「みにきす」
   /きゃんでぃそふと


 日記の内容を抜粋。


2007-01-25.

きゃんでぃそふとの『みにきす』、プレー開始。

 発売当時はスルーしたのに、wikipediaの『つよきす』項目に載っている近衛素奈緒の説明を見て、こう、ムラムラしちゃって……つい勢いで買ってしまった一本。先月の15日が発売日なので一ヶ月ちょっと経ってますか。この『みにきす』、『つよきす』のファンディスクという位置づけでリリースされているものの、ブランド内でゴタゴタがあってメインを張っていたライターと原画家が離脱してしまったらしく、新規書き下ろし/描き下ろしの要素がほとんどありません。目玉コンテンツはPS2移植版で追加された「近衛素奈緒シナリオ」。雑誌のオマケに付いていた「姉しよ!VSつよきす」にボイスを加えて収録したり、クイズやタイピングのミニゲームも入れたりしていますが、内実はファンディスクというよりアペンドディスクに近いかも。ただ、『つよきす』本体がなくても単体で動作します。ソフトを引っ張り出してきて再インストするのは面倒なのでそこはありがたかった。

 とりあえず「みにきす」本編を2時間ほどプレー。律儀にもプロローグのところから始まるので素奈緒の出番は一、二度というか、まだ主人公たちとは全然絡んで来ない。実質再プレーとはいえ『つよきす』をやったのがもう一年半くらい前だから、細かいところをいろいろ忘れていてそれなりに楽しんでいます。近衛素奈緒は主人公レオの人格形成に関与したキャラとあって、『つよきす』の根幹をなすシナリオ――という触れ込みも伊達ではなさそう。現時点では予感の段階に過ぎませんが、期待で胸がワクワクと高鳴ります。


2007-01-27.

きゃんでぃそふとの『みにきす』、プレー中。

 メルキオールの素奈緒。と呼んでも差し支えなさそうなほどピーナッツバターへの執着を見せるヒロインに慄然とすることしきりです。ラーメンにピーナッツバターはありえねぇ。

 本編だとほのめかすだけに終わっていた「レオの中学時代」が明らかになるシナリオだけあって興味深い内容ですが、やはり最初は近衛素奈緒の存在に違和感を覚えてしまった。本編には出てこないキャラなので、企画段階から構想があったとはいえどうしても後付けみたいに思えちゃうというか。やっぱり浮いて見える。でも体育武道祭の前にひと波乱あって、そこでようやく素奈緒のキャラと『つよきす』の世界が馴染んだ気がして、以降はフツーに「素奈緒かわいいよ素奈緒」と楽しめるようになりました。原画が違う人だから他の絵と比べると差異が目立つけれど、ピンで見る限りはあまり気にならないし、キャラ的には美味しいから問題なし。なにげに『つよきす』の本編って主人公と因縁のあるヒロインがいない(蟹は幼馴染みだけど、因縁ってほどでは)ので、素奈緒の存在は目新しくて面白い。仲が険悪なだけにだんだん関係がほぐれていくのが楽しいと言いますか。周りから「ラブコメ」と揶揄されて赤くなる二人に頬が緩みました。

 「素直になれない」「強情」「意地っ張り」という点では位置づけとして蟹と被るところもある素奈緒ですけれど、主人公との生温い関係を壊すのが本意ではなく踏み出しかねている蟹に対し、既に主人公との関係は終わったも同然なのにどこか未練がましい気持ちを引きずっている素奈緒は全体から見て特殊な立ち位置のヒロインだと思います。キャラ的には地味なんですけどね……怒りんぼのツインテール、というのが特徴で、それ以外の部分でのキャラ立てがしにくい。「正論」「トサカ来る」の口癖もわざとらしくて無理に言わせてる感じしますし。がしかし、「有能で熱意はあるけど人望が薄い」という微妙なラインを漂っててキャラ立てがしにくいところは素奈緒の魅力でもあります。この空気が読めなくて突っ走ってしまう不器用な危なっかしさは「テンションに流されない」を金科玉条とする主人公との対比になって初めて活きてくるものであり、どの道レオ抜きの単体で素奈緒が輝くことは計算されていないっぽい。そういう意味ではレオと素奈緒、一番お似合いのカップルだよなぁ。

 強力な破壊力こそないものの、地味〜に浸透してくる可愛らしさが侮れません。中学生のときに呼び出された回想シーン、空気が読めないせいで「これっていいムードなんじゃないの」と勘違いしてはにかんでいる姿は心のどこかがエレクトしました。そりゃ根に持つわな……あの流れじゃ。空気読めてない時点で自業自得というか自爆な気もしますが、可愛いから許したい。まだクリアしていませんが、本編やったときの記憶からしてもうちょっとで終わるはず。あと一歩。


2007-01-29.

きゃんでぃそふとの『みにきす』、コンプリート。

 近衛素奈緒シナリオ、本編の共通シナリオと個別シナリオが半々といった分量で、新たに楽しめたのはせいぜい4、5時間程度。素奈緒というヒロインに魅力を感じることができたから中身は楽しめたけど、やっぱこれじゃコストパフォーマンスは低いかなぁ。『つよきす』未プレーの方は、どうしてもエロシーンが見たい、PCにインストールして遊びたい、というのでなければこれと本編をセットで買うよりコンシューマーの廉価版に手を伸ばした方がぐっと安上がりになるでしょう。

 それはともかく素奈緒は良かったです。『つよきす』ヒロインの中で、彼女ほど主人公の隣にいて落ち着きがいいキャラはいないかもしれない。乙女さんとか蟹とかなごみとか、キャラの魅力で言えば素奈緒を上回るヒロインもいますけれど、彼女たちはピンでも充分にキャラ立ちするスタンドアローンな存在であって、素奈緒みたいに「レオがいないとキャラ立ちすら危うい」って意味でのヒロイン感覚は希薄だ。レオあってこその素奈緒、素奈緒あってこそのレオ、みたいな。見方次第では素奈緒シナリオが『つよきす』における王道なのかもしれませんね。

 ネタは劇中歌(?)の「小粋なマジシャン」が一番ウケました。

 ♪悲しみにくれた僕に街で声をかけてくれた彼女〜
 ♪僕の部屋で悲しみを温め消してくれました
 ♪不思議だな〜♪彼女はきっと小粋なマジシャン

 ♪僕が、目を覚ましたら〜♪彼女が〜消えてました
 ♪通帳も〜消えてました♪生きる希望も消えました
 ♪不思議だな〜♪彼女はきっと小粋なマジシャン

 『ピューと吹く!ジャガー』が元ネタらしいのですが、あのマンガはほとんど読んでないのでよく分かりませぬ。


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