2021年3月〜4月


2021-04-25.

・『叛逆の物語』正統続編『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が制作決定と聞いて「“待”ってたぜェ!! この“瞬間(とき)”をよォ!!」とブッタク顔になった焼津です、こんばんは。

 何せ10周年の節目ですからね。ここで発表が来なければ二度と続編の芽はないだろうとまで覚悟していました。叛逆から8年、遂に物語の続きを拝むことができる。しかもタイトルは「ワルプルギスの廻天」、例の設定だけは存在しているが劇中で描かれることのなかった「正位置ワルプルギス」がお披露目されるのではないかと震えております。まどかマギカにおける最大級の敵「ワルプルギスの夜」はタロットのハングドマンみたいに逆さの状態で空を飛んでいるけど、公式の魔女図鑑に「普段逆さ位置にある人形が上部へ来た時、暴風の如き速度で飛行し瞬く間に地表の文明をひっくり返してしまう」という記述がある。この状態を俗に「正位置ワルプルギス」と呼ぶ。TVシリーズでは本気を出す前に浄化されてしまったため、長らく「そういう設定がある」というだけのフレーバーテキストとして受け取られていた(ちなみにコミカライズ版では正位置になったシーンがあるらしい……記憶に残っていません)が、アプリ『マギアレコード』の第1部OPムービーにチラッと正位置ワルプルギスらしき姿(およびお下げを解いたほむら)が映ったことで「マギレコに本気モードのワルプルが登場するのでは?」とファンの間で盛り上がったことがありました。結論を言っちゃうと別にそんなことはなく、どうも単なるイメージカットだったみたいです。そもそもマギレコ本編にお下げ解いたほむらは出てこないですからね……イベントには出てきたものの、内容はTVシリーズの振り返りだったし。そんなわけで有耶無耶にされて「結局設定だけなのか……」と諦めそうになっていた「正位置ワルプルギス」が新たな劇場版の要になるっぽいんですよ! これが昂奮せずにおられようか。

 話をマギレコのOPムービーに戻すと、正位置ワルプルギスの前に立っているほむら、背中を向けているので表情はまったくわからないがどうも戦っている雰囲気じゃないんですよね。両手を広げ(いわゆる「支配者のポーズ」に近い格好)、まるで歓待しているかのような風情すら漂っている。「このほむらはクールほむらじゃなくて悪魔ほむらなのでは?」といった説が囁かれたこともあり、「叛逆の続き」めいた内容をマギレコ内でチラ見せする気かもしれない、って予想もありました。もしかすると、「叛逆の続き」に関する構想はだいぶ前からあって、マギレコのシナリオにその一部を反映させるつもりだったけど劇場版の企画が動き出したことでお蔵入りになった……? 邪推の可能性が高いし、ぶっちゃけそのへんの真偽はどうでもいいです。一番重要なのは「脚本・虚淵玄」ってところだ。ファンの望み通りに続投してくれるとは、本当にありがたい。叛逆が完成した時点で続編についてはノープランであり、インタビューの口振りから「続きは他の人に任せて自分はそろそろ下りたい」ってムードを露骨に出していましたからね、虚淵御大。叛逆がああいうエンディングを迎えたのは新房昭之の要望があったからだと答えているし。最悪、まどマギ新作は虚淵抜きになるパターンも考慮していました。杞憂に終わって良かった。ファントムといいヴェドゴニアといい鬼哭街といい沙耶の唄といいジャンゴといい、虚淵のオリジナル企画は話を綺麗に畳んでしまうせいで続編が作りにくく、虚淵本人も「続編モノとかファンディスクとかには興味ない」とバッサリで単発ばっかりになってしまうことが昔からのファンにとっては不満でした。まどかみたいな「人気がありすぎてやめたくてもやめられず、『無理にでも続編を』と要求されるビッグタイトル」に虚淵がガッツリ関わっちゃってるの、マジ愉悦の極みですわ。苦しみと懊悩の中から溢れ出すものを是非とも劇場の大スクリーンで堪能したい。これが完結編というわけじゃなくまだ「次」があることを匂わせているので、楽しみが尽きません。

 それと下倉バイオによる新プロジェクト「魔法少女まどか☆マギカ scene0」も始動する模様。ほむらの時間停止や時間遡行を知覚できる魔法少女「愛生まばゆ」を巡る物語らしいが、「存在を消された」など不穏な文句が鏤められています。このタイミングで送り出される以上、『ワルプルギスの廻天』と繋がる部分もあるんじゃないかと予想されるが如何に。しかし、企画段階のまどマギと同じ頃に『スマガ』をやっていた下倉バイオがまどマギの外伝みたいなシナリオを書くというの、いろいろと時間の流れが感じられてしまうな。詳しくは書かれていないが恐らくマギレコの期間限定イベントとして実装されることになるだろうから、気になる人は今のうちにマギレコをインストールしておいた方がいいです。毎日無料10連キャンペーン開催中。マギレコには終了した過去のイベントシナリオを閲覧できる「追憶の欠片」というアイテムがあるので、そういう意味では焦らなくてもいいのだが、単純にアプリの容量がデカくてインストールにすごく時間が掛かるというのと、プロローグが割と長い(30分くらい掛かる)というのがあるんで……正直、マギレコのモチベはダダ下がり(アニメの2期情報が全然出ない……)で「アンインストール」という言葉が脳裏をよぎるほどだったが、これで少しばかり持ち直した。もうちょっとだけ続けよう、せめて4周年記念の日を迎えるまで。

『アイドルマスター シャイニーカラーズ』公式4コマ漫画『シャニマスえぶりでい!』、単行本1巻発売中!

 シャニマス自体はアンインストールしてしまったが、この4コマだけは読み続けています。ゲームとしてはともかくキャラたちに関しては魅力を感じている、というのが一つ。もう一つは作者の「ギミー」が昔よく通っていたCGサイトの管理人だからです。名義が変わっていたので最初気づかなかったけれど、見覚えのある絵柄に既視感を覚えて調べたら旧HNが出てきて「あっ!」と驚くハメになった。確かサイトが途中でブログ形式になって、そのブログも数年前に更新停止状態となってしまいチェックが途切れたんだったかな。今の世代は「CGサイト」と言われてもピンと来ないだろうけど、90年代から00年代にかけて「絵師」と呼ばれる人たちはPixivみたいなページを個人で作って公開していたんですよ。ブログとPixivの普及によって一気に廃れましたね。サムネイルが充実しておらず、リンクを張った□や■がズラッと並んでいるようなサイトもあった……片っ端から新しいウィンドウで開けてPCに負荷を掛けまくってたまに落ちることもあったっけ。「オリジナル」と「版権」でコーナーを分けているサイトも多かった。18禁コーナーへの入り口が隠されているところもあったり。Pixivのように仕様が統一されていないので鑑賞するのに手間が掛かったりもしたけど、そういうところも含めて楽しかった。まるで観光地を回るような気分で連休を潰したこともしばしば……懐古はこのへんにして、『シャニマスえぶりでい!』、2巻も読みたいのでみんな買いましょう。

・ぶんころりの『佐々木とピーちゃん(1〜2)』読んだ。

 『田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜』『西野〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜』など、売れ線を狙っているようでいてどこかズレた味わいのある作品を送り出してきた「ぶんころり」による新シリーズ。四十路手前の中年男性「佐々木」が、ペットショップで人語を解する文鳥「ピーちゃん(正確にはピエルカルロ)」と出会ったことから非日常極まりない日々を過ごすハメとなる。ピーちゃんは異世界の賢者で、ワケあって元の世界を追放され現代日本で文鳥の姿となってしまったが、異世界に渡る能力自体は残っている。佐々木はピーちゃんと契約し、魔法は存在するが科学の発達していない異世界で現代テクノロジーの産物を売り捌き大儲けしようと画策する。こう書くと「異世界転生モノの変種か」と片付けられそうだが、実のところ異世界云々は『佐々木とピーちゃん』を構成する要素の一つでしかなく、「異能力者」や「魔法少女」、果てには「デスゲームの参加者」まで物語に絡んでくる「ごた混ぜ形式」としか言いようがない混沌としたオフビート系ライトノベルに仕上がっています。

 佐々木はピーちゃんと契約したおかげで魔法を使えるようになったが、日本でうっかり魔法を使ったところ「あなた、異能力者なのね?」と誤解され政府系の組織にスカウトされてしまう。魔法は「複数のモノを覚えることができる、ただし呪文が必要、訓練すれば無詠唱も使える」といった性質であるのに対し、異能力は「一人につき単一のモノしか使えない、呪文は不要、訓練次第で能力がレベルアップすることもある」って感じになっている。ここまでなら『とある魔術の禁書目録』等と大差はないけれど、「魔法は使えるけど無詠唱が基本、妖精界の使者と契約することで力を得る」という佐々木とは似ているようで少し違う「魔法少女」なる未知のファクターが乱入することでジャンル分けというか「この話をどう認識すれば良いか」の判断が著しく困難なモノと化す。勢いでどんどん要素を追加していってるだけじゃないのか? ちゃんとまとめ切れるのか? と不安になる一方、先が読めない楽しさもあります。エンタメの風呂敷って広げている間はメッチャエキサイティングだったりするからな……畳めるかどうかはまた別の話、と割り切って堪能するが吉か。

 異世界の方で「隣国との戦争」という危機が持ち上がった結果キナ臭い雰囲気に包まれ「ほのぼの商取引スローライフ」なムードが霧散してしまい、異世界編のストーリーがちょっと退屈になるなど局所的に残念なところはありましたが、異能バトル編で敵の幹部とあっさり和解するなど「複数の要素が混じり合っているから一つの要素に拘泥する必要がない」というこの作品ならではの強みを感じる部分もありました。既存の作品で言うと『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』に通じるモノがあるかな。あれもかなりごた混ぜ感の強いストーリーだった。ただ、あっちは「相手を即死させてしまうので一つ一つの要素に集中することが難しく、どうしても使い捨てにせざるをえない」事情があるのに対し、こちらは主人公が無用な争いをなるべく避けようとするため「要素の使い捨て」といった現象が起こらず、いつまでもズルズルと引きずる傾向にあります。風呂敷を畳み始めるタイミングで大量リストラが発生する可能性もありますが、さて。

 1巻も2巻も300ページくらいで厚さはそんなに大したことないが、上下2段組でみっしりと文字が詰まっているから読み応えはあります。正直ライト層が敬遠しそうなレベルの密度だ。そのぶん活字中毒者は満足すること請け合い。様々なキャラが登場するため「誰が気に入ったか」という話題でも盛り上がれるタイプのシリーズである。個人的には「二人静」と「お隣さん」が好き。二人静は異能バトル編に登場する敵幹部ロリババアです。常に着物を纏っており実年齢は三桁らしいが見た目は童女、本人曰く「締りは抜群」でキツキツとのこと。エナジードレイン能力者なので吸い殺される恐れもあり、「手を出したらBADEND」感が半端ない。お隣さんは佐々木の隣室に住んでいる少女で、母親からネグレクトを受けていて食事もまともに摂っておらず、見かねた佐々木が食料を与えることで辛うじて生存できている幸薄げな少女。割と早い段階で登場するが、本筋に絡んでくるまで結構掛かる。佐々木に依存しておりヤバめな妄想を抱えているが、佐々木本人はまったく気づいていない。というか佐々木、同年代のヒロインがいないせいもあってか恋愛面ではかなり枯れたムーブを見せつける。ラブコメ目当てで読む人にはちょっとツラい内容かな。ラブコメ系ライトノベルは今スニーカー文庫あたりが大量に出しているから、飢餓状態に陥っている読者も少ないだろうけど。スニーカーの新刊、来月(5月)は全部ラブコメ(『元スパイ、家政夫に転職する』はカクヨムWeb小説コンテスト大賞の「ラブコメ部門」を受賞している)なんだから笑っちゃいますよね。もう「角川ラブコメ文庫」を起ち上げたらいいんじゃない?


2021-04-20.

・ログボ貰うためだけに毎日起動しては即閉じるような不真面目状態だったアプリ版『ウマ娘』、ミッション達成で貰える☆3確定チケットの交換期限が迫ってきたからと数日前からようやく本腰を入れて遊び始めた現金な焼津です、こんばんは。

 攻略サイト首っ引きでやって初期配布のウマ娘はどうにかウララ以外目標達成できた。「まず状態を絶好調にする」「最初はサポートの絆ゲージ上げに専念する」など超初歩的なことすら知らぬまま(継承がレンタルできることも知らないレベルで)プレーしていたんだからそりゃサクラバクシンオー以外はクリアできなかったわけだ……ゴルシとウオッカはあとちょっとというところでURA優勝を逃してしまったが、ダスカは念願のうまぴょいまで到達できて感無量。☆3確定チケットとSSR確定チケットも無事ゲットしました。育成ウマ娘の方がシンボリルドルフ、サポートカードの方がスーパークリークの「一粒の安らぎ」。よくわからないまま「パイスラだ、やったー!」と喜んでいたけど使ってみたらメチャクチャ強力でビックリした。これを引く前と後では攻略の楽さ加減が違う。「『ウマ娘』はどの育成ウマ娘を引くかよりも、どのサポートカードを引くかが重要」ってのが実感として理解できました。でもそれはそれとしてタマモクロスの「さぁ、うちとやろやぁ!」聞きたくてRカードを編成したりはする。タマモの少し濁声が入ったボイス、好きです。

 目標未達成の嵐でサクラバクシンオー以外勝てなかった時期は正直「あまり面白くないな……」と思いログイン勢と堕してしまったものの、少しずつ勝てるようになっていく中で魅力も感じられるようになっていった。ステータス的にギリギリの状態で出走し、最後の直線で激しい攻防が繰り広げられるとアニメみたいに「……行け!」と心の中で叫んじゃう。「作戦:差し」でゴール直前に差して勝った時の興奮は凄まじい。まだ安定して勝てず目覚まし時計に頼る場面もありますが、きっと今ぐらいが一番ハラハラしてエキサイトできる時期なんだろうなぁ。楽に勝てるようになったら単なる作業として流すようになっちゃいそう。それにしても、ストーリーとかイベントコミュとかで見られる立ち絵(と言っていいのか?)の動きはスゴいっスね。「こんなに細かい動作を取り入れてんの!?」と仰天することしきり。耳がピクピクするのを眺めているだけでも面白く、さながら「電脳紙芝居の最先端」といった趣がある。マックイーンの「安いですわよー! 安いですわよー!」には笑った。あともう終わっちゃったけどイベントミッション報酬受取画面のマチカネタンホイザも可愛かった。「クリアするぞー。えい、えい、むん!」で話題になったアレです。マチタンはアニメだとそこまで目立つ役回りじゃなくて扱いが少し残念だったが、あれは「アプリ版で見せ場が用意されていたから」というのもあるんだろうか。見た目もイイけど声が好きですね。ましゅまいれっしゅの「ほわん」役で有名な「遠野ひかる」、最近だとアサルトリリィの「王雨嘉」役も演っていますが、個人的に好きなのがスタリラの「夢大路栞」。病弱でおとなしい女の子ながら、シナリオ最新章では無辜の市民を蹂躙するヒャッハー系の「戦車」役を演じている。栞ちゃんは「姉を取り戻すために阻むモノすべてを薙ぎ倒して突き進む」覚悟をキメているヘビー級のシスコンゆえ、役のイメージともマッチしています。役としては「タンク」の方の戦車なんですけれど、衣裳のデザインはチャリオット寄りでウマ耳や蹄鉄みたいなアクセサリを纏っている。彼女は無類のウマ好きで、「『三国志』だったら何の役やりたい?」と訊かれて「赤兎馬」と即答するような子ですから……まずないだろうけどウマ娘とスタリラのコラボがもし決定したら栞ちゃんは必ず絡んでくると確信しています。

「ジャヒー様はくじけない!」TVアニメ化、元魔界No.2の“残念かわいい”コメディ(コミックナタリー)

 かつては魔王の側近としてブイブイ言わせていたジャヒー様。魔界崩壊後は人間界ですっかり落ちぶれた残念生活を送っている……という『はたらく魔王さま!』を日常系にしたようなノリのコメディ漫画です。普段は省エネのためロリ形態で過ごしているが、バイトのときなど限られたタイミングで大人モードになる。一応「魔界を復興する」という目標はあるが、それ以前にカツカツの生活を余儀なくされているせいで「食費を浮かすため自家栽培に挑戦しよう」等涙ぐましい努力を重ねるハメとなっています。最初は「3巻くらいで打ち切りになるんじゃないだろうか」って心配しながら買っていた作品なのに、よもやアニメ化まで漕ぎ着けるとは。「面白い」というより「ジャヒー様かわいい」な作品なので、30分枠だと間が保つのかどうか心配ではある。これがヒットすれば同じ作者の『世界で一番おっぱいが好き!』もあるいは……いや今の御時世だとアレは厳しいか?

・忘れかけていたけどエロゲ版『搾精病棟』がそろそろ発売されるな。原作買い逃したからこっちで妥協するか……と考えていたら同日に原作の修正版がリリースされるらしく迷っている。「面白さ」重視なら原作修正版を買うべきだろうが、「エロさ」期待するならエロゲ版を購入すべきだろう。ただエロゲ版は価格を考えると原作の途中までしか収録されてないっぽいんだよな。「迷うならいっそ両方ゲットすれば?」と思わんでもないけど、原作読んでからエロゲ版やったら「原作のイメージ」が強くなりすぎてエロさが減退しそうな予感するし、エロゲ版終わってから原作読むとなると時間がどれだけ掛かるか見積もれない。そもそもエロゲ版の続編出るのか? という問題もある。迷う喃。

・迷うと言えば『9-inine-』の全年齢向けコンプリートパッケージ、最初は「エロなしでもいいや」と思っていたが発売が近づくにつれ「やっぱりエロはあった方がいいか……?」と思い直すようになってしまった。ちょうどDMMでスプリングセール開催中だから既存の18禁版が手頃なお値段で手に入るもんな……価格面で悩む必要はなくなった。コンプリートパッケージに新規収録される「9-nine-新章」は単品DLもできる。画質がフルHDじゃなくHDだったりとグレードは下がっているけど……たまたま予約入れるのをサボっていたからこのギリギリのタイミングで「やっぱ画質よりエロを取るわ」と選択を切り替えることも可能になっています。何なら18禁版プレーしてメチャクチャ面白かったら全年齢版買い直してもイイじゃん? と、心がグラついている。深夜は判断力が低下するから一旦寝てからもう一度考えることにすっか。

・拍手レス。

 林トモアキはヒマワリがちょっと合わなかったので新作心配ですが気にはなりますねー。過激思想のテロリストが主人公だった事もあってなんやかんや有ったのか、最終巻の後書きもちょっと含む所が有る様な感じだったのが気になりました。そこへ来て別レーベルから新作となると編集と何か有ったのかと邪推してしまったり・・・
 もともと主流から外れている作風ではありましたが、トレンドの移り変わりによって余計にズレが大きくなっていった印象はありますね。新天地で炸裂するニュートモアキ節に期待したい。

 龍盤七朝・・・ケルベロスはー? 龍盤七朝の企画自体がポシャったのかどっちも音沙汰無いままですね。ラノベ層に武侠系ってあんま受けないんだろうか
 ケルベロスは1冊しか出てないからシリーズと呼んでいいのかどうか迷って……武侠モノって日本だと金庸以外はどれも商業的に厳しいっぽいですね。中華系のファンタジーって男性読者にはあまり受けない傾向があるし。今アニメが放送されている『魔道祖師』にしたってBL要素がなかったら翻訳されていたかどうか……。


2021-04-13.

・特に書くことも思い浮かばず更新をサボっていた焼津です、こんばんは。

 春アニメがいよいよ始まりましたね。期待していた『NOMAD メガロボクス2』は放送日を勘違いしていたせいで録画できず、まだ視聴していません。ミスに気付いたときは顔が青くなったけど配信あるみたいでホッとした。ミニアニメながら久々に勇者部の面々に会えるということでワクワクしていた『結城友奈は勇者である ちゅるっと!』は想像以上の短さに絶句した。2分もないのかよ! 『ゾンビランドサガ リベンジ』は謎社歌&幸太郎の無気力化という何とも言えない導入に「らしいと言っちゃらしいが……」って苦笑。2話からが本番というパターンか。『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀3』はもはや伝統芸の域に達しつつあるのでコメントすることがあまりないな。強いて書けば「30分枠が窮屈になってきている」ことと「凜雪鴉、てめぇどのツラ下げて殺無生の墓参りに来てんだよ!」とツッコミたくなったことか。コラコラ、旧友みたいな雰囲気を出すんじゃあないよ。大概だぞ雪鴉くん。

 続きモノじゃない新作で気に入ったのは『スーパーカブ』『Vivy -Fluorite Eye's Song-』。『スーパーカブ』はライトノベル原作、「ひとりぼっちの女の子がバイクに乗り出したことをキッカケにして他の子たちと仲良くなっていく」日常系ストーリーです。ライトノベルらしからぬ雰囲気に惹かれる部分があったものの、「バイク知識のない私が読んでも楽しめないのではないか」と気後れして手が伸びなかった。アニメ化は渡りに舟であり、映像になっていればさすがに楽しめるだろう、と意気揚々録画しました。静かに、けれど鮮やかに主人公の生活が色づいていく過程を淡々と綴っており、期待以上に楽しめる一本となっています。原作は短編集含めて8冊出ているので2期のストックも充分だと思うが、果たしてそこまで人気が出るのか否か……微妙なネタバレになりますけど、6巻までが高校生編で7巻からが大学生編ですから、2期目のラストで卒業して大学生編を劇場版でやる――みたいな構成もアリじゃないかと。皮算用しすぎ? 『Vivy』はリゼロで有名な鼠色猫こと「長月達平」が原案およびシリーズ構成として参加しているオリジナルアニメです。AIが発達した近未来、ディーヴァ(歌姫)の名を与えられた自律式歌唱AIたる主人公(愛称ヴィヴィ)が、「100年後の世界ではAIが暴走して人間を虐殺し始めるので、未来を変えるために戦ってほしい」と途方もない要求をされて……という話。現状だとヴィヴィが騙され利用されている可能性も否定し切れないが、「これは私の一○○年の旅―。」と謳っているくらいなので100年スパンの壮大な物語として構想されていること自体は確かなようだ。運動性能が通常の人間よりは高いとはいえ、特別な兵装を積んでいないヴィヴィが「100年後の破滅」を食い止めるために孤独な闘争へ身を投じていくの、ハッキリ言って「荷が重い」としか言いようがないんだけども……子安声の松本博士が「彼女なら」と願いを託したのは「100年後までボディが現在している機体は彼女だけだったから」とAIのマツモトが語っているが、本当にそれだけなのか……という謎もある。続きが気になります。ちなみに原案小説『Vivy prototype』(長月達平と梅原英司の共著)の発売も決定しています。「こういう感じのアニメを作りたいんですよ」って企画の趣旨を説明するために書いた小説なので、実際のアニメ版とは内容が結構違うらしい。シグルリ(戦翼のシグルドリーヴァ)はいまひとつ盛り上がり切らないまま終わってしまったが、Vivyはさてどうなることか。

 シグルリで思い出したが、長月達平は以前「弥生翔太」という名義でラノベデビューしている、という噂があったな。そのときの作品『反逆者(トリズナー)』のイラストがシグルリと同じ「藤真拓哉」だった。スーパーダッシュ文庫の記事を書いたときはソースが不明確なので書こうかどうか迷って結局書かなかったが、「自分の人生初ラノベがラグナロクです! ラグナロクがなきゃ、今も作家やってませんでした!」という長月達平のツイートを見てようやく確信の域に至りましたね。弥生翔太は『ラグナロク』が初ラノベで、「尊敬している作家」に安井健太郎の名前を挙げるほどのヤスケン好きでしたから……今のラノベ読者メイン層でヤスケン作品読んでる人はあまりいないから、「ヤスケン好き」というだけで年代がかなり特定できてしまう。ラノベはSFやミステリと違って「物語のジャンル」ではないので、例えばリゼロが好きな人でも「リゼロの作者が影響を受けた作品」として『ラグナロク』に興味を持つことってあまりないんですよね。電子書籍によって過去の作品が読みやすくなっているとはいえ、「古典」みたいな意識を持たれず単に「古い作品」と見做されてしまって懐古目的の高齢読者以外が寄り付かない。それこそ100年後まで残るラノベ作品ってあるのかな、と想いを馳せてしまう。

林トモアキの新刊『秘密結社デスクロイツ1』、6月17日に発売予定

 リンク先の「6月」というタブをクリックして確認してください。レーベルは「星海社FICTIONS」、そう、林トモアキが遂にKADOKAWA以外で本を出すのである。デビューしてからずっとKADOKAWA専属状態だったのでファンにとっては吃驚のニュースです。一度も作品がアニメ化したことがない(話自体はあったが原作を蔑ろにした企画だったため蹴った)せいで知名度はそれほど高くないけれど、デビューシリーズの『ばいおれんす☆まじかる!』以外は打ち切りを喰らったことがなく十数年もの間ずっと安定して売れ続けている稀有なライトノベル作家です。ほとんどの作品で設定が共通しており、その「トモアキサーガ」とでも呼ぶべき壮大なストーリーはひとたび読み出せば徹夜も已む無しの魅力が詰まっている。刊行順に並べると『ばいおれんす☆まじかる!』→『お・り・が・み』→『戦闘城塞マスラヲ』→『ミスマルカ興国物語』→『レイセン』→『ヒマワリ』だが、別にどこから読み出してもOK。マスラヲやミスマルカあたりから入ってくる読者が多い印象かな。ちなみにサーガの正式名称は「精霊サーガ」です。

 『ばいおれんす☆まじかる!』が刊行されてからそろそろ20年(……20年!?)、遂に他社から本を出す日が訪れたのかと思うと単なる一ファンながら感慨深い。1とノンブルを打っているからには2以降も出すつもりなんだろう。よっぽど売上が悪くないかぎりは……みなさん、続きを読むためにもなるべく発売直後に買うか予約購入するかしましょう。通販を利用しない主義で「星海社FICTIONS? んなもん買ったことねぇよ!」という方向けにアドバイスすると、最近はソフトカバーのライトノベル(『無職転生』とかああいうの)の売り場に置かれていることが多いです、そのへんを重点的にチェックしてください。書店によってはなぜか漫画コーナーへ差していることもある(同じサイズの「星海社COMICS」があるせいか?)ので注意されたし。

 林トモアキとはまったく関係ないのですが、6月には講談社文庫から中村ふみの新刊として『大地の宝玉 黒翼の夢』も出ます。タイトルからして昔講談社X文庫から刊行されていた「天下四国」シリーズ絡みの本ではないかと予想される。このシリーズは2017年から2018年にかけて4冊刊行され一旦完結しましたが、去年講談社文庫より新装版がスタートし、書き下ろし新作である『永遠の旅人 天地の理』を上梓して「これが正式な最終巻」とアナウンスされました。ということは今度出るのって短編集や外伝の類ですかね。続編という可能性も否定し切れないが……現時点だとぐぐっても全然情報が出てこないので揣摩臆測を垂れ流すだけになってしまう。けど、いいなぁ。一度終わったシリーズなのに新装版だけじゃなく完全新作まで出るなんて。アレとか、ソレとか、コレとか、「新作出してくれるなら新装版を買い直してもいいシリーズ」はいっぱいあるんですけど。

・拍手レス。

 >呪術廻戦0 この映画を機に、真・夏油傑のグッズが増えたらいいなぁと これまでは『夏油推しなのに、グッズは中身がアレに替わった後のばっかり』という嘆きの声もあったようですし……
 「獣殿のグッズが欲しいのに聖餐杯しか売っていない」みたいなもんですか……ファンからすれば辛いでしょうね。


2021-04-04.

・最近は『淡海乃海』にハマっている焼津です、こんばんは。

 「あふみのうみ」と読む。要するに琵琶湖のことです。「淡海」が「近江」の古い呼び名らしい。「小説家になろう」連載作品で、「水面が揺れる時」というサブタイトルもあるが、書籍化に際して「三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲」というクソダサい副題まで追加されてしまった。以前から存在を知りつつもこの「クソダサい副題」のせいでなかなか食指が伸びなかったんですけれど、たまには歴史モノもいいかな……と気分転換もかねて手を出してみました。簡単に言うと「戦国時代に転生して現代知識無双する話」です。史実に存在した武将「朽木元綱」(史実と区別するためかこちらの世界では「基綱」表記)に生まれ変わった現代日本のサラリーマンが「未来を知っている」アドバンテージを活かしてどんどん領地を切り取り成り上がっていく「乱世でGO」な転生譚。本来の歴史とは違う展開になるから「歴史モノだけど先が読めない」面白さがあります。会話文よりも地の文が多くページあたりの文字数は多めで読み応え充分。地の文も口語に近い文体で綴られているため、歴史モノに慣れていない人でもとっつきやすい。ただ大量の役職付き人名(○○守だの○○少輔だの)が出てくるあたりはキツいかも……そこを凌げば後は没入するのみ。『剣豪将軍義輝』から歴史モノの面白さに触れた身なので作中の「義輝=貧乏神」扱いは悲しかったが、散り際はカッコ良かったし義昭に比べればまだ優遇されている方だったりする。

 敵地にデマを流して混乱を引き起こす情報戦が通常業務で、必要と判断すれば根切り(虐殺)も行うなどダーティな部分もあり、淡々とした書きぶりではあるが割と血腥い。合戦シーンはサラッと流す傾向が強く、「戦が始まる……!」という場面で視点が切り換わっていきなり「決着はついたけど後始末が大変だ」みたいなことを言い出し「えっ、もう終わったの!?」と驚くこともしばしば。情勢分析や軍議の方が長いです。成り上がれば成り上がるほど利害調整などの苦労が増えていくのはなかなか世知辛くて夢のない話だが、「まさにこういうのが読みたかったんだよな」って感じの戦国シミュレーション小説で満足。『異伝 淡海乃海〜羽林、乱世を翔る〜』というアナザーストーリーもあるが、これは「もし主人公が家督を継げず母親の実家に出戻って公家になっていたら」というifを紡ぐシリーズであり、『ぼくたちのリメイク』に対する『ぼくたちのリメイク Ver.β』みたいな「別ルート系スピンオフ」だ。異伝の方は織田信長を補佐して天下取りの道筋をつけるような話になる模様。本編だと織田信長はサブキャラであんまり出番がないから、その埋め合わせというのもあるのかしら。

 余談。戦国モノだけに男キャラの挿絵もちょこちょこ配されているが、なぜか「物に当たり散らす顕如」みたいなあまり需要のなさそうなイラストまで描かれていて笑ってしまった。「そこイラスト化するの!?」ってツボに入ったわ。おかげで私の中では「顕如=オブジェクト破壊おじさん」というイメージが形成されつつある。『センゴク』の「土下座は無料(タダ)や!!」を上書きしそうな勢い。

芥見下々「呪術廻戦」前日譚、0巻「東京都立呪術高等専門学校」が今冬映画化(コミックナタリー)

 前回の更新で触れるの忘れていたけど、0巻が映画化決定だそうな。やったー、劇場の大スクリーンで暴れ回る里香ちゃんが観れる。0巻は本編連載開始前に掲載された短期集中連載バージョンです。これがあったことも影響して『呪術廻戦』は連載開始早々から話題になりました。私は読んでなくて評判を聞いていただけだけど、「単行本出たら買わなきゃ」と思うくらいには盛り上がってましたね。鬼滅以上にバイレオンス描写が激しいから家族連れを引き込むのは難しいだろうけど、それでも相当なヒットが見込めるはず。鬼滅の無限列車編と違ってTVシリーズを視聴していない人でも入りやすい内容だし、ここから『呪術廻戦』にハマる層も出てくるだろう。まだまだハリウッド映画が復調していないので、今年もアニメ映画への期待が高まる年となりそうです。

「あの花」10周年で8月にイベント、10年後の超平和バスターズ描いたビジュアルも(コミックナタリー)

 あれからもう10年か……確かに春アニメだったもんな。同期はタイバニこと『TIGER & BUNNY』、こっちも新シリーズが来るってんだから「ホントに10年も経ったのか?」という気持ちになります。もうちょっとしたらZeroアニメや境ホラアニメも10周年を迎える。10年経っても観たいアニメが山積していて「時間が足りねえ!」と嘆いている私の進歩のなさと言ったら……今はウマ娘2期を観返しているところです。

庵野秀明が監督・脚本担当、実写映画「シン・仮面ライダー」2023年3月公開(コミックナタリー)

 このティザービジュアル、ひょっとして村枝賢一? 庵野が監督・脚本を担当する以上『SPIRITS』をそのまま映像化する形にはならないだろうが、それこそスピリット的なものを汲んだ内容になるかもしれない。いやそもそもイラストが村枝とまだ決まったわけじゃないんだが……さておき『シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン』『シン・ウルトラマン』に続く4番目のシン・シリーズです。この調子で『シン・ナウシカ』や『シン・ヤマト』、それに『シン・鉄人28号』や『シン・ガンダム』も手掛けるんじゃないかと笑い話みたいに囁かれているが、あながち冗談でもない気がする。EVAにケリがついてルサンチマンを燃やし尽くしてしまった今の庵野に魅力を感じない、って向きもあるだろうが個人的には「楽しみしかねぇ!」というテンションです。いいぞ庵野、周囲の目なんて気にしないでどんどん「アクセス――我がシン」しちゃってくれ。

「ジョジョ」第6部「ストーンオーシャン」アニメ化!徐倫役はファイルーズあい(コミックナタリー)

 ゲーム版は沢城みゆきが担当していたらしいけど、アニメ版はファイルーズあいになったのか。この人の声、最近ホントよく聞くようになりましたね。『ダンベル何キロ持てる?』の「ひびき」役、推し武道の「えりぴよ」役、FGOの「なぎこ(清少納言)」役などを経て遂にはプリキュア(キュアサマー)にまでなってしまったという……デビューが2019年なんだからその成長ぶりは爆速もいいところである。将来的には少女マンガ誌に「ファイルーズあい伝」が連載されそうなほど特徴的な経歴の持ち主でもあります。ジョジョにハマったのがキッカケで声優を志したそうだから、徐倫役へ抜擢されるのは「本懐」の一言に尽きるだろう。6部は特殊なスタンドが多い(特殊じゃないスタンドはほぼ出尽くしたせいもある)だけにアニメ化は難しかろうが、少なくとも声に対する不安に関しては払拭された形になるな。まだ早いけど第7部(スティール・ボール・ラン)のアニメ化にも期待を寄せてしまう。折しもウマブームが来ているゆえ流れに乗れる可能性が……マジレスすると馬の作画ってめっちゃカロリーを消費するからTVアニメで真面目にやるのは困難だと思われる。CGでも動きをつけるのに苦労しそうだし。「馬を作画せずに『ウマのレース』を再現した」『ウマ娘』って改めて考えると画期的なアニメだったな……初めて企画聞いたときは完全にイロモノだと判断しちゃいましたけども。

・拍手レス。

 >スピンオフの自主回収だから出てるキャラも衣装のモチーフも本家と一緒ですもんねえ・・・
 霊衣12騎とかメチャクチャ気合入っててスゴいだけに「コラボ?」と混乱を招いちゃうのがもったいないですね。

 17分割商法で都古や有彦、蒼香、羽ピン、晶、朱鷺恵さんや一子さん√が(絶対無い)
 「そのリソースで『the dark six』作れよ!」って言われること間違いなし。27祖の設定がだいぶ変わるみたいだから本格的にお蔵入りしそうだけど。


2021-03-29.

・FGO、今年のコラボはワルツコラボ! 「コラボって何だっけ?」と当惑している焼津です、こんばんは。

 蒼銀か月姫のどちらかと予想していたが、まさかの『Fate/Grand Order Waltz in the MOONLIGHT/LOSTROOM』。そういう音ゲーがあること自体は知っていたけど、音ゲーが苦手なのでまるきりスルーしていました。配布サーヴァントは☆4フォーリナー「謎のアイドルX〔オルタ〕」、「バンドリみたい」という声があって笑っちゃった。計12騎もの霊衣を実装予定とのことで気合が入ってる。ワルツの楽曲から霊衣の候補はある程度絞り込めますが、「何卒牛若丸の霊衣を……」と願うばかりだ。静謐ちゃんをモチーフにした曲(「夜に咲く毒の華」)もあるが、静謐ちゃんの場合はまずモーション改修しないとだし今回は見送りになりそう。霊衣開放って結構QPを使うから、QPカツカツの人はあらかじめ宝物庫周回しておいた方が良さげです。

 しかしワルツでコラボ扱いになるんなら、いずれFGOアーケードコラボも開催される可能性があるってことか……プロトマーリンとかセタンタは来そうだけど、例の呪いがあるからシータは来ないんだろうな。

【FGO】Lostbelt No.6「妖精円卓領域 アウ?ァロン・ル・フェ」は6月配信予定!2部6章のシナリオ執筆は奈須きのこ先生に決定!(でもにっしょん)

 アヴァロンとか円卓の設定はきのこがガチガチに固めないと書きようがないし、絶対に奈須きのこ担当だと確信していました。てか、奈須きのこがFGOの本編シナリオをメインライターとして手掛けるのって終局除くとバビロニア以来ですね。約5年ぶり。セラフが「ほぼ本編」な内容だったんでそっちを基準にする場合は4年ぶりか。最近はFGOをプレーする気力が薄れてほぼ日常的にAPが溢れている状態だったけど、少し意欲を取り戻せた。時間取れないせいもあってアキハバライベントの進捗もあまり宜しくないが、なんとか期間内に登頂したいところ。

ストーリーイベント「鋼の聖女(マリア)と聖なる学舎の異端児(リセエンヌ)」開催決定!

 プリコネに1年ぶりのなかよし部イベントが到来。王雀孫のシナリオ目当てでプリコネをインストしたけど普段はプレーしていない方々、急いで復帰の準備をされたし。なかよし部イベントは第1回が2019年9月開催の「森の臆病者(ぼっち)と聖なる学舎の異端児(リセエンヌ)」、第2回が2020年3月開催の「授けの財団(エンジェル)と聖なる学舎の異端児(リセエンヌ)」。これで3回目の開催となります。グレタガルドほどじゃないが人を選ぶノリのシナリオゆえ好悪は真っ二つに分かれるが、我々のような王スキーは「コレのためにプリコネやってる」ようなところがあるので欣喜雀躍するしかない。あ、王が関わっているNavelの新作『Princess×Princess』(『SHUFFLE! エピソード2』の続編)は6月発売ですよ。

 話をプリコネに戻すと、今回は文化祭と体育祭を合体させたイベント「聖学祭」が開催される、といったもの。体操服姿で頑張るクロエとユニとチエルの3人だったが、生徒会長は密かに「なかよし部の撲滅」を目論んでいて……という、映画だったら「なかよし部に危機勃発!?」とか「さらば、なかよし部」とかテロップ入れられそうなストーリーである。タイトルの「鋼の聖女(マリア)」は恐らく生徒会長を指すものだろう。ということは今回、他のギルドメンバーは話に絡んでこない? プリコネはフルボイス=いちいち声優を呼ばないといけないから、「意外なキャラをチョイ役で出す」のは難しいんですよね。デザイン的に生徒会長は立ち絵だけで実装とかはないはずですが、正月のアレみたいにイベント限定でサポートユニットとして出撃する可能性はあるかも。ともあれ王曰く「前回のメ団イベをも上回る(つもりはなかった)性懲りもないボリュームのテレ女活劇2021」だそうなので期待膨らませて月末を待ち侘びます。

『月姫 -A piece of blue glass moon-』がPS4・Switchにて2021年8月26日発売決定! 武内崇さん描き下ろしメインビジュアルも公開!(でもにっしょん)

 なんで新しいサブタイトルが付いてるのかと思ったら分割だからか。8月に出る第1弾はアルクェイドルート「月姫」とシエルルート「夜の虹」の2つが収録されるとのこと。まんま半月版じゃん。まぁ10年以上待ったんだし、分割くらいじゃ騒がないよ……と言いたいところだが、問題は「旧作のテキストは全て書き直され、それぞれのシナリオのボリュームは倍以上に膨らんでいる」と報じられていることだ。は? 倍以上!? おいおい同人時代の『月姫』は「原稿用紙に換算して5000枚」というトンデモないボリュームを売りにしてたんだぞ。それが倍以上!? 原稿用紙1万枚超じゃねぇか! そりゃ開発に時間掛かって当然だわ……嬉しい通り越して怖いわ。

 「原稿用紙1万枚」と言われても多過ぎてピンと来ないかもしれませんが、参考までに申し上げますと紫式部の『源氏物語』は原稿用紙換算で2500枚くらいです。「電撃小説大賞」の応募規定は「(400字詰め原稿用紙で)250〜370枚」となっているから、ライトノベル基準で考えると3、40冊分に相当します。「かつて全15巻だったシリーズが改訂版で全30巻になっていた(1巻あたりのページ数はそのまま)」と書けばこの異様さが伝わるだろうか。今回はフルボイスなので声を全部聞いてプレーするとこの前編だけでも「45時間程度」掛かるそうです。「長々とテキストやボイスを垂れ流すノベル形式はもはや主流じゃない」と言われる昨今の風潮を「知るか! オラッ、原稿用紙1万枚喰らえ!」と真っ向から力押しで無視してくるTYPE-MOONの空気読めなさ、嫌いじゃない……いや、好き! 同人版では地方都市「三咲町」が舞台だったためメチャ強い吸血鬼が暗躍している割に被害の規模が抑え目(一番ヤバい被害が出たのはホテル?)だったが、リメイク版では大都会「総耶」でドンパチやるみたいでスケールが段違いになる模様。年代が変わったせいでまほよとの整合性がどうなるのか気になるが、別に「まほよはあくまで同人版『月姫』と同じ世界に属している」って設定でもいいから続き出してほしいです。「OPアニメではネタバレを避けたかったので、本編の核心に触れる部分は極力避けてもらう、という無茶ぶりをした」って奈須のコメントからしてもまだまだ伏せている情報は多そうだ。しかしここまでの大作となるとFGOでの開催が予想されているコラボイベントは複数回に分けて実施される形となるかもしれない。第1弾が配布☆4志貴、限定☆5アルクェイド、限定☆4シエルみたいな感じかしら。

 「月の表側」がこのふたりなら、次に出るであろう「月の裏側」は秋葉と翡翠と琥珀の3ルートか……あれ? さっちん(弓塚さつき)ルートは? 今回はあるんですよね、さっちんルート? あるって言ってくれよきのこォ! 必ず第3弾「路地の裏側」が出る、そう信じています。リメイクにはノエル先生という新キャラもいる(はずだ)から、路地裏かどうかはともかく第3弾自体はありそう。さておき月リメ第1弾、通常版が7700円(税込)とやや高価なので、購入する人のほとんどは8800円(税込)の初回版を選ぶだろう。それにしても8800円とは……狙っているのか?(最近はそうでもないが昔のエロゲーは税抜価格8800円が主流で、この価格を「フルプライス」と呼ぶ習慣があった) ちなみに最近のエロゲーは『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』と『我が姫君に栄冠を』と『催眠奪女2〜全てが僕の自由になる世界へようこそ〜 三門梓編』買いました(報告)。

2D対戦格闘『MELTY BLOOD』が2021年に新生。開発はフランスパン(電撃オンライン)

 リメイク版『月姫』が軌道に乗ったらメルブラの方の展開も……とかではなく「畳み掛けるぜ!」って勢いで発表が来ました。メルブラこと『MELTY BLOOD』も『月姫』と同じく同人発のゲームであり、TYPE-MOONが当時『THE QUEEN OF HEART』(『To Heart』を中心にLeaf作品のキャラが登場する対戦格闘ゲーム)で有名だった「渡辺製作所」とタッグを組んだことで話題になりました。「フランスパン」は渡辺製作所の後継に当たるサークル。シリーズとして開始したのは2002年からだが、知名度が爆発的に上昇したのは2005年、アーケードゲームとしてリリースされた『Act Cadenza』からだ。「オリジナルをプレーしたことはないがアーケード版はゲーセンで触ったこともある」という人も多く、遊んだ人の範囲を考慮すると「メルブラは『月姫』の格ゲー」より「メルブラの原点に当たるソフトが『月姫』」って認識の方が広まっているのかもしれない。もともとは渡辺製作所のメンバーが冗談として書いたネタだったが、武内崇が乗り気になったため実現してしまった。『Fate/strange Fake』同様「瓢箪から駒」な企画である。

 そんなメルブラもここ10年くらいは展開がほぼ止まった状態で「懐かしの格ゲー」になりつつありました。『月姫』のリメイクがヒットすればこっちも動き出すだろう、と期待していた人たちもまさかこんなに早く再始動が確定するとは思わなかったでしょう。めでたい。メルブラは現在FGOにも出演している「シオン」の初登場作で、彼女をメインにストーリーが展開していく形式になっていたが、『Actress Again』で話が完結したこともあってシオンやタタリ(ボスキャラ)は今回出てこない。あくまでリメイク版『月姫』がベースになっている。「本編が始まる10日ほど前、もしこういう事件が起こったらという『if』の物語」とのことで、リメイク版『月姫』のアナザーストーリーといった趣になる模様。リメイク版準拠なので当然キャラデザも刷新されていて、あの「初代からあまり変わらないままだったドット絵」も打ち直しになっている。秋葉様の腹チラ、イイ……でもアルクェイドのスカートはやっぱりもうちょっと長くしてほしかったな。

・拍手レス。

 月姫の情報が出始めましたが アルク街編と遠野館編で別れて発表しそうなのが心配です
 どうも分割は避けられない雰囲気。いずれ『月箱』的なものは出るでしょうが、いつになることやら。


2021-03-24.

『アバンチュリエ』の新刊が久々に出ることを知った焼津です、こんばんは。危うく見落とすところだった。

 『アバンチュリエ』の原作は「モーリス・ルブラン」、と書けばピンと来る方もおられるだろう、要するに『怪盗ルパン』のコミカライズです。三世のおかげもあって知名度は高いのにあまり作品が読まれていないルパンの魅力を改めて世に訴えよう、という趣旨で始まった企画なのですが、残念ながら単行本の売上が奮わず2年で打ち切りとなってしまいます。この第1シーズンがイブニング版『アバンチュリエ』、2011年から2013年にかけて5冊が刊行されました。作画を手掛けた「森田崇」のルパンに対する想いは深く、存続の道を探り移籍して再開に漕ぎ着けたのがヒーローズ版『アバンチュリエ』です。2013年から2016年にかけて5冊を刊行。「アバンチュリエ」(フランス語で「冒険者」の意味)は自信を持って付けたタイトルだから、できればそれ一本で勝負したかったらしいが、広く認知されるために仕方なくヒーローズ版からは「怪盗ルパン伝」を加えている。ちなみにイブニング版の単行本にも小さく「新訳アルセーヌ・ルパン」と書かれています。巻数は同じですが、イブニング版とヒーローズ版の収録内容はまったく異なるので「イブニング版は2巻まで買ってたし、3巻から買えばいいんだな」と勘違いしないよう注意しましょう。イブニング版の新装版に当たる本として『登場編(上・下)』という分厚いコミックス(上下合わせて1000ページ以上、書き下ろし短編もあり)も発売されていますから、「紙書籍でこれまでの『アバンチュリエ』を読みたい」という方は「登場編(上・下)」と「ヒーローズ版(1〜5)」の7冊を買えばOK。絶版しているイブニング版をわざわざ古本屋で探す必要はありません。

 二度に渡る打ち切りを経てもなお諦めず、森田崇は活躍の場を電子書籍に移しました。2020年から『813』編の連載を開始、それを取りまとめて紙書籍化したのが今度出る新刊です。『813(上)』なのでもちろんエピソードはまだ完結しない。だが、これが売れないと今後ずっと電子書籍オンリーになっちゃうかもしれませんので……「紙で読みたい派」の方々は支援の意味も兼ねてすぐさま買うべし買うべし。単行本としては通算11冊目(新装版に当たる登場編は除く)なので背表紙には「11」とノンブルが打たれている。売上が良ければ既刊を1〜10巻として再刊行することも可能になるかも……だそうだ。なんやかんやで10周年を迎えたアバンチュリエ、まだまだ続けられるみたいで嬉しい限りだな。

『再生産総集編「少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド」』観た。

 2018年に放送されたTVアニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の総集編映画です。公開されたのは去年ながら地元でやっている映画館がなく、観に行こうとすれば県境を越えるしかない……という理由で泣く泣く劇場での鑑賞を断念してBD化を待った作品である。おのれコロナめ。タイトルに「総集編」と入っている通りTVシリーズ全12話を2時間弱に圧縮した内容となっています。TVシリーズの主人公は「愛城華恋」だが、ロンド・ロンド・ロンド(以下ロロロ)では「大場なな」というキャラの視点から物語を振り返っていく形式となります。視点キャラに選ばれるくらいなのだから当然ななのポジションは重要なんですけれども、TVシリーズ観てない人にうまく説明するのは難しい。そもそもTVアニメ版の『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は時系列が複雑で通り一遍にボンヤリ視聴しただけではストーリーや演出の意図を把握し辛く、最低でも「2周目」が必要になる構成をしている。ロロロはその「2周目」として理想的な仕上がりになっているものの、「1周目(TVシリーズ)を経ていない観客」は想定しておらず、ここから観始めると却って混乱します。1周目を経た後だと「必要な情報だけ絞り込んで再構成したロロロ」は非常にわかりやすく、「既にパズルのピースを持っている」ファンが絶賛するのは当たり前である。ファンの絶賛だけ聞いて「まだパズルのピースを持っていない」新規の人がいきなりロロロに挑んでも「なんじゃこりゃ」となるのは避けられません。素直にTVシリーズから開始することをオススメしたい。

 まず大枠から説明します。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』は宝塚音楽学校をモデルにしたとおぼしき「聖翔音楽学園」が舞台。ちなみに宝塚は2年制ですが聖翔は3年制です。各学年二つのクラス――舞台俳優を目指す「俳優育成科」(A組)と脚本・演出や大道具・小道具など裏方の作業を学ぶ「舞台創造科」(B組)――に分かれており、アニメはA組のトップ9名をメインに据えて進行していく。A組は全体で30名くらいの生徒が在籍しているものの、視聴者の頭がパンクするのを避けるためかメイン9人以外の名前は出てこない(名前のあるサブキャラ「雨宮」と「眞井」はB組の生徒)。物語は主人公「愛城華恋」が聖翔音楽学園に入学するところから始まる……のではありません。開始時点で既に2年生です。「1年生のときの出来事がほとんど飛ばされている」ため、アニメ本編で登場するキャラクターたちの人間関係はほとんど構築済みとなっている。初見の人たちが戸惑い、「入りにくい」と感じるポイントの一つです。なお1年生の頃のエピソードは『オーバーチュア』というコミカライズで触れられている。聖翔では生徒たちが入学して間もない時期に「年度末に上演する劇」の内容を決めるという伝統があり、一度演目を決めた後は2年目も3年目もずっと同じ演目をやり続ける(より良いものにするため脚本や演出には手を加えるが演目そのものを変えることはない)ルールになっています。華恋たち99期生が演じることになったのは「スタァライト」という作者不明の戯曲。華恋にとっては「思い出の劇」でもあった。星明りの如き照明を浴びながら星々よりも眩くステージの上で輝かんとする舞台少女たち。年度末に開催される学園行事「聖翔祭」に向け、今年(2018年)も彼女たちは努力を重ね剣戟を交える(!?)が……。

 タイルテーブルとしては「2017年4月、愛城華恋を含む99期生が聖翔に入学→同月、99期生の演目が『スタァライト』に決まる(3年間通じて変更不可)→5月、オーディションでメインキャスト8名が決まる(ひかり以外の主要メンバー)→2018年3月、第99回聖翔祭において『スタァライト』開演、主演は真矢とクロディーヌ→4月、華恋たちが2年に進級する→5月、ひかりがイギリスから転校してくる→同月、新たなオーディションがスタート、華恋はひかりと同じ舞台に立つため奮起する」、こんな具合でTVシリーズは2018年5月、ひかりが転校してくる少し前の時点から幕を上げます。ややこしいのはオーディションが1年のときと2年のときでは大きく異なるってところか。1年のときは普通に演技力やなんやで選ばれた感じだったのが、2年では謎の地下劇場でウテナじみた闘争を繰り広げる「レヴュー」形式により「永遠の主役(トップスタァ)」を決定する方法に変わっています。何がどうなってそんなに急変したのかという説明は一切ない。宝塚みたいな舞台俳優を目指す少女たちが剣や弓を持って時に歌い時に踊りながら戦う地下オーディションの様子にほとんどの人が「どういうこと?」と混乱するハメになりますが、大丈夫、ファンでも理解できている人は少ない。私も未だに頭がクチュクチュバーンしそうになる。「何かの比喩表現か心象風景だろう」あるいは「アニメ特有の誇張だろう」と納得して呑み込もうとする人も出てくるでしょうが、エピソードが進むにつれ超常現象としか言いようのない出来事が発生し、「誇張じゃなかったのか!?」と頭を抱える末路を迎えます。『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』において舞台とは別宇宙のようなもの。イマジネーションが許すかぎり制約はどこまでも緩くなる。周囲でどんなにメチャクチャなことが起こっても「舞台装置」の一言で片づけられる。「舞台少女」はもはや「魔法少女」に近い存在であり、彼女たちのエネルギー源である「キラめき」を収束させて擬似的な神座である「運命の舞台」に到達すれば因果律を弄ったり時空間の操作をしたりすることなど容易い。究極の御都合主義(デウス・エクス・マキナ)が罷り通っている――まずはこの前提を受け止めないと話が進みません。キラめきは「魔力」や「MP」に相当するものであって、これを失った舞台少女は熱意と気力を失って舞台から去っていく。一般人に戻るだけで別に死んだりとかはしないのだが、「舞台に生かされている」舞台少女が舞台から降りるのはアイデンティティの喪失であり、精神的な死に等しい。つまり要約すると『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』とは「精神的な死」を巡る物語です。「(精神的な死を伴う)未知なる明日」が到来することを恐れる幾人かの舞台少女が現状を維持するために「キラめき」を利用しようと足掻き、「未知なる明日」に憧れる愛城華恋が抵抗(それ)を打破し星明り尽きる「運命の舞台」へ上り詰めていく展開となっている。まるで『漆黒のシャルノス』だ。

 再生産総集編のタイトルとして三回も繰り返されている「ロンド」ですが、これは基本的に大場ななの象徴として捉えられているワードである。彼女の使用する日本刀の銘も本差「輪(めぐり)」と脇差「舞(まい)」で合わせて「輪舞(ロンド)」。ロロロの視点人物たる彼女は奪い集めたキラめきを消費して引き起こされる超常現象「再演」において中心的な役割を果たす。黒幕ではないし敵対者でもないが、愛城華恋にとっては乗り越えて和解すべき一つの壁である。大場ななは「あの日の再演」に執着するも敗れ、彼女を破った別の舞台少女は「虚無なる再演」で己をすり減らしながら守りたいものを守ろうとしたが結局断念した。これら失敗に終わった第一の再演(ロンド)と第二の再演(ロンド)はTVシリーズで描かれたことでもある。しかし、第三の再演(ロンド)とはいったい何か? 順番から考えれば「虚無なる再演」を終わらせた華恋の何かであろう。TVシリーズで描かれなかった最新の(そして恐らく最後の)再演……過去を振り返っている大場ななはこの「第三再演」の只中にあるということなのだろうか。最後に「舞台少女の死」を明示する血塗られたカットが挟まり、5月に公開予定の新作映画へ繋がる暗示を残して閉幕。総集編であるにも関わらず「もはや別の物語なのでは?」という不吉な手触りを残して緞帳の向こうに去っていく。大場ななが恐れ、もう一人の少女が避けようとした「未知なる明日」。それは単なる「夜明け」なんて生ぬるい物ではなく、屍の山を登り血の河を渉ることでしか辿り着けない宿業の地平にて浴びる、すべてを灼き尽くし灰にするレーザーじみた曙光なんじゃないのか。そんな「犠牲なくして未来なし」な残酷譚、観たいような観たくないような……いや絶対観たいわ。ただ「死んで終わり」ではなく「再生(産)」があるのだから希望の灯は決して絶えていない。困難に立ち向かう舞台少女たちを観客たる私が見逃せるものか。コロナ禍のせいで大幅に遅れてしまったが、ようやく「未知なる明日」を目撃できるみたいでワクワクが止まりません。というかコロナ禍がなければ完全新作の劇場版は2020年に公開されていたはずなんですが、時系列上で言うと2020年って99期生が聖翔から卒業する年なんですよね。「舞台少女の死」という言葉には「卒業」も絡んでくるものと予想される(少なくとも「華恋たちが3年生になっている」ことはスタッフが明言している)。サザエさん時空に突入させて延々と舞台少女であり続ける華恋たちを描くことも可能だろうが、「未来」を意識する以上「99期生の卒業→ニュージェネレーション(100期生以降)の誕生」とラブライブのように世代交代させることが妥当と言えば妥当である。でもレヴュースタァライトって99期生に話を絞っているから「先輩や後輩」の要素が物凄く薄いんですよね……その埋め合わせなのかアプリ版の方は「先輩/後輩」の関係を重視しており、「伝統」や「新興」といった学校の歴史にまつわる要素もストーリーに絡んでくる。とはいえアプリ版はキャラが多いからそのままアニメ化するのも難しいだろうし、今後の展開をどうするのかは気になるところだ。

 最後にアプリ版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ―Re LIVE―』(スタリラ)との関係にも言及しておこう。スタリラは簡単に言うとTVシリーズ最終話(2018年12月)以降のお話です。『オーバーチュア』でチラッと触れられたクリスマスのエピソードもイベントシナリオとして語られている。全国から演劇系学校の精鋭たちが集まる甲子園的なノリの「劇フェス」へ聖翔の99期生たちも参加することになって……といった感じでストーリーが進行していくが、「本編はTVシリーズ最終話(2018年12月)以降」という部分だけが確かでそれ以外の時系列はかなり曖昧になっています。全体的に「第100回聖翔祭」(2019年3月に開催)以前の話みたいだけど、日付が表示されないぶん「いつの出来事か」ハッキリしない箇所が多く、季節イベントの処理も考えると辻褄が合わないような気がしてくる。細かいことは抜きにして遊ぼう、って流す精神が肝要。戯曲「スタァライト」とは無関係なエピソードがふんだんに盛り込まれており、アニメではオーディションと「スタァライト」ばっかりだったキャラたちが他の演目を必死にやって青春燃やしているところも見れます。地下劇場のレヴュー云々といった浮世離れした要素は控え目になっており、「この役をどう演じるか」などごく現実的な悩みが軸だ。ハッキリ言って序盤のストーリーはあまり面白くないし、各キャラの掘り下げを期間限定イベントのシナリオで行っているため後から入ってきた人がそれぞれの輪郭を掴みにくいという難点もあるが、今やってる新章「アルカナ・アルカディア」は舞台少女の意地と意地、エゴとエゴがぶつかり合う内容で、カッコいい新規レヴュー曲(「信じる者に門は開かれる」、「命尽きても尽き果てず」)まで用意されていてだいぶ盛り上がってきていますぞ。シュタゲとのコラボイベントも開催中。オカリンが原作絵柄のまんま出てくるのは笑っちゃいました。ロロロの主役でもある大場ななが「マッドサイエンティスト」として実装されファンの間から「マッド再演ティスト」「ゲル場なな」呼ばわりされているのは笑っていいのかどうか迷うところ。アプリでは再演から解き放された大場ななが楽しそうに未知の日々を過ごす様子が綴られているせいでつい孤独に苛まれていた時代を忘れそうになっていたが、ロロロを観て(特に「大嫌いよ、スタァライトなんて!」と叫ぶシーンで)久々に「彼女の本質」を確認させられた。大嫌いな戯曲をもとにした大好きな劇、それに関わった少女たちをみんなみんな包んで守りたかった幼く孤独な魂を「マッド」で片付けてよいものなのかどうか……炎を背景に「守ってあげる」と言いながら攻撃してくる姿は確かにマッド感しかないけども。あと舞台版(アニメとは違う世界線)についても解説したかったがさすがに長くなってきたので割愛。「2.5次元はちょっと……」って抵抗がある人には舞台版準拠のコミカラズをオススメする。

期間限定イベント「アキハバラ・エクスプロージョン! 〜願いの街と愛を刻まれた彫像たち〜」開催!

 別のゲームでシュタゲコラボやってる最中にFGOで秋葉原イベント始まるとは、まさしく数奇にして模型だ。形式としては踏破型、いわゆる「塔イベント」です。塔イベントの開催はこれで3度目になりますが、過去の例から言って新規サーヴァントのピックアップは来ないから安心だぜ、と呑気に構えていたら突然のガラテア参戦で顔がつの丸みたいな絵柄になっちゃった。一瞬思い出せなかったがガラテアってアレじゃん、ピグマリオンの嫁じゃん! しかも担当絵師が島田フミカネ、サイズは全然違うけど実質的な『フレームアームズ・ガール』コラボじゃないか。バーゼラルドちゃん可愛かったね……未だに名前覚えられなくて「ヴァルゼライドちゃん」って呼びそうになるけど。にしてもガラテアさん、見るからにアンドロイドっぽい造型なので「これが、涙……?」系のいろいろあって感情に芽生える無表情ガールかと思いきや、「旦那の趣味に感化されて一番弟子みたいになってる嫁」という予想外の方向で来ました。どういう決着になるか今のところわからないが、すべてが片付いたら旦那ともどもにカルデアへ来て延々とイチャついてほしいものだ。いっそピグマリオンはホビーに夢中な少年期の状態で召喚しておねショタムードを醸し出すという手もある。夢が膨らむな。

 恒常だしガチャは見送ります。いずれすり抜けで来るかもしれない。イベントの方に話を戻すと、エリセにも出番があって嬉しい。チェイテピラミッド姫路城のアーカイブに魘されながらもカルデアライフを満喫するエリちの姿にホッコリした。あとできればそろそろ制服霊衣の準備にも取り掛かってほしいな、と。あの服装はあの服装で好きなんだが、やっぱり宇津見エリセは制服姿が一番しっくり来る。

・拍手レス。

 『無職転生』はweb版で全部読んだんですが、メイド妹の後日談がないと不思議に思っていたが、調べてみるといろいろあって消されていました。 内容は『無職転生』においては必要な話ぽいので書籍に収録されるのを待ちたいですね
 うっかりネタバレを喰らってしまわないようにweb版の内容はまったくチェックしていないのですが、外伝や後日談の類は全部収録してほしいですね。書籍版もそろそろ完結っぽいし……あと何冊くらいで終わるのか、「知りたい」って気持ちと「最終巻が出るまで知りたくない」って気持ちが鬩ぎ合う。


2021-03-18.

『無職転生』の原作(書籍版)を夢中になって貪り読んだ焼津です、こんばんは。「20冊以上積んでるし当分はこの世界に浸れるな!」と喜悦していたのに、あっという間に最新刊まで読み尽してしまった……どうして楽しい時間と面白いシリーズはすぐに過ぎ去っちゃうのです?

 書籍版は刊行を開始した頃からずっと「買っては積み、買っては積み」を繰り返していて、アニメ化決定の報せを聞きようやく崩し出したけれど、1〜2巻あたりは大きく盛り上がる展開もないため間に他の本を挟みながらダラダラと読み進める日々が続きました。3巻から今アニメでもやってる「魔大陸編」が始まって少しスリリングになってくるものの、まだ「ハマる」というところまでは行かなくて他にやりたいことを優先するような感じでした。青少年期編が幕を上げたあたりから面白さが跳ね上がり、あとは一気でしたね。幼年編のあたりがつまらなかったわけじゃないが、青少年期編以降(7巻〜)が桁違いに盛り上がるんですわ。キャラがどんどこ増えるのに決して混乱した状態には陥らず「あっ、ココとココが繋がるのか!」みたいな展開の連続で読む手が止まらなくなる。話を面白くするためならどんな要素だってブチ込んでやるぜ、という作者の途方もない熱意を感じます。これは明らかに「小説家になろう」という土壌以外では育たなかった異形の作物だな、と納得した。主人公が失敗や挫折を重ねながらも守りたいもののために必死で足掻く、言葉で書けば単純なことながらコレを書籍にして20巻以上もの分量をかけて描き切ろうとするのは「なろう」以外の場所だと難しかろう。正直、「なろう」そのものの評価が変わるレベルの面白さだ。というか、これを読まずに「なろう」のことを知ったつもりでいたのか……私はなんということを……それはそれとして最新刊がすごいところで終わっているので一刻も早く続きを刊行してください、お願いします。

 ところで「王級、帝級、神級」は川上稔ネタ? それとも共通の元ネタがあるパターンなんだろうか。終わクロネタもあったから川上稔を嗜んでいること自体は確かなはず。私もあまり詳しくないが、確か神器(リズム)のランクが「王・帝・神」の三段階だった。既にサービス終了しているオッパチ(OO-FORMATION 王と八人の仲間達)のレアリティもこれに準じていたっけ。

ゲーム版『ウマ娘』、とりあえずインストールしてプレーし始めたけどこれ結構時間食う奴だな? 慣れてくれば短時間で日課をこなせるようになるのかもしれないが、始めたばかりだと「やることが……やることが多い!」で時間の工面に苦労する。『無職転生』は読み終わったけど他にも崩したい書籍が山とあるのでなかなか難しい。

 ゲームシステムはだいたいシャニマスと一緒なのでシャニマスやったことある人には解説不要ですね。育成してパラメーターを上げつつレースに参加し、好成績を収めることでファンを獲得していく。合間合間にこまごましたサブイベントを発生させながらメインシナリオが進行していきます。こう書くとシンプルで簡単そうなゲームなんですが……「シャニマスと一緒」なんで、最初のうちはテキトーにやっていてもレースに勝てる。けれど、ある程度進めると要求されるパラメーターの数値がタイトになってきて、「育成不足です」と言われあっさり行き詰まってしまう。設定された目標を逐次的にこなしていく形式だから、一個でも達成できない目標があるとその時点でゲームオーバーです。コンティニュー機能もありますがこれは「あとちょっとなのに運が悪くて負けた」ときの救済用であって「そもそも育成が全然追いついていない」場合はやるだけ無駄。最初からやり直した方がいい。試行錯誤を重ねながら少しずつ勝てるようになっていくのがこのゲームの醍醐味であり、苦労したぶんだけ育成したウマ娘に対する愛着も深まるという寸法だ。マジで祈るような気持ちでレースの行方を見守ることになります。私はまだちっともクリアできておらず「試行錯誤を重ね」ている状況ですが、光明は見えているので投げ出したい気持ちにはならない。ただ時間が……時間が圧倒的に足りていない。「ウマ娘をやり込みたい自分」と「他のことをやりたい自分」の間で心が引き裂かれていく。もうちょっと先だけど『劇場版「Fate/stay night[Heaven’s Feel]」V.spring song』のビデオマスター版特別上映企画もあるし、スケジュールになかなか余裕ができません。「春に劇場でヘヴンズフィール3章を観れる」という極上の誘惑だぞ、抗えるかよ。

・拍手レス。

 シンエヴァ、自分も観てきました。もう、ただただありがとうとしか言えない。全編通して割とベタなストーリーで、いわゆる「エヴァらしさ」は薄れていましたが、シンジ達がきちんと終わりと始まりを迎えられたこと、そしてそれに立ち会えたことを嬉しく思います。私もようやく、エヴァにさよならが言えそうです。
 紆余曲折を経た結果、却って屈託のないストレートなストーリーに落ち着いていましたね。私も「ありがとう、さよなら」ですが、20代の頃にコレをお出しされたら「日和ってんじゃねぇよ庵野!」って認めなかっただろうな、という確信はあります。誰かが書いていたけど「EVAにとって最大の味方は時間、時間がだいたい解決してくれた」だ。

 ようこそウマ娘へ……。アプリ版もシナリオがしっかりしてて良いですよ
 育成ツインターボが来るまでコツコツと石を貯める方針。チュートリアルからの流れでダスカ育成してみたけど捗々しくないので大人しくバクシン教に入信します。


2021-03-11.

・アニメ『はたらく魔王さま!』の2期制作が今頃になって決定したと聞いてブッ魂消ている焼津です、こんばんは。

 えっ、だって1期目を放送してたのって2013年の春ですよ!? 俺妹の2期目とか進撃の1期目とかをやってた頃だ。マジェプリ、ヴァルヴレイヴ、ガルガンティアとロボアニメが3つも集中して話題になってたっけ。個人的には『ゆゆ式』がツボに入ったクールである。はたまおのアニメも結構人気になっていたが続編に関する告知はずっとなく、原作も去年完結しちゃったし、もう2期目は来ないだろう……とスッカリ諦めかけていました。はたまおと同クールのラノベアニメだった俺ガイルやデアラも原作が完結している状態でアニメ企画が動いていることを考えるとそんなにおかしくないかもしれないが、俺ガイルやデアラはこの8年間に2期目と3期目をやってたわけだからな……8年丸々ブランクがあったはたまおとの単純比較はできない。

 記憶が薄れている方もおられるやもしれぬのでザッと軽く解説しますと、アニメの原作となる『はたらく魔王さま!』は第17回電撃小説大賞「銀賞」を受賞して2011年から刊行開始したライトノベルであります。先述通り2020年に完結。本編21巻に加え番外編が6冊あって全27巻だ。本編のコミカライズは現在も連載中。勇者との戦いに敗北した魔王サタンは配下とともに転移ゲートを通じて異世界(地球)へ逃亡するが、そこはサタンの威光がまったく通じない場所(渋谷区笹塚)だった……魔力の大半を失った状態で生活のために慣れぬバイト(ファストフード店)を仕方なく始めたサタン、彼はあろうことか魔王なのに勤労の喜びに目覚めてしまう。魔王を追って異世界までやってきた勇者も生活のため仕事(テレアポ)に励むことを余儀なくされ……といった具合で、非常に所帯じみたコミカルな設定がウケたファンタジーである。「笹塚」という具体的な地名が出てきたり阪神大震災に言及する箇所があったりする点もライトノベルにしては珍しく、文章の丁寧さも相俟って読み口はほぼ一般文芸作品です。おかげで普段ライトノベル読まない層もどんどん引き込んでいきました。最近アニメ観てない人も「懐かしい」ってカムバックしてくるかもしれませんね。間が空き過ぎたせいかキャラデザも少し変わってしまったが、不安より「楽しみ」という気持ちが強い。放送までに積んでいる巻を崩しておかなきゃな……というか何巻まで読んだんだっけ? ハッキリ思い出させないし、いっそ1巻から読み直すか?

平野耕太「HELLSING」実写化始動!『ジョン・ウィック』脚本家が参加(シネマトゥデイ)

 真っ先に気になったのは「何部作想定?」ってことですね。どう考えても2時間かそこらには収まらないでしょ、話を大きく改変しないかぎり。恐らくキリの良いところで一旦終わらせて、続きは興行成績次第……って流れなのでは。原作ファンとしては「納得できるキャストおよび演出」が用意されていることが大前提ながら、原作のストーリーをじっくりと実写で映像化してくれるのは大歓迎である。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』観てきました。

 感想を一言でまとめると「ホッとした」、これに尽きる。年単位で引き延ばされまくってさすがに関心が薄れつつあったけど、「思った以上にちゃんと終わらせようとしているな……」と監督の幕引き意志が伝わってきて居住まいを正しました。ボロボロになった世界でそれでも逞しく生きようとしている人々の姿を前にして、シンジの凍りついた心がゆっくり溶けていく――というベタな展開をクサくなりすぎない範囲でキチンと描いている。立ち直るまでの過程に監督自身の心理的葛藤を投影しているのだろうが、「投影している」と知らなくても支障ないレベルの作劇。旧シリーズではイマイチ活かし切れていなかったトウジやケンスケといったサブキャラたちが立派な脇役を務めることでいろいろ観念的だったりした物語も地に足のついた雰囲気が出ています。だが2時間半の尺を以ってしてもストーリーを詰め込むのが難しかったのか、怒濤の勢いで説明台詞をまくしたてるミサトさんリツコさん冬月・ゲンドウには笑ってしまった。適度にワケのわからないシーンも盛り込まれていて「EVA=ワケがわからないもの」と考えている人の期待にも応えてくれるサービス精神まで発揮しており「庵野め、茶目っ気が復活してきたな」って嬉しくなっちゃいましたね。Qでしっちゃかめっちゃかにしてしまった部分の辻褄合わせに汲々としている箇所もあるし、「着地点がコレなら序や破の時点でこの要素を盛り込んでおけばよかったのでは? そもそもやっぱりQが……」と構成面で残念になる部分はあったが、正直庵野がここまで頑張ってEVAシリーズにケリを付けようとするなんて思わなかったわ。私小説めいたムードは残留しているけれど、可能な限りエンターテインメントの文法に沿ってケジメを付けようとしている。「夢を見せるのが作家の仕事なら、最後にその夢から覚ましてやるのが作家の義務だ」という言葉を思い出した。観ている最中いろんな作品を想起したけど、列挙していたらキリがないので割愛する。「トリファのイメージが重なるせいかゲンドウの登場するシーンで『ローエングリン』のBGMが脳内に流れる」とか「このエンディング、さてはツォアルに至ったか……」とかそういう他愛のないレベルのものばかりですし。意外なキャラがカップルになっていて驚いたけど、生々しい描写は軒並みカットしているあたりが「今の庵野」って感じだな。庵野、年取るごとに男女関係に対して淡泊になっていく……必要なければ恋愛描写は全部カットしたいと思ってそう。「拗らせたオタクどもならわざわざ説明しなくても空白期間がどんなふうだったか事細かに妄想できるだろ」という愛憎表裏な信頼を感じる。単純に恋愛部分まで深く掘り下げる時間的な余裕がなかったというのもあるだろうが……「アスカとシンジ、あるいはレイとシンジ、もしくはカヲルとシンジがラブラブになる世界はどこかにあるかもしれないが、ここにはない。それはお前の脳髄でやってくれ」という辛辣なんだか優しいんだかわからないメッセージを勝手に受信してしまった。

 最初はもっと長文なネタバレ感想を書くつもりだったが、帰ってきてウマ娘2期の10話「必ず、きっと」を観た結果、ツインターボの遮二無二な奮闘劇に年甲斐もなくボロボロと泣いてしまって積年のEVAに対するドロドロした気持ちが浄化されてしまい、上記の如く簡単な感想に落ち着いた。「EVAは無事に終わった、めでたしめでたし!」で切り上げ、ターボの勇姿見たさに10話を繰り返し視聴しています。9話でメジロマックイーンの飛ぶように美しい走りを目に焼き付け「ボクはもうあんなふうには走れないんだ」と打ちのめされ涙を流し諦念に蝕まれていたトウカイテイオーが、消耗し尽くしバテバテになってゴールした途端倒れ込んでしまうツインターボの足掻きにも似た不格好な全霊走りを見せつけられて、「美しさ」よりも「諦めないこと」こそが真に握りしめたい願いだったと悟るのがね……遠ざかる理想(シンボリルドルフ)、届かない目標(メジロマックイーン)に涙し頽れそうになるテイオーを懸命すぎる疾走(ツインターボ)が支えるなんて余りに隙のない脚本だ。名前もろくに覚えてくれない、前に交わした約束(七夕賞勝ったらターボと勝負!)もすっかり忘れていた薄情な「片想いのライバル」へ一方的に不屈の精神をお届けするツインターボの無垢な競争心が嗚咽を誘う。ウマ娘2期、ほぼ毎話泣かされている状態なのでハンカチ用意してからでないと鑑賞できないアニメになっている。アプリの方やろうかどうか迷っていたけど決めた、既存のソシャゲいくつかアンインストールしてプレーするわ。

・拍手レス。

 ロスフラ、メインストーリーはほんと面白いんですよね...ただこのペースだといつ完結するんだろうという不安が。最新話でようやくプロローグが終わった辺りみたいですし。
 配信のペースが予想以上に遅いこともあってやきもきしますね……二白のアニメと連動する予定でそのときまで抑え目にしている、とかかな。オリキャラの個性も立っているし、ストーリーさえもうちょっとキリの良いところまで進めば自信を持って「もっと多くの人に読んでもらいたい」と言い切れるようになります。


2021-03-04.

天草四郎が聖杯怪盗とか言い出すイベントが始まって「何だかよくわからないけど天草が楽しそうだしいいか……」という気持ちになっている焼津です、こんばんは。

 ☆3イベ礼装4種が揃うまで心を無にしてフレポ回していたら「カルデア・イレブン」が5枚出て凸れました。イナイレネタはよくわからないが「リンボマンが楽しそうだしいいか……」という気持ちに(以下略) イベントに合わせて天草のモーション改修も来ていますが、もともとモーションの完成度が高かっただけに変更点は少なく「若干ブラッシュアップした」程度に留めていますね。派手さが増したのと効果音が大きくなっているのとで「使っていて気持ち良い感じ」はあります。強化クエストでスキル強化まで入っており、「ただでさえ強い天草をこれ以上強くしてどうすんの」と呆れかけたけど、そういえば最近フレから天草借りることってほぼなくなってたな……と気づいたりもした。レベル100スキルマ宝具5の天草をサポートに出している人がいて何年か前までは頻繁に借りていたものの、最近は選択肢として検討すること自体がなくなっている状況です。このイベントでは久々にフレの天草を借りまくろうかしら。

『うたわれるもの ロストフラグ』、メインストーリーを更新、5章後半追加

 クリスマス、正月、バレンタインと季節イベント続きで後回しにされてきたメインストーリーの更新がやっと来ました。前回が10月30日だったから4ヶ月ぶりだ。相変わらずシナリオのテンポが良くて一気に読んでしまう。いろいろと注目すべき要素が盛り込まれていたけれど、一番「!」となったのはやはりこの人か。

  

 

 ラ、ラクシャインだと!? 騎馬民族の国「クッチャ・ケッチャ」をまとめる皇「オリカカン」の義弟であり、私欲に駆られ妻子と同胞を何人も殺した末自らも重傷を負って行方不明になったとされる悪漢じゃないか!(説明口調) うたわれシリーズ1作目の主人公「ハクオロ」はオリカカンから「貴様の正体はラクシャインじゃないか」と疑われ、記憶喪失ゆえ「まさか自分はそんな悪漢だった!?」と動揺してしまうのだけど、結論を言うと両者はまったくの無関係である。その後オリカカンが亡くなったこともあってラクシャインの消息云々については有耶無耶となり、ファンの間でも「ビジュアルが存在しない生死不明のキャラ」として徐々に忘れ去られていきました。ほぼ名前だけで詳しい設定もないから「本当にそんな奴いたんだろうか?」と怪しむ人までいたほどです。ロスフラで遂に実在が証明されました。

 しかも「旗長」という教団(カラザ)の幹部クラスに収まっており、腕も相当立つ模様。「一族の裏切者」となった経緯も明かされたりするのだろうか? ロスフラは「兄の代わりに戦士として活躍していたユズハ」なんてのが存在するような世界だから「パラレルワールドのアナザーラクシャイン」という可能性も捨て切れないが、もともと生死不明のキャラだけに「原作と同一の存在」ということにしても別段支障は来さない。ロスフラの世界に行って帰ってこなかったからオリカカンが探し出すことはできなかった、と説明を付けることもできるしな。他にもいろいろと驚きの展開はあったが詳述は省く。最後に霧の中からエルルゥが出てきて5章は終了、6章に続きます。これでやっと話が序章(森の中でエルルゥとアルルゥが謎の霧に包まれるシーン)と繋がりました。配信から1年以上かけてようやくプロローグと本編が繋がるとか、ソシャゲのシナリオにしては悠長すぎるな。イベント時空では当たり前のように主人公と会話している歴代うたわれキャラですけど、本編に顔を見せるのはコレが初めてなんですよね。うたわれオールスターズな物語としては6章からが本番になる、のかもしれません。スタリラやラスバレのシナリオも面白く、最近は充実した日々を送っている。ブルアカは時間割けなくなってきたからそろそろアンインストールかな……でもキャラは可愛いから迷うんだよな。う〜ん。

シルキーズSAKURAの『催眠奪女』シリーズ新作「三門梓編」、今月26日発売予定

 そういえば『催眠奪女』ってエロゲーがあったな……ロープライスだしそろそろ続編が出るんじゃない? と思って検索したらちょうど今月発売でした。更新履歴を確認すると去年の12月に発売決定の報せが出ており、翌1月に特設ページができて予約を開始している。私のアンテナが低いせいもあって全然情報をキャッチできていなかったわ。ともあれ前作が去年の9月発売だったから半年ぶりの続編となります。催眠術使ってヒロインを犯すというハッキリ言って「よくあるエロゲ」であり、あくまで単純明快なコンセプトが売りなのであって独創性とかそういうのはありません。前作は「朝霧架純」という先輩を催眠パワーの餌食にしていましたが、あらすじに先輩の名前が出てこないのでストーリーが「前作のつづき」なのか「先輩に手を出さなかったパラレル世界の話」なのか判然としないな。先輩はヤり飽きたしそろそろ別の女子を毒牙に掛けてやるぜ! なのか、はたまた「前作の出来事はなかったことにします」なのか。どちらにしても先輩の出番はほとんどないと思うので、気になる人はいきなり2からプレーしてもたぶん大丈夫でしょう。

 ちなみに今回ヒロインを務める三門さんは1作目の時点で既に名前が出ていました。名前だけで、立ち絵とかボイスは全然なかったけど。他に2人名前が挙がっていた(「文芸部顧問の栗原先生」と「現役アイドルの天王寺さん」)からシリーズは恐らく残り2本、半年に1本のペースで制作が進むと仮定すれば来年の3月に完結ってことになります。シリーズ全部まとめたコンプリートパッケージが出る可能性もあるし、「催眠モノは好きだけど分割ソフトを1本1本チマチマ買うのはちょっと……」という方はあと1年待ってみてもいいかもしれない。私は完結まで待てないのでさっさと分割版を買います。


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