』だ。前日譚に当たる小説版を読んでいないと英霊機云々の設定が呑み込み辛く、今後がちょっと心配。

 「真の仲間(じゃない)」というフレーズの元と思われるのは、2015年発売のゲーム「テイルズ オブ ゼスティリア」ですねー。ゲームは炎上したけどアニメ版はいろいろ改変されて浄化されてました。
 発刊時は「パロディみたいなタイトルだ」と苦笑したけど、最近は元ネタ知らないファンも増えているみたいで「時の流れは早い」としみじみ実感したり。


2020-10-08.

・秋アニメの新番組『アサルトリリィ BOUQUET(ブーケ)』を観た焼津です、こんばんは。

 制服着た女の子たちがでっかい武器を手にしてネウロイ的な「謎の敵」と戦う、例によって例の如くなガールズ・アクションです。設定面で惹かれるものはあまりないが、執拗に太腿をアピールする構図が多くて満足しました。太腿とニーソが織り成す絶対領域に次ぐ絶対領域、そしてたまさかの黒タイツ。基本的にこのアニメは女の子の顔と足だけ観ていればいいのです。バトルも太腿を際立たせるための補助的な要素に過ぎない。会ったその日に主人公が巨乳の美少女を墜とすあまりに迅速な展開も百合コメディとしては正解と言えよう。

 『アサルトリリィ』はメディアミックスプロジェクトであり、アニメの『BOUQUET』もアサリリ世界を構築するパーツの一つと位置付けられている。アサリリはアクションフィギュアとドールを融合させた「アクションドール」がプロジェクトの根幹ゆえ、ストーリー以上に「見栄え」と「躍動感」が重要視されるワケダ。単にメインスタッフが「足ぶっとい娘大好き!」なだけかもしれないが、スカートの短さと足の太さは躍動感を生み出すためにあえてそうしている可能性が高い。冗談抜きに「足で芝居をしているアニメ」なんです、これ。制作はシャフトだがいわゆるシャフト臭は今回薄く、スタッフロールを眺めて「ああ、そういえばシャフトアニメだったっけ」と思い出すレベル。女の子が武器を持って戦うアニメには食傷気味の方も多いことだろうが、太腿目当てにせめて1話だけでも鑑賞してみては如何でしょうか。キャラ多過ぎで名前覚えらんないという昨季の『Lapis Re:LiGHTs』と同じ現象(症状?)に苦しんでいる私でも割と楽しめています。いっぱいキャラが顔見せしてきた時点でお察しの通りソシャゲ『Last Bullet』の事前登録も受付中だ。

 1話目の舞台となっているリリィガーデン(少女戦闘員養成機関)は「私立百合ヶ丘女学院」だが、近隣に「相模女子高等女学館」、「鎌倉府立桜ノ杜高等学院」、「シエルリント女学薗」、「聖メルクリウスインターナショナルスクール」があり、百合ヶ丘含む以上5校を「鎌倉府5大ガーデン」と呼ぶ。百合ヶ丘と聖メルクリウスが2強。他にも「エレンスゲ女学園」、「神庭女子藝術高校」、「御台場女学校」、「私立ルドビコ女学院」、「アルケミラ女学館」、「甲斐聖山女子高等学校」、「イルマ女子高等学校」、「城ヶ島工科女子」、「私学アンブロシア女学苑高等學校」、「私立鹿野苑高等女学園」、「鞍馬山環境科学女子高等学校」、「福岡天神女子」などといった具合にプロジェクト全体では「加減しろバカ!」ってくらいのガーデンが存在している。当然ながら海外勢もおり、全校出そうとしたら100人軽く超えるんじゃない? ガルパンに対抗するつもりなの?

 百合ヶ丘女学院は9人1組のチームを作る「ノインヴェルト戦術」なるものを採用しており、主人公である「一柳梨璃」を中心にしたレギオン「一柳隊」(正式名称は「ラーズグリーズ」)を結成するまでに何話か尺を割くものと思われます。要するにラブライブと同じ流れですわ。主人公にとって憧れの先輩である「白井夢結」はかつて存在した伝説的なレギオン「アールヴヘイム」の元メンバー(初陣が主人公との出会いである甲州撤退戦)だった過去があるので、そのへんも掘り下げたら1クールほぼ埋まっちゃうんじゃないかな。アニメだと本筋はほとんど動かずキャラ紹介と人間関係の説明だけで終わりそう。ちなみにアールヴヘイムは既に解散してメンバーもバラバラになっているが、ネームバリューの高さから現在は別のレギオンがその名を受け継いでいる。夢結に喧嘩を売っていたピンク髪「遠藤亜羅椰」が新アールヴヘイムに所属するみたいだし、そのタイミングで過去編に突入するパターン?

 余談。巨乳のジョアンちゃん(どうしてもプレステ・ジョアンを思い出すな、この名前……)が口にしていた「シュッツエンゲル制度」は説明しなくてもだいたいわかるだろうがスール制度みたいなもんです。シュッツエンゲル(Schutzengel)はドイツ語で「守護天使」の意味。下級生と上級生の間でのみ成立するシステムなので主人公がジョアンちゃんのシュッツエンゲルになることはできません。同学年でもルームメイトなら「パートナー」というシュッツエンゲルに相当する関係になれるらしいが……。

【期間限定】「ぐだぐだピックアップ召喚(日替り)」!

 ボックスイベが終わるや否や急に始まったぐだぐだピックアップハンティングクエストに突如現れたノブシリーズ……これらが意味するものはいったい何か? 十中八九新規のぐだぐだイベント開催でしょう。「今年は『麒麟がくる』に合わせて明智光秀イベント」と予想する向きと「本能寺はもういいでしょ、そろそろ新撰組イベントやってほしい」と希望する向きがあり、プレーヤーの裏をかくことが大好きな運営のことだからそのどちらでもない未知数のイベントが来るんじゃないかしらん。気になる開始時期については最短だと「Fate/Grand Order カルデア放送局 ライト版」配信終了直後の9日午後8時とか9時の可能性もあるが、ライト版であることを考慮すると何かの復刻イベントかもしれず、新規ぐだイベは今月下旬あたり開催が現実的なところかと。

 さておきかなり久しぶりとなる沖田さんピックアップです。ピックアップされてもされなくてもトレンド入りすることに定評のある沖田さん、今回も「エアピックアップか?」と疑う人がいて笑った。2度目のモーション改修に伴って顔面宝具のカットインまで追加され、念願の強化クエストも実施。初の☆5剣として使いまくったサーヴァントだけに感無量です。土方さんは特にモーション改修とかボイス追加とかなかったけど強化クエストでスキルにガッツが付いて「イエーイ」な気分。これで陳宮と組み合わせての運用がよりしやすくなったな。今までは礼装や他サーヴァントのスキルでガッツ付与しないとHP1にできなかったけど、強化後は自前スキルのみでHP1にできるから礼装選択と編成サーヴァントの幅が広がった。久々に土方さん使ったけど、やっぱり星を吸ってクリティカルが出せるのは強いしロマン砲も気持ちいいな……本当に新規ぐだイベが始まったら特効も付くだろうし、獅子奮迅の活躍をしてもらおう。

・相変わらずなろう系のライトノベルを中心にあれこれ崩しているが、最近読んだぶんの中では『反逆のソウルイーター』が面白かった。

 初めて見たとき「弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました」という砕けた副題のせいで少し気が抜けてしまったけど、夕薙のイラストも決め手になって購入。大枠としては「レベル」という概念や魔法が存在していて、モンスターや冒険者ギルドがある「いつものなろう系」なファンタジーです。ジャンルはいわゆる「追放モノ」。「小説家になろう」では一時期主人公が「無能」だの「お荷物」だのと罵られてパーティーから追い出される話が大流行しました。今でもその流れが続いているのか、それとも下火になってきているのか、詳しいことはよく知りません。正確に言うと追放モノには該当しないが『ありふれた職業で世界最強』(2013年より連載開始)も「落ちこぼれと見下されていた主人公が仲間たちに見捨てられた後、独力で這い上がっていく」点で追放モノと共通する部分があり、いくらか後続に影響を与えているのかもしれない。

 追放ブームの火付け役と見做されているのが『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』(2017年より連載開始)、RPGでたまに見かける「初期パラメータが高いおかげもあって冒険の前半ではいろいろと役立ち便利だったけど、後半になってくるとステータスが伸び悩み使う機会がなくなって倉庫番になってしまうユニット」のような主人公が勇者パーティーから追い出されてしまうところから始まる。冒険の途中で脱落したキャラの「その後」を描くといった趣旨のストーリーであり、実は主人公がこまごまとした雑用をこなしつつ潤滑油のような役割を果たしていたため抜けた後でいろいろと不都合が生じパーティーの人間関係がギスギスしていく――その一方抜けた主人公は悠々自適の生活を送りながら地位と名声を得ていく、という「追放モノ」におけるお約束めいたフォーマット、言うなれば「盛衰比較」を確立させた作品です。追放したサイドの「クソッ、こんなときにあいつがいてくれたら……」と後悔する描写を繰り返すことで主人公が無能ではなかったことを説明する。仲間に見捨てられたり裏切られたりした主人公が仕返しをする「復讐モノ」は以前からありましたが、『真の仲間じゃないと〜』の人気が伸びたあたりから徐々に「追放モノ」というジャンルが意識されるようになっていった。わかりやすく書くと、タイトルのどこかに「追放」の二文字が入った作品を頻繁に見かけるようになったんです。『真の仲間じゃないと〜』が書籍化される以前はタイトルに「追放」が入っているライトノベルは数えるほどしかなかった(“封仙娘娘追宝録”シリーズを除外したら『楽園追放』のノベライズ関連と『死線世界の追放者』くらい、強いて言えば『少年舞妓・千代菊がゆく! 濡れ衣で祗園追放!?』も挙げられるか)が、2018年以降一気に増えます。先月だけでも3冊くらい新作が刊行されているし、今月は未刊行のものも含めると5冊くらいある。なろうでは鼻持ちならない嫌な連中が因果応報とばかりに叩き潰されて破滅・没落していく様を眺めてスカッとする、少々意地の悪い楽しみ方を売りにした「ざまぁ系」と呼ばれるジャンルがあり、追放モノの多くはこの「ざまぁ系」に属しています。まるで座敷童が去った後の家とか、金の卵を産むガチョウを殺してしまった農夫の後悔を観察するような暗い愉悦が漂う。俺にとって……生のハンプティダンプティを観ているようなモンだよ……。

 前フリが長くなってしまったが、『反逆のソウルイーター』もそうした「追放モノ」に連なる一作である。連載開始は2018年12月で、書籍化を果たしたのは2019年。現在3巻まで刊行されており、「第一部・完」となっている。4巻以降が出るのかどうかは現時点じゃ不明。なんとなく気が向いて「なろう系における追放モノの系譜」を調べていたらタイトルが目に止まって「ん? この作品知らないな……イラスト夕薙か、とりあえず読んでみよう」と軽い気持ちでまとめ買いしたのです。導入は典型的なざまぁ系追放モノ。出来損ないだの何だのと罵られて生まれ育った故郷から追い出された主人公が流れ着いた先の冒険者ギルドでも爪弾きにされ、挙句モンスターの囮にされて死にかけたところで眠れる力が覚醒、「今まで俺をバカにしてきた連中すべてに目に物見せてやる!」と息巻く。覚醒するまでは本当にヨワヨワであまり周囲の役には立っていなかった、というパターン。散々ヒドい目に遭った主人公が下劣な仇どもに復讐するという、これ自体はなろうだと「よくある話」なんですが、『反逆のソウルイーター』という作品の主題は必ずしも復讐じゃない――主人公が復讐目的で動いているだけであって、物語の針路はまた別の方角に向いている――という捻じれが生じており、その捻じれのせいで絶えず寄り道ばかりしているように見える奇妙な状態に陥っています。復讐モノとして読むと一貫性に欠けるストーリーだと思ってしまう(正直「復讐どころじゃないだろ」って事態が次々と発生するため話の腰が折れまくる)んだけど、あくまで主人公は登場人物の一人であり、彼の復讐行為も物語を構成するパーツの一つに過ぎない……って俯瞰した視点で見下ろせば腑に落ちるところもある。

 復讐モノはどうしても復讐者の心情に寄り添いすぎて視野狭窄になってしまいがちという難点があり、かと言って寄り添うことをやめて復讐者の行動に疑問を差し挟み始めるとカメラがブレて芯のないストーリーに堕してしまう。塩梅が難しいジャンルなのだが、『反逆のソウルイーター』は「必ずしも復讐が主題ではない」と態度で示すことにより主人公と読者の間に一点の距離を保たせ、「物語の全体像」に思惟を巡らせるよう促しています。そして本シリーズの魅力であり同時に欠点でもある特徴、それは「主人公が物凄く小物臭い」ということです。周りから嘲弄され自信喪失して卑屈になっていた主人公が身に余る力を手に入れた反動で調子こいた振る舞いをするようになる(手に入れた力自体がひどく邪悪な雰囲気を放っているので、それに影響されて性格も歪んでしまった)わけだが、ある程度力の扱いに慣れてきて冒険者としての実績を積み、富と名声を得て国の有力者と誼を通じた後もなおネチネチと嫌味なセリフを並べ立てて陰険な嫌がらせを行うという小物ムーブが続くの、不快を通り越して面白いと感じてしまった。Diesで喩えるとシュピーネさんがなぜか創造位階になって無双しちゃってるようなありえないチグハグぶり。「油断ぐらいしてやらないとハンデにならないだろ」と強者の驕りを匂わせつつ「よけたら背後の怪我人に当たる攻撃」を繰り出して回避封じするなど、イキってる割にやってることがセコくて楽しい。実際メチャクチャ強くなってるし覚醒した後も努力を怠らないのに言動からザコっぽさが消えない主人公、その「善にも悪にも振れる中途半端さ」がツボに入った。極まった善人や突き詰めた悪人もキャラとしては好きだけど、やっぱ五里霧中を進むような「善でも悪でも中庸でもない、でも愛敬はあるメンタル迷子な野郎」の肩を持ちたくなるもんですよ。

 買ったときは「既刊3冊か、長すぎず短すぎずでまとめ読みするにはちょうどいい分量だな」と余裕の構えだったのに、いざ読み出すと「おのれおのれおのれ、なぜ3冊しか出ていないのだ!? この倍、いやせめて10倍の量は寄越せ!」とワガママを言いたくなるくらい気に入ってしまった。バトル描写は割とシンプルながら爽快感あって悪くない。キメ台詞的な「喰らい尽くせ、ソウルイータアアアアッ!!」 という叫びも厨二心をくすぐる。中学生のときに読んでいたら間違いなく真似していたわ。暴食と貪婪の果てにいったい何が待ち受けているのか。4巻以降の第二部からは化け物揃いの「鬼ヶ島編」が開幕するみたいで超ワクワクしますね。「○○衆」みたいな連中が一堂に会して主人公の処遇をどうするか剣呑な会議を行うシーン、いろんな漫画やラノベで読んできたけど何度読んでも読み飽きないわ。

・同じ追放モノだとファンタジアの『好きで鈍器は持ちません!』も気に入った。

 「無能」と罵られて追い出される点では『反逆のソウルイーター』と共通しているが、こちらは筆致がコミカルで明るく楽しく読める。良い意味でファンタジアっぽい作品。「鈍器は邪神の司る武器」と信じられているせいでハンマーを使う大工や鍛冶師が見下されている世界を舞台に、学園から追い出された「鈍器レベル1憶超え」という規格外の少女が冒険者になって大暴れ! な話です。一見するとドジで脳天気なおバカ系主人公だが「性格の悪い女の改心なんて、当てにしてはいけません」と辛辣な一面もあって面白い。とにかく文章のテンポが良くてページを繰る手が止まらなかった。「ページをめくるたび、手は震え、心は痺れ、頭は馬鹿になりました」という作中の文章通り。1巻で話を区切るためか後半はやや駆け足だったが、なろう系の書籍化でありがちな「半端なところで以下続刊」が嫌いな人にはちょうどいいだろう。いつの時代も「スレッジハンマー担いだ女の子」はロマン。主人公の造型で既に勝っている。これは続けば『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』以来の大型ヒットになるかもしれません。冒険はまだ始まったばかりだ、こっからズ鈍とかましてくれ。

・拍手レス。

 アストロキングは同作者さんのハイスクールハックアンドスラッシュから知った口ですが主人公が細かい事気にしないのはどの作品も共通してて人間模様とかサラッと流したい時に読みやすくて良いですね。基本主人公が強キャラで苦戦らしい苦戦がないのもあってストレスが無いのもポイントでしょうか。ヒロインに処女性を求める人には向かないかも知れませんが
 アストロキングが気に入ったのでハクスラの方も買いました(まだ読んではいない)。話の段取りを無視するわけじゃないけど一度「必要ない」と判断した箇所はとことん削るスタイルが潔いというか迷わないタチなんだな、この作者……と感心しました。あと確かに処女厨の人が読んだら破り捨てそうなくらい膜にはこだわってなかったな。かと言って寝取りとか寝取られといったムードにもならないし、「ヤリチン喧嘩せず」を地で行く内容だった。

 ノクターンの、「魔法戦士セイクリッド・ナイツ〜エロゲの触手怪人に転生した俺は、変身ヒロインたちを守り抜く〜」が普通に面白くて困る今日この頃。まさか、エロゲ魔法少女ネタx正田節という恐ろしい代物を読むことが出来るとは。
 お、これはまた面白そうなのが……情報感謝です。じっくり読みたいから紙書籍版が欲しいところだけど、まだ連載開始からそんなに経っていないから出るとしても結構先になるかな。

 以前に紹介された、転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?がコミカライズでびっくりしました。
 ヒキを意識したのか1話目の時点で結構進んでますね。なお原作の2巻は延びに延びて刊行日未定の模様。


2020-09-30.

・積読の消化とゲームに夢中でホームページの更新をすっかり忘れていた焼津です、こんばんは。

 『アンゴルモア』の新刊読んでたら『ゴースト オブ ツシマ』やりたくなって衝動買いしてしまったけど、ちょうど『催眠奪女』という期待のエロゲーが発売された時期と重なってしまったためまだプレーはしていない。『催眠奪女』はタイトル見れば分かる通り便利な催眠パワーで彼氏のいる先輩ヒロインを寝取っちゃうという、お手軽陵辱ゲーの王道を征く一本です。催眠モノは時代を超えて愛されるジャンルと申しますか、常に一定の需要があって底堅いらしいんですよね。元BLACKRAINBOWのNATORI烏賊が代表を務めている筆柿そふとなんて完全に催眠モノ専用ブランドと化しつつあるし。

 『催眠奪女』をリリースしたブランドは「シルキーズSAKURA」、エルフから独立して新生した「シルキーズプラス」の姉妹ブランドです。義理の姉弟の体が入れ替わってしまう『いれかわ』(2014年11月発売)がデビュー作であり、そろそろ6周年を迎える中堅ブランドなのですが、「ミドルプライスの抜きゲー」という話題になりにくいゾーンを主戦場としていたこともあって埋没はしないがとりたてて目立つこともない密やかなポジションを獲得している。私が『催眠奪女』以外で購入したことがあるのはDL販売オンリーだった『痴漢狂』をまとめた『痴漢狂set』だけだな……コンプリートパッケージとか、ああいうのに弱い性格なんです。

 さておき『催眠奪女』はシルキーズSAKURAの新シリーズで、副タイトルが「〜全てが僕の自由になる世界へようこそ〜 朝霧架純編」となっているところから察するに今後はヒロインを変えて連作化していくつもりなんじゃないでしょうか。校内の美人について言及する箇所で「文芸部顧問の栗原先生」「幼馴染みの三門さん」「現役アイドルの天王寺さん」と名前を列挙していたから恐らく四部作。2800円(税別)と結構なロープライスなので価格的にはそこまで負担じゃない(好みじゃないヒロインはパスすればいいし)が、パッケージが例のデッカいエロゲ箱なんでスペース面で考えると少し厳しいところがあるかも。てっきりトールケースサイズだと思って注文したから届いたときはビックリしたわ。空間に余裕のない方はDL版を購入するか、コンプリートパッケージが販売されるまで待った方が吉かもしれない。

 内容は今のところオーソドックスな催眠モノといった感触で、あまり変態的なプレイはせず常識改変を主体にして先輩ヒロインの「朝霧架純」を徐々に堕としていく。彼氏持ちでフェラチオまで経験済みだから清純派というわけじゃないが、肉体の繋がり以上に心の繋がりを重視していた先輩がゆっくりと快楽に溺れてセックスをねだるようになっていく過程は鉄板のエロさが漂っている。とはいえ主人公がクズに徹し切れない小心者ゆえ「ヌルい」とイライラする部分はありますね。主人公のキャラがどうこうってところより、主人公の立ち絵がほぼずっと画面に表示され続ける仕様の方がしんどいが……ヒロインの下着立ち絵で湧き上がった興奮が主人公の全裸立ち絵でスッと冷めてしまったり。設定で非表示にできるようにしてほしかった。日常シーンは概ねゼロに近く関係を持った後はひたすらセックスが続く構成になっているので、シナリオ面で苦痛を感じることがない点はせめてもの救い。まだ終わってないから断言はできないが、「鬼畜すぎない、ややヌルめの催眠陵辱モノ」を欲している人にはちょうどいいのではなかろうか。

 しかし「○○編」「××編」といった具合にヒロインを分割してバラ売りする手法が主流になってきているの、「市場原理に沿っている」だけなのかもしれないが、ひょっとして「ヒロイン全員分のルートを制作し切るまで待っていると資金が持たないから各ルートが仕上がり次第順次発売していく」というハイパー自転車操業モードに突入しているのではないかとうっすら心配になります。もうかなりチェックが疎かになってきているせいで新作エロゲーは知らないソフトばかりになっていますが、今後も買いたいヤツは見つけ次第積みを恐れず軽率にポチっていく方針。最近だと『響野さん家はエロゲ屋さん』が少し気になっている。「CUFFS」の姉妹ブランド「Sonora」の新作で、11月発売予定。50年続く地方の雑貨屋が店主の引退に伴っていきなりエロゲー専門店に変貌してしまうという、下手な異世界転生モノ以上にファンタジーなストーリーだ。なおキャラ紹介を読むにSonoraの過去作とも繋がりがある模様。ヒロインのセリフサンプルが「今月発売予定のうちで大きく展開している新作エロゲーが……え、延期ですって!?」とか笑ってしまう。ゲラゲラ。ああ、周りからかなり期待されていたにも関わらず延期した末に未完成で発売したエロゲーがあったよなぁ……もう10年以上も前の話だ……出したのどこだったっけなぁ? ゲラゲラゲラ。もちろん目は笑っていません。エロゲー制作を題材にしたソフトは『らくえん』『えろげー!』『放課後☆エロゲー部!』など過去にいくつかあったが、エロゲーショップをメインに据えたソフトは心当たりがなく、ぶっちゃけ物珍しさを感じています。差し当たって様子見だが、評判良ければ買ってみようかしら。あ、ちなみにソフト電池によるネット認証が必要みたいなので購入を検討されている方はご注意ください。私あれ面倒臭くて好きじゃないんですよね。むしろあれが好きなエロゲーマーなんて存在するのか?

・竜庭ケンジの『アストロキング』読んだ。

 副タイトルは「召喚勇者のメイドハーレム建国記」。なろうの18禁部門「ノクターンノベルズ」に連載されていた小説を書籍化したものです。見た目はそれほど分厚くないが、二段組でぎっしり文字が詰まっているから読み応えは充分。ノクターン作品は官能シーンが売りなのでこの『アストロキング』も濡れ場はふんだんに盛り込まれていると申しますか、むしろ主人公がセックスしていない場面の方が少ないくらいひたすらヤりまくっている。表紙に映っているヒロインは3人だけながら、主人公が突っ込んだ穴の数は片手どころか両手で数えてもまだまだ足りない。ざっくり3、40人くらいはヤってるか? ここまで起伏なくダラダラとサービスシーンが垂れ流されるエロ小説も珍しい。

 主人公以外の連中もそこら中でハッスルしており、「性交が日常風景」という酒池肉林の極みである。セックスは原則オールタイム無制限(特定の「ご主人さま」に専属しているケースを除き、「尻を出せ」と要求されたメイドは仕事中であっても拒むことができない)、決まった時間に食堂へ行かないとごはん抜きになってしまうことを考えたら「セックスよりも食事の方に不自由する」と表現するのが適切なレベル。召喚された異世界について普通に説明するシーンでも「女の子を犯しながら片手間で説明していた」ことがわかったりするなど、活字媒体であることを利用して「特に描写はしていないが常時セックスしている」という状況を作っています。これが漫画だったらいちいち絵に起こさないといけないから膨大な手間が掛かるが、活字だと「読者に想像させる」余地が多いぶん効率的に進められるワケダ。

 本書の特徴は「主人公がとにかく淡泊」なことですね。クラス召喚モノであり、異世界から喚び出された勇者である主人公たちを懐柔するために王国側は性的奉仕要員として巨乳メイドたちを用意しているのですが、童貞だった主人公が戸惑いながらも興奮の初体験を済ませる濃厚筆下ろし描写……なんてものはなく、後から振り返る形式で「ちなみに俺も普通にヤリました」とあっさり触れて数行でオシマイ。ストーリーの途中で「召喚されたクラスメイトの女子たちは全員王子にレイプされたうえ兵士たちの肉便器になっていた」と判明する陵辱展開もありますけど、真実を知っても主人公は特に激したりせず「そんなことだろうと思っていた」って淡々と流してしまう。これが普通のなろう小説だったら「な、なんとクラスメイトの女子たちは精神操作系の首輪を付けられて性奴隷になっていた!」という衝撃展開に十数ページ費やすところだろうが、『アストロキング』の主人公は元クラスメイトの女子を味見しつつ兵士たちとにこやかに会話を交わし、ほんの数行で元の日常に戻っていく。性に貪欲なくせしてやたら恬淡としている、このアンバランスさを是とするかどうかで本書の評価は大きく変わってくるだろう。「メリハリがない」と受け取るか「静かな狂気が漲っている」と見做すか。ラブ&ピースな凡人は時としてエンジョイ&エキサイティングな鬼畜よりも恐ろしいのだ。

 異世界から召喚された勇者ということで一応「ダンジョン攻略」という目的は用意されているが、ダンジョンパートは完全にオマケであり強敵との激闘はまるっとオミットされて「いやあ強敵でしたね」くらいのノリで終了。清々しいほどハーレム描写に特化している。書籍でまとめて読むと正直マンネリに感じる部分もあるが、逆に言えばマンネリを恐れず倫理観ガバガバの脳天気孕ませライフを終始淡々と綴っているわけで、これはこれで需要があるのではないかと思う。ちょこちょこと誤植があり、中にはページが豪快にズレた「誤植を超えた誤植」な箇所まであって「キチンと校正していないのでは?」という疑念すら湧くが、この作品を愉しめる人は細かいことを気にしないタイプだろうからあまり問題ではないのかもしれない。クラス召喚モノ特有のギスギスした人間ドラマは最小限に抑え、「メイドハーレム建国記」なる男子中学生の妄想みたいな内容を遮二無二追求している。作者曰く「メイドパンパンファンタジー」。脳味噌の代わりに男根と精液をたっぷり込め込んでポリコレに中指を突き勃てる欲望バンザイ煩悩サイコーな一冊。エンディングからすると続編はなさそう。



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