「DUEL SAVIOR」
   /戯画


 日記の内容を抜粋。割と手抜きな構成です。


2004-10-03.

・で、現在は『DUEL SAVIOR』をプレー中。設定等は「ま、細かいこと気にすんなって」と言わんばかりですが、まったりプレーする分には悪くない。ファンタジーな異世界かつ魔法学園かつ寮モノという当方好みの陣容。何せ「魔法学園+寮」の属性はハリポタを読む以前から根付いていたくらいだ。

 しかし序盤はこれといって本格的な戦闘がなく、チト物足りなく感じました。せっかく調達したゲームパッド(1000円)が手持ち無沙汰。悪の軍団にあたる「破滅」との正面切った戦闘はまだまだ先のようです。待ち遠しいのぅ。というかこの手のゲーム要素ありなゲーム(すごく変なことを書いている自覚はありますが)は合間合間に挟まるノベルパートが邪魔っ気に思えることが多くて難しいですな。うたわれや巣ドラでも「いいからゲームさせろ」とばかりに間の文章を読み飛ばした記憶があります。ストーリーへの興味とゲーム部分への興味がうまく両立しないというか。御託がまどろっこしく感じられる。

 ちなみに当方、本編プレー前の印象ではナナシやリリィに魅力を感じるものとばっかり予想していましたが……いざやってみると一番惚れたのは意外にもカエデ。ほぼノーマークのキャラでした。思ったより身長が高いことを知ったことが興味の始まりであり、そのまま注目していった結果、いつの間には「もっとも気になるヒロイン」になっていたという。あまりにも時代錯誤な「ござる」口調も不思議と心地良い。あぼたもえくぼか。カエデかわいいよカエデ。

 それと最後に主人公について。「女はみんな俺のもの」と元から思い込んでいて、異世界に召喚されてからも「救世主になって世界を俺のハーレムに変えてやる!」と意気込むオバカなエロ男です。いまどき珍しい造型。それに従って話の方も広く多数のヒロインと関係するハーレム系の構造となっており、なんだか時代に逆らった仕様となっています。まあ、某シリーズのランス君ほど無節操でもないですけれど、おかげでエッチなシーンへの導入が少し強引。良くも悪くも主人公に「漢」を感じません。型破りな言動もいまいち板についておらず、ただのDQNに見えてしまう流れもイタい。DSを燃えゲーとして楽しもうと思った場合、この主人公が最大のネックになりそうです。要注意。


2004-10-05.

『DUEL SAVIOR』、カエデシナリオをクリア。

 え、まさか、これがオチなのカー!?

 そんな、誰もが予想しえなかった一言で幕を引く。ちょっと呆気に取られました。ありがちと言えばありがちなネタですが、日常のひとコマではなく、よりによって最後で使ってくるとは。もはやホラーですらありますよ、ニンニン。

 数えてませんが、全部で13話くらいの構成? 一周しただけでは物語の全体像は見えてこず、ほんの一面が晒されただけで有耶無耶な感じのまま終わってしまいます。何周もプレーしないと正確な評価はできそうにない。シナリオに関しては物足りないものを感じていますけど、とりあえず詳しい感想は保留。

 カエデシナリオのみについては、なんか最後が大雑把な展開でしたけれど、カエデが可愛いので当方的にはOKです。バカでスケベで「世界の女はみんな俺のもの」な主人公がカエデに惚れ込み入れあげ「ハーレムなんて(゚听)イラネ」といった感じになるのもくすぐったくて心地良い。いえ、「(゚听)イラネ」とは言ってませんが、言ってもおかしくなさそうな雰囲気はあります。述べることが「穿った意見」というより「屁理屈」に近いせいで感情移入しにくい主人公ではありますが、高い積極性を有していて少なくともヘタレでない点については好感が持てる。

 話が戦争なだけで味方キャラばかりではなく敵キャラもクローズアップされるのは当然のことで、カエデシナリオに出張ってくる悪役──ムドウはどうだったかと言えば、まあ、「お約束」気味で典型的なゲス野郎でした。でかいガタイをしている割にトコトン卑怯でセコい。見た目の豪快さを裏切る陰湿な性格。なかなかステキ。あんまし狂気を感じなかったせいもあってそれほど魅力は覚えませんでしたが、悪役としての機能はイイ具合でしょう。

 次はリリィ狙いでいこう……と思いましたがバッドエンド。フラグが立ちません。調べてみるとどうやら攻略順が固定されている模様。リリィはもうちょい後に回さないといけないみたい。仕方ないのでナナシ狙いに切り替えました。ナナシ、死臭はしても腐臭はしないフレッシュゾンビです。手足や首が外れるのは「お約束」。パンツ見せすぎ(超ワカメ級)なのでアホっぽく見えますが、実際アホです。「ですの〜」と語尾を伸ばす口調が更にアホっぽさを上乗せします。死んでも治らないアホとは正に最強だな。そういえば死体をしばらく土に埋めておくと死臭が抜けるという話を聞いたことがありますが、ナナシも長年墓に入っていたおかげで臭いが希薄化していたりするのかしらん。

 戦闘は画面中の敵を吹っ飛ばす豪壮な技もあってなかなかに爽快ですが、毎回あんまり内容が変わらず単調なのでだんだん飽きてはきますね。特に2周目で同じシーンの戦闘やらされたりすると。敵を自らの操作でブチ倒すことによりテンションを上げる役には立っていますが、どうにも大味な印象。コンボ下手の当方はひたすらダメージの大きい技を単発で使うことに専念してしまうのに、それでも何とかなっちゃいます。「攻略法」を意識しなくてもクリアできるのは楽と言えば楽だけど、味気ないと言えば味気ない。それとやはり、レベルが上がっても目立った変化が見えないところはイタいかと。

 最低限、休日を潰すだけの面白さはありましたが、それ以上に何かあるかについての判断は今後の展開を待ちたく。


2004-10-13.

『DUEL SAVIOR』、ナナシシナリオクリア。

 なぜだ。あれだけオマヌケで脳みそ腐っているとしか思えなかったバラバラっ子のナナシがこんなにも凛々しいなんて……! しかも凛々しいくせしてパンツは見えまくり。パンツ見えてるのに凛々しい。『サザエさん』で二刀流のワカメが「推して参る」とドスの利いた声で言い放つくらいのインパクトがあります。これはもはやナナシではない。「仮面ライダー74」として覚醒したものと見受けられます。

 ともあれやっと2人目を攻略し終わりました。あと4人……倍残ってますね。今月中にクリアできるかどうか。ゲーム部分の戦闘シーンは乱戦になってくると豪快な技が決まりやすくて爽快ですが、育てたデータを引き継ぐためにいちいち最初からやり直さないといけないところはかったるい。わざと負けないと見れないイベントもありますし。

 次はベリオ。個人的にはリコ・リスと合わせていまいち魅力を感じないキャラ。しかしこのふたりを先に攻略しないと他のふたりのシナリオがやれないみたいなので。食わず嫌いをやめてプレーしてみるとします。


2004-10-25.

・書くの忘れてましたが『DUEL SAVIOR』はリリィまでクリア。あと未亜ひとり。

 リリィは紛うことなき良ツンデレっ子でした。一番の長ゼリフが滑舌悪くて残念でしたけど、押さえておくべきポイントはしっかり押さえられている。「このカスが」と蔑んでいた当初に対し、「無茶しないでよ……」と甲斐甲斐しく献身する終盤。烈海王でなくとも「裏返った!」と快哉を叫びたくなります。だって、最終決戦の場面で惚気るんだもの。照れながら。ツンデレ+バカップル=ラブコメ将軍秋の陣。

 ツンデレってのは「最初は冷たく接していた子が依存してくる」という展開に一種の下克上的な快感を覚える側面がありますけど、そればかりではなく、最終的にくっついてラブラブになったら「いろいろあったけどさ、今振り返ればみんなイイ思い出だよな」系の感慨が湧いてくるところにも魅力を感じる。ド凄くチープな言い方をすれば「ふたりの歴史」という奴ですか。歴史を紐解けば「あの拒むような素振りさえ運命の予感を漂わせていた」みたいな。波乱はあったしお互いを認め合えるまでは長い道のりだったし、なんでこうなっちゃったのか分からないし成り行きでは縁が途絶えていた可能性だって高いけど、歴史にIFはないんだ……みたいな。いや、めっちゃIFはありますけどね、別ルートとか。多人数を攻略できるギャルゲーやエロゲーは「絶対的な運命」を信じることが難しいものの、ツンデレは話の流れから言って「途中でダメになってもおかしくない」という雰囲気があるだけに、添い遂げるエンドへ辿り着くとなんだか「絶対的な運命」が輝かしい幻影となって通り過ぎていくのを感じてしまいます。


2004-10-31.

『DUEL SAVIOR』、未亜シナリオをクリア。コンプリート。

 お、イイ顔するぜ、こいつ。

 そんな感想の残る妹シナリオでした。

 シナリオは全体をまとめてみると、「まあまあ」くらいの満足度。破滅の危機に苛まれている世界へ召喚された主人公たちが仲間とともに救世主となるべく戦う……というベタなストーリーを下敷きにして展開するストーリーは部分部分で面白い箇所があって楽しめたものの、構成はスマートとは言い辛く、設定が泥縄式でどんどん継ぎ足されているように見えることと、サプライズとかの仕掛けがあんまりなかった(話の構造が分かり易すぎる)こともあって、大雑把な割に起伏を欠いて地味でした。異なるシナリオ間で設定などに齟齬を来たしているところもあり、どうにも大味な印象が拭えない。ギャグとシリアスの境界が薄く、半ば渾然一体になっているあたりは個人的に好みだけど。

 キャラクターの魅力やアクションパートの面白さは手堅く、こっちに関しては特に文句なし。だがキャラやアクションが良かった分、シナリオの流れが似通っているルートが多く、先の展開が読めてしまう(読まざるをえない)のは残念。こういうストーリーに一つの大きな流れがあるゲームは個別攻略に向かないですし、仕方ないと思う面もありますが。デモベやFateもルート数自体は少なかった。

 何周もしていると同内容のアクションパートを繰り返しプレーするのが面倒になってくる点、コンプリートしてもオマケ要素(アクションだけ出来るモードが現れるとか、隠しユニットの使用が可能になるとか)が追加されない点はかなり不満だったものの、そこを除けばだいたい納得のいく仕上がりでした。キャラはカエデとナナシとミュリエルの3人が並べた順にお気に。


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