2021年11月〜12月


2021-12-27.

・「ツインターボが実装されたら本気出す」と言っていた『ウマ娘 プリティーダービー』、まったく実装される気配がないため月単位で放置してしまっている焼津です、こんばんは。

 確か勝負服のモデルが出てきたのが7月頃じゃなかったですっけ。「レアリティは不明だけどもうすぐ来るはず!」と言われていたのに全然来なくて……遂に「新ウマ娘が発表されるたびトレンドに上がるタマモクロス」よりも後になってしまった。どうなってんだよサイゲームス! 詰め寄って文句を言い募りたいところだが無料10連でタマモクロスとトーセンジョーダンが引けたからとりあえず許すぞサイゲームス。それはそれとしてプリコネに聖学祭ユニちゃんを未だ実装していない件については許さんぞサイゲームス。ツイート確認したら8月に告知が出てるっつーのに年内間に合わなかったの、ひょっとして王雀孫の遅筆が関係している……? それだと逆に「うちの雀孫がすまない、サイゲームス……」と謝りたくなるな。いや別にうちの雀孫ではないんだが。

【期間限定】「非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ」開催!

 二次創作を待つまでもなくポンコツ面白ドジっ子軍師キャラとしての地位を確立してしまった太公望くんが見物。シャドウボーダー内にいきなりコヤンスカヤが現れたときに見せた「は、はわわ、ご主人様、敵が来ちゃいました!」レベルのリアクションは笑いをこらえるので必死だった。「糸目だ」「絶対裏切る」「雑魚呼ばわりされたらキレそう」「CV石田彰」と言われていたのがまるで太古の昔のようだなァ。章題がいちいちティプトリー・ジュニアの作品名をもじっているあたりもライターの趣味をまったく隠す気がなくて笑ってしまう。あと来そうなのは『愛はさだめ、さだめは死』とか『輝くもの天より墜ち』らへん? レイド1戦目のイヴァン雷帝はのんびりしていたらあっという間に在庫がなくなってあまり周回できなかったけど、2戦目のスルトくんはダビデの特攻が刺さることもあってそこそこ狩れた。『劇場版 呪術廻戦0』を観に行くため途中で抜けたから最期は見届けていないけど、そのスルトくんも3時間もたなかったみたいですね……異聞眷属や戦闘獣は編成をいちいち切り替えるのが面倒臭くなってしまい、さして周回せず。最後のビースト戦は伊吹童子大活躍で楽しく回れてハッピー。今回はレイドよりもトドメ戦が結構難しくて往生しました。ビースト戦は実写露伴の前に終わらせたかったこともあり、ギミックをよく確認せず強引に石割って突破。まだシナリオの更新が残っているけど、意識はもう来年に向かっています。新年鯖はいったい誰が来るんだろうな。

『魔法使いの夜』劇場アニメーション化決定

 今朝ツイッターのトレンドに「劇場アニメーション化決定」と表示されていて関連語に「ufotable」「魔法使い」とあったから「『魔法使いの嫁』が映画化すんのかな……いや、でもまほよめのアニメ制作はufoじゃなかったような?」と首を傾げながらクリックしたらこのニュースだったんでブッ魂消た。「まほよめ」じゃなくて「まほよ」が劇場アニメ化!? 幻覚じゃなくて!? 年の瀬になんてサプライズを仕込みやがる。

 「まほよ」こと『魔法使いの夜』は『月姫』や『空の境界』以前に奈須きのこの書いた小説作品が大元となっている。『月姫』にちょっとだけ登場した「先生」(蒼崎青子)をメインに据えた伝奇ストーリーで、極少部数だけ製本されたものの陽の目を見ることはなく、かつて「幻の作品」扱いされた一冊だった。TYPE-MOONの会議室にも置かれており、関係者のみ読むことができるって逸話もありました。それを徹底的にリライトしてゲーム化したものがPC版『魔法使いの夜』、2012年4月に発売されています。制作発表は2008年の4月だったから、4年も待たされたんだよな……発表当時の日記を読み返すと「年内発売は諦めておこう」なんて書いてるわ。『魔法使いの夜』は3部作の第1部に当たるのだが、非18禁ということもあってかTYPE-MOONが期待したほどは売上が伸びず、第2部と第3部の制作は後回しにされていつ発売されるのかまったく目処が立たない状態になってしまった。これは月姫リメイクやFGOが終わらないかぎり新展開はないだろうな……とファンも諦めモードに入った次第。来年で発売10周年を迎えるタイミングで不意打ちの「劇場アニメ化!」という報が飛び込み、歓喜の絶叫を挙げてしまったのもむべなるかな。

 メインは青子ですが、久遠寺有珠――「最後の魔女」と呼ばれる少女をはじめとして多数のキャラクターが登場しており、キービジュアルで受ける印象よりもずっと賑やかな作品です。PC版のみでコンシューマに移植されておらず、コミカライズ等の展開もなかったためPCゲームをやらない層に届きにくいっつー大きな難点を抱えていましたが、劇場アニメ化ともなれば恐らくコミカライズ企画も動き出すでしょうし今後は解消されていくことでしょう。コンシューマ移植もたぶんあるというか、むしろまほよの第2部と第3部をコンシューマで出すための布石なのかもしれません。月リメだって最初はPCで出すはずだったのに「多くの新規ユーザーを見込めない」という理由で立ち消えになっちゃったもんな……出してくれるんならPCだろうがコンシューマだろうがスマホだろうが付いていく気満々なので、是非ともやってくれ。しかしFGOに月リメにメルブラにまほよにと、きのこ、仕事しすぎじゃない? 大丈夫? そしてこのニュース、年末のFate特番のトリで流してもおかしくないヤツなのに今発表しちゃうってことは、特番にもっとスゴい情報が待ち構えているってことなんだろうか。まほよ劇場アニメ化を上回るインパクトの情報……「SE.RA.PH含むEpic of RemnantすべてをTVアニメ化」とか? 『月姫』はアニメ化よりまずは月の裏側を優先でお願いしたい。『DDD』は……さすがにこれ以上作業量が増えたらきのこが過労死するのでもう少し気長に待つとしよう。

・壁首領大公の『理想の聖女? 残念、偽聖女でした!』読んだ。

 作者名は「かべどんだいこう」と読む。カクヨム連載作品の書籍化であり、もともとは『偽聖女クソオブザイヤー』ってタイトルだった。「クソオブザイヤーと呼ばれた悪役に転生したんだが」という副題にその名残があります。ギャルゲーをやり込んでいたwebライター「不動新人(ふどう・にいと)」は気が付けばギャルゲーの世界に転生していた……よりによって「クソオブザイヤー」の名をほしいままとする非攻略対象の悪役女「エルリーゼ」に! という感じの話。「聖女」だの「偽聖女」だのと書いていますが、要するに「悪役令嬢モノ」の変型ですね。本書の舞台となる異世界では「魔女」が人類の生存を脅かしており、それに唯一対抗できるのは「聖女」と呼ばれる特別な存在だけ、って設定になっている。エルリーゼがクソ扱いされているのは「聖女だから」という理由で散々横暴なことをしてきたのに実は偽物だった、と途中で判明するからです。彼女の肉体に転生してしまった不動新人を待ち受けているのは断罪&追放の破滅的な未来であり、それを避けるために行動する……のかと思いきや「ま、それは別にいっか」とあっさり割り切ってしまう。「この世界には『死後』の概念があるから」と現世に対する執着を見せません。ここまで己の命を顧みない悪役転生主人公はさすがに珍しい。

 TS要素があったりなど、大枠としては『サベージファングお嬢様』の系統なんだが、どちらかと言えばシリアスなノリだったあっちに対しこっちはコメディ寄り。とにかくノリが軽い。チート能力を思う存分振るって「ヒャッハー、魔物狩りたーのしー!」とストレス解消するシーンがあり「あっ、これあんまり頭使わなくていいヤツだ」と直感させてくれる。ネットスラングやJOJOを中心とするパロネタを乱発するあたりは好みの分かれるところだろうが、『無職転生』が大丈夫な人だったら充分イケるでしょう。主人公の思考回路は完全にクソヲタのそれであり、自分自身が送っている「第二の生」をネタか何かのように突き放して見下ろしている。カラー口絵で周囲に笑顔を振り撒きながら「そんなに見たくば好きなだけ見るがいい。俺様の美貌に酔いな」と内心の声を漏らしている場面が象徴している通り、ホントこの主人公はツラの皮が厚くてイイ性格してるんですよ。「本当は偽聖女」と知りつつ勢い任せで聖女ムーヴして楽しんでいる。「偽物の聖女の偽物」が「本物の聖女」以上に本物っぽくなっている諧謔こそが本書最大の読み所だ。

 150ページを過ぎたあたりから「世界の秘密」みたいな部分が開示されていき、込み入った設定が明らかになるにつれコメディ色もだんだん抑えられていきます。伏せられていたカードがオープンされたことで「えっ……何も考えていないような主人公だったけど実はそれなりに考えて行動していたの!?」とビックリするハメに。チート級の強さがあっても容易には解決できないシチュエーションであり、書き方によっては相当暗い物語になっていただろう。コメディの衣で包んで正解だったわ。簡単に書いてしまうと主人公は過去に遂げた行動のせいで著しく寿命が縮んでおり、「魔女」から持久戦を仕掛けられると詰んでしまう。時間との戦い――つまりRTAめいた状況でプランを練って実行に移すことを余儀なくされている。彼が目指すのは、元のギャルゲーだとどうやっても悲惨な最期を迎えてしまうヒロイン「エテルナ」のハッピーエンド。エテルナは「本物の聖女」であり、いつかは聖女の称号を譲らなくてはいけないのだが、あまり早くカミングアウトしてしまうといろいろ支障を来すため告白するタイミングが難しい。軽妙な文体でシリアスになりすぎないよう雰囲気を調整し、かつロジック自体はキチンと組んで話を進めていく。なんとなく試し読みして「たまにはこういう軽めなのもいいかな」と半ば衝動的に購入した一冊だったが、期待以上のアタリでした。強いて言うなら主人公と一部の変態のキャラが濃すぎてエテルナやベルネル(ゲームの主人公)といったメインキャラの影が相対的に薄く感じられるところが残念か。

 来年2月に2巻が刊行予定で、web連載が既に終了していることを考えると3巻くらいで完結? 「偽聖女、日本へ行く」という完結後の番外編もあるみたいで、これも書籍収録をお願いしたい。

・拍手レス。

 月姫・メルブラにTYPEMOON熱を煽られ FGOに手を出して2カ月 漸く「ツングースカ・サンクチュアリ」に まで来ました 面白かったけどつらかった 戦闘よりも先を読ませろ欲が強かった さっと前の場面を見れないのがソシャゲの不満ですね
 2ヶ月でツングースカ・サンクチュアリまで追いつくとはスゴいガッツですね。FGOは「バトルもシナリオの一部」と考えている節がありますけど、私もたまに「戦闘パートは気が向いたらプレーするからとりあえずシナリオの続き読ませてくれ」と感じることはあります。逆に「こいつは早くブチのめしたいからさっさとバトル開始してくれ」ってこともある。


2021-12-19.

・ノゲラを最新刊まで読み切ったので超久々に「『ノーゲーム・ノーライフ』の十六種族(イクシード)超おおざっぱに解説」記事を更新した焼津です、こんばんは。7年半ぶりか……よくもそんなに放置していたな、私。

 なにげに「十六種族」で検索すると上位にヒットする(今やってみたら一番上でビビった)記事だから機会があれば更新したいとずっと思っていたんです。新刊に合わせてまとめ読みしたい気持ちが盛り上がったため、ようやくその機会が得られました。12巻がいつになるかわからないが、そのときはまた更新……できるといいなぁ。

【予告】期間限定イベント「非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ」開催決定!

 クリスマススイベントはいろいろ忙しかったせいもあって25箱空けるのがやっとでした。コヤンレイドはもうちょっと頑張りたいところ。新規サーヴァントは「ドブルイニャ・ニキチッチ」と「太公望」、コヤン(妲己)と太公望って実質『封神演義』コラボでは? ちょうどジャンフェスの日に「封神演義」がトレンドに上がってきたものだから「またアニメ化するのか!?」と勘違いした人まで出てきて物凄い混沌感でした。しかしドブルイニャ・ニキチッチってまったく見覚えのない名前ゆえソッコー検索してみたけど、どうもスラヴの伝承に出てくる竜殺しの英雄みたいです。三つ首の竜「ズメイ・ゴルィニシチェ」(アジ・ダハーカの流れを汲んでるっぽい)を討伐したとか何とか。元ネタでは男だが、女体化している? イラストを描いているのは目の感じからすると小梅けいとかな。太公望は「崑崙山の道士」で宝具が「打神鞭」だから史実の姜子牙さんではなく明らかに『封神演義』の方だ。見た目で「ゼロス」「CV石田彰」と呼んでいる人が多いのに笑ったが、笑うと歳がバレるなコレ。キャスターじゃなくライダーなのは四不象に乗っているからだろうか。PU対象が☆4も☆5も同じクラスなの、今やってるメリュジーヌとパーシヴァルみたいに「そっちかー」とガクッてなる人が続出しそう。「期間限定」ではなく「新登場」と謳っているところからして恒常みたいです。年内はもうこれ以上新規のサーヴァントは来ないと思いますが、年明け早々に来る恒例「お正月の隠し球」も控えているんでまだまだ気は抜けない。安倍晴明説が囁かれているが果たして……。

・正田崇がツイッターで「アヴェスターの四巻はたぶん600ページ超えます。あと、用語集をまとめたものにプラスアルファした本も出す予定です。」とコメント。

 分厚い最終巻ってワクワクしますよね……京極本並の『終わりのクロニクル』最終巻(1096ページ)は「やりすぎだろ!」と叫びたくなったりしました(実はあれでも内容が削られていてカットされた部分がドラマCDの特典になっていたりする)が、600ページぐらいならギリギリ指と腕が保つ厚さです。この情報に関連して過去の正田作品のシナリオ量についても言及しているから引用しておこう。

「アヴェスターは四巻で約1.7メガ。
 パラロスが全ルートあわせて1.8メガ。
 ディエスが4.5メガ。神咒が2.2メガ。
 戦神館が2.5メガ。万仙陣が1.8メガ。イカベイが500kb

 くらいだったと思います。」

 つまりアヴェスター(全4巻)がバラロス全ルート分に相当するわけで、もしノベルゲー化したらプレー時間は軽く20時間を超えるでしょう。普通の文庫本がだいたい300kb程度なので、文庫換算すると約6冊分のボリューム。DiesがFate/SN(4.29MB)よりも長いのは前から言われていた(制作に費やした年数を考慮すればさもあろう)が、戦神館と万仙陣を合わせたよりも多いのは少し意外かも。そしてアヴェスターの4巻はイカベイよりも長い、という点でだいたいの規模感が掴めそうです。3巻まで既に購入済みで、そろそろ崩そうかと勘案していたタイミングだけに4巻(+用語集)の予定が告知されたのは実に喜ばしいことだ。アヴェスター後はいよいよ第零神座『事象地平戦線アーディティヤ』か……楽しみは尽きないぜ。

 “神座万象”の話題は久々なので振り返りがてら整理しよう。パンテオンのティザーサイトがまだ生きているから補助線として「世界観」のページを張っておく。まず「全ての始まり」である第零神座「事象地平戦線アーディティヤ」は今冬連載予定。単行本が出るのは早くて来年の夏頃かな? 第一神座「善悪二元真我(アフラマズダ)」は小説作品『黒白のアヴェスター』として全4巻で完結。PCゲーム化も決まっているが、アーディティヤと並行して作業することになるだろうし時間掛かるかも。第二神座「堕天無慙楽土(パラダイスロスト)」は言うまでもなくパラロスの世界だが作中で語られているのは結末部分だけであり、サタナイル周りなどパンテオンで掘り下げられる予定だった箇所はたくさん残っている。第三神座「明星悲想天(ツォアル)」はパラロスのEDからDiesの始まりに至るまでの「繋ぎ」に当たるエピソードで、断片的なことしか触れられておらず「未発表」の扱い。第四神座「永劫水銀回帰(オメガ・エイヴィヒカイト)」はDiesの世界。ほとんどすべて語られているに等しく、パンテオンのシナリオも番外編的な内容っぽかったからこれ以上の追加はなさそう? 第五神座「黄昏輪廻転生(アニマ・エンテレケイア)」はDiesから神咒までの「繋ぎ」エピソード、これも多少は語られている部分があるけど「未発表」扱いです。どうやって「黄昏」の世界が崩壊していったか、具体的に知りたい気持ちと知りたくない気持ちが鬩ぎ合う。概要は神咒で語られており、胸糞悪い話になることは確定だもんな。第六神座「波旬大欲界天狗道(マハーマーラ)」は神咒。埋めるような隙間はほぼないがDiesに比べたらまだエピソードを補完する余地はあるかも、といったところ。第七神座「曙光八百万(アマテラス)」はパンテオン本編なわけだが、現在凍結中で再開の目処は立っていない。詳細不明な第八神座と第九神座は「パンテオン最終章と結末」らしく、つまりパンテオンのヒロインが第八になってしまって、主人公が第九――「最後の神格」となりヒロインを救いつつ神座世界そのものを終結させる(詳細不明だけど第八が「少女」で第九がそれを救う「少年」という状況だけはだいぶ前から明かされている)みたいな流れなんだろうか?

 まとめると第二神座の前半部分、第三神座、第五神座、第七神座、そして締めくくりに当たる第八神座と第九神座がアーディティヤの終わった後に来そうなエピソードって雰囲気。「第二神座の前半部分」はサタナイルの掘り下げ含めて読み所はたっぷりありそうだが、第三神座(ツォアル)は設定的に動きが少ないディストピア時代なんで独立したエピソードにするのは難しそう。第五神座(黄昏)は先述した通り胸糞の悪い話になりそうだから一個のエンターテインメント作品として成立させるには工夫が要るかも。第七神座は「神座世界に潜む『観測者』の謎を解き明かすため、歴代神座の記録(ログ)を洗い出し超高性能なシミュレーション装置で不可解なポイントを検証する」=「各神座が辿った『終焉の過程』を追体験していく」というソシャゲ向けのストーリーにしたことから小説作品などへプロットを転用するのは困難と見られます。第八神座と第九神座は第七神座を前提にしているから「第七〜第九」ひっくるめて一つの作品って感じなんだろうし、規模と内容の複雑さを考慮するとやっぱりそのへんはゲームとして出してほしいところ。

・神通力の『萌え豚転生』読んだ。

 副題は「悪徳商人だけど勇者を差し置いて異世界無双してみた」。流行しているどころかもはや一つのジャンルとして定着しつつある「異世界転生モノ」、その中でも「本来脇役や敵役のポジションに収まるべき微妙なキャラ」に転生してしまった――という設定のストーリー形式が最近頓に人気を増しつつあります。俗に「モブ転生」とか「悪役転生」とか呼ばれるヤツ。最大手は「悪役令嬢モノ」ですが、「男の悪役や端役」もポツポツとある。書籍版の刊行は終わったけど『豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい』とか。ここのところ勢いを増していて「アニメ化あるかも」な雰囲気を放っているのが『マジカル★エクスプローラー』(エロゲの友人キャラに転生)と『俺だけレベルが上がる世界で悪徳領主になっていた』(ファンタジー系SLGの序盤で死ぬクズ貴族に転生)。他にもいろいろとあり、盛り上がりよりも先に陳腐化が発生しないか心配になるレベルである。

 ぶっちゃけ本書『萌え豚転生』の書名を新刊チェックの際に見かけたときは「またか……」と内心溜息をついた。少し前にも『エロゲ転生』という作品が出版されており、これはこれで面白くて結構好きなんだが同傾向のネタが立て続けに来ると胃もたれすると申しますか、タイトルを目にしただけでつい食傷してしまったのである。なので当初はスルーするつもりでいました。けど「食わず嫌いは良くないな、せめて冒頭だけでも」とWeb上で試し読みした結果、あっさり続きが読みたくなって買ってしまった。ハッキリ言いましょう、タイトルと中身が合ってない! この題名だとまるで「生前薄暗い部屋でモニタの光を浴びながら『ぶひひひひ』と気持ち悪い笑い声を漏らして美少女ゲームに熱中していたデブヲタが異世界に転生して好き放題する、当然ハーレムも作る」ようなタイプのライトノベルだという印象を受けるが、帯にも書かれている通り主人公は女嫌いであり、前世で友人にギャルゲーを薦められて「やだよ」と拒否するような「萌え豚」のイメージとは程遠い造型になっている。その「薦められたギャルゲー」の世界に事故で転生してしまうわけだが、結局プレーしていないから予備知識もゼロ。一応なろう系の転生モノに対する知識はあり、「あーこれが流行りの異世界転生ってヤツかよ、マジか〜」とか「明らかに周りから浮いてるあいつ、メインキャラっぽいな」とかいったリアクションをするが、初見プレー同然の境遇ゆえ「ゲーム知識を駆使して無双」みたいな展開はありません。ゲーム知識はないけど女嫌いだからヒロインたちに干渉せず距離を置き、破滅フラグからの護身を完成させようとする――ラノベや漫画で当然のモノとされている「恋愛至上主義」に背を向けることで我が道を進もうとする、驚くぐらいに読者サービスの少ない一作なのだ。

 とにかく女性キャラのイラスト自体が少ない。表紙に映っている4人はすべて男(主人公+護衛3人)。カラー口絵にはメイドの「ローリエ」が辛うじて入っている。10点ぐらいある本編モノクロイラストのうち女性キャラが描かれているのは3点だけ。しかもそのうち2つはローリエで、残りの1個は出番があまりない女冒険者の「ハイビスカス」。「マリー」(種違いの妹)や「サニー」(婚約者)、「ローザ」(大元となっているゲームの主人公の妹)に至っては本文テキストの描写のみでイラストによるビジュアルが存在しないという徹底ぶりです。婚約者もいるのにラブコメ展開は無に等しい。主人公を溺愛する悪徳商人の父親とイチャイチャするシーンの方が多い。あまりにも恋愛要素が少ないので「ローリエがメインヒロインではないか?」とすら思えてくる。念のため書いておきますが、ローリエの登場頻度は「はめフラ」におけるアン程度です。

 あとがきによると「世に溢れる恋愛至上主義に対する反骨心のようなもの」がきっかけで書き始めたとあり、ラブコメ荒野と化しているのは意図的な仕様とのこと。「転生モノは好きだけど元アラサーとか元アラフォーの主人公が精神年齢離れまくった10代の少年少女と恋愛にかまける話は無理」って人にはちょうどいいかもしれない。ただ主人公は「悪徳商人」ではなく「悪徳商人の息子」であり、1巻が終わった時点で11歳にしかなっていないから副題で言うほど「勇者を差し置いて異世界無双」はしていません。大きなトラブルが一つ片付いて「前より自由に行動できるようになったぜ」ってところで話が終わっており、本格的な無双が始まるのは2巻以降になりそうな雰囲気。このタイトルで売れるのかどうか疑問が湧くところだが、コミカライズも決まっているらしいし2巻も出るでしょ、たぶん。しかしタイトルに「萌え豚」が入っているライトノベルなんて『もえぶたに告ぐ』以来じゃないかな……。

・拍手レス。

 正田卿がアヴェスターの分量について呟いてらっしゃいましたが、元の想定からだいぶ膨らんだなあというのと、パラロス並の分量をゲーム化してくるのかというワクワク感が同居しています。
 そういえば開始時点では「1.5MB強」と言っていたからちょっと増えてますね。ゲーム化の際に追加要素があるかもしれないし、最終的にはパラロスを超えるかも……ワクワクします。


2021-12-11.

『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』のアニメ化企画が進行中(ラノベニュースオンライン)

 武極め、アニメ化するとは思っていたけど実際に報せを聞くと驚いてしまうな。ハヤケンも遂にアニメ化作家の仲間入りか……『紅鋼の精霊操者』でデビューしてから9年、それほど熱心に追っていたわけじゃないし後方古参面をするつもりはないが、デビュー当時から知っている人の新作が「アニメ化する!」というのはやっぱりなんかちょっと嬉しいです。『英雄王、武を極めるため転生す』は前世で王としての責務に忙殺され「己の武を極める」という初心を貫徹できなかったことだけが心残りだった主人公が、転生して「今度は余計なしがらみに囚われず、一介の武辺者として武の高みを目指そう!」と決意する異世界ファンタジーです。これだけなら「よくある転生モノ」なんですが、副題にある通り「英雄王」が「見習い騎士♀」に、つまりジジイから美少女に生まれ変わってしまった! っていう非常にアニメ映えする設定になっています。主人公、メンタルはジジイのままなんだけど「せっかく美少女になったんだからドレス着たりするのも楽しんじゃおう♪」と開き直るくらいポジティブ。底抜けの図太さに「さすが英雄王」と感心しちゃう。「武を極める」が今世の目標ゆえ、とにかくイングリス(主人公の名前、転生前も転生後も一緒)は強敵との戦いに飢えており、その在り様を一言で表現するなら「バトルジャンキー」だ。メンタルがジジイのバトルジャンキー銀髪赤眼巨乳美少女イングリスちゃん、「つよい」と断言するより他ない。

 以前作られたPVだとイングリス役は「鬼頭明里」だったが、続投なのか別キャストになるのか現段階だと不明。それはそれとして転生前のジジイ版は誰か別の男性声優がやるのかな。天上人(ハイランダー)という転生前には存在しなかった謎の者たちによって人類が支配されつつあるなど、舞台となる世界の設定が結構込み入っているので余裕のある方は先に原作を読んで予習しておいた方がよろしいかもしれません。「設定とかどうでもいいんだよ、俺は中身ジジイの銀髪少女を愛でたい! そんだけ!」って人は手ぶらで放送開始までお待ちください。

虚淵玄×小畑健×荒木哲郎によるアニメ映画『バブル』が2022年5月13日に全国公開。主演は実力派の若手俳優・志尊淳(ファミ通.com)

 予想外な角度から虚淵新作アニメの情報が降ってきた。オリジナル企画の劇場作品であり、虚淵本人のツイートによると「人魚姫モチーフのSF企画に、僕なりのアイディアを加えさせてもらったのが始まり」とのこと。人魚姫モチーフで「バブル」か……ある意味、バッドエンド後の話? 「毎度おなじみ虚淵玄」みたいな荒廃や残酷さとは無縁の、優しくて爽やかな物語に仕上がりましたってコメントを見ると脊髄反射的に「ホンマか〜?」とやっすいリアクションしてしまう(『沙耶の唄』を「医科大学に籍を置く男女4人の恋物語」と称していた件は未だに忘れられないぞ)が、さすがにこれでドンデン返しかまして「毎度おなじみ虚淵玄」と化したら一部の信者以外からは顰蹙を買うだろうし、本当に「優しくて爽やかな物語」を目指しているはずだ。でも『To Heart』書こうとして『吸血殲鬼ヴェドゴニア』になった一件もあるからな……エンディングを確認するまで「ホンマか〜?」の念は消えないと思う。

 さておき、話の舞台は降りしきる「泡」によって重力が歪み、さかさまになって水没していくパラレルな東京。泡すら利用して跳ね回るパルクールのレースに熱中していた主人公はうっかり死にかけるが、謎の少女によって救われ……という、要はボーイ・ミーツ・ガールです。「ふたりの出会いは世界を変える真実へとつながっていく」とは、また昔懐かしいセカイ系のスメルを露骨に前面へ押し出してきたな。水没しつつある日本という設定はもちろん『日本沈没』を連想させるが、「海面上昇」云々は2000年代のエロゲーでもちょくちょく見かけた設定なので少しノスタルジーを覚えます。具体的な作品名を挙げると『青と蒼のしずく』とか、『しすたぁエンジェル』とか。そしてエロゲーでパルクールといったら『るいは智を呼ぶ』は外せない。もはや現役エロゲーマーとは言い難い身だからこそ、いつまでも昔の作品がありありと脳裏に甦ってくる。ほぼ引退しているような状態でもエロゲーマーの血というものは消えぬのだな……ああ、久々に時間を忘れてエロゲーのプレーに耽りてぇ。とりあえず『我が姫君に栄冠を』再開すっか。

・雨宮和希の『灰原くんの強くて青春ニューゲーム1』読んだ。

 内定も決まった卒業間近の大学生である主人公「灰原夏希」が「あ〜、灰色だった青春時代をやり直してぇ〜」と願ったら中学卒業時点までタイムリープしちゃった、というやり直し系青春ラブコメです。『ぼくたちのリメイク』とか『どうか俺を放っておいてくれ』とか、同趣向の作品は既にいくつかあるので物珍しさこそないものの、「高校デビューをやり直す」シンプルながらも芯のハッキリしたストーリーゆえ序盤からあっさりと興味を惹かれ、気づけば最後まで読み切ってしまった。

 「青春ラブコメ」と書いたがまだ1巻なので「ラブ」の要素は薄く、友達作りを軸にした「青春」部分がメインになります。中学生の頃に友達がいなかったせいで周りとの距離感がうまく把握できず、「一周目」で散々調子に乗った結果嫌われ者になってしまった主人公は反省を活かし、徹底的に肉体を鍛えたうえで謙虚と自信のバランスを取りながら「リア充グループ」への仲間入りを果たす。若干綱渡りな部分こそ残っているけれど擬態は完璧であり、周囲も灰原くんを「イケメン」のカテゴリに入れてくれる。でも根本的に自信がない灰原くんは無理して見栄を張り続け、「カッコイイ姿」を演出することに余念がない。「友達のいなかった少年が『これぐらいの距離感でいいのかな?』と内心ビクビクしながら程良い関係の構築に腐心する」部分こそが本書の読み所であり、乱暴な書き方をしてしまえば『弱キャラ友崎くん』を簡略化したようなライトノベルである。人間関係はうまく築けなかったけど勉強や部活は一人で黙々と頑張っていたこともあり、スペック的には割と高い方なんですよね、灰原くん。友崎くんは自己改造する過程を複数の巻に跨って細かく描いているが、灰原くんは「元が良かったので後は心を入れ替えるだけ」とばかりに自己改造の段階を大きく省略している。そのため「いくら『つよくてニューゲーム』とはいえ強すぎない?」と不満に感じる読者もいるかもしれない。だが主人公を強キャラにしないと、ヒロインとの恋愛が発展するまであまりにも時間が掛かり過ぎてしまう。「強くなる過程は別にいいから初々しいカップルのイチャイチャが見たい、でも段取りはちゃんと踏んでほしい」って人にオススメかな。

 出だしで「タイムリープ」という飛び道具を使って読者の関心を稼いだ後はただひたすら地道に青春要素を掘り下げていく、軽そうなタイトルの割に堅実なスタイルを貫いている一冊です。『現実でラブコメできないとだれが決めた?』みたいな特徴的でちょっとアクのある系統を求める人には向かないだろう。アツアツのポテトに凝ったソースは要らない、揚げたてのヤツに塩だけ振ってそのまま貪りたい……そんな気分のときに読めばちょうどいいんじゃないでしょうか。さあ揚げたてアツアツの青春を召し上がれ。2巻の発売は既に決定している(来春)から「一冊打ち切り」という悪夢を心配しなくても大丈夫だ。


2021-11-28.

・とらのあな通販から「『黒白のアヴェスター 3』の予約を開始した」というお知らせメールが来たけど、なぜか商品ページにアクセスできず、しばらく経ったら一覧からサムネイルも消えていた不可思議現象に「冬の怪談か?」と戦慄した焼津です、こんばんは。

 公式のツイートからすると手違いによるお漏らしだったみたいですね。何であれ近々発売されることに変わりはないみたいなので備えておこう。

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』2022年4月TVアニメ化決定 アニメーション制作はENGIが担当(ラノベニュースオンライン)

 乙モブが遂にアニメ化か。簡単に言うと「乙女ゲー転生」のネタを男性向けに処理したファンタジーです。キービジュアルを見て即座に察する人はいないだろうが実はロボット同士のバトルが主軸の物語で、「ロボ色が強すぎると敬遠されるだろうから表面上は悪役令嬢モノを装うぜ!」ってノリで突き進んでいく。主人公機のネーミングが「アロガンツ」(ドイツ語で傲慢の意味)など、砕けたタイトルの割に中二心をくすぐる要素でいっぱいだ。どの巻も基本的に「クズな主人公がクズな敵を煽り倒した挙句にぶっ飛ばす」話なので主人公さえ気に入ればスカッと爽快な読み口を味わえるが、あの性格についていけない人にとっては胃もたれのする内容だろう。気になる方はまとめ買いしないでまず1巻だけ読んでみることをオススメします。私はバッチリ好みにハマったので貪るように読み尽くしましたとも。現在の最新刊は9巻、また新しい展開に入っておりワクワクしながら読み進めている。この調子で『俺は星間国家の悪徳領主!』もアニメ化してほしいものだ。

『うたわれるもの ロストフラグ』、遂に「ハクオロ」参戦!

 えっ!? ゲーム起動したらログボ画面にいきなりハクオロが出てきてメチャクチャ魂消た挙句慌ててTLを確認したのに、なんでみんな当然のことみたいに平気な顔で受け止めてるの!? と二重の混乱に陥ってしまったが、こないだ視聴したうたわれるもの20周年特別生放送のアーカイブを確認して事情がわかった。私は「箱根のみなさーん! うたわれるものですよー!」の叫びが番組の締め括りだと勘違いしてそこでウィンドウを閉じてしまったけど、あの後にまだハクオロ実装の告知があったんだ……結果的に他のプレーヤーたちよりも大きなサプライズを味わうことができたのでヨシとする。

 ハクオロは言わずと知れた初代『うたわれるもの』(CS版だと「散りゆく者への子守唄」という副題が付く)の主人公。1周年で『偽りの仮面』の主人公「ハク」が実装されたくらいだから、当然2周年ではハクオロが来るだろうと期待していました。けどこんなに(イベント開始から3週間以上も)引っ張るとは予想していなかったからとてもヤキモキした次第。ハクオロ実装に備えて貯めた石の数は優に200連分以上だ。ロスフラは100連で☆3キャラ確定の枠があるし、決して分の悪い勝負ではない。ならば躊躇う必要などなし。法螺貝を吹け、陣太鼓を鳴らせ! 出陣るぞ! と物凄く意気込んで挑んだものの、肩慣らしのつもりで回したログボの廻逅祭結糸(ガチャチケット)10連分であっさりハクオロが出てチャレンジ即終了となりました。う、嬉しいんだけど、私はなんのためにこれだけの石をコツコツと……って茫然としちゃった。

 行き場を失った石は去年引けなかったハクのピックアップの方に回そう、と軌道変更。こっちはキッチリ100連掛かって何とか勝利を掴み取りました。副産物として限定鏡の「わが道しるべとなりて」が6枚も出ており、去年1枚入手しているから合計で7枚。限凸用の金鏡はいっぱいあったんでどんどん凸って装備させてみたけど、一瞬でゲージが満タン通り越してしまうのはさすがに別ゲー感があるな。詰まっていた高難易度(リンネ戦)もサクッと突破できた。

 2周年イベント「想いの爪痕」最終節も解放されたので早速読む。ロスフラ世界(九州説が現在もっとも有力視されている)から初代『うたわれるもの』の世界へ飛ばされた主人公「アクタ」はそこで「トゥスクル」と「シケリペチム」、二つの国の軍事的緊張が高まっていることを知るが……といった感じで時系列的にはクッチャ・ケッチャ戦が終わったあたりのエピソードですね。ニウェとハクオロの戦いに乗じてハクオロを亡き者にしようと画策する謎の女「リンネ」、その狙いとはいったい……いやバレバレだから書いちゃうけど「自分が生まれてこないようにするため」です。「父殺しのパラドックス」を阻止するため、アクタは現地で出会った「ジュウニ」と名乗る女性とともにトゥスクルの陣地に足を踏み入れる。そしてハクオロと謁見するわけですが、いやぁ、久々に「トゥスクルの皇」として振る舞うハクオロさんが見れて感無量でした。初代うたわれだと主人公で、概ね彼の視点によって物語が紡がれるからあまりカリスマ性とか感じなかったけど、こうして「謁見する側」の視点になるとハクオロさんの器の大きさと判断力と得体の知れなさはヤベェな。敵に回したくないオーラがビンビン出ている。ジュウニはポッと出の新キャラということもあって最初は特に何の感慨も抱かなかったが、立ち位置が判明するにつれ徐々にその人間性と陰翳が際立っていき、あっという間に惹かれてしまった。イベントCGが表示されるクライマックスで「今回のイベント、真の主人公はジュウニちゃんやったんや……」と涙するほど。歴史に名を残さない人々、「うたわれることのない者」たちの物語というロスフラならではのシナリオで胸が熱くなる。本来ならひっそりと戦場に散ってオシマイだったはずのジュウニちゃんがロスフラ世界で「夢の続き」を見られるという望みがあるの、本質的な救いではないのだろうが一抹の慰めにはなります。

 来月にはメインストーリーの更新(第6章後半)もあるのですっごく楽しみ。ロスフラは本編シナリオが一番面白いのに、更新遅くてなかなか進まないってのが最大の難点です。


2021-11-25.

・もうすぐ最新刊が出るのでずっと積んでた『ノーゲーム・ノーライフ』の既刊をやっと崩し始めた焼津です、おはようございます。昨日の夜にアップロードするつもりだったのに忘れて早朝UPとなってしまった。

 積んでいたのは7巻以降。6巻から1年以上待たされて少し熱が冷めたことが原因のひとつ。あと神霊種戦の双六が盛り上がってくるまで結構掛かることもあって読み進めようという気力が湧かなくなり、つい6年以上も放置してしまった。積読家の私にとって年単位の放置はよくあることである。最初はタスクをこなすような義務感でページをめくり始めたが、だんだん熱が入ってきて8巻へ突入する頃には「やっぱノゲラおもしれぇー!」とかつてのテンションが復活。まとめ読みできる喜びを噛み締めながらゴリゴリ消化中です。最新の11巻は1年ぶりどころか3年ぶり(3年9ヶ月だから「ほぼ4年ぶり」と書いていいかも)なので、熱が甦る瞬間としてはちょうど良かったかもしれない。12巻は年単位で待たされるようなことにならないといいですね……あ、ノゲラと言えば十六種族(イクシード)のまとめみたいな記事を7年前に書いてたな。アレもそろそろ更新しなきゃ。11巻読んでからになるのでもうちょっと時間掛かるかもですが。

魔都精兵のスレイブ:「ジャンプ+」人気マンガがテレビアニメ化 主人公の声優に広瀬裕也 鬼頭明里がヒロインに(まんたんウェブ)

 タカヒロ原作の漫画じゃん。あれ結構好きなので嬉しいな。基本的に主人公以外は女性しか登場しないタイプの伝奇バトル物で、気の強いヒロインに屈服し従わされるという「まーたいつもの性癖が出ているよ」って感じの奴です。私が好きなキャラは「東八千穂」、傲岸だけど愛敬があって憎めないタイプ。どちらかと言えばサブキャラ(メインキャラの姉というポジション)ですが割と出番があって顔を見るたびテンション上がる。今ゆゆゆもやってるし、本当にタカヒロはアニメ化の常連作家となりつつあるな。『つよきす Cool×Sweet』にファンが嘆いた15年前も今や昔……ひょっとすると今の世代にとって「タカヒロ=エロゲのシナリオライター」という認識はなかったりするのかな、って考えるとほんのり寂しくなる。そういえば『我が姫君に栄冠を』、冒頭だけやって放置していたことを不意に思い出した。アレもそろそろ再開しないとな。

アニメ「うたわれるもの 二人の白皇」来年7月放送決定、7年ぶりに利根健太朗ら出演(コミックナタリー)

 二白のアニメ化が決まっていることは社長がポロッと漏らしていたから周知の事実ではあったけど、具体的な時期を含めて発表されるのは今回が初めて。私は偽りの仮面以降はアニメしか観てない(原作ゲームはずっと積んでる)からストーリー展開は知らないのだが、ロスフラやってるからだいたいどんな感じに落ち着くのかは察している。今やってる2周年イベントの「想いの爪痕」は二白のifでAfterなシナリオだしな。リンネ……いったい何オンなんだ……? またうたわれ20周年(厳密には来年の4月で20周年)を記念して「うたらじ」こと「うたわれるものらじお」が12月3日から再配信される。ゲーム本編をやったことのない人たちまで聴いていたあの伝説のネットラジオ番組ですよ。アクセスが集中しすぎてサーバーを落とした逸話もある。毎週金曜日、2話ずつの配信で3月まで掛けて26回分を流すそうだ。あと『モノクロームメビウス』なる新作情報も出た。これに関しては後日もっと詳しい専用ページが作られるだろう。

【期間限定】「昭和キ神計画 ぐだぐだ龍馬危機一髪! 消えたノッブヘッドの謎」開催!

 てっきり噛ませだと思っていた田中新兵衛が予想以上の粘りで見せ場を作るのはアツかった……「最後ん初太刀」という言葉に胸がときめかない男子はいないだろう。「戊辰聖杯戦争」なる今回のイベントのためだけに作られた設定からして面白く、年々グレードアップしていくぐだぐだ系イベントのクオリティには目を瞠るものがある。むしろ昭和キ神計画や超古代新選組列伝しかプレーしていない新規勢が「ぐだぐだ本能寺」をやったら驚愕するでしょうね。「え? たったこれだけ!?」って。もう6年の前のイベントだし、当時はシナリオの分量を抑えようとしていた頃ですから、感覚的にはイベントというより「幕間の物語」に近い代物である。

 配布が「森蘭丸」(正確には「謎の蘭丸X」)というのは個人的にありがたかったです。新キャラたちの中で見た目が一番好みなので、ガチャの結果に左右されず入手できるのが嬉しい。☆4の全体アーツ讐という、現状で唯一の存在。イベントでは森長可との遣り取りがほのぼの殺伐としていて大変結構でした。声優は「Machico」、ウマ娘でトウカイテイオーを演じている人だ。私がやってるゲームだとマギレコのさゆさゆこと「史乃沙優希」もこの人。蘭丸Xはテンション高めでキンキン声になってる箇所があり、少し耳に痛いところだけど可愛いから許す。にしても今回は新キャラが本当に多かったですね。実装されたのは蘭丸Xと「出雲阿国」と「坂本龍馬(ランサー)」の3騎ですが、田中新兵衛と武市瑞山と高杉晋作もストーリーに登場しています。新兵衛は柴田勝家のようなユニークエネミーで、武市先生と高杉さんに至っては立ち絵のみですが……でも「黒幕に利用されて無念のうちに死ぬポジション」だと思っていた武市先生が一矢報いる展開は盛り上がりましたわ。ぐだぐだ系イベントは良くも悪くも「人気アニメの夏映画(オリジナル展開で、原作に内容が反映されない)」って印象が強いけれど、ここまで来るといっそ本当に劇場化してほしいと願ってしまった。

 しかし阿国はいいとして、まさか坂本龍馬(槍)が単なる霊衣じゃなくて新規☆5だったとは……「『ぐだぐだ帝都聖杯奇譚』以降は3騎実装がぐだぐだ系イベントの常識」という事実を考慮すればPU2の存在は念頭に浮かべるべきでしたが、予想だにしておらず意表を衝かれてしまった。配布の☆4ということで安堵していたかつての龍馬ファンたちは歓喜したのか、それとも悲鳴を上げたのか。だんだん第2部のエンディングが近づいてきている(あとは6.5章→7章→エピローグって流れだ)からとはいえ、一つのイベントで期間限定☆5を2つもブチ込んでくるとはなかなかエゲツない真似をするぜ。


2021-11-10.

・なんとなくげっちゅ屋で「カテゴリ:女装」のエロゲーを検索していたら『女装創世記』というタイトルが出てきて思わずクリックしてしまった焼津です、こんばんは。

 このトンチキすぎるタイトル……さては『女装山脈』の流れを汲んでいるな? と予想して調べてみたが大アタリだった。シナリオライターは「西田一」、今から10年前に「女装した少年――いわゆる『男の娘』だけが攻略対象」という珍奇な仕様で話題になった『女装山脈』を手掛けています。ライターデビューは2004年で、女装ゲー以外もいろいろと担当していますがここ数年はほとんど女装ゲーばっかりですね。2007年から2015年にかけて「脳内彼女」というブランドで活動していたが、2016年に「の〜すとらいく」という新しいブランドを起ち上げてそこの代表に収まった模様。西田一の女装ゲーにおいて「男の娘」とは男でも女でもない第三の性であり、単なる女装少年では不可能なこと……即ち妊娠や出産も可能である!という狂った世界観が貫かれている。だから厳密に言うと「女装した少年」というより「胸がなくてチ○ポが付いてる女の子」に近い。ひたむきに「ファンタジーとしての男の娘」を追求しているのだ。

 『女装創世記』は1500円というロープライス商品であり、2019年に発売された『女装神社』から始まる「女装神社シリーズ」の3作目に当たる。ちなみに2作目は『女装神話』。神社の跡取りである主人公(ノンケ)が「男の娘巫女」に言い寄られている現状を危惧し「どうか女の子との出会いを!」と神頼みした結果、封印されていた「女装神」が目覚めてしまう! ってな具合でドタバタ騒動が巻き起こるらしい。プレー時間は2〜4時間程度で、感覚的にはエロゲーというより映画を2、3本鑑賞するようなものかな。「女装神社シリーズ」の物語は『女装創世記』で完結とのことで、三部作まとめて買っちゃおうかしら、いやでもたぶん積んじゃうだろうし……と心が揺れている。パッケージ版は12月に発売予定だがsteam版は既に発売中、セールで過去作も安くなっているみたいだからパッケージ要らない人はそっちを購入した方がいいかもしれません。

【期間限定】「復刻:超古代新選組列伝 ぐだぐだ邪馬台国2020 ライト版」開催!

 「超古代新選組列伝」という文字列、何度見ても奇天烈だよな……ハロウィンイベントは恒常☆4弓として新規実装されたゼノビアのムチムチえっちな褐色ボディにニッコリしたものの、イベントそのものにはあまりモチベが湧かなくて終了間際に駆け込む形となった。他に観たいアニメとか読みたい本があったせいでつい。女の子が可愛いという理由だけで観始めた『SELECTION PROJECT』は「アイドル候補生たちがデスゲームみたいなノリで視聴者参加型リアリティショー系オーディションに挑む」というアニメで、ツッコミどころは多々あるんだけどやっぱり女の子が可愛いのと間の取り方を含めたテンポの良さが気に入って毎週楽しみにしている。美姫と悪女が入れ替わってしまうライトノベル『ふつつかな悪女ではございますが』は主人公の鋼メンタルぶりに笑った。いつも甲斐甲斐しく尽くしてくれる傍付きの女官が入れ替わりに気づかず「馴れ馴れしく私の名前を呼ぶな!」と嫌悪感剥き出しで怒鳴ってきても、ショックを受けて寝込むどころか「ビックリしたけど彼女の知らない一面を見ることができたわ!」と喜ぶんだから無敵すぎる。2巻では入れ替わりを仕掛けた悪女に「あなたのことが好きよ」と本気で宣うんだから鋼様通り越して獣殿に見えてくる。この調子だと皇太子より先に他のヒロイン全員を陥落(お)としそうだな……本来メインキャラクターであるはずの龍気漲る皇太子が単なる「百合の間に挟まる男」となりかねない危険を孕んでいるぞ、ふつ悪。

 話がズレすぎなんでFGOに戻ろう。というわけで邪馬台国復刻です。トレンドの「邪馬台国復刻」でお知らせ見る前に察したけど、FGOプレーしてない人は「邪馬台国の遺跡か何かが修復されたのか?」と勘違いしたんじゃなかろうか。礼装揃ってるしイベント自体は余裕でサクサク進められる。ガチャの方は虹回転からの沖田さんで大勝利。これで宝具レベル2。2017年の3月に引いて以来だから概ね4年半ぶりです。宝具火力低いからいつかは重ねたいと思ってましたけど、ようやく念願叶いました。ずっと「9/9/9」で放置していたスキルレベルもお祝いとしてMAXに。復刻だから邪馬台国イベントそのものは特に頑張る気ない(巨大埴輪ノブどもが誰一人として山から下りられないほどレイド戦もあっさり終わったしな……)けど、17日以降に開催されるであろう新規イベント(平安京クリアが条件)への参加意欲はモリモリ湧いてきました。

・拍手レス。

 はい…チュッピはああいうのが好きです…。プリパラはどこを切り取ってもとんでもない作品ですが、あじみ先生回は強いですね!
 スタッフはチュッピの弱点を的確に攻めてきてる。黄木あじみは何年経ってもインパクトが薄れないというか、ギギ・アンダルシアと同じ声優だって事実が情報としては理解できるんだけど耳が理解を拒む。


2021-11-03.

・1話目ではそんなに引き込まれなかったけど、2話3話と観ているうちに『ワッチャプリマジ!』がだんだん好きになってきた焼津です、こんばんは。

 日曜日の朝10時、つまり『ミュークルドリーミーみっくす』の前に放送している女児向けアニメで、プリリズやプリパラ、プリチャンなどの“プリティーシリーズ”に連なる作品。“プリティーシリーズ”に関して解説し出すと長くなるので掻い摘んで書くが、要は女児向けのアーケードゲームとアニメを軸にしたメディアミックス企画です。開始が2010年だから既に10年以上も経っており、『キング・オブ・プリズム』などの関連作品もあるため話し始めたらキリがない。とりあえず10周年記念ページを張っておこう。シリーズと言っても話の繋がりはあったりなかったりで、必ずしもシリーズ作品全部に目を通さなければ楽しめないというわけじゃない。なにぶん10年以上やってるシリーズなので、放送されたエピソード数は優に500話を超える。ノンストップで視聴しても200時間は掛かる勘定だ。これを新規勢に強要するのは酷というものである。

 『ワッチャプリマジ!』はこれまでの“プリティーシリーズ”と一切繋がりがないまっさらな完全新作ゆえ、予備知識ナシで「失礼しま〜す」とズカズカ入ってきても全然OK、余裕で楽しめる。作中世界においてアイドル的な存在である「プリマジスタ」、それになりたいと願う中学生の少女「陽比野まつり」が別世界からやってきた魔法使い「みゃむ」と出会い、時に衝突し合いながらも互いに努力を重ねて栄光の階段を駆け上がっていく――という、ややスポ根のノリが入ったシンデレラストーリーだ。たった4話で喧嘩していきなりコンビ解散の危機に陥ったり、腹黒キャラが主人公を潰そうとイヤガラセしたりなど、女児向けにしては少しハードなところもある。キャッキャウフフ和気藹々なテイストじゃなくて「競争を勝ち抜く気がないならすっこんでろ!」って感じなんですよね。それを象徴するセリフが第1話の「ヘラヘラすんなよ」。自信がなくて「私の夢は○○です」とハッキリ意志表明できず遜るように笑ってごまかしていたまつりに対しみゃむが言い放ったセリフです。雰囲気こそ柔らかいものの意外と辛辣な部分があって「所詮女児向けだから」などと侮れないアニメ、それが『ワッチャプリマジ!』なのだ。

 なお私が好きなのは「甘瓜みるき」。かわいこぶってる腹黒キャラで、「〜〜だお」とまるでやる夫みたいな口調で喋る。仕草一つ取ってもあざといのだが、面白いことに「〜〜だお」という口調はキャラ作ってるわけではなく単に素みたいで内燃詞(内心の声)でも「お」を付けている。表面上にこやかな笑顔を浮かべながら内心「ぶざまだおw」と嘲っているなど、腹黒なのに愛敬があって憎めない。「まさにフェスティバル! 咲き乱れよ!」と賞賛されているまつりに「そのまま散れお」と罵るシーンのインパクトは特に強烈だ。ポジション的には「なんだかんだで改心して主人公を応援するようになるライバルキャラ」なんだろうが、いっそ改心しないままこの路線を貫いてほしくもあるな……過去の“プリティーシリーズ”で言うと『プリパラ』の「ドロシー・ウェスト」に近いところがあるか? ドロシーは腹黒というより煽り癖のある毒舌キャラって感じで、そういう意味ではむしろみゃむの方により近接しているかな。

 さて、『ワッチャプリマジ!』は“プリティーシリーズ”の予備知識がなくても楽しめるアニメだが、せっかくなので過去作もオススメしておきたい。プリマジ以前のアニメ版“プリティーシリーズ”は大きく分けて「プリリズ」「プリパラ」「プリチャン」のカテゴリに分かれており、プリティー初心者に推したいカテゴリは「プリリズ」か「プリパラ」だ。時間があるから4クール分くらいなら観れる、という人にプッシュするのは「プリリズ」3作目の『プリティーリズム・レインボーライブ』。3作目と言っても1作目や2作目とはほとんど繋がりがなく、仕切り直して一からストーリーを起こしています。ぶっちゃけこの時期(2013年頃)はアイカツ人気が凄まじくてプリリズはずっと後塵を拝していたから、何とか状況を打破しようともがいていたんですよね。『レインボーライブ』はストーリー性の高い作品で、人間関係がどんどん変化していくから何話か飛ばすと話がわからなくなってしまう難点もあってリアルタイムでは離脱者も出たみたいですが、反面まとめて視聴すると超面白い。アニメよりもドラマに近い構成をしており、キャラクターたち個々人の抱く劣等感や愛憎といった情動が丹念に描かれている。「名言」と呼ばれる特徴的なセリフも多く、一挙放送があるたび盛り上がります。「全話飛ばさずに観ないと面白さが伝わりにくい」のがネックで、時間のない人に手早く楽しんでもらう方法を見つけるのは困難だが、時間がある人はドップリ浸かってみてほしい。後日談として男キャラ中心のスピンオフ作品『KING OF PRISM』もあります。え? キンプリはいろいろあってどれがどれだかわかりにくいって? そんなあなたには全作収録したブルーレイBOX『KING OF PRISM ALL SERIES Blu-ray Disc "Dream Goes On!"』をオススメ。

 一方、「51話も通して観る余裕ないよ〜」と涙目な方に薦めたいのが「プリパラ」。アイカツ対策のテコ入れを検討した際、「そもそもタイトルが長すぎる」ということにようやく気づいたのか題名をごっそり短縮して四文字になりました。「プリパラ」のカテゴリは更に『プリパラ』と『アイドルタイムプリパラ』のふたつに分かれており、『プリパラ』は小学生の「真中らぁら」が主人公を務めている。『アイドルタイムプリパラ』は同じく小学生の「夢川ゆい」が新たな主人公として抜擢されるが、らぁらも引き続き登場する。『プリパラ』の1期目は4クールある尺のうち最初の1クールをプリリズの総集編に当てたため通年アニメであるにも関わらず3クール分しかエピソードが用意されていない異例の構成となったが、2期目と3期目、そして実質的な4期目である『アイドルタイムプリパラ』はそれぞれ4クール用意されており、すべて合わせると191話という膨大な量に昇る。これはプリリズすべてを合わせた話数よりも多い。“プリティーシリーズ”の歴史の中でもっとも盛り上がった時期(2014年〜2018年)であり、未だに「“プリティーシリーズ”=プリパラ、らぁら」のイメージで捉えている人も少なくない。プリパラは本筋とあまり関係のない独立したエピソードがふんだんに用意されており、テキトーなところから観始めてもそれなりに楽しめるのが特徴。キャラが立っている登場人物たちと頭おかしいネタの数々でたちまち笑いの渦に呑み込まれていく。何せ監督はミルキィホームズの森脇真琴だからな……喩えて言うなら古賀亮一が女児アニメにチャレンジしたかのようなハチャメチャ加減である(なお『ニニンがシノブ伝ぷらす』発売中!)。「100話超えとか正直ダルいな〜」と呟いてしまったあなたも、なんとなくチョイスした回を視聴すれば「なんだこれ、こんなアニメがあってもいいのか?」と驚き、あと1話だけ、あと1話だけ、別にハマったわけじゃない、ただ事実を確認したいだけなんだ……と観ているうちに首まで浸かり、いつの間にか「たった191話しかないなんて!」と嘆き悲しむハメになるでしょう。レインボーライブやキンプリとはまた違う意味で中毒性の高いアニメだ。

 “プリティーシリーズ”は怖くない、さあ君も足を一歩踏み出そう。そして二歩三歩と人生の道のりから足を踏み外そう。


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