2015年3月〜4月


2015-04-25.

「Dies iraeアニメ化プロジェクト」の報せに魂消ている最中の焼津です、こんばんは。

 お、恐れていた事態が遂に……ここ2、3年くらい服部代表や正田崇が思わせぶりな発言をチョコチョコしていましたが、あんなド直球なナチスネタの物語、どうせ立ち消えになるだろうと軽く構えていた。ジョジョですらアニメ化の際に「ナチス」の文言を消すくらいですからね。Diesからナチス関連の用語を消したら話成り立たないですよ。敵の総大将からしてラインハルト・ハイドリヒですし。けどまぁ、やっぱり水面下で動いていたようです。つか、2007年当時「獣殿の槍!」「うしとらか、懐かしいなぁ」とかやってたのに、まさか8年後に『うしおととら』が今更TVアニメ化決定してDiesのアニメ化プロジェクトも動き出すような魔空間に迷い込むことになろうとは……。

 クラウドファンディング方式で、3000万円が集まったら企画始動――だそうです。いえ、その3000万でアニメを作るという話ではなく、既に集まっている資金に上乗せする形というか、「CFで3000万も集まった」という実績で更なる資金集めと制作スタッフの確保をより優位に進める狙いがあるのでは……と想像します。詳しいことは「『Dies irae』アニメ化プロジェクト始動! シリーズ構成・脚本を正田崇氏が担当予定」などをご参考に。しかし、改めて考えるに、「アニメ版Dies」を本当に見たいと自分は思うだろうか? うーん……どうしても、「彼の日こそ怒りの日なり」なビジョンしか目に浮かばない。AAのOPでもアニメはチラッと使われていて、まぁ演出程度なら悪くないな、という具合でしたが理想には遠く及びそうもない雰囲気でした。とにかくやたら設定の細かい話だし、「正田節」と呼ばれるハッタリ満載なテキストが肝なんだし、映像には向かないだろう……というのが何百回ものシミュレーションを繰り返した末の結論でした。そりゃね、私だって大スクリーンで(なぜ劇場化が前提なのかは聞かないでください)首領閣下の翻る鬣を眺めつつ諏訪部ボイスに聞き惚れたいですよ。きーやんがチンピラ感剥き出しでベイ中尉のセリフをまくし立てるところ想像しちゃいますよ。マキナが「ゆりゆららららゆるゆり大事件」をカラオケで熱唱するコラボとか期待せずにはいられませんよ。でも、やはりファーブラで綺麗に完結したんですから……AAくらいは余熱としてOKだとしても、いい加減そろそろそっとしてほしい気持ちも強いです。

 ところでこのプロジェクト、「light15周年記念」という触れ込みである。そうか、『White Angel』からもう15年が経ったのか。こないだ押入れの整理をしていたら“PC Angel”のバックナンバーが出てきて、ちょうどデビュー間もないlightを紹介するコーナーがあった。インタビューに答えていたのは服部代表。元はアニメ関係の仕事で働いていたことを、この時点で既に語っていました。正直、パラロスが出るまでそんなに注目していたメーカーではなかったが、15年も続いているエロゲーブランドってそんなに残ってないですよね、もう。ニトロもタイプムーンもアージュもみんな非エロ方面に活路を見出しちゃっているし、lightもそっちの流れを目指したいのかなぁ。

冒険小説の名手、直木賞作家の船戸与一さん死去

 嗚呼、船戸さんが逝ってしまった……少し前に“満洲国演義”を完結させたばかりなのに。未完にならなかっただけでもありがたいことだが、それでも「寂しい」という念は消えない。「冒険小説」という、若干定義の曖昧な鵺めいたジャンル(国際謀略モノや、一部のハードボイルド、ノワール小説などもここに含まれる)を日本に根付かせた功労者の一人である。冷戦終結後から徐々に下火となっていった業界でもあり、他の冒険作家たちが警察小説や時代小説など他ジャンルに足場を移していく中、あくまで「冒険小説」にこだわり続けていた。それしか書かなかったというわけじゃないが、あくまで根っこに「冒険」の精神を据えていた。

 正直に言ってしまうと、“満洲国演義”みたく超弩級に気合の入った一部作品を除けば最近の小説は「全盛期に比べると……」な出来であった。いくら何でも小説版ゴルゴあたりはオススメできない。私は比較的新しい作品から読み始めて、遡行する形で過去作に手を伸ばしていったから、決して思い出補正とか過去の美化とかではない。ファンだからズバリ書いてしまう。面白い作品とそうでない作品には、雲泥の差があります。個人的に最高傑作だと信じているのは『山猫の夏』。「山猫」の存在感が群を抜いており、物語に籠められた熱気の量も段違いである。「冒険小説とか、そういうスケールが大きくて荒唐無稽なフィクションはちょっと」という方には『新宿・夏の死』がオススメ。冒険色の薄い現代劇です。読み応えのある分厚い本が多く、軽い気持ちで着手するには向かないかもしれませんが、「アタリ」さえ引けば極上の時間を提供してくれる。何冊か読むうちに「ぐすっと笑う」とか独特の表現に馴染んで船戸ワールドの住人となること請け合い。慣れてくると「アタリ」以外も楽しめるようになりますから、最終的にはきっと片っ端から読み通すことになるでしょう。願わくば、もっともっと新作を待ち続けていたかった……合掌。

ToHeartとかいうギャルゲー界のレジェンドwww(2次元に捉われない)

 なぜか広告に京本政樹を起用していた伝説のギャルゲーです。プレイステーションは変なCMが多かったから、当時はあんま気にしてなかった。私もコレがキッカケでギャルゲ・エロゲの冥府魔道に堕ちたクチです(厳密に書けばアニメ版の『ToHeart』が真のキッカケだが、PS版をプレーしたことで本格的にハマったことは確かだ)。原作のPC版が1997年発売ですから、再来年にはもう20周年が来ちゃうんですよね……想像しただけで気絶しそう。

 今やると解像度は低いし、画面全体を暗くして目一杯テキストを表示する「ノベル形式」も新規ユーザーには馴染みにくいだろう。現在は画面下部にいわゆる「メッセージウィンドウ」を作ってそこにテキストを表示する形式が主流となっているが、「このやり方では文章が一度に2、3行程度しか表示できず、どうしてもブツ切りになってしまう」ということから一部のテキスト主体ゲームでは画面全体を表示枠とする「ノベル形式」が採用された。文字が読み取れるよう画面の明度を下げねばならず、またテキストがCGに重なって見辛くなってしまうことから徐々に廃れていった方式である。それでもレイルソフトなど、一部のブランドではこれに近い形式を使い続けています。中にはノベル形式とメッセージウィンドウ形式の折衷みたいなスタイルもある、正田ゲーとか。あれの走りは『二重影』あたりかな……って、脱線してしまった。話題を東鳩に戻そう。当時はどうということのなかったマップ移動形式も、今のユーザーにとっては面倒臭いだろうか? 一応解説しておきますと、「マップ移動形式」というのは画面に校内や町内の見取り図(マップ)を表示して「主人公を次にどこへ移動させるか」を選択させる、ごく伝統的なゲームシステムです。これもだいぶ減ったけど、「廃れた」というほどではなくまだちょくちょく見かける。現在は「ここに移動するとこの子がいますよ」と教えてくれる親切設計が当たり前になっていますが、昔はまったくのノーヒントで、「○月×日に△△へ行くと誰それに出会える」みたいなことをいちいちユーザーがメモしないといけない……なんてことも珍しくなかった。『ToHeart』のPC版も確かそうだったはず。改めて振り返ると、シナリオとは関係ない部分でやたら手間や時間が掛かって面倒臭い時代ではあった。でも、だからこそ通常のゲームと同じく「攻略」という用語が流通していたわけで、あの面倒臭さが少々懐かしくもある。

 正直、もっぺん『ToHeart』を頭からやり直して虚心に楽しめるかと聞かれたら「全力で頷くぜ!」と言い切る自信はない。でも、溢れ出る懐かしさで結局楽しんじゃうだろうな、とは思います。パロゲーの『既知街』やっただけでも懐かしさでテンション上がりましたからね……ストーリーだけ追うとパッとしない部分やバラつきの目立つ部分もありますが、やはり『ToHeart』の魅力は「雑多なキャラクターたちが一つの世界に溶け合わず混在していて、なのに見事なほど調和が取れている」というごった煮感。複数ライター制であることが全然ネックになっていない。当時メチャクチャ流行っていた二次創作も視野から外せない気はします。「セリオの鞄」とか、夢中になって読み耽ったよなぁ。セリオが好きになったのは、あのへんのSSに拠るところが大きい。シナリオやストーリーよりも、キャラや世界にドップリ浸かれる。一種のシェアワールドみたいなノリを作り出すことに成功していました。東方やアイマス、艦これ等の二次創作を「公式は公式、二次は二次」と割り切って楽しめるのは、私の場合「東鳩の二次創作を浴びるほど味わったから」だと表現しても過言ではない。

Waffleの新作『巨乳ファンタジー デジタルノベライズ版』、6月26日発売予定

 「デジタルノベライズって何だ?」と首を傾げる方もおられるでしょうが、順を追って説明していこう。まず『巨乳ファンタジー』というのは2009年に発売されたエロゲーであり、騎士学校で万年最下位だった「リュート」というエロくてポジティブな主人公が棚ボタ式にどんどん出世していく、なんちゃって成り上がりストーリーというかお気楽立志伝なファンタジーです。バカバカしいタイトルのせいでただのヌキゲーと認識している人も多いみたいだが、シナリオの評判は高く、関連作が山ほど出ている。シナリオを担当したライターは「鏡裕之」、巨乳好きとして有名であり、「怒りの庭」という用語を生み出した存在でもあった。現在はライトノベル方面でも活躍中で、『高1ですが異世界で城主はじめました』シリーズを展開しています。

 さて、前述した通り『巨乳ファンタジー』には関連作が多い。発売順に並べていくと『巨乳魔女』『巨乳ファンタジー外伝』『巨乳ファンタジー2』『巨乳ファンタジー外伝2』『巨乳ファンタジー2 if』の5つ。非常にゴチャゴチャしており、「無印をやり終わった後にどれへ手を伸ばせばいいのかわからない」と困惑する新規ユーザーも少なくないだろう。だが、これらは大雑把に分類するとたった2つにまとめられる。「主人公がリュートの作品」とそれ以外の作品、です。ナンバリングされているせいで『巨乳ファンタジー2』が『巨乳ファンタジー』の正統続編みたいな印象を受けますが、後日談的な意味合いでの続編は『巨乳ファンタジー外伝』の方。前作から1年半後が舞台であり、ここから更に5年が経過して「リュート3部作」の完結編に当たる『巨乳ファンタジー外伝2』へと繋がる。要約しますと、

(主人公がリュートの作品) 『巨乳ファンタジー』→『巨乳ファンタジー外伝』→『巨乳ファンタジー外伝2』

 こうなる。『巨乳ファンタジー2』はむしろ無印よりも前の時代を描く過去編で、『ロードス島戦記』に対する『ロードス島伝説』みたいな位置づけだ。主人公は「ルイン」に変更となっている。『巨乳ファンタジー2 if』は2の設定を一部変更したうえでシナリオを書き直し、CGを大幅に追加したリメイク版であり、主人公ルインの設定が「ぶっちぎりの最下位」から「弁舌だけはトップ」に差し替えられていたりする。『巨乳魔女』はタイトルに「ファンタジー」を冠していない唯一の関連作であり、“巨乳シリーズ”と表記した場合には含まれるが、“巨乳ファンタジーシリーズ”だと除外されてしまう鬼子のようなポジション。『巨乳ファンタジー』から数百年後の遠い未来、「21世紀の現代」が舞台で一応設定はリンクしているらしいのだが、当たり前のように雰囲気はガラッと一新されている。主人公は「辺出トモル」。作中の時系列順に並べると、

 『巨乳ファンタジー2』(ルイン)&『巨乳ファンタジー2 if』(ルイン)→『巨乳ファンタジー』(リュート)→『巨乳ファンタジー外伝』(リュート)→『巨乳ファンタジー外伝2』(リュート)→『巨乳魔女』(トモル)

 こうなる。「つまり、主人公で分類すれば簡単じゃん」と呟いて結論としたくなるところだが、“巨乳シリーズ”の本当にややこしいところはここから。実は“巨乳シリーズ”、6作品全部がノベライズ済で「パラダイム」という出版社から発売されている。こういうエロゲーを小説化する場合、ほとんどのパターンでは原作と異なるライターを起用して書かせる(そのせいでファンがガッカリする出来に仕上がる)ものだが、“巨乳シリーズ”はなんと鏡裕之本人がすべてのノベライズを手掛けている。『巨乳ファンタジー2 if』のみ全3巻で、他は上下2巻だから全13冊。媒体が違う関係もあって原作ゲームとは別のストーリーになっており、こちらもこちらで評価が高い。で、やっと話題が冒頭の「デジタルノベライズって何だ?」に戻る。そう、もともとエロゲーとして発売された『巨乳ファンタジー』のノベライズをライター本人が手掛け、アナザーストーリーとして受け容れられた「小説版『巨乳ファンタジー』」――それをふたたびゲーム形式に仕立て直す試みが『巨乳ファンタジー デジタルノベライズ版』なのです。雑誌か何かに番外編小説として発表したエピソードをデジタル化してFDに収録、みたいなことは他所でもよくやっていますよね。ただし、今回デジタルノベライズされる作品は「リュート3部作」のみであって、『巨乳魔女』『巨乳ファンタジー2』『巨乳ファンタジー2 if』の小説版は含まれていない。というか、『巨乳ファンタジー2』に関してはもう既にデジタルノベライズ版が出ています。確か、2ifのオフィシャル通販購入特典として付いてきたんだっけ。今回もオフィ通限定で『巨乳ファンタジー2 if』のデジタルノベライズ版が同梱されているセットを発売するそうだ。

 てなわけで、『巨乳ファンタジー』の関連作はゲーム6本と小説13冊とデジタルノベライズ3種、計22個が存在することになり、今からコレクションしようとすると果てしなく疲れる。省エネしたい人は、とりあえず『巨乳ファンタジー デジタルノベライズ版』か、5月に出る『巨乳ファンタジー 破格版』(要するに廉価版)、あるいは現時点で最新作の『巨乳ファンタジー2 if』を購入してみて、興味が湧いたら他にも手を出す……くらいの感覚でいいと思います。タイトルのバカバカしさで埋もれ気味になっている『巨乳ファンタジー』、これを機会にファン層が拡大することを願う。そしてそろそろ『巨乳ファンタジー3』の情報を……。

・拍手レス。

 宇宙戦艦ヤマト2199といい、夜ノヤッターマンといい、ガンダム・ジ・オリジンといい、そしてデビルマンのリメイクといい、なんだかアニメ業界自体が70〜80年代にタイムスリップしてるんじゃないのかと思いたくなりますね。恐らく漫画版の内容をやるのでしょうけれど、下手をすればイスラム教の方々から「キリスト教の終末論ばっかり贔屓しやがって、許せん!」と理不尽なクレームを言われたりしないか心配ですね。
 「そもそも描き始めた時点ではハルマゲドンすら知らなかった」という原作者の言葉を引用すれば解決。どう見ても黙示録ストーリーなのに、聖書知識ゼロでせいぜい『天地創造』くらいしか観てなかったという豪ちゃんマジで凄まじい。

 2ヶ月に1度のペースで本屋で交わす会話。店員「文庫のカバーお掛けしますか?」私「ハヤカワだけど、大丈夫?」
 早川の文庫本、たまに新書コーナーに差している本屋を見かけます。

 私の友人の一人は最近のリバイバルアニメ化ブームについてこう語っていましたね。――つまり、当時はただの読者か視聴者だった若者が、今では自分達が昔夢中になった作品のアニメ化に携わってるってことだな――と。
 「お偉いさんの決裁が通りやすいから」というのはよく言われますね。リバイバル自体は嫌いじゃないけど、「する意味あるのか?」って企画まで通されるのは……。

 船戸与一先生も亡くなられたそうで……。知った作者さんが亡くなるのは堪えるなぁ。山猫の夏は今でも珠玉の冒険小説だと思ってます。
 何冊か読んで「船戸与一の作風にも慣れてきたかな」というタイミングで『山猫の夏』に出会い、こめかみを撃ち抜かれました。「自分はまだまだ船戸さんのことを全然知っていなかったんだ!」と改めて惚れ直した次第です。


2015-04-18.

最後の無頼派作家 白川道さん死去 夕刊フジで8年半エッセー「俺ひとり」連載

 ええっ!? し、信じられない。だって、先月新刊(『神様が降りてくる』)出したばかりじゃないですか。69歳なんて、まだまだ書ける年齢だろうに……喪失感がひどい。

 手掛けた小説のジャンルは、「ハードボイルド」ってことになるのかな。自身の経験をもとに、バブル時代の壮絶な仕手戦を描いた『流星たちの宴』でデビュー。ハードボイルドと言うにはややリリカルなタッチの文章で、場面によってはポエミーでさえある。そこを「クサい」と見るか「端整」と見るかで評価が変わってきます。もちろん私にとっては後者でした。ドラマ化、映画化など他メディア展開された作品もいくつかありますが、最近だと『病葉流れて』がコミカライズされていますね。「最近」と言っても、もう3年くらい前ですが。『病葉流れて』(タイトルは「わくらばながれて」と読む)はデビュー作『流星たちの宴』と同じ「梨田雅之」を主人公にしているが、続編というわけではない。むしろ前日譚(プリクエル)に当たる。『流星たちの宴』の作中で37歳だった梨田の大学生時代から始まる青春連作であり、『朽ちた花びら』『崩れる日なにおもう』で一旦3部作として完結しました。その後、『身を捨ててこそ』で「新・病葉流れて」シリーズとして復活。梨田の辿った軌跡を描き出してくれるものと期待していたのだが……残念です。「新作を出すたびに売上が減っていく」とボヤいていた通り出版不況の荒波に逆らえるほど凄まじい人気があった小説家というわけではないし、「作品自体どんどん劣化してきている」と厳しく評するファンもいましたが、それでも末永く読み続けたい作家の一人ではあった。合掌。

『デビルマン』新作アニメーション始動!アニメ制作はアクタス!(萌えオタニュース速報)

 実写版はアレとしても、1972年開始のTVアニメ版、1987年開始のOVA版、2000年のAMONと既に3つもアニメ版が制作されているので正直「またか……」な気がしないでもない。どんなジャンルも不況になってくるとリバイバル物が増える、という法則がありますけど、アニメ界もちょうどそんな雰囲気だ。ドラゴンボールの新作とかやっていたりするし。詳しい情報はまだありませんが、告知の仕方から察するに劇場版でしょうか? 映画の方がTVシリーズよりも規制は緩めになる傾向がありますから、「画面がブラックホールばかりで何が何だかわからないよ」という惨状は避けられるはず。でも期待できるかと言われると、うーん……なにぶん、原作が40年以上前の漫画ですので、原作のカラーを活かしつつ現代の観客にもウケるような作品を作るのは難しいと思います。内容としては『寄生獣』や『東京喰種』にも連なる「人間(被捕食者)と人間でないもの(捕食者)の淡い境界」が端的に描かれており、本質は古びていない。しかし、「原作を直接読めばいいじゃないか」というのが率直な感想である。70年代から80年代に掛けて花開いた「伝奇バイオレンス」のルーツに当たる作品の一つでもあるので、実写版のことはとりあえず忘れて原作漫画に目を通しましょう。実は全5巻でそんなに長くない(その5冊を1冊にまとめた『愛蔵版 デビルマン』なんてのもある)し、怯むことはないです。

・拍手レス。

 ログホラの作者が脱税で告発された事件は僕も朝のニュースを見てびっくりしました。ログホラのアニメは今Eテレの深夜枠で再放送されているというのに……。アニメはファンからも評判が良いのに、どうなってしまうのか心配です。
 関係者が不祥事を起こしたアニメ、というと『エイトマン』を思い出す。原作漫画の作画を担当していた人が銃刀法違反で捕まって、原作は打ち切りになってしまいました。ログホラ、どうなっちゃうんでしょうね……。


2015-04-13.

「海法さんは別名でニトロプラスの塵骸魔京のシナリオを書いていて、うちとは10年以上のお付き合い」

 「海法紀光=夜刀史朗」が遂に公式認定。噂は早い段階からあったけど、10年経ってようやく大っぴらにできるようになったのか。ファミ通文庫から出ていた海法の『ファンタスティカ・オブ・ナイン』および『ライダーズ・オブ・ダークネス』、この二つはやっぱりライター本人による正式ノベライズ(内容はスピンオフというか本編に実装できなかった牧本美佐絵ルートだが)だったんですね。あとがきでは別人のフリして寄稿する細かい芸までやっていたが……まぁ、おるごぅるとおぅんごぅるみたいなものか。『塵骸魔京』は本来6つくらいのルートを用意するはずだったのに、思ったよりも制作が進まなくて半分の3ルートで妥協したとも囁かれている。決して短いわけではなく、3ルートだけでも攻略に30時間は掛かります。共通パートがほとんどない作り(これが予定よりも制作の進まなかった一因ではないかと思う)なので、もし6ルートすべて実装していたらプレー時間は60時間近くに昇っただろう。牧本美佐絵はノベライズで補完されたが、残りのふたり、主人公の妹・九門恵と「わだつみの民」の女王・奇綿津見玄比賣命(本編中にはこの名前すら出てこない、スタッフロールにのみ表示)についてはノー救済でフィニッシュしました。特に恵は「心臓がない」という主人公の根幹設定に深く関わる重要ヒロインだったのに……『塵骸魔京』、ハロワやデモベ、スマガや村正など他のニトロ大作に比べて話題になることは少ない(カルネヴァーレよりは多い?)ソフトだが、決して悪い出来じゃあないんです。ただ、どうにも「惜しい」と感じる部分が多い。イグニスとか、今見てもちょう魅力的なキャラクターなんだけども。気になった方は発売当時に私が書いた感想文もついでに読んでやってください。

小説家「橙乃ままれ」告発=3000万円脱税容疑―東京国税局

 えええー。単純にびっくらこいた。「3年間で得た使用料約1億2000万円を全く申告せず」って、すごいな。デビューしたばかりの作家は税金のことなんかまったく考えていない人がほとんどだから、売れた後で大いに苦しむことになる……というのは定番行事と化していますが、「経済」をストーリーの柱にしている作家がまさか法人税のことを知らなかったことはないはず。多忙で面倒臭かったのか、人任せにしていて関知してなかったのか。謎である。とりあえず、ヒットを飛ばしているライトノベル作家の具体的な収入額がわかった点は興味深かった。

エロゲ史上で一番の当たり年は何年なの?(2次元に捉われない)

 私にとっては俺翼、バルスカ、マジ恋、村正、Dies完全版(ファーブラ)の5つが重なった2009年こそが至高でしたが、YU-NOと鬼畜王と下級生と雫と痕が重なった1996年、車輪とパルフェとイマとあやかしびととSWAN SONGとつよきすとひめしょと刃鳴散らすが重なった2005年も奇跡の当たり年だったと言える。層の厚さでは2000年〜2001年がWindows時代における最強シーズンかな。「Winエロゲのカンブリア爆発」とも呼ばれており、『Phantom』『AIR』『月姫』『果てしなく青い、この空の下で…。』『銀色』『二重影』『螺旋回廊』『奴隷市場』『Lien』『sense off』『ELYSION』(ここまで2000年)『君が望む永遠』『家族計画』『吸血殲鬼ヴェドゴニア』『大悪司』『秋桜の空に』『月陽炎』『Crescendo』『グリーングリーン』(ここまで2001年)などが一斉に花開き、まこと枚挙に暇がない。中古ショップにおける高額プレミアソフトの定番『書淫、或いは失われた夢の物語。』は2000年だし、怪作として名高い『さよならを教えて』は2001年。今や語られることも少なくなったが、当時はパロネタ乱舞でユーザー一同を抱腹絶倒させた『Rumble』も2000年である。ただ、この時期はシステムというかゲームエンジンが貧弱極まりなく、現代のユーザーがプレーすると「不便すぎ!」ってイライラして到底ゲームを楽しむどころではないでしょう。設定を細かく弄れないことなんて当たり前。セーブ&ロードすら自由にできなかったり、バックログさえ付いてなかったり。また、フルボイスが標準化するのはもうちょっと先のことですから、「エロゲなのになんでヒロインが喋らないの……?」と虚しくなるソフトもあるかもしれない。でもやっぱり、タイトルを見ているだけでワクワクしますねぇ。確実に気持ちが若返る。極論、思い出が育めるならいつだって当たり年ですよ。

・拍手レス。

 グッジョブ!
 センキュー!

 本屋で陳列されてる本を眺めてたらふと目に付いた「腐らんす日記」。表紙には原作:大清水さち。思わず二度見した。そんなツインシグナル世代
 懐かしいなー、ツインシグナル。あれで「オラトリオ」という単語を覚えました。同じ時期にハマっていた漫画として『BREAK-AGE』があるけど、今確認したら設定年代が2007年……とっくに過去やん……未だに私の中では「未来の世界」なのに。眩暈がします。

 藤原ここあ先生のあまりにも早すぎる死のニュースは、あまりにも突然過ぎて、今でも信じられません。せっかく連載されてた作品も面白くなってきたところだったのに…。今後のガンガンJOKERがどうなるかが心配です。「夏のあらし!」や「黄昏乙女×アムネジア」「プラナスガール」がずいぶんと前に連載終了して、残る看板作品は「ヤンデレ彼女」しかありませんからね。近いうちに休刊となるんしわゃないかと、不安です……。
 ガンガンJOKERは『戦國ストレイズ』も完結したみたいですね。『EIGHTH』『アラクニド』『賭ケグルイ』『魔女に与える鉄鎚』『恨み来、恋、恨み恋。』など、個人的に好きな作品はちょこちょこあるんだけど「安泰」とは言い難いか……。

 UBW2期が始まりましたね。相変わらずの高品質に加えて、微妙に入ってるオリジナルがまた秀逸で・・・こういう作品ばかりならば、何も考えずに全身全霊で楽しめばいいだけなんですが。
 バーサーカーとギルガメッシュが睨み合うシーンでテンションMAX。「アニメで観たかったFate」が見事に実現されて本望ですわ。


2015-04-08.

・歯が痛くなって歯科に行ったら「親知らずだね」で速攻抜歯された焼津です、こんばんは。

 麻酔が効いていたおかげで痛みもなく抜けたけど、結構深くしっかりと生えていたせいか歯科医はえらく苦労された御様子だった。「ちょっと休憩」と中座するくらい。それでも30分足らずで抜けたから、予想よりもあっさりとではあった。抜歯後の痛みや腫れも思ったほどではなく、経過は順調。しかし、親知らずは今後も何度か抜くハメになることがあるかもしれず、ちょっと暗澹たる気持ちにもなった。

【訃報】漫画家の藤原ここあ先生がご逝去 『妖狐×僕SS』『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』など(萌えオタニュース速報)

 ニュースの意味が呑み込めなくて何度も記事を読み返してしまった。あまりにも突然な訃報に頭が付いていかない。一応『dear』(リンク先は新装版)の頃から知っていた漫画家ではあったが、ハマったのは『妖狐×僕SS』から。アニメ化決定の発表があった際は喜びつつも、内心「ファンが納得できるモノに仕上がるだろうか?」と不安でした。蓋を開けてみれば杞憂もいいところでしたけど。新連載の『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』もゆるゆると盛り上がっている最中で、まだまだこれからだったのに……信じられない、という気持ちが強い。31歳だなんて、若すぎるじゃないですか! もう虚無感しか湧かない。生前の業績に対して素直に感謝できるようになるまで、もうしばらく掛かりそうです。

・拍手レス。

 ドリフのアニメ化が来ましたね〜・・・ヘルシングの事もあって素直には喜べないんですが、ヒラコー御大については数少ない尊敬できる漫画家の一人なんで、こういう企画が来ること自体は本当に嬉しいですね。
 最近、良くも悪くも、同じ70年代産まれの作家の躍進が著しいのが本当に嬉しいです。

 菊地秀行や夢枕獏の直撃世代ですね。みな多かれ少なかれ伝奇の仔。

 ヘルシングのTVアニメ、原作に沿って展開していた前半はとてもよかったんですけどね……
 「野沢那智がもったいない」の評を聞いて、結局PVしか観てないです。

 ファフナー13話、わりと普通に終わっちゃいましたね・・・これであと3ヶ月待つのは辛い。なんか、凄い生殺し状態ですね・・・
 予知能力系の力は誰かが発現するとは思ってましたが、カノンがこれとは、実は最悪の割り振りだと思うのは自分だけでしょうか・・・咲良の能力も、実は予想通りだったんですが、これの代償が俺の予想通りだとマジヤバいですね。つか、冲方さんは普段は予想の斜め上を行ってくれてるのに、当たって欲しくない予想に限って尽く的中させてきますからね・・・2クール目も全く油断出来ない。
 とはいえ、再開がメチャ楽しみで、今からたまんないですね。冲方さんは「ばいばいアース」を手に取った時に即買いして以来のファンで、唯一ある物は常にハードカバーで買ってる作家さんですが、改めて凄みを感じてます。ホント、こういう人は長生きして、出来るだけたくさん書いて欲しいですよ。
 とりあえず、2015年の冬は濃密でしたね・・・こういうのは些か疲れますが。でも、このレベルで良い作品が出続けてくれれば至福なんですけどね。

 かつては自分の身の振り方すら迷ったカノンちゃんが、島全体の未来を左右するような決断を迫られることになりそうだなんて……これはもう「運命に脅迫されている」としか言いようがない。冲方は命削ってるとしか思えない仕事量の多さで毎年ヒヤヒヤさせてくれるけど、ホント末永く楽しませてほしいものですよ。ピルグリムイェーガーの農民戦争篇もまだ諦めてないです。

 戦闘妖精雪風は、前半の好きなエピソード(天田少尉とか、トマホークジョンとか)が削除されてたり劣化されてたりと、色々と残念だったところに「たすけて!メイヴちゃん」やられて激怒した記憶がありますんで。あと、801の姐さん方に言いたいんですが、零とブッカーで妄想するのやめて・・・マジで心が痛いから。
 個人的にスーパーシルフは良かったと思いますけど・・・ただ、やっぱり横山版のイメージが強くて、あんまりしっくりとは来ないんですけどね。フライトシムやりたいために黒箱買ったのも良い思い出ですね・・・これと女神転生NINEのために、黒い巨体が今でも部屋に鎮座してますが。

 たすけて!メイヴちゃん……うう、せっかく忘れていた記憶の古傷が疼く。

 いぬぼくの藤原ここあ先生が亡くなられたそうで。若くしての急逝なので事故という説もありますが、ともあれ残念でなりません……凛々蝶様は今でもマイフェイバリットヒロインの1人です
 私も凛々蝶様に一発で惚れて、そのままズブズブと行ったクチです。初音姉様といい、黒ストレートロングにはホント弱い。それにしてもまだ信じられない気持ちでいっぱいです。


2015-03-29.

・オダワラハコネと桐月の黄金コンビによる新作『花の野に咲くうたかたの』、思わずスタッフ買いしてしまった(FDを除けば二人がコンビを組むのは『黄昏のシンセミア』以来で、およそ5年ぶり)けれど、やり込む時間はないな……まぁとりあえずインストールだけ済ませとこうか、ついでに動作確認もしておこう……と起動し、開始数分で物の見事に引き込まれた焼津です、こんばんは。

 凡庸を通り越して陳腐な形容になりますが、とにかく「雰囲気が好い」。最近は集中力もめっきりと落ちて長時間に渡るプレーが辛くなった身ですが、いやぁ、それでもやっぱりエロゲーって楽しいですね。フルカラーの絵とBGMとボイスがあって、感覚的には「ほとんど動きのないアニメ=電脳紙芝居」なんですけれど、自分の好きなペースで進行を制御できる部分は漫画やライトノベルにも通じる。改めて、エロゲーというのは「イイとこ取り」に成功しているジャンルなんだな、と感じました。黙々と一つの世界にドップリ浸かれる、稀有な体験。なんだかんだでまだまだ卒業できないだろうな、と痛感することしきり。『姉小路直子と銀色の死神』も一緒に購入したので、時間を見つけてチマチマと「エロゲーの春」を堪能していきたい。

『ドリフターズ』アニメ化進行中キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!(萌えオタニュース速報)

 公式サイトも出来てる。『ヘルシング』のTVアニメ版は散々な出来だったらしい(私は観ていない)ので、やっぱりTVはやめてほしいかな。OVAでゆっくりと丁寧に制作していってほしい。原作もまだそんなに進んでないですからね、『ドリフターズ』。連載開始から既に6年近く経つけど、単行本は去年にやっと4巻が発売されたところ。織田信長など「とうに死を遂げたはずの」歴史的有名人物たちが異世界に召喚され、漂流者(ドリフターズ)と廃棄物(エンズ)の二大勢力に分かれて戦うという、Fateというか『ワールドヒーローズ』みたいなノリの戦記ファンタジーです。主人公に当たる人物は「島津豊久」、史実では関ヶ原の戦いで亡くなったとされる武将だが、信長とか他のメンツに比べるとややマイナーかもしれない。それでも読者から「妖怪首おいてけ」の愛称で親しまれるくらい凄まじいインパクトを発揮しており、貫録負けなど一切していない。最新刊には「薩奸死すべし」な新撰組鬼の副長「土方歳三」が登場したりして、毎回「次はどんな有名人物が出てくるのだろう」という楽しさもあるが、同時に「収拾がつくのか、これ」とヒヤヒヤする部分もあります。明らかに『ヘルシング』のときより物語のスケールがデカくなっている。完結まであと20年は掛かるんじゃないか、この漫画……。

・拍手レス。

 代償キター・・・とっくに人間止めてるから、最初から同化抑制薬は必要ありません、とか、もうね。久々のほのぼの日常回だと思ってほっこりしていたら、やっぱり冲方さんはそんな甘い男じゃなかった・・・>ファフナー11話
 裸の姉ちゃん召喚に、生身でテレポにバリア、コーヒー牛乳同化とか、ギャグかと思ってたら、里奈ちゃんが着々と甲洋化が進んでて、マジで背筋に怖気が走った・・・
 なんというか、人間のままでは勝てないし死んじゃうから人間やめればいいじゃない、とか、織姫ちゃんマジで外道・・・ゴスロリでさきいか食っててほのぼのしてた矢先にこれかよwww
 最後の予告の「ち」だけが赤いところとか、次回も悪い予感しかしねぇ・・・これ、絶対に冲方さんの仕業だろw

 ゆっくりと持ち上げてから一気に叩き落とす直下型ブレーンバスターのような11話でした。コメディっぽく描いていたぶん、最後に来るショックがデカかったですね。そして湯船の中から出てくるゴウバインのヘルメットにしみじみ。

 どうも、デウス落ちが来たみたいですね・・・ま、クランカインが出た時点でこうなると思ってましたが。ま、実際にこういうのをやられると、視聴する側としては苦笑するしかないですけど>アルドノア23話
 ま、次回がどうなるのかは知った話ではないですが、女王になるのはレムリナで、姫は地球でイナホとキャッキャウフフとかいう結末だったら、文字通り最低ですけどね。ま、そこまで製作スタッフが馬鹿の集団ではないと思いたいですが。

 クランカインとの遣り取りで「あ、この二人は恋愛感情なくても利害関係でくっつきそうだな」という雰囲気は感じたし、展開そのものは不自然じゃなかったですね……終わり間際でこれかよ、感はありますが。

 銀英伝のアニメ化については、自分は全く期待してません。実力の無い三流クリエイターの自己顕示欲発露の道具にされて潰れるのがオチだと思います。かの戦闘妖精雪風ですらあんな劣化版にしてのけた、別の意味での稀有な才能に溢れた不愉快な集団ですからね、今のアニメ製作の現場の人たちは。本当に気概のある人たちならば、過去の名作の尻馬に乗った仕事はせず、それを目標に新しい自分たちの世代のものを作ろうとする筈ですよ。銀英伝は既に終息し完成された過去の名作であって、今更新たに手を加える様なところがあるとは思えませんよ。古いものに敬意を払って遠ざけ、そっとしておくことも時には必要だと思います。
 戦闘妖精雪風……ありましたね、スッカリ忘れていました。銀英伝は、まぁ若い視聴者が興味持って原作に手を伸ばしてくれたらそれはそれでヨシとすべきか。アルスラーンも漫画化から新たに読者層が広がったみたいですし。

 もう、何も言葉が出ませんね・・・同じ最低アニメなら、ここまで潔く最低を極めてくれた方が、いっそ清々しいくらいですな。今回も腹の皮がよじれるくらい大笑いさせてもらいましたよ>クロスアンジュ24話
 しかし・・・1話を見た時はモンテクリスト伯みたいな陰謀劇や復讐劇を期待してたのが嘘みたいですな。福田はやっぱりガンダムみたいな真面目さが要求される作品をやるべきではなかったんですな。ま、わりと描いているテーマは深いものがありますけどね。わりと、そういうのをすっとばしても純粋にギャグアニメとして楽しめるからいいんですが。

 「本編はイイのに予告が台無し」とか思っていた頃が懐かしい。テーマは汲み取りたい人が汲み取ればいい、とばかりに娯楽色全開で行ってくれるからエキサイトしつつも疲れないで観ることができます。

 それはそうと、最終話を目前にして、Gレコは在庫処分を一斉に始めましたよ。登場人物が一斉に血迷いだして、死亡フラグを乱立させながら死んでます。正直、「またこれか・・・」という気分ですが。
 観てないですが「皆殺しのトミノ」が発動しそうだと評判みたいですね。

 そもそも分割2クールは、2000年代に問題となっていた、新作アニメ乱発の影響による制作スタッフの奪い合いを防ぐために考え出された苦肉の策ですからね。分割2クール体制は時代の流れだから仕方がないですけど、個人的には分けるなら分けるでもう少し丁寧に話を作ってほしいと感じます。
 有能なスタッフほど仕事をいくつも掛け持ちしているそうですから、分割しても多忙さがそんなに変わらなくて話作りへ労力が割けないのかもしれませんね。

 いや、なんか、自分的にはアセイラムが実はラスボスなんじゃないかとさえ思えてきましたよ・・・姫は帝国に対する愛は口にするけど、民に対する愛を口にしたことありましたっけ?>アルドノア
 OPでイナホとスレインが同じ方向に向かって手を伸ばしているのは、暴君の本性を現した姫を二人して止めてるシーンの様に思えてきた・・・考えすぎですかね?

 アセイラム姫は「民を愛している」という部分より「争い事を嫌っている」という部分が強調されてしまったヒロインだな、とは思いました。火星サイドって、基本的に主戦派しか出てきませんからね。


2015-03-15.

・なんとなく面白そうだと思って手を伸ばした『異世界食堂1』が実際に面白くて満悦の焼津です、こんばんは。

 言うなれば「ファンタジー版『孤独のグルメ』」。いや、あまり「孤独」ではない(団体客のエピソードもある)のだが、淡々とした筆致で大衆料理を美味しそうに食べる様子を描いており、相通ずるものはあるかと。タイトルは「異世界食堂」ながら主な舞台は現代日本の洋食屋。週に一度、土曜日だけ店の扉が異世界に繋がり、そこから様々な客が訪れる。客の事情は様々だけど、店に来て注文し、メンチカツやエビフライ、カレーライスやパフェなどに舌鼓を打つ流れはだいたい固定されています。料理漫画のように、基本は「ただ味わって食すだけ」です。こちらではごくありふれた食べ物であっても、「向こう」にとっては比類なき御馳走……みたいな表現は「異世界を行き来するフィクション」のお約束と言えますが、ひたすらそれに特化した作品というのは珍しい。一編一編が十数ページと短く、軽食のようにサクッと楽しめます。異世界食堂について何も知らないまま物凄い空腹を抱えてたまたま来店する者もあれば、先代の店長がいた頃から通っている常連客もおり、基本パターンは一緒でもそれぞれの事情に変化を施すことで飽きさせない。なぜ店が異世界と繋がっているのか? などの謎はうっちゃって料理描写に専念しているため「一冊全体のストーリー」を求める人にとっては少々物足りないかもしれない。あるエピソードのメイン人物が別のエピソードにもチラッと出てきたりするような「くすぐり」は用意されているので、通して読むとニヤッとする箇所はチラホラあるのですが、何かの時間潰しにちょっとずつ読み進める形式でも充分堪能できるでしょう。「最近集中力が続かなくて、長大な物語を読むのは疲れるな……」という方にもオススメ。

『アイドルマスター シンデレラガールズ』4月10日まで1stシーズン放送、2ndシーズンは7月より放送!4月と10月はアイマスを再放送(萌えオタニュース速報)

 連続2クールとは明言していなかったけど、放送前でなく放送中に発表したことを考えると急遽延期が決まったような匂いがプンプンと漂う……確かにところどころで制作サイドの苦しさが滲む部分はあったし、いきなり特別番組が始まったりして「これ間に合わなかったんだろうな」と察せられ、スタッフに対する同情や労りの心も芽生えたが、毎週楽しみにしている一視聴者としてはただただ残念。それにしても最近のアニメって分割2クールがスッカリ常態化しましたね。「連続2クールよりもスケジュールに余裕ができる」とはいえ、いよいよ制作本数の過大化による業界の疲弊が目立ってきたかな、という気がしないでもない。それはそれとしてデレアニ最新話の第9話、幸子や杏が大活躍していて興奮しました。サンユキ好きなだけにユッキのアニメデビューにも感動。

・拍手レス。

 「冴えカノ」は
 すみません誤送信してしまいました。 「冴えカノ」原作は、途中まで某香奈子さんや某カトレアを思い起こさせるということもあって詩羽先輩や英梨々寄りの視点で読んでましたけど、最近は何だかんだで加藤を応援している自分に気が付いて、やっぱり丸戸さんはうまいなぁと改めて感じましたね

 私はどうしても詩羽先輩に肩入れしてしまいますが、それでも可能性の獣と化した加藤に勝てるビジョンは思い浮かばないです。

 冴えカノの売り上げが良かったら、冴えカノ二期よりホワルバ2大学編を期待してしまう、、丸戸のコネでノイタミナ枠で出来たなら社会人編まで作れると思うんですがねぇ。
 そういえばホワルパ2のアニメもシリーズ構成と脚本を丸戸本人がやったみたいですね。原作を先にしようと思った結果、アニメはスルーしてしまいました。

 6話で終わってしまったのは惜しいですね……次の7・8話が序盤のヤマ場なので>555 あのケータイ変身は当時憧れましたねー
 パラロスも気になるし、そのうちレンタルで続き観ようと思います。ケータイ変身、恰好イイけど手順が多くて「焦って失敗したりしないか」というハラハラ感が。

 関西人の言ってる事がいちいち正論過ぎてぐうの音も出ねぇwww とりあえず、今回も神だったっす>BFT22話
 トライオン3が皆の待ち望んだ勇者過ぎて、主人公補正ゆえの敗退が本当に辛い・・・

 あれ絶対トライオン3の方を応援させるつもりで作ってますよね。細かいギミックがいちいち恰好よかった。大番狂わせはないだろうな、と思いつつちょっぴり期待しちゃったり。

 れすとあ 先日主題歌のメロディをふと思い出し七転八倒しながら作品を確定しました サックリあねさんを殺したりした 思い出深い作品です
 あねさんのアレは確か固定イベントでしたね。何回も見せられて気が滅入った記憶が……。

 あああ、悪い予測ばっか当たるぅぅぅ・・・街壊滅とミール復元は予測してたけど、ミツヒロ闇堕ちフラグも予想通りだけど、もしかして住民全滅するのか? 殺るのか? 殺るんですね、冲方さん・・・全て予想通りですw>ファフナー10話
 しかし・・・くだらないだの、劣化エヴァンゲリオンだの、さんざんな評価の山野辺脚本ですが、あれはあれでよかったのかも知れませんね。正直、胃が持ちませんわ。今回も、分割で本当に良かった・・・これが2クール連続だと思うとゾッとしますわ。あと3話、がんばって最後まで視聴するぞ

 山野辺脚本は前半が情報の詰め込みになっちゃってるので初見時辛かったですね。そのぶん、感情を比較的フラットにできる部分もありましたが……うぶちんはとにかく感情を揺さぶりに来るので、辛くはないけど消耗します。

  アルドノアは余程の無茶をやらない限りは、あと3話では終わらないでしょうね。自分が19話見た後で「あ、これはダメだな」と思ったのは、無理矢理2クールで終息させるか「続きは劇場版で」をやるかのどちらかだと確信したからです。3クールか4クール目が有るならば、残された膨大な伏線が回収される余地も有るんですが、後3話では到底書ききれる量ではないですから。
 未だ、火星のことを全くといって良いほど描かれてはいないし、なぜ皇帝があんな封建制度を造ったのか、そもそもアルドノアとは何なのか、全くと言って良いほど何も書かれてはいない。最終話の最後で第二部の製作の報が来ない限りは「だめだ、こりゃ」状態で待機ですね、自分個人としては。
 劇場版やるだけでは到底きちんとは終われないでしょうしね。「グラドスの刻印」「デウス落ち」「シズマ落ち」「フォーグラー博士の遺言」「劣化ゼロレクイエム」「胸像エンド」「俺たちの戦いはこれからだ」など、数多の打ち切りフラグが渦巻いてる状況ですから。もう、こういうオチはカンベンして欲しいですよ・・・

 火星での生活が具体的にどんなものか、よくわからないままここまで来ちゃいましたね。そこまで描こうとしたらますます収拾がつかなくなっただろうけど。銀英伝並みの話数があれば道筋をつけられた可能性はあるかも。そういえば銀英伝、再アニメ化の話があったっけ。あっちもあっちでどうなるんだろ。

 終わりそうに無い、といえばGレコもそうなんですけどね・・・本当に、あと2話か3話では終わりそうも無い。というか、どう見ても全4クールの中盤の展開なんですよね・・・アニメ業界にスケジュール詐欺でも流行ってるんですかね。もう、なにがなんだか・・・
 Gレコはもう途中で集中力が途切れちゃって脱落しました。スケジュールと言えば、シンデレラガールズのアニメもヤバそうですね。1話の仕上がりが群を抜いて素晴らしかっただけに、以降の息切れ感は何というかすさまじいものが。

 今回も大笑いでしたなw まさに福田が野に放たれた獣状態で・・・なんか、いっぱい人が死んでるのに、ファフナーと違って全然悲壮感が無いとか、もうね>アンジュ23話
 でも、あと2回で終わるのが本当に悲しい・・・正直、酷すぎる話なんですが、こういうのも悪くはない、ということでしょうか。

 クロアンは集中力がほどけた状態で観ててもそれなりに付いていけるところが嬉しい。娯楽作品であることを常に忘れないあたり、監督のバランス感覚が冴えているかと。


2015-03-10.

・「冴えカノ」という略称がしっくり来るけど「冴えヒロ」ってのも流通しているらしい『冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた』、アニメ版と原作小説を並行して進めている焼津です、こんばんは。

 『冴えない彼女の育てかた』の原作は2012年にスタート、今年の夏で3周年となる。作者はエロゲーのシナリオライターとして有名な丸戸史明(まると・ふみあき)、代表作は『パルフェ』『この青空に約束を―』『WHITE ALBUM2』など。「昭和のドラマみたいな熱の篭もった、良い意味で古臭いノリ」が特徴である。このシリーズは初のライトノベル作品であり、「暑苦しいくらい熱意に溢れたオタク少年が、付き合いのいいお人好しな女の子たちを引っ張り込んで同人ゲーム制作を開始する」という「創作」をテーマにした青春ラブコメになっています。タイトルでなんとなく『マイ・フェア・レディ』『ピグマリオン』みたいな淑女矯正ロマンスを想像してしまうが、「冴えない少女を自分好みのヒロインに改造する」ことが主目的ではなく、「冴えない少女をインスピレーションの源泉にする」ことが要点となっている。つまり、メインヒロインの加藤恵は特に手を加えるまでもなく登場した時点で既にサークルの看板娘を務める充分な素質が備わっており、あとは他のメンバーが主人公を介してその魅力に対する理解を深めるだけ……という仕組み。対象の化粧とかファッションとかは弄らず、見る側の意識を改革するのみ。比喩的に言うと、「どこが面白いのかよくわからない作品」の楽しめるポイントを、熱心に推してくるファンの丁寧な解説を経ることでちょっとずつ「あ、なるほど」と発見できていくような感覚です。育成要素も皆無ではないが、「育てかた」より「見つけかた」が重視されている。

 アニメは結構大胆にシナリオを弄っていて、大まかな流れは一緒だが個々のシーンはだいぶ改変されている。本編からエピソードを削ったり、番外編からネタを引っ張ってきたり。アニメ向きの箇所とそうでない箇所を選別し、うまくアレンジを加えてきているので「アニメスタッフ、なかなか有能だな」と感心していたら何てことはない、シリーズ構成と全話脚本の担当が丸戸本人だった。そりゃ原作の要点を理解しているのも当たり前だわ……丸戸のテキストはもともと小説よりもシナリオ向きだし、アニメ化されて声を付けられたことでようやく冴えカノが作品として完成した気もします。正直、1巻を読み終わった時点では「びみょー」という評価でしたが、2巻、3巻と巻を重ねるにつれ面白くなっていった。4巻でやっと「ハマった」という実感を得られました。プロジェクトが暗礁に乗り上げる5巻、「盲従は忠義ではない。諫して死すことを知れ、グレイハン!」という『復活の地』のセリフが脳裏をよぎった。確か『ショコラ』をやったしばらく後に読んだんだよな……なんとなく記憶が連結しています。ヤバイ業界裏話(あくまで噂と言い置いているが)もポロッとこぼれて、ついつい「餓弄伝」(田中ロミオが山田一時代の思い出をもとにして執筆した物書きバカ一代記、未完)の続きが読みたくなってくる。あと「『太陽の子』まだー?」とも言いたくなってくる。

 今のペースだと、アニメはたぶん4巻を消化して終わりでしょうね。ラストシーンを無理矢理冬コミに持っていけば、1クールで終わらせられないこともない。原作だと冬コミが始まるのは6巻です。物語のピークはその次の7巻で、何ならコレを最終巻にしてもおかしくないぐらいの盛り上がりでしたが、まぁアニメ放送中に完結する可能性は薄いし、もし仮に完結してたんなら絶対「堂々完結!」って謳っているはずなんで「丸戸特有の焦らしだろうな」と頭の片隅で冷静に判断してしまった。位置づけとしてはあくまで「第一部・完」であり、普通に8巻も出るみたいです。アニメも是非ここらへんを映像化してほしいけど、分割2クールでもない限り難しいだろうな……最終回は「むしろここからが本番だろうに!」と歯噛みしつつ迎えることになりそう。

「ゆるゆり」TVアニメ第3期の制作決定!キービジュアルも公開(コミックナタリー)

 「来ないかも……」と弱気になっていたが、遂に来たか。これは嬉しい。それにしても、『ゆるゆり』ってアニメ化されたのはちょっと前という認識だったけど、1期が2011年の夏ってことはもう4年近く経っているのか……当時はすごかったですね。『ゆるゆり』って隔月刊誌(元は季刊誌)に連載している漫画なのに、アニメ化に合わせて「単行本3ヶ月連続刊行」なんていう週刊連載でもなかなかやれない狂った真似をしでかしたんですよ。どうやってそんなことを可能にしたのかというと、7巻目は全編描き下ろしだったという……その後も10巻特装版に110ページくらい描き下ろした10.5巻を付けるなど、なもり伝説は留まる事を知らない。あとがきによると、なもりはペン入れしながら他のことを考えられるレアタレントの持ち主みたいで、それが仕事量を増やせる一因になっているらしい。『ゆるゆり』自体はタイトル通り本当にゆる〜いノリの百合漫画、というかきらら系の日常モノみたいな気安い調子で、特に百合属性を持たない人でも馴染みやすい。ストーリーと呼べるものも存在しないから、サザエさんみたいな感覚でいきなり3期から観始めてもOKだと思います。1期も2期もOVAも観ていない、という人でも気楽にどうぞ。

 しかし、「シナリオ」の欄にしれっと深見真が混ざっていて笑う。『PSYCHO-PASS』のイメージが強い人にとっては意外だろうし、「地雷作家」の汚名を着せられた富士ミス時代しか知らない人にとっては「アイエエエ!?フカミ!?フカミナンデ!?」でしょうが、『ヤングガン・カルナバル』の同性愛描写が秀逸だったということで意外と百合方面から人気が伸びたんですよ。そのへんの感じは原作を担当したコミック『ちょっとかわいいアイアンメイデン』を読むと把握しやすいかもしれません。深見が本領を発揮すると『がちゆり』どころか『ガチレズ』になりそうですが「ゆるゆりの世界観はなもり先生のものなので、自分はそれに合わせていくだけです」と語っており、あかりの腹筋がシックスパックになったりとか、ごらく部がいつの間にか拷問部や暗殺部になったりとか、綾乃が「発禁ファッキンジャップよ!」と叫んで「ファッキンジャップくらいわかるよ馬鹿野郎」と京子に射殺されたりとかはない模様だ。どうでもいいけど、この「ファッキンジャップくらいわかるよ馬鹿野郎」という『BROTHER』ネタを本当に使った百合ラノベが実在します。『やってきたよ、ドルイドさん!』ってのがそれなんで、興味がある方はどうぞ。

そろそろ忘れ去られてるエロゲ(2次元に捉われない)

 忘れ去られているというか「あー、あったなー、そんなソフト」ってエロゲーを何本か思い出してみよう。まず一本目、『れすとあ』。2003年にD.O.から発売された青春モノです。百合エロゲー『その花びらにくちづけを』で有名な(てか、最近はライトノベルのイラストレーターとして認識されつつある)ぺこも原画家として参加している……どころか、これが商業デビュー作だったみたいだ。シナリオは北側寒囲、最近はすっかり「AXLのライター」と化している人ですが、D.O.時代にも結構な本数をこなしていたんですよ。『プレミアムアーカイブス 北側寒囲』なんてものが売り出されるくらい。『れすとあ』は父親の過労死をキッカケとして幼い頃に過ごした懐かしい街へふたたび引っ越し、従妹や幼なじみと再会する……という、大枠自体はごくありふれた学園ストーリー。特徴は、父親の遺品である(と言っても十数年間ずっとほったらかしだった)バイクを修理(レストア)することで亡き父との失われた絆も修復する、ってのが物語の基底を成していること。バイクに関してまったく興味を抱いていなかった主人公が、地道なレストア作業を通じて父親の青春時代と対話するような感覚を味わっていく。ほぼ一本道ながらシナリオ展開は非常に長期間に及び、なんと主人公が入学してから卒業するまでの3年間が描かれます。さすがに飛ばし飛ばしで、いきなり1ヶ月が経過したりするものの、「時間の流れ」をキチンと織り込んだおかげでレストアを終えて走り出したバイクを目にしたときの感動がより一層深まる仕組みになっています。反面で恋愛色は薄く、どのヒロインを選んでも展開がほとんど変わらないのはエロゲーとしてイマイチだったかな。肝心の濡れ場も精液の質感がシェービングクリームみたいで気持ち悪かったし。が、男キャラの比率が高く「賑やかで騒々しくて楽しい部活」の雰囲気がシナリオ全体に滲み出しているところは良かったですね。「最近のラノベやアニメやエロゲーは不自然なくらい女キャラの比率が高くて馴染めない」と嘆く方にオススメ。声が付いていないのが寂しいけれど、そのぶんサクサクとプレーできます。

 それから『てのひらを、たいように』。これも2003年ですね。今は亡きブランド「Clear」にとって4本目のソフトに当たる。この後はファンディスクとリニューアル版しか出していないから、実質最後のソフトみたいなものです。略称は「てのたい」、もしくは「ひらたい」。原画家のおーじは九十九電機のマスコット「つくもたん」のキャラデザを手掛けた人としても知られている。シナリオは秋津環と冬雀のふたり。秋津環はねこねこソフトやコットンソフトでシナリオを書き続け、冬雀はClochetteで『スズノネセブン!』や『カミカゼ☆エクスプローラー!』に参加していたが、ふたりとも最近どうしているかは知らないな……『てのひらを、たいように』は二部構成のストーリーで、前半部に当たる「てのひらを、」編と後半部「たいように」編、それぞれで主要陣が異なっている。一種の「ダブル主人公制」だ。担当は冬雀がてのひら編で秋津環がたいよう編だったかな。「さとり」の末裔とされる少女、夏森永久(なつのもり・とわ)を巡って町ぐるみでドタバタする伝奇モノであり、「てのひら編」は永久を守るために主人公たちが結束する友情ストーリー、「たいよう編」は永久たちから離れたところで町の伝承を探っていく補完的なエピソードです。このゲーム、冒頭で主人公やヒロインたちが陰湿なイジメの被害に遭っており、のっけから気が重たくなります。永久との再会を経て徐々に友情を復旧させていくのですが、その永久が本気で殺されそうになるなど、爽やか感動路線に見せかけて意外と陰惨なエロゲーである。伝奇部分は正直「うーん」だけど、ヒロインのキャラが活き活きとしているおかげもあって楽しめました。ヒロインに魅了されすぎて二次創作のSSも書いた気がするけどたぶん気のせいだ、うん。知らない、「さとりの里」とかけて「まとりのSAT」などというふざけたタイトルを付けたSSなんて知らない。忘れ去った。ちなみに夏森永久のCVを演じた声優は蕩けるボイスで有名な「まきいづみ」。ぶっちゃけ初めて永久の声を聴いたときは「うわっ、なんて下手な声優なんだ!」とビックリしたが、数時間後には骨の髄まで蕩かされてウットリしてしまった。ホンマあの人のお声は洗脳に最適やでぇ。

 最後はこの一本、『うそ×モテ 〜うそんこモテモテーション〜』。忘れ去られる以前にそもそもろくに認識されていなかったのでは、という疑惑がある。2002年のソフトだが、原画を確認して驚いた方もおられるだろう。なんと漫画家の「北河トウタ」だ。北河さんがエロゲーの原画を手掛けたのは後にも先にもこれ一本である。あまりにもプレーヤーが少なかったせいか、開設して間もなかったうちのサイトの掲示板(そういうものを置いていた時代もあったのだ……)へ北河さん自らコメントを残していってくれた。立ち絵はなかなか要領が掴めなくて苦労したそうです。『うそ×モテ』はサバ缶の中から出てきた妖精のおかげで「モテモテになりたい」という願いは叶ったものの、代償としてウソ――心にもない言葉――しか口にできなくなってしまった、という変種のコメディエロゲー。ヤりたい盛りの主人公は歯の浮くようなセリフを並べ立てることで無理矢理ヒロインとエッチできるシチュエーションに持っていく。文字通りのヤりたい放題で、エロゲーとしては圧倒的に正しいコンセプトである。しかし相手を本気で好きになってしまうと、ウソしか吐けない体質のせいで好意や真意を伝えることができなくなり、苦しむ。エロとコメディ、そしてほんのちょっぴりのシリアスを配合することに成功した奇跡的な佳品なのだが、見事に埋もれてしまった。STUDIOねこぱんちを締め括った最後の一本でもある。シナリオライターの千籐まさとはこの後にも『Ricotte〜アルペンブルの歌姫〜』という名作を担当します。最初の選択肢によって主人公の性格が180°変わるという異色のシステムが搭載されていた。片方のシナリオでは奥手なピアニストと声を失った歌姫がやっとの末に結ばれる感動的なシナリオが紡がれているのに、もう一方では「ロリコンピアニストが少女のアナルを弄って突き指」という噴飯物の展開が用意されている。凄まじいインパクトゆえに「アナルで突き指」が『Ricotte』の代名詞と化していた時期もありました。その後、千籐まさとの名前を見かけることはなくなったが、「名義を変えただけ」との噂もある。一時期「実は○○が千籐まさとらしい」と囁かれたものの、結局それを裏付ける決定的な証拠は出てこなかった。

・拍手レス。

 レイセンも完結しましたねー。けっこう評価は分かれてるようですが、どうでした?
 まだ読んでないです。今やっと『ミスマルカ興国物語 エックス』に取り掛かったところで、まだまだ着手には遠そう。

 龍騎ですか・・・個人的には、平成ライダーの中で一番面白かった、と思うのは自分だけでしょうか。一番仮面ライダーらしくない話なんですけどね。自分は響鬼も好きなんで、そういう意味では平成に仮面ライダーらしさを求めてない、とも言えますけど。
 私は鎧武観るまで平成ライダーにほとんど興味がなかったので「らしさ」に関してはわかりませんが、50話一気に観れる面白さはすごいと思いました。

 とりあえず、自分は超合金魂にディオスクリアが出てきてさえくれれば、もうアルドノアはいいや、って気分です。もう少しロボに話を振って欲しかったし、メロドラマがエグすぎるのもちょっと・・・不自然にイナホを持ち上げてスレインを落とす展開も、なんかギアスの後半みたいで・・・
 ギアス後半は毎回サプライズを仕掛けようとして話が混迷していったのに対し、今のアルドノアは広げた風呂敷を畳むために展開が強引になってきている印象。終わり良ければ、を狙っている感じ。

 リーバスシリーズもコナンの巻末あたりで紹介してくれればいいんですがねぇ。海外ミステリーファンとしては、海外ミステリードラマを日本吹き替えでゴールデンタイムに流してくれれば、それなりの視聴率もとれると思うのですが、、
 ケーブルの専門チャンネル等が充実しているぶん、マニアにとって恵まれた時代ではあるんですけども、今後は縮小する未来しか見えなくて暗澹としますね。

 そういえば555は観ましたか?個人的に一番好きなシリースなので感想が気になります!
 6話までは観ましたけど、それ以降は視聴期限が来ちゃって……出だしに関しては龍騎より面白いな、と思いました。

 そら、きた。先々週のスレイン劣化、先週のレムリナ劣化、そして今回のアセイラム劣化。これで次週辺りにアセイラムやレムリナがスレインをボロカスにけなす展開入れれば完璧ですね。超絶駄作への道へまっしぐら>アルドノア21話
 おっと、考え方によってはイナホも劣化してますね・・・「増殖する大集団を滅ぼすには、一撃で全滅させればいい(キリッ)」とか、もうね。やろうと思ってもそれが出来ないのが軍団戦でしょ、もう・・・

 「一撃で全滅させる」「一撃……?」「そう、全軍を掌握して」「一撃で……」「これがボクの分析と作戦。機械仕掛けの伊奈帆(イナホ・エクス・マキナ)、幕引きの一撃だ」

 なんというか・・・今回は本来、感動すべきシーンなんだけど、今までのネタのおかげで、どういうオチが来るのか期待していたら、何のオチも無くて普通にいい話で終わっちゃいましたね・・・>アンジュ22話
 ま、ご都合主義ではありますが、モモカとタスクが生きてて本当に良かった。
 はっきり言って、全体的にはマジで酷い展開なんですけどね・・・既にギャグアニメとして見てるのか、何故か許せてしまいますね

 こっちはまだ21話ですけど、「あれ絶対に生きてるパターンだな」としか思わなかったです。クロアン、面白いことは面白いけど、エンブリヲが何でもあり過ぎてやや盛り上がりに欠けるかな。

 一騎、本当に寝るなよ・・・つか、マジカルステッキとか、ルガーランスを何だと思ってるんだwww 相変わらず代償が重そうな展開で何より。エメリーとアイちゃん、今回は死なずに済んだけど、俺たちの冲方さんのことだから後でもっと惨たらしい殺し方で殺るんだろうな、と、今からワクテカしてますw>ファフナー9話
 しかし、ザインとニヒト、本当にかっこよかった・・・普通のアニメなら、どう考えても最終話間近の展開なのが、逆に不吉過ぎて大変よろしいです。
 1クール目の最終話みたいな盛り上がりが9話目に来ちゃって、大丈夫なのかコレ……と思いつつヒートアップしました。気円斬(ワームスフィアの応用)を速攻でパクるニヒトさんがマジ外道で楽しかった。

 途中で構想がふくらんだのか、最初から劇場版までつくるつもりなのかわからないけどあと3話で終わるのかアルドノア。個人的にはアニメの企画というよりハヤカワJAあたりの企画の方が世界観にあってた気がするんだよね。尺があるアニメでは無理があると思う。もったいない。
 2クール目のストーリーは手探りで作っている感じがビンビンに伝わってきますね……伊奈帆とスレインが銃を向け合うシーンで終わって「遂に訪れる、決着の時! 劇場版『アルドノア・ゼロ 火星ロボ大決戦!』、ふたりの結末は映画館にて!」とかいうのだけは勘弁していただきたい。

 もはや言葉も出ないEXODUS9話。いやあ、7話で最高の演出と戦闘を魅せてくれたというのに、さらに凄まじいものを魅せてもらえるとは。ニコニコ一挙配信から4年半しか追ってない自分でもこの感動なのだから、リアルタイムで一期から追っていた人にとっては感無量でしょうね。
 時間を忘れる面白さでしたね。「新次元戦闘」ならぬ「超次元戦闘」と称されるのもむべなるかな。一期は途中までリアルタイムで観てましたけど、冲方脚本へ切り換わる前に追うのやめちゃって、未だにそれを後悔しています。というか、ホント最初からうぶちんが全話脚本書いてればよかったのに。


2015-03-04.

・来月にリーバス警部(既に定年で「補助捜査員」らしいけど)シリーズの新刊が出ると知ってテンション上がった焼津です、こんばんは。

 え? リーバス警部のシリーズって完結したんじゃなかったか? と一瞬面食らったものの、そういえば英語版Wikipediaに新シリーズ「警部補マルコム・フォックス」の3作目からリーバスも出てくるようなこと書いてあったな、と思い出しました。リーバス警部シリーズはイアン・ランキンの代表シリーズであり、これまでに長編17作といくつかの短編が書かれているが、日本では人気作を重点的に翻訳していった&販売方針がコロコロ変わったせいで刊行順も版型もバラバラ、しかもシリーズの途中(3作目から6作目までの4つ)が未翻訳のままというコレクター泣かせの仕様である。途中までは感想文を書いていたので、この際まとめて載せておこう。我ながらメチャクチャな順番で読んでるな……いきなり『血に問えば』から読み出すとか、あまりオススメできないコースだ。初めての場合は『血の流れるままに』『黒と青』から着手するのがベターです。

 リーバスシリーズの魅力は何と言っても主人公ジョン・リーバスのキャラクターです。独断専行の一匹狼タイプで、上の指示に従わず突っ走る――って書くと何やらマッチョでハードボイルドなダーティハリーめいたイメージが浮かびますが、実のところ全然そんなことはない。こいつホントいろいろと情けなくて「もう、しょうがないなぁ、ジョンは」と苦笑しちゃう。

 リーバスだって若いころには無茶をした。ある女の子に捨てられたとき、その子の両親に電話して、彼女が妊娠していると告げたものだ。あきれたことに、セックスすらしていなかったのに。

 武勇伝と見せかけて純然たる黒歴史の暴露! 刑事としては有能でも人間としてはダメダメなんですよね。事件の最中にあることが起こって突然錯乱したりもする。読んでるうちにだんだん「一個のキャラ」というより「一人の人間」のように感じられていく。「生きることの意義を考えようとするが、若いころの悲惨な陸軍の経験、失敗に終わった結婚、父親としても友人としても恋人としても失格者だった自分を思ううちに、最後は涙があふれてくる」と過去を振り返って打ちのめされる様子にこちらまで泣きたくなっている。自由時間が嫌いで日曜日の休みも疎ましい、と述懐するほどのワーカホリックであり、警察官として働いている間だけ生の実感を得られる彼の姿が非常に切ない。ヴァランダー警部が好きな人だったら一発でハマると思います。ドラマ化もされているらしい(未見です)けど、知名度がなかなか上がらずもどかしい。早くブレイクして翻訳されていない初期作も次々と刊行される日が来てほしいものだ。

火災で失った喫茶店ファミーユをもう一度、戯画『パルフェ』発売10周年(それなんてえrg`・ω・´))

 そうか、今月で『パルフェ』無印発売から10年になるのか……どうしよう、全然実感が湧かない。とりあえず当時書いた感想文へのリンクを張っておきます。10年前の日記読み返して思い出したけど、『ゆのはな』とか『幼なじみな彼女』も同日発売だったんだな。「この人(丸戸史明)が書く一つ一つのシーン、一つ一つの遣り取り、それらをひっくるめて構成されるシチュエーションはあくまで理詰めで無駄がなく、非常にスマートな印象があって好きです。とはいえ理詰め過ぎてベタベタなわざとらしさが鼻に付く部分もありますし、基本的に地味な作風なので、儲化するまでには至っておりませぬ」と書いてある通り、実のところ私はそこまで熱狂的な丸戸ファンではない。しかし、そんな私にとっても『パルフェ』は別格だったな、としみじみ思います。里伽子シナリオで若干難を感じる部分はあったし、「この人が○○というのはさすがに無理があるのでは?」と首を傾げるところもあったが、それらを帳消しにして余りある魅力に満ち溢れていた。具体的には股間から謎の白い液体を垂らしつつヤクザキックかます玲愛とか。「すげえ! ここは絶対移植できないだろ!」と感動しました。エロとシナリオが分離しておらず、ちゃんとキャラの魅力に上乗せされる形で描かれているあたり、地味にポイント高い。グラフィック面は時代の流れを如実に表してしまっているが、シナリオ面はたぶん今やっても古びていないと思います。Vita版も先日発売したみたいなので、「聞いたことあるけどプレーしたことはない」って人はこの機会にどうでしょう。もしハマったら前作(といってもストーリー上の繋がりはあんまない)『ショコラ』もやることをオススメ。特に『冴えない彼女の育てかた』の霞ヶ丘詩羽が好きな方は秋島香奈子目当てでやるといい。ある意味、原型と言えなくもない……か? 私は香奈子好きだから詩羽先輩を見る目についバイアスが掛かってしまう。

 ちなみに。当時『パルフェ』の感想で「それにしても里伽子を見ていると、ある言葉が浮かんできます」と書いており、ネタバレになるため言及は控えていましたが、いい加減時効だろうしこの際書いちゃいます。ズバリ「グフパーンチ!」です。元ネタは『松浦純菜の静かな世界』、ヒロインが主人公のガンプラを弄っているときに発する他愛のないセリフなんですが、これが重要な伏線になっていた……気がする。10年前に読んだきりなので記憶もあやふやだ。浦賀和宏はこの5年後くらいにパタッと新作が途絶えて「消えた作家」になりかけるのですが、なぜか『彼女は存在しない』が急にブレイクして復活を果たすんですよね。ずっとほったらかしにされていた旧作も続々と文庫化されており、パルフェ同様今年で10周年を迎える松浦純菜シリーズもそろそろ復刻される頃合ではないかと睨んでいます。

・拍手レス。

 龍騎をリアルタイムで見ていた者ですが、「あの面白さは思い出補正だろう」と考えていたらやっぱり面白かった。今のニチアサも十分良いのですが、当時の暗黒面は流石に超えれませんね。555は井上敏樹の悪い部分も出てますが朝倉に負けず劣らずの草伽がいるのでおすすめします。
 あれだけ多人数のキャラを立ててそれぞれの最後を納得させたのはすごいな、と。深刻になりすぎないようちょくちょくギャグを挟んでくれるのもありがたかった。さすがにお見合いのあたりはキャラ崩壊が凄まじくてブラックジョークになってるけど……。

 相変わらず面白過ぎ・・・最初に期待した方向性とは真逆ですけど。あと「人類は衰退しますた」とか、どこのロミオ師匠ですか・・・まさか、スタッフの一人とか?>アンジュ20話
 織姫の名前は調べて見たら出てましたね。たぶん、七夕やってたから、自分はそうじゃないかと思っただけなんですけど。ちゃんと調べておけば良かった。

 アンジュは「お約束」を破壊しつつ「作品世界」はキッチリ守っている(この守り方でいいのか的な疑問は多少あるにせよ)のがバランス良いですね。織姫は確か回覧板が初出と聞きましたが、なるべく新鮮な気持ちで観れるよう公式の情報は封鎖気味なのでハッキリとは知らず。

 死んだ方がマシを地でいくEXODUS第7話。さすがはブッチーに自分より容赦ないと言わせただけあるうぶちんだ。ただ、復活シーンは新BGM→イグジストの流れが格好良すぎて何度も見てしまう。脚本に注目がいきがちなファフナーですが、演出も素晴らしいと実感しました。
 島外がアレなうえ、島は島でパイロット全員一騎コースに直行というファンが恐れていた事態に。脚本・演出、そして映像面もスゴイですよね。第1期は映像的にやや物足りないところがありましたけど、EXODUSはそれを完全に払拭してきている。

 龍騎はライダー達の死に様が今もありありと思い出せます……インペラーの最期は特撮史に残るトラウマ
 インペラーは出番が遅い割に強烈な最期で印象に残りますね。あれを朝から見せられた子供たちは忘れられなかっただろうな。

 つなぎ回だと思ってたら、最後の最後で「さくっ」とエメリー殺しやがりましたな・・・流石は冲方先生、俺たちには出来ない事を平然と殺ってのける>ファフナー8話
 「死ぬつもりはない」「必ず生きて帰る」と言われれば言われるほど不安が募るファフナー特有の現象に見舞われた第8話でした。

 やはりクソでしたね・・・ま、最初は切り捨てるつもりだったけど見直したのが、また元の評価へ戻っただけですが>アルドノア20話
 それにしても・・・どういう意図を持ってこういうのに金を出したのか、ギアスにしろヴヴヴにしろバディコンにしろ、GOサイン出した連中に小一時間問い詰めたい気分ですな。

 スレインが完全に浮気亭主の言動で笑った。ちょっとメロドラマ臭が濃いけど、毎週楽しみ。ただ、最近このアニメ、カタフラクトの存在を持て余してきているような……。


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