Method of Entry

あんまり扉を信用しない方がいい。
"こちら"と"むこう"で、
どれだけの違いがあるのやら。


アバウト

日記ログ

SS

テキスト

いただきもの

リンク



リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)


2021-06-22.

・入場特典のスタッフ本が欲しいということもあって『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』2回目キメてきた焼津です、こんばんは。

 「何だ!? 何が起こっている!?」とひたすら混乱していた1回目と違って「この後はああなって、その後はああだったな」と先の展開がわかっている2回目は内容がスウッと頭に浸透してくるため全体像が掴みやすく、衝撃度こそ薄れたものの初回より面白みの増した鑑賞となった。もう公式がネタバレ解禁を謳っているから書いてしまうけど、「皆殺しのレヴュー」でみだれうちする大場ななのカッコ良さ(足トントン、遅れて到着する本差、髪掻き上げての「ふぅ……」)と可愛さ(「わーいるどーすくりーんばろっく」とひらがなで歌ってそうなところがまた)、清水の舞台にデコトラ並べて激突百合心中するふたかお、マジトーンで詰りながらメイスで地面を破壊するまひるちゃん、「腹を召せ」と自身の脇差乗せた三方を親友の前に足で押し出す大場なな、自害を強要する親友に抗って「殺してみせろよ、大場ななァ!」と啖呵を切る純那ちゃん、TVシリーズで「泣き顔も可愛いですよ」と揶揄われた腹癒せなのか「今のアンタが1番可愛いわ」と挑発するクロディーヌに「私はいつだって可愛い!!」とズレた反論をする天堂真矢、「突然の死!」から駆け巡る人生の記憶とともに再生産して約束の向う側へ突き進む愛城華恋、へし折れる東京タワーと、見所目白押しでこうして書いている間にも「3回目キメてぇ……!」って感情しか湧き上がらない。ただ、他の新作次々と公開されていってるせいかハコがだいぶ小さくなっていたのが残念でした。ジワジワと評判が広まっている気配は感じますが、このぶんだとそう長くは上映できないだろうな。映画館の大スクリーンと大音響でないと味わえない良さがたくさんある作品ゆえ、足を運べる人は早めに行っといた方がイイです。

 改めて感じたのはレヴューが始まった途端戦闘モードに切り替わる天堂真矢のスゴさですね。「皆殺しのレヴュー」で「狼狽えるなァ!」と一喝するシーンをはじめとして、「捻じ曲げるのか、舞台の理をォ!」「図に乗るなァ、西條クロディーヌッ!」「奈落で見上げろ、私がスタァだッ!」など、台詞の圧が抜きん出ている。次にセクシー本堂で微笑みながら「表出ろや」と恫喝する香子、「他の女の話なんかどうでもええ」と言いつつ仏(仏蘭西=西條クロディーヌ)を執拗にアピールするの、クロ子のことをマジで恨んでいるのが伝わってくる。湿度の高さに破顔してしまう。香子はワガママで気分屋だけど感情に振り回される自身を冷静に俯瞰している面もあり、その研ぎ澄まされた孤高な本質は真矢と重なる部分があるんですよね。スタリラの方で「真矢が実は香子に対してシンパシーを感じていた」ことが明らかになるショートエピソードもあります。あとは情報が整理されたおかげで「魂のレヴュー」における西條クロディーヌの凛々しさが私の中で際立ったかな。切腹を迫られて泣いちゃった純那と対照的に何の躊躇いもなく自刃して再生産する覚悟の据わったクロディーヌ、不死鳥の如き気高さで完全に少年漫画のヒーローみたいな風格が漂っている。2回目の鑑賞でもっとも株が上がったのは間違いなく彼女です。

 とりとめがなくなってきたからそろそろやめますが、最後に書きたいのは12歳の華恋が聖翔への受験を決意するシーンでさりげなく「青嵐総合芸術院」の資料を取り寄せていたところですね。付箋もいっぱい貼ってあったし、聖翔が不合格だったら滑り止めで行くつもりだったのではないか? と予想される。青嵐はTVシリーズでまったく言及されなかった(というか聖翔以外の演劇系学校についてはTVシリーズだとまったく触れられない)が、舞台版のスタァライト「#2 Transition」で登場した学校です。舞台版はアニメ版と設定がいろいろ違うせいで基本的に「別世界線の出来事」と見做されており、名前だけとはいえアニメの世界に青嵐が登場したのは静かな驚きでした。なお舞台の方では青嵐がメインのスピンオフ「BLUE GLITTER」もある。もし華恋が聖翔ではなく青嵐に行っていたら……というif華恋をつい妄想してしまうな。ちなみに青嵐メンバーはアプリのスタリラにも登場しているが、サービスが始まった後で追加された学校ということもあって本編に出てこなかったりスクールストーリーが用意されていなかったりと極端に出番が少ない。もっと青嵐に光を!

・赤石赫々の『サベージファングお嬢様』読んだ。

 副題は「史上最強の傭兵は史上最凶の暴虐令嬢となって二度目の世界を無双する」。なろう小説みたいなタイトルですけど書き下ろしのライトノベルです。出版社による特設サイトも用意されている。表紙イラストに惹かれて試し読みをしてみたら「これは……続きが気になる!」というところでちょうど終わっていたので迷わず購入しました。全体が340ページくらいで試し読みの範囲が70ページ、「どんな話なのか」が分かるところまで公開されているので直接試し読みに目を通してもらった方が手っ取り早い。「う〜ん、現時点ではまだ気が乗らないな」という人向けにもうちょっと詳しく説明していこう。

 単刀直入に言ってしまうと本書は「悪役令嬢モノ」です。幼い頃より「神の寵児」と持て囃され妲己みてーなワガママ三昧の悪逆ライフを送り、怒れる民衆たちによって処刑台へ送り込まれた傾国の王妃「ミレーヌ=イルタニア」に転生してしまった――という、それ自体はよくある設定の異世界ファンタジーである。ただし「現代日本から乙女ゲーム等の世界へ転生してしまった」というパターンではなく、「同じ世界に住んでいる人間が『よ、よりにもよってあのクソ女に生まれ変わったのかよ!』と叫びたくなる」パターンのそれ。舞台は異世界ながらジャンルとしては「同世界転生」に当たりますね。主人公は「野蛮なる牙(サベージファング)」の二つ名を持つ傭兵で、ミレーヌの処刑と同時刻に死亡した結果、稀代の悪女と化す前のミレーヌ(十歳前後)の体へ転生してしまう。つまりタイムスリップ物でもあるわけです。「破滅する未来を知っているのでそれを回避するために行動する」点に関してはごくオーソドックスな悪役令嬢モノであるが、前世で敗死を遂げた主人公が「今度こそ絶対に敗けない」ことを目標に捧げ、阻むものはすべて蹴散らし「神にさえも俺の邪魔はさせねえ」と闘争心を剥き出しにするあたりは特徴的か。野蛮な傭兵の反骨スピリットがインストールされたことで、ある意味前世よりもヤバい凶暴なお嬢様が誕生してしまったわけだ。

 つっても主人公は国を傾けて滅亡に追いやったミレーヌ(およびそのワガママを掣肘できなかった王様)のことを心底嫌悪しており、あんなふうにはなるまいと考えて行動しているので野蛮っちゃ野蛮だけどどちらかと申せば秩序寄りの人間である。戦場を求めることはあっても自ら戦争を吹っ掛けるタイプではない。平和であることに越したことはない、とさえ思っている。「人の世に恒久的な平和などありえない」とも思っているだろうが。帯にデカデカと「蹂躙」の二文字が躍っているが今のところ「悪逆王妃を凌駕する勢いで非道の限りを尽くす」みたいな展開へ雪崩れ込んでいく気配はなく、むしろ降りかかる火の粉を払っていくうちに世界的な英雄として持て囃されていく感じになりそう。果たして「未来を知っている」アドバンテージがどう活きてくるのかしら。

 ぶっちゃけ試し読みの範囲が一番盛り上がる箇所となっており、製品版の後半に収録されている学園編はちょっと失速している印象が否めないです。「まーた邪教徒が暗躍しているパターンかよ!」とウンザリする部分もあるし、イラストに載るようなメインキャラが3人しかおらず賑やかさが足りないというのもある。掴みが良過ぎたというか、本格的に面白くなってくるのはまだまだこれからといったところ。野蛮なTS系悪役令嬢という私の好みにドスクライクな設定のお話ゆえ、何としても2巻以降を発売してほしいものである。コミカライズ企画も進行中とのことで1冊打ち切りはたぶんない……と信じています。とにかくワシはサベージファングお嬢様が無双するところをもっと見たいんじゃ、はよう続きを出してくれ!


2021-06-16.

第2部 第6章「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻」(前編)開幕!

 遙々来たぜアヴァロン! というわけで始まりました第2部 第6章。例によって例の如く「生放送が終わったらすぐ!」のパターンであり、のんびり予想や考察をしている余裕もなく妖精國と化したブリテン島へ赴く次第となりました。第2部 第5章のアトランティスとオリュンポスは演出的な意図も兼ねて最初から二つに分ける予定だったそうですが、アヴァロンに関しては「単純にボリュームが多い」せいで前後編配信になったそうな。生放送で発表された情報によると、奈須きのこが書き下ろした第2部 第6章のシナリオは全体で文庫4冊分。前編はそのうち3割くらいに当たるらしい。前後編合わせたらアトランティスとオリュンポスを足したものよりも長くなるとのこと。

 あれ? おかしいな、確かきのこは「第2部 第5章がFGO最長のシナリオ、今後これを超えることはない」みたいなこと言っていたはず……既視感に襲われたプレーヤーも少なくないでしょう。「これって第1部 第6章を配信する前に『七章はこんなに長くないですよ』と竹帚日記に書いていたのに実際は全然そうならなくて『あれは嘘だ』と開き直った事件の再現だ!」って。ちなみにシナリオのボリュームを具体的な数字にすると第1部 第5章「イ・プルーリバス・ウナム」が300KB、第1部 第6章「キャメロット」が550KB、第1部 第7章「バビロニア」は「6章の1.2倍」だから660KBという勘定になる。第2部 第5章「アトランティス&オリュンポス」は配信時点でFGO最長だったらしいからだいたい700KBくらいかな? で、「文庫4冊分」がどのくらいかと申しますと概算で1.2MB程度です。そう、キャメロットとバビロニアを合わせたくらいの超絶ボリュームである。その3割に当たる前編(360KB)がアトランティスとほぼ同じ規模のシナリオ量ということで、感覚がおかしくなるわ。

 今回ナビゲーターを務める汎人類史側の妖精サーヴァントは「オベロン」、シェイクスピアの戯曲にも出てくる有名な伝承上の存在であるが、キャラデザはなんと「羽海野チカ」。ハチクロや『3月のライオン』で有名な漫画家……などとわざわざ解説するのもバカらしいほどのビッグネームだ。ハッキリ言ってTYPE-MOONよりも知名度は高いだろう。まさかソシャゲのイラストを手掛けるとは予想だにしなかったからビックリである。アヴァロン・ル・フェ、心底きのこの趣味に走った内容で笑ってしまう。だってブリテンを妖精の国に変えてナーサリーライムめいたテキストをまぶしながらハイファンタジーな世界にしちゃうの、完全に「ぼくのやりたかった『Forest』」じゃん。「罪都キャメロット」って明らかに「影よこたわる国、罪都・新宿」を意識しとるやんけ。6つの鐘を鳴らさないといけないのは『Forest』というより『SEVEN-BRIDGE』みあるが。大好きなチカ先生に絵を描いてもらってずっとやりたかった『Forest』的な語り口のストーリーを筆が乗るまま文庫4冊分も書いちゃったワケダ。これ同人じゃなくて商業だぞ。そこんとこわかってんのか村正ァ! 間違えた、菌糸類ィ!

 告知していたシナリオ量を遥かに超過することでDWの業務を逼迫させたという社会人としては普通に最悪な真似を仕出かしているが、一プレーヤーとしては奈須の無茶ぶりに応えてくれたDWに感謝の念を捧げたい。サンキュー、そしてレスト・イン・ピース。これ他のソシャゲだったら「削ってください」と原稿突っ返す案件ですし、きのこの見積もりが甘すぎるほど甘いことを第1部の時点で痛感していたはずのDWも「俺たちはコイツの無計画ぶりと心中するしかないのか……」と蒼褪めたに違いない。「スゴいとは思うけど一緒に仕事したくない奴ぶっちぎりナンバーワン」との呼び声も高い奈須きのこ、その特性が良くも悪くも十全に発揮される形となりました。「予定以上のテキストを納品するのはルールで禁止スよね」「きのこはルール無用だろ」「やっぱし怖いスね菌糸類は」 うん、「Fate関連タイトルでここまで好き勝手やれるのはきのこだけだろ」ってぐらい盛り沢山な内容で、前編だけでもかなり読み応えがある。「なんとでもなるはずだ!」とハサウェイ観に行ったりで日曜になるまであまり進められなかったが、どんどん面白くなっていくため途中から止まらなくなってしまい、「後編が来るまでちょっとずつのんびり進めよう」と考えていたにも関わらず最後まで一気にプレーしてしまった。まだ終わってない人もいるだろうから詳しい内容には触れないでおくが、どうしても言いたいことが一つ。ムリアン、この見た目は完璧に○○○○○○○だろ!

 ちなみにガチャは呼符で「妖精騎士トリスタン」と「モルガン」が出ました。大当たりではあるんだけど「めろん22」がキャラデザ担当している「妖精騎士ガウェイン」がどうしても欲しくて深追いした結果、モルガンが重なりました(宝具レベル2)。そのすぐ後にガウェ子が引けて、石も少し残った。PU第2弾は☆5ラン子と☆4ハベにゃんかしら。オベロンは前編だとサポートにも出てこないし、もし実装されるとしたら来月の後編以降だと思います。配布説もあるが果たして。後編は後編で「ヤバい隠し玉が出る」って噂が囁かれており、ドキドキも高まる一方だぞ村正ァ!

アニメ「マギレコ」2nd SEASONが今夏より放送開始、キービジュアルお目見え(コミックナタリー)

 思ったより早い……というか急すぎない? 夏放送予定だったら春の段階で告知が来てないとおかしいでしょう。よっぽどギリギリのタイミングで時期が決定したのかな。1期目の放送は2020年1月、つまり1年半ほど前ですね。分割にしては間が空き過ぎてしまったけど、恐らくコロナ禍の影響もあっただろうからそこに関して文句を述べるのは差し控えておきます。「最悪お蔵入りになるかも……そこまで行かなくても今年中の放送は難しいかも」と不安だっただけに「今夏より放送開始」は嬉しい報せです。まどマギだけ観ていてアプリやってない人からの評判はあまり宜しくないが、個人的にはBD購入するくらい気に入ったので2期目もすごく楽しみにしています。1期目は第1部の前半(1章から6章まで)をやったので、2期目は後半に当たる7章から10章までの内容をアニメ化するのだろう。オリジナル要素もたぶんあるはずです。でないと黒江ちゃん何のために出てきたのって話になるしな……キービジュにもいないから割と心配にはなっている。キャスト一覧にちゃんと載ってるし、出番があること自体は確かです。

 アプリの方は第2部が進行中だが、複数の魔法少女グループの思惑が絡み合っており、状況は混沌の度合いを増す一方。現在5章まで進行しているので、そろそろ折り返し地点に到達するはずですが……ニトロプラスも参加する新プロジェクト、「スケネオー」こと『魔法少女まどか☆マギカ scene0』の続報については今のところ何もありません。あとは「那由他さん家の平和な日常」というほのぼの系イベントが開催中ながら、本編で不吉なフラグが立っている子も登場するエピソードゆえ心の底からほのぼのすることはできないという……。

木村拓哉、全編英語の国際ドラマ「THE SWARM」に出演!「GoT」共同制作総指揮が手掛ける新作海洋SFサスペンス(映画.com)

 「THE SWARM」ってどっかで見たようなタイトルだな……って、ああ! 思い出した! 『深海のYrr』の英語版タイトルじゃん!(原書はドイツ語で "Der Schwarm" ) エ……『深海のYrr』にキムタクが舞い降りる……ってコト!? 未だに積んでいる(もう13年経つのか……)のでどんな内容かわからないのだが、ドラマの出来次第では『深海のYrr』が『ゲーム・オブ・スローンズ』並みに有名になっちゃうのか。つっても刊行当時は“氷と炎の歌”(ゲーム・オブ・スローンズの書籍版邦題)自体もそこまでメジャーなタイトルではなかったけど……当時引き合いに出されていたタイトルは『ダ・ヴィンチ・コード』で、ちょっと時代を感じます。原作者「フランク・シェッツィング」の本は最近翻訳されていませんね。そもそも数年に一冊のペースでじっくり書くタイプの作家みたいだから未翻訳の作品も割と少ない模様。ザッと調べた感じでは3冊くらいしかない。その残った奴もドラマの放送に合わせて翻訳されるかもです。

 しかし、購入してから13年か……いい加減『深海のYrr』崩さなきゃ、って気持ちはあるものの他に読みたい本が山ほどあって手を出す余裕がない……私の体があと100体あれば! いや想像するだけでおぞましい。


2021-06-10.

『劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト』に満足して呆けている焼津です、こんばんは。

 常にスクリーンの中で凄いことが発生しており、「何なのだ、これは!? 幻覚!? それともスタンド攻撃を受けている!?」って惑乱するところもあって理解が及んでない部分はありますが、物凄く端的に感想をまとめると「良かった」の一言に尽きます。開始直後から「観客の目を引き付ける」ことに全力を費やしている映画であり、現実感が溶けて別の何かに変わっていく眩暈のような時間がたっぷり120分続く。ストーリーはTVシリーズ(全12話)の続きなのでいきなりここから観始めても何が何だかわからないが、レヴュースタァライトは「何が何だかわからない」迷子のような感覚に何度も襲われるタイプの作品ゆえ「今更TVシリーズに目を通すなんてまだるっこしい、全部飛ばして劇場版から鑑賞してやるぜ!」というのもそれはそれでアリかもしれません。極まった映像表現の数々に無事打ちのめされれば自然とTVシリーズから改めて視聴したくなるはずですし。でもやっぱり時間があるならTVシリーズを先に観といた方がベターではありますね。総集編的な位置付けの『ロンド・ロンド・ロンド』もTVシリーズと劇場版を繋ぐブリッジになっていますからできれば飛ばさずに観てほしい。

 内容は簡単に言うと「聖翔音楽学園からの卒業」「舞台少女たちの門出」です。普通にやったらしんみりと感動的な一本になりそうなところですが、これはレヴュースタァライト――悲劇に挑む少女たちの物語だから一筋縄には行かない。暗示なんてものじゃなく露骨に押し出される「舞台少女の死」という運命、血飛沫に濡れる舞台の上で少女たちの剥き出しになった感情と闘争本能がぶつかり合う。今回どぎつい表現もあるのでTVシリーズの雰囲気が好きだった人はちょっとショックを受けるかもしれません。各々が各々の試練を乗り越えて「何者か」になっていく様子、つまり通過儀礼(イニシエーション)を見せることに特化した構成となっており、「血と痛みの果てに再生がある」ことを強く謳い上げる。通常なら「羽化」や「脱皮」として穏当に表現するところを「熟れて潰れて弾けるトマト」の鮮烈な映像で生命の燃え尽きるイメージを叩きつけてくる。TVシリーズ以上に生々しく、「斬ったら血が流れる存在」としてキャラクターを描いています。こういう「オリジナルTVアニメが劇場版で新作をやる」場合って大抵はバラバラになっていたメンバーがもう一度集結し最終決戦っぽいイベントへ向けて力を合わせるとかそういう「全員集合!」めいた流れに入るもんですけども、レヴュースタァライトは逆に前半で固まっていたメンバーが後半でバラバラになって「因縁の深い相手」以外との絡みがほぼなくなってしまう。「各々の試練」はあくまで各々に対して与えられたものであり、たとえそれが主人公だろうと窮地に陥った彼女を救うために仲間たち全員が駆けつけてくるようなわかりやすい「ユウジョウ!」展開はない。そういう意味では主人公を特別扱いしていません。

 じゃあレヴュースタァライトにとって主人公の愛城華恋は特別な存在じゃないのかと訊かれると答えはノンノンであり、結構な尺を費やして「華恋の過去」が綴られる。正直「まるで走馬灯のようだ」と思っちゃいましたよ。中学時代は男子とも仲が良かった華恋、もし舞台少女の道を選ばなければ「普通の少女」としての青春を謳歌していたんだろうな……女の子がたくさん出てくるタイプのアニメで散見される「男キャラの存在が希薄な現象」は「視聴者のニーズ」とか「制作者の都合」と見做されてあまり顧みられることはないけれど、この作品に関しては「異性との関係にリソースを割く余裕がない」と暗に仄めかしている。それくらい自己を追い詰めている少女がもっと追い詰められる話なわけで、容赦ない映像表現の数々も相俟って心が揺さぶられるのは当然というか必然であります。覚醒すれば誰にも負けない無敵のヒーローじみていた愛城華恋を「人間にする」のが監督の狙いらしく、TVシリーズに比べて「より等身大の主人公になった」感覚がある。言葉の威力を最大限に高めようとする脚本も見事であり、特に純那の口上と真矢の口上は痺れた。長期展開しているスタリラのせいで忘れかけていたけど、純那ちゃんはああ見えてかなり好戦的な性格しているし、真矢も本来はプライドの塊みたいな女なんだよな。香子と双葉のレヴューは「面倒臭い女が面倒臭い女に惚れた」って感じで最高だった。純那とななのレヴューは「召しませ♪」してくるななの足が(足でアレを押し出す奴がいるかよ!)網膜に焼き付いて離れない。あと、お互い同じセリフを呟いているんだけど「この温度の違いよ」って対比が素晴らしくて……これ以上書くと本格的にネタバレかましそうだからそろそろやめますが、とりあえず「時間を作ってもう一度観に行きたい」が結論です。いっぺん観ただけで咀嚼できるか、あんなもん。

 ちなみに。レヴュースタァライトの原作がスマホゲー(スタリラ)だと思っている人をたまに見かけますけど、レヴュースタァライトは「舞台・アニメ・アプリ」の3つを軸にしたメディアミックス企画であり、アプリの開始はアニメよりも後だったしストーリーも「アニメ最終話の後」(劇場版よりは前だが厳密な時系列は不明というかそもそも別世界線の可能性すらあるレベル)だから別にプレーしなくても大丈夫です。一応劇場版公開記念でメインストーリーすべて開放中(18日まで)だから「ストーリーだけ知りたい」という方は今がチャンスではある。アニメと同じ脚本家がシナリオ書いてる最新章「アルカナ・アルカディア」が盛り上がってきているのでもっとプレーする人が増えたらなぁ、とは思っているがゲーム部分があまりにもアレなので勧誘は躊躇ってしまう。アプリオリジナルのレヴュー曲がいっぱいある点は評価したいが……ホント曲はイイんですよね。「アルカナ・アルカディア」のアルバムが発売されたら買う気満々です。

【予告】第2部 第6章「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻」の開幕時期について

 「6月中旬開幕予定」とのことですが、明日11日に生放送が配信される予定であり「開催はこの後すぐ!」パターンが懸念される。そろそろ備えておいた方が良さげです。2日からベリルが林檎を配り始めたが、「お前も農家を……?」「いやこれ絶対キリシュタリアから奪ったヤツだろ」「毒入ってそう」と散々なこと言われていて笑う。アヴァロンは「林檎の島」という別称もあるから現地の特産品かもしれない。ロングトレーラーはキリシュタリアが第2部の第1章から第5章を振り返る体裁のムービーなんですが、キリシュ様のみならず作中のセリフもすべてフルボイスになっているというなかなか贅沢な仕様。ツダケンボイスが吹き込まれたことでスルトくんの圧と報われなさが高まっているの何とも言えない。あと5章でチラッと触れられていた「Aチーム人理修復の旅」まで挿入されているのは嬉しいサプライズだった。あそこ好きなんですよね……最後は一人で立ち向かっていくことになる切なさも含めて。開幕直前に向けてテンションを上げてくれる良いムービーであった。6章のプレー条件は「5.5章クリア」なので平安京を途中で投げている人はコンティニューアイテム使ってサッサとクリアしときましょう。4章以降は「○.5章」エピソードを入れていく予定と言っていたからアヴァロン・ル・フェが終わった後に6.5章的なものが来るはずだけど、内容はどんなのだろうな。5.5章でリンボを片付けたことを考えるといよいよコヤンとの決着か? というかコヤンは正直ここまで引っ張るとは思ってなかったな……FGOではまともな出番のない玉藻が活躍することを祈りたいが、さて。



管理人:焼津

※当サイトはリンク&アンリンク・フリー。