「真剣で私に恋しなさい!」
   /みなとそふと


 日記の内容を抜粋。


2009-09-01.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、プレー開始。

 タイトルの「真剣」は「マジ」と読む。メインヒロイン全員が武士っ娘なので、態度の真剣と武具の真剣を掛けているのでしょう。略称は「マジこい」ないし「まじこい」。『姉、ちゃんとしようよ!』や『つよきす』といったヒット作を手掛けながらも様々な事情によりインターハート系のきゃんでぃそふとから抜け、戯画PBのみなとそふとを立ち上げたスタッフによるエロゲー最新作です。みなとそふととしては一昨年の『君が主で執事が俺で』に次ぐ2作目であり、きゃんでぃそふと時代も含めれば、看板ライターであるタカヒロがシナリオを担当したソフトの5本目あるいは6本目(『みにきす』をカウントすべきかどうかで迷った)に当たる。ちなみに『つよきす2学期』はタカヒロの関与していない(強いて言えば「原案」程度)作品なので注意。原画はこれまでの相棒だった白猫参謀からwagiに変更となった。「wagi」が「カワギシケイタロウ」の略であることは公然の秘密。武士っ娘をテーマにした話である一方、『つよきす』以来の「学園を主な舞台に据えたエロゲー」であり、発表直後の時点からファンの期待は高かった。「しかしこの題名どうよ」という声もあったがそれはそれ、2年近い期間を費やして完成させただけのことはあり、過去最高のシナリオ量を誇ると云う。事実、ここ3日間で数時間(計ってないが6、7時間くらい?)はプレーしたのに、ようやく共通ルートが終わってOPムービーが流れたところですよ。長ぇ。『つよきす』も共通ルートは長かったけれど、明らかに凌駕しています。これは、少なくともボリュームに関しては不満を述べる必要がなくなりそうだ。

 じゃあ内容に関しては? という話になりますけど、共通ルートしか終わらせていない時点であれこれ語るのも早計ですから短めにまとめますが、「期待通り面白い」って感じですね。もうメチャクチャ楽しくて、つい寝食を忘れてしまう! というほど夢中じゃありませんけども、テキストは平易で読みやすく、会話のテンポも整っていてボイスを聴いているとすごく和むし、登場するキャラクターの1人1人が個性的で、新しい面子が出てくるたび素直にワクワクする。ごく模範的な学園エロゲーと言えましょう。ノリ自体は少年漫画のそれながら、少年漫画じゃ使いにくい際どさ満点のシモネタをバンバン出してくる、その迷いなきオゲレツぶりが素晴らしい。ヨンパチ輝きすぎてるよ、あの声であのセリフだなんて。

 ただCGの塗りがあっさりしている点や、セリフ内に(苦笑)や(棒読み)といったカッコ書きの補足説明を入れることで地の文を省略しがちな点はちょっと残念だったし、画面演出もいまひとつ……たとえばあるキャラが怒りや恐怖に震える場面、立ち絵をガクガクと小刻みに揺らして「ふるえ」を表現するのですが、いくら何でもガクガクしすぎで「ふるえ」を通り越して「痙攣」になっており、見ていて怖い。他にもあるキャラがあるキャラを抱きかかえるシーンで、抱きかかえられる側の立ち絵を横倒しに表示して「荷物っぽさ」を演出するのは、うーん、どんなもんだろう。さすがに間抜けすぎないか? すべての演出が悪いということはなく、あくまで「いくつか気になる箇所があった」程度のことながら、演出したせいで却って安っぽくなってしまっているポイントを目撃するとなんだか気まずくて、複雑な心持ちになります。ageといい、立ち絵はそんな頻繁に目まぐるしく動き回らせなくても良いと個人的には思う。

 とはいえ、概ね許容範囲。軍師タイプの主人公が「こすい」「せこい」「卑怯」と罵られ、揶揄されながらも、己のスタイルを変えず一貫して策略を練り続けるあたりも好感が持てた。腕っ節は強くなくて「女の陰でバトルの解説」に陥るシーンが多々あるのに、不思議と嫌悪感が生じない。なんだかんだでストーカー幼馴染みを大切に想っていて有事の際は咄嗟に庇おうとするとか、男キャラのくせして格好可愛いじゃねぇか。主人公といいモロといい、うっかりすると萌えそうになる野郎がいて危ないなこのソフト。

 そろそろ話をヒロイン勢に移す。姉貴分の百代は無双キャラでドSで女好き、「ああ、またこのタイプか……つくづくタカヒロはこういうのが好きだな」と苦笑い。ぶっちゃけ性欲の矛先を向ける気にはならないが、ふざけた言動がなかなか面白くてそれなりに魅力を感じる。百代の妹、一子はあだ名が「ワン子」でまさしく犬を彷彿とさせるおバカで人懐っこい娘、戦力的には結構イイ線いっているのにメンタル面が弱く、仲間から叱責されたり睨まれたり無視されたりすると即座に凹んで涙目になる様子はなんとも微笑ましい。が、この子も百代同様「見ている分は面白いが、攻略したいってほどでは……」な路線ですね。姉妹揃ってサブヒロインに近い属性。

 発売前から特異な存在感を放っていたストーカー幼馴染みの京は開始時点で好感度MAX、主人公がその気になれば10分でエンディングに辿り着くであろうベタベタ偏愛少女であり、露骨なアプローチを仕掛けてはいなされ、それでもめげずまた果敢にアタックしていく化け物じみた健気さがステキ。キャラ選択でたった2回クリックすればもうルート確定しちゃう迅速さにも慄然とする。これ攻略されてるの大和の方じゃね? 雑誌のインタビューによると、「1回キャラ選択しただけで問答無用にエンディングが流れ始める」って無茶仕様も検討されたらしい。精神的にやや不安定なところがあって軽くメンヘラ入ってますが、個人的には感情を爆発させる京よりもキレすぎて笑顔全開になるモロの方が怖かったですよ? そういや俺翼にも京ってメンヘラヒロインいたっけな……ドラさんみたいな男ツンデレやコンドルさんみたいなラジオも存在していて、既視感がすごいわ。デジャヴりまくる。赤毛眼帯ドイツ軍人女も声優のせいでいつ「黒円卓」と言い出すだろうかと身構えてしまった。キャラ的にザミエルシュライバーのハイブリッドっぽいし。副首領閣下の術式には恐ろしくなる、本当に。

 『友達100人できるかな』を地で行くまゆっちこと黛は、「ずっと友達ができない」「距離感が測れず、挙動不審になりがちで、うまく会話をできない」「友達いないから携帯電話も不要なのに、携帯ストラップだけ持っている」と立ち居振る舞いの何もかもが哀れを誘います。まゆっち……不憫な子! 黒髪巨乳とまロやかな尻で割と性欲をそそる子ではあるものの、まだ全然恋愛フラグ立ってないのでヒロインという印象はあまりない。今後の頑張りに期待。最後、ドイツからやってきた日本かぶれの留学生クリスはなかなかイイ味出してる。もっとも登場が遅く、また外人ヒロインという学園モノではビショーなポジションに収まることが多いキャラだけあってやや不安があったが、あっさりと馴染んだうえで個性も発揮して魅力を放つなど、予想外の活躍を見せています。主人公に突っかかりながらも徐々に仲良くなっていく、ラブコメの黄金パターンを踏襲している姿にはニヤニヤ。子煩悩で「娘に彼氏ができたら殺す」を割と本気で実行しそうな雰囲気のあるドイツ軍人が父親であり、惨劇の予感に早くもワクテカさせられる。意外と一番ヒロインっぽいかもしれんな、クリスは。

 そんなこんなでコンプまではまだまだ遠い道のりながら、ゆっくり焦らず遊ばせてもらいます。そう、合間にシャルノスやるい智なんかもプレーして……できれば9月中にはコンプしてしまいたいですね。10月に食い込むとスケジュール的にいろいろ死ねる。つーか、積読も視野に入れると既に死んだも同然だったりしますが。マンガすら満足に消化し切れていねぇ。小説は言わずもがな。


2009-09-07.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、とりあえず一周。

【松風】「大和……まさかお前の雄々しい刀は……」
【大和】「ああ……なおも突きの構えを崩さず……」

 これがエッチシーンに出てくる遣り取りとか、どんだけフリーダムですかよ。『つよきす』の蟹初体験で相当笑った記憶がありますけど、タカヒロは藤崎竜太あたりと一緒で濡れ場描写にも平気で容赦なくネタを篭めてくるな。中の人的には1月の『俺たちに翼はない』で繰り出された「ひぎぃっ(エコー)!」に続き笑エロ状態となっております。いいぞ、もっと演ってくれ。

 てなわけで由紀江エンドを迎えました。あ、由紀江というのはまゆっちのことです。あだ名で呼んでいる期間の方が長い分、本名だとあんまりしっくり来ませんね。このルート最大の目玉は格闘大会KOSでしょう……って、このイベント他のルートでもあるのかな? まだ二周目に入ってないから分かんね。とにかく、大勢のキャラが参加してバトルロイヤルなサバイバルを展開します。相変わらずここでも地の文は省略され気味で大雑把な説明が多いけれど、とにかく対戦が山盛りで、少年マンガ的なバトルが嫌いでなければ楽しめるでしょう。「銃とか剣とか、流れ弾やとばっちりで普通に死人が出ちゃうだろ……」というツッコミは抜きにして観戦すべき。他にも町内スタンプラリー大会があったりするものの、大きなイベントはKOSぐらいだった。試合終了後はまゆっちとイイ雰囲気になって、沖縄旅行で正式に付き合い始め、帰宅してしばらく経ってからゴールイン。初夜早々からねちっこい大和には笑った。CG枚数こそ少ないものの、射精回数は抜きゲー並みだ。以降はさしたる事件もなく、割合淡白な結末に落ち着き、スタッフロールが流れ出してENDです。終わり方があっさりしているのは『つよきす』も同じなので不満はなかったにせよ、まさかエロシーンが初夜だけで幕とは……もっと付き合いだしてからのイチャイチャが見たかったのに……そのへんはクリア後に追加される「由紀江アフター」で拝めますが、あっちはエロ主体なので、欲を言えば学園生活におけるエロ控え目ラブイチャを増量してほしかったところ。

 さて、そんなこんなでまずは一周目が終了しました。思ったほど長くはなかったが、決して短いということはなく、少なく見積もっても優に10時間は要したことになります。コンプするまでどれだけ掛かることやら。喜びながらも到達地点の遠さを思って意識が霞みそうになる。細かい選択肢がポツポツと仕込まれているのも面白いし、心置きなく熱中できるゲームではありますぜ。ただ、再生されない音声がいくつかあるなど、システム(というかスクリプト?)の不備が散見されて気になりました。修正パッチを望む。次は京を攻めるか。今後の方針としては、「百代がメインルートっぽいので最後に回し、百代以外のヒロインを攻略し終えたらサブキャラのルート開拓に突入する」ってことで一つ。ちなみに当方はサブキャラだと不死川心と忍足あずみの2人が好きです。麻呂のキモさもなかなか捨てがたいが。


2009-09-10.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、京ルートクリア。

 熱愛ストーカーキャラだけに血飛沫舞う惨デレ展開に突入するのではあるまいな……視界の外からいきなり矢が飛んできたら怖いぞ……と一抹の不安を抱えながら進めたが、途中ちょっと人間関係がギスギスする程度で、斜め上をカッ飛ぶようは話もなく順当にまとまってホッとした。あくまで「椎名京という少女の精神的成長」を要にしたストーリーであり、依存癖の強かった京が徐々に独り立ちしていく後半は何とも感慨深い。多少のバトルを交えつつも大部分は「ありふれた、どこにでもありそうな、なんてことない学園生活」で固めており、派手なアピールに欠けていてやや地味っぽく映るが、その分しっかりと丁寧に構成されています。どちらかと申せばタカヒロにはコメディ的な遣り取り、つまり細かなテキスト部分に主な期待を掛けていて、失礼な話をしますと全体的なシナリオにはさほど期待を寄せていなかったけれど、うまくこちらの読みを凌駕して期待以上に楽しませてくれた。実にありがたい。

 由紀江ルートでは雨天中止になった体育祭がこっちでは無事開催されていたり、逆に由紀江ルートで盛り上がっていた格闘大会KOS(キング・オブ・ソルジャーズ)があえなく中止になってしまったりと、ルートによって発生するイベントが結構違ってきますね。「主人公の選択とは無縁なところまで変わってるじゃん」「そもそも同じ日でもルートによって天候が変わるとかどうよ」とツッコむ向きもありましょうが、おかげで変化に富んだ物語を楽しめるのだからヨシとしませんか。体感的には由紀江ルートよりも濃密かつ長く遊べたような気がしますし、個人的にゃ「満足」の一言に尽きます。京アフターは「エロシーンの補完」って性格が強かった由紀江アフターと違い、純粋に後日談として描かれており、キスシーンのみで濡れ場はなかった。メインヒロインは1人あたり3回程度が基本になっているのかしら?

 次はクリスルートあたりを攻めてみようかな。まだ軽く二周しただけで、細かい選択肢を試していないから由紀江ルートおよび京ルートの再プレーもしたいところですが、やたら「そういう道もあるだろう」と他ルートの展開を仄めかす文章が多くて気になっちゃうんですよ。まずは大まかなフレームを掴んでからちょこちょこと隙間を埋めて行こうかな、と。ホント、たっぷり楽しめそうで無性に感謝したくなるぜ。反面、すっかり読書が滞って積読もどんどん増えてきちゃってますけど……ああ、電撃文庫の新刊を読む時間がねぇ!


2009-09-13.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、クリスルートをクリア。

【大和】「ごらんの有様だよ」

 危険か安全かを問わず、全般的にパロネタ大好きのタカヒロが見逃すはずない――と思っていたがやはり使ったか、ごら有ネタ。聞くにところによれば既にもう他のソフトで使用されているらしく、別にこれがエロゲー史上初のアイ惨パロディというわけじゃないんですけどね。うちのサイトに来ている人で知らない人はまずいないでしょうけれど、もしご存知でなければ「ごらんの有様だよ」でぐぐってみてください。「怒りの庭」ともども未来永劫に渡って囁かれ続けるであろう、今世紀のエロゲー界を代表する不祥事、その筆頭でございます。他、『ドグラ・マグラ』の巻頭歌も弄ったりなど、やりたい放題やってるが今回はシナリオ総量が多いせいか相対的にパロネタの混入率が低くなっている印象あり。個人的には良い塩梅だと感じています。

 ともあれクリス。本名はクリスティアーネ・フリードリヒだっけ? ドイツからの留学生で金髪碧眼という目立つ容姿をしており、ヒロインたちの中でもやや浮いた雰囲気を放っていたが、正義感が強く直情径行気味、勧善懲悪の時代劇や「武士道」といった言葉が好きな日本かぶれ、また家系が貴族で軍人っつー事情から騎士道を志しつつ「自分」という堅苦しい一人称を使うなど、性格や嗜好、立ち居振る舞いにもかなり癖がある。単細胞というか、「騎士は挑発に乗らぬ!」と自信満々に言い切った直後「クリスってなんか頭悪そうだなぁ」と苦笑されて激昂する分かりやすさが巧い具合にキャラを破壊していて、普通なら成功しそうにない魔配合を見事に成立させています。とにかく可愛い。強くて勇ましいのにおバカでアホの子っぽい、なんとも絶妙な胸キュン性能だ。いちいちワン子と同レベルで張り合う様子に心が和む。ハッキリ言ってプレー前はノーチェックに等しかったんですけれど、本編をやってあっさり射落とされましたね。性格・声・見た目、すべてが素晴らしくマッチしている。あざといけど「かわいいは正義!」、空気読めなくてウザい発言を繰り返すのもノット・ギルティであります。

 主人公である直江大和に概ね好感を抱いている他のヒロインたちと違い、「大和は策ばかり弄する卑怯者」と捉えて事あるごとに反発し、お互い憎まれ口を叩きながらも徐々に親密になっていくっちゅう過程が用意されているあたりホントたまんねぇ。「対立関係のあるヒロイン」ってのは強い。ツンデレとかそういうんじゃなく、一旦主人公と衝突する段階を踏んで、それから互いに認め合う流れがあってこそロマンスは激しく燃え上がる。ラブコメにおいて「両者とも出会いの印象が最悪」という状態から始まるパターンが意外と多いのはそうした理由からでしょう。「対立」や「衝突」がないと、物語は恋愛モノに限らず何であれ「身内で誉め合うだけ」というマンセー合戦の様相を呈しかねない。そういう意味でクリスは一歩リードした存在と言えます。

 で、クリスルートの感想。やはりと申しますか、予想通りクリスの父親が交際のネックとなっています。娘を溺愛しているドイツ軍人。「自分たち、付き合うことにしました(はぁと)」の一言で「そうか」と納得して祝福のキスをくれるような人格者では、無論ありません。むしろ「そうか、命が要らないのか……」と納得して銃口を主人公の額にキスさせようとするでしょう。如何にしてこの娘至上主義者に己たちの関係を認めさせるか、がクリスルートの焦点となってきます。「普通のギャルゲーだったら、このへんで許して2人のことを認めるだろう」というような山場が少なくとも3回は用意されていて、非常に長いシナリオと化している。随所でプレーヤーを飽きさせぬよう工夫は凝らされているから間延びした印象こそさほど受けないが、それでもやっぱり「引っ張りすぎ」という感は否めません。クライマックスも正直言って超展開スレスレだ。付き合い出してからのイチャイチャ描写は京と並ぶほど濃厚で、そこに不満はないけれど、「クリスの父親に関係を認めさせる」という目標をストーリーの最大関門とせず、あくまで一つの通過点にしてほしかったかな。クリスが少しずつ成長していく様を写し取っているところは良かったし、堅物だったクリスが肉体関係を結んだ途端アッチ方面も積極的になるところもグッドながら、クライマックスの半端な派手さ加減が恋愛ムードを取っ払ってしまった気がして、なんだか惜しいんですよね。贅沢な悩みと言えば贅沢な悩み。

 エンディングを確認したので例によってアフターを見に行こう、とおまけモードを開いてみたが、「アフターストーリー」の項目にクリスアフターが追加されていなかった。ひょっとしてクリスにはアフターシナリオが用意されていないのか? それとも条件を満たしてないので出現しないのか。気になるが、まずはメインルートの攻略を重視する方針。次はワン子狙いで行きます。にしてもまじこい、マジでボリュームてんこ盛りっスね。発売から2週間以上、あんまり時間が取れないとはいえ、一応毎日ちゃんとスケジュール開けてプレーしているのに、それでもまだまだ終わらないなんて……連鎖的に積読も凄いことになっていて、嬉しい悲鳴が漏れるのを止められない。

 それにしても釈迦堂が『嘘喰い』の箕輪に見えて仕方ねぇ。武蔵小杉も『バカとテストと召喚獣』の秀吉に見えてしょうがないです。


2009-09-16.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、一子ルートクリア。

【由紀江】「家族が、増えるよ!」
【松風】「やったね、まゆっち!」

 すかさず噴いた。「やったね、たえちゃん」は話に聞くだけで元ネタを読んだことはないから寛いで笑えましたが、じかに触れている人からすると笑えなかったりするんだろうか。ともあれワン子こと川神一子。川神百代の義妹にして直江大和の幼馴染み、努力家で犬のように従順な性格をしており、クリスと張り合うアホ可愛さを見せつける、言わば「毒気を抜いた蟹」と呼ぶべきヒロインです。声を当てているのが青山ゆかりで、この人は普段ツンデレキャラを演じることが多いため最初はちょっと違和感というか印象のズレを感じましたが、一時間もしないうちに慣れた。ひたむきで懸命、『つよきす』の幼馴染みヒロイン・蟹沢きぬとは逆方向を突っ走る女の子ながら、よくよく考えると蟹もあれで結構ド根性娘だったので、意外とイメージの重なるところがあります。「諦めが悪い」という点や「己の居場所を求めている」ことでも共通している。「キレイなワン子」路線に向かうか「汚いなさすが蟹きたない」路線に向かうかの違いだけですね。

 「武神」とまで称されるほどの祖父や姉に比べて「秀才」レベルに留まる一子は、当然ながら「夢を叶える事が出来るのか?」という疑問が付きまといます。京ルートでも「才能がないんじゃ?」と指摘されていました。そりゃ比較対象が小型ブラックホールを生み出したり隕石を召喚したり、「お前ら終いには宇宙創成するつもりですか」とツッコミたくなる超人どもなんで、ばっさり「不可能」と言い切った方が楽なんだけども、それで諦められるなら血尿が出るほどの特訓を重ねたりしないわけです。「あきらめない、絶対に!」って叫びと「諦めるときだ」って諭しの狭間で根性を振り絞り、最後の血の一滴まで抗ってみせる少女の姿には心震えることしきり。普通にエイヴィヒカイトを撃退しそうな連中が出てくるせいもあり、これまでバトルシーンの推移はどうにも大雑把に思えてしょうがなかったが、こと一子ルートの武術大会は現時点で「まじこい随一」と断言できるほど熱血していてマジにアツい。幾分か根性論めいた展開になっているものの、決して一子のみを優遇せず、対戦相手も充分に引き立てて伯仲させる戦闘は掛け値なしに最高潮の盛り上がりを示します。終わった瞬間にスタッフロールが流れ出しても違和感がないほどだった。武術大会の前にも球技大会という面白いイベントがあり、「下手するとこれが一子ルート最大の見せ場になってしまうのでは」との懸念を抱いたりもしたが、杞憂もいいところであった。ぶっちゃけ当初はウザい印象の強かった九鬼英雄が送る声援や絶叫に、いつしかぴったりとシンクロしている自分がいてビックリしましたよ。

 一子と大和が付き合い始めてからの甘々ぶりも見事で、どちらかと言えば「ペット」に近かった一子がしっかり「女の子」していて当方の愚息も大興奮。「そう、そのまま呑み込んで……アタシの薙刀……」と大和の直腸を蹂躙する肛虐イベントには勃起が止まりませんでした。ごめんなさい、嘘です。「武士娘の割には武器を使ったプレイがなくて物足りないな」と思う余り、ありもしない濡れ場を幻視してしまいました。世の中にはスケートシューズで足コキするエロマンガもあるそうなので、レイピアの先端で尿道を刺激するエロゲーがあってもいいのではないか。需要がないですかそうですか。

 くだらない冗談はさておき、「あれだけ泣き虫だったワン子が……」と感慨に耽る主人公ともども彼女の成長に目頭が熱くなる良いシナリオでした。京ルートのシナリオといい、今回はストーリー面でもかなり頑張っていて嬉しいですね。「一子アフター」はエッチシーンの補完で話的には特に見るところがないけれど、本編でキッチリまとめてくれているから不満も湧かない。前々から感じていたことですが、まじこいって基本的にテキストがあっさりめで、一つ一つのイベントを割と短く無駄なく切り詰めて描いているんですよね。そのせいでちょっと喰い足りない気分が残る場面もあるにせよ、描写を絞り込むことで密度を上げ、かつイベント数を増やして「賑やかな日々」を演出することに成功している。一見ダラダラと日常シーンを垂れ流しているようでいて、驚くくらいストレスのない話運びをしてみせます。緩急の付け方が絶妙だ。無茶な展開が待ち受けているところでさえ物語の呼吸を乱さないあたり、「流石」の一言に尽きる。地味ながらも抜かりないですわ(嬢)。

 さて、残すメインルートは百代ルートのみ。どうせならオーラスに回してしまいたいので、先にサブルートを攻略して回るとしよう。まだまだ先は長そうな予感がして気が遠くなりっぱなしだぜ。あと関係ないけど縁日イベントCGのりんご飴がすごく旨そうな塗りで生唾ごくり。


2009-09-19.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、サブルート群をクリア。

 サブルート群とはいえ、合算すると想定した量よりもずっと多くて結構時間が掛かりました。発売からもう20日くらい経っているので気兼ねなくバラしてしまいますが、サブルートが存在するキャラはガクトとモロ、キャップ、梅先生、チカリンと委員長(真与)。プレー前の見込みではどれも1時間くらいの小品だろう、と思っていただけに予想以上の食べ応えで嬉しくなった。プレー時間にバラつきがありますが、『つよきす』で言うとよっぴールートばりに長いものが複数収録されている。短いものは祈ちゃんルート並みですけどね。恐らく、総計すればメインルート1個分の1.5倍くらいには相当するであろう。

 つっても、やっぱりサブはサブなので、メインルートに比べると盛り上がりは欠けますねー。ガクトルートは惚れっぽくてフラれまくりの岳人がちょっとイイところを見せるルートで、2-Fの男子と女子がいがみ合う描写多くて少し胃にもたれたが、全体としては手堅くキレイにまとまっている。おまけシナリオとしては満足の行く出来。反面、モロルートは風間ファミリーの中で突出した才能を持たない師岡卓也が自分の立ち位置に悩んで鬱屈を溜め込んでいく暗めのストーリーであり、最後に気の晴れる展開が来るとはいえジメジメしたムードの連続に滅入る。生粋のオタクであるスグルと同人ゲームを制作するイベントがあり、企画が右往左往して作業も難航するなど、現実味ありそうな生々しいグダグダさが面白かった。キャップルートはバイト先の川神書店が客来なくて経営難に陥っているから、どうにかして繁盛させようぜ! という話。ただでさえ本が売れず出版不況、大規模書店やネット書店の進出、そして紙の高騰と、町の中小規模書店にとって辛い時代であります。他の店は安売りセールで凌いでいるのに、本屋は再販維持制度のせいで自由に値下げできず、また大手のオトクなポイント制度にも追随できない。いくら風間ファミリーのリーダー、無敵のヒーローだからって無形の「敵」を打破することはできるのか……と、まぁそんな筋立てです。途中で派手な飛躍もあったりするけれど、最終的な着地点は割合納得できる範囲に絞られている。「ヒーローの挫折」というテーマを描出する手際が少々露骨過ぎるきらいがないでもないけれど、明確な目標があり、起承転結もハッキリしているのでストレートに楽しめた。

 サブルートでは風間ファミリー以外のメンバーも攻略できる。梅先生は、教師ということで祈ちゃんを彷彿とさせるけど、性格は全然違うのでストーリー展開もまったく異なっている。どことなく虚ろさを漂わせたまま終わった祈ちゃんルートに対し、こっちは「俺たちの戦いはこれからだ!」的な前向き姿勢でシナリオをブン投げています。ネタの調理は他のルートに比べてやや中途半端、尺も短い。巨人が当て馬にすらなっておらず、もはや哀れみさえ感じるぜ。サブルートというよりも「Hシーンがあるおまけシナリオ」って印象でした。チカリンこと千花のルートもやや短め。展開に起伏が少なく、盛り上がりにこそ欠けるものの、無難にまとまってはいます。フツーの学園モノのフツーのサブルートって感じ。いわゆるスイーツ(笑)を体現したようなキャラで、情報公開当初のイメージではビッチ系だと思っていたが、別にそんなことはなかったな。ビッチ系は羽黒が担当している、誰も得しないので攻略不可ですが。直江大和とのカップリングがいまひとつしっくりと来ないのが難点ながら、実はヨンパチと古い付き合いで普段喧嘩してばかりのくせに案外仲良いところは面白かった。何より、エロシーンのさりげない一文。

 間違って初めてをアナルに捧げるなんてアホなことするわけはない。

 に噴いた。てめーレオ君ディスってんのか? ラストに回した委員長こと真与はロリ担当。クラス一の早生まれでありながらも学年どころか学校自体違うんじゃね? ってほどの幼い容姿を見せ付ける。しかし本人はお姉さんぶっており、そこが微笑ましいというか、健気可愛い。シナリオの流れが強引で無理矢理くっつけた雰囲気がないでもないが、エッチして即終了ではなく後日談を交えてゆるりと話を畳みに掛かる大らかな構成がステキだった。これもフツーの学園モノにおけるフツーのサブルートって印象。

 以上でサブルートはみな終えた。あとは残すところ川神百代ルートのみ。未消化の要素がまだ結構残っていることを考えると、これで一気に物語を片付けに掛かる心算なのだろうか? 相手が世界最強クラスというハードルの高さながら、「障壁が高い相手との恋愛」はタカヒロの得意とするジャンルなので心配せず普通に期待させていただく。


2009-09-22.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、百代エンドをクリア。

 無手でありながらタカヒロ・ワールドにおいて最強の座に位置するヒロイン、川神百代――ぶっちゃけヒロインというよりラスボスに近い存在だよね。難攻不落だし。テケトーに選択肢をポチってた一周目はあえなくバッドエンド直行だった。最近のエロゲーは主人公がヒロインを攻略しているのか、それとも主人公をヒロインが攻略しているのか、いまひとつ判然としないシナリオが多くなってきた(というか、まじこいの京ルートも被攻略な気がする)けれど、百代ルートに関しては丸きり昔ながらの「好きな女を必死こいて陥落(オト)す」パターンに属しています。意欲的に好感度を高め、懸命にフラグを立てていかなきゃ「お断りします」とバッサリ斬られてしまう。しかしそうなっても慌てる必要はありません、間違った選択肢を取ったときはいつもさりげなく指摘してくれているので、落ち着いてプレーし直せばクリア可能。難易度はさして高くないです。昔のギャルゲーやエロゲーはもっと不親切というか理不尽で、選択の結果があまり反映されなかったりして攻略条件が非常に分かりにくく、プレーも煩雑を極めた記憶がある。まぁ未だにそういう「頭を掻き毟りたくなるほど攻略が難しいエロゲー」も発売されているそうですけど……『仏蘭西少女』とか。

 ともあれ、プレーしていていかにも「攻略している」という感触が伝わってくる百代ルートですが、格闘技とかいう次元を超えて生身で音速突破しビームを射出する超能幻魔大戦が繰り広げられるため、少年漫画ライクな伝奇アクションを受け容れられる人でないと「なんじゃこりゃ」と絶句するやもしれません。空中に浮遊して戦うのが当たり前とか、どこのドラゴンボールですかよ。しかし逆に言えば、そこをあっさり許容できる人ならこのルートは血潮が燃えることしきりのはず。なにせ学園を二分して争う最大級のイベント、「川神大戦」が山場として待ち受けていますから。まゆっちルートのKOSもなかなか気合入っていたが、熱量でいうならあれをも凌駕している。両軍の布陣図を表示して采配を競い合うなどちょっぴり戦記っぽいノリもあるが、あんま込み入った軍略はなく非常に分かりやすい単純明快な作戦の数々(もちろん工夫は凝らされている)で楽しませてくれます。時間としても結構長いイベントであったが、夢中になって遊び耽ってしまった。川神百代は「単騎で百万の兵に相当」と自負するほど精強な駒であり、当然の如く勝敗の行方を決める重要ユニットで、その猛々しさと禍々しさは「武神」というよりもはや「魔王」でしょう。思わぬ鬼札も切られ、専用BGMが流れるシーンの盛り上がりは凄まじいものがあった。ここまでやられると本当、細かいことはどうでもよくなる。事前にやっていたサブルート群がまったりとしたシナリオばっかりだっただけに、ついつい圧倒されてしまいました。

 「棚から牡丹餅」方式ではなく、相応に苦労して成果を得る、「ねだるな/あたえて/かちとれ」で最後まで押し切ったところは面白かった。百代への恋心を自覚する過程が若干弱く、得てしがな、得てしがなと執心する主人公に同調できるようになるまで少々時間が掛かったというか「大和必死だな」と思った瞬間もあったりしたけれど、アフターで百代姉さんのエロ可愛さを目の当たりしてそういう憫笑めいた気持ちは淡雪の如く溶け去りました。さすがタカヒロ、「気位の高い女を篭絡する」ってシチュエーションを描くときはメチャ活き活きしているな。本編に一個も濡れ場がないままスタッフロール流れた際の心配もあっさり消滅し、ドロドロと濃厚に綴られるバカップルシーンで心癒された。コツコツと小さな努力を繰り返し、塵も積もれば……と忍耐の果てに願いを叶えた主人公の姿を見てふと『ですろり』趙山月を思い出したが、それにしてもまだ完成していなかったのか、『ですろり』……。

 さて、そんなこんなで『真剣で私に恋しなさい!』もコンプリート――とならないのが嬉しいところ。いよいよ全シナリオを総括し統合する(たぶん)グランドルートの開幕だ。「悪役かと思ったら脇役だった」な板垣ファミリーと釈迦堂さんも遂に真価を発揮するのか? 楽しみでしょうがない。


2009-09-25.

みなとそふとの『真剣で私に恋しなさい!』、コンプリート。

 リュウゼツランルートの一言感想→「世界はKAWAKAMIやMOMOYOよりもNAOEの股間を脅威と認定すべき」

 囚われの姫君よろしく敵の手に落ちても焼け太って帰ってくる大和さんマジ半端ねぇっス。お前はどこのハード・ロマン小説(勝目梓とか西村寿行とかああいうの)の主人公ですか? 麻呂の愛する平安時代に生まれていたら弓削道鏡の再来として歴史を大きく動かしていたかもしれんな。山風の忍法帖シリーズに出てくるくノ一さえも、大和さんなら何とかしてしまいそうだ。ロミオ・ネバー・ダイ(色男は死なず)。正直、話の流れとしてはいささか唐突で突飛な感が否めないけれど、このストーリーを選択したことはエロゲーとして限りなく正しい。

 というわけで板垣軍団と釈迦堂、更に彼らを裏で操る黒幕的存在が登場し、川神市各地と、重要地点っぽいのにほとんど触れられる機会がなかった場所「チャイルド・パレス」にて最終決戦が繰り広げられ、物語はグランド・フィナーレを迎えます。全シナリオを統括するラストルートだけあって総力戦の趣があり、各ルートのネタ(たとえばクリスルートのメフィストフェレスとか)が惜しみなく投入される。特定のヒロインとはくっつかないが、一応サービスシーンも用意されていますし、キチンとエロゲーしているところにも好感が持てます。川神市にバラ撒かれている合法ドラッグ「ユートピア」を巡って、風間ファミリーが陰謀に巻き込まれ窮地に陥っていく……と鉄板で盛り上がるエンターテインメント精神満点のストーリーながら、発端が強引というか「そこは素直に警察呼んどけよ」ってツッコミ入れたくなる流れで半ば自業自得と言えなくもなく、走り出しはやや低調だったものの全面戦争が開幕するあたりから安定して面白くなった。これまでのルート含めバトル展開多過ぎでさすがに食傷気味な部分はあったけれど、「絶体絶命のピンチを間一髪で凌ぐ」というスリルの連続はやっぱり単純明快にハラハラさせられてマウスを握る手が熱くなる。人外級のパワーを持つ連中がゴロゴロいるせいで時にバカバカしくなるとはいえ、意外とパワーバランスの調整が利いていて、別段整理しなくともある程度なら強さのランクが自ずと知れるのは良い。戦闘描写そのものは割と大雑把にせよ、ダメなバトルものにありがちな「誰がどれくらい強いかよく分からん」って惨状だけは華麗に回避しております。伏線の張り方も丁寧だし、ライターの過去作と比べてもシナリオのまとまりがだいぶ良くなった気がするぜ。

 それにしてもホント、まじこい長かったわ……プレー開始からほぼ一ヶ月、毎日なるべく時間つくってちゃんとプレーし続けたのに、こんなに掛かるとは。累計すると50〜60時間くらいになるかな? Fate並みのテキスト量を誇るとあって尋常ならざるボリュームです。だいたい共通ルートに6時間、個別のメインルートに6時間×5、サブルート群を合算して9時間、ラストルートもメインルートと同等で6時間前後。大まかに計算しても軽く50時間を超えます。これでつまらなかったらマジすげぇ拷問だけど、日々床にうず高く積まれていく未読の新刊書籍を尻目に黙々とやり抜いた事実からいろいろとお察しください。まじこいのせいでなかなか本が読めなくて、積読の山がもう崩れそうですよ……実際何度か崩れましたが。

 個性的なキャラたち、極端な設定の数々、そして超ボリュームの合わせ技で最後まで見事に楽しませてくれた。長い割にダルい箇所がほとんどなかったことも評価したい。説明臭いセリフがやたらと目立った点はマイナスだが、長所に比べれば些細な瑕疵。テンポが良くて、ついついやめ時を見送ってしまうことが多々あった。個人的には京ルートと一子ルートが好みで、クリスルート終盤とサブルート群は若干落ちる印象。ピンポイントで選ぶなら、百代ルートの川神大戦が一番熱かった。シナリオ量が、というか、イベント量が豊富でいくら遊んでも飽きが来なかったですよ。まこと満足の行く大作であります。聞くところによればシナリオライターのタカヒロはFD的なソフトを作る気満々だとか。それはそれで楽しみだが、一方で完全新作を見たい気持ちもある。もし完全新作が次に来るとしたら、今度はもうちょっと小規模あるいは中規模のゲームがいいかな……まじこいクラスとなるとコンプした際におなか一杯でグッタリしてしまう悩みがありますし。それは贅沢な悩みだ、という自覚はある。

 気に入ったキャラは、強いて言えばクリスと心。対照的なふたりではあるが、可愛さのレベルはそれぞれ伯仲している。もちろんふたり以外のキャラクターたちも魅力的で、いちいちコメントしていったらキリがなさそう。付き合い出した後のバカップル描写が濃かったり、主人公がエロシーンで異様に精力絶倫なベッドヤクザぶりを見せ付けるあたりも素晴らしかった。軍師大和というかジゴロ大和だよね。待ちに待った甲斐のある一本でした。初回特典のマテリアルブックはwagiの原画と線画、タカヒロによる裏設定満載の用語集と制作秘話が詰め込まれていて嬉しい。


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