2021年1月〜2月


2021-02-27.

「陰の実力者になりたくて!」アニメ化進行中!累計100万部突破の異世界転生もの(コミックナタリー)

 最新刊の帯でこの報せを目にしたとき、驚きと同時に納得の念も湧いた。原作はまだ4巻だというのにシリーズ累計100万部というのだから未アニメ化作品としてはかなり売れている部類である。たとえば現在アニメ放送中の『無職転生』も、シリーズ累計100万部を突破したのは13巻が発売された頃だった。そりゃアニメ化企画の一つや二つは動くだろう。

 詳しい感想は去年書いた(2020年7月31日付)ので割愛しますが、大雑把にまとめると「厨二病の少年が異世界転生して無双クラスの力を獲得し、世界を巻き込む壮大な『ごっこ遊び』に耽る話」です。過去の私曰く「脱臼系ファンタジー」。喩えですけど、口から出まかせで「チクワ幻人の陰謀だ! 対抗しないと世界がヤバい!」と叫んで暴れていたら本当にチクワ幻人の世界征服計画を阻止する形になっていた……みたいなスラップスティック劇が延々と繰り返される。その過程で相当な数の死体が転がるためブラックジョークじみた味わいを醸す結果となっており、面白がれるかどうかは人によります。肯定派も否定派も「主人公の頭がおかしい」という点だけについては見解が一致している。狂人の仕掛けた茶番劇に巻き込まれる異世界もとんだ災難であるが、こういう「その気もないのになし崩しで世界を救ってしまう」カオス、正義感溢れる「普通の主人公」に倦み始めた年齢の子からすれば刺激的に映ることだろう。ぶっちゃけ私は原作のイラストが好みだったから受け容れられたってところがある。もしイラスト補正がなかったら、1巻の途中でギブアップしていたかもしれない。ノリに慣れたおかげで2巻以降は楽しく読めたが、非常に大味な展開で「またそのパターンかよ!」とツッコんでしまう箇所もあり、人に薦められるかどうかは難しいトコだ。クッソ雑なネーミング(ヒョロ・ガリ、ジャガ・イモ、ジミナ・セーネン、ドエム・ケツハットなど)で「自覚的なバカバカしさ」を前面に押し出しているところもあるからそういうのに白けてしまう人にはオススメしかねる。1年半ぶりに刊行された新刊(4巻)は新展開もあって面白かったけど、相変わらず「またそのパターンかよ!」なシーンも挿入されていて笑うしかなかったです。

 コミカライズは現時点でふたつあり、無印の方は原作準拠、『しゃどーがいでん』は公式スピンオフの4コマ漫画です。こういうスピンオフってアタリハズレの差が大きいけれど『しゃどーがいでん』は個人的にだいぶアタリ。元がスラップスティックなのでドタバタギャグとの親和性が高い。申し訳程度のあらすじ紹介はあるけど本編読んでることが前提なので、先に原作ないし無印コミカライズへ目を通しておいた方がベターです。

『アサルトリリィ Last Bullet』、新イベント「ノーブルリリィ・レポート」開催決定

 楓・J・ヌーベルと二川二水の組み合わせ、いわゆる「かえふみ」をメインに据えたイベントが開催される……この報せにアサリリファンがどよめいた。このふたりのカップリングは一部で根強い人気を誇っているものの公式からの供給はほとんどなく、霞を喰って妄想するファンが多かっただけに告知が出たときは「集団幻覚かしら!?」という動揺が広がったのでございますわ。ちなみに「二水が楓に憧れている」という設定は急に無から生えてきたわけではなくて、以前より「理想のリリィ」として楓の名前を挙げている。「ああいうふうになりたい」と日々精進している二水ちゃん、そして「私の愛が強すぎましたわ!?」などアニメではだいぶギャグキャラっぽく描かれていた楓様のカッコイイところを真面目に掘り下げようとしてくれるみたいで感謝したいっスね。イベントシナリオに寄せる期待は大です。

 なお石はほとんど残ってないのでガチャに対する期待は小なり。ラスバレには「ボーナスメダル」というガチャを回したときに貰えるアイテムがありまして、これを一定以上集めると任意の衣装やメモリアと交換することができます。要するにグラブルの「蒼光の御印」と同じようなもの、いわゆる「天井」ですね。他のソシャゲ(マギレコとか)でもだいたい似たシステムになっているが、ラスバレの特徴はピックアップごとにメダルが切り換わるのではなく「概ね1ヶ月間はボーナスメダルが共通している」ことです。より具体的に書くと「月末開催イベントのピックアップ開始(末日の午後5時頃)に合わせてメダルが切り換わる」方――こう書かれてもいまいちピンと来ないかもしれませんが、要するに「既に終了したイベントの限定衣装や限定メモリアだろうと対応するメダルの交換期間内であれば引き換えられる」し「月中イベントの内容を確認してから交換対象をどれにするか選ぶこともできる」わけです。すごく欲しい衣装があったけど、イベント開催中に天井まで到達できなかった……という場合でもしばらくの間は猶予があるし、「天井ギリギリのところで狙っていた奴がポロッと出ちゃった場合」や「月末イベントの限定衣装よりも月中イベントの限定衣装がもっと欲しいヤツだった場合」でもメダルを消費していなければ交換対象を切り替えることができる。あくまで1ヶ月程度という限られた期間内にではあるが、「ピックアップが終わった限定アイテムの入手」や「天井の持ち越し」が可能になっているワケダ。ただ注意しないといけないのは「ボーナスメダルが獲得できる期間」と「ボーナスメダルが使える期間」には若干ズレがあり、「3月14日までは交換可能? ならまだ時間あるじゃん」なんて余裕ぶっこいているとボーナスメダルを入手する方法がなくなって天井寸前のところで詰む悲惨なケースも起こりえます。天井を目指すなら、必ず月末イベント開催までに到達できるよう計算して回しましょう。

 長々と書いて結局何を言いたいのかと申しますと、「月末までに天井できるよう計算して回した」結果、推しリリィ(楓)のガチャに使う石がなくなるというギャフンなオチが付いてしまったってことですよ。まだ交換してないけど、メダルが切り換わるタイミングだから天井の持ち越しはできないだろうし……判断を誤りましたわ! 来月運営が不手際を起こしまくって詫び石をこれでもかと配れば何とかなるかもしれません。ちなみにソシャゲの天井は300連くらいが主流ですが、ラスバレは150連(まとめて回すとボーナスで11連になるから正確には165連だけどややこしいのでボーナス分は考慮しないことにする)で好きな衣装やメモリアと交換することができる。つい「優しいじゃん」と錯覚しそうになりますが、交換できるのは「衣装かメモリアのどちらか」であって両方欲しい場合は更にもう150連回さないとダメ。一見衣装の方が重要に思えるが、メモリアの方が個別シナリオと紐付けされており、戦力増強の点においても大きな役割を果たすのでそう簡単には判断できない。グラブルで喩えると、150連で「輝剣クラウ・ソラス」か「シャルロッテ」のどちらかを手に入れることができる、フェイトエピソードはクラウ・ソラスの方を取らないと読むことができない……って感じです。どっちかで妥協できるプレーヤーにとっては「ありがたい」、完璧主義の人にとっては「他のソシャゲと変わらない」、そんなシステムである。ヘルヴォルイベントやグラン・エプレイベントが面白かったからどうにか継続できているが、バトルとガチャに関しては「魅力を感じない」というのが正直なところ。でもアニメの2期はやってほしいし、課金も視野に入れつつコツコツとプレーすることにします。

・拍手レス。

 プリコネやってないけどその描写は胸に来ますね…。うしおととらで敵の工作で潮のことを皆んなが忘れていくエピソード、今見ても涙腺が緩みます。
 刻んだ足跡が砂や雪に埋もれて消えていくような物悲しさがありますね……うしとらのアレと同様、積み重ねた時間の分だけ威力が増すイベントでした。


2021-02-21.

・既に開催終了したイベントなので今更言及するのもアレですが、『プリンセスコネクト!Re:Dive』の3周年イベント「絆、つないで。こころ、結んで。」でちょっと涙腺が緩んでしまった焼津です、こんばんは。

 前編と後編に分かれた比較的長めのシナリオで、「周囲から自分にまつわる記憶が消えていく」という『ONE〜輝く季節へ〜』みたいな状況に陥ったコッコロが「美食殿」のみんなに迷惑をかけないよう(忘却現象の原因が精霊で、このままだと制御できなくなって周りに危害を加えてしまう恐れがあるため)何も告げずに街から去る――という、長年プレーしてきたファンがショックを受けるような展開で前編が終わる構成となっています。アニバーサリー衣装である「儀装束」がまったく登場しないまま話を区切るという大胆な決断を下している。普通はガチャを回させるために冒頭で「じゃじゃーん! これが儀装束です!」とお披露目するパターンのはずだが、プリコネの運営は「儀装束? ああ、後編で出すよ」とまるでプレーヤーが後編まで付いてきてくれることを確信しているかの如き鷹揚極まりない態度で接してくるのだ。悲しい幕切れの前編をやってしまったらハッピーエンドになることを願って後編をやらずにはいられないから、正しいっちゃ正しいのだが……「美食殿」のもとから旅立ったコッコロがメンバーたちの幸せを祈って日記を書くという完全に泣きゲーのメソッドを使ったあざとい演出まで仕込んでおり、『それは舞い散る桜のように』とか『秋桜の空に』直撃世代としてはハンカチを片手にするしかなかったです。よりによってコッコロちゃんにこんなヒドい仕打ちをするなんて、面白おかしく愉快なノリのアニメから入ってきた新規層を取り込む気がないのか? とスタッフのSANITYを疑いましたわ。とはいえ、「久々に気合の入ったイベントシナリオが来た」と嬉しくなりましたね。読むのサボっていた第2部のシナリオも久々に再開したくなってきた。シェフィがまともに喋れるようになっていて驚いたんだけど、今はいったいどんな展開を迎えているんだろうか。

・最近は『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』を読んだ。

 悪役令嬢モノで、タイトル通りの内容です。冒頭は完全に「はめフラの亜流」という感じだったが、「原型」の外道ぶりがカタリナを超越しているためシリアス度が高め、コメディ要素はやや薄めとなっています。ひぐらしで喩えると「カタリナ(オリジナル)」が鉄平クラスであるのに対し、こっちの主人公の大元は三四レベル。母親へ深い愛情を抱いている攻略対象を騙して隷属させ、彼自身の手で母親を殺させる(そうしなければならない理由があったわけではなく、ただ絶望する彼の顔が見たかっただけ)など擁護不可能な行為の数々を仕出かしている。そのため転生して意識が混ざり合った主人公の抱く罪悪感も強い。「断罪ルートを回避しよう」と足掻くのではなく「いつか来るかもしれない断罪の日に備えて布石を打っておかねば」と奔走するタイプです。最良の選択肢は「模範的な女王となって善政を敷き断罪される必要がない未来に辿り着く」ことなんですが、この主人公は自分のことをあまり信じていないので「いつか正気を失うかもしれない」「あっさり道を踏み外してしまうかもしれない」「運命の修正力によって断罪は不可避かもしれない」と恐れており、もし自分が原作通りのラスボス女王になってしまっても大丈夫な体制を作っておこうと画策する。読んでいて既視感を覚えたが、アレだ、ウィツァルネミテアだ……「我を滅せよォォォォ!」と叫ぶプライド様(ラス為の主人公名)を幻視してしまった。ゲームの都合上ラスボスであるプライド様はか弱い女性に見えてメッチャ強い設定になっており、武力的な意味で活躍するシーンもあります。はめフラの亜流ではあるんだけど、ここまで味付けを変えたら別の楽しみ方ができるな、と受け容れました。あとがきによると連載開始当初からエンディングを決めていたそうなので展開が迷走することもたぶんないだろう。2巻以降も読みます。

 さて、以下はラス為とあまり関係ない余談です。この作品は「アイリスNEO」という一迅社文庫アイリスのソフトカバー(いわゆる文芸)レーベルから発刊されているのですが、女性向けということもあってあまりチェックしていない分野だな……よし、ちょっと調べてみるかと思い立ちました。まず、源流である「一迅社文庫アイリス」(以下アイリスと略す)について語っていこう。アイリスはライトノベルレーベル「一迅社文庫」の女性向けバージョンとして2008年7月にスタートしました。一迅社文庫が2008年5月創刊なので大して間は空いていない。一迅社文庫の方は2016年12月に出た『折れた聖剣と帝冠の剣姫4』を最後に休刊してしまったが、アイリスの方は現在も続いている。2015年から刊行を開始してアニメ化で幅広い注目を集めたヒットシリーズ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の貢献が大きいのだろう。なにぶん女性向けなので、はめフラ以前の本はほとんど買ったことがないです。葉山透のルーク&レイリア新作『マグノリアの歌姫』ぐらいか? ソフトカバーレーベル「アイリスNEO」が創刊したのは2015年11月、ちょうどはめフラの書籍版が刊行開始した頃ですね。「小説家になろう」とのタイアップ企画である「一迅社文庫アイリス恋愛ファンタジー大賞」の受賞作を刊行するために立ち上げたっぽい。件の賞は第9回までやった後で「アイリスNEOファンタジー大賞」と改称しており、その第1回で「金賞」(上から二番目の賞)を取ったのが『ラス為』です。アイリスNEOの総冊数は130冊程度、正確に数えたわけじゃないがネット書店で検索するとそれぐらいヒットする。一番長期化しているシリーズは『魔法使いの婚約者』、剣と魔法の異世界に転生した少女が天才魔法使いである絶世の美少年と婚約してあれやこれや、という話で最新刊は11巻

 リストを眺めていくと2015年や2016年の時点ではまったく存在しなかった「悪役令嬢」という単語を含んだタイトルが2017年を境にドコドコと増えていくのが興味深い。ジャンルとしての悪役令嬢ブームは2015年あたりから始まっているのですが、商業方面で本格化したのが2017年あたり。2018年になると各種悪役令嬢モノのコミカライズが始まって受容する世代は一気に広がりました。今や毎月複数冊の悪役令嬢モノが刊行されており「バブルか?」って状況です。パターンが出尽くしたせいでだんだん大喜利みたいになってきている。まだ刊行されていない『残念令嬢』は4人の悪役令嬢(全員転生者)が登場し、シナリオの強制力に逆らえず3人目が敗北したところから始まる。これまでの3人は国外追放や修道院送りで済んだが、ラスト令嬢たる4人目は「獄中で謎の死を遂げる」悲惨な運命が待ち受けており、何が何でも断罪を回避しようと死に物狂いで足掻く。頭のおかしい残念令嬢を装うことで本来のルートから外れようとするが……と、ハイコンテクストすぎて悪役令嬢モノを嗜んだことのない人が読めは戸惑いそうだ。

 ちなみに。一迅社文庫が休刊したのは先述した通りですが、現在は「一迅社ノベルス」というソフトカバーレーベルがあってここから男性向けのライトノベルも刊行されています。創刊は2017年8月。最近は毎月新刊が発売されているけど以前は不定期に出る仕組みだったこともあり、存在があまり認知されていないマイナーレーベルだ。総冊数は20ちょっとだが正確な数字はわからない。公式サイトの一覧に『乱躁滅裂ガール』のノベライズが載っていないなど、そもそも情報を網羅している場所がありません。「というか、2019年頃までは一迅社から発売されているソフトカバーの小説を漠然と『一迅社ノベルス』って呼んでただけで、正式なレーベル名として確立したのは2020年以降なのでは?」という疑惑が立ち上る。少なくとも表紙で見る限り「一迅社ノベルス」の文字列が確認できるのは2020年以降の本だけだ。なお、現時点で3巻以降が発売されているシリーズはゼロ。なんだかヤバみが漂っているが、本格的に稼働開始したのは2020年からという実質的な新興レーベルゆえ今後3巻以上続くシリーズもじゃんじゃん出てくる……はず。個人的に好きな作品は『龍鎖のオリ』『天才最弱魔物使いは帰還したい』。『龍鎖のオリ』は前に感想を書いたから割愛する(2020年12月4日の日記を参照されたし)が、『天才最弱魔物使いは帰還したい』は『嘆きの亡霊は引退したい』の「槻影」による新作。『嘆きの亡霊〜』とコラボはやってるが世界観とか設定上の繋がりはない。自身よりも強い魔物を使役する「魔物使い」を主人公にしたファンタジーながら、「こう来たらこう来るだろう」という読者の予想をことごとく小気味良く裏切る内容になっている。「お約束に背く」というのはなろう系だと逆にありがちなんですが、ズラし方が巧いんですよね。主人公の信念がひしひし感じられると申しますか。「そう来たか〜」と感心しながら没入して一気に読んでしまった。キリの良いところで終わっているから1巻だけでもオススメ。キリが良すぎて2巻が出ないのではないかと心配になるくらいだ。最近は『ふつつかな悪女ではございますが』が面白そうで衝動買いしちゃったけどまだ読んでない。後宮を舞台にした中華風ファンタジーで、顔にコンプレックスのある陰険娘が虚弱美少女の主人公を妬み、精神が入れ替わる秘術を行使。見慣れぬ顔になってしまったが健康体を手に入れた主人公はむしろ大喜びする、という悪役令嬢モノの変奏曲です。ホント気になる本が多過ぎて読む時間がまったく足りないぜ!

「ぼっち・ざ・ろっく!」TVアニメ化、コミュ力低すぎ少女のバンド4コマ(コミックナタリー)

 単行本が発売する前から話題になっていたきらら系4コマだけに「既定路線」という印象も漂うが、好きな作品だからやっぱり嬉しい。コミュニケーション能力が低くて周囲とまともに会話できない女の子「後藤ひとり」が「ギター弾けるようになればぼっち卒業できるかも」とロックを始めるコメディ寄りの青春物です。周りからチヤホヤされたいという承認欲求は一人前ながら、「自分から話しかけず相手が声を掛けてくれるのを待つ」という完全後手戦法を取った結果中学時代は友達ゼロで終了という悲しい過去を持つ。なんとか仲間が見つかってバンドを組み、無事演奏できるようになっていきますがコミュ力はほとんど成長しないまま進んでいく。可愛い顔してるのに大半のシーンでテンパっていて福笑いさながらの崩壊フェイスを晒しているのが特徴。悲観的で臆病なんだけど、「チヤホヤされたい」一心でひたすら地道に孤独にギターを練習してきたというのだから涙ぐましい。実るかどうかもわからない努力を続けられる点で強い子です。「愛されたい気持ち」と「自己嫌悪」が鬩ぎ合う、冗談めいてはいるけど充分にロックな一作なのではないかと思います。私はロックがどうとか全然わからないから雰囲気でテキトーに言ってるだけだがな! ギャグのテンポが良いのでロック知らん人でも気軽に楽しめる内容です。


2021-02-15.

・前巻から2年も間が空いてしまったが無事に刊行された『我が驍勇にふるえよ天地』10巻、待たされた甲斐のある非常に密度の高い出来で満足している焼津です、こんばんは。

 刊行が遅れた理由はあとがきに記されている。プロット通りに書き上げた初稿がいざ読んでみたらあまり面白くなかったため、自主的に全没喰らわせて一から書き直したそうだ。「スピードが命、ほとんどのシリーズは半年以上ブランクができたら忘れられてしまう」と囁かれるライトノベル業界においてなかなかすることのできない決断である。2年近くかけてせっせと改稿した作者もさることながら、書き上がったそれを新刊予定表へ組み込むことにOKした出版社も大したものと言えます。「原稿は書き上がっているのに諸事情で発売されなかった」なんて話、腐るほどありますからね……GAは割とそのへんの融通が利く印象はある。何せ『ジェノサイド・リアリティー』に至っては3年ぶりの新刊だったし。売れているレーベルならではの余裕か。450ページというライトノベルにしては少々厚めなボリュームに仕上がっているのも「2年待ってくれたファンならむしろ喜ぶだろう」と信頼したからに違いない。なんであれシリーズ復活はめでたい。11巻も出す気満々みたいだから小躍りしつつ待ちます。でもまた2年後とかは勘弁な!

・最近まとめ読みしたライトノベルは『外れスキル【地図化(マッピング)】を手にした少年は最強パーティーとダンジョンに挑む(1〜7)』が面白かった。

 タイトルでわかると思いますが「小説家になろう」の連載作品です。異世界が舞台だけど転生モノではなく現地住民による冒険を描く。「15歳になると何らかのスキルを授かる(最大3個まで)」ことが常識になっている世界で、たった1つ「地図化(マッピング)」というスキルだけを獲得してしまった少年「ノート・アスロン」。彼は冒険者になることが夢だったので、この結果に激しく落胆してしまった。半径1kmの範囲を自動的にマッピングするこのスキルは一般的に「外れスキル」と見做されている。このスキルを授かると他のスキルは一切備わらなくなるうえ、マッピングしなくても世界中の地図にアクセスすることができる「世界地図(ワールドマップ)」という上位互換スキルが既に存在しているからだ。それでも夢を諦め切れず冒険者の道を歩むノートだったが、ありつける仕事は臨時雇いの荷物運びとかそんなのばっかり。酒に溺れ身を持ち崩すノートへ声を掛けたのは、ダンジョン攻略という点においては最強クラスとの呼び声が高いパーティー「到達する者(アライバーズ)」だった……。

 と、こんな感じで外れスキルを手にして腐っていた主人公が運命の出会いを経て成長していく、割と正統派スタイルな物語です。「なろう小説だし、どうせすぐに主人公が覚醒してチートスキルで無双するんでしょ?」と疑惑の眼差しを向ける方もおられるでしょうが、ぶっちゃけ主人公自身がチートなパワーをゲットするような展開にはなりません。確かに1巻の頃の主人公と最新刊の主人公を比較すれば見違えるほど成長しているのですが、パーティーメンバーの助けを借りないとダンジョン攻略なんてとてもとても……主人公は系統として盗賊(シーフ)職であり、サポート的な立ち回りをするタイプです。マッピング能力でダンジョンの正確な地図を作る(ダンジョンは「世界地図」の範囲外)以外だと、索敵でモンスターの接近を感知するとか、戦闘の際にスピードを活かして攪乱するとか、そういう地味な役割だ。メンタル面も、強いか弱いかで言ったら総合的に見て強い方だとは思うが、時に凹んだり挫けたり他人を羨んだり詰ったりなど見苦しい場面もある。そういうのを全部乗り越えてダンジョンの最深部を目指していく! というノリはライトノベルってよりもジュヴナイル的かもしれない。変に捻らず、絆とともに受け継がれていくレガシーをまっすぐに見据えています。主人公がメチャクチャ強い話ばっかり読んで「無双モノにも食傷気味だな」ってタイミングでたまたま手に取ったから余計にハマりました。まったく活躍しないわけではなく主人公らしい見せ場もちゃんと用意されているので、程良くハラハラしながら程良く爽快感を味わえる。

 同じパターンをひたすら繰り返すようなシリーズではなく、1冊ごとにちゃんとストーリーが進んでいく趣向になっているのでまとめて読んだときの満足度も大です。ただ恋愛面に関してはあまり進展がないというか堂々巡りになってきているような……いや乳繰り合っている暇があったらダンジョン攻略しろ! って話ですからラブコメについてはこの程度の配分でも宜しいのかも。あまり引き延ばす作風でもない感じだし、あと数冊で完結しそうかな? アニメ化は……たぶんしないと予想している。面白いんだけど話の切り所が難しいんですよ、この作品。巻ごとの起承転結がハッキリしている(実質的な前後編の6巻と7巻は除く)ぶん、これを30分枠に収まるよう構成し直すと各話が散漫というかイマイチ盛り上がらない出来になっちゃいそうです。やれたとしても1クールだろうし、販促に特化するとしても厳しいかな。同レーベルの「ハズレ」繋がりである『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』の方がまだ可能性は高いだろう。あれも主人公の戦い方が地味だから到底アニメ向きとは言い難いが、敵がどいつもこいつも清々しいまでのクズどもばかりなので、「そういう連中を容赦なく蹂躙する話が観たい」って需要には応えられるはず。ちなみに私が『地図化』シリーズをまとめ買いしたの、実はこの『ハズレ枠〜』を検索したときにたまたま引っ掛かったからだったりする。なろう系のタイトルが似たり寄ったりになっちゃうのってあまり心地良いことではない(というかもう部分的にしか覚えられなくなってきている)けれど、こうしてつい買っちゃうような例を考慮するに合理的っちゃ合理的なんだろうな……。

【期間限定】「愛の伝道師アムールちゃんのサン・バレンティーノ! 〜カルデア・ビター・バレンタイン2021〜」開催!

 今回の☆5イベ礼装は『ゆるゆり』でお馴染みの「なもり」がイラストを手掛けているのですが、まさかなもり絵のキアラリリィが拝めるとはな……ん? 何か前にも見たことあるような? と激しく既視感に襲われるが気のせいだろうか。さておきカレンは引けました。貯め直すはずの聖晶片を吐き出してしまうくらいギリギリでしたけども。イベントの前に子ギルの強化クエストで試運転してみたところ、「さすがに未強化で等倍だと火力出ないな」と痛感するハメに。面白いスキル構成をしちゃいるのだが、運用は難しい部類のユニットかな。味方にNPを撒くどころか毎ターン律儀にカツアゲして自分のゲージだけ上げるのは笑ってしまった。ちなみに一番の不満は音がうるさくて宝具のセリフが聞き取り辛くなっていることです。

 イベントシナリオは「ケルトの誇るスパダリ」ことクー・フーリンが普通に活躍していて嬉しかった。これまでのイベントだとチョイ役程度の出番しかなく、「余計なことを言って師匠にシバかれる」みたいなパターンが目立っていただけに活き活きとしているところを見せてくれて熱いやら和むやら。ボリュームはそこまで多くない(バレンタインイベントはチョコシナリオがメインなのでイベント本編はあっさり目になっている)けど、きのこが楽しそうに書いておってホッコリするわ。巻き込まれるエリセは少し不憫だったが……それにしてもあの服、「カルデアのドレスコード」に倣ってエリセが応じたものだと判明し、ますます「カルデア実は悪の組織説」が補強されてしまったな(悪の組織は露出度が高いという昭和脳)。

・拍手レス。

 カレンはプリズマイリヤに出てたりエクストラCCCでも名前だけは出てたりしたのでやっとかという感がなきにしもあらず。最終で「履かない」状態になるんだろうって考察してる人達多くて流石というべきかなんというか
 レクイエムではAIになってましたね。今回はいろんなキャラとの掛け合いがあって楽しかったです。でも「痛くないのは新鮮」とか言って古参の心をサラッと抉るのはやめてほしい。


2021-02-07.

・「レオ・ブルースの新刊」ということで機械的に購入した『ビーフ巡査部長のための事件』、よく考えるとビーフ巡査部長シリーズの翻訳って超久々なのでは? と調べてみたら『結末のない事件』(2000年)以来だったから20年以上経っていることに気づいて仰天した焼津です、こんばんは。

 レオ・ブルースは1930年代から1970年代にかけて活動したイギリスのミステリ作家です。既に故人。ビーフ・シリーズはレオ・ブルース名義で書いた代表シリーズの一つであり、30年代から50年代にかけて8つの長篇といくつかの短篇が発表された。日本で翻訳されるまで随分と時間が掛かり、1995年にようやくビーフ・シリーズ5番目の長篇『ロープとリングの事件』が刊行されます。3年遅れてシリーズ第1弾『三人の名探偵のための事件』がやっと邦訳された。現在は扶桑社から出ている文庫版が入手しやすい。『ビーフ巡査部長のための事件』は長篇第6弾に当たり、日本で翻訳された5番目のビーフ・シリーズとなっています。「足りないな?」と気づいた方もおられるでしょうが、長篇第4弾 "Case with Four Clowns" は未翻訳。かつて『四人の道化師のいる事件』というタイトルで翻訳進行中との情報もあったが、現在はどうなっていることやら。扶桑社はここ数年「歴史教師キャロラス・ディーン」というレオ・ブルースが持つもう一つの代表シリーズを翻訳していましたが、『三人の名探偵のための事件』文庫化を皮切りにビーフ方面へも手を伸ばし始めた模様。あと3冊翻訳されればビーフ物の長篇作品は無事コンプリートですし、扶桑社と翻訳家の「小林晋」(レオ・ブルース作品のほとんどはこの人が翻訳している)には頑張ってほしいものだ……できれば短篇集もお願いしたい。なおキャロラス・ディーン・シリーズの方は未翻訳の作品があと18冊残っています。

・更新をサボっている間に何をしていたかと申しますと、ブルアカこと『ブルーアーカイブ』やラスバレこと『アサルトリリィ Last Bullet』やってました。今やってるソシャゲたち、復刻イベントだの何だのであんまりやることなくて暇だったからつい魔が差してしまった。

 『ブルーアーカイブ』はアズレンやアークナイツを配信している「Yostar(ヨースター)」の新作。ガイド役のアロナ(CV.小原好美)が合成音声でボーカロイドみたいな喋り方をする珍しい仕様になっており、片言というか訛っているような発音になっていて独特の味わいがある。数千の学園が集まったクソデカ学園都市を舞台に天使の輪っかみたいなハイロウを浮かべた少女たちが銃をぶっ放して過激派どもを鎮圧していくという、何だかよくわからないが治安がメタクソ悪いことだけは如実に伝わってくるゲームです。今のところ女の子ばっかりで男キャラはいない。途中から男を追加すると既存プレーヤーの反発も強くなるだろうし、たぶんこのままガールズ・オンリーで行くつもりなんだろう。

 ガチャはキャラだけ排出されるタイプで、レアリティは3段階。要するにプリコネと一緒です。バトルもプリコネと同じくオート進行になっており、スキルだけ任意のタイミングで発動することができる。なので基本的に「ただ眺めているだけ」のゲームですね。斜め見下ろし視点がネオジオの『ビューポイント』を彷彿とさせて好き。わちゃわちゃ動く女の子のSDキャラを観ているのはなかなか楽しいが、やることがなくて時間経過とともに飽きてきちゃう部分はある。ストーリーも現状だと注目すべき箇所が見つからず、あまりの平板さから睡魔に襲われてタブレットを落としかけた。とりあえず配信されている範囲まではやるつもりだが、更新が来る前にアンインストールするかも……という雰囲気。

 『アサルトリリィ Last Bullet』はアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』の続編的な立ち位置のアプリ。由比ヶ浜ネストを殲滅したことで鎌倉周辺の脅威が低減し、一柳隊は次なる戦場「新宿」へ向かうことに――といった具合でTVシリーズからそのまんま繋がる話になっています。でもグロッピちゃんこと「ミリアム・ヒルデガルド・v(フォン)・グロピウス」の演技がTVアニメ版とはちょっと違うような……収録はこっちの方が先だったんだろうか? グロッピちゃんはさておき、アニメ版でも結梨ちゃん捜索の場面でチラッと姿を見せていた他校のリリィが本格的にストーリーへ絡んできます。エレンスゲの制服デザインが結構好み。キャラデザ的には芹沢千香瑠がツボなんだけど、キャラ的にはリーダーの相澤一葉が気になる。責任感が強そうで、でもどことなく脆そうな風情もあり、「この子の表情が曇るような展開に突入してほしい」とつい願ってしまう。心が折れて砕けて燃え尽きて灰になって、そこから蘇り不死鳥のように立ち昇る一葉さんの姿が見たい。

 ガチャは「メモリア」という概念礼装みたいなアイテムだけが排出される形式ながら、「衣装付き」と呼ばれるメモリアを引いたときだけ該当する衣装を纏ったキャラが解放されるグラブル方式。リセマラする手間を省いて推しのリリィで戦えるよう、最初の1人だけ任意のキャラを選べる仕様です。衣装は「攻撃系」と「支援系」ふたつのタイプに分かれており、同じキャラでも衣装が違うと別ユニット扱いになる。パーティはメイン1人サブ3人の最大4人まで編成することができますが、役割によって編成上限があり、たとえば「攻撃系衣装のリリィをメインに据えた場合」、サブの3人は「攻撃系1、支援系2」にしなければならない。なので衣装付きメモリアをバランス良く引くことが重要となっている。ゲームとしてはカード選択式コマンドバトル、ターン制ではなくリアルタイム制なのでモタモタしていると敵に複数回攻撃されてしまいます。特徴は、選択するカードがユニット固有のものではなく装備したメモリアだということ。FGOで喩えると「バスター・アーツ・クイック」みたいなコマンドカードは存在せず、装備した概念礼装――たとえば「龍脈・虚数魔術・カレスコ・欠片・黒聖杯」がコマンドカードとして表示されるのでそれを適宜タップする、といったような塩梅です。メモリアにも攻撃系と支援系の区別があり、攻撃系衣装のユニットは支援系メモリアを装備することができない。とにかく細分化することで「いいからガチャを回せ!」って絶えずプレーヤーに圧力を掛けてきてるんですよ、このゲーム。アニメで親しんだキャラたちの「その後」が拝めるのは単純に嬉しいし、一柳隊メンバーの掛け合いをふたたび聞けるというのは実に心地良いことだが、ゲーム部分は「う〜ん」としか言いようがない感じです。少なくともアニメ観てない人には薦めにくい。ただスタリラも続けられているくらいなので、こっちの方はなんだかんだ愚痴りながらもプレー続行できそう。なお現在は一柳隊のメンバー「安藤鶴紗」をメインにしたイベント「ブーステッド・フレンド」開催中。

【予告】期間限定イベント「サン・バレンティーノ! 〜カルデア・ビター・バレンタイン2021〜」開催決定!

 カレン!? ウァレンティヌスの擬似鯖とかではなくカレン本人!? じゃあきっと今回もスカートは履いてな……履いてるじゃん!! 二重の衝撃で頭が弾け飛びそうになりました。古参のFateファンには言わずもがなだが、「カレン・C・オルテンシア」は『Fate/hollow ataraxia』に登場したキャラクター(ただしその時点では「C」というミドルネームはなかった)です。FGOでは「マグダラの聖骸布」のイラストになっているのでホロウやってなくても「ああ、この子か」ってなるんじゃないでしょうか。そういえば2018年バレンタインのイベント礼装「スイート・デイズ」でも描かれていて「カレンやバゼットが実装されるのでは……?」なんて噂が流れたこともあったな。もうすっかり忘れていました。

 ネタバレにならない範囲で解説しますと、カレンは聖堂教会の関係者です。本人の戦闘力はそこまで高くないが、特殊な体質をしているため悪魔祓い(エクソシズム)部門で活躍している。お仕事モードのコスチュームがパンツ丸出しなため、初見の人から「大丈夫? スカート履き忘れてない?」と訊かれるのが恒例行事となっています。印象的だったせいか何年経っても弄られ続け、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」ってネタにされまくったっけ……ホロウのキャラや『ストライクウィッチーズ』が今でも現役な状況を改めて確認すると「すごいな」以外の言葉が思い浮かばない。さておきFGOのカレンはルーラーとして実装されます。公開されているイラストではちゃんとスカート履いてますが、きっと再臨によってスカートをキャストオフするんだろう。赤い衣装はもしかしてマグダラの聖骸布なのでは? と予想する向きもあり、ひょっとしたら男性特攻・特防スキルを持っているかもしれない。

 ミドルネームの「C」について考察している人もあちこちにいて、ローマ神話に登場する愛の神「クピド」(英語読みするとキューピッド)ではないかという説がもっとも妥当だと感じた。絵画で有翼の幼神として描かれることが多いクピドはローマ神話において美の女神ウェヌス(ヴィーナス)の息子とされており、父親に関してはマルスとする伝承もあればユピテルとする伝承やメルクリウスとする伝承もあり定かではない。黄金の矢で心臓を射抜き恋愛成就させることもあれば、鉛の矢で射抜いて失恋をもたらすこともあると云う。若干カーマと通ずるところもある神性だ。『黄金の驢馬』という小説で綴られた人間の王女「プシュケー」に恋をするエピソードも有名。ちょうど今スタリラで「ヴィーナス&キューピッド 〜想い繋げる天使の矢〜」というイベントの復刻版をやってる最中だから私にとってタイムリーな話題であり、少しテンション上がった。宝具名が「遍く無償の無限の愛(ザ・グレイテストヒッツ・コーリング・アガペー)」なので「愛」繋がり、と見做すこともできる。クピドの大元はエロスだからアガペーではないが、そこはカレン自身の特性ということで……しかし、カレンが来たということはいずれバゼットさんも擬似鯖か何かで来るかもしれないということだ……アンリ、カレン、バゼットの三竦みを完成させるためにムーンキャンサーで降臨する可能性も? 時期によってはラスプーチンを誰で殴るか迷う人も出てくるだろうな。

・拍手レス。

 私はジョゼって聞くとGUNSLINGER GIRL思い出します
 覚えてないからぐぐりましたけどヘンリエッタの担当でしたか。ガンスリは女の子ばっかり凝視していたせいで男キャラがうろ覚え。

 天才王子〜は舞台設定だけ聞くと時雨沢恵一の「アリソン」に出てくるイクス王国に似てるかなー
 「巡礼のコースから外れているせいで来訪客も滅多に姿を見せない」から、確か観光業のあったイクスより悲惨かも……。


2021-01-31.

・公開終了ギリギリになって観に行った『ジョゼと虎と魚たち』が思った以上に面白くて満足な焼津です、こんばんは。

 原作は田辺聖子の短篇小説で、十数年前に実写映画も制作されている。調べたところによると韓国版のリメイクも去年公開されたそうな。コミカライズまである。原作が発表されたのは1984年だから30年以上に渡って何度も息を吹き込まれ続けてきたことになる。元は短篇なのでボリュームはさほどでもないと申しますか、文庫で30ページもないくらいの短さです。大まかな筋立ては原作に沿っているが、主人公「恒夫」周りの設定が大幅に追加されており、後半の展開はほぼオリジナル。PG12でベッドシーンもあった実写版とは異なりキスシーン止まりで家族連れも安心の爽やかな恋愛映画に仕上がっています。「車椅子の女性」がヒロインであるものの過度に「可哀想」と感じさせる描写はない。ただジョゼが登場した瞬間から可愛すぎるせいで「身内以外には心を開かない突っ慳貪な性格」がバリアとしてあまり機能しておらず、ヒロインが心を開く場面も予定調和に見えてしまうかな。光(希望)の射す方へ向かっていくタイプの映画なんで、深く考えず素直に受け止めた方が胸に来るかもしれません。

 「予告編観たけど『管理人』だの何だのと思わせぶりなフレーズが出てきてどんな話かイマイチわからなくて迷っている、ジョゼちゃんは可愛いんだけど……」という方は予告編の内容をいっぺん忘れてジョゼちゃんの可愛さをストレートに堪能しましょう。ぶっちゃけこの映画、ファンタジー要素は特にありません。予告編で使われているジョゼが魚たちと泳ぐシーンはイメージ(というか夢)です。そもそも「ジョゼ」そのものがソウルネームというか単なる自称であり、外国人とかハーフとかそういう設定ではない。本名は「クミ子」である。「管理人」というのも自分の世話役を勝手にそう呼んでいるだけ。半端にファンタジー設定があると入り込みづらい、って人も安心して観るがよろし。つってもほとんどの映画館ではもう上映終わってるかな……公開日が去年のクリスマスだもんな。というかコロナのせいで延期になったけど本来は夏公開予定の映画だったんですよね、コレ。

 重要なことなので最後にもっぺん書いておきますけど、ジョゼちゃんめっさ可愛い。でも「ジョゼ」っつーとどうしてもジョゼ・ジョバンニ(フランスの作家)を連想してしまう……ぐぐればヒットするでしょうが、なかなかパンチの利いた経歴の持ち主です。

そうだ、売国しよう「天才王子の赤字国家再生術」アニメ化!ウェイン役に斉藤壮馬(コミックナタリー)

 来月9巻が出るくらいだし、そろそろアニメ化の発表があってもおかしくないな……と考えていたら本当に発表が来た! 『天才王子の赤字国家再生術〜そうだ、売国しよう〜』は2018年に始まった比較的新しめのシリーズだが、原作者の「鳥羽徹」は2009年デビュー(ニャル子さんの「逢空万太」やワルブレの「あわむら赤光」と同期)なんで10年以上の作家歴を誇っている。これが4番目のシリーズに当たり、初めて5巻以上続いた作品ゆえ「アニメ化の可能性がなくもない」と見ていました。タイトルの「王子」や「国家」でだいたい予想がつきますように異世界の国々を舞台にしたライトノベルです。流行りの転生要素はありません。それどころか魔法やモンスターといった要素もなく、ファンタジー色はかなり薄い。一応人外じみたスペックのキャラは登場するので、「『キングダム』はファンタジー」と思っている人ならファンタジーとして読めなくもないだろう。

 巨大な山脈によって東西が隔たれ、それぞれで異なる文化が育まれてきたというちょっとキエサルヒマっぽい大陸の話です。東では国々が統一されて大帝国が勃興していたものの、西は「辛うじて宗教による繋がりが保たれている状態」であり戦乱の火種が燻ったまま小競り合いの続く不安定な地域と化していた。主人公「ウェイン王子」の住む「ナトラ王国」は西側。大陸中央近くの北部に位置し「東西の繋ぎ目」という点では重要な箇所だったが、冬の厳しい土地であり、ろくな産業がなく不凍港すら持っていない小国なので実態は「ド貧乏」の一言に尽きる。「攻めても旨味がない」という理由で見逃されてきたナトラは東の帝国や西側諸国の思惑次第で簡単に滅ぼされるし、何なら状況変化なく現状維持が続いたとしてもいずれ財政面で破綻しかねない危うさを孕んでいる。詰んでるじゃん……こんな国、とっとと売っ払って俺自身はトンズラしちゃえばいいのでは? 大真面目に売国の算段を立てるウェイン王子だったが、次々と計算違いな事態が発生した結果「救国の名君」「稀代の英雄」と祀り上げられるハメに。高まる民の期待という名の圧力。国は富むけどますます逃げられない立場に追い込まれていくウェイン王子、彼の明日はどっちだ?

 と、こんな感じで国家運営をコメディライクな筆致で綴っていきます。内政要素もあるけど、どちらかと言えば戦記要素の方がメインかな。成り行きで他国と戦争するハメになったりして、結構な数の死体がゴロゴロと転がるから表紙の印象以上に血腥いストーリーです。ブラックジョークじみた展開も仕込まれており、ガワだけ流行に合わせて中身は作者のやりたいことをやりたい放題にやっており好感が持てる。主人公が意図したものとは違う結果になっても周りが勝手に勘違いし「なんて恐ろしい奴だ……!」と震え上がるお約束の遣り取りは『嘆きの亡霊は引退したい』とも共通するが、本気で何も考えていないあっちと違ってこっちはちゃんと奸智や狡智は巡らせているんですよ。でも相手が斜め上な行動したりで思い通りの結果にならず七転八倒するっていう……「策士策に溺れる」ってより、足を挫かせる程度のダメージを想定した罠で首をへし折って息の根止めてしまうタイプの過剰成果。想定外な出来事に翻弄される苦労人王子を生暖かく見守る感じのノリです。あとヒロインのニニム可愛い。王子とは相思相愛なんだが両者の間には身分差やら何やらといった障害が横たわっており、くっつきそうでくっつけないもどかしさも読み所の一つ。主人公がニニムをどれほど大切に想っているか証明するエピソードもありますが、あれをアニメでやったら視聴者ドン引きだろうな……展開的に一番面白いのは7巻のあたりだけど、たぶん1クールだろうしアニメではそこまで進まないでしょうね。2期目をやれるくらい人気が出るといいのだが、そこまで考えるのは気が早すぎるか?

 2期と言えばゴブスレの2期が決まったみたいですね。他にもGA作品がいくつかアニメ化発表されていて、最近のGAはホント勢いがすごいな、と慄いている。『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』『ひきこまり吸血姫の悶々』あたりも映像化するんじゃないかな、コレ。

 GAとは関係ないけど最近読んだライトノベルのお気に入りは『ホラー女優が天才子役に転生しました』。タイトルがそのままあらすじになっているから解説不要かな。家庭環境に恵まれなかった前世とうって変わって裕福な両親から注がれる愛を目一杯浴びながらすくすく育っていく現世に戸惑う主人公の姿が微笑ましい。1巻は幼年編であまり話が進まなかったけど、2巻の表紙を見るに次で一気に成長するのかな? それにしてもサブタイトルの「〜今度こそハリウッドを目指します!〜」、現在のハリウッドの状況を思うと切なくなってしまうな……まさか映画館からこんなにハリウッド大作が消えてしまう日など来ようとは。

・馬路まんじの『転生したら破滅フラグしかない悪役貴族だった件』読んだ。

 副題は「エルフ、獣人、吸血鬼をメイドにしました」。フランス書院の「美少女文庫」というレーベルから刊行されたエロいライトノベル、いわゆる「ジュヴナイル・ポルノ」です。なろう作家・馬路まんじが初めて出した書き下ろし小説でもあり、新刊予定表をチェックして見つけたときは「マジで馬路!?」と驚愕しましたね。挿絵はファルまろ、つまり『底辺領主の勘違い英雄譚』のコンビでお送りする1冊となっている。ストーリーはタイトルでだいたい説明されているから書かなくてもいいだろう。主人公はショタ(年齢は明言されていないがつい最近一桁から二桁になったばかりの模様)ながら、回復魔法が使えるからと「脳細胞が破壊されて廃人になるほどのハードなプレイ」をかまします。「ボートが精液で埋まって沈む」など一般的なジュヴナイル・ポルノと比べたらだいぶ頭おかしい内容なんですが、馬路まんじ作品としては狂気度が控え目な方かな……ページの大半を性描写で費やしていることもあり、ストーリー密度はさほど高くありません。ゲームの悪役貴族に転生した主人公が奴隷ヒロインたちのご機嫌を取っているうちに亜人ハーレムができあがってしまう、というトントン拍子な淫靡譚を半笑いで楽しむべし。「お姉ちゃん気分でご主人様レイプ」とか、シチュ的にはすごくエロいんだけど洋ピンのズンチャカBGMが鳴り響いているような錯覚に陥るほど陽気なノリのせいで「興奮」よりも「愉快」の念が先行しちゃう。「無限発射編」「亀頭の刃」といった微妙な鬼滅パロにも生暖かい気分を催す。時に続編が出そうな終わり方じゃないが、今後も美少女文庫で書き続けるのかしら。ジュヴナイル・ポルノは大っぴらに広告が打てないぶんどうしても注目を集めにくい分野ゆえ、馬路まんじファンが流れ込むことで界隈が活性化することを期待したい気持ちもあります。ちなみに私が去年読んだジュヴポルのお気に入りは『僕をパシリに使ってた巨乳少女を催眠でお仕置き!』だ。欲望に正直でしょう?

・拍手レス。

 アヴェスターは完結まで積んでおいた方がいいかもしれません。おそらく二巻の切りどころ的に次巻を求めてさまよう羽目になるので……
 そう言われると却って読みたくなりますが……ここは忠告に従って積み続けることにします。

 眼球抉り出して木に叩き付けたら目を司る神様になった人でしたっけ?平景清さん。
 「儂ゃ源氏の世なぞ見とうない!」みたいなこと言って抉ったんですっけ。二臨で目隠ししてるのはそれに由来してるのかな。


2021-01-24.

・やっと崩し始めた『バック・アロウ』、『スクライド』や『ガン×ソード』の頃の谷口悟朗アニメって風味の勢い溢れるノリで続きが楽しみになっている焼津です、こんばんは。

 1話目は説明的なシーンが多くて正直退屈だったが、2話目からテンポ良く話が進んでいくので爽快感とともに視聴することができる。壁に囲まれた世界でふたつの大国が激しく争っている、という設定なので多少人死にも発生するが、今のところ陰惨な場面はなく痛快娯楽活劇の趣が保たれています。ギャグっぽい掛け合いが鼻に付く人もいるだろうが、個人的にはこれぐらいの明るさがちょうどいい。歳のせいか観ていて胃の重たくなるアニメは体が受け付けなくなってきました。映画だと最近のお気に入りは『スローターハウス・ルールズ』。非常に戯画化されていて頭を使わずに堪能できるタイプのコメディ調学園ホラーですが、ちょっとグロいシーンもあるのでそういうのが苦手な方は注意されたし。

『黒白のアヴェスター』2巻、とらのあなで予約開始

 読むのがもったいないのと先に片付けたい本がわんさかあるせいで未だに1巻を積んだままだが、そろそろ崩した方がええかな……いや3巻くらいまとまってからの方が……ってコレ完結するまで未開封のパターンやな。『図書館戦争』とか、手を伸ばせば届く位置に置いている(比喩じゃなく本当にパソコンから30cm程度の距離にある)のに積み始めてからそろそろ15年が経過します。積読を解消したいのはやまやまだが、自分が10人くらいいないと目処すらつけられない量で、もはや整理する気さえ湧き上がらなくなりつつある。さすがにそろそろ購入は控えた方がいいだろう、と考えつつ山のように出ている咲シリーズの新刊をポチってしまう。私含めて積読家と呼ばれる連中、ぜんいん☆ビョーキ!

「対ありでした。」アニメ化決定、格ゲーに熱中するお嬢様学校の女子たち描く物語(コミックナタリー)

 まだ2巻が出たばかりなのに早いな! お嬢様学校を舞台にした格ゲー漫画で、端的に換言すると「高級『ゲーミングお嬢様』」。一見イロモノのようでいてストレートにアツい作品に仕上がっています。対ありのアニメがヒットすれば『いつかみのれば』も再評価されて奇跡の復活を遂げる可能性も……? そして「ゲームを題材にしたアニメ」のブームが来て『ソリッド・ファイター』『連射王』『スラムオンライン』が銀幕に降臨する――という妄想を活性化してみる。映画館で予告編が流れているとき「劇場版○○」みたいな存在しない記憶のイメージを膨らませるのが好きです。

【期間限定】「いざ鎌倉にさよならを 〜Little Big Tengu〜」開催!

 景清は無事宝具レベル5になりました。聖杯を捧げてレベル100にしたうえ、スキルマも即座に完了。素材の要求が拍子抜けするほど優しかったと申しますか、最終再臨に鬼灯10個が必要なだけであとはみんな既存の素材で賄えたから「私は何のために平安京をあんなに周回したんだ……」って徒労感に襲われたり。鬼灯は伊吹童子が使うしまぁいいかな。イベント開催に合わせて☆3の牛若丸(と弁慶)にもモーション改修&スキル強化(弁慶は宝具強化)が入りましたね。歓喜絶頂です。グラフィックが格段にシュッとしたし、すばしっこく跳ね回るモーションも超カッコイイ。宝具発動時の構えも凝っていて好きです。牛若、やっぱりお前がナンバーワンだ……あとは英霊正装の霊衣さえ実装してくれれば完璧である。

 イベントは生前の遮那王(義経の幼名の一つ)に対する鬱憤を晴らすためカルデアに乗り込んできた鬼一法眼が打ち出の小槌で牛若丸を成長させて叱ろうとしたところ、なぜか霊核にまで影響を及ぼしてしまい、動揺する鬼一法眼から打ち出の小槌を掠め取った「牛若丸」が微小特異点に逃げ込む――という流れで始まります。タイトルからシリアスっぽいイベントを想像していたけど、思ったよりコメディの色合いが強かった。「ハッハッハッ、ハーッハッハッー」と高笑いしながらピョンピョンする景清のSDが可愛らしくてアヴェンジャーみがまるでない。何なの? 邪ンヌといい、アヴェンジャーはFGO界のキュート枠なの? 打ち出の小槌で叩かれたサーヴァントは大人から子供に、子供から大人に見た目が変わる(精神面は変わらない)という「同人誌のネタか?」な設定で二次創作界隈に刺激を与えてきます。水着邪ンヌの体でベタベタ接してくるリリィ、これだけで1冊できてしまうのでは? あと「今年の秋にハロウィンが再来する」と匂わせるシーンもあり、違う意味で緊張感が高まってきた。エリザを超えたエリザがお出ましになるのだろうか。

・拍手レス。

 景清(義経)実装おめでとうございます!イベントマップの高笑いが可愛い。そして牛若のモーション変更も嬉しいですね。個人的には弁慶の宝具カッケェ・・・!ってなりました。
 イベントマップで跳ねる景清可愛いですよね……牛若がモーション変更されたおかげもあって牛若、水着牛若、景清を並べたときの賑やかさが凄まじい。早見天国じゃん。弁慶もカッコ良くなったなぁ。これであとはダビデが改修されたらアポクリファリストラ組全員のモーション変更が完了する。


2021-01-20.

『ひぐらしのなく頃に業』が倉阪鬼一郎の『ブラッド』みたいな展開になっていて驚いた焼津です、こんばんは。アレも事件の真相に迫ろうとしていた刑事たちが乱心して……というようなシーンがありました。

 しかし15話はあまりの高速惨劇ぶりで半ばコメディじみていましたね。なんかもう梨花ちゃまがだんだんメルクリウスに見えてきた。言い難い憤怒と絶望は喜劇に似て、悶え狂うほど笑い転げたあとも残滓(にぱー)が消えなかった……? とにかく手詰まり感が半端ない。ここからどうやってハッピーエンドに向かえばいいのか、途方に暮れてしまう。

 それはさておき、今期のアニメはウマ娘の2期とゆるキャンの2期とのんのんびよりの3期を楽しんでいます。ううむ、見事に続編モノばっかりだ。新シリーズだと『無職転生』かな。連載時期を考えると結構古い作品だから「新シリーズ」扱いすることに多少違和感はある。正直アニメにはあまり期待していなかったのだが、想像以上の高クオリティで驚いた。調べてみると「アニメ化プロジェクトのため新規に制作スタジオを起ち上げた」なんて話まである。本気度の次元が違う。翻って『回復術士のやり直し』は想像通りのKADOKAWAクオリティで逆に安心しました。少なくとも1話目だけだと「オープニングが良かった」くらいの感想しか残らない。『裏世界ピクニック』はアニメ→原作、原作→アニメ、どっちの順番でもいいけどとにかく原作とセットで観ないと面白さが伝わりにくい気がする。細かいことを抜きにして百合アニメとして楽しむのもアリっちゃアリか? 『バック・アロウ』とかまだチェックできていない積みアニメもあって時間が足りない。ラノベ読みながらアニメ観て同時にゲームをやる能力が私にあれば……いや忙しなさ過ぎてイヤだな、それは。

【予告】期間限定イベント「いざ鎌倉にさよならを 〜Little Big Tengu〜」開催予定!

 待ち侘びた鎌倉イベントが遂に到来だ。配布サーヴァントは「鬼一法眼(きいちほうげん)」、義経に兵法を授けたとされる陰陽師です。要は師匠ポジション。個人的には藤木稟の『陰陽師 鬼一法眼』シリーズを思い出すが、あっちは確か「おにいちほうげん」だったな……FGOでは「鬼一法眼=鞍馬天狗」説を採用している模様。そのため法師陰陽師(宮仕えしていない在野の陰陽師)でありながら剣の達人であり、軍略の才能もあり、正体は鞍馬山の天狗という属性盛り過ぎのキャラになっています。しかも女体化しているし。牛若丸が女体化している時点で今更ではありますが。ビジュアルのせいか一部の界隈で対魔忍扱いされていて笑ってしまった。これ女体化していなかったらアマゼロトみたいな見た目になっていたんだろうか。配布では久々のアサシン、しかも割と稀少な全体宝具である。ミッション形式でやや面倒臭い部類のイベントに属するが、戦力が揃っていない初心者は頑張って鬼一っちゃんをゲットすべきだろう。

 しかし特攻鯖。牛若、弁慶あたりはともかくメイヴやクー・フーリン(オルタ)といったケルト勢が出張ってくるのはいったい……フェルグスやスカサハ師匠もいるし。傾向としては「異なる側面」を有するサーヴァントが多い感じですね。槍メドゥーサとゴルゴーンみたいな「見た目年齢の違い」も重視されている? オルタというか、リリィ推し? 「牛若と義経」に相当するキャラを揃えている印象であり、もしかして超久々にフェルグスリリィが登場する流れなのかしら。なにげにグレイも混ざっているから、ウェイバー孔明との絡みを見られる可能性もあるな。ワクワクしてしまうぜ。

 で、ようやくガチャ実装されました、大人牛若。名義は「平景清」になっていますけどイベントのあらすじで「九郎判官義経」と明言されていますから、たぶん再臨で義経化するパターンなんじゃないかな。しなくても「実質義経」と見做す気満々だが。忘れもしませぬ、あれは私がFGOのプレーを開始した2017年1月。チュートリアルガチャで引いたサーヴァントのうちの1騎が牛若丸でありました。最初は「なんだこの露出度」と軽くヒいていたものの、たびたび編成しているうちに愛着が湧いてきてしまい、気が付けば推し鯖のひとりに。☆3にしては宝具威力が高く、キャスターボス戦ではまず負けることのない頼もしい強さ。人理修復の旅路においてもっとも活躍したライダーと申しても過言ではない。勢いで聖杯を捧げそうになったとき、うちのサイトを閲覧している方からこう言われて踏みとどまった記憶があります。「牛若丸は某期間限定イベントで大人になった牛若丸の存在を牛若丸自身の口から示唆されています。(なお偽弁慶いわく胸は育たなかった模様)実装されても限定星5でしょうが、牛若丸に聖杯を捧げるのはそれまで待つのもありかと」 あれから4年、やっと助言の役立つ時が訪れた。

 石は持っていればついつい使ってしまいたくなるのが人情というものである。いつか来るであろう義経に備えたへそくり、通称「Y資金」は聖晶片という形で貯め込んでいました。いつ決心したかさえ記憶が朧げになるくらいの期間を経て我、数千個ものカケラを集めることに成功せり。課金用のマネーも念のため準備し、「いざとなったらコンビニ」の構えで待機しておりまする。もうガチャ日記はやめたから経過を長々と報告するつもりはございません。次回は「全ツッパした結果」だけをお伝えします

・拍手レス。

 祝・九郎判官実装、源氏バンザイ。
 源氏バンザイ。で思い出したけど那須与一が登場するイベントもやってほしいですね。


2021-01-07.

『新感染半島 ファイナル・ステージ』を観てきた焼津です、こんばんは。新年早々ゾンビ映画とは縁起もクソもねぇな。

 『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編で、ダサい邦題を付けられているが原題を直訳すると単に「半島」となる。ちなみに前作は「釜山行き」。ゾンビウイルスの蔓延によって壊滅した韓国、「釜山は安全地帯なので釜山まで行けば助かる」という噂も流れたが、それもまたデマだった。前作ラストから4年、廃墟と化した韓国では街へ潜入して金目の物を漁るトレジャーハンター気取りのならず者どもが跋扈する大匪賊時代に突入していた。誇りなきスカベンジャーの一員として祖国に舞い戻った元軍人の主人公は、武装してゾンビたちと戦う逞しい「現地民」に遭遇し……一言でまとめると「韓国版『マッドマックス』withゾンビ」。人間対ゾンビよりも人間対人間が映画の眼目になっており、「ゾンビのなすりつけ合いでバトルだ!」とホビーアニメ風に叫びかねないムードで派手な集団戦を繰り広げています。ゾンビは数が多いので一頭一頭ヘッドショットしてキルするよりもタゲ管理して明後日の方向に走らせることが重要。ゾンビの群れを誘導してファンネルみたいに敵対者の方へ直行させるの、まるでスポーツか何かを観戦しているような気分に陥る。あと現地民の子供、お姉ちゃんの方のドライビングテクニックが『ワイルドスピード』ばりで笑っちゃう。「ここでドリフト! ゾンビにぶつけて慣性を殺しながら曲がる!」という解説の幻聴まで流れ、さながら『頭文字Z』の趣。主演のカン・ドンウォンもカッコ良かった。設定を引き継いでいるだけでストーリーは繋がってないから前作未履修の方でも安心して楽しめます。

『魔法少女まどか☆マギカ』、10周年記念プロジェクト始動!

 まどマギのTVアニメが放送開始したのは2011年1月7日、つまり今日でちょうど10年になります。あれからもう10年か……時の流れが早すぎる。当時の私はアニメを観る習慣がなく、まどマギも「虚淵玄が全話脚本を手掛けるオリジナルアニメ」でなければスルーしていたかもしれない。虚淵全話脚本のオリアニなんてきっとコレが最初で最後だろう、たぶんファン以外にはあまり話題にならないだろうな……そんなふうに思いながら視聴し始めたのがまるでつい最近のことのようだ。3話目のアレが転機になって、10年経った今でもちょくちょく話題に上る作品となりました。まどマギに触発されたとおぼしき後追い企画のほとんどは軒並み潰えていきましたけどね。今でも生き残っているのって『結城友奈は勇者である』くらい? ともあれまどマギと、あとFate/Zeroやホライゾンの影響ですっかり毎シーズン新作アニメをチェックする習慣がつきました。本数多すぎで削らざるをえない作品が毎回出てくるのが心苦しい。私に余暇と気力がもっとあれば……。

 こんな専用サイトまで用意しているんだから「続編制作決定!」級のビッグニュースが欲しいところだけど、叛逆以降はマギレコを除けばずっと停滞しているような状態だから望み薄かな。そのマギレコにしてもアニメの2期がどうなってんのかよくわかんないし。ニトロプラス繋がりなデモンベイン15周年の「新規書籍企画」に関しても未だに音沙汰ナシだ。「2019年発売予定で進行中!!」に乾いた笑いしか漏れない。ニトロと言えば新作ソシャゲを配信する予定じゃなかったっけ、アレどうなったんだ? と調べたら今年2月まで延期していた。最初は「2020年春」の予定だったのにコロナのせいで秋に延期して、そこから更に再延期した模様。村正関連企画の進捗も聞こえてこないし、足踏みが続くな。

期間限定イベント「復刻:セイバーウォーズ2 〜始まりの宇宙へ〜 ライト版」開催!

 えっ、このタイミングでSW2復刻だって? よ、義経(景清)さんは? そうだ、きっとメンテが明けたら「義経(景清)、サーヴァント・ユニヴァースに緊急参戦!」って告知が出てピックアップが始ま……らなかったですね、はい。これで義経(景清)の実装は最低でも20日までズレ込むことになりました。それまで石と呼符が貯まるからいいじゃないか、と無理に思い込むことにします。義経さんPUの結果を見てから村正チャレンジするかどうか決めるつもりだったのに、これじゃもう義経さん全ツ一択ですわ。迷わなくて済んだ、と前向きに捉えておこう。

 さておき「セイバーウォーズ2」はタイトル通り「セイバーウォーズ」の続編ですが、「セイバーウォーズ」やってなくても特に問題ないと申しますか、ぶっちゃけ「セイバーウォーズ」にはストーリーらしいストーリーなんてあんまりなかった。えっちゃんこと「謎のヒロインX〔オルタ〕」に至っては存在すらしていなかったし。なのでテキトーに行間を読む能力があればいきなりSW2からシナリオを読み始めても大丈夫です。これ単体でひと通り話が完結する仕様になっています。ガワだけ見ると「雑なスターウォーズ(およびダーティペア)のパロ」なのに、なまじ奈須きのこがじきじきにテキストを紡いでいるだけあって話はキチンと面白いんですよね……ピックアップのS(スペース)・イシュタルはNP50獲得スキルを持ったアヴェンジャーというかなり強いユニットであり、スカディシステム全盛期でも評価されていたくらいなので、キャストリアが実装された現在なら更に運用の幅が広がっているんじゃないかと思います。ただ、そろそろバレンタインイベントの時期であり、可愛い新鯖が突如降臨する可能性もあるから石を温存しておくというのも一つの手である。私? 義経さんが来たら石を全部突っ込むつもりなのでバレンタインまで余力を残す気/Zeroですが? 再臨やスキル上げに新素材を使いそうだから先んじて平安京を周回する日々が続いています。SW2も早めに目処をつけて平安京周回へ戻る予定。SW2といえば謎の赤髪ガンマン娘はいったい何だったんだろうな。「本編に登場する予定のキャラをチラ見せしたんだろう」程度にしか考えておらず、さして気に留めていなかったため今の今までスッカリ忘れていた。☆の意匠からしてベル・スタアかしら。出てくるとしたらSW3?

・すえばしけんの『元世界最強な公務員1』読んだ。

 確か新刊情報が出たときのタイトルは『元勇者の公務員はゆっくり暮らしたい』だったかな。例によってなろう小説の書籍化だろう、とさして注意を払わず機械的にチェックして見逃しそうになったが、作者名が「すえばしけん」……だと? 第2回ノベルジャパン大賞(現在のHJ文庫大賞)を受賞した『スクランブル・ウィザード』で2008年にデビュー、今年で14年目を迎えるライトノベル作家ですが、名前を見てピンと来る方はたぶん少ないだろう。何せここ5年近く新刊を出していなかったもんな……映像化するどころか既刊のほとんどは2、3冊程度で終了となっており、お世辞にも「大ヒット作家」とは呼べない状態でした。しかし丁寧な筆致と軽快なテンポで読む者を魅了し、一定のファン層は築いている。私はリアルタイムで読んできたわけではなく『ラエティティア覇竜戦記』からすえばしワールドに入ってきたクチだが、遡る形で『スクランブル・ウィザード』に手を伸ばし、「もっと早くに読んでおけばよかった……!」と後悔するハメに陥りました。ぶっちゃけすえばしけんの本って読んだら面白いんだけど、読む前はあまり「面白そうな感じ」がしないんだよな。アピールが弱くて訴求力に欠けると申しますか。

 さておき5年ぶりの新刊となる本書、副題の「帰還勇者、身分を隠してたのに新人冒険者の世話をすることになりました」でだいたいの内容はわかると思います。ひょんなことから異世界転移して勇者に選ばれ邪竜を打ち倒した主人公が、日本に戻り「平穏な日々を送りたい」とかつて勇者であったことを隠して生活しようとする話です。でも中学生の頃から7年に渡って異世界生活を送ってきたため学歴は空白、バイト以外の仕事にはなかなかありつけない。バイト先が閉店したせいで食い詰めた主人公は、「異世界の知識がある人優遇」という誘い文句に釣られ、市役所の職員として雇用される。現在日本と異世界は互いに行き来が可能になっており、それに伴い「異文化交流」が活発化していた。日本の常識が通用しない向こうの冒険者たちと円滑なコミュニケーションを取って活動支援する、要は「世話役」のポジションを全うせよと求められる主人公。「勇者ノイン」は向こうなら知らぬ者がいないほどの大英雄であるが、異世界に写真はないため実際の顔を知る人間はほとんどいない。身バレ回避しつつ「平穏な暮らし」と「そこそこな高給」の両方をゲットせんとする元勇者、しかしそうは問屋が卸さないのであった。

 すえばしけんは歳の差カップル――「少し幼いヒロイン」と「青年寄りの主人公」って組み合わせが好きなのか、本シリーズもだいたいそんな感じで育成モノの皮を被っています。主人公が世話する冒険者は全員「16歳の少女」ということになっているものの、書類を偽造していて実年齢が12歳の子も混ざっている。表紙で一番おっぱいのデカい子がそう。まだ始まったばかりなのでラブコメ的な進展はなきに等しいが、このまま進んでいけば三角関係や修羅場もあったりする……のかなぁ。柔和な顔つきをしたお嬢様っぽい子が魔物の返り血を浴びてニコニコ笑う戦闘狂だったりと、相変わらずヒロインの造型が趣味全開で頼もしい。エウフェミアちゃんってば他のラノベだったら2巻か3巻の日常シーンに登場して意味深なセリフとともに去っていきラストで「敵サイドの少女だった」と判明するタイプのヤバガールですよ。読み手に配慮して文章を整え展開も練っているのに根本的なところで「俺だ! これが俺なんだ! ザ・俺!」という自己主張が強く、ハマる人とそうでない人との間で微妙な温度差が漂う。それがすえばしけんの作風である。

 流行りに迎合しているようで決して己を曲げない我の強さが吉と出るか凶と出るか。わざわざ「1」とナンバリングしているからには2巻以降も出す方向で調整が進んでいるんだろうけど、実際のところ売れ行き次第でしょうね。「1」と付いているのに2巻が出ないライトノベルはもうこれ以上増えないでほしいものだ。なるべく早めに続編をお願いします。余談。すえばしけんのデビューシリーズ『スクランブル・ウィザード』は個人的に名作だと思っているので「やさぐれた主人公と小学生ヒロイン」の組み合わせがOKな人には是非読んでほしい。全7巻、すべてKindle Unlimitedの対象だから会員ならタダで楽しめますぞ。


2021-01-01.

・あけましておめでとうございます、焼津です。今年もよろしくお願いいたします。

 去年は新型コロナのせいでいろんなことがワヤクチャになって大変な年でしたが、今年もそれが続行な雰囲気で正直暗澹とする。良かった探ししながら騙し騙しやっていくしかないですね……うちは趣味のサイトなのでいつも通りと申しますか特に変わるところはございません。常連の皆様には例年の如くダラダラとお付き合いいただきたい。

TYPE-MOONがおくる伝奇ビジュアルノベル『月姫』がキャストも新生して家庭用ゲーム(PS4・Nintendo Switch)にて2021年夏発売決定!ufotableがアニメを担当する解禁映像も公開!(でもにっしょん)

 あばばばばばば。公式サイトもできとるやん! 発表は年末特番の最後だったけど途轍もないインパクトで意識が吹っ飛んでしまった。『月姫リメイク』、通称「月リメ」が遂に発売される……!? 古参ファンは動揺のあまり右往左往するしかなかった。『月姫』はTYPE-MOONが同人サークル時代に頒布した同人ゲームと申しますか、むしろTYPE-MOONこそが『月姫』を作るために結成されたサークルである。その存在は現在アニメ放送中の『ひぐらしのなく頃に』にも影響を及ぼしています。知恵留美子は『月姫』に登場したキャラ、「シエル先輩」のセルフパロディである「知得留先生」(『月姫』にはバッドエンドを迎えると「どこでミスをしたのか、どうすればバッドエンドを避けられるのか」アドバイスしてくれる「教えて!!知得留先生」というコーナーがあり、こうした配慮と遊び心はタイガー道場としてFateにも受け継がれている)へのオマージュです。元ネタのシエル先輩がカレー好きなので「カレーが大好き」という設定になっている。声優の「折笠富美子」も『真月譚 月姫』でシエル役を演じています。『真月譚 月姫』は2003年に放送されたアニメであり、当時はまだ同人サークルだったせいでTYPE-MOONの発言力も弱くアニメ制作サイドの意向には逆らえず好き放題に改変されてしまった。重度のカレー狂であり基本的に「カレー」と付くものしか食べないシエル先輩が平気な顔でスパゲッティを口にしていた件は未だに語り草である。先述したひぐらしの知恵留美子には「無理矢理食べさせられたことがあるのでスパゲッティが大嫌い」という設定もあります。『ひぐらしのなく頃に解 Character CD〜入江たちの逆襲〜』に収録されたキャラソン「知恵先生のカレーライス音頭」では「カレーうどんはOK、でもカレースパゲッティは邪道、存在自体許せない」といった趣旨の怨嗟が織り込まれている。ちなみに『真月譚 月姫』という佐々木少年のコミカライズ作品もあるが、これはアニメ化に合わせて始まったコミカライズだからタイトルを同じにしているだけで、中身は原作ゲームに準拠しています。ファンが憎んでいる真月譚はあくまでアニメの方であり、コミカライズに関してはむしろ好評。

 『月姫』そのものについて語り出すとメルブラとかも絡んできて長くなるので割愛しますが、「同人時代に出した『月姫』を商業作品としてリメイクする」という話はだいぶ前から出ていました。同人ソフトとしての『月姫』が完成し頒布されたのは2000年12月、なんと今から20年前です。当時は資金も人材も不足しており、背景は実写取込、CGの塗りもグラフィッカーがいないからと原画家の武内崇が一人で行っていたくらいカツカツでした。「いつか作り直したい」という気持ちは制作陣にも根強くあって、2008年にようやく「『月姫』のリメイク作るよ!」という発表が出ました。ええ、2008年、約12年前です。リメイクの発表まで8年、発表から「もうすぐ発売するよ」の告知まで12年、ファンは待ちに待たされて「もう『月姫』のリメイクなんて出ないのでは……?」と疑心暗鬼に陥りかけていました。ようやく「出るよ!」と正式に発表されたわけで、欣喜雀躍するのは至極当然である。さすがに12年も経てば環境も激変してしまい、当初の発表ではプラットフォームが「Windows」だったけど今のところPS4とSwitchのみでPC版の予定はありません。『月姫』は18禁要素が本筋にも関係してくるからなるべくレーティングは維持したい、という気持ちが奈須きのこたちにもあったみたいだけど、もうPCゲーム市場は斜陽に入って久しいため「エロゲーとして『月姫』を出す」のは困難と判断したのだろう。10年前の私なら少しは怒ったかもしれないが現在の私は「仕方ないな」と思ってしまう。それより「えっ、まほよ(『魔法使いの夜』)続編どうなんのよ……」って焦りの方が強い。

 リメイクでキャラデザはいろいろ変わっているが、なにぶんテキスト量の多いゲームなのでノベル形式はそのままです。ウィンドウ形式にしようとしたら書き直しの労力がトンデモない次元に達してしまうもんな。声優のキャストもメルブラや真月譚からは一新されている。メルブラで翡翠の声を演じていた松来未祐が故人になっているため「懐かしのキャスト完全再現」はもともと無理だったとわかっており、私個人としては納得しています。主人公「志貴」は金本涼輔、「アルクェイド」は長谷川育美、「シエル」は本渡楓、「秋葉」は下地紫野、「琥珀」は桑原由気、「翡翠」は市ノ瀬加那といった面子。声優方面は疎いんで、ぶっちゃけ声と名前でピンと来たのは本渡楓だけですね。「そう、私です」のイレイナボイスをちょっと前まで聴いていたせいもある。ゾンビランドサガの続編も4月から始まるし、今年も忙しくなりそうな人だ。金本涼輔はアルデラミンのトルウェイ役とかを演っていたみたいだが、いまいち声のイメージは湧かない。長谷川育美は別名義で有名な人らしいけど、そっちの方もよく知らなかった。下地紫野は『アイカツ!』の大空あかり役を演じていた人か。桑原由気はFGOのガレスちゃん、最近だと『神様になった日』の空(主人公の妹)をやっていた人。市ノ瀬加那はかぐや様のマキちゃん役。全体的に知名度を振り払ったキャスティングで「新しい『月姫』を世に送り出す」意欲に満ち溢れている。6人中3人、実に半数が推し武道のキャストなのは単なる偶然だろうか。発売予定は夏頃。延びる可能性もあるけど、暫定的に7月か8月ぐらいと考えておくとするか。販促もかねてFGOの方で月姫コラボをやるかもしれません。配布☆4志貴、限定☆5アルク、限定☆4シエルあたりか?

 ufotableによるオープニングアニメーションも流れましたが、途中で出てくる死徒みたいな敵、誰? ネロかロアのキャラデザ変更? それともまったくの新キャラ? 見た目もさることながら剣や炎を使う戦闘スタイルがどうしても既存の月姫キャラと重ならない。ロアがいないと月姫の話は成り立たないけどネロは「強敵」を体現する存在であって極論を述べると他の死徒に置き換えてもストーリーにそこまで支障は来さないし、よもやリストラ……? いやネロ・カオスのいない月姫とか「ありえん、あってたまるか!」なんだが。私が月姫にハマったのはネロ戦からなんだぞ! まさか「キャストは一新したい、でもネロ・カオスは中田譲治以外ありえない……じゃあ別の死徒にしよう」って流れか? あと待望のさっちんルートは本当に追加されるの? 枯渇庭園を奈須きのこのテキストで読ませてくれるの? そしてufotableが新作アニメをつくる企画が水面下で進んでいたりしませんか? 鬼滅がヒットしすぎてスケジュールを押さえるのが物凄く大変になっているらしいけど、鬼滅のアニメ化以前から話が進められていたのならあるいは……らっきょ、Fate、月姫がufoで全部アニメ化されている世界線に辿り着ける? 未だに衝撃を飲み干せておらずメダパニ状態が続いているが、今まで「異聞帯で絶賛発売中!」など半ばネタ扱いされてきた「月姫リイメク」が実際的なものとして語れる喜びに痺れる想いでいっぱいです。PS4版とSwitch版、どっち買うか迷ってるけどいっそ両方買っちゃってもいいかな。テレビでノベルゲーやるのはしんどいからPS4版は未開封のまま積むことになりそうだけど、よく考えると月箱だって未開封のままとらのあなの紙袋に仕舞い込んでるし、これまでと変わらない。とにかく今年は救いのある年になりそうだ!

【期間限定】「ニューイヤー2021ピックアップ召喚(日替り)」!

 元旦に千子村正がセイバーとして実装されるというサプライズがあったものの、月リメ告知の爆風で驚きが彼方まで吹っ飛んでいってしまった。無敵貫通スキルと最大NP50即時獲得スキル持ちのアーツ全体剣、去年実装された「伊吹童子」とやや被る設計だが、あっちはバスター宝具だったしキャストリアとの相性は村正の方が上かな。宝具発動時のバフも3ターン継続で累積するから、連射するたびに威力が上がっていく仕組みです。これまで☆5のアーツ全体剣は剣式しかいなかったし、システム適性も高めだから酷使されそうなユニットだ。キャストリアとねぎらい合う二次創作イラストも描かれるだろう。率直に言って私もかなり欲しいが、義経(景清)が早ければ6日、遅くとも8日には来るだろうと睨んでいるからそれまで我慢だ……畜生、なるべく私を誘惑しない正月鯖にしてくれと頼んだのに!

 そしてお正月恒例の福袋、今年は紅白(男女別)です。すべて限定☆5で、確定枠以外のところでもスト限の☆3や☆4が出ますが、水着鯖などの限定☆4は今回含まれていないのでご注意。紅(女性)三騎士の【壱】と【弐】、紅(女性)四騎士の【壱】と【弐】、紅(女性)EXTRAの【壱】と【弐】、白(男性)三騎士、白(男性)四騎士、白(男性)EXTRAの9種類からどれかを選んで回せる。すぐには候補を絞れないので即決せず一旦寝てから考えました。「被る可能性が少ない」という観点からすると白EXTRAがトップで、その次に紅三騎士の【弐】が来る。でも「宝具重なるのもアリだったら」という条件にすると複雑すぎてなかなか決まらない。まず紅と白、どちらを回したいのかよく考えた末「紅で行こう」と選択肢を6つに絞りました。もうすぐ実装される(たぶん)義経は恐らくアヴェンジャーだろうし、EXTRAクラスは個人的にパスでいいかな、と選択肢を4つに絞る。「宝具重なるのもアリ」という条件で検討した結果、最終的に選んだのは紅三騎士の【壱】でした。剣式か沖田さんが重なればまずまずの勝利と見做せる。で、虹回転から登場したのは「伊吹童子」。しかも2枚。超久々に福袋で2枚抜きしました。伊吹ピックアップは義経待機のせいで全然回せなかったから嬉しいです。ただ、こうなると村正ピックアップを狙うべきか否か余計に迷うハメとなってしまったな。村正を欲しがる私の煩悩に「伊吹ちゃんで我慢しなさい」と理性が説教してくる。義経に全ツッパするつもりで構えていたのに「あわよくば村正も」と心が揺らいで定まらない。今年も欲望に振り回される一年となりそうだ。

・FGO以外のアプリについてもザーッと触れていきます。

・まずマギレコこと『マギアレコード』、正月衣裳のいろは&ういが実装されたけどクリスマスの灯花&ねむでほぼ石を使い尽くしたから勝算がなく、まったく回す気が起こらない。アニメの2期もいつ来るのかわかんないし、だんだん熱が冷めてきた感じは正直ありますね。「この魔女は高所から攻撃しないと倒せない、ならば……」と妹の揚げる凧を背に空爆する巫女忍者魔法少女・いろはちゃんの絵面が面白すぎる正月イベントでちょっとテンションを持ち直したが、そろそろログイン頻度が落ちそうな雰囲気。

・メギドこと『メギド72』、これもやる気がだいぶ低減していたけどメインストーリーが盛り上がってきたので少し気力を取り戻した。ストーリー上強敵として出てくるエネミーが本当に強く、攻略法見ないと一番低い難易度でもなかなか突破できないなど、クエスト面の面倒臭さは相変わらずなんでこのモチベがいつまで続くかわからないところはあります。新年ピックアップで待望のヴェルドレも引けて満足した。一方、〆チケ(指名召喚チケット、他のゲームで言う「サプチケ」や「スカチケ」のような有料アイテム)はまだ購入していない。「買いたい」という気持ちがいまいち湧き上がらない。今後プレーを続けるとしても、課金することはもうないかもしれません。新イベント「メギドラルの悲劇の騎士」には新キャラが登場するようなのでちょっと楽しみにはしている。

・ロスフラこと『うたわれるもの ロストフラグ』「誘うは絶峰の頂」という正月イベントを開催中。初日の出を見に行くことになったが、何でも山頂へ到達するには試練を乗り越える必要があるとかないとか……例の四姉妹も引き続き登場します。そしてガチャの渋さでプレーヤーに苦言を呈され続けた結果、御朱印帳というアイテム報酬および☆3確定枠が追加されました。この調子で行けば2周年を迎える頃には天井が付いてるかもしれません。一部のキャラの上限解放も開始される予定で、このままグラブルやプリコネみたいにパワーバランスがどんどん変化していく流れへ突入するのだろうか。それより早く本編を進めてくれ。

・プリコネRこと『プリンセスコネクト!Re:Dive』「新春グルメプリンセス! 一投にかけた乙女たち」というトンチキなイベントを開催中で、いつも通りと言えばいつも通りですが賑やかで楽しいノリです。イベント限定のゲストキャラとして参戦した「カズマサ」があまりにも強いせいで名前を検索しようとすると「人権」って単語がサジェストされる事態に。プリコネは男性プレーヤーを狙い撃ちするためにプレイアブルのキャラは女の子しか出さない(肉体的な性別が♂の子もいるが)方針だったけど、ゲストキャラとはいえもろにおっさんなカズマサが受け入れられている状況から「ラジラジ参戦!」みたいなのもアリと運営が判断するかもしれない。現在はプリフェスでヒヨリ(プリンセス)をピックアップ中、3日にガチャ更新が来て晴れ着ペコリーヌかな。一部で「晴れ着ペコは後半に回して恒常実装」という噂も立っているが。

・スタリラこと『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』、青嵐勢も実装されてメインキャラはひと通りアプリに揃いました。現在は復刻イベント開催中であまり大きな動きはない。私の個人的な目標は聖翔の「舞台少女シリーズ」というユニットを全部揃えることなんですが、ラスト9人目、「舞台少女 神楽ひかり」が未実装のまま年を越してしまってやきもきする日が続く。1月8日が誕生日だからそれに合わせて降臨するのかしら。石がだいぶ貯まってきているものの、天井がないアプリゆえにいくらあっても安心へは至らない。ひかりちゃんと天井がいっぺんに来てくれればこんなに嬉しいことはないんだが……新章「アルカナ・アルカディア」も進行中ながら、1話ずつの細切れ配信なのでちょっとフラストレーションが溜まる。

・グリクロこと『グリザイア クロノスリベリオン』、特段話題にはしていないけど配信日から毎日ログインしてコツコツやってます。グリザイアシリーズに思い入れのある人でも「うーん、これは……」って呻く出来でハッキリ言って他の人には薦めにくい。雄二たち『グリザイアの果実』系キャラだけ年代が違う(続編『ファントムトリガー』は三部作から数年後の設定)という問題を「全員コールドストリープしていた」と力技すぎる展開で押し通すのは笑ってしまったが、肝心の本編がいまひとつ……イベントシナリオも、懐かしいキャラたちの掛け合いが見れる点では嬉しいが、サッと読み通せる程度の分量で声も付いてないから「必読!」と主張できるレベルには達しておらず。一年どころか半年保つかも心配になるな……ストーリーだけ読めればいい派なのでアリーナとかはガン無視してテキトーに一姫を編成しながらオートで攻略しています。ガチャはあんまり回さず育成用の素材を石で買って手持ちを強化させた方が進めやすい。

・あとは今月配信の『アサルトリリィ Last Bullet』(略称「ラスバレ」)もアニメ『アサルトリリィ BOUQUET』の続編ということで気になっているが、さすがにこれ以上増やすのはしんどくて躊躇しています。読みたい本だって山ほどあるし、ほぼガチャしか回していないグラブルも腰を据えてやり込みたい気持ちはある。でも時間と気力が圧倒的に不足している……今年もやっぱりダラダラしているうちに終わりそうな予感。

・拍手レス。

 嘆きの亡霊〜は周りのキャラ濃いけど主人公も大概ネジ外れてて面白いですよね。ティノは強く生きて
 ティノは主人公を振り回すタイプのキャラかと思っていたけどむしろますたぁに振り回されまくっていて笑っちゃった。リィズちゃんのチンピラぶりも好き。シトリーは……うん。


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