「PIZZICATO POLKA」
   /ぱじゃまソフト


 日記の内容を抜粋。


2003-12-13.

『PIZZICATO POLKA』を購入。特別パッケージ版の方です。早速プレーしてみました。

 ストーリー。留学していた先輩が失踪し、「巷で騒がれている連続殺人事件に巻き込まれたのではないか」と心配する主人公。同じ大学へ留学が決まったのを幸いに、先輩の行方を調べることにした。ヘクセンブルグ──「魔女の街」。彗星が接近する夜空。果たして先輩を探し出すことはできるのか……。

 と、サスペンス・ムード漂う物語。ミステリっぽいですが、「魔女」云々というところからして超常要素も混ざってきそうです。いきなり5分で強制送還された挙句、続くプレーで物の見事にバッドエンドへ突入してしまいました。何が原因なのかよく分からないので、こりゃあひょっとしたら結構てこずるかもしれない。どうやら、気になるヒロインにだけアタックしていればいいオンリー・プレー型のゲームではなく、重要なところを押さえていないと先に進めない昔気質のAVGみたいです。最近はヌルいのばっかりやってますから、ちゃんとクリアできるか不安げ。

 んー、ストーリー重視とあってか、「萌え」の要素は控え目。キャラクターの魅力よりも話の面白さで引っ張ろうとするタイプの模様です。で実際に面白いかどうかと言えば、現時点では微妙。よく分からないうちにバッドエンド迎えちゃいましたし。テキストは可もなく不可もなく。ウィンドウからして小さいので一度に表示できる文字量がかなり少なく、必然的に文章をシンプルにせざるを得ない──といったところ。

 とりあえずユーリたんに(*´Д`)ハァハァ。ウェイトレスの姉の方。小さい姉と大きい妹っていう設定も乙ですが、単純に可愛くて萌えます。これだけ魅力的でエロシーンなり見せ場なりがなかったら泣ける。


2003-12-14.

『PIZZICATO POLKA』プレー中。

 どうも初周はバッドエンドで固定されているみたいです。その後もう一度「はじめから」を選ぶと新しい選択肢が出てくるって仕掛けでして……この構造に気づかなかった当方は無意味なセーブ&ロードを幾度か繰り返してしまいました。思わず『歌月十夜』での失敗を連想する徒労感。当方、基本的に「はじめから」は一回しかクリックしないタチです。あとはセーブ&ロードで賄うのが常。

 というわけで、一度バッドエンドを経由して「はじめから」を選んでやり直せばオンリー・プレーでもOK。当方はまずドジっ娘属性の巨乳大学教授ヘンリエッタに狙いをつけてクリアし、続く2人目をちっちゃいスリ少女ことニコに定めてクリア。あとはミリアムとステラですか。

 パテにゃんは結構長いゲームでしたが、ピチポルは意外なことにそれほどでもなく、割とサクッと話が進む。ちょっと拍子抜けかな。事件の方は思った通りオカルト要素が絡んできますので、「連続殺人犯の容疑者を地取り・鑑取りで炙り出し、アリバイの一覧表をつくって多少アクロバティックな推理を働かせつつも物証固めを行い、関係者を一堂に集めていざ大団円! 探偵のネチネチと嫌味ったらしく回りくどい口調! うっかり口を滑らす犯人! そして明かされる意外なトリックと動機! だが背後にはまだ真犯人の影が……」といった本格っぽいノリの展開はなし。でも敷かれた伏線をちゃんと回収するところはミステリマインド。

 うーん……ぶっちゃけ、期待していたほどの面白さではないです。萌えにしろサスペンスにしろ、互いに譲り合っている状態であり、結果として両方ともヌルくなっている。出会って交流して事件に関わって危険に晒されて……とバタバタしていたら、いつの間にか主人公がヒロインに「君のことが好きなんだ」とか口走っている始末。どうも、物語のテンションに身体が付いていかないみたいです。

 まだコンプリートする前なので断言し切れませんが、この調子では残念な結果になりそうな予感がします。なんとかラストで挽回してもらいたいのですけど……。


2003-12-15.

『PIZZICATO POLKA』プレー中。

 ミリアムを攻略し、ようやくステラのシナリオへ突入することが可能になりました。このピチポルは「固定BAD → ヘンリエッタ、ニコ、ミリアムの3シナリオ → ステラのシナリオ」と大枠で攻略順が決まっており、メインとも言えるステラシナリオは最後の最後まで伏されています。攻略のヒントについてはディスク中の「index.html」というファイルを参照されたし。ただひとつ付け加えるなら、面倒でも「はじめから」でプレーをし直す癖を付けていれば却って時間が省略できます。急がば回れ。

 昨日も書いた通り、ヘンリエッタ、ニコ、ミリアムの3人のシナリオ展開には若干物足らない気分が残りました。主人公とヒロインの互いに惹かれ合っていく過程がいまいちおざなりなせいか、クライマックスに差し掛かっても盛り上がらず、エンディングを迎えても「なんだかな……」といった感触。日常シーンは量にしろ内容にしろあっさり気味で「萌え」は控え目ですし、シリアスなシーンについてもプレーしていてドキドキするようなサスペンス性が希薄で、なんか中途半端でした。

 扱いから言ってステラのルートがメインみたいだから、これでなんとか遅れを取り戻してもらいたいな……と願っておりましたところ、実際なかなか良さげな展開に直行しています。今は、過去の挿話あたりをやっている最中ですが、このゲーム、下手すると現代の話より過去の話の方が面白いかもしれない。ふつうにプレーしていて楽しいです。昨日の日記は「がっかりムード」を前面に押し出して書いてましたけれど、うまい具合に挽回してくれているので、この調子なら「残念な結果」にはなりそうにありません。期待してもいいのかも……。


2003-12-16.

『PIZZICATO POLKA』、コンプリート。

 案外早く終わってしまいました。短いってほどでもないですけれど。『パティシエなにゃんこ』の半分くらいかな? 攻略にてこずった部分があるので、実質的には更にそれ以下となりますが。

 メインヒロインは4人いて、一応それぞれに個別エンドはありますが、見方次第では一本道と言えますね。ステラのルートへは他のヒロインたちの3シナリオをクリアしてからじゃないと入れない構成になっているうえ、中身の方もそれまでの3シナリオを総合し、+αして物語の空欄を残らず埋めるようなものとなっています。伏線があらかた消化されるため「風呂敷の広げすぎ」というふうになることもなく、そういう意味では気持ち良く終わる。

 サスペンス・ストーリーとしては、「萌え」の要素を捨て切れなかったせいで及び腰というか、ぶっちゃけヌルくなっています。プレーしていて危機感を覚えるシーンも少なかったし、ショッキングな展開ともなれば数えるほどしかありませんでした。かと言って「萌え」が良いのかというと、これまた微妙。ヒロインたちの個性は出ていますが、その個性を活かすための場が充分に与えられていないせいで魅力を発し切れていない。残念。

 物語のテンポが早いってのが難なのですよね……こっちの心の準備が終わっていないのに、さっさと先に進んでしまっていつの間にかクライマックスとか濡れ場に差し掛かってしまっている。前半で比較的だらだらして、後半に入るや否や全力疾走──といった感じです。当方、主人公のテンションに付いていきかねました。

 そんなこんなでメインのステラルートに入るまでは不満まみれだったのですが、いざステラルートに突入してみると、さすがメインだけあって尺も長く、他のシナリオよりかはしっかりしています。過去の挿話も挟まれて、物語がイイ具合に膨らむ。そして怒濤のクライマックスへと流れていくわけです。スペクタクル・シーンが燃え切らなかった憾みはありますけれど、伝奇サスペンスとしてはごく順当に楽しむことができ、「まあ、なんとか元は取れたかな」という気分になりました。佳作の一歩手前といった感触。絵柄が不安定でころころ変わりがちなところや、スキップが遅く、その他もいろいろ微妙に使いにくいシステムについてはマイナス。

 「萌え」や「燃え」、「サスペンス」や「謎解き」など、一つの要素に絞って期待を掛けると肩透かしになりそうな気配が濃厚です。こちらの要素をバランス良く薄味で盛り込んでおり、「ハマる!」というほどでないにしろ、誰がやっても徹頭徹尾つまらないということはまずないと思います。一点特化系を偏愛する人でなければ地味にオススメ。

 余談。気に入っていたユーリ&ユーニ姉妹の出番が少なくて鬱です。「萌え」で言えばメインヒロインたちにも負けていないのに……その代わり、いくつか燃え関連のCGが混ざっていたことは満足。これで戦闘シーンの演出、描写、セリフ回しがもっと「燃え」を意識したものなら偏愛対象として見ることができたかもしれず。まあ、ぱじゃまソフトがニトロ化しても困るっちゃ困りますけど。


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