「うたわれるもの」
   /Leaf


 日記の内容を抜粋。


2003-10-05.

『うたわれるもの』プレー開始。

 試しとばかりにやり出したところ、なかなか中断できない面白さにつき、一気にかなり進みました。ごはんを食べるために中座する時間も惜しいくらい。よし、週末はこれで決まり。

 食指をそそるダークサスペンスがなかったので、代わりに手をつけてみた一本。発売後間もなく購入して以来積みっきりでしたから、およそ1年半かな。直前にプレーしたのが『Ricotte〜アルペンブルの歌姫〜』だから「うた」繋がり。なんちて。

 古代日本を意識したと思われる架空の世界──様々な国の様々な思惑が絡まり合う戦乱ファンタジー。主人公が記憶喪失というのはもう「お約束」だと考えて軽く流すとしましょう。平気で獣人とか出てきますが、これについての説明は為されるんだかどうだか……。

 当方、国取り物語が好きなものですから序盤の展開には大満足。周りの大国が反応する流れもたまらない。なんか、えらくあっさりとハマってしまいました。どのくらいの分量があるのか分かりませんが、この勢いだと日曜日を潰してクリアに向け、プレーに励みまくってしまうかも。

 戦闘はよくあるクォータヴュー形式で、難易度もヌルゲーマーの当方にはちょうどいいくらいです。こういうシミュレーションRPGをやったの、エロゲーじゃ『キャッスル・ファンタジア』以来かな……『聖魔大戦』はいろいろ忙しくなって途中で投げたままだったような。

 キャラクターも魅力的ですね。とりあえずエルルゥにハァハァしていましたが、話が進むにつれどんどん男キャラも増えていく。なんだか当方、最近はエロゲーでも主人公以外の男キャラが出てくるのを楽しみにしている節があり。さすがに『デモンベイン』ほどの男臭さ&漢濃さではないけど、男性キャラ比率はなかなかのもの。やはり男臭い空気が漂う中に女性キャラが混ざっている、というシチュエーションがあれこれとロマン回路を高速回転させるんだろうなぁ。

 うたわれキャラでとりわけ気に入ったのはドリィとグラァの双子。もともと双子キャラは好きですが、「双子で弓兵」という設定がやたらとツボを突きまくり。スナイパー属性のある当方は弓兵にもちょっとドキドキです。しかしプレーを進めていくうちにある事実が暴露されます。

 ふたりとも男

 そうきたか……!

 さすがに最初はショックでしたが、すぐに「むしろ そ れ が い い 」と回復。結果としてますますこの双子への傾倒が深まっていった次第。単純にロングレンジの攻撃が使いやすいというのもありますが。

 あとはアルルゥもツボ。単純な萌えでいえばエルルゥの方が好みですが、見るからに非戦闘員で特殊技能もないこの子がどうやって戦闘に参加するのか──いやそもそもしないのか、と頭を悩ませていたところにあの始末。これもこれで「そうきたか……!」。当方のいろいろとアレな嗜好をフォローしまくりでホント嬉しいですね。

 それとどうでもいいことだけど、ヌワンギがゴクドーくんに見えて仕方なかった。


2003-10-06.

『うたわれるもの』、コンプリート。

 土日潰してやりこんじゃいました。一気にガッと立て続けに戦闘を行った後、だら〜りと平和な日常が流れ、しばらくしてまたキナ臭い雰囲気が……と緩急のついた展開のおかげで飽きが来なかったです。何度か際どい戦局はあったものの、一応負けなしでクリア。『ヴェドゴニア』でウピエルに負けまくった当方にしちゃ上出来と言えます。

 人名や地名など、用語が独特でとにかく覚えにくく、文字列をひとつの絵と捉えて漠然と記憶し、判別することはできましたけど、こうして書こうとすると正確な語がうまく思い出せない。実のところ主人公のハクオロもしばらくハクロオと間違えていたくらいでして。ベナウィをベナリィとか。ルビ振りの機能があったおかげで読んでて混乱することはなかったですけど、ホント、“星界”シリーズといい勝負。

 細かいことを抜きにして言えば、物語も面白くて充分に楽しめました。で、細かいことを言いますと、当方は中盤までの戦國ムードが好きでしたので、ああいう方向に突き進んでいったクライマックスについては、予想していたし納得も行きますけど、少々残念な思いも。あとまるっきりの一本道ってのは攻略が楽で「土日のうちに終わらせたい」と願った身にはすごくありがたいですけど、言い換えればチマチマとやり込む要素もあまりないということで。贅沢というか、ワガママなんですが、もうひと押し「何か」が欲しかった。クリアすると「戦闘訓練」に十数対十数の本格的なステージとか、ボスキャラ勢ぞろいのステージとかが加わるなど、クリア後の興奮をクールダウンさせるオマケがあればなぁ、と。ムービーが変わるだけでは火照った身体を冷ますに足らず。

 SRPGは普段──というより今までのゲーム人生を通じてもあまりやったことがなかったので、詳しくどうこうは言えませんけど、ヌルい当方にも無事やり通せるくらいの難易度で良かった。チップキャラの動きも見ていて面白かった。「連撃」は割とあっさり飽きてしまったけど、それでもやっぱり最後まで決まると気持ちいい。

 気に入ったキャラはエルルゥ、ドリィ、グラァ、トウカの4人。エルルゥは素朴で明るく可愛く世話焼きでやきもち焼きと実に「ふつう」なヒロインでしたが、その「ふつう」が良くて安心できる。ただ話の進行とともに出番が減り、「ふつう」でないキャラたちの影に隠れ、どんどん存在感が薄くなっていくのは悲しかった……ドリィとグラァについては昨日の分にも書きましたが、オボロを主として敬っている一方で少し遊んでいるあたりが好感触。最初は見分けつかなかったですが、やってるうちにちょっとだけ違いが分かったり。微妙にドリィの方が好きです。トウカはいささか過剰なそそっかしさが鼻に付く場面もありましたけど、当方が見て、笑いと萌えの総合力を考えればうたわれ一のキャラ。人形イベントとかカルラ相談イベントとか、日常イベントでのインパクトが大。あのギャグ顔には激しく胸キュン。

 敵にもいろいろと濃いぃ男キャラが混じっているのが嬉しい。名前は覚え切れていないのでいちいち書き連ねることはできないものの、見た目がアレな連中も含めて嫌いなキャラはおらず、押し並べて好きです。特に気になるのは、名前だけ出てきて結局出番なしのあいつ。そもそも生死自体が不明ですが。

 伏線や設定など、風呂敷を広げる段でも広げ切らず、畳む段でも畳み切れなかった……という印象を受けます。「もっと熱く、もっと盛り上がることはできなかったのか」と惜しい気分は残る。けど、見方を変えればバランス良く要素群を組み立て、プレーヤーをラストまで大過なく誘導できるように考えられた、端整な構成とも言える。恐らくほとんどの人に対して一定の「面白さ」を供給することが可能である、最大公約数みたいな出来。サウンド面、グラフィック面にしてもクオリティが高いのは瞭然。ハマった。けれど、ハマってハマってハマり抜くことはできなかった。満足とともに、どこか歯痒さも感じる一作でした。


2003-10-07.

『うたわれるもの』、既にコンプしてアンインストールも済ませたのですが、ふとした瞬間に「もっかい最初から再プレーしたい」という欲望に駆られることがしばしば。「物足りない」といった主旨の文句を書きましたけど、その微妙な物足りなさが終わった後もえらく尾を引きます。半ば本気でうたわれ再インストを思案しているくらいで、どうやら当方は自覚している以上に気に入ってしまっているみたいです。まったくの一本道で分岐ゼロとはいえ、「最初からやり直す」という考えがやたら魅力的に思えてしまう。

 うたわれの面白さは完成度の高さから来る満足によって生み出されるものではなく、たくさんある要素のいくらかが未完成なことから来る飢えによって滲み出てくるものにこそあるんじゃないか、って気がしてきました。コンプしてもすっきりしないから、内容が変わらないとはいえ再度頭からプレーしたくなり、大して必要性がないにも関わらず自発的に2周目へ繰り出してしまう。そこにうたわれの本領があるのでは……と思いつつ、再インストを思い留まって別のゲームをインストール。

 なんとなく、このままうたわれを入れ直したらやばい具合にハマりそうな予感しますから。熱を冷ます意味で他のゲームをやるとします。

・ということで積みゲーの山から引き抜いたのは『うさみみデリバリーズ!!』。すたじおみりすが今年2月に出したエロゲーですが、少し前にマウスを新調するため秋葉原に寄った際、特価品として出ていたのを購入しました。だから積み期間はそんなに長くないです。

 宅配屋というと『ゲッチューまごころ便』くらいしか思い浮かばない当方、「何がなんでも確実に荷物をお届けします」ってノリにそれほど興味は湧かなかったのですが、笑いとストーリーの配分がちょうどいいコメディとは聞いていたので気になっていました。まだ始めたばかりで大して進んでませんが、とりあえずべるのに注目中。結局ロリか自分。


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