2021年7月〜8月


2021-08-23.

・アニメ版マギレコ2期第4話「お前はそれでいいのかよ」で明かされた真実がショックでしんなり落ち込んでいる焼津です、こんばんは。

 「ドッペル症」なる単語が急に出てきましたが、アレはアニメオリジナルの設定で原作アプリには出てきません。ただ「ドッペルは魔女化を防ぐ効果があるけど何か良くないものだ、多用しない方がいい」と主人公が感じている描写はあったし、ドッペル解放ストーリーでドッペルに呑み込まれそうになっている魔法少女は何人かいた(呑み込まれてしまったら話にならないので結局回避しているが)。ゆえに「アプリではああいうことは起きてないけど、似たようなことが発生する可能性はある」と考えられる。しかし、まさかアニメの方で先にドッペルのデメリットが暴露されることになるとはな。

 ドッペル症患者の隔離施設で塩漬けにされている子たちの中にはアプリ版キャラの姿もあり、原作界隈は「推しが瓶詰になった」と阿鼻叫喚の状態です。アニメに出演させてほしいとは願っていたけど、こんな形は望んでなかったよ! と悲鳴を上げるファンが多数。よりによって隔離されている魔法少女が自分のことよりも他人の幸せを願うようないい子ばかりだから余計に心が痛いですよ。頭に花を乗せた茶髪の子は「春名このみ」、花屋で働くお花大好きな女の子で、お客さんのためならあらゆる労力を払うことも厭わない。店長のおばさんの病気を治すためキュゥべえに唆されて魔法少女になった、といういろはちゃんにも通ずる自己犠牲精神を持った利他的な子です。水色ヘアーでチアっぽいコスチュームをしているのが「空穂夏希」、他人を応援することが生きがいで、落ち込んでいるところを彼女に励まされたキャラもいます。彼女も兄の病気を治したくてキュゥべえに唆されて魔法少女になった。みたまさんの後ろに映っていた二つ結びの子は「千秋理子」、頑張り屋さんの小学生です。作中でも最年少クラスの幼さ。同年代の子が少ないためかチームも組んでおらず、基本的にソロで活動しているっぽい。「他の街とはレベルが違う」神浜の魔女相手にソロで伍するわけだから、実はなにげに強キャラなんですよね。魔法少女として戦う傍ら実家(弁当屋)の手伝いもしており、「友達と遊ぶ時間がほとんどないのでは……?」と危惧されている。小さい頃から面倒を診てくれた近所のお姉さんが父親に結婚を認めてもらえず悩んでいたためキュゥべえに唆されて以下略。結婚したお姉さんに子供が生まれて、「今度は自分が『お姉さん』になる番なんだ!」と奮起します。最年少クラスながら年上の魔法少女相手に甘える描写もほとんどなく、「理想のお姉さん」になろうと頑張っていた健気な子なんだ……その末路がアレだなんて、そんなのあんまりだよ。

 「春」名、「夏」希、千「秋」、そして「ふゆぅ」――春夏秋冬ってワケさ! みたいな冗談じみた考察もあるが、かえで以外の3人は特定のチームに所属していなくてソロ活動が基本だからドッペル使わざるをえない状況に追い込まれることが多かったんだろうな……って考えるとより辛さが増す。かえでも魔法少女としては弱い方なので、何度もドッペルを出してああなってしまったと。1期の解説でも触れたが、かえでのドッペル「陣取りのドッペル」はかなりヤバい部類で、アレが暴走すると最悪街が壊滅するっつーレベルの代物です。周囲の環境を汚染することで「陣地」を広げ、「陣地」の内側において絶大な力を振るう。時間経過とともに討伐が困難になっていくタイプ。ちなみに理子ちゃんは☆4魔法少女だから原作でもドッペル実装済だが、このみと夏希は低レアリティ魔法少女ということもあってまだドッペル解放されていない。アニメでドッペルが初お披露目されたことを素直に喜べないファンたちの心中、察するに余りある。

 かなり原作とは違うストーリーになってきているので、第1部第8章「偽りに彩られ神浜」や第9章「サラウンド・フェントホープ」あたりの話(マギウスと非マギウスの抗争が激化していく)はカットされる可能性が高くなってきたな……やはりタイトル的にも第7章「楽園行き覚醒前夜」を軸に再構成した感じになっていくのか? 原作アプリだと最終決戦で神浜中の魔法少女たちが集結する流れだが、アニメでそれをやると作画的にコストが掛かり過ぎるのであらかじめ間引いておく狙いもあるのかもしれない。原作勢は次回以降ハラハラしながら視聴することを強いられるハメになりました。「推しが出る」という情報に怯えるファンのいるアニメ、それがアニマギだ。

・拍手レス。

 現実主義者〜は、むしろ敢えて遅くしてるのかも?アニメ制作会社の体力やアニメーター確保が足りていないので、三公反乱やヴァン占領の描写に話数を割きたくないと思ってる可能性ありますね。体力ない会社が戦記モノを原作通りに描いたら、百連の覇王の二の舞になってしまいます...
 戦記モノのアニメ……魔弾の王と戦姫……ムオジネルダンス……うっ、頭が。確かに深夜アニメでやるにはカロリーの高い内容だからあのへんはナレーションでスッ飛ばすつもりなのかもしれませんね。


2021-08-14.

『現実主義勇者の王国再建記』のアニメ、原作が好きなので「初期の頃のエピソードは懐かしいな〜」とダラダラ楽しんで観ていたが、非常に丁寧な原作再現……というか「嘘でしょ?」ってくらいの遅さで進行する映像化にビックリしている焼津です、こんばんは。

 原作(書籍版)の最新刊が15巻なのでストックは充分にあるし、ラノベアニメの常として1巻あたり3話のペースで1クールかけて4巻までやるのだと予想していましたが、最新話(第6話)「智者は時にそむいて利を捨てず」で原作のどのへんまで進んだかと申しますとね、だいたい1巻目の200ページくらいです。もうすぐ放送される第7話「古老、曰く」のあらすじを読む限りでは次もまだ1巻の範囲内、早くとも第8話まで到達しなければ1巻の範囲すら明けない。読者が「これ通算何巻目だっけ?」と混乱する事態を避けるため現国の書籍版は一貫して『現実主義勇者の王国再建記』というタイトルで刊行を続けていますが、web版は区切りのつくところまで進んだら「○○○○記」の部分を変えています。要するに「王国再建記」とは本来現国シリーズにおける第一部のタイトルであり、書籍版の5巻からは第二部に当たるエピソードが始まっている。そのことを考えるとアニメは最低4巻まで進める必要があるはずなのだが、現状のペースだと4クールは掛けないとエピソードを消化し切れない。Blu-ray BOXが13話収録だから一旦1クールで終わることは明確になっており、2期目以降が来るかどうか不透明なこともあってアニメ派は「えっ、ここでおしまい?」って困惑することになるかもしれません。

 ラノベアニメで原作1巻の内容を1クールかけて丁寧に描いた作品はいくつかある(『六花の勇者』とか、他の巻から引っ張ってきたエピソードもあるけど『パパのいうことを聞きなさい!』とか。最近だと『86―エイティシックス―』もか? 境ホラやAnotherは「1巻」の定義が例外的すぎるので除く)けれど、まさか現国がそっち寄りの例になるとは。人気が出なければこれっきりだろうが、ヒットすれば続編がバンバン作られて完結まで漕ぎ着けられるのかな。不安だ。そもそも論を述べるとラノベアニメでキチンと完結までやり切った作品は少ない(原作自体が未完で打ち切られているパターンもある)から、「中途半端なところで終わるのはいつものことでしょ」と指摘されると何も言い返せないですが。

・この御時世なので遠出もできず近場の映画館で『ザ・スーサイド・スクワッド』を観てきました。

 『ザ・スーサイド・スクワッド』はアメコミ原作のハリウッド映画ですが、MARVEL(X-MENやアベンジャーズ)ではなくDC(バットマンやスーパーマン)の方です。2016年に公開された『スーサイド・スクワッド』(「ザ」が付かない)の続編……と言っていいのかな? 基本的な設定はそのままで、「明確に前作との繋がりがある」とも「前作がなかったことにされている」とも判断し切れないフワフワした状態になっている。感覚的にはリブートだけど主演のハーレイはマーゴット・ロビーが続投しているし、細部にこだわるマニア以外は『スーサイド・スクワッド』→『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』→『ザ・スーサイド・スクワッド』(「ザ」が付かない方と区別するため「新スースク」と称する向きもある)の順番で話が進んでいると受け取っても構わないだろう。とはいえ3作すべて監督が異なる(デヴィッド・エアー、キャシー・ヤン、ジェームズ・ガン)ため通して観たら「ノリが違いすぎない!?」と戸惑うハメに陥る観客も多いだろう。

 予備知識的なことを簡単に書くと、「スーサイド・スクワッド」は減刑を餌に寄せ集めた死刑囚などの凶悪犯たちを極秘任務に就かせるためのチームで、あまりにも生還率が低いことから「自殺部隊(スーサイド・スクワッド)」の通称が与えられている。正式なコードネームは「タスクフォースX」。要するに人命使い捨てを前提にした人権意識ゼロのヤバいチームであり、「アメリカの闇」そのものといった雰囲気である。映画の後半でアメリカの企んだ陰謀が明らかになってすったもんだするが、「自殺部隊なんてものを運用している時点で何を今更……」感が拭えない。ハーレイ・クインこと「ハーリーン・クインゼル」は『バットマン』シリーズを出自とするヴィランで、ザが付かない方の時点ではジョーカーの恋人だったが『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』の頃にはジョーカーからフラれており、今回の映画でも新しい恋を探している。『華麗なる覚醒』では堂々と表を歩いていたのにまた捕まったらしくスーサイド・スクワッド送りになっているが、彼女は歩く犯罪発生装置であり「逮捕される心当たりしかない」状態なので何も違和感はありません。なおハーレイ以外の面子は総とっかえ、前作の内容全然覚えていなくても大丈夫です。

 例によって例の如く「うわっ…私の生還率、低すぎ…?」な任務に放り込まれたハーレイたちがなんやかんやで悪党どもをブッ殺しまくるわけですが、「予告編で期待していた内容とは全然違っていてガッカリ」と批判された『スーサイド・スクワッド』(「ザ」が付かない方)のリベンジとばかりに過激な描写と展開をバンバカぶち撒けます。予告編で想像した内容の百倍はブッ飛んでいますよ、今回。というか予告編の出来があまり良くないので、可能なら一度もトレーラーを観ずに劇場まで足を運んでほしいです。まぁ、「これは予告編じゃ流せないな」ってゴア描写、グロテスクな人体損壊シーンが大量に盛り込まれているから仕方ない面はあります。とにかく悪趣味で下品、「スタイリッシュ」という概念にズブズブ中指を突き立てていくような混沌とした仕上がりになっており、「こういう映画が観たかったわけじゃないがここまで突き抜けているとメッチャ楽しい!」ってのが正直な感想です。特に意味のないフレーバーめいた存在であるウィーゼルを「面白い」と思える人と「何なんだよアレ、わけわからん!」となってしまう人とで評価が大きく分かれるだろう。ナナウエ(サメ人間)のインパクトも強く、「実質サメ映画」みたいな評が出回るかと思ったら「サメ映画にこんなにサメが出てくるわけないだろ」と言われていて笑ってしまった。破壊と殺戮の釣瓶打ちで退屈するシーンがほとんどなく(強いて言えば「ピカピカ便座頭」ことピースメイカーとフラッグの殴り合う場面が紋切り型で他と比べてつまらなかった)、童心に返ってワクワクすることができました。大スクリーンで鑑賞する迫力も相俟って「やっぱり映画館はサイコー!」とテンション上がりましたね。一番好きなのはマスク装着時のブラッドスポート、やっぱりスナイパーとかマークスマンは中二心をくすぐるよなぁ。

・最近まとめ読みしたライトノベルは『本能寺から始める信長との天下統一(1〜5)』。異世界転生ではなくタイムスリップ系のなろう小説です。

 修学旅行の最中にタイムスリップして戦国時代へ来てしまった主人公「黒坂真琴」は状況がよく呑み込めないまま燃え盛る本能寺で織田信長を助け、「命の恩人」として感謝されることになった。元の時代へ帰れそうもないから、なし崩しで信長の軍師みたいな役割を務めていく。それが「安土幕府」誕生のキッカケになるとも知らずに……という感じで歴史を改変していく戦国ファンタジーです。『織田信奈の野望』みたいに戦国武将が美少女化しているパターンではなく、織田信長をはじめとする歴史上の人物たちが本来の性別で登場します。ヒロインは信長の姪っ子、いわゆる「浅井三姉妹」の茶々、初、江。出世していくにつれ側室もどんどん増えていくのでやがて「今何人だっけ?」と把握し切れなくなります。主人公の干渉によって「本来の歴史」からズレてパラレルな世界に変貌していくのが読み所の一つであり、「この世界線の未来」を綴る断章も時折挿入される。土曜の夜に放送されるバラエティ番組「常陸時代ふしぎ発見!」、なんていう露骨なパロディを受け容れられる人ならテンション高まるだろう。

 「よくある歴史改変モノ」と言ってしまえばそれまでだが、本シリーズの特徴として「主人公が陰陽師の末裔」という設定の珍しさが上げられる。信長が本能寺で暗殺されそうになったのは明智光秀個人が立てた謀略ではなく、「悪しき妖魔」の関与があった――てな具合に伝奇色を盛っています。伝奇パートが少な過ぎて時たま陰陽師設定を忘れそうになったりもするけど……今後の展開を仄めかす箇所がいくつかあり、それによると主人公が「この世界線の未来」を知る(一時的に未来へ跳ぶ?)場面もあるみたいだ。4巻で全国制覇がほぼ終わって5巻から信長が海外に行く(主人公は日本に残る)などストーリーもサクサク進行、「天下統一」の「天下」が予想以上に大きなスケールとなりそうでワクワクします。

 全体的に砕けた口語体で書かれているため時代モノとして読むといささか風情に欠けるところがあり、歴史小説好きにはやや薦めにくいが、むしろ歴史を題材とした小説に苦手意識を抱いている人が読めば「なんだ、こういうのもあるのか」と安心して馴染めるかもしれない。そもそも主人公が極度のラノベ好きで他作品パロが頻繁に出てくる(風神雷神を赤髪と青髪の鬼メイド姉妹にする等)から普段ライトノベルを読まない人には抵抗が強いだろう。伏字で他作品ヒロインの名前をバーッと列挙する件はさすがにヒいた。細かいイベントの積み重ねでストーリーを紡いでいく方式のため、少しとりとめのない物語になっている(喩えで言うと「巻末書き下ろしの番外編みたいな内容」が延々と続く箇所がいくつもある)のもマイナスか。なんというか「話のブツ切り感」が強いんですよ。ラノベというよりソシャゲのシナリオみたいな手つき。この作者、ひょっとして連綿としたストーリーを書くのが苦手なのかな。「このときの選択がまさかあんな結果を招くことになるなど、当時の俺は知る由もなかった」や「思わぬところで真実を知ってしまうのだが、それはまた別の話である」といった、小説作法において「極力避けるべき」とされる仄めかしテキストもやたら多い。あと茨乃の表紙イラストは素晴らしいが、作中の少しえっちなシーンの挿絵は物足りない。減点法で見ると読むのが辛いシリーズではある。なのでなるべく心を広く持って加点法で読むことをオススメしたい。

・拍手レス。

 赤選択肢は見てると○○○○の印象が大分変わりますよね…言葉は偽りだらけだけど行動はかなりわかりやすくて面白いやつでした○○○○
 あの厳しい条件下で見事にやり切ったことを考えると感心してしまう。偽○ー○○時代のエピソードはズルいというか、アレを見せられたら嫌いになれない。

 primeは追い課金をしてmusic unlimitedにすると充実したアニメサントラライフを送れますよ、と>直近では型月のゲーム・アニメ関連が入ったような記憶
 へー、music unlimitedなんてのもあるんですね。いろんなプランがあって把握し切れないと申しますか一番足りないのは時間だと痛感させられる……。


2021-08-07.

【期間限定】「Fate/Grand Order 〜6th Anniversary〜」開催!

 6周年記念ということで実施されているキャンペーンもあれやこれやと盛り沢山である。盛り沢山すぎて書き切れないが、いくつか拾っていこう。

 まず「特別召喚」、これは任意の☆5サーヴァントを選択して入手することができるサプチケとかスカチケとか〆チケのようなヤツです。有償ではなく無償でゲットできるのだから太っ腹だ。期間限定ではない、いわゆる「恒常」の☆5サーヴァントだけが交換対象であるが、恒常とはいえ基本的にストーリー召喚からしか出てこず入手難易度の高い「スト限」サーヴァントも今回は交換対象となっている。具体的に書くと「ニコラ・テスラ」「アルトリア・ペンドラゴン(ランサー)」「ケツァル・コアトル」「女王メイヴ」「李書文」「クー・フーリン〔オルタ〕」「シトナイ」の7騎。なお恒常でもオデュッセウス以降のサーヴァントはラインナップに入っておりません。ネモくんがいれば迷わず選んでいたところだけど、いないので李書文にしました。

 ログボ聖杯はもう慣れてきたのでスルーするとして、6周年のアップデートで大きく変わったのは「種火と宝物庫に『極級』を追加」「毎日1回有償限定の単発召喚を追加」「サーヴァントコインを実装」の3点ですね。極級は超級より上の難易度で、最後にHP10万以上のボスエネミーが登場する代わり超級の3倍くらいの報酬が獲得できます。今ならAP半減キャンペーンもやってるので稼ぎ時だ。フリクエの素材ドロップ率も「微調整」レベルとはいえ僅かに向上しているらしいし、FGOにおいて苦痛の代名詞であった「周回」が少し楽になる……かな? 「毎日1回有償限定の単発召喚」は他のソシャゲで「おはガチャ」とか呼ばれているシステム。1日に1回しか引けない代わり、通常よりも少ない石でガチャれる。朝起きて「おはよう」と口にする時間帯に回す人が多いことから「おはガチャ」の通称で親しまれている。FGOの場合だと通常聖晶石3個のところを聖晶石1個でOKになるワケダ。ただし有償石オンリー。有償石は1個あたり120円だから毎日引けば一ヶ月で3600円くらい、一年で43800円の負担になります。微課金とは言いにくいが重課金とも断定しにくい微妙な額だ……定期的に課金する人しか縁がないため「納税」と呼ばれることもありますが、他のソシャゲの場合は一定回数以上ガチャった際に該当するピックアップのキャラなりアイテムなりと交換することができる「天井」のシステムも概ね配備されており、おはガチャには「天井への距離を近づける」という役割もある。天井が実装されていないFGOでおはガチャやってもあまり旨味はないような……ただ、福袋以外でメリットのなかった有償石に新たな使い道が生まれたんだから歓迎するプレーヤーもいる、か? サービス終了時まで有償石がプレーヤーの手元に残っていたら運営はそのぶんに関して払い戻さないといけない義務がある(このためどんなソシャゲでも有償石と無償石は厳格に区別される、またオマケの無償石が増量されることはあっても有償石自体が値引きされることがないのは返金時の処理が複雑になるから)し、なるべく有償石を使い切っていてほしいという思惑もあるのだろう。

 サーヴァントコイン、これが今回で一番大きい変更かもしれません。要はプリコネのメモリーピースみたいなアイテムです。ガチャ等でサーヴァントを獲得したときと絆レベルが上がったときに入手可能。今後はイベントなどでもゲットできるようになるらしいが現時点での詳細は不明。主な用途は「レベルキャップ解放」と「アペンドスキル解放」。サーヴァントコインと聖杯を投じることでサーヴァントのレベルを最大120まで上げられるようになる。FGOもだんだんグラブルみたいになってきたな……聖杯1個とコイン30枚につきレベル2つぶんのキャップが外れるので、レベル100から120まで上げようとすると聖杯10個とコイン300個が必要になります。もちろん膨大な量の種火も別途ご用意しないといけない。聖杯使い切ってる勢にとってはエンドコンテンツに近い代物だ。コインは過去のサーヴァント獲得履歴を遡って付与されるが、☆3以下のサーヴァントに関しては途轍もないデータチェックが必要になるためか反映されておらず、今のところ「☆5や☆4よりも☆3の方が育成困難」という状態になっています。☆1や☆2に関してはフレポで賄えるが、以蔵とか森はこれどうすんの、って感じ。カッツは邪馬台国の復刻が来たら全力で回すっきゃない。アペンドスキルは開放することで常時発動するスキルという、言わば「クラススキルの増設」に当たる新仕様です。マギレコの「精神強化」を少し思い出すかな。サーヴァントコインを使って最大3つまで解放することができ、解放したスキルは素材を使ってスキルレベルを上げることもできる。3つあるうち一番優先すべきは「魔力装填」か。レベル1でも開始時点でNP10、レベル10にするとNP20でスタートすることが可能になります。スキルマすれば未凸カレスコでも開始即ブッパができるし、黒聖杯装備した三蔵ちゃんや道満が自前スキルだけで宝具を撃てるようになる。ぶっちゃけ環境がガラッと変わっちゃうような特大のアップデートです。とりあえず機械的に魔力装填を片っ端から解放していってしまったが、これで更にコインの使い道が広がったりしちゃったらマズいな。そのときはコインリムーバーみたいなのも付くと思うけど。アペンドスキルのレベル上げに要求される素材が結構キツいし、スキルマには伝承結晶が必要なので大変です。もうこれ伝承結晶を入手する機会が増えないと育成追いつかないのでは? とりあえず「NP40獲得」という半端な量のスキルのせいで礼装選択に頭を悩ませることが多かった水着ジャンヌやバニ上、水着牛若丸がNP10装填でグッと使いやすくなるのは嬉しいです。

 で、半年に一度のお楽しみ福袋召喚は「登場年別×クラス分類別」で12通りある中から一つだけ選べる。☆5確定枠は期間限定サーヴァントのみ排出。「☆4以上のサーヴァント確定」枠もありますが、そちらは「該当する期間に実装された☆4以上のサーヴァント」であって期間限定とは限りません。どれを選ぶべきかは手持ちにもよりますのでひと口には断定しかねますものの、発表時点で熱い視線が注がれたのは「2018.7.30〜2019.7.29 四騎士」ですね。通称「25%の確率でアルジュナオルタが引ける福袋」。対象サーヴァントが4騎しかいないため闇鍋感が薄く、アルジュナオルタ(略称ジュナオ)は雑に放り込んでもだいたいのクエストで勝利をもぎ取るつよつよバーサーカーゆえチャレンジしようというプレーヤーは後を絶たなかった。どれをチョイスしても被る可能性はあるし、「重ねる」ことを前提にして考えるならやっぱり私もジュナオガチャがいいな、とあまり深く悩むこともなく1/4ジュオナチャレンジに参加しました。ジュナオ以外は全員女性サーヴァントだから、たとえ狙いが逸れてもガッカリせずに済む。というかカーマちゃんは結構欲しいぜ。インドの神性に物欲を漲らせた結果、1/4どころではない確率でジュナオ2枚抜きを達成し宝具レベル4の大勝利! 希望の未来へレディ・ゴーッ! コインもいっぱい貰ったし、このままレベル120を目指そうかな。現状だと聖杯が全然足りないけど。

 周年記念PUは「光のコヤンスカヤ」、どのツラさげて、しかもこのタイミングで!? ソロモン公開中だしゲーくんあたりだと思ってたわ。シナリオはないけど体験クエストも実施中。宝具だけ見ると「そこそこ稀少な全体バスター殺」止まりだが、こいつスキル構成がヤバいですよ。NP最大50&スキルチャージ2、人間特攻&スター獲得、バスターUP&バスクリUP。これを自身だけではなく任意の味方に対して振れるというのだからトンデモない。アサシンのくせにキャスター並みの支援性能を持っていやがります。おかげで「バスターでシステムを組める時代が到来した」とまで言われることに……コヤン実装以前から既に優秀だったジュナオやモルガンの性能が更に別の次元へ進んでしまった。Wコヤンシステムでモルガンは宝具三連発できるし、ジュナオは弱体特攻を重ね掛けできるようになる。スキルモーションも凝っていて目に楽しいし声帯は斎藤千和だし運営のバラ撒きで石がいっぱいあるし、こりゃ我慢とか無理ですわ……気がつけば欲望に負けてコヤンを召喚していました。9月の水着ガチャはどうするのかって? そんな先のことはわからない。

【追記・更新】第2部 第6章「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻」(後編)開幕!

 戴冠式ことアヴァロン最終章が遂に配信されました。「回収しなきゃいけない要素が多過ぎるだろ、本当に収拾つくのかよきのこォ!」とか吼えていたけどマジで収拾ついてビックリですわ。以下、致命的なネタバレは避けつつザックリ。後編終わった時点で「メチャクチャにブッ壊してやりてぇよ、妖精國ブリテンの仕組みをよ……!」という気分だったし、いざ戴冠式が始まったときも「やってみせろよ、奈須ティー!」ぐらいのテンションでしたが、エピローグで吹き荒れる崩落の嵐に「何もここまで徹底的にやれとは言ってないだろきのこォ!」って叫びたくなったり。創世神話の秘密が明かされる件は普通にドン引きでした。そりゃケルヌンノスも激おこ忿忿丸の妖精スレイヤーになるわけだ。具体的なキャラクターとしては描かれないけどケルヌンノスの巫女ちゃんがどういう子だったのか気になるな……食欲に負けたバゲ子、愛に殉じたラン子、まったく触れられない「プレーヤーにとって思うところはあるもののぐだにとっては単なる悪役だった」トリ子、妖精騎士たちの末路には胸が痛みながらも熱くなったり。みんな絶望で魂がボロボロになって厄災に変じてしまうわけだけど、「世界を壊すほどの絶望」が生じる余地のあった魂なのだと思うと悲しいことばかりでもないのだな、と。キャラ人気がもっとも高まるこのタイミングで全員のピックアップが既に終わっている状況はギャグですが。というか妖精どもの個性が強すぎるせいでベリルが完全に空気化しちゃったのは残念だったな……役割としては赤い鰊だから仕方ない面もあるけど、もうちょっと何か隠している要素があると期待していました。

 ツイッターで指摘している方もいる通り「主人公(ぐだ)視点で見た妖精國」と「プレーヤー視点で見た妖精國」は大きく異なり、ぐだにとって妖精國の醜い面はあまり映っていない(トリ子やモルガンの最期を知らないし、バゲ子やラン子がなぜああなったかもわからない、ムリアンについてはコヤンが伝える余裕もなかった)構造となっています。これまでも「ぐだの知り得なかった事実をプレーヤーにだけ開示する」シーンはいくつもあり、「FGOでぐだが受ける印象とプレーヤーが受ける印象は実のところ微妙に異なる」仕組みだったんですが、それが今回はだいぶ露骨になっている。「ぐだが知り得なかった部分」については概ね○○○○が関知しており、そのためプレーヤーはぐだよりも○○○○に肩入れしやすくなっていて、「単純に分量が多くて大変だったというのもあるだろうがこのへんのバランスもかなり苦慮したんだろうな」と感じた。またオーロラは率直に言って最悪なキャラ(ライブ感を重視しているため展望がまったくなく、自分の首を絞めるような真似を平然としでかす)だが、それでいて特に深い思慮もなく彼女のやったことが結果的にぐだを救うことへ繋がるなど、プレーヤー視点から見下ろせば実に皮肉な事態が描かれています。意図的に「ぐだとプレーヤーの乖離」を演出しつつ、道中の選択肢でどれをチョイスしたかによってクライマックスの選択肢が変わる(フラグ管理されているらしく特定の選択肢が出たり出なかったりする)ギミックを組み込むあたりはきのこのゲーム好きな面が表出した結果と言えるかもしれない。きのこはとにかく「ゲームとしてのFGOを面白くしたい」とばかりに隙あらば工夫を凝らしたがっているので、今回も「相当無茶ぶりしたんだろうな」と窺える痕跡が多々残っています。きのこ並みの権力がないと実現しえないであろう贅沢なギミックが堪能できる一方、厄介なことに難易度が跳ね上がってしまっているステージもある(きのこは基本「死んで覚えろ」派なので)。

 バゲ子戦もだいぶ苦労したが、ケルヌンノス戦は段違いというかほぼネロ祭の超高難易度クラスでした。耐久パーティーを組んで時間掛ければノーコンでもクリアできそうな調整になっているものの、こちとらストーリーの続きが読みたくて仕方がないんだよ! と霊脈石割ってゴリ押し突破しました。あれがネロ祭だったら頑張ってノーコンクリア目指していたところですが、睡眠時間削ってシナリオ読んでる人間に超高難易度バトルを提示したらそうなるのは必定と言えましょう。今はフリクエを消化中。コヤンで強化したモルガンにロードレス・キャメロット連発させて妖精どもを吹き飛ばすの楽しい。○○○○○○○のことをとやかく言えないな、俺も。

 余談的な感想を付け加えると「やたら愚かモブムーブかますせいで忘れそうになるが、こいつら妖精だから戦闘に関してはメチャつよ種族なんだよな」と感じるシーンがあったり。いなくなってから痛感する牙の氏族の有用性。あとベリルの回想でサラッと第一魔法について言及されているのもビックリだった。第一魔法は詳細が明かされておらずファンの間で推測される程度に留まっていますけど、『月姫』のリメイクがもうすぐ出るこのタイミングでわざわざ触れたということはまほよの続編も動かす気満々だったりするのか? 


2021-07-26.

・連休中はAmazon prime無料体験の刑期が明けた(Prime無料体験は利用してから何年か経つとまた利用できるようになる)こともあってprime videoでアニメ観てた焼津です、こんばんは。

 見逃しちゃっていた今期のラブコメ『カノジョも彼女』が思ったより突き抜けた内容でハマったり。「正々堂々二股したい!」と叫ぶラブコメ主人公がいていいのか!? いいんだよ!! 勢いだけで突っ走っており笑うしかない。正直主人公に対しては狂人を見る目向けちゃいますが、ヒロインの咲と渚の遣り取りが小気味良くてツボに入る。「暴力はやめませんか!!」「二股はいいんかい!!」のところが特に好き。『ドージンワーク』の頃からヒロユキ作品は読んでいるけど今回が一番好みかも。あと前々から気になっていた『グリザイア:ファントムトリガー THE ANIMATION』もせっかくだからこの機会に、と鑑賞してみたがこっちもこっちで期待以上に面白かった。

 原作『グリザイア:ファントムトリガー』は2017年から連作形式でリリースを開始したPC向けADVです。TVアニメ化した『グリザイアの果実』(および『迷宮』と『楽園』)の続編的な位置付けにあるシリーズであり、『楽園』で描かれた「海上油田爆発事故」から数年後の美浜学園を舞台にしている。旧三部作は18禁ゲーム、いわゆる「エロゲー」だったがPTは濡れ場が盛り込まれておらず「15歳以上推奨」とR指定相当に留まっています。主要キャラクターは一新されていて、基本的に旧三部作のメインキャラは登場しません。例外的に風見一姫をアバターにしたAI「タナトスさん」が出てくるけど、本体(一姫)はサービス終了が決定したソシャゲ『グリザイア クロノスリベリオン』の設定を正史と捉えるならPTの頃ってまだコールドスリープしている最中なんですよね。クロノスリベリオンは「旧三部作とPTのキャラは年齢がだいぶズレる」という問題を「雄二たちは数年に渡ってコールドスリープしていた」なんていう荒業じみた設定で解決しています。さておきPTは先述した通り連作形式を採択しており、原作のストーリーもまだ完結していない。「vol.1」「vol.2」といった具合に細かく章を区切って販売しているが、非18禁でこういう分割形式は失敗する可能性が高く(実際にminoriは『すぴぱら』で大損こいた)開始当初は先行きが危ぶまれたものでした。どうにかこうにか続いて最終巻まで出せる運びとなったことはファンにとって大きな喜びでしょう。クロノスリベリオンのサービス終了がその喜びに水を差してしまったけど。

 もともとグリザイアシリーズはFrontwing10周年記念企画としてアニメ化を目指して発足したモノであり、旧三部作は念願のアニメ化で大いに知名度を高め、「アニメ版のヒットがなければPTもなかった」というくらいの稼ぎを生み出したことから当然PTのアニメ化企画も早い段階から動き出しました。2017年5月からのスタートというからほぼゲーム発売直後である。しかし、アニメの制作ともなると費用が物凄く掛かります。具体的な数字を出すと01と02のアニメだけで約1億円もの予算をFrontwingが自己負担するハメになりました。それほどの金額はなかなか捻出が難しかったため2018年にクラウドファンディングで支援を募り、1500万の目標に対し1671万を集めることに成功。PTのアニメは無事世に出ることとなりました。2019年3月にまず01と02を併せたものが劇場上映された後、ネット配信を経て6月にパッケージ版発売。一般流通には乗っておらず、購入できるルートは限られている。たとえばamazonでも「DVD」ではなく「PCソフト」のカテゴリで販売されています。同年9月に30分枠で放送するため特別編集したバージョンを地上波で流したらしいが、当時は知らなかったため見逃してしまった。現在03の「スターゲイザー」までアニメ化されており、04以降も待望されているところである。ちなみに原作はvol.7が最新作で、Frontwing代表の口振りからすると次のvol.8が最終巻になるのな? 長くなりそうな予感がするし、ひょっとするとvol.8&vol.9のセットで完結するパターンかもしれない。

 廃校したはずの美浜学園は雄二たちが起こした騒動の影響でその在り様を大きく変貌させ、特殊技能訓練校として新生することになった。様々な形で社会から見放され行き場をなくした少年少女たちを引き取り、暗殺や破壊工作などの技術と知識を叩き込んで反社会的勢力との闘争に備える、教育機関を装った国防の庭。基本的には「訓練校」なので在籍中に生徒たちが「現場」へ赴いて「実務」をこなすことはあまりないのだが、何事にも例外はある。優れた才能を持つゆえに学生の身分でありながら危険な任務に従事する超法規的国防集団――社会の死角に潜んで暴力を執行する、誰も気に留めない無視された武装存在(ファントムトリガー)。美浜学園において彼・彼女らは「A組」と呼ばれていた……と、そんな感じで「政府に飼われた秘密の少年兵たち」を描くスリラーです。深見真作品で言うと『ヤングガン・カルナバル』が近いか。01「SORD」はA組に所属するメンバーの紹介を兼ねた導入に当たるエピソードで、一般教科の授業を行うためにやってきた新任教師「有坂秋桜里」の救出ミッションがメインとなる。自ら「ニンジャ」と名乗るムラサキ(狗駒邑沙季)に「アイエエエ!」と叫びたくなる(ネオサイタマとか言ってるし)が、一番強烈なのはヤクザにマウント(物理)を取りボコボコ殴って撲殺するレナ(深見玲奈)か。CV.内田真礼の可愛い声をしておきながら二つ名は「狂犬のレナ」。徒手格闘を得意とする近接戦タイプです。パッと見お嬢様っぽい容姿をしているんでソシャゲから入ってきた人は度肝を抜かれただろうな……私もクロノスリベリオンの方を先にやっていたからビックリしたんだが。というかBGMがクロノスリベリオンと結構共通していて、「あっ、これバトルのリザルト画面で流れるヤツだ。てことは戦闘終了か」と理解が早くなる。ハルトに関しては「刀を使う」ことくらいしか分からなかったが、導入としては申し分ない出来で引き込まれた。02と併せて1億円も掛かっているだけのことはあり、作画も準劇場版クラスでかなりイイです。

 02「ソウルスピード」は新キャラのマキ(井ノ原真紀)が登場するエピソード。クロノスリベリオンでもマキがメインのイベントあって、配布キャラになっていました。美浜学園の姉妹校「京船桜が丘」に在籍する稲垣バニラと稲垣チョコの双子も参戦。クロリベの本編にガッツリ登場するからてっきりオリジナルキャラだと思っていたけどPTの子だったのか……初めて知った。そういえばA組と因縁があるような描写もあったっけ。とある「心臓」を巡ってA組とロシアン・マフィアが対立し、ロシアン・マフィアのボス直属で殺し屋と運び屋を兼任していた「ソウルスピードのマキ」が「狂犬のレナ」と争うことになる。このふたり、実は幼い頃に面識があって……と、レナの過去編めいた趣もある話です。ファミレスでレナとチョコがガンを垂れるシーンは「ヒロインの顔か? これが…」な素晴らしい表情で笑った。原作のシナリオライターが「藤崎竜太」だから絶対にバイク走行シーンがあると思っていた(藤崎は大のバイク好き)けど実際にあって満足しました。

 03「スターゲイザー」はまだネット配信されていないが、これに関してはBD購入済なので何の問題もナシ。私がスナイパー好きなこともあってクロリベでトーカ(獅子ヶ谷桐花)を気に入って、その流れで衝動買いしてしまったのである。むしろ03のアニメを観たいがために01と02を視聴したようなところがある。これで大手を振ってトーカちゃんに会いに行けるぞ! なおずっと積みっぱなしだった原作ゲームも一念発起してインストールしました。でもプレーする時間はたぶんないな……他にも観たいアニメや読みたい本がいっぱいあるし。『かげきしょうじょ!!』とか。

 余談。グリザイアシリーズのうち旧三部作のシナリオは複数ライターによって執筆されているが、ファントムトリガーは藤崎竜太がピンでテキストを書いています。旧三部作で言うと天音や蒔菜の担当。雄二の過去に関する部分も担当しています。参考までに言及しておくと由美子が『ぼくたちのリメイク』の原作者・木緒なち担当で、みちるが桑島由一、幸がかづやといった内訳。当時のかづやは若かったこともあって他のライター陣に意見し辛く、幸へあれこれ勝手に付け加えられた設定を拒むことができずに流された結果キャラが錯綜して「なんかいろいろとおかしいメイド」になってしまった、などというトリビアもある(なおクロノスリベリオンではそのかづやがディレクターとシナリオライターを兼任している)。シリーズに一番深く関与しているのは藤崎竜太なんですが、商品、つまり「美少女ゲーム」として成立させるための匙加減を教えたのが木緒なちで、旧三部作は「藤崎竜太がエンジン、木緒なちがブレーキ」みたいな形で成立しています。その喩えでいくと運転手は社長の山川竜一郎か。藤崎がピンで執筆していたら暴走して完成に至らなかった危険性も高く、そういう意味ではベストな布陣だったと言えるかもしれない。単純に一人でシナリオ書くとなると時間が掛かり過ぎるという問題もある。ただ代償として藤崎のカラーが抑え目になっていることがファンとしてはやや不満でありました。決して手を抜いたとかではなく、本気で取り組んでいることは伝わってくるものの、「バランスの取り方に悩んだんだろうな」って苦労が滲み出している部分があるというか。

 藤崎竜太はかなり古参のライターであり、Frontwingで仕事するようになったのは2002年以降だが、デビューは1997年と虚淵玄や奈須きのこ、田中ロミオ(山田一時代含む)や荒川工よりも業界歴が長い。高橋龍也あたりが辛うじて先輩格に当たるだろうか。フリーランスが多いためか横の繋がりが強いエロゲーライターにしては珍しく他社ライターとの交流が少ないタイプで、ライター談義みたいな話題でもあまり名前が上ることはありません。グリザイア以外で売れたのはヤマグチノボルと組んだ『ゆきうた』(ヒロインが撃たれて「血が黒い、腎臓を損傷している!」なんて遣り取りもあるからグリザイアの雛型みたいな部分はなくもない。あと「蒔菜のプロトタイプ」と言い切ったら真に受ける人も出てくるだろう個性的な妹キャラ「長谷川菜乃」が登場する。菜乃なのだ)くらいだし、エロゲー好きでも「グリザイア以外のソフトはよく知らない」って方が多いんじゃないでしょうか。個人的には2005年発売の『ひめしょ!』が大好きで、「今後ずっと追いかけよう」と決意したのですが「年齢的にもキツいからフルプライスでピンの仕事はもうやらない」と宣言し、2007年の『吸血奇譚ドラクリウス』(移植の際に『ムーンタイズ』と変更されたがその後ソシャゲ化する際に『ドラクリウス』へ戻されたとか何とか)を最後に大きな案件はやらなくなってションボリしたものです。

 そんなわけでFrontwing10周年企画『グリザイアの果実』で久々にメインに抜擢されると聞いたときは嬉しかったものだ。直前で発売延期かましやがったときは「買うのやめようか」と思ったけど……既に予約済だったという。そして2017年に満を持して始まった『グリザイア:ファントムトリガー』は、フルプライスじゃなくて分割だけど超久々に藤崎ピンでのシナリオ担当となった。全部合わせればフルプライス相当だろうし、実質「ソロの長篇ソフト」と見做しても構わないだろう。藤崎がソロで長篇ソフトを手掛けるのってドラクリウス以来だな。いや、オマケ程度とはいえドラクリウスのリアンルートは別ライターが書いてるから厳密には違うか? となると『ひめしょ!』以来? あれもクレジットされていないだけでハーレムルートとかは別ライターが書いたらしいが……とにかく、『ひめしょ!』で藤崎竜太にハマった私にとってPTは垂涎のシリーズであり、発売済タイトルはすべて購入していたけど「プレーするのは完結を確認してからにしようかな」などと日和って開封すらしていませんでした。でもそろそろ完結も近くなったという話だし、アニメ観て原作もやりたくなったし、ちょうどいいタイミングだと信じてインストールした次第。案の定時間が取れなくてvol.1の冒頭をちょろっとやっただけですが、旧三部作よりも藤崎のカラーが強い雰囲気になっていてホッコリします。たぶん完結したら全部入りパックが出ると思うので、まだ買ってない人はそれを待ってから購入を検討した方がいいかも。スルーするつもりだった全部入りパック、アニメの出来が良かったから私も衝動的にポチっちゃうかもしれないな……ヤバい。PTは光学メディアが付属しておらずネット経由でダウンロードするためのカード(使用する際にはDlsiteのアカウントが必須)しか封入されていないし、全部入りパックが物理的に販売されるかどうかは不明ですが。

・拍手レス。

 ローマ数字入ってるならまだマシで副題しか付かない鎌池和馬の作品とか主題違うけど積んでると順番分からなくなる西尾維新の物語シリーズとか・・・
 内容が読切形式だと巻数を書かずに副題だけ付けた方が売上は安定する(途中を飛ばしても気にならなくなる?)って話もありますね。刑事ドラマや探偵モノみたいな感覚かしら。昔のコバルト文庫はその戦略を積極的に採っていたから巻数表記のないシリーズ(マリみてとか)が多くて苦労した……。


2021-07-21.

・最近読んだ書籍化なろう作品で面白かったのは『バートレット英雄譚』です、といきなり本の話題から入る焼津です、こんばんは。

 副題は「スローライフしたいのにできない弱小貴族奮闘記」。1巻が出た頃に店頭で見かけて少し気になったけど帰宅後にタイトルを忘れてしまい検索できず、ふたたび書店へ赴いた頃には新刊コーナーから消えていたため「アレ何だったっけかなぁ」と思い出せないまま放置していたシリーズである。歳のせいかそういうのがいっぱいあります。さておき『バートレット英雄譚』、場末貴族の三男坊が未開の領地を与えられて独り立ちするという開拓系成り上がりストーリーで、魔法やチート能力、モンスターやダンジョンが登場しないタイプの話となっています。交渉の手腕と策略、あとは地道な努力でどうにかしていく感じ。一応魂は現代日本から転生してきたことになっているが、ときどき転生者であることを忘れるレベルで派手さがない。表紙がほのぼのしているし前半はコツコツと生活基盤を築いていく描写が続くので「なろうにしては地味だな〜」と思っていたが、後半に差し掛かると一気に殺伐としてきて「戦国時代か?」って雰囲気になります。さすがに虐殺したりとかはしないけど、敵領主に損害を与えるため傭兵に村々を襲わせて掠奪させるなどえげつない手も使ってくる。「本当は戦国モノが書きたいけどなろうではあまり需要がないから転生ファンタジーの体裁を取っている」みたいなムードの小説です。強烈な個性のあるキャラクターが少なくて華々しさには欠けるが、資金繰りに頭を悩ませながら領地経営していき、失敗を重ねながらも少しずつ力を蓄えていく主人公の逞しさに引き込まれました。1・2巻は前フリに当たる内容で、来月出る3巻からが本番だと云うからワクワクしながら刊行を待っています。そろそろ本格的に乱世へ突入していきそうだが、果たして。

 ちなみに「なろうではどこまで進んでるんだろう?」と気になって調べてみたら、トラブルがあったらしくアカウントが消えていました。なので現在は書籍でしか読めない模様。私はたとえネットで閲覧できても物理書籍じゃないと気持ち良く読めない旧型の人間ですから特に支障はないが、「ある程度まとまった分量を読んでから買うかどうか決めたい」派の人にとっては難儀かもしれませんね。

第2部 第6章「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻」(後編)開幕!

 なかなか時間取れなくてプレーが進まないけど、日曜丸々潰せばさすがに終わるやろ…… → いくらやっても終わらへんやんけ、きのこォ! → ネロ祭の箱開けもまだ完了してないしスケジュールをやりくりして月曜のうちにカタをつけよ…… → 読み切ったけど終わってへんやんけ、きのこォ! って叫ぶコンボを決めてしまいました。『賭博覇王伝 零』の「終わり…? まさか…お前等これで終わり?」が脳裏をよぎっても仕方ないレベルのぶったぎり。いくら菊地秀行が好きだからって『エイリアン魔神国』(上中下巻の3冊でも終わらず「完結編1〜3」が追加され、結果的に全6冊となった)の真似までしなくていいんだぞ菌糸類。エピローグという名の完結編がお預けになっているせいで不完全燃焼ではあるが、それでもなお見所たっぷりの要素が随所に盛り込まれているせいで感想も何から書けばいいのか迷い箸してしまうな……とりとめのないものになってしまうがテキトーに摘まんでいこう。

 一番「刺さった」のはムリアン様のあの表情ですね。「桜族」概念は世界の壁を易々と超える。もっとも胸がときめいたのはオーロラ様のあのシーン。「お召し物が汚れるのも構わずか弱き者を抱き上げる」系高貴女性は無敵貫通効果ある。オーロラ様黒幕説も囁かれているが、「オーロラ様に悪意はなくて全部天然でやっている」と考えた方がむしろ怖いな。腹黒とか神算鬼謀とかではなく純粋無垢ゆえにああいう振る舞いになっているっていう。泣いたのは「最後の騎士」のあたり。6章/Zeroのガレスちゃんはこれに輪を掛けてボロボロだったんだろうな、って考えるとより胸を締め付けられる。地味にショックを受けたのが「私の円卓がゴミのように殺された!」の一文。詳しい説明抜きでも絶望感が伝わってきて気が沈みました。可愛かったのはバゲ子。容赦なく森を焼き払う苛烈さとショタを慈しむお嬢様気質が併存していて「間違いなく二次創作で人気が出る子!」と確信したり。FGOの二次創作って道満みたいに悪辣非道な振る舞いをしている奴でも異様に人気が出るというか、むしろそこからのギッャプで二次創作意欲を掻き立てるものがあるのかもしれません。あと棒棒鶏みたいな名前のあの子がトリスタンの着名(ギフト)を得ているの、「反転」繋がりだからという指摘にハッとしましたね。どんどんトリスタンが概念化していく……そして最大のビックリポイントが失意の庭(ロストウィル)の描写、完全にぐだを「プレーヤーの分身」ではなく「一個のキャラクター」として書いてるじゃん! 前々からそういう節はあったけど、ここにきて露骨な態度を隠そうともしなくなっている。こんな無体が許されるのきのこだけでは? あと「失意の庭」で検索したら「ほぼシェイクスピアの宝具」みたいなコメントあって笑った。オベロンがメインキャラであることを考えると歯茎剥き出しにして「冬の女王モルガンをブッ倒してくれてありがとよぉ!」と意気揚々ブリテン異聞世界に乗り込んでくる黒幕おシェイもあながちジョークじゃない? シェイクスピアは戯曲の中で「早朝」や「曙光」の修辞として「オーロラ」(暁の女神)の名前を何度か使っているからこじつけられないこともない。それはそれとしてオベロン実装に合わせてシェイクスピアのモーション改修が来る可能性も囁かれており、密かに期待しているところです。

 パーシヴァルとメリュジーヌの決着がついてないのはエピローグへの持ち越し? というかエビローグで書かなきゃいけないこと多過ぎない? 戴冠式におけるアルトリアとノクナレア、大穴のバーヴァン・シーとケルヌンノス、モルガンが令呪で徴収していた膨大な魔力の行方、モース化の真実、「血染めの冠」の真意、ポーチュン突然死の真相、スプリガン・ナカムラとオーロラ様とムリアン様の処遇、パーシとメリュの決着、アルビオン(覚醒?)、ハベにゃんやレッドラやバゲ子のその後、ストームボーダーに残っている面々との合流、ベリルとの決着、ブラックバレルの回収、コヤンの退去、後期OPに登場していた言峰は実際に顔を出すのか単なるイメージ映像だったのか問題、キャスニキの活躍、冒頭に出てきた名もなき妖精の少女(何か設定がありそうだけど本編で語られるのかどうかは不透明)、キャストリアが三臨に変身する見せ場、まだ何か企んでいそうなオベロン、マーリンによる総括、このへんかしら。恐らくバーヴァン・シーが吸血して蘇らせたケルヌンノスをメリュジーヌが覚醒させたアルビオン(の残骸)で迎え撃つ――というのが大まかな筋立てになると思う(例によって特別なマスタースキル搭載しそうだ)が、それだけでも相当な分量に昇るだろう。やっぱり今回は「きのこの見積もりが甘かった」案件なのでは?

 バトル面で苦戦したのがウッドワス。「こいつ三下ムーブかましてるしテキトーな編成でええやろ」と舐めて掛かったらあっさり全滅しましたわ。亜鈴を舐めてはいけなかった。ギミックも多いし、あそこはガチ編成で挑まないとキツい。6章は編成固定バトルもたまに「えっ、宝具のタイミング間違えると死ぬ奴じゃん」なのが混ざっていてなかなか気が抜けないです。グラブルの編成固定バトルでもちょいちょい負けることがあるヘボな私には若干しんどかったな。モルガン戦はガチ編成でもキツくて霊脈石割っちゃった。割った直後に「ふえるモルガン」という無理ゲーかまされてさすがに笑っちゃいましたね。あそこ無茶苦茶すぎてもはやギャグになってない? 頑張ったけど9ターン耐えるので精一杯だった。

“TECH GIAN”最終号発売。24年10ヶ月、通巻299号で幕を閉じる。

 遂に三強の一角テックジャイアンが落ちたか……これで残るエロゲ雑誌は“BugBug”と“メガストア”の2誌のみ。かつては普通の書店にコーナーが用意されるくらい繁栄していた「エロゲ雑誌」という概念も消滅の瀬戸際に瀕しています。ぶっちゃけ雑誌は嵩張るし、今や欲しい情報はネットで検索すれば簡単に調べられる時代だもんな。私も何か魅力的な特典が付かないかぎりわざわざエロゲ雑誌を買おうだなんて考えません。今回休刊するテクジャにしても、過去1回くらい買ったことがあるような……というレベルです。最終号は2850円(税込)となかなか高額だが、そのぶん特典も豪華なので記念に1冊買っとくか、とネット書店を覗いたら既に軒並み売り切れでした。これだけ特典満載だと増刷は難しいだろうし、運良く再入荷するのをディスプレイの前で粘り強く待つか、リアル書店を行脚して確保するかの二択を迫られることになった。

 つってもリアル書店でテックジャイアン売ってるようなところ知らないんだよな……バグバグにしろメガストアにしろ、かれこれ10年以上店頭で見かけていない。欲しければ通販でポチるしかなく、これもエロゲ雑誌衰退の一因でしょうな。そもそも見かけないので購入するという考えに至らない、っていう。ファミ通の横にパソパラが差さっていることなど日常茶飯事ってくらい昔はエロゲ雑誌がありふれた存在でしたけど、特典DVDが重要なセールスポイントとなっていった2000年代後半以降は高額化に伴い街角で見かけることは少なくなりました。一応探してみるつもりだけど、ゲットできるイメージが湧かない……。

・拍手レス。

 >ローマ数字で表記しておいて10冊以上続くパターン ウィザーズブレインとか、全部で何冊あるか、把握しづらくて。。。
 電撃文庫だと『キノの旅』が辛い。20冊以上続いてるうえに背表紙の色が暗いから本当に見分けにくい……ウィズブレは新刊さえ出してくれれば何もかも許す。


2021-07-08.

・デース!! クロイツ!! というわけで、買った直後にロストしてどこにやったかわからなくなっていた『秘密結社デスクロイツ01』を掃除の際に発掘して無事読み終えた焼津です、こんばんは。

 デビューして以来ずっとスニーカー文庫で作品を発表してきた林トモアキが遂に他社で本を出すとあって「やっと角川監獄の刑期が明けたのか……」と感慨深くなってしまった。ほぼ専属状態でしたもんね。で、新シリーズとなる本作は作者曰く「テンションの高いラブコメ」です。テンションが高いことは確かだけど、ラブコメ……? 「トモアキ節が激しくうなる 狂気の疾風(かぜ)が荒れるぜゲッター! ネタの嵐が巻き起こるとき 愛の炎なんてすべて消すさ」と言わんばかりのコレが……? トモアキよ、ヒロインたちの花びらを「アビスゲート、オープン♪」と強制御開帳するようなシーンがある小説のことを普通はラブコメと呼ばないんだぞ。確かにノリはデビュー作である『ばいおれんす☆まじかる!』並みに軽くて読みやすいが、「恐ろしいモノが世に解き放たれてしまった」感は少なからず漂っている。

 特撮に出てくるような悪の秘密結社(「○○怪人」とかを生み出すノリの)をメインに据えたライトノベルであり、「正義」の名のもとに利己的な行動を繰り返す変身ヒロインたちとのドタバタ騒動を描くコメディとなっています。ヒロインたちの性格を「他者にマウントを取られることを許せないんだ……」と冷静に分析する怪人ブラックタイガーで笑ってしまった。まだ1巻目とあってヒロインズの顔見せといった様相が濃く、主人公との関係はほとんど進まない。ラブコメとして本格的に機能するのは次巻以降であろう。あとがきによると2巻は既に書き上がっているとのことであり、巻末予告が正しければ秋には発売される。どうも学園編になるみたいで、悪の秘密結社の四天王である主人公が正体を隠してヒロインたちに接近するらしい。ラブコメ目当ての人は2巻が出るまで待ってからまとめて買った方がいいかもしれません。しかし、「01」なんてナンバリング表記しているってことは10巻以上続けるつもりなのか、このシリーズ。ぶっちゃけ「01」「02」みたいな気取った表記しておいて、ちゃんと完結したならまだしも一桁の途中で続き出なくなったりするとメチャクチャ居たたまれなくなるんだよな……おい、お前らのこと言ってるんだぞ、『Hyper Hybrid Organization』『DRAGONBUSTER』『ムシウタ』も開始当初は「ホントに二桁まで行ける?」って結構ハラハラしたわ。逆にローマ数字で表記しておいて10冊以上続くパターンは勘弁してほしいですね。とにかく見辛くって仕方ないので。

 閑話休題。これまでのトモアキ作品に登場する女性キャラクターは表面上の可愛さとは裏腹に割合酷薄な面があってあまりラブコメ向きではなかったが、「ラブコメには向かないからこそ、そそられる」という逆説的な要素も含んでいました。「王道的なラブコメのテイストに流れない」ところに彼の作風の魅力があったわけです。真面目な話、そこらへんをどう乗り越えて「トモアキならではのラブコメの新境地」へ辿り着いてくれるか。楽しみにしています。

『グリザイア クロノスリベリオン』サービス終了のお知らせ

 お疲れさまでした。というわけで去年の11月から配信を開始した“グリザイア”シリーズの最新作となるソシャゲ『クロノスリベリオン』は来月いっぱいで終了になります。VRシミュレーターでヒース・オスロをぶちのめすイベント「明日への一歩」を最後に、もう新しいシナリオが配信されることはなくなる。あとの2ヶ月間は水着イベントの復刻でお茶を濁す模様。なんだかんだで半年以上は継続できたんだから大したものかもしれません。ぶっちゃけ配信当日に触ったとき「半年も維持できないのでは……?」と危ぶんだくらいですからね。シナリオはそこそこ読める感じで割と悪くなかったんですが、ゲーム部分が壊滅的につまらなかった。当然のようにガチャは渋いし、育成の手順も煩雑でわかりにくくストレスが溜まる仕様になっていました。お知らせを目にして咄嗟に浮かんだ思いが「驚き」とか「残念」ではなく「納得」だったのもむべなるかな。グリクロ自体はこれで塩漬けとなりますが、プロデューサー&ディレクターレターによると「グリザイアシリーズは『グリザイア:ファントムトリガー』の最終巻を含み、まだ発表してないプロジェクトも複数進行しております」とのことで“グリザイア”シリーズ全体の展開は止まらないようです。悲しい結末ではあるけれど、配信日に漕ぎ着けることすらできなかった『Dies irae PANTHEON』と比べればまだ恵まれた方かしら。というか未だにページ残ってるんだな、パンテオン。何度見ても面白そうなのが悔しくて遣る瀬無い。

・拍手レス。

 帝政露西亜モノに含んで良いか分かりませんが、夢野久作では死後の恋が一番好きです。
 「ハラショ……」が妙に頭に残る奴だ。青空文庫でも読めるけど、紙で読みたい人には新潮文庫版がオススメですね。


2021-07-01.

HARUKAZEの新作『Monkeys!i』、10月29日発売予定

 へー、HARUKAZEって「ノラとと」こと『ノラと皇女と野良猫ハート』のトコじゃん。シナリオ書いてる「はと」のテキストが好きだから新作はとりあえずチェックしないとな。なになに、今回は「男子校に通うヤンキー主人公・猿吉」が母校の廃校を阻止するために女装してお嬢様女子校に通う話……? 買うわ(即決)。要するに「このままだと廃校待ったなしだから、『あんな野蛮なところと合併だなんて!』と共学化を渋る女子校のお嬢様たちに翻意してもらうべく潜入して工作する」という、エロゲー特有のかなり無理ある設定でお送りする学園コメディです。相当無理があっても「エロゲーだから」で押し通せるのは真面目に大きな強みだと思いますよ。女装潜入モノは割とよくあるネタというかもはや一つのジャンルを築くまでに至っているが、先行作品らと比較すると主人公が「普通の少年」ではなく「一本気なヤンキー(女顔)」になっているあたりが特徴的か。女心に関しては壊滅的でお嬢様の価値観がまったく理解できない猿吉(潜入時の偽名「ジュリア」)は「円滑な共学化」という目的を果たすために男子校のイメージアップ作戦を成功させようと四苦八苦しながら偽りの女子校ライフを過ごすことになる。「下賤な男なんて!」と肩肘張っていたお嬢様がデレていく過程と「オジョーサマなんてまったくわからん!」な主人公がヒロインたちに歩み寄っていく過程、二重に楽しめそうなコメディであり期待が膨らんでしまう。果たして女装エロゲー界に新風が吹き込むことになるのか。設定がシンプルでわかりやすいから人気出ればアニメ化も狙えるかもしれませんね。コレ。

 しかし気になるのはエロシーンへの動線か。「困っている人を放っておけない」性格で「女子に対しての理解は極端に浅」いという主人公を、廃校阻止って目的とはまったく関係ない濡れ場へどう導くのだろうか。「浮木々猿吉(うきき・さるよし)」なるテキトーすぎるネーミングから最初は「性欲もサル並みなのか?」と思ったが、キャラ設定読むかぎりではそういう感じじゃなさそうというかむしろ性欲なさそうなタイプに見えるが……そもそもレーティングに関する表記がないしエロCGが確認できないので18禁ゲーか否かもハッキリしねぇな、と猜疑の眼差しを向けてしまったがフライヤーにしっかり「18禁」と書いてあったわ。いまどき全年齢向けのPC用ADVを税込10000円以上で売るなんて無謀すぎるから当然の判断と言える。でも移植する気は満々だろうな。主人公の欄に「CV:???」とあるから主人公にも声を付けるつもりなのかもしれない。主人公は一番セリフ量が多い役なので、フルボイスにするとメッチャ費用が掛かる(大抵のエロゲーはセリフ量に応じて声優のギャラが変わるシステムを採用している)んですよ。コケたら即ブランド解散になるレベルで社運を賭けているムードがヒシヒシと感じられる。HARUKAZEにはまだまだ頑張ってほしいから予約開始したら速攻ポチりにいくか。

・鴨野うどんの『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』読んだ。

 相も変わらず愛(ラブ)の嵐(ストーム)が吹き荒れるラノベ界に投じられた小さな一石たる新作ラブコメである。作者は『外れスキル【地図化(マッピング)】を手にした少年は最強パーティーとダンジョンに挑む』の人。最新刊はロズリアちゃんが可愛かった。地図化の方はなろう連載作ですが、こちらは書き下ろしなのでタイトルで検索して全文を読むようなことはできません。特設サイトはあるし、試し読みくらいならできますが。結論から書いてしまうと派手な要素のない、至って地味な恋愛ストーリーです。コメディ要素もあるけど人によっては「ラブコメ?」と首を傾げてしまうかもしれない。ひたすら甘々だったりトリッキーな設定が刺激的だったり、凝ったお菓子にも似た口当たりの良いラブコメを求めている方には向かないだろう。どちらかと言えば料理をしたことのない不器用な子が一生懸命作る「生焼けだった」「焼き過ぎた」「うまく膨らまなかった」菓子もどきを狙って再現しているような本だ。でも個人的には気に入ったので「なぁ……『まだ世間に見つかっていない』良作ラブコメ、ない?」と声を潜めて訊ねてくる人にそっと推したい1冊である。

 ジャンルとしては「偽装カップル」に近いかな。根が陰気で人と接することに苦手意識があるため「お調子者」の仮面を被っていないとコミュニケーションがうまく取れない主人公「朝井秀侑(あさい・しゅうゆ)」が、成り行きから「友達はいらないけど恋人は欲しい」と嘯くぼっち少女のクラスメイト「楠木乃菜(くすのき・のな)」と付き合い始めることになる……という、開始直後にくっつくパターンのラブコメです。秀侑の親友「真島隆一」が「漫画やアニメに出てきそうな目つきの悪いイケメン主人公タイプ」であり、つまり秀侑は本来「主人公の友達として登場する賑やかし要員のサブキャラ」ってなポジションに佇むべき存在である。わざとらしい説明口調でヒロインの才色兼備ぶりを読者や視聴者に向けて喧伝するアレだ。「モブや『主人公の友人』に位置するキャラをあえて主人公に据える」フィクションは割とよくあるけれど、そういうのって大抵ヒロインが窮地に陥ったりすると普通に颯爽と活躍しちゃって「ただモブ顔なだけの主人公」になってしまいがちじゃないですか。この「妥協生活」の主人公はヒロインが窮地に陥ってもボーッと突っ立って傍観し、ほぼ見殺し状態で放置したうえフレンドリーファイアまでかましてくる。「マ、マジで主人公になってねぇ……!」と呻くこと請け合いです。ただのカカシというか置物のほうがマシだったな……。

 実のところ秀侑には本命の女の子がいる。当然の如く美少女なんですが、その子はさっき言った「真島隆一」の幼馴染みでもあり、告白しても勝率ほぼ0なうえ隆一との関係もギクシャクしてしまいそうだから黙って片想いを続けている。ぼっちの乃菜なら周りに言いふらしたりもしないだろうと本心を打ち明けており、その流れから「叶わぬ恋だとわかっているなら諦めて手近な女子で妥協する方が建設的なのでは?」という趣旨の身も蓋もない色艶抜きの会話を交わした末に「手頃な彼女作って青春を謳歌したい」秀侑と「恋愛に憧れていて彼氏が欲しい」乃菜の利害が一致し、互いが互いに妥協する形でカップルになります。要するに二人とも恋愛感情は別に持ってないんですよ。漠然と抱いている「彼氏彼女」のイメージを不器用になぞってそれぞれに投影しているだけ。だから想定外のトラブルが発生したときにそれを乗り越えようとするガッツが湧いてこない。普通のラブコメなら主人公がカッコいいところを見せる場面でも秀侑はカッコ悪いところしか見せないわけで、ほとんどの読者は彼を「情けない奴」と思うはずです。こんな野郎は主人公失格だ、と。逆に言えば、そういう底(ボトム)を晒したところから真のストーリーが始まる。乃菜も自分たちの関係を「ままごと」と評しているし、1巻の時点では控え目に言っても「傷の舐め合い」というレベルを脱していません。しかし、本書は次のエピグラムを最初の一文として掲げています。「――本物より綺麗な偽物がないなんて誰が決めたの?」 偽物の関係のままで本物を凌駕してやろう、という宣言に他ならない。始原を辿れば宝石だって空に輝く星々のイミテーションだったのだ。星は掴めずとも星の煌めきに比するものを握りしめることはできる。ロマンが滾るじゃあないか。劇場版スタァライトの星見純那が延べた口上を彷彿とします。人には運命(さだめ)の星あれど 届かぬ足りぬはもう飽きた 足掻いて 藻掻いて 主役を喰らう

 付き合っていることは周りに伏せているので「本当は付き合っていないのに付き合っているフリをする」通常の偽装カップル物とは反対のシチュエーションであるが、「恋愛感情抜きでスタートした関係」を描く点ではやっぱり偽装カップル物だと言える。周囲を欺くのではなく自分たちを騙す、という意味での「偽装」ですね。お互い妥協の産物と割り切って付き合う様子が面白おかしく、肩の力を抜いて読むことができます。ヒロインの乃菜が愉快な性格をしているのが本書最大の魅力と申しても過言ではない。良い意味で恋愛雑魚っぷりを発揮している。彼女のおかげでシリアスとコメディのバランスがうまく取れているところはあります。マジでこの巻だと主人公がほとんど活躍しないからな……乃菜の造型をミスっていたら途轍もなく悲惨なことになっていたぞ、この本。「売れないと2巻が出ない、布教して(意訳)」とあとがきに書いてあったから2巻が読みたいマンの私もこっそりネットの片隅で『主人公にはなれない僕らの妥協から始める恋人生活』をオススメしておきます。でもタイトルが長いのは何とかしてほしいぞ! しっくり来る略称もないし!

 ラブコメラノベと言えば『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』がサラッと読める感じで楽しいな、と思っていたら『日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人』も書籍化していて笑ってしまった。ラノベにロシアンヒロインの波が来ているのかしら。ちなみに私の好きな帝政露西亜モノは『冬の旅人』です。

・拍手レス。

 面白そうなのでサベージファングぽちりました。無双系悪役令嬢で一番好きなのは「しゅくせい! 〜悪役令嬢なので下賤な民を教育します〜」ですね。このお嬢様自制というものを一切なさらないですわよ
 「しゅくせい!」読んでみました。面白かったけど「今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです」の表示が出ているのが切ない……しかし悪役令嬢モノも今はいろんなパターンが出ており、よりどりみどりで楽しいですね。最近はブラコンにジョブチェンジする奴が気になっています。


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