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リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)


2020-08-06.

・はめフラが面白かったから悪役令嬢モノの情報をアレコレ漁っているけど、さすが人気ジャンルだけあっていろんなのがあるな……と沼の広さに茫洋たる心地を覚える焼津です、こんばんは。

 すべてが転生モノとは限らないが、やはり転生モノが目立つ。「悪役」というメタっぽい表現を使っている関係上、どうしてもそうなりますね。「前世女→悪役令嬢」のパターンが圧倒的に多く、たまに「前世男→悪役令嬢」タイプを見かける程度。たとえば『悪役令嬢、庶民に堕ちる』、20代のサラリーマンが「ワガママな問題児」として有名だったお嬢様に生まれ変わる。ただし異世界転生ではなく同世界転生で現代日本が舞台です。まだ1巻が出たばかり。「悪役令嬢モノ」はジャンルとして確立してからの歴史が浅くまだ5、6年くらい(「悪役令嬢」という用語が定着し始めたのは2013年頃だが、どの時点でジャンルとして認識されるようになったかについては議論の余地あり)なので10巻以上に及ぶシリーズ作品は珍しく、私がチェックした範囲では『悪役令嬢は隣国の王太子に溺愛される』(最新刊が10巻)しか見当たらなかった。そもそも「悪役令嬢ネタで10巻以上のシリーズを書く」こと自体が難しいという面もあるか。「悪役令嬢」の用語を普及させた草分け的な存在である『悪役令嬢後宮物語』だって全8巻で完結していますし、はめフラの次くらいに古い『公爵令嬢の嗜み』も全8巻で完結済、このシリーズは「ゲーム開始前ではなくエンディング(婚約破棄される場面)で前世の記憶を取り戻す」という設定なので気になっています。まとめ買いしちゃおうかな。最終巻はまだ出ていないが『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』も全8巻で完結予定なので「8巻」が悪役令嬢モノにとっての一つの山なのかもしれません。

 悪役令嬢モノは早い段階で主人公が記憶を取り戻して運命に抗おうともがく様を描くのが基本型ですが、そのパターンがマンネリ化してきたこともあり「かなり遅い段階で始まる」タイプもいくつか出てきた。王都から追放された後に辺境の田舎でスローライフを送ったり、身分を剥奪され庶民として質素な生活を楽しんだりする「悪役」とは名ばかりのほのぼの系が人気を博している一方、悪役らしい殺伐系も点在している。『処刑エンドからだけど何とか楽しんでやるー!』なんかは前世の記憶が甦った頃には処刑が確定していて牢獄にブチ込まれたまま一歩も外に出れないというかなり詰んだ状態からスタートする。『断罪された悪役令嬢は続編の悪役令嬢に生まれ変わる』に至っては主人公が悪役令嬢に転生して殺された挙句また別の悪役令嬢に生まれ変わるという「なにその無間地獄」な一品。死んだ回数で言えば『108回殺された悪役令嬢』の方が上ですが、こっちは転生モノじゃなくてループ系ですね。

 横暴な振る舞いの酬いとして破滅的な末路を迎えるはずだった御令嬢が文字通り「心を入れ替えた」結果、周りから愛されるように……というのが悪役令嬢転生の黄金パターンであり、マンネリ化してきているとはいえまだまだ類似作品は後を絶たない。それらのあらすじを読んでいくと「婚約を破棄された」か、もしくは「このままだと婚約を破棄される」というシチュエーションが頻繁に出てくる。身分の高い令嬢なので幼い頃から「婚約」という足枷を嵌められており、それをどうにかしないと話が進まない……って構図。この手のジャンル、ひょっとして悪役令嬢モノというより婚約破棄モノとしての側面が強いのでは? 「鎖に繋がれた人生」からの脱却/「ままならない自由」の獲得、みたいな。はめフラみたいに「破滅的なエンドを迎えたくない」という消極的な理由で動くヒロインが多いけど、前世の頃から好きだったサブキャラ(庶民)と添い遂げるために攻略対象を無視する『悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!』みたいなタイプもある。前世の推しキャラが悪役令嬢の兄だったせいで「お兄様のためなら破滅フラグもナンボのもんじゃ!」と奮起する『悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジします』も路線としては同じか。『悪役令嬢は二度目の人生を従者に捧げたい』『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』を彷彿とするな。あとは「追放される前に自分から出ていきます」的な、違う意味で積極性を発揮するヒロインもいてなかなか愉快な界隈です。

 個人的に面白そうだと思ったのは『悪役令嬢(ところてん式)』『原作開始前に没落した悪役令嬢は偉大な魔導師を志す』のふたつ。『悪役令嬢(ところてん式)』は主人公が乙女ゲー世界の悪役令嬢にインした結果、悪役令嬢の体から押し出された魂が「乙女ゲーの主人公」へ入ってしまう「異世界転生×悪役令嬢×人格入れ替わり」ネタ。イラストも好みだからちょっと読んでみたい。『原作開始前に没落〜』は乙女ゲー世界に転生した主人公がチート能力を駆使したせいで運命がいろいろと変わり、本来悪役令嬢になるはずだった子の家が魔法学園入学前に没落、その子が改心したせいでむしろ主人公の方が悪役になってしまう……という立場逆転ネタ。転生して有頂天になり調子こいて考えナシな行動を取って大変になる奴、どこかで見たような……あ、『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』のマリエだ。

「サーヴァント強化クエスト 第12弾〜5th Anniversary〜特別編」開催!

 「Fate/Grand Order カルデア放送局 5周年SP 〜under the same sky〜」まであと5日、暇な期間を繋ぐ催しとして強化クエストが始まりました。第11弾は4周年のときだったからちょうど1年ぶり。強化クエスト自体は散発的にちょこちょこやってるけど、これだけの規模で開催されるとやっぱりワクワクしますね。初日はファントムとブリュンヒルデ、どちらもあまり使い道のなかったスキルが強化されています。初期実装されたサーヴァントのスキルは使いどころの限られているものが多く、刺さる場面が少なくて一度もタップしないままクエストが終わる、なんてことも珍しくない。ブリュンヒルデの「原初のルーン」とか、使って役に立った記憶がまったく残っていません。今回の強化によってNPチャージ(最大30)が付いて、使用頻度が様変わりするであろうスキルとなった。NPチャージスキルを持ったランサーは全体槍ばっかりだし、ブリュンヒルデは初のチャージスキル持ち単体槍に……と書きかけて思い出したが、ガレスちゃんにもNPチャージはあったか。ステータスの高い☆5単体槍としては現状唯一の「最大NP30チャージ」スキル持ちサーヴァントです。☆5単体槍はブリュンヒルデを含めてもたった4騎しか存在しない枠(スカサハ、ブリュンヒルデ、水着玉藻、エルキドゥ)だからより稀少性が高まったとも言える。マーリン孔明で挟めばオダチェンの必要なく黒聖杯ブッパできるようになるから評価も大きく変わってくるだろう。スキルのおかげでクリ殴りも強いしな、この子。私がFGO始めた頃はサポートに出している人がほとんどおらず、たまに借りても「ユニットとしては使いにくいな」って感想だったが、あれから3年以上経って宝具威力が上がりモーションが変わり本編で活躍しスキル強化も2回入ってまったく別のユニットみたいに変貌した。おかげで水着玉藻の性能が相対的に少し物足りなくなっちゃったか。

 強化クエスト2日目は☆3バーサーカーと☆5バーサーカーでダブル狂。☆3の方は呂布かダレイオスかな。☆5は金時? 個人的には土方さんかジュナオが来てほしいけど、土方さんはともかくただでさえぶっ壊れているジュナオに強化が入ることは恐らくないだろう。3日目は☆3アーチャーと☆4アサシン、弓の方は子ギルかダビデと見た。殺はエミヤかもっちーあたり? ぐっちゃんの強化も欲しいけど、パイセンは強化クエストじゃなくて幕間で強化してほしいです。4日目は☆4ランサーと☆5アーチャー。槍は書文、弓はアルジュナかなぁ。5日目は☆4キャスターと☆5セイバー。術はキルケーかシバのどちらかと予想。剣は……いよいよ沖田さん超絶強化で大・大・大勝利か? 最終日は☆3ランサーと☆4バーサーカーと☆4アーチャーと☆5セイバー、4騎いっぺんに来ます。この組み合わせとメモリアルクエスト最終日の解放条件が「特異点Fクリア」であることを考えるとまず間違いなくstay night組の強化でしょうね。クー・フーリンは現状でも☆3槍最優レベルだけどまだ上を目指しちゃうの? ヘラクレスは絆礼装着用時はぶっ壊れだけど、絆礼装抜きだとスキルがやや物足りないから強化は妥当かしら。エミヤはプレー開始初期から使っているサーヴァントなので本当に強化が来たら嬉しいな。アルトリアは既に☆5全体剣で最強に近い性能だから「さすがに優遇しすぎでは?」という気がしないでもなく、だんだん「sn組がいっぺんに来るというのは引っ掛けなんでは……」と疑心暗鬼になってしまった。まぁアレですね。予想とか関係なく手持ちのサーヴァントに強化が来てくれたら嬉しいです。というか手持ちに来ないと10日まで暇すぎる。

・伊崎喬助の『董白伝(1〜2)』読んだ。

 「とうはくでん」と読む。副題は「魔王令嬢から始める三国志」。現代日本で商社をクビになった成人男性が怪しげな占い師と接触してタイムスリップし、『三国志』序盤において暴虐を振るった魔王として有名な「董卓」の孫娘「董白」に生まれ変わってしまった――という歴史改変系の転生モノです。ストーリーは概ね史実に沿って展開するが、馬超が女だったり、呂布がチャラ男だったり、孫堅が乳首丸出しファッションでホスト仕草する変人になっていたりと、ところどころおかしい箇所があって本当に史実の世界なのかどうかは曖昧です。熱心な三国志マニアは戸惑うかもしれないが、『泣き虫弱虫諸葛孔明』くらいしか三国志知識のない私は「これはこれで」と大いに楽しめました。

 董白――董卓の孫娘であり、幼くして領地を与えられたなどの逸話は残っているが、生年も没年もハッキリせず「恐らく董卓の死後に他の一族ともども処刑されたのであろう」と推測されるに留まっている謎多き存在。そんな少女に、城川ささね(30歳・無職・♂)は転生してしまった。ナビゲーターを務める占い師の女は転生後の中華で「貂蝉」を名乗り、「天下統一を成し遂げる英傑に転生する魂を探していた」のだと明かす。彼女にできるのは転生の手引きまでで、誰の肉体に宿らせるかまでは選べず実際にやってみないとわからなかった……つまり、ガチャ同然の一発運勝負だったらしい。名のある英傑に転生したなら己の肉体を使って篭絡し天下統一をお願いする予定だったが、董白ならその必要もない――と貂蝉は妖しげな笑みを浮かべる。まだ洛陽に都のある時期だが、いずれ長安に遷都する。その後に起きるものは董卓の暗殺だ。何もしなければ董白の運命は死に向かって一直線。三国志マニアとしての知識を振り絞り、「後に大成する人物」と仲良くしてコネを築こうと必死になる董白ちゃん(中身おっさん)だったが、転生によって史実は既に歪み始めていた……。

 現代人がタイムスリップ転生して「未来の知識」を武器に大暴れ、というのはなろう以前からよくある題材ですが、本シリーズの主人公が転生した先は肉体的に言うと「10歳前後の単なる少女」であり、転生に伴ってチートスキルの類を与えられたりもしていません。武力面で活躍することはまず不可能。知識と立場だけしか頼るものがないんですが、その立場が「暴君として嫌われている董卓の孫」という厄介な代物ゆえ到底盤石とは言い難く、むしろ常に薄氷の上を進むが如きである。董卓から「……お前は、本当に白なのか?」と猜疑の眼差しを向けられるなど、始まって早々にピンチを迎えちゃうくらいヤバい瞬間の連続です。ドキドキハラハラしてばっかりで、チーレム無双みたいな安心感は欠片もありません。何せ史実で董卓を暗殺したのは「天下無双」の二つ名で知られる呂布。彼と敵対することはそれ自体が死亡フラグであり、できれば穏便に付き合いたいところなんだけど、呂布からすれば董白など「ただの小娘」でしかなく交渉の余地はなきに等しい。盾として頼れるのはやがて五虎大将となる「馬超」くらいです。なぜか女になっている馬超は奇妙な成り行きから董白の護衛を務める運びとなる。性転換してるのはラノベ的に「戦える女性キャラ」がいないと映えないからというのもあるだろうが、「少女が大好きで愛する董白ちゃんを守護るために身命すら賭す」という馬超を史実通り男にしちゃうとヤバみが天元突破しちゃうんですよね。女体化してなお董白ちゃんへの想いがストーカーじみていて怖い。

 転生以外で目立った妖術はでてきませんが、「勁」という概念が実在するややオカルト寄りの中華観になっており、伝奇色は割と強め。全体的に殺意高めのキャラが多いから戦闘シーンの描写にはスリルが漂っています。「いーじゃん」とか「お疲れさまでェーす」とか舐めた口調で喋るチャラ男の呂布がメチャクチャ強いの、なかなかに絶望感が高い。並み居る英傑たちに小さな口から吐き出される毒舌で立ち向かっていく董白ちゃんの健気な邪悪さが胸を打ちます。三国志という大半のラノベ読者から敬遠されそうな題材を扱っているぶん、「三国志の知識がほとんどない人でも楽しめるように」とインパクトのあるキャラ立てを重視するなど随所に工夫が凝らされている。たまたま本屋で見かけ、馬超ちゃんのビジュアルに惹かれて衝動買いしたけど大アタリでした。正直3巻以降が出るかどうか雲行き怪しいところもあるが、興味のある方は「拙者大人を挑発する口の悪い幼女大好き侍、義によって助太刀いたす」と既刊をレジに持って行っていただければ幸いです。

・拍手レス。

 うたわれとドカポンがコラボするそうですが、3クリック皇wとかネタにしてた頃思い出すと隔世の感がありますな…
 ロスフラの夏イベントで水着姿のエルルゥを見て「エ、エルルゥがこんな際どい格好を……」と動揺した後「いやエロゲヒロインだったわ」って素に返りましたわ。ドカポンやったことないけどうたわれコラボのは買おうかな。


2020-07-31.

・立ち読みして何となくビビッと来るものがあったから『陰の実力者になりたくて!』を衝動買いした焼津です、こんばんは。

 テレビCMでコミカライズの存在は知っていて、チャチャッと評価を漁ってみたところ「主人公の頭がおかしい」と断じる声が多くいまいち手が伸びなかった奴です。実際に読んだみたら本当に頭おかしかったと申しますか、控え目に言っても「倫理観をどこかに捨ててきた狂人」でドン引きしました。クソ生意気な王女とはいえそれなりに会話したこともある子が誘拐されたという報せを聞いて「よっしゃ、ざまぁ!!」と内心で快哉を叫ぶとか正気じゃない。でも困ったことに掛け合いのテンポとかイラストの絵柄は好きで、「主人公にはまったく好感が持てないがハマってしまう」という稀有な体験を味わった次第です。

 話を要約すると「中二病患者が剣と魔法の異世界に転生して『この世界の闇に巣食う巨悪と戦う!』というごっこ遊びに耽っていたら本当に世界の闇に巣食う巨悪と戦うハメになってしまった」ってな感じの脱臼系ファンタジーである。出版社はコレを「勘違いシリアスコメディ」として売り出しているが、ごっこ遊びの感覚で「そのへんにいるちょうどいい連中」を殺戮する主人公の混沌メンタルをコメディとして扱うのは無理があるのでは? 「えっ、この世界って犯罪者の人権とかないん? なら近場の盗賊団を試し斬りも兼ねて皆殺しにしたろ!」と誰に強制されるでもなく嬉々として出撃する主人公、現代じゃなく鎌倉時代あたりから転生してきたの? MMORPGにおけるレイド戦くらいの軽いノリで悪党を血祭りに上げるストーリー展開に付いていけないものを感じてギブアップする人も少なくないでしょう。主人公は「強敵との戦い」を求めているのではなく「『人知れず強敵と戦っている』という愉快なシチュエーション」を求めているのであり、殺人への忌避感も自分が死ぬかもしれないという恐怖感も一切抱かず、ただひたすら「陰の実力者/普段は影の薄いモブ」という歪みの激しい美意識へ己と他人を従わせることに腐心する。中二っぽい掛け合いができたことに喜び「いい演技だ!」と相手を褒め称えながら嬲り殺しにする主人公はサイコパスっつーかホントに何かのビョーキとしか思えない。幼い頃に抱いた憧れを胸に、と言えば聞こえはいいが要するに「在りし日の妄念」だけを動機に駆動している精神的なゾンビですよコイツ。自由に動いているようでいて囚われている。妄念がいつまで経っても色褪せず、眩しい輝きに眼を灼かれ続けていることを思えば哀れだが、冷静に考えるまでもなくコイツに付き合わされる周囲の方がずっと大変だ。

 主人公は「陰に潜み陰を狩る」組織のトップですが、バカなので組織を運営する手腕はまったくないです。「シャドウガーデン」という架空の集団を妄想し、「社会を蝕む陰謀」とかテキトーにでっち上げて悦に入っていたらたまたまそれと合致する陰謀があったせいで真に受けた配下たちがマジでそういう組織を作っちゃって、しかも主人公が把握できないぐらいの規模に拡大させちゃったという。このへんは操縦不能な忖度系コメディとして普通に笑える。明るく楽しいラノベ版『ファイト・クラブ』といった趣。配下たちはみな主人公に心酔しており、ウブなネンネだった子もいつしか殺人行為を厭わないようになっていた……というあたりは『カリスマ』『煉獄の使徒』みたいな「暴走する新興宗教」小説の趣があって怖いが。主人公の戦闘能力が優れていることは「勘違い」じゃなく「確かなこと」だから無駄にカリスマ性が高く、シャアとルルーシュと西東天を混ぜて脳味噌ぶっこ抜いたような感じになっており、もう「ひたすら最悪」としか言いようがない。『呼び出された殺戮者』の遠野一二三とはまた違ったタイプの災厄だ。

 陰謀や巨悪が実在するせいで結果的に主人公が世界を救う形になっていたり、組織のトップとは思えないほどバカなくせして「核攻撃に耐える」ことを目標に体と技を鍛え抜いているせいで武力面では真実ハッタリ抜きの最強クラスだったり、どうしようもないくらい性根が捻じ曲がっているクズなのにほんの僅かに良心が残っていたりと、非常にとっ散らかった内容で「ブラックコメディに徹し切れていない中途半端な無双モノ」となってしまっているが、結論としては「嫌いになれない」の一言に尽きる。私ってそもそも端整な仕上がりの一品よりもパッション丸出しの粗削りな塊の方が好きだったな……ってことを久々に思い出しました。でもぶっちゃけ「イラストが好みだった」ことも大きく、コレがイラストなしだったり好みの絵柄じゃなかったりしたら主人公のイカレ具合に付き合い切れなくてリタイアしていたと思います。

FGO、第2部後期オープニングムービーをゲーム内で公開!

 予告も何もなく突然配信されたからビビりました。本来はオリュンポスクリア後に流れる設定らしいが、8月12日まで期間限定ですべてのマスターの端末において再生されるとのこと。コロナの影響でキャンペーンが延期されたから忘れかけていましたが、7月30日はFGOの配信日。昨日がちょうど5周年だったんですね。私は配信直後からやっていたような最古参勢ではないので「あれから5年か……」と浸ることはできないが、配信開始早々に長期メンテへ突入して先行きを危ぶまれたあのFGOが5年も保つなんてな……って遠い目をしたくなる。

 さておき、新曲「躍動」とともに流れるムービーは情報量いっぱいで「こんなもん平日の深夜に公開するなよ! 睡眠時間削れるだろうが!」と叫ぶ人が後を絶たなかった。「躍動」の歌詞からして既に意味深である。「誰も傷つかない世界なんて綺麗事かもしれない、それでもまだ賭けてみたい(駆けてみたい?)」 いくつもの異聞帯を切除してきた後で「誰も傷つかない世界」に辿り着くのは無理筋だと感じるが、すべてを「なかったこと」にしてリセットするのが第二部のエンディングという説が浮上してきました。人理焼却もなく人理凍結もなく、切除されるべき異聞帯が元々なかった「平和な世界」。直前の「手放すのは敗北でしょうか」という歌詞がいっそう不安を誘います。いったい誰が何を手放そうとしているんだ?

 「旅の思い出」的なカットにしんみりしつつ、マシュの肩を叩いて廊下を歩み去っていくゴルドルフの姿がいきなり不穏で動揺した。映像演出的にマシュから離れていくホームズ、ロリンチ、ゴルドルフは「故人」を暗示してるよな……えっ、新所長死んじゃうの? 2部7章にまつわるカットとして確定しているのはビショビショに濡れているデイビッドのみだが、彼の奥に映る大きな影がいかにもORT臭くてヤバみしか感じない。ORTは青本とキャラマテでほんの一部しか情報が明かされていない不明点だらけのキャラであり、わかっている範囲でも「次元の違う強さ」なのでそもそもバトルが成立しないのでは?

 7章に比べて6章絡みと思われるネタはてんこ盛り状態です。蝶の羽根を持ついかにも妖霊っぽい容姿の子は湖の妖精ヴィヴィアン説、妖精王オベロン説、妖精女王ティターニア説などが囁かれています。その後に出てくる三人組の真ん中、オルタっぽいバイザーをした子はモルガン? 残りの2名に関してはよくわからん、そもそも円卓関係ではない可能性すらあるし。他の人の予想を参考にすると「女体化した円卓勢」「モルガンの別人格が分離したもの」あたりがありそうかな。それにしても赤髪の子がブローディアに見えて仕方ない。またマーリンっぽい杖を持った金髪っ子の正体を巡って「プロトマーリンだよ」派と「マーリンに弟子入りしたif世界のキャスターアルトリアだよ」派が争っているけど、どちらにしても「アルトリア顔でCV.川澄綾子」は確定だろう。後半のカットでぐだを抱えている鎧騎士は見た目からして円卓系っぽいが、アルトリア世界の円卓なのかプーサー世界の円卓なのか判断が付かないな。「サー・ケイじゃないか?」という声が有力視されている感じ。

 依然として燃え続けている特異点Fが第二部の焦点となることはかねてより仄めかされていたことだけど、タイミング的にどこへエピソードを捻じ込むつもりなのかは謎だ。「地獄界曼荼羅」みたいに独立した話になる? それとも地獄界曼荼羅こそが特異点Fなのか? 気になるカットが多過ぎて取り留めのない文章になってしまうが、もっとも目を引き寄せられたのは新礼装を纏っているぐだ子ですね。髪を下ろし、やや大人っぽい表情になったぐだ子がカッコ良くも痛ましい。時間経過については曖昧な部分も多いFGOだが、2015年にマスターとして着任したぐだも2020年には二十歳前後になっているはずで、もはや少年少女ではなく立派な成人なんだよな……新礼装も戦闘員というより司令官っぽいデザインで、このときにはもうゴルドルフたちが亡くなってノウム・カルデアの人員もほとんどが欠けてしまっており、ぐだが「最後の所長」として着任せざるをえなくなっているのでは……と考えて胃が痛くなる。「出会った頃のオルガマリーもこんな重圧に耐えていたのだろうか」と思いを馳せたりしそう。ラストのシバにヒビが入るカットは「観測不可能な未来の到来」を指しているのか、それとも「シバは近未来観測レンズじゃなくて卵だったんだよ!」という意味なのか。言えることはただ一つ。シナリオ更新を一刻も早くお願いしたい、ということだ。

・理不尽な孫の手の『オーク英雄物語 忖度列伝』読んだ。

 今度アニメ化される『無職転生』の作者によって書かれた新シリーズです。あまりにも特徴的なペンネームゆえ「この○○って人、どっかで名前を見たような……(検索)ああ、『××』書いた人か」って検索エンジンに頼らないとなかなか思い出せないポンコツ頭の私でも一瞬で同定できました。「小説家になろう」連載作品ですが、『無職転生』と違ってまだ完結しておりません。連載は4章のビースト編が終わったところみたいですね。1章につき1巻のペースで刊行していくようだから、少なくともあと3巻分のストックがある計算になる。1巻のエピローグに「これから登場する予定のヒロインたち」が並べられており、追加や隠し球がなければ7章構成の物語となるはず。総決算的な最終章が用意されると仮定したら全8巻かな?

 あらゆる戦場においてあらゆる不利を跳ね除け、遂にはドラゴンの首すら落とした万夫不当のオーク英雄(ヒーロー)「バッシュ」。彼は並ぶ者なき武勇を誇る存在であったが、数千年に渡って繰り広げられた大戦争にたった一人で打ち勝てるはずもなく、オーク族の与する七種族連合は劣勢に追い込まれ、やがて和睦を受け容れた。その条件の一つが「他種族との合意なき性行為を禁じる」(ただし死刑囚や重犯罪者、奴隷など他種族において「人権なき者」と見做された存在は除外される)。メスが存在しないため他種族の女を孕ませないと繁殖できないオークからすると、容易には呑み込みがたい誓いである。しかし、呑むしかなかった。ある日、種族を代表する勇士となったバッシュは「妻」を求め旅立つ。性欲の塊たるオークにとって女とは寄ってたかって犯すもの。即ち共有財産であり、乱交せず独り占めして自分の子供だけ産ませることができる「妻」を持つことは一握りの有力者にしか許されない特権であった。英雄の中の英雄、バッシュならば当然妻を娶ることも許されるだろう。オークがレイプ以外で妻を娶った例など過去5000年に渡って存在しないが、彼ならばきっと成し遂げるに違いない。オークキングは信じてバッシュを送り出した。だが、キングは知らなかった。バッシュは一度も女とまぐわったことのない童貞であり、旅に出たのはこっそり筆下ろしがしたかったからだということを。そしてバッシュも知らなかった。オークが他種族の女と合意を得てセックスするのがどれだけインポッシブルなミッションかということを……!

 かくして英雄の、童貞を捨てる長い旅がはじまった。ある意味、和製『指輪物語』です。副タイトルの「忖度列伝」はコメディ系の作品でよくある「ははぁん、彼奴の真意はきっとこうだな?」と相手が勝手に深読みして忖度し話が転がっていく典型的な勘違いの連鎖を指しています。まさかバッシュみたいな最強オークが童貞とは誰も思わないので勘違いのループが止まらない。誰よりも長く前線に留まって戦い抜いたせいで童貞卒業する機会を逸してしまったという、パッと見はギャグなんだけど「オーク随一の献身」を示す面もあって切なくなる。常識も経験もないので出会い頭に「俺の子供を産まないか?」と秒速プロポーズしてしまったりもするが、曲がったところのない真っ直ぐな気質のオークだということが行間から伝わってくるので読み心地は悪くない。バッシュは28歳、オークは30歳まで童貞のままだと魔法を習得してオークメイジになってしまう(額に紋章が浮かぶので一目でソレとわかる)から状況は切羽詰まっています。2年以内に嫁を見つけねば、英雄としての名声は地に落ち、バッシュに憧れるオークたちすべてを落胆させる仕儀となる。もちろん、相手が見つかったらそこで話が終わってしまうから当然の成り行きとして嫁探しは難航します。「嫁をたずねて三千里」とばかりに旅を続けるバッシュ、果たして彼は無事に貞操という名の指輪を捨て去ることができるのか? それとも「お前の杖は折れたぞ!」と言われてしまうのか?

 ガッツみたいな大剣を背負ったバッシュはめちゃんこ強くてバトルはほぼワンパン終了、戦闘シーンの比重は今のところそんなに高くないです。未完結だから今後の展開に関してはわからない部分も多いが、作中でも『指輪物語』を意識した文章が出てくるくらいだし、それこそ嫁候補全員に指輪を送って「これが本当の『結婚指輪物語』だ!」ってハーレムエンドになる可能性もゼロではない……か? 作中世界における種族は12、このうちオークに女はおらず、フェアリーは体格的に無理、リザードマンは生理的に無理と明言されているのでバッシュが迎える嫁候補は9つの種族に限られる。ヒューマン、エルフ、ドワーフ、ビースト、デーモン、オーガ、ハーピー、サキュバス、ドラゴニュート。1章がヒューマン、2章がエルフ、3章がドワーフ、4章がビーストで確定しており、サキュバスとドラゴニュートも内定している。不明なのはデーモンとオーガとハーピーか。ヒロインとおぼしき「ある双子の妹」の種族について言及されていないから絞り込めないんですよね。逆に言えばヒロインは最大でも9人まで、多少引き延ばしても10巻前後で終わる規模のシリーズです。売れ行き良好みたいで打ち切りの心配もなさそうですし、オークにしては紳士な主人公が活躍する本作、興味のある方は手を伸ばしてみてはいかがだろう。

 あとがきでノクターンの「童貞オークの冒険譚」に影響を受けたと書いているが、こちらの作品は書籍化されていないみたいで読みたいならネットで読むしかない模様。紙書籍で堪能したい派の私にとっては残念な話だ。オーク主人公のライトノベルっていまいち当たりにくいからあまり商業向きではないのかもしれませんね。比較的長く続いた『そのオーク、前世(もと)ヤクザにて』でも4巻、『姫騎士はオークにつかまりました。』は3巻。『オークの騎士』に至っては2巻で打ち切られています。『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』は9巻まで出ているが、あれは単に太っているせいで「リアルオーク」と言われているだけで主人公人間だしな……しかも途中から痩せるし、最近は筋トレにハマって「リアルオーガ」呼ばわりされている。『史上最強オークさんの楽しい種付けハーレムづくり』の主人公は「女騎士とオークの息子で母親似」だから全然オーク感がない。なお、あまりにもあまりなタイトルなのでコミカライズではちょっと改題されています。『オーク英雄物語』、是非ともオーク主人公ライトノベルのマスターピースになってほしいものだ。


2020-07-28.

プリコネの新イベントに水着ハツネが降臨すると知って「行くしかあるまい」と覚悟を決めた焼津です、こんばんは。運営め、「2.5周年控えているし、水着ハツネでも来ないかぎりスルー」と考えていた私をピンポイントで狙撃しやがった。プリコネを始めた直接の原因は美食殿トリオだけど、ハツネのファンアートにも惹かれていたので抗いがたい魅力を感じる。

 イベント内容からすると水着ミサトが配布かしら。プリコネの水着イベントは毎年2つあり、それぞれ3人の水着ユニットを実装するのが恒例になっているからあと一人ガチャで誰か来るはずです。予告に3人目の姿が見えないところから察するに、水着サレンのような「過去に水着のイラストだけお披露目されていたキャラ」が投入されるのかも。水着ユカリ、水着アキノ、水着ミサキ、水着カスミあたりが候補?

 イベントの「ミサトサマーエール! 夢追う真夏のナイン」はミサトが不良ばかりのビーチベースボール部の顧問になってしまう、というもの。衣装は水着だけどチア服も兼ねてるっぽいですね。薄い本が熱くなりそうなネタだ。しかし、ベースボールか……ひょっとしてコレ、ミニゲームにホームランダービーを入れるつもりなのでは? 次の☆6がアヤネというのも何か怪しいな。「ぷうきちのホームランダービー」、ただし難易度はぐっと下がりそう。

『魔法科高校の劣等生』、新シリーズとして『続・魔法科高校の劣等生』と『新・魔法科高校の劣等生』を展開予定

 続は魔法科高校を卒業した後の達也たちの話で、新は達也たちが卒業した後の魔法科高校の話……つまり『けいおん!college』『けいおん!highschool』みたいなもんか。喩えておいてなんだけど、collegeとhighschoolすらもう8年も前の単行本か……眩暈がしますね。『魔法科高校の劣等生』はタイトルがタイトルだけに「達也が卒業するまでの3年間を描いたら完結」だと作者が随分前からインタビューで語っていました。遅れたとはいえアニメの2期をやるくらいだから当然続編企画はあるものと睨んでいましたが、ここまで直球のタイトルになるとは思わなかった。いっそ開き直って『さすがです、お兄様!』ってタイトルのシリーズが来るかもと大穴予想していたけど、「さすおに」って呼び方を佐島勤は嫌がっているみたいだから現実問題としてありえなかったか。再来月の32巻で無印は完結するわけですが、打ち明けると私は19巻を読み終わったところで止まっています。師族会議編がダルかったせいで未だに再開の機運が盛り上がらない。アニメの2期が始まったらその勢いで既刊の積読を消化したくなるのではないか、と己のミーハー精神に期待しています。

・ハム男の『ヘルモード1』読んだ。

 副題は「やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する」。30代の独身サラリーマンがゲームチックなシステムに支配された異世界へ転生するという「またか……」なファンタジー小説であり、当然のように「小説家になろう」連載作品です。書き出しが「男の名は山田健一。35歳のサラリーマンだ。独身である」と、あまりにも安直でいきなり読む気をなくしたが、「もう買っちゃたんだし」と諦めて読み進めた。賭けてもいいが先に試し読みしていたら絶対に買わなかったな、この本。

 まずタイトルの「ヘルモード」とは何かから解説しよう。主人公は単なるネットゲームの勧誘だと思って神が仕掛けた異世界転生の設定を済ませるのですが、その中に難易度チョイスが用意されていました。「イージー/ノーマル/ハード/エクストラ/ヘル」の5段階で、イージーに行くほど成長速度は速くなり、特典満載かつ短時間でスキルを獲得してレベルをさっさか上げられる。が、すぐ頭打ちになるため育成の幅が狭い。ヘルに行くほど成長速度は遅くなる。ノーマルを基準にするとエクストラは10倍、ヘルは100倍のスキルポイントが必要になります。反面、育成の上限が撤廃されており、やり方次第では際限なく強くなる。主人公は地道にコツコツと努力を重ねて「無双」の境地を目指すわけですが、「どうせなろうだし『地道にコツコツ』の部分を全部すっ飛ばすんでしょ」なんて思ったら大間違い。もちろん多少飛ばしている部分はありますが、「まるでゲーム実況やプレー記録でも眺めているような気分だな」って思うほど延々と主人公の育成過程が綴られていく。ちょっとネタバレになってしまうが、1巻の時点でどこまで進むのか明かしちゃうと、0歳児から始まって8歳になったところで終わります。ちなみにレベルは7。このペースで行ったら「無双」するまで軽く10巻は掛かるだろうな……気の短い人には到底薦められないが、「じっくりと腰を据えて読みたい」って人にはむしろうってつけかもしれません。

 開始時点での主人公の階級は「農奴の子」であり、近所に住んでいる同じく農奴の子「クレナ」と仲良くなりますが、なにぶん8歳までしか進まないのでラブコメ的な掛け合いやラッキースケベ等のお色気要素は皆無となっております。普通に仲の良い友達って感じ。クレナ以外にも領主の娘がヒロインめいた立ち位置で登場しますけど、全体360ページのうち300ページが過ぎたあたりでようやく出番となるため「女の子とイチャイチャ」を期待する人にとっては雨水で渇きを凌ごうとしているような気分に陥るでしょう。ホント、主人公(こいつ)やり込み以外に興味がないんだな、って清々しくなる。特徴としては「転生先の家族関係や近所付き合いを濃密に描いている」点、特に父親とその友人(クレナの父親)は主人公が異世界に馴染む上で欠かせない存在として何度も出てきます。農奴なので自由を制限されている部分も多く、家族を食わせるために年端もいかない主人公が労働する運びになるものの、暮らし向き自体は割と安定しているので少なくとも生活面に関してはそれほどヘルモードじゃありません。主人公の成長をじっくり書いてるせいで「亀の歩みにも似た強化過程」に見えてしまうが、話をダイジェスト化すると相当なチートですよ。年齢ひと桁なのに大人と力比べして勝ってるもんな。

 「なろう小説は最初から主人公が強すぎる、もっと徐々に強くなっていく過程を見せてほしい」という方にオススメな新シリーズです。終始平易な文章で物語を紡いでおり、凝った言い回しは一切使わないのでそれこそ「小学生でも大丈夫」ってくらい読みやすい。いや、フリガナが少ないからマジな小学生だとさすがにキツいか? 私も小学生の頃からこの手の小説を読んでいたけど、かなりフリガナに頼っていたもんな……児童文学とライトノベルの折衷みたいなポジションなので、まったくなろう小説を読んだことのない人の方が却ってハマりやすいかもしれない、という気はする。主人公が手探りでスキルを検証していくノリは、既存の作品で言うと『異世界迷宮でハーレムを』に近いものがあるかな。

・拍手レス。

 DDDは…、DDDはいつに……??
 優先順位を考えると月姫リメイクやまほよ続編の後ですかね……。



管理人:焼津

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