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リレー小説「魔法少女忌譚修」(第13話−10/12)


2020-07-03.

『うたわれるもの ロストフラグ』、ドリィ・グラァ確定の「天命 縁結び」開催

 イベントは変わり映えしない、いつもの紅白奉納試合だけど、ドリグラをガチャ実装ではなく配布にする英断に全私が歓喜しました。やるじゃねぇか、ロスフラ。これでオボロとユズハとクオン(術師見習い)とドリグラを並べる夢の編成も可能になります。結糸全部を突っ込んだアトゥイのピックアップはすり抜けトウカ(被り)というしょっぱい結果に終わったけど、それも許せる気分になりました。ドリィとグラァはオボロに仕える双子部下であり、可愛い見た目をしていますが両方とも♂です。時空がユルユルのロスフラ世界には「病魔に侵されていない戦闘要員のユズハ」なんてキャラもいるぐらいだから「逞しく育った雄っぱいを見せつけてくるドリグラ」もいるのかもしれません。別ゲーだけど『メギド72』でやっとビジュアルがお披露目されたサタンの雄っぱいはスゴかったな……あんなの8魔星じゃなくてえち魔星ですよ。

 更新に伴って本編の最新話(4章前半)も追加されていますが、実のところまだ読んでいない。他のソシャゲも一斉に月末更新が来ちゃって時間配分が難しいのです。ホント、こんなに固まらないでもっと散らしてほしいものだわ。

プリンセスフェスガチャ開催!!限定キャラ「ユイ(プリンセス)」登場&おまけ付き!

 どうせ水着イベント(「七夕剣客旅情譚 天に流れる夏の恋」)に合わせて水着の限定キャラが来るんでしょ? ふっ、私は2.5周年に備えて石を温存するぜ――と呑気に構えていたら不意打ちのプリユイが来て目を疑いましたね。えっ、つい先月にプッコロ実装したばかりじゃん! 2ヶ月続けてフェス限追加ってどうなってんのよ、スタリラじゃあるまいし。いやスタリラは毎月どころかほぼ毎週限定キャラが追加される次元の違う地獄なんですが。プリユイはてっきり2.5周年の目玉として控えているのかと思っていたが……ここで来ちゃったか。動揺しちゃったものの「予定が前倒しになっただけ」と考えて冷静になり、「やってやるぜ!」と天井覚悟でブッ込んだら割とあっさり引けました。やったぜ。これで余裕を持って2.5周年に備えられる。めでたしめでたし。

 とはいえ来るのがもうちょっと先と考えていただけに残念ながらマナが枯渇しており、育成には手が回らない。☆6開花キャラがどんどん増えていくこともあって育成素材とマナの不足は深刻化する一方です。新たに☆6追加されたシズルはアニメでそこそこ出番があったことも重なって二倍嬉しい。アニメは期待以上の出来で大満足でした。ただ、ノリがほとんどこのすばアニメだったこともあり「プリコネってこのすばアニメみたいなノリの話なのか〜」と素直に信じた人がアプリをDLしてガッカリするんじゃないかと少し心配だったりする。なんというかアプリの方はアニメに比べてのんびりした感じなんですよね。さておきプリコネアニメ、反響の大きさを考慮すると2期目があっても不思議じゃないが、特に告知も何もなかったから作るとしても当分先になるかしら。王雀孫脚本のなかよし部回があるといいな。

 プリフェス終了後には水着ルカ姐が来るらしい。ツイッタートレンド入り記念で1500個、日頃の感謝で3000個、TVアニメ終了記念で5000個と短期間に9500個もの石(ガチャに換算すると約63連分)も配られたからつい気が大きくなって回してしまいそうになるが、ここは我慢のしどころだ。でも記念に単発1回だけ回しておくかな。

・馬路まんじの『底辺領主の勘違い英雄譚1』読んだ。

 副題は「平民に優しくしてたら、いつの間にか国と戦争になっていた件」。イラストといいタイトルといい、見た目は完全に「よくあるなろう小説の書籍化」なのだが、帯に乙一の推薦文が付されているだけあって「こんなもんがよくあってたまるか!」とシャウトしたくなるほどの突き抜けた怪作でした。どう表現すればいいのだろう。とにかく文章のスピード感がヤバいうえに倫理観の崩壊ぶりもヤバい。生き急いでいる印象しかない。ごく簡単に形容すると「町田康が酔った勢いで猛然と書いたなろう小説」って感じです。いや町田康は現在禁酒中らしく『しらふで生きる 大酒飲みの決断』なんて本も出してますけど、それはそれ。

 王国の掃き溜めであり、犯罪者など訳有りの人間たちが流れ着く「この世の果て」とも言うべき劣悪な環境を数代に渡って放置し続けてきた辺境の地「ベイバロン」。酒に溺れた両親が揃って死亡したことにより家督を継いでこの人心荒廃した悪徳シティを治めるしかなくなったリゼ・ベイバロンは生き残るため、一つの決断を下した。「――よーし、領民たちに媚びへつらうかぁ!!!」 保身のためなら平民の足を舐めることさえ辞さない貴族臭皆無の底辺覚悟で屋敷から飛び出したリゼ、彼の考えなしな行動を周囲の人間たちが無限に深読みした結果、最凶最悪の反逆者が爆誕することになる……! という、基本は「勘違いの連鎖でトントン拍子に成り上がっていく」コメディ系のファンタジーです。あ、念のため書いておきますが転生要素はありません。「勘違いの連鎖で〜」というのはなろう小説だとそんなに珍しくないパターンと申しますかむしろ「一つのジャンルを築いている」と申しても過言ではないんだけれど、この作品の特徴は「異常なテンポの良さ」であり、同時に「正義という言葉がゲシュタルト崩壊を起こしそうな末世が延々と描かれる」地獄めいた特色も兼ね揃えている。

 1巻は全体が270ページくらいで、本編32話と番外編2話、合計34話から成り立っており一つ一つのエピソードが非常に短い。ほとんどは数ページで終わるからほとんどショートショート感覚、最長のエピソードでもたった16ページです。無駄な描写を削ぎ落とし、ひたすらテンションと勢いに任せて話をゴリ押ししてくるからやめどきが見つからず、サクサクと最後まで読み進めてしまう。ブレーキの壊れ具合が尋常じゃないです。倫理観の捻じれ具合も相当なもので、たとえば各話には「農民に媚びよう!」みたいなタイトル(感覚的には見出し)が付いているのですが、目次をザーッと眺めていくと「シリカちゃんを殺そう!」とかマズい雰囲気の奴がいくつか混じっていることに気づくだろう。殺人に対する忌避感? 微塵もないですね、そんなもの。

 作品世界には魔法が存在しており、原則として貴族階級だけ魔法が使える(血筋に依存するから一部の私生児など例外もある)ので「平民は貴族の魔法を恐れて逆らえない」んだが、主人公であるリゼは回復魔法しか使えず暴力的な手段で領民を従えるのは難しいからと徹底してゴマを擂る道に進む。回復魔法と言ってもただ傷を癒す程度のものじゃなく、失った腕が生えてくるとか牛肉からクローン牛を創り出すとか釣り竿から瞬時に樹林が生まれる(「増殖」効果もある)とか「回復」の域を超えた凄まじいチートというか禁忌の領域を気安く蹂躙する代物ゆえドンドン作中の倫理がガタガタになっていく。「疲労がポンと抜ける魔法」が穏当なネタに見えてくるレベルでエスカレートし、やがて主人公の浅はかな行動によって街が滅びそうな事態にも発展するんだけども、颯爽と駆けつけた主人公が華麗に事態を収束させることで民衆からの英雄視は進み、原因だの元凶だの責任の所在だのは有耶無耶になっちゃう。ただのマッチポンプなのに狂信的な支持を得てしまう主人公、悪意がないだけにより一層邪悪な存在と化している。無思慮な行動の数々によって着々と王家に弓を引いていくけれど、彼の抱く気持ちはあくまで王家への忠誠であり「褒められたい!!!」の一心なのだった。黒陽か?

 最初に店頭で見かけてパラパラ読んだとき、テンポの良い文章には感銘を受けたものの「こういう成り上がり系のストーリーを1巻だけ読んでもなぁ」と前向きな気持ちになれず一旦本棚に戻してしまった。もうちょっと巻数が溜まってから再度検討しよう……そう結論を出して書店から去ったのだが、「領民たちに媚びへつらうかぁ!!!」と元気良く宣言する主人公がどうしても忘れられず、結局翌日同じ店へ赴いて購入するハメに。続刊モノとは思えないほどのテンポで驀進していくから途中「ひょっとして一冊完結モノか?」と錯覚しそうになりました。この面白さ、つい布教したくなるが人に薦めたら「ひょっとして倫理の観念が破綻しておられる?」「大丈夫? 『ここは今から倫理です。』読む?」と心配されそうで躊躇する。コミカライズ企画も進行中らしく、メディアミックスの波に乗ってアニメ化される可能性がゼロじゃないことを考えると戦慄します。一応ヒロインポジションのキャラも登場するけど主人公の強烈さを前にすると何もかも霞んでしまうので、そこまで著しいヒットはしない気がする。だが、何があるかわからん御時世だからな。しばらく経ったらオーバーラップの看板タイトルになっているかもしれない。否、きっとなれるだろう。イカレているとはいえ高橋邦子よりは正気度が高いからイケるイケる。とりあえず目指せ長期シリーズ化。たとえ30巻以上続く大長編となって苦心の末にクソデカ超帝国を築き上げても最後はたった一行で破滅しそうだけどな、この主人公。


2020-06-28.

『ランボー ラスト・ブラッド』観てきたけど、B級感がスゴいことになっていたと申しますかタイトルは『病んボー』か『ランボー ホーム・アローン』にした方が良かったのではないかな……と思ってしまった焼津です、こんばんは。指をグリグリ突っ込んで骨引っ張り出す拷問が挨拶感覚で繰り出されるタイプの映画。

 “ランボー”シリーズの5作目であり、一応完結編ということになっています。え? ランボーは『最後の戦場』が完結編じゃなかったのかって? 『最後の戦場』は日本の会社が勝手に付けた邦題であって原題は単なる『ジョン・ランボー』であり完結を匂わせる要素は微塵もない。“ランボー”シリーズの1作目、邦題では単に『ランボー』となっていますが原題は『ファースト・ブラッド』であり、それと対比する意味も込めて本作には『ラスト・ブラッド』の副題が付いている。なおデイヴィッド・マレルの原作小説『ファースト・ブラッド』は『一人だけの軍隊』というタイトルで翻訳されています。前作『最後の戦場』は里心のついたランボーが田舎に帰るシーンで終わっており、実家に戻ってしばらく平和な暮らしを満喫していたランボーがふたたび血腥い闘争へ身を投じることになる、というのが今回の『ラスト・ブラッド』です。ネタバレ全開で行くから今後観るつもりの方は以降を読まないでください。

 「メキシコギャング皆殺し篇」といった趣の本作、結論から述べるとランボーは重傷を負った状態で生き延びます。「あの後傷が悪化して死んだ」とも「あっさり回復した」とも解釈できる微妙なライン。なのでその気になれば更に続編を作ることもできるわけですが、スタローンの年齢を考慮すると本当にコレが最後かもしれない。最後だから派手にやろうぜ、とばかりにテーマ性を投げ捨てて娯楽方面に振り切れています。「押し寄せる悪漢どもを自宅に仕掛けた罠で殺戮する」という『ホーム・アローン』みたいなクライマックスをやりたくて、そこから逆算する形でシナリオを編んだのでしょうが企画が難航した(5作目の企画は2009年から始動しており、当初は『極北のハンター』をベースにした話にするつもりだったが途中でメキシコ舞台の『ノーカントリー』みたいなプロットに変更、それでもまとまらず「もうランボーは終わりでいいだろ」とスタローンも匙を投げて一旦製作中止、2014年になって企画が再浮上し、2018年から本格的に再始動、2019年に完成――という流れだった)せいもあるのだろう、「途中で面倒臭くなっちゃったんだな……」と察してしまうくらい大味な展開の連続です。正直ストーリーは褒められない。あくまで「暴力のファンタジー」を描く一本であり、そこに至る過程や動機はすべてスクリーンの奥へ退いていく。ゴア描写自体は結構激しいのでぶっ殺し映画が観たい人にはオススメ。メキシコを「メチャクチャ治安の悪い国」として描いているので「メキシコへの偏見が強まる」という批判もあるらしいが、今年だけで215体も組織犯罪絡みで遺棄されたと思われる死体が見つかっていることを考えると仕方ないんじゃないかな。

 他の人の評を借りると『ランボー 怒りのステイホーム』、これが一番的確で笑ってしまった。ラストのハートキャッチ(物理)もさることながら、一番衝撃的だったのは「生首ポイ捨て」のシーンかな……マナーに厳しい人が観たら「ポイ捨て禁止! ちゃんと家まで持ち帰りましょう!」って激怒しそう。

『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」V.spring song』公開日決定のお知らせ

 真夏に春が来た! 最悪「来年の桜が咲く頃」まで待たされるのでは、と覚悟していただけに思ったより早くてホッとしました。宙ぶらりんになっていたFGOの公開記念キャンペーンもやっと開催できる。FGOと言えばバニ上の強化がいきなり来てビックリしました。なにげにスキルマしていたから使いやすくなるのはありがたい。イベントが終わったら幕間の物語キャンペーンが始まると予告しているので向こう一週間くらいはのんびりモードが続くであろう。それが終わったら何が来るのか、想像しただけでドキドキします。

佐藤大輔の『レッドサンブラッククロス』、8月から四六判上製カバー装にて復刊開始

 あの未完の大作が令和の世に甦ります。佐藤大輔のシリーズ作品はほとんどが「未完の大作」なので、より正確に表現するならば「未完の中の未完」、キング・オブ・未完とも呼ぶべき架空戦記シリーズである。レッドサン(日の丸)とブラッククロス(鉤十字)、つまり史実の上では友好国であり共に敗戦国となった日本とドイツが「もし日米が第二次世界大戦に参戦していなかったら」というifが叶えられたパラワレワールドにおいて激突する。元は80年代に出たボードゲームの設定であり、制作に協力した佐藤大輔が90年代に小説化。途中までは非常に良いペースで刊行されていたものの佐藤大輔特有の完璧主義が災いしてか徐々に筆の進みが遅くなり、2000年の『パナマ侵攻2』を最後に本編の展開が止まってしまった。ファンたちは焦がれる想いで続編を待ち続け、「いつか、いつかきっと『パナマ侵攻3』が出る……!」と信じ続け、やがて十数年の時が流れ、2017年――佐藤大輔の訃報によって望みは断たれた。享年52歳。今でも信じがたいほどの早過ぎる死でした。

 細部まで綿密にこだわる作風が彼の魅力でもあったのだが、こだわりすぎて途中で書けなくなってしまうのが大きな欠点であった。『レッドサンブラッククロス』は佐藤大輔の代表作でありながら「再開を強く望まれた未完の大作」であるがゆえに半端なところで愛蔵版を刊行するわけにもいかず、古い版がずっと放置される仕儀となっていたのである。新規の読者が手を伸ばそうとしたら文庫だったり新書だったりとバラバラの判型を古本でいちいち集める必要があり、身近な布教者でもいないかぎり面倒な思いを強いられるという障壁があったから新鮮な血が流入せずファンの高齢化は進む一方だった。今回の愛蔵版で「ようやくRSBCを読める」という人も多いはず。四六判なら図書館にも入るし、なんとなく手に取って沼底に引きずり込まれる層も出てくるんだろうな。そして未完であることを知って慟哭するところまでがワンセット。ちなみに佐藤大輔が「豪屋大介」という変名で書いたライトノベル『A君(17)の戦争』にもRSBCのネタを混ぜた番外編があるんですけど、アレも当然の如く未完シリーズなのであまり積極的にはオススメできない。

 なお愛蔵版は全4巻で、本編4〜7を収録した2巻は11月、8〜11を収録した3巻は来年1月、全短編を集めた4巻は3月刊行予定とのこと。RSBC、私は古本で集めたからあまり状態が宜しくなくてこれ幸いとばかりに買い直すつもりなんだけど、ぶっちゃけ置き場が問題なんだよな。置き場のことを考えると向こう5年くらいは新刊購入を停止して積読消化に励むべきなんだが、そんなに欲望抑え切れないので無理です。

・拍手レス。

 セブンス好きなので、読んだのでしたら一言でもいいから感想聞きたいなーって
 まだ3巻の途中なので評価が固まっていませんが、とにかく最初は歴代当主の顔を覚えるのが大変で何度もカラーページを見返すハメになりましたね。今のところ五代目の詳細が気になる。初代の霊基消滅(霊基消滅ではない)シーンはグッと来ました。設定が一部『おこぼれ姫と円卓の騎士』を彷彿とさせるのでおこぼれ姫も読みたくなってきて、最新刊まで追いつくのにだいぶ時間が掛かりそうです。


2020-06-21.

・積読の消化に夢中でHPの更新をすっかり忘れていた焼津です、こんばんは。読んでも読んでもなくならず、山が消えたと思ったらまた次の山が視界に入ってくる……賽の河原かな?

 結構前から積んでいた「ありふれ」こと『ありふれた職業で世界最強』は6巻までまとめ読みした。既にアニメ化しているのでご存知の方も多いだろうけど、一応解説しておきますと元は「小説家になろう」に連載されていたWeb小説です。例によって異世界転生モノであり、その中でもクラス丸ごと異世界に召喚される「クラス転生」とか「クラス転移」と呼ばれるジャンルに属している。転生と転移の違いは、たとえば修学旅行のバスが崖から転落してみんな致命傷を負った記憶があるのになぜか異世界にいた、みたいなのがクラス転生。死んだ記憶がなく召喚ないし偶発的なキッカケで異世界に跳ぶのがクラス転移です。クラス転生だと元の世界ではみんな死んでいるはずなので生き返る手段がないかぎり力を合わせて帰還しようというモチベが湧かず、各々「第二の生」を受け容れることになる。クラス転移だと状況によっては元の世界へ帰還する希望が持てる。クラス転生(転移)モノの歴史については詳しくないが、少なくとも瀬尾つかさのデビュー作『琥珀の心臓』(2005年)までは遡れるので最低15年は歴史のあるジャンルだ。イメージの源泉を辿っていくと『漂流教室』に行き着くのかな。クラス転生(転移)の利点は「元の世界(概ね現代日本)の人間関係を引き継げるからドラマを作りやすい」こと。元々クラスにあった派閥によってパーティがわかれ、対立・協力・傍観の構図を紡ぐ――といった展開へ容易に持っていくことができる。難点は「クラス丸ごとだとキャラ数が多過ぎる」ことか。そのため転移直後にモンスターの襲撃を受けたり諍いが発生して殺し合ったりなどして人数を減らすタイプもある。「即死チート」こと『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』もその一種。ありふれはクラスメイトの手で殺されそうになった主人公がダンジョンの中に取り残され、孤立無援の状況でサバイブしていくことにより「クラス丸ごとだとキャラ多すぎ問題」を緩和している。

 主人公の目標はごくシンプル、「生き延びて元の世界に帰る」です。舞台となる異世界には「大迷宮」と称されるダンジョンが7つあり、すべて踏破すれば元の世界に戻る術が見つかる……かもしれない、といった設定になっている。強くなってダンジョンをクリアする、基本はこの繰り返しです。その過程でいろんな種族のヒロインがどんどん増えてハーレムめいた環境になっていくという、男子中学生の欲望を具現化したような内容になっており読む人を選ぶというか年齢によってはだいぶキツいかもしれない。私はハーレム系バッチコイですが「ヒロインたちがあまりにも美少女すぎて道ゆく人々が愕然とする」系の描写が頻繁に繰り返されるのはさすがにウンザリしたな……なろう小説はもともと連載作品であり、回ごとに見せ場が必要となるため通して読むと新聞小説並みに同じような場面が出てきてデジャヴを覚える仕組みになっています。そもそも、ありふれは「殺されかけた主人公が奈落の底から這い上がる」巌窟王じみたダークヒーロー路線のストーリー(ただし復讐が主題ではない、あくまで第一目標は「元の世界に戻る」)が骨子であるにも関わらず、「ノリはギャグ漫画っぽい」という作者の趣味が露骨に発揮された一作となっていて、受け付けない人はとことん受け付けないだろう。私も3巻くらいまでは「面白いところと付いていけないところが斑模様になっていて評価に困るな……」というのが率直な感想でした。ハウリア族のアレとか、リアルタイムで読んでいたらそこで脱落していたかもしれない。

 4巻あたりからギャグとシリアスのバランスが逆転し始めてシリアス寄りのストーリーになっていくこと、加えて作者のノリに慣れてきたこともあり、ようやく評価が「面白い」に傾きましたね。バトル描写に関しても3巻までと4巻以降とでは盛り上がり方が明らかに異なる。主人公たちの戦力は概ねチートながら、だんだん「死闘」感が増して白熱してきます。菊地秀行とか安井健太郎とか、あのへんのノリが未だに好きな読者ならワクワクするんじゃないでしょうか。タイトルのせいでいまひとつ食指が動かず長らく放置していたけど、もっと早く崩しておけばよかったかもしれない。アニメの1期目はあらすじから察するに4巻までやった模様だが、2期目はどこまで進むんだろう。余談。ヒロインがどんどん増えていく点で「ハーレム」とは言えますが、主人公がユエ一筋なこともあってラブコメ的な読み所はほとんどありません。修羅場展開も軽いコメディの範疇を出ない。あくまでハーレム目当てなら他の作品を当たった方が吉です。クラス転生(転移)モノだと「同級生ハーレム」(『クラス転移で俺だけハブられたので、同級生ハーレム作ることにした』)があるけど、あれは主人公のスキルが便利すぎて逆に燃えないんだよな……ハーレム系の欲望充足型ノベルは安易なようでいて意外とシビアなバランス感覚を要求されるから難しい。

 ありふれ以外だとやっと発掘した『セブンス』、それから『英雄王、武を極めるため転生す』あたりも面白かった。特に『英雄王〜』はデビュー当時から知っているけどいまいちパッとしなかったライトノベル作家「ハヤケン」がようやくブレイクしそうな気配を漂わせていて感慨深い。人々を助け、国を興すにまで至った英雄王「イングリス」は王の務めが忙しくて「武を極める」という初志を貫徹できなかったことだけが心残りだった。そのため死の直前、女神に「第二の生」を望み、遥か未来の世界において念願の転生を果たした……までは良かったが、特に性別を指定していなかったせいか女の子になっちゃった。「なったものは仕方ない」と受け容れ、今度こそ政治や大義といった仰々しいものから距離を取り、武の極致への到達を固く決意するイングリスちゃん。魔印(ルーン)を持たないことで「騎士としての出世は絶望的」と憐れまれるが、むしろこれ幸いとばかりに最強の従騎士(エスクワイア)として前線に立ち続ける道を目指す。「精神的にはお爺ちゃんな主人公が美少女に生まれ変わる」「立身出世に背を向けてひたすら強い敵との戦いを所望する」、この二つの要素がうまく噛み合ったおかげで「メンタル爺のバトルジャンキー美少女イングリスちゃん」が爆誕し、ハヤケン史上最大にキャッチーな設定のシリーズとして仕上がっています。「娘に付き合ってプリキュアを見ているうち『主人公が女の子というのも悪くないかな』と思った」のが企画の発端らしく、戦闘シーンがちょっとプリキュアっぽいのは御愛嬌か。空に浮かぶ島「天上領(ハイランド)」の住人「天上人(ハイランダー)」が地上の人々を支配しようとしているなど転生するまでの間に世界が大きく様変わりしているが、「それはそれとして最強を目指すね!」と世直しの意志などまったくないイングリスちゃん、いっそ清々しくて素敵。これは是非アニメ化まで漕ぎ着けてほしいわ。

「シャーマンキング」2021年4月に完全新作TVアニメ制作決定!2000年版アニメも配信(コミックナタリー)

 最初の数巻だけ読んだ。内容に関してはジークンドーの話が出てきたことくらいしか覚えていない。あと2巻あたりに「おシャマなシャーマン」ってタイトルのエピソードがあったような気がする。いずれまとめ読みしようかと考えていたところに「打ち切りになった」って話を聞いて関心を失ってしまったんだよな……その後、何度か気になりつつも「読もう」という機運が盛り上がることもなく時は流れていったのですが、遂に時機を得られるのかもしれない。

 シャーキン(ファンの間では「マンキン」という略称が一般的らしいが、私の場合は周りに読んでいる人がほとんどいなかったこともあってこの略し方に馴染んでしまっている)は1998年に連載開始して、2001年に一度アニメ化されている。まだ連載中だったこともあって後半はオリジナル展開になっており、先述した通り原作が途中で打ち切りになってしまったことから続編も作られていない。打ち切りとはいえ30巻以上続いた作品だし、ファン人気も根強くて再アニメ化を希望する声は多かったらしいが、林原めぐみの歌う楽曲など旧アニメの素材が権利関係で使えないことに原作者が難色を示してなかなか動き出せなかったそうな。PVで林原めぐみの曲が流れたということは権利関係を無事クリアしたのか? ハマっていた作品ではないから「懐かしい」「我が青春」と浸っている方々を傍観することしかできずちょっと寂しい気持ちも湧くけれど、ようやくシャーキン(今からでもマンキンにシフトした方がいいのか?)の世界に触れる絶好の機会が訪れたことにワクワクしています。こないだ出た新装版、買っちゃおうかな。

『マギアレコード』新イベント「伝説の終わり、光の果て 〜魔法少女たると☆マギカ〜」開催中

 まどマギのスピンオフ作品である「たるマギ」こと『魔法少女たると☆マギカ』のコラボイベントです。2018年の「時を超えて鳴らす鐘」、2019年の「常夜の国の叛乱者」に続く第3弾であり、完結編でもある。後に「ジャンヌ・ダルク」の名で歴史に刻まれることになる少女「タルト」を巡る物語であり、英仏百年戦争を背景に史実上の人物が黒幕として出てきたりもするのですが、ジャンヌに比べて知名度が低いので名前を聞いても「えっ、誰?」と戸惑う人の方が多いかもしれない。ぶっちゃけ私も知りませんでした。不思議な力によって現代日本の住人である魔法少女たちが百年戦争の頃のフランスにタイムスリップし、タルトと協力して黒幕――歴史を歪めようとする存在に立ち向かっていく、という趣旨のイベントです。タルトは15世紀の魔法少女なので、「時空を超越する不可思議な因果」って体裁にしないと共演できないんですよね……ホント、まぎマギってFateとかに比べてシェアワールド化しづらい企画だと思います。

 さておき、イベント開催に合わせて「タルトver. Final」がガチャ実装されました。既に実装されている☆4魔法少女「タルト」のバージョン違いであり、新タイプ「エクシード」として初めて投入されるユニットです。ビジュアルは単行本最終巻の表紙にも描かれている黒いガントレットとボロボロのマントを纏った三つ編み姿、平たく言えば「タルト最終形態」だ。見るからに強そうなルックスと安定のほっちゃんボイスに惑わされ、3周年まで温存するつもりだったガチャチケットを放出してチャレンジしちゃいました。たるマギそのものにはあまり思い入れがないんだけど、サポートで借りまくったノーマルタルトは数え切れないぐらい周回でお世話になったから「ユニットとしてのタルト」には愛着が深いのである。堀江由衣のCVも魅力的だし。で、具体的な経過は端折りますが白目を剥くほどのすり抜けの嵐を味わいつつどうにかファイナルタルトを完凸させることができました。あと少しでガチャチケを使い果たすってところまで追い込まれ、冷や汗かいたわ。もう2ヶ月もすれば3周年記念ピックアップが始まるというのに、その手前で素寒貧になっていたら目も当てられない。

 完凸したファイナルタルトは流した冷や汗に見合うだけの強さを備えていたので満足です。副産物として☆4イベントメモリアを両方とも凸ることができたのでドロップアイテム数がかつて見たことのない次元に達し、アイテム交換も捗っている。マギレコのクエストは単調すぎて飽きが来てしまい真面目にやる気力もなく、オート周回で楽々進められる完凸ファルトを大いにありがたがってしまっているが、ゲームのプレーヤーとして見ると完全に堕落だなコレは。シナリオパート以外はずっと本読んでるし、冷静に考えると「そもそもゲームパート要らないのでは?」という気がしてくる。「遊びがいつの間にか作業になっている」現象、コレに耐えられなくなったらときが辞め時なんだろうな。ソシャゲってギリギリの戦力で危なっかしいバトルを繰り広げて辛勝している時期が一番楽しかったりする。

「はめふら」こと『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』、2期制作決定

 反響の大きさと原作ストックが豊富なことから2期はほぼ確定だろうと予測していたものの、まさか最終回で告知が来るとは。もうちょっと掛かるかと思っていました。情勢が情勢だけに時間は要するかもしれませんけど、カタリナたちの騒がしい日々の続きが見られるというなら楽しみに待つより他ない。アニメ1期のラストは原作だと2巻に相当するので、素直に考えるなら2期目は3巻以降の内容をやるのだろう。なお現在の最新刊は9巻です。3巻はキャラが増えるのとゲーム要素が希薄になるのとが重なり、それまでの内容が好きだった人にとってはやや低調な印象を受けるかもしれない。シリーズ構成は大いに頭を悩ませることになるだろう。あのエンドから話を続けるとなると「こういう展開しかないだろうな」と薄々察している人も多いでしょうが、とにかく2期目のストックは充分なので気長に期待しておくべし。



管理人:焼津

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