「機神飛翔デモンベイン」
   /ニトロプラス


 日記の内容を抜粋。


2006-05-27.

ニトロプラスの『機神飛翔デモンベイン』、プレー開始。

 こればかりはさすがに積めないんで、ちまちま進めていた『蠅声の王』を休止して取り掛かりました。3年前に発売された『斬魔大聖デモンベイン』(あるいは2年前の移植版『機神咆吼デモンベイン』)の、限りなく続編に近い番外編。倒したはずの敵が甦ったりと、ありえない展開を力技で敢行してくれるのがファンとしては嬉しい。テキストもだいぶ読みやすくなった。余分なイベントをばっさり削ってくれたおかげで話に集中できる仕組みになってるし、演出など細かい部分でも洗練されている印象があります。ただ前作やってないとストーリーが激しく意味不明ですね。あと小説版(古橋秀之著作の方)も読んでないと。

 戦闘シーンの一部は対戦型3Dアクションになっており、要求するハードのスペックもやや高め。当方の機ではどうにかギリギリで動いている状態。はっきり言ってコマ落ちしまくりです。良く言えばジョン・ウーの世界、普通に言えば紙芝居モード。そのうえ一瞬固まることもあって、いつかフリーズするんじゃないかと冷や冷やしながらやってます。ボタン押してもたまに反応しないし。一つ一つの戦闘に時間が掛かってしまうのが難だけど、敵の動きが鈍いので操作に慣れればサクサクと倒していけます。難易度? もちろんEASY。

 前作や小説版のキャラが軒並み登場するのも楽しいけれど、やっぱり新キャラが目立ってイイ味出してますね。今回の主役に位置する九朔、立ち位置の微妙さが興趣をそそるし、何より普通にカッコいい。ヒロイン?のアナザーブラッドも、ちょっとキてる口調が最高。声優さんとの相性が抜群です。そして若々しい爺シュリュズベリイの年甲斐なさも熱い。彼のテーマミュージックと化しているBGMがツボに入りました。CGも新規に描き直されているカットが多く、ちょっと画風が変わっている感じですが、これはこれでいい。アクションパートをプレー時の「パソコン大丈夫か?」的スリルとサスペンスを脇に置けば大いに寛げる内容。そんなに長くもなさそうだし、週末までにちゃきちゃきコンプしたろうと思います。アナブラたん(*´Д`)ハァハァ、九朔きゅん(*´Д`)ハァハァ。


2006-05-29.

ニトロプラスの『機神飛翔デモンベイン』、プレー終了。

 コンプリました。だいたい12時間くらい? アクションパートにてこずったから、ノベルパートは7、8時間程度かもしれません。事前にも告知されていましたが、話としては『鬼哭街』並みのボリューム。脇に逸れるような日常シーンがなく、徹頭徹尾本筋を追い続ける構成になっていますので短さは感じなかった。なかなか濃密な印象。それでいて前作より読みやすい。嬉しい仕上がりです。「劇場版デモンベイン」と評する向きもあり、正にそれかと。

 ストーリーはとにかく熱かった。なんでもありのお祭り騒ぎで、ちと羽目を外しすぎているきらいもありましたけど、ラインがはっきりしているおかげで筋を見失うこともなしに楽しめた次第。「うおおおおお!」「ああああああ!」「チクショウ!」「クソが!」「死ねぇぇぇ!」「○○○○(何かの名前)……○○○○ッ!」「今だ! ×××××(必殺技)!!」みたいな、ひたすらに叫び声を張り上げる場面が多く、さすがにちょっとシャウトしすぎな気もするけれど、下手すりゃ陳腐になりかねないそういうシーンも、声優さんの名演で素敵に凌がれてますよ。アズラッドの「アイオーン!」と少し震え気味に高らかに呼ばうところとか。個人的に一番好きなボイスは、冒頭の秘密図書館でアナザーブラッドが口にする「お望みとあらば!」。あれで胸がキューンとしました。狭心症?

 んで、話にしてもゴリ押し力押しな部分が目立ち、自認している通りの「荒唐無稽な御都合主義」。けどまあここまでパワフルに押し切ってくれると気持ちいい。シリアスムードで重たくなってきたところでも敢えてコメディを注入して、思わずくすりと笑ってしまった地点から一気に明るく元気良く勢いに任せてポジティヴな方面へ突っ走ってくれるあたりは心憎い。御都合主義は御都合主義でもよく訓練された御都合主義。一応全年齢なのにエロとかパロとかも割と露骨にチラつかされていて、そのへんのノリは特に変わっていません。ただ、必然的とはいえエロスのすべてが寸止めになっているのは憎い。心憎いのではなく憎い。にしー絵からロリっぽさが抜けてきて、程良く当方の好みに近づいてきたというのに……邪神とかよりもまず「全年齢」という名の絶望を打ち砕いてほしかった。やる前は「18禁じゃないの? まいっか」と軽く考えていたものの、実際に絶妙な寸止めを食らわされると豹変せざるを得ず。

 アクションパートは「ダッシュして逃げ→飛び道具で削る→魔力なくなってきたら溜め」の繰り返しでだいたい勝てました。EASYモードのせいか、ラスボスだろうと誰だろうとパターンが単調ゆえ悠々とハメ殺せます。なんか卑怯臭いですが、こちとらロースペックのスローモーな世界で無理矢理プレーしている身ですから。真っ当にぶつかり合ったら画面で何が起こっているかも分からなくなってしまう惨状。一番最初の戦闘をやったときはグチャグチャで、終わった瞬間、「え? どっちが勝ったの?」とマジで判断がつかなかったですよ。面白い/面白くない以前の問題。カットインCGはカッコ良かったです。特に地球皇帝閣下のは( ゚д゚)ポカーンと思考停止に陥るほどのカッコ良さで、思わず操作が疎かになって瞬殺されちゃいました。いやあれは死ぬって。

 続編ってよりはFDを待ち受けるような態勢で臨んでいたこともあり、まずまず満足の行く成果がゲットできました。「物語」の体裁を強く意識した内容で、他社ソフトながら『Forest』を連想したり。そもそも「デウス・エクス・マキナ」という言葉自体が元は演劇の用語らしいし、舞台を外から覗き見る造りとなっているのも別段不思議な試みではない、かも。ともあれ堪能せり。ますますデモベにハマりました。夏予定の古橋デモベも激烈に期待。最後に余談ですが、シュリュズベリイ&ハヅキと「Dr.SUPERSONIC」は相性良すぎ。あれが流れているときのふたりはすんごく活き活きしている気がします。


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