2011年8月分


・本
 『ディザインド(1)』/木葉功一(講談社)
 『恋愛怪談サヨコさん(1〜2)』/関崎俊三(白泉社)
 『成熟という檻』/山川賢一(キネマ旬報社)


2011-08-27.

・ふとした機会に「鎮魂」が「銀魂」に見えた焼津です、こんばんは。響きも似ているせいでせっかく漂っていた厳粛さが台無しに。

京極夏彦の新作『ルー=ガルー2』、単行本・ノベルス・文庫・電子書籍、4バージョンを同時刊行(※リンク先はpdfです)

 『死ねばいいのに』が単行本と電子書籍の同時発売で、話題になって両方売れましたから、「今度は倍プッシュ」とばかりに4つも一挙発売するそうな。最近は早川書房も、少ないながら新書サイズのポケミス(ポケットミステリ)と文庫で同時に一緒の作品を刊行するようになってきましたし、いずれ「文庫落ち」という言葉が死語になる時代がやってくるかもしらん。いろんなバージョンが一度に並んでちょっとややこしくなるのが難ですけれど、買い手の選択肢が増えるのはいいことだ。手軽さから文庫本を好み人もいれば、たとえ文庫版が出ていても頑なに単行本を購入する主義の人も世の中にはいますし。当方は別に単行本という形態(ここで述べる「単行本」は四六判、俗に言うハードカバーのことです)へ深い恋着は抱いてないものの、分冊が嫌いなので「単行本は全一冊、文庫は上下巻」なんて場合だと単行本を選ぶ傾向にあります。今回はノベルス版も全一冊ですからそちらを買うことにする。ああ、そういえば宮部みゆきの新刊『おまえさん』も単行本と文庫本が同時発売されますね。こちらは両方分冊形式なので素直に文庫版を買うことにします。

女子大の赤本でオ●ニーしてしまった(暇人\(^o^)/速報)

 これは言ってみれば女子大の赤本を媒介物として「理想的な少女」の生霊を口寄せするようなもので、つまり軽い憑依状態(トランスモード)に入っているのではないか。妄念駆動の方法を極めれば霊装として成立するかもしれません。

『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)』のTVアニメ、2012年放送スタート

 このキービジュアル、今更見たけど位置的に蜻蛉が主人公っぽくて可笑しいな。あと凛々蝶の顔が少年めいていて、むしろ艶を感じさせる。少女でも女でもない瞬間にこそ心を射抜かれるのですね。双熾は妙に影が薄い。下手するとサブキャラに間違われかねない風情だわ。『妖狐×僕SS』はタイトルから雰囲気が伝わりにくいですが、陽気で楽しい温もりの中に酷薄なシリアス展開の影が落ちている「研ぎ澄まされた不穏」が読みどころです。刃を隠す鞘が堅牢であればあるほど、却ってその切れ味は増すという好例。甘々しいラブコメ描写の過度な幸福ゆえにストーリーは錆び付かず妖しい微煌を保つのです。

『まどか☆マギカ』BD6巻のコメンタリー12話にうめてんてーに虚淵氏!11話は魔法少女5人勢ぞろい! (萌えオタニュース速報)

 11話は魔法少女キャスト勢揃いで胸がレムリア・インパクトですな。しかし11話って、登場しない子が多いような……特にさやか役のキタエリは冒頭シーンでお通夜状態になってしまうのではないか、と考えたらむしろハイパーボリア・ゼロドライブ。つくづく5人全員揃ったうえでの共闘イベントがなかったことが悔やまれる。最終話はこれまでの制作陣が一挙参戦。欲を言えば新房監督も出てきてほしかったところだが、あの人は表に出たがらないそうなので仕方ないか。

目が覚めると彼女がアルカパになっていた――という奇天烈な設定の同人ゲーム『パカプラス』

 タイトルを『バカプラス』と読み違え、バカテスの二次創作か、あるいは「ある日突然彼女が底抜けのバカになってしまった」というような内容を想像してしまったが、現実は更に斜め上を行った。「彼氏が鳩」という『はーとふる彼氏』に勝るとも劣らぬ衝撃。そのうち彼女が突然コンセントになってしまって、いろんな電化製品を繋いでコミュニケーションを取る『ラブプラグ』とか出てくるんじゃないかしら。彼女に針金を突っ込めば、そのとき彼氏に電流走る。

ラノベとかエロゲの制服って凄いセンスだよな(あしたがみえない)

 何と言っても真っ先に連想するのはそれ散るの食い倒れ制服。あれはあれで「私服の可愛さを二乗する」という効能がありましたけど。次に連想したのが『恋愛0キロメートル』のおっぱい強調しすぎ制服。こういうおっぱい強調系のコスチュームは貧乳キャラの悲惨さをも強調してしまう(実咲乃来亜を比較すれば圧倒的なまでの差がひと目で分かる)ので居たたまれない。実在する制服とデザインが被ってしまってはいろいろとマズいため、どうしても奇抜なデザインになりがち、という事情は頷けますが『Dies irae』の穴開き制服まで行くとツッコまざるをえない。作中でもキャラがツッコんでましたね、あれ。制服じゃないけど恋盾の星野麗美もすごかった。逆に、制服で満足したエロゲーといったらるい智。あれはデザインが奇抜すぎず、しかもいろんな種類が取り揃えられていて眼福だった。制服の良いところは、着ているだけで「所属が同じ/所属が異なる」という事実を明確に伝えられるところですね。ライバルチーム同士が睨み合うシーンも、それぞれの制服が違っていれば「ああ、この二者が対立しているんだな」とすんなり理解できます。言ってみれば旗とか幟のようなもの。「旗幟鮮明」って実に面白い響きの言葉だ。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』2012年秋公開きたああああああああああああ(萌えオタニュース速報)

 なんかいきなり宇宙で戦っていて「あれ? ガンダム?」と戸惑っているうちに終わってしまった。予告編、たったの16秒かよ……短っ。ちなみにTV版の破はいくつか日常シーンがカットされていましたが、バトルは概ねそのまま収録されていて劇場で見たときの興奮が甦った。多少記憶が美化されていたせいで「このシーンって、こんなだったっけ?」と首を傾げた場面もあったものの、再視聴に耐える出来であったことは確か。筋立てを理解している分、細かい演出にまで意識がいってより楽しめた部分もある。力技の展開が目立つところもあり決して全肯定はできないにせよ、結局自分はEVAが好きなんだなぁ、と改めて認識しました。Qも超絶期待する。が、1年以上も先とは、ちょっと気が遠くなるな。

『魔法少女まどか☆マギカ公式ガイドブック you are not alone.』読んだー。

 ファン待望の公式ガイドブックが遂に出ました。構成は版権イラスト、各話あらすじと人物紹介、声優へのインタビュー、劇団イヌカレーのデザインを中心にした資料集、ハノカゲのアフレコ見学漫画、スタッフインタビューに蒼樹うめの初期キャラクター案ってな具合。ハッキリ言ってしまうと公式ガイドブックとしてはありふれた内容であり、際立った特徴はないものの、ファンなら見逃せないこぼれ話が大量に盛り込まれているので読む価値はあります。というか、まどかとほむらが仲良く見詰め合って手と手を握り合っているカバーイラスト見ただけでファンは買わずにゃいられないでしょう、常識的に考えて……以下、いくつか印象に残った記述について触れます。

 まず美樹さやか役の声優・喜多村英梨のインタビュー。「杏子道連れイエ〜イ!」は完全にさやかのボイスで脳内再生されました。やべえ、割と本気で言いそうなイメージがある。さやかは苛酷な事態に翻弄されて心身ともにズタボロになっていったせいでネタキャラとしては弄られ役のポジションに回りがちですが、性格からするとちょっとウザいくらいの弄り役がしっくりと来るんですよね。きっと天国的なところでは毎日杏子に絡んで「うぜー、チョーうぜー」と言われながら仲良くしていたことでしょう。資料集では魔女空間の細かい設定が明らかにされており興味深かったが、縮尺版なので字が読みづらい……じっくり読みたい方はPRODUCTION NOTEの一般販売を待つが吉です。ハノカゲの漫画、チラッと出てくる11話の台本に「戦闘機が次々に突っ込んでくる」とかいうすごい記述が。流れからして「戦闘機ぐらい出てきてもおかしくないな」とは思いましたが、まさか本当に構想されていたとは。「でも戦闘機だと見栄え的に難しいし、作画するのもおそろしく大変だから」見送られたらしい。>/p>

 で、一番読み応えがあるのは、やっぱりスタッフインタビューのところ。20ページ以上に渡ってビッシリと字が埋まっており、それを掘り起こすように読んでいく過程が至福。最初のスタッフ会議が2008年10月で、虚淵が脚本を書き始めたのは同年末、以降他の仕事の合間に月1話のペースで書き続けて2009年末には完成、と作業の推移も分かって面白い。虚淵の付けた仮タイトルが『魔法少女黙示録 まどかマギカ』だったという件には噴いた。顎の尖ったまどかたちが汗を垂らしながら「ざわ… ざわ…」と腹の探り合いをしている光景が目に浮かぶ。マミさんが死ぬところで「ぐにゃあ〜」ってなったり。あと立木文彦のナレーションでやたらテンションの高い話になってそうだ。美樹さやか、無痛! 圧倒的無痛! また、BDorDVDのコメンタリーで蒼樹うめが「虚淵が各キャラクターのイメージカラーを指定していたけど、うっかり忘れてしまって指定と違う色にしてしまった」と語っていましたが、虚淵案のイメージカラーも判明。まどかは白、さやかは青、マミは赤、杏子は黄色、ほむらは黒。「赤いマミって、今は想像できないじゃないですか」のコメント通り、ホントにイメージ浮かばないな、赤マミさん。杏子の黄色ってのはうっすらイメージできるが。黄色っつーか、要はパツキンのヤンキーですよね。金髪杏子……キャルじゃねーかそれ。その杏子の武器が多節棍+槍になったのは、「単なる槍だと狭い裏路地じゃ振り回せない」からで、新房監督のアイデアとのこと。続編についての質問で、虚淵はこれまで通りプランもアイデアもないことを晒し出していますが、蒼樹うめは「もっと『まどかマギカ』を描きたい!」、岩上プロデューサーは「ヒットしたら次を作るのは当然でしょう!」とコメントしていて、新房監督も以前のインタビューで意欲を示していましたので、たぶん何らかの形で続編めいたものは出るでしょうね。「できることならもっとガッツリ本編に関わりたかった」と語るキャラクターデザインの岸田隆宏は一歩引いた雰囲気の受け答え、最初の打ち合わせで「絶対にこの作品はヒットすると思います!」と息巻いた音楽の梶浦由記は相当な入れ込み。ほか、書き切れないほど「ほほう」な部分がありますゆえ、金銭に余裕のあるファンは是非買うといい。余裕がなければ公式ガイドブックを購入済の友人に全力で擦り寄ろう。そんな友人がいなければ……素直にお金溜めましょう。


2011-08-22.

・まどマギで完全に箍が外れて、夏コミの新刊だけで70冊くらい同人誌を買ってしまった焼津です、こんばんは。

 ジャンルはまどマギ以外にも及んでますけどね……「おっ、このほむほむ本いいな。ついでにこっちのすげぇエロそうなのも買っておこう、送料は変わらないし」ってな便乗購入が多いわけですよ。とらのあなのまとめ予約を使っていたせいで全体像が把握できず、届いた発送メールに記された金額を見て蒼褪めた。こんなこともあろうかと密かに夏コミ予算を多めに組んでいたから破産の危機は免れましたが、これからまた冬コミ予算を組まなきゃならないかと思うと気が遠くなる。さすがに冬が来る頃にはまどかブームも下火になって、そんなにたくさん同人誌も出ないだろうと想像しますが……ファンとして「たくさん出てほしい」という気持ちもあり、複雑だ。

 購入した新刊の中で気に入ったのは『プロゴルファーほむ』『私達には友達がいない』の2冊。『プロゴルファーほむ』はもちろん『プロゴルファー猿』のパロディです。10話の眼鏡ほむらがゴルフクラブ振り回してドラム缶をベッコベコにしていたところが発想の元と思われる。なぜメガほむがプロゴルファーになっているのか? という点に関しては本編で触れられず、どうも『プロゴルファーほむ・プロローグ』という既刊の方で説明されている模様。ここのサークルが過去に発行した既刊は通販だと手に入りにくいのが難点ですね。絵柄、ギャグのテンポがとても好みなだけに残念だ。内容はみなさんご想像の通り、ほむらが時を止めて球の位置を弄るインチキゴルフです。チートすぎてまず負けないけど、一打ごとに行ったり来たりしないといけないのでほむらもバテバテになる。「つづく」という形でブッツリ途切れて終わりますが、本当に続けるつもりなのかしら……『私達には友達がいない』は『僕は友達が少ない』のタイトルパロ。ギャグというよりもほのぼのコメディです。最終回後の改変された世界に残された面々――「友達」と呼べる存在を失ってしまったほむらと杏子、ぼっち疑惑のあるマミさんが集まってダラダラと会話を交わす。絵にしろネタにしろ際立った特徴はなく、「なんとなく雰囲気良さそうだから」といういい加減でポチッたけど、これがなかなか当たりでした。程好いユルさで安心して読める。同発の新刊『いつもいつまでも』はやはり最終回後の話で、概念化したまどかがほむらの夢に訪れます。まどかはほむらに会えて満足するけど、ほむらは「また夢か!」と落胆する。ちょうど第1話の「はぁ〜、夢オチ……」と対になっていて面白い。4コマ作品では『マギカ☆なのだ』がツボ。『マギカ☆ですよ』の続編。本編の印象的なセリフを混ぜ込んだ腐女子ネタ連作に笑った。まだ全部読み切ったわけではなく、依然として何冊か積んでおり、マジで読むものには困りません。薄い本にこれだけ惜しみなく資金を投入するのは初めて。夏の終わりも近いし、そろそろ金銭感覚を直したいところではあります。

『BLOOD-C』8月31日(水)終日まで全話無料配信キャンペーン(ニコニコチャンネル)

 放送の都合で更新を一回休止しているから、その埋め合わせに……って意図なんでしょうか。『BLOOD』に関しては一番最初の『BLOOD THE LAST VAMPIRE』しか観たことがなく、初のテレビシリーズとなる『BLOOD+』や実映映画の『LAST BLOOD』は存在しか知らないし、押井守の小説『獣たちの夜』も買ったきり読みもしないでどこへやったか分からなくなっている有様ですが、そんな当方があえて解説しますと、“BLOOD”シリーズは主人公が「小夜」という名前の少女で、制服を着て日本刀振り回しながら怪物と戦う――って要素以外は特に共通点のない作品群です。日本ではそんなにブレイクしなかったのですが、妙に海外ウケがイイらしくて開始から10年以上経った今も展開が続いている模様。シリーズの中で一番知名度があるのはたぶん『BLOOD+』ですね。旺盛なメディアミックス展開と、世界各地を転々としながら50話にも及んだというアニメ、間違いなく“BLOOD”シリーズ最大のスケールとボリュームを誇っています。それに引き換え“BLOOD”シリーズのプロジェクト第1弾に当たる『BLOOD THE LAST VAMPIRE』は50話どころか50分にも満たない半端な量でした。冒頭の電車シーンが良かったことしか覚えていない。後半の基地でのバトルはCGがショボかったような記憶がうっすらと。

 つまり、「そこまですごく人気があるわけでも、すごく評価が高いわけでもないけれど、なぜか息の長いシリーズ」という印象で、あまり大した期待は抱いていなかったわけです。実際、『BLOOD-C』の第1話はさして面白くなかった。地蔵のキモい動きはインパクトがあったけど、主人公の戦う理由がいまいちハッキリ見えてこないし、瞳が赤くなった途端に地蔵を瞬殺する戦闘描写も「あれ? なんで勝ったの?」と首を傾げる。ひと気が少なく異様に閉鎖的なムードの漂う町、平凡かつ善良なようでいて全身から胡散臭さを漲らせる周りの人々と、謎めいた雰囲気があからさますぎて隔意を感じ、もう一つ入り込めなかった。続く2話目も、ストーリーとしての動きがなく単調。「鼻歌アニメ」と揶揄される理由が痛いくらいよく分かる「今日もいい天気〜♪」連続にも辟易した。たぶん一挙公開でなければ、ここで観るのをやめていたはずです。3話と4話も注目すべきところは少なく、5話目に入ってようやく「おっ」と興味をそそられる場面がいくつか。川澄綾子の声に聞き惚れた挙句があのオチだったんで噴いた。次回予告もワクワクさせてくれる残虐さだったけど、「もうちょっと早くやれよ、この展開」と思わなくもない。スロースターターながら続きが気になってまいりました。にしても、ニコニコではパン屋がやたら人気あって笑う。「パンおいしいねん!」以来のパンフィーバー。みんながパン屋パン屋と執拗にコメントするからパンが食べたくなってしまった……これも一種のサブリミナルか。しかし、こうやって新作アニメを気軽に観られる今ってホントに素晴らしい時代ですね。まだレンタルが始まっていない現行アニメなんて、昔の地方じゃ観たくても観れなかったですもの。話題に付いていけないのが当たり前な状態でした。それだけ恵まれているのにアニメ市場の規模は年々縮小しているそうだから悲しい話だ。便利になっても景気が良くなるわけじゃないんだなぁ。

『羽月莉音の帝国』10月に9巻発売(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 はええ、当方なんてまだ8巻も買っていないのに……そして邪神大沼はそろそろ完結しそうなタイトルになってきましたな。さすがに7冊も続けたせいでネタ切れ感が激しくなっていたうえ、ここんとこずっと売上が振るわなかったみたいなので、仕方ないと言えば仕方ないのだろうが寂しい。まだ完結すると決まったわけじゃないが、たとえそうだとしても遠からず新シリーズを開始してくれるだろう。鳥村居子はガガガじゃ新顔ですが、なんか見覚えのある名前だな……と思ったら『雑魚神様』の人か。あれからずっと音沙汰なかったけど、遂に復活する模様。復活と言えば原田源五郎もですね。よっ、待ってました。知らない方がほとんどだろうと推測されますゆえ簡単に解説しますが、『今日もオカリナを吹く予定はない』で新人賞を獲ってデビューしたガガガ生え抜きの作家です。邪神大沼の川岸殴魚や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の渡航と同期。かれこれ1年以上も新刊が出ていないので「ひょっとして作家引退?」と気を揉みましたが、どうやら杞憂だったようだ。『今日もオカリナを吹く予定はない』は奇人変人揃いのオカリナ部に成り行きで所属することになった主人公が「死角」と呼ばれる化け物のような何かと戦うハメになる不条理異能バトルコメディ。終始ひたすらナンセンスなノリで押し切っており、話はあってないようなものだが、個人的にすごく気に入っているシリーズです。ヒロインの井波が可愛い。でもホントにストーリーが「なにこれ」としか言いようがない代物なんで、面白いかと訊かれれば返答に困る。高く評価することはできないけれど、自分の好みにジャストフィットしすぎで手放せない。そういう妙な作品となっています。ただ単に肌に合う、それだけ。新作もたぶん「なにこれ」な出来だと思いますが、迷わず読もう。ガガガはなんだかんだで注目を外せないレーベルになってきました。

【アニメ】探偵オペラミルキィホームズ第二期制作決定!!2012年1月放送開始!!(まとめいと)

 一応ミスオタだった時期のある人間ゆえ1話目の時点から注目していたが、まさか2期までやるようなアニメになろうとは予想だにしなかった。ミスオタには薦めていいものかどうか迷うが、とりあえず『ギャラクシーエンジェル』みたいなやりたい放題のギャグコメディが好きなら見逃してはなりません。想像を超えるスラップスティック性の高さを発揮するため、見た目で判断すると損します。って、そういや『ギャラクシーエンジェル』も当時見た目で「なにこれ、萌え狙いにしてもあざとすぎだろ」と敬遠して食わず嫌いしてたっけ。暇だったのでなんとなくビデオの1巻目を借りて観たのが運の尽き、「違う! これは萌えなんか欠片も狙ってねえ!」と気づいてどっぷりハマってしまった次第。『よんでますよ、アザゼルさん』も期待を上回る出来だったし、今なおギャグアニメの血統は途絶えていないみたいで安心しました。

「謎解きはディナーのあとで」実写ドラマ化決定!主演:櫻井翔 ヒロイン:北川景子(萌えオタニュース速報)

 やはり来たか。リンク先やamazonのレビューではボロクソに言われていますが、個人的に好きなシリーズなのでドラマ開始時期に合わせて新刊が発売されることを期待している。にしても140万部か。なんでそんなに売れてるのか、東川ファンでもよく分からないだろうな。発売前はそんなに注目されていなかった気がするし。世の中はまこと奇々怪々。女性刑事モノと言えば今ちょうど結城充孝の新作『衛星を使い、私に』を読んでますが、地味に面白い。近未来の日本を舞台にしたミステリで、「クロハ」という女性刑事を主人公に据えたシリーズとしては『プラ・バロック』『エコイック・メモリ』に続き3冊目に当たる。プラバロとエコメモは長編でしたが、今回は短編集。サクサクと手軽に読めてイイ具合です。結城充孝は電撃小説大賞の出身で、ライトノベル作家時代の代表シリーズ(というか唯一のシリーズ)である『奇蹟の表現』は初音ミクでブレイクする前のKEIがイラストを手掛けていました。おかげで未だにKEIに関しては「ミクの人」より「『奇蹟の表現』のイラスト描いた人」というイメージが強い。誉田の『ストロベリーナイト』も来年ドラマ化するって話だし、結構売れているという噂の『プラ・バロック』もいずれドラマ化するかも。深町の文庫書き下ろし作品『アウトバーン』も好評みたいで、映像化は時間の問題っていう雰囲気。女性刑事ドラマブーム、来るかしら?

『ダンガンロンパ』はひとまず休止してスパロボに専念していますが、なかなかお目当てのシオニーちゃんが出てこない……てっきりリモネシアは冒頭あたりのイベントで吹っ飛ぶのかと思ってましたが、結構後なんですね。外務大臣時代のシオニーちゃんは登場しましたが、もうこの時点で性格がアレですな、「面倒臭い女」剥き出し。たとえ何事もなくても幸せになれないタイプと見た。ああ、早く戦闘に出てこないかな。凹りたくて仕方ない。


2011-08-17.

『ダンガンロンパ』やったら校長の声に度肝を抜かれた焼津です、こんばんは。

 この人が演ってんのかよ……全然知らなかったので動揺して「え? よ、よく似てるな。声優さんの声真似ってすげー」とトンチンカンな理解をしそうになった次第。まだ学生証を手に入れたばかりで序盤もいいところですが、操作し辛い感じもないし快適にプレーできています。ただ、普段エロゲーばっかりやってるせいか、パートボイスになかなか慣れないな。『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』はもっと長時間プレーして進めています。今やっとシオニーちゃんが出てきたあたり。スパロボやるのは初めてだけど、こういうターン制のSLGは何度かやったことある(一番やり込んだのがファミコンのガチャポン戦士2)し、画面見れば感覚的に分かるので説明書見ずにサクサクと遊べました。戦闘デモは長くて痺れを切らすので大概OFFにしていますけど……名前は見たことあるが詳しいことは知らない、というようなロボットアニメが次々と出てきて「へー、あれってこんな設定だったんだ」と感心することしきり。各アニメのダイジェストみたいな部分もあって、なるほど確かに楽しいですね、これは。それはそれとしてシオニーちゃんの「ひっ」が早く見たい。

『ハヤテのごとく!』の新刊に挟まれていたチラシを読んだら、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が「映像化のオファー続々!!!」と書かれていて寝耳だった。

 はまち、お前……アニメ化するのか? 確かに発売直後から重版決定が報じられるなど、ガガガ文庫の新たなヒット作と化しているムードはあったが、開始からほんの5ヶ月で「映像化のオファー続々」なんて謳われるとは。著者の渡航はガガガの新人賞(小学館ライトノベル大賞)を獲ってデビューした、つまりガガガ生え抜きの作家であり、小学館も大いにプッシュしていきたいところなんでしょう。ちなみに『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』はタイトルを読めばだいたい察せられる通り『僕は友達が少ない』と同じ残念系青春コメディ(何せ1巻の帯には平坂読の絶賛コメントが寄せられていた)ですが、はがない以上に主人公の性格がネガティブで、ハッキリ言って主人公に共感できない方が幸せなレベルに達しています。これがアニメ化して更にヒットしちゃったりなんかしたら、それはそれで悲しい世の中だ……ところで、はがないと言えばアニメが放送される前の夏コミであるにも関わらず同人誌の冊数が凄いことになっていた模様。なんと肉々しい光景だろう。やっぱり星奈が人気ありますね。夜空の単独は少ない。冬コミではこれがもっと増えるんでしょうかね。

7月のラノベランキング 『魔法科高校の劣等生』ってのがアニメ化しそうだな(やらおん!)

 1巻も2巻も両方品薄になる売れ行きとは聞いてましたが、月間トップクラスとは。詳しく知りませんが、もともと人気のあるWEB小説だったそうで、刊行前から話題になっていましたね。順番としては川原礫の2作が来てからになりそう。ちなみに最近のライトノベルで当方が気に入っているのは『0能者ミナト』『ブラッド・スパート』ですけれど、このへんはアニメ化しそうにないな……いや、T&Bの波に乗ってオッサンアニメの流れが期待できるかも(『0能者ミナト』の主人公は年齢的にまだ青年だがオッサン臭い性格をしている)……いやいや、結局は「アニメ化しない方が良かった」ってオチになるやもしれん。アニメ化は原作知名度が上がって売れ行きも伸び、打ち切りの心配が少なくなるというメリットがある一方で、作者がアニメ絡みの仕事をいろいろと手掛ける影響からか放送中や放送後に刊行ペースが落ち気味になるデメリットもあり、諸刃の剣であります。

・以下4つの記事はすべて「萌えネタニュース速報」より。

『まどか☆マギカ』6巻BD/DVDの映像特典に「12話ディレクターズエディット版」・・・どういうことなの?

 尺からはみ出して削った分を収録した、とか? あるいはさやかの復活を望むあまり新房監督が「逝ってしまったわ……円環の理に導か」「れたと思った? 残念、さやかちゃん健在でした!」なアナザーバージョンをつくっちゃったとか。そして赤面して俯くマミさんを杏子とさやかのふたりがハッハッ、ハッハッと取り囲んで「なあ、どんな気持ち? 『逝ってしまったわ』っつった後輩が逝ってなくてどんな気持ち?」「教えてよ、今すぐマミさんが教えてよ。でないとあたし……」「えんかん! のことわりに」「ああん、導かれちゃぅぅ〜」「てぃろ☆ふぃなぁれ〜」と喜色満面で揶揄い、顎にリボン虎拳をぶち込まれるわけですね。倒れたふたりのソウルジェムを口に含んでバリボリと噛み砕いた挙句、上向いてプーッと破片を噴出するマミさん。「巴マミを嘲笑(わら)う事など不可能であった」とまど神様のナレーションが入って〆。ジョークは置いといて、実際そこまで手の込んだ映像特典ではなかろうと思います。が、既に購入が確定している(というか予約済)の身としては素直に楽しみだ。

『ゆるゆり』なもり先生が色紙10枚を描く→色塗りまで約5時間・・・このスピードは一体!

 もはや創造位階に達してますよね、これ。緩世界・百合変生(ユルヘイム・アッカリーン・サガ)。数をこなすために一枚一枚がややラフになってますが、それでもこのクオリティで100枚はすごい。単行本3冊も連続刊行しておいてまだ仕事し足りないと申すのか。マジで今年中にまた新刊出すつもりなんじゃないだろうか。恐ろしくなる、本当に。

『まどか☆マギカ』うめてんてー描き下ろしのアンソロ表紙公開!かわええええええええええええ

 「これがOVAのジャケットイラスト」と言われたら信じるレベル。てか本気で錯覚しかけた。参加している面子の中ではざらが楽しみ。ざらと言えば「みちかアクセス!」ってまだ続いてるんですね。WEB上で読めるけど、いつか紙媒体でじっくりと読むことができる日が来たらいいな。

「デュラララ!!」の成田先生が『BLEACH』のノベライズ!主人公はまさかのドン観音寺?

 ブリーチは途中で読むのをやめてしまった当方だが、このキャラはうっすらと記憶に残っているな。レールガン付録冊子の短編とかFate/strange fakeとか、ノベライズっぽい小説はいくつか書いている成田良悟ですけれど、本格的なノベライズ作品はこれが初めて。卍解云々といったブリーチの設定をあまり知らない身でどこまで付いていけるか不安だが、出たら是非とも読んでみたい。しかし、世間的には『デュラララ!!』の成田なのか……個人的には『バッカーノ!』の成田って方がしっくりと来る。

・最近読んだ本は『恋愛怪談サヨコさん』とか『成熟という檻』とか。

 『恋愛怪談サヨコさん』は漫画。800体の死霊を引き連れて暮らしている和服少女カシマサヨコが、霊障に耐性のある青年と出会って恋をするオカルト・コメディ。青年は単なる貧乏大学生で、霊障に耐性はあるけど霊感はほとんどなく、死霊を視ることはできません。そのためサヨコさんが死霊と会話する様子を「注目を集めたい電波な痛い子の振る舞い」として認識します。800体の死霊による凄まじい霊障のせいで常人と接触できない体質になっているサヨコさんは、自分に平気で触れることのできる存在に遭遇したことでコロッと陥落(お)ちてしまい、青年に対してあれこれアピールするのですが、なかなかうまく気持ちが伝わらないまま日々が過ぎていく……そんな感じで送る、基本的に一話完結で連作形式の漫画となっており、今のところこれといって明確なストーリーはありません。一応「恋の成就」が物語の目標ではありますが、具体的に恋を成就させる方策は何一つとして持ち合わせていない状況なわけです。おかげでヌルいラブコメにありがちな一進一退のもどかしさが続く。シチュがシチュだけに、コメディというよりギャグに近いですね。とにかくこの漫画最大のポイントは「サヨコさんが可愛い」、これに尽きる。不幸で一途、天然で抜けているところもあるけれど、恋する相手のためとなれば怨霊よりも怖い真似を仕出かす。守護聖人とか守護霊とかと同じ意味合いでの「守護ヤンデレ」です。「しゅごヤンデレ」と書けば可愛さが伝わるかもしれない。ヒロインが服を脱ぐとかいった直接的なお色気シーンはない(主人公が脱ぐシーンはある)ものの、そんなことが問題にならないほどサヨコさんの幸薄い照れ笑いは下半身を直撃する。ヌけるかヌけないかで言えば、圧倒的にヌける。詳密なエロシーンを脳裏に思い描く必要もなく、プラトニックにヌけます。なんだこの矛盾した言い回し。とにかく細かい理屈は置いといて、サヨコさんの魅力を知ることができるというその一点において読むべき作品であります。

 『成熟という檻』は副題が「『魔法少女まどか☆マギカ』論」。放送終了から4ヶ月も経たないうちに早くも評論本のおでましです。著者の山川賢一に関しては「群像新人文学賞の評論部門で2年にわたって最終選考に残り」という紹介があり、「それって2年続けて落選してるってことじゃ……?」と訊きたくなったのは当方だけではあるまい。帯に躍る「真性神的動画『魔法少女まどか☆マギカ』オフィシャル評論」という文字列も胡散臭さを増幅させる。これはあれか、十数年前に書店でよく見かけたエヴァンゲリオンブームの便乗本と同じノリか……と警戒し、予約を入れることは控えたのですが、いざ実物を見るとなかなかしっかりとした造本で、ついムラムラと物欲を刺激されて購入しちゃった次第です。蓋を開けたら売名目的の的外れトンデモ評論本だった、ってなオチがつくことも覚悟の上で読み始めましたけど、意外に、というか普通に真面目な調子で論じている本でした。あとがきで著者が「作品評論には、論者独特の切り口から思いもよらぬ解釈を引き出すことをめざしたものもあれば、論者の個性をなるべく抑えて、作品のスタンダードな解釈を築くことを目的とするものもある。本書は、自分なりに後者の評論をめざしたものだ」と語っている通り、全体の論旨はさして奇を衒ったものではなく、地味でさえある。また「最初期の評論の著者が山川だったのは『まどか☆マギカ』にとってじつに不幸だった、という結果になる危険性もあるので、そうならないよう必死に努力した」とも語っており、己の立ち位置を冷静に理解している面もあった。「正確」が「性格」になっていたり「事態」が「自体」になっていたり……という変換ミスから来るような単純極まりない誤字があったり、他作品から引用したセリフをほんの数行後にまた引用して「BD1巻初期ロットのマミさん音声エラーに対するリスペクトか?」と勘繰らせる箇所があったりと、キッチリ推敲しているのかどうか疑わしくなる細かい粗はチラホラあったし、他作品を持ち出して比較するあたりでは他作品解説の方に筆が流れすぎてしまう(特にH・G・ウェルズ関連は脇道に逸れすぎと思った)が、「暁美ほむらはもともと正義感が薄い」と指摘する箇所など興味深く読めた部分もありました。

 確かに、メガほむ時代からあの子は正義や倫理といった観念に対する遵守意識が薄いよなぁ……爆弾を自主製作したり、いくら飛び道具が欲しいからってヤクザの事務所へ不法侵入かまして実銃盗んできたり。他の4人は恐らく幼い頃に観たアニメの影響で「正義の魔法少女」に憧れを抱いていた(そしてそのために裏切られた)けど、ほむら1人だけはそんなものにまったく憧れていなかったんだろう。だからコスチュームが異様に地味なのだし、「盾状の砂時計」という武装とも呼べないような装備でゴルフクラブを振り回したりする。2周目で嬉しそうにしているのもあくまで「まどかと同じ存在になれた」「これで彼女を守ることができる」と思ったからに過ぎない。彼女が憧れたのは命の恩人たるまどか個人であって、まどかが体現しようとした「正義の魔法少女」という属性など眼中になかったのだ。そう考えると腑に落ちるものがあります。「まどかたちを守ろうとしているが、正義感など持ち合わせていない」からこそ、二次創作上の道徳まるっきり無視な変態行為の数々があんなにもしっくり来るんですね。「正義感の欠如」を「まどかのパンツを頭に被っておすまし顔の変態ほむらさん」で表現し切った人はマジで天才だと思う。さておき、作品中のテキストのみならず雑誌等のインタビュー記事もちゃんと参考にしているなど、突貫作業でつくられたとおぼしき評論本にしては丁寧な部類に属する一冊です。内容がシナリオの分析に傾きすぎていて他の要素はほとんど無視なうえ、インタビュー記事の引用も虚淵オンリーであり、新房監督など虚淵以外のスタッフに関してはほんのちょっとしか触れられない有様と、「これがまどかマギカの決定論」と呼ぶにはまだ遠い。なので「ファン必読」とまでは申せませんが、「気になるなら読んでみて損はない」程度には推せる。外堀を少しずつ埋めながら核心に迫っていき、最後の最後で一気にまとめる構成のため前半は退屈で、最初の方をパラパラと拾い読みしても面白さは伝わってきません。もし読むのであれば、多少は読み飛ばしても構いませんから、とにかく最後まで目を通しましょう。これを皮切りに読み応えのあるまどかマギカ論がもっとどんどん出てきたら、それはとっても嬉しいなって、思ってしまうのでした。

・拍手レス。

 神咒神威神楽OPの蜘蛛を見て、「赤い! 蜘蛛! なんと、これがシュピーネさんの創造!!」とちょっとだけ思って、すぐ「ねーな」と思いました。ええ。
 赤い蜘蛛→村正→武帝→屑兄さんと連想。武帝も大概変わり果てたが屑兄さんも哀れな変貌であることよ。

 境界線上のホライゾンの新PV来てましたで〜。
 鹿角とダっちゃんに興奮しました。あと立花夫妻。

 ダンガンロンパは発売日に購入しました。その後、虚淵氏が絶賛していたのにはこちらも嬉しくなりました。面白いですよー。
 来月に
『ダンガンロンパ/ゼロ』って小説も出るとか。2ともども楽しみだけどまず1をクリアしないと。

 虚淵にも好評だったダンガンロンパですな。声優の力が良く分かるというか、ドラ○もんはやはり凄いですねw
 あの声には唖然としました。あれでビックリするかしないかで世代がバレますね。


2011-08-13.

lightの新作『神咒神威神楽』、開幕動画(オープニングムービー)公開

 踊るぜ公開だぁぁァァッ! ……正直ちょっと歌が雰囲気に合ってない気もするけど、伝奇色全開でなかなかテンションの良いムービーです。夜都賀波岐の女性陣に立て続けに見下されるシーンは股間が熱くなった。伝奇関係ねえ。歌は何回か聞いたら慣れたので特段文句を述べるつもりはないが、どうせならボーカルOFFのバージョンもつくってほしい。あとパッケージ画像も公開されていますが、東征軍だけで東側のキャラは描かない方針みたい。横長の構図からしてファーブラみたいなパッケになるのかしらん。

PSPソフト『魔法少女まどか☆マギカ ポータブル』、2012年3月15日発売予定

 PSPがまどかを生むなら、みんな買うしかないじゃない! あなたも、わたしも! というわけで、早速注文しました、PSP本体。某ショップの使い道に困って余らせていたポイントを消費しゲット。ついでに前から気になっていた『ダンガンロンパ』もポチリ。そしてシオニーちゃん会いたさに『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』も併せて購入。しかし、まどマギは次から次へとグッズ展開が忙しいですなぁ。財布の中身を円環の理に導かれてしまうファンが多数発生しています。当方はフィギュア等を買わない主義なのでまだ何とかやってけますが、立体好きの人は本当に大変でしょう。閑話休題、ゲームの詳しい内容はこちらに書かれています。「可もなく不可もなく」といった感じのありふれたキャラゲーに落ち着きそうですね。限定版と通常版が用意されていますが、当方は通常版でいいや。限定版は嵩張って場所塞ぎになりそうだし。PSPと言えば『僕は友達が少ない』もアニメ放送前からゲーム化決定とか。伝えなきゃ、みんなバンナムに搾取されちゃう!

『魔弾の王と戦姫』“●●●化”が決定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 マンガ化でしょうか。今月ようやく2巻が出る、という状況なのでアニメ化決定するにはいくら何でも早すぎる。とはいえ新シリーズにしては珍しいほどの人気を獲得していますし、遠からずアニメ化の報は聞こえてきそうだ。MFは今メディアミックスに全精力を傾けていますから。来年も毎クール何らかの弾を撃ち出してくるものと推測されます。創刊当初は「方向性の見えないレーベル」と揶揄されたMF文庫Jですが、『ゼロの使い魔』がヒットしたあたりからラブコメ路線に絞り、いつしかそっち系で層が厚くなってきました。ゼロ魔が決定した路線を、近年の『IS(インフィニットストラトス)』『僕は友達が少ない』がより磐石なものとした気がします。ラブコメ重視以前のMFもチラホラと良い作品はありましたけどね。『パートタイム・プリンセス』(普通の少年と異世界の姫様の精神が入れ替わる、トランスセクシャル要素ありのファンタジー。2巻以降は正直蛇足なので1巻だけオススメ)とか『嘘つきは妹にしておく』(文章の読み口が良く、toi8のイラストとの調和が見事なノスタルジック現代ファンタジー)、ダ・ヴィンチの方で新装版が発売されている『ストーム・ブリング・ワールド』『カルドセプト』というゲームのスピンオフだが、原作を知らなくても楽しめる出来)など。一方でアレな作品もちょくちょく見かけたがあえてタイトルは挙げない。最近はラブコメに偏りすぎで、いささかやりすぎではないかとも思う。表紙も「白背景と女キャラ」ばかりで、ぶっちゃけどれがどれだか見分けが……。

『ギルティクラウン』PCゲーム化決定!「LOST X」シナリオ:鋼屋ジン氏でアニメにも参加!(萌えオタニュース速報)

 『ドグラQ』はどうなってんだよぉ、ジィィィン。仕事してること自体は吉報だが……これでギルクラのアニメが当たったら鋼屋も虚淵に続いてアニメ脚本家の道に就いてしまいそう。そして奈良原までアニメ脚本書き始めたら……ナレーションだけで丸々1話消費するビジョンが目に浮かぶ。あるいは脚本がゲームブック形式で監督激怒。『LOST X』とは別に「ニトロプラス史上初の真面目な恋愛モノ」とかいうのの情報も出ているが、胡散臭ぇ。途轍もなく胡散臭ぇ。世の中には新堂冬樹という純愛モノと鬼畜モノを器用に書き分ける(時折無造作に掻き混ぜる)作家もいるけど、ニトロは絶対に開発の途中でSAN値が足りなくなるだろう。ヒロインがいきなりイノベイターになってうたプリの主人公みたいな目になっても驚かない。

【新連載?】蒼樹うめ、新作ストーリーマンガ制作決定!!  期待せざるをえないな!(まとめいと)

 うめてんてーが新作ストーリーマンガ? 読めぬ……太刀筋が全く……一応『ひだまりスケッチ』にもちょっとだけ非4コマパートがありますし、同人でもストーリー物を描いたりしているらしいし、無謀な挑戦ってことじゃないんでしょうが。しかしイメージ湧きにくいな。詳しい情報が何もないので想像の膨らませようもないけれど、とりあえず期待しておこうか。ひだまりの4期も来るそうだが大丈夫なのだろうか、仕事量。

『光圀伝』オフィシャルサイトオープン(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 なんという覇気に溢れた黄門様。最低でも九十九乱蔵くらいのスペックはありそうだ。まだ連載中みたいですし、単行本にまとまるのは来年以降でしょうか。

・木葉功一の『ディザインド』読んだー。

 力強く、「粗い」というより「荒い」って感じのタッチが特徴的なキバコーの新刊。タイトルの綴りは「The Designeds」で、一般的に「デザイン」と読まれる単語から来ている。命を的にしてスクープを撮る「トップ屋」のカメラマン・虎髪明を主人公にした報道バイオレンス・コミックです。『ウダウダやってるヒマはねェ』の続編『報道ギャングABSURD!』と同系統の内容。つーか、ウダヒマにそんな続編が出ていること知らない人って結構多そう。当方も店頭で見かけるまで全然アンテナに引っ掛かってさえいなかった。「トップ屋」というのは新聞や雑誌のトップ、つまり一面や巻頭を占めるようなスクープをスッパ抜くことを生業としているフリージャーナリストのことです。今ではあまり使われなくなったので、ちょっと死語っぽい響きがある。事件現場に直接殴り込みを掛けるため乱闘じみた事態に発展することもありますが、主人公の目的はあくまで「撮る」ことであり、事件の解決や収束は二の次三の次です。事件の解決や収束を目指すとなるとある程度は真相や真実を闇に葬るという選択肢も出てきますが、それを目指さないのだから主人公はひたすら隠されていたモノ、蔽われていたモノを光の下に引きずり出して暴き立てることに専心する。「リアル」を晒し上げ、「ホントの事」を確かめることでしか、彼は生きている実感を得られないのです。

 本書には二つのエピソード、「世界を撃つ男」と「要人抹殺システム」の他に、単行本未収録作品「カフェボヘミア」の前編が収録されています。シリーズの開始を告げる「世界を撃つ男」は、ショットガンを持った男たちによる病院籠城事件のスクープをスッパ抜くため警官隊や機動隊の制止を振り払って現場の病院に突撃をかますという、しょっぱなから命知らずな雰囲気満載のエピソードです。『ディザインド』ってこんな話ですよ、という「感じ」を余すことなく伝えている点で文句ナシの1話目です。さすがに著者の代表作である『キリコ』ほどの神懸かった掴みではないが、「またこの野獣路線でやってくれるのか」と嬉しくなりました。続く「要人抹殺システム」は自殺や事故に見せかけて「不都合な関係者」を消す、組織立った暗殺集団に立ち向かうエピソード。暗殺集団との戦いがメインではなく、今にも消されそうになっている「不都合な関係者」にインタビューを仕掛けて真実を撮ろうとする方が主眼となっています。比較的順調に進んだ「世界を撃つ男」に対し、こっちは波乱含みでハラハラさせられる。籠城事件で人質として出てきた車椅子の少年・木村羊介が映って終わりとなりますが、彼がこのシリーズにおいてどんな役割を果たすのかは今のところ不明だ。どうも3話で重要なポジションに就くようですが……。

 巻末収録の「カフェボヘミア(前編)」は雑誌掲載されたのが97年だそうなので、今から14年前ですか。元から特徴的な絵柄の漫画家とはいえ、これだけ時間が経つとタッチも変わってますね。ちょっと天野喜孝のテイストが入っている気がする。銀行の輸送車から10億円分の金塊を盗み出した強盗グループが、5年後に約束の場所で再会を果たす。ほとぼりも冷め、分け前を配る作業は無事に進むかと思われたが……と、洋画を観ているみたいな気分に陥るクライム・サスペンス。前編なので分け前を巡って揉めている最中に話が終わってしまい、なんとも評価し辛い状態です。2巻に後編が載るらしいので、そっち次第ですね。収録してくれたことは嬉しいが、前編だけってのはやっぱり半端ですね。短編漫画はなかなかまとまる機会が少なく、人気のある漫画家でも数年くらい放置されることは珍しくない。キバコーはこれ以外にも単行本未収録作品がいくつか残っています。巻末広告によれば読切短編「欲望」、『クリオの男』のエピソードながら「テイストが違う」という理由から単行本に収録されなかった幻の第1話「赤数珠」および幻の第2話「ノリ・メ・タンゲレ」。これらは現在ケータイサイトで配信中だそうですが、できれば紙媒体で読みたいぜ。

 2巻において完全収録される3話目「虐殺連鎖シンクロニシティ」はいよいよ鰐淵セツ登場。そう、『セツ』の主人公を務める女性刑事です。「クロスオーバー的な特別出演?」と思われるかもしれませんが、実のところ逆で、「虐殺連鎖シンクロニシティ」がセツの初登場エピソードだったりする。刊行は前後してしまったものの、本当は『セツ』の方が『ディザインド』のスピンオフ作品なんですよ。『ディザインド』は講談社の月刊誌“少年シリウス”の別冊に当たる季刊誌“NEMESIS”に掲載されていますけれど、もともとは“MiChao!”というWEBコミック配信サイトで不定期気味に連載されていた(開始は2009年の2月頃)作品で、“MiChao!”の更新終了に合わせて移籍した……って経緯があります。“MiChao!”時代に「虐殺連鎖シンクロニシティ」(連載時は「連続殺人シンクロニシティ」というタイトルだったらしい)の途中まで進めていて、そこにセツがキーパーソンとして出てきたけど、続きを載せることができず『ディザインド』が宙に浮いているうちにスピンオフ作品である『セツ』が2010年4月からスタートし、あれよあれよという間に先行してしまったようだ。『セツ』は鰐淵セツがなぜ刑事になったのか、という地点から始まるストーリーなので、たぶん「虐殺連鎖シンクロニシティ」よりも前のエピソードだけで構成されている……はずです。ゆえにどっちから読んでも差し支えないだろうと推測されます。さて、『ディザインド』2巻が出るのはいつか。待ち遠しくて仕方がない。

・拍手レス。

 PSP持ってないんですか〜。まどマギのゲームはスルーですかね?
 買いました。これで思う存分シオニーちゃんをボコれます。

 シオニーですが最終話で瀕死にして痛めつけた時の台詞の数々、胸がすくような思いで股ぐらが(ry
 それはそうと本日神咒神威神楽OP動画が遂に出ましたぞ!
 早く見たいならニコニコでttp://www.nicovideo.jp/watch/sm15278812
 余談ですが、穢土のどっかにある?夥しい鳥居、正田卿がプレイした二重影のリスペクトか何か辺りだと思いませんか?

 鳥居がいっぱいある神社というと伏見稲荷大社が有名ですが、東日本にもそういう神社がいくつかあるみたいなのでそのどれかかも。早起きして赤いジャージ着たシオニーちゃんを千本鳥居に連れて行ってわざとはぐれさせて泣かせたい。

 神咒OP見ました。色々動いてましたね、蜘蛛と胸しか覚えてないですけど。次回作あたりで戦闘シーン描写に使ってくれたら嬉しいなぁと思いました。今の所蝿声とかのムービーしかないですし。
 蜘蛛でタチコマを連想した。ムービー流すとテキストが途切れるので、正田ゲーではそんなに多用しなくていいかも、と思ってたり。

 相変わらず穢土連蛇女性陣が屑を見るような目をされていてご褒美でした。悪路さんのバックの触手っぽいの何なんでしょうね.
 見下した目をする常世の時を止めてペロペロしたい。ひょっとして常世ってば可愛すぎじゃない? 悪路さんの触手っぽいのは腐蝕エフェクトか何かですかね。

 『イヅナ斬審剣』やってみました。どう見てもモブキャラでしかない響子がどのヒロインよりもかわいくて生きるのがつらい。個人的に響子>>>(超えられない壁)>>>弘太郎>ヒロインズ。
 イヅナはヒロイン勢の魅力がちょっと弱いかな、と思わなくもない。弘太郎のグラフィックで心癒されている自分がいます。


2011-08-09.

・スパロボのゲームは何一つとしてプレーしたことがないのにシオニー・レジスというキャラが異様に気になっている焼津です、こんばんは。

 一枚一枚のイラストから伝わってくる小物可愛さにクラクラする。ああ、ここまで土下座させたいキャラに出逢ったのは初めてだ……涙と鼻水を垂れながら額を擦り付けて土下座る彼女を想像するだけで股ぐらがいきり立つ。『Dies irae』シュピーネさん『アラクニド』のゴキブリたんを足して変態色を抜いたらこんな感じになるだろうか。「ひっ頭政務官」という表記に噴く。危なかったな、当方がPSPを持っていたら衝動的にソフトを買ってしまうところだった。平野耕太、弓弦イズル、賀東招二あたりもシオニーにドハマりしているらしい。是非ともヒラコーにはシオニー本を出してもらいたいものです。タイトルは「シオニーのプロトコール」とかで。

フィリップ・カーの新作『消えた依頼人(仮)』、PHP文芸文庫より9月発売

 これにはさしもの当方もビックリ。フィリップ・カーのミステリが翻訳されるのなんて十数年ぶりじゃないかしら。汚染牛肉騒動のニュースを見るたび『屍肉』(チェルノブイリの原発事故で汚染された肉が闇市に出回っている話)を思い出したりしていました。で、今回はどんな話なのかな、とリンク先の紹介文を読んでみたら、「私立探偵グンター」……だと……? まさかのベルンハルト・グンター再登場かよ。ベルンハルト・グンターとはフィリップ・カーのデビュー作『偽りの街』で初登場した私立探偵(刑事に戻る巻もあるけど)です。ナチス政権下のベルリンを主な舞台に選んだ“ベルリン3部作”の主人公を務め、一部のハードボイルド・マニアの中で密かな人気を得ている。“ベルリン3部作”はベルリン・オリンピック(1936年)の頃を描いた『偽りの街』、水晶の夜(1938年)がストーリーに絡んでくる『砕かれた夜』、終戦から2年後(1947年)の『ベルリン・レクイエム』といった構成。その後グンターものが書かれたという話は聞かず、「3部作で完結しちゃったのかな」と今の今までずーっと思い込んでいました。どうも知らない間に再開していたみたいです。英語版Wikipediaによると『ベルリン・レクイエム』の原書は91年刊行で、2006年にシリーズ4冊目 "The One From the Other" が発売されたらしい。15年も間が空いているんですね。もともと日本ではあまり有名じゃない作家だったし、話題にならなかったのもしょうがないか。グンター・シリーズは現在7作目まで出ていて、10月に8作目となる新作 "Prague Fatale" が刊行予定とのこと。つまり、『消えた依頼人(仮)』が好調なら続編もガンガン翻訳される望みがあるわけか……こりゃ是非買わないと。ちなみに "Prague Fatale" は英amazonの紹介文によると1942年のプラハが舞台らしい。この頃プラハで何があったかな、とぐぐってみたらラインハルト・ハイドリヒの暗殺があった。ハイドリヒ暗殺が物語の焦点になるのか、はたまた暗殺後のリディツェ村虐殺が焦点になるのか。それより何より、当方が読めるようになるのはいったい何年後のことか。

【ゆるゆり】なもり先生どうしたwww 荒らぶりすぎwww(ひまねっと)

 いくら単行本作業から解放されたとはいえ描きすぎだろう、なもり先生。描き続けないと生きられないタイプなのか。プロの絵師には「やっと仕事の絵を描き終わった……しばらく絵は描きたくないな、休もう」という人と「やっと仕事の絵を描き終わった……これでようやく趣味の絵が描ける、早速取り掛かろう」という人がいて、たぶんなもりは後者なんでしょう。仕事の絵も趣味の絵も活き活きしてるし、描くことが楽しくて仕方ないのかもしれない。『ゆるゆり』はアニメも好調みたいで、たとえ本人が嫌がっても当分筆を置く機会は得られないだろうけど、こんなに描きまくってると倒れないか心配になってきたり。まだあるかどうか分からないけど、アニメ2期のためにも体調管理は気をつけてほしい。アニメと言えば、『ゆるゆり』とは関係ないけど『ロウきゅーぶ!』もいいですね。バスケアニメとして観たら少々物足りないものの、「いやこれスポコンも結構熱いし」と言い訳する余地のあるロリコン御用達アニメとしては至高。中んずくひなたがイイ。原作では「頻繁に出すぎてちょっとクドいな、もっと控えてほしいわ」と感じていた口癖「おー」が、アニメでは「はやく『おー』しろ! 間に合わなくなっても知らんぞ!」と詰め寄りたくなるほど高い中毒性を放っている。極論、ひなたの「おー」を聞けるだけでもロウきゅーぶを観る価値がある。今期は『神様ドォルズ』の詩緒、『うさぎドロップ』のりんなど、幼女スキーには嬉しい布陣ですな。

『ふしぎの海のナディア』11月にBlu-ray BOX発売決定!(萌えオタニュース速報)

 ナディアは当時何話か観ましたけど、象に乗って「ジャンボ! ジャンボ!」と挨拶するところしか覚えていない……ならこの機会にBOX買って全話観ようかな、とも思いましたが、amazonの値引き後でも約37000円という価格には怯んでしまう。『トップをねらえ!』ともどもひとまずは様子見で行きます。

きゆづきさとこの新刊『GA−芸術科アートデザインクラス−』4巻は10月27日発売予定

 かれこれ2年ぶり。『棺担ぎのクロ。』の3巻はどうなっているのか相変わらず気になるが、これはこれで嬉しいニュースだ。あーさん・ぶちさん婦妻とまた会える。会えるのだ。会えるノダミキ。同じ日に2巻が出る『ましゅまろ×タイフーンッ』は個人的に割と気に入っているのでさりげなくオススメしておく。女同士のセクハラネタが多いので、そういうのが苦手な人には強いて薦めないけども。

さて、秋アニメが出揃ってきたわけだがおまえらどうするの?(はちま起稿)

 差し当たって『Fate/Zero』『境界線上のホライゾン』を重点的に注目していきたい。Zeroは咎狗のアニメ並みにひどい出来でなければBDも買うつもりでいます。ホライゾンは出来を見て判断する方向で。オリジナルで気になるのはノイタミナの2本と『ファイ・ブレイン』か。『機動戦士ガンダムAGE』は放送後に評判を確かめてから考えます。冬のまどか、春のあの花とT&B、夏のピングドラムとイイ具合にオリジナルアニメの好調が続いているので、秋もその流れを期待したいかな。

・まだ体験版を途中までしかやっていませんが、暁WORKS黒の『イヅナ斬審剣』が面白い。

 法で裁けぬ悪人を斬る、という『必殺仕事人』系統のパニッシュメント・アクション・ノベル。普段はちょっと気弱な少年の顔を見せている主人公だけど、一旦スイッチが入ったら完全に思考回路を切り換えて躊躇なく人を殺せる断罪者となります。昔“月刊少年ジャンプ”でやってた『闇狩人』みたいな感じ、と書いて通じる人がどれくらいおられるだろうか。演技とか二重人格とかではなく、「状況に応じて使い分けているだけ」とのこと。タイトルの「イヅナ」は「飯綱」――修験者などに使役される狐の妖怪のことであり、「管狐」とも呼ばれる。本作のシナリオライターを務めるinsiderは『LOVELY×CATION』というゲームで既に商業デビュー済ですが、あれとは全然作風が違いますね。insiderは商業デビュー前からさんだーぼるとというサークルで同人ゲームを制作しており、現在配布終了しているフリーソフト『悪の教科書』が今回のテイストに近いかもしれない。すごく個性的ってわけでもなく、新鮮さはないに等しいが、こういうB級感溢れるノリは好きです。タイトルがパッとしない、コスチュームがちょっとダサい(てか浮いてる)、という難点はあるにせよ、「最近は悪人どもを容赦抜きでブッタ斬るような爽快感のあるバイオレンスもの見ないなぁ」とお嘆きの貴方はとりあえず体験版をプレーしてみるべきです。

・拍手レス。

 小森健太朗といえばローウェル城の密室の超絶トリックが素晴らしかったですねw
 小森で印象深いのは『ネヌウェンラーの密室(セルダブ)』。「こんなのアリかよ……」と愕然。エジプト薀蓄は面白かったけども。

 ヤマグチノボル先生、手術成功されたそうでほっとしました。その前に松田選手死去のニュースがあっただけに…今年は訃報が多い気がしますね。悲しいです
 手術成功の報せにはホッとしました。体調が安定したら執筆も再開してくれるだろうか。

 スマッシュ文庫から出るこれが地雷好きとして楽しみでしょうがないです。 http://www.crim.co.jp/new/index.html
 スマッシュ文庫はどんどん地雷臭のキツいレーベルになっていくな……誰にも打ち返せないところにスマッシュを叩き込む気か。

 個人的には鈴とアデーレとミリアムの乳揉みたい
 アデーレは硬そうなイメージ。粉落としくらいに硬そう。


2011-08-04.

杏子って猫か犬かで言ったら犬っぽいよな、と思った拍子にふと「“杏犬”佐倉」というフレーズが脳裏をよぎった焼津です、こんばんは。

 『魔法少女プリティ☆ベル』ネタ、と補足しないと通じない分かり辛さ。

『まどか☆マギカ』公式ガイドブックの表紙公開!うひょおおおおおおお(萌えオタニュース速報)

 まどほむ派が失神するレベルの表紙。とてもガイドブックとは思えません。まどかの指先がほむらのソウルジェムに触れるか触れないかぐらいの距離にそっと置かれているあたりは実に心憎い。ほむらの表情が心底嬉しそうだ。公式ガイドブックは既に予約済ですんで何も心配はありませんけれど、夏コミで先行販売されるPRODUCTION NOTEがすげぇ気になります。2冊セットで、併せて500ページ近い分量とか、気合入りすぎじゃないですか。値段も相応に高いけれど、是非とも希望者全員が購入できる形で一般販売してほしいものです。『RKGKMDK』みたいに欲しくても欲しくても買えやしないだなんてもう嫌なんですよ……。

小森健太朗の新作『ネメシスの虐笑S』はPCノベルゲーム&美少女ミステリ小説を同梱

 小森健太朗とは、16歳のときに応募した作品で江戸川乱歩賞の最終候補に残ったことで一部において有名な作家。デビュー作のタイトルが『コミケ殺人事件』だったくらいですから、同人文化への興味は浅からぬものがある。作風はいわゆる薀蓄系で、小説としては少々かったるいところもあり、たまに「ふざけんな!」と本を壁に叩きつけたくなるネタも飛ばすのですが、妙にトボけた味わいがあって憎めない。『ネメシスの虐笑』は去年の夏コミに著者が同人ノベルゲームとして出したものが元となっているらしい。昔『ネメシスの哄笑』という著書があったから、それの関連作なのかな、と調べてみたら著者曰く「姉妹篇」とのこと。発行が15年前ですからとっくに絶版していて、文庫化もしておらず古本屋か図書館を利用しないと読めないものの姉妹篇をつくるとか……でもそれが小森健太朗なんだよね。この人は何年も前に他社で出した作品の続編を平気で書くという非常にマイペースな創作スタイルを持っています。しかし今さら『ネメシスの哄笑』とか言われても、数年前に買ったきりどこへやったか思い出せないよ……とボヤきつつ押入れを漁ったら割とあっさり見つかりました。なんだか懐かしくなってきたし、『ネメシスの虐笑S』も買ってみるとしよう。ゲームの方は体験版が公開されているので気になる方はどうぞ。製品版を購入した人は修正パッチ適用すべし。しかし小森、ホームページにまどかマギカの視聴日記書いてて笑った。一回見て終わりではなく、何度も見返して感想を書き足しているのだからガチハマリである。芦辺拓といい、ミステリ作家にもやけに人気があるんですよね、まどかマギカ。笠井潔に薦めて「かなり面白かった」と言われたそうですから、こりゃ笠井潔のまどマギ論もいずれ来るかも。

『新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編』、9月20日に発売

 やっと出ます。『新・餓狼伝』、巻ノ一が発売されたのはもう5年近く前ですか。既に文庫版だって出てますよ。念のため解説しておきますと、『餓狼伝』とは夢枕獏による長編格闘小説で、一番最初の巻が発売されたのは1985年。今から26年前です。それだけ経ってもまだ完結していません。『新』が付く前の『餓狼伝』は本編13冊と外伝1冊から成り、『新』の2冊を加えても全体で16冊にしかならないので、刊行ペースはあまり良くないです。本当は1冊こっきりで終わるはずだったんですが、もうちょっとだけ、もうちょっとだけ……と話を広げていくうちに終わらなくなってしまった、夢枕獏にとっては典型的なエンドレス・シリーズ。谷口ジローによるマンガ版『餓狼伝』(全1冊)と、板垣恵介によるマンガ版『餓狼伝』(既刊25冊)があり、板垣版は現在休載中です。主人公・丹波文七の少年時代を綴った『餓狼伝BOY』なんてのもありましたね。あと板垣版に出てくる黒尽くめの男・久我重明は原作に登場しません。というか久我さんは元々『獅子の門』という別シリーズのキャラです。『獅子の門』も『餓狼伝』と同じ時期に始まって未だに完結していないシリーズですが、作者によると次の巻で完結だとか。夢枕獏の「もう少しで完結する」発言は詐欺に近いものがあるので真剣に信用しているファンはあまりいない。『餓狼伝』の関連作である『東天の獅子』も、「前田光世を中心人物に据える」と言いながら師匠の嘉納治五郎がむしろ中心人物になってしまい、10年も連載した挙句前田光世がほとんど登場しなかったという体たらく。当方は比較的後から入った(『新・餓狼伝』の単行本が出たあたりでようやく読み始めてハマった)ファンで、既刊をまとめて読む喜びを存分に味わってから余勢を駆って続き追っているようなもんなんで、そこまで苦痛は覚えていませんけれど、リアルタイムで追っかけている人はホントすげぇよなぁ。これもキマイラ同様、きっと死ぬまで終わらないシリーズとなるでしょう。

『パパのいうことを聞きなさい!』大規模漫画プロジェクト7誌連載(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 大規模すぎてワケがわからない。パパいう、売れてるし人気もあることは確かだけど、ここまで大掛かりなメディアミックスに耐えられるのだろうか。と気にしていたところに新たなニュースが舞い込む。詳しくは↓

『迷い猫オーバーラン!』10巻以降毎巻絵師とキャラデザを変更!半分は大人の事情(萌えオタニュース速報)

 んでんでんでー、にゃーんで変わって変わってしまうのー。シリーズ途中での絵師変更はライトノベル界だとままあることながら、毎巻ごとに絵師とキャラデザが変わるなんて話は聞いた事ない。ブギーポップシリーズは緒方の絵柄が不安定なせいで「キャラデザ自体変わってね?」という奴が出てくるけど、これはもう炎上のレベルすら凌駕している。たとえリメイク作品であっても普通、キャラデザはそうそう変えません。迷い猫のアニメは一話ごとに監督が変わるローテーション形式を採用していたから、その流れもあるのだろうか。ってどんな流れだよ。10巻の担当はヤスで、11巻は氷川へきるらしいが、言われなきゃ迷い猫と分からないってか、言われてもなお分かりません。「大人の事情」と言うからには何かトラブルがあったのだろうが、醜悪祭騒動といい、SDは依然として魔窟な印象が漂うレーベルだ。なんかパパいうの方も心配になってきましたが、さてはて。

【コラム・ネタ・お知らせ】 あなたの家に"等身大"サブリナをお届け。もちろん宅配便で!(アキバBlog)

 なぜわざわざ「宅配便で」と断っているのかはリンク先にも書いてある通り、『ふぁみまっ!』のヒロインであるサブリナがダンボールに詰められて主人公の自宅へと宅配されるからなのですが、これにはもう少し前フリがありまして、小さい頃に「赤ちゃんはどこから来るの?」って質問をした主人公に対し両親が「神様が宅配便で送ってくるんだよ」と超テキトーな返答をしている。で、時を経て本当に妹を宅配便で届けやがった――という構造のネタになっているわけです。さておき、この『ふぁみまっ!』。ぶっちゃけ話は面白くないと申しますか後半のシリアス展開が邪魔っ気なんですが、ヒロインの可愛さに関しては光るものがあります。金髪ツインテールロリが好きな方はヒロイン以外何も見えないくらいの勢いで読めば楽しめること請け合い。そしてファミリーマートとのコラボはいつなんですか? ふぁみふぁみふぁみーまふぁみふぁみまー。失礼、ふぁみまみた。

『法石姫』GA文庫9月刊に大迫純一新刊(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 遺作か……GA公式や榊一郎の呟きを見ると切ない気持ちになる。大迫純一はやっぱりヒーローへの想いが強かったみたいですね。『ゾアハンター』で綴られた忘れ得ぬセリフ、「本当のヒーローになって」が今も胸の奥に谺します。

・拍手レス。

 >生物学的な父親でないことはわざわざ解説するまでもありません。  そんなことないですよ?大学生で中学生の実子が居る設定のラノベありましたから。
 あー、そんなのありましたねー。全然続刊出ないから忘れてました。


2011-08-01.

『ゆるゆり』の最新刊を買ったら帯に「全ページ描き下ろし」と記されていて目が点になった焼津です、こんばんは。

 3ヶ月連続刊行の締め括りに120ページくらいある単行本を丸々描き下ろすとか正気かよ……掲載誌が隔月刊行で、丸ごと描き下ろしでもしないかぎり3ヶ月連続刊行なんて真似はできないのだから、当然の帰結と言えなくもありませんが。それにしても今年だけで既に4冊出してるとか何なの。週刊マンガ並みじゃないですか。さすがにもうこれ以上年内の新刊はないですよね。と書いてて8巻が12月とかに来たら笑う。笑うしかないであろう。ちなみに最新刊の内容はあかり出づっぱりの回が良かった。あかりだと「出づっぱり」より「出ずっぱり」の方が言葉としては似合うが。

『境界線上のホライゾン』10月に4巻中巻発売(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 やはり中巻ですか。終わクロは3だけ上中下巻で、4から上下巻に戻りましたが、キャラが増えまくるホライゾンは1話3冊にしないと厳しいでしょうね。一方、『灼眼のシャナ』は22巻目(通算25冊目)で遂に完結。終わった後でまた番外編が出るかもしれませんが、とりあえず9年の歴史に幕を引くことになります。しかし、9年……もうそんなに経っていたとは。1巻が出た当時、こんなに長く続くとは予想だにしておりませんでした。確かシャナって作者の構想段階ではもっとヒロインの年齢が高め(マージョリー・ドーぐらい)で、編集者の助言を受けてロリに変更したとかいう話であり、もし変更していなかったら早めに打ち切られていたかもしれませんね。最近は刊行ペースが遅くなっていたせいで「シリーズが中断していた」みたいなイメージもありますけど、実はシャナって「新刊が出なかった年」というのはなかったりする。今年を例外にすれば、毎年最低2冊は出ていた。アニメ展開が止まっていたせいで目立たなくなっていたものの、原作自体は少し遅めのペースで刊行され続けていたわけです。話を戻してホライゾン、4の中巻が出る頃にちょうどアニメの放送も開始される。アニメの終了までには間に合わせたいだろうし、11月か、遅くとも12月には下巻が来るはずです。アニメは期待半分不安半分ですが、ダメならダメで原作に専念すればいいだけのこと。あまり気を揉まずに待つこととします。でもアサマチと喜美ねーちゃんの乳は揉みたいわー、全力で揉みたいわー。人狼女王はデカすぎて逆にパス。

松智洋『パパのいうことを聞きなさい』アニメ化決定! (萌えオタニュース速報)

 作者は迷い猫の人、と書けば通じるだろうか。今は迷い猫の発刊が止まっていて、こちらのシリーズに専念している。スーパーダッシュ文庫の稼ぎ頭ですから、アニメ化は避けられないだろうな、と思っていました。なんかネガティブな書き方をしてしまうのは、SD文庫原作のアニメは非常に高い確率で失敗するからです。成功例が思い浮かばない。『紅 kure-nai』は一定の評価を得ていますが、別物過ぎて原作ファンからは不評。『ベン・トー』あたりでこの流れを断ち切ってほしいものですが……パパいうの次はそろそろ『カンピオーネ!』がアニメ化枠に選ばれそう。話を戻してパパいう。主人公が「パパ」なのですが、現役大学生で、一番上の「娘」は中学生です。生物学的な父親でないことはわざわざ解説するまでもありません。姉夫婦が航空機事故で行方不明となり、残された娘たち三人姉妹を引き取ることになる、というのが物語の開始点になっています。微妙に『うさぎドロップ』と被る。姉の夫は再婚で、ふたりの娘を連れていた――って設定なので、主人公と血縁があるのは一番下の3歳児のみ。お約束のラブコメイベントを挟みつつ、姉妹全員の面倒を診れる立派な「パパ」になろう、と奮闘するアットホームなライトノベルです。昔やっていたドラマ『ひとつ屋根の下』を思い出したり思い出さなかったり。互いの「未熟さ」を認め合いながらちょっとずつ障害や苦難を乗り越えていく健気で逞しい様子を淡々と綴っており、派手に喧伝したくなる面白さはありませんが、密かに気に入っていて欠かさず新刊を購入しているシリーズであります。それだけにこの報せは正直複雑だ。差し当たって原作の刊行ペースが落ちないかどうかが心配。

サイトウケンジによるサイトウケンジの新ブランド『EX-ONE』OHP公開(ニロカン)

 そしていきなり新作情報を3本公開。とはいえ3本全部がサイトウケンジのシナリオというわけではありません。そんなことやったらケンジたん過労死しちゃう。あくまでサイトウケンジはブランドの代表としてメンバーを率いる役割のようで、シナリオを直接担当するのは『真夏の夜の雪物語』と『ファイナル恋愛ゲーム』だけです。『真夏の夜の雪物語』の方はサブライターとして深山ユーキが付く。『ファイナル恋愛ゲーム』はケンジ単独で、原画はライトノベルでもコンビを組んでる涼香。

 「で、サイトウケンジって誰?」という方のためにザックリと紹介いたしましょう。サイトウケンジは2005年のPS2ソフト『White Princess the second』でデビューしたシナリオライター。『White Princess the second』は『White Princess』というエロゲーの続編みたいなものですが、PS2なので当然18禁じゃありません(CEROは「12歳以上対象」)。エロゲーライターとして手掛けるシナリオは翌年の『青空の見える丘』が初となります。個性の立ったヒロイン、軽妙なコメディ描写と、萌えゲーに求められる要素をそれなりの域で備えていました。「期待の新人が現れた」と注目され、更に翌年の『あかね色に染まる坂』で一気に話題を集めます。後にPS2への移植およびアニメ化を果たした本作はfengの大々的な広報展開も相俟って並々ならぬ期待を寄せたユーザーも多かったのですが……いざ発売されたら賛否両論の結果に。主にストーリーが不評で、移植版ではシナリオを丸ごと書き直したほどです。「キャラと掛け合いはいいけど、話が……」といった評価に落ち着く傾向にある。あかね色〜以降はピンで担当したソフトはなく、代わりに複数ライター制エロゲーのシナリオをあちこちでこなしています。最近は「名前をよく見かけるけど、仕事が飛び飛びであまり記憶に残らないライター」、つまり業界の便利屋ポジションに収まりつつありました。合間にライトノベル(『101番目の百物語』)やマンガ原作(『トリニティセブン』)も手掛けており、筆の速さは確かみたいです。しかし、まさかブランドの代表になるとは。とりあえず『ファイナル恋愛ゲーム』に期待しておきます。

・今月の購入予定。

(本/小説)

 『本棚探偵の生還』/喜国雅彦(双葉社)
 『パワードスーツ』/遠藤武文(講談社)
 『藁にもすがる獣たち』/曽根圭介(講談社)
 『ドローンズ・クラブの英傑伝』/P・G・ウッドハウス(文藝春秋)
 『双帝興亡記』/花田一三六(ソフトバンククリエイティブ)
 『小説版 魔法少女まどか☆マギカ 初回限定版』/一肇(ニトロプラス)
 『魔法少女まどか☆マギカ 公式ガイドブック』(芳文社)
 『ドッペルゲンガーの恋人』/ 唐辺葉介(星海社)
 『光あれ』/馳星周(文藝春秋)
 『エージェント6(上・下)』/トム・ロブ・スミス(新潮社)

(本/漫画)

 『ディザインド(1)』/木葉功一(講談社)
 『中国嫁日記』/井上純一(エンターブレイン)
 『百合男子(1)』/倉田嘘(一迅社)
 『エクゾスカル零(1)』/山口貴由(秋田書店)
 『ひだまりスケッチ(6)』/蒼樹うめ(芳文社)
 『スーパーロボット大戦OGジ・インスペクター-Record ofATX(1)』/八房龍之助(アスキー・メディアワークス)
 『スカイブルー(3)』/小林大樹(スクウェア・エニックス)
 『アラクニド(4)』/村田真哉、いふじシンセン(スクウェア・エニックス)
 『プラナス・ガール(4)』/松本トモキ(スクウェア・エニックス)
 『MASTERキートン 完全版(1・2)』/浦沢直樹(小学館)

 文庫化情報。重松清の『季節風 秋』がようやく文庫化を果たし、これで“季節風”4部作が文庫本で揃います。“季節風”4部作はハードカバーだと春・夏・秋・冬で刊行されているのに、文庫だとなぜか冬・春・夏・秋の順なんですよね。理由はよく知りません。ほか、有川浩の『別冊 図書館戦争U』も文庫化、これで“図書館戦争”シリーズはすべて文庫本になります。それ以外で個人的に注目なのは山口雅也の『ミステリーズ』『マニアックス』に続くオムニバス形式の短編集『モンスターズ』、ジョナサン・フランゼンの全米図書賞受賞作『コレクションズ(上・下)』あたり。『コレクションズ』は9年も前に邦訳版が発売されており、「こんだけ音沙汰がないってことは文庫化しないのかな……」と思っていましたからまさかの朗報に喜びました。いっぺん図書館で借りたけど、期限内に読み切らなくて返しちゃったんですよね。また最初から読み直そう。

 夏の商戦に向け各社これでもかと勝負球を放ってきている今月、5冊じゃ全然枠が足りないから小説・漫画両方とも枠を10冊に拡大致しました。まずは『本棚探偵の生還』、『本棚探偵の冒険』『本棚探偵の回想』に続く“本棚探偵”シリーズの3冊目です。タイトルは無論シャーロック・ホームズのパロディ。『生還』は確か創元の訳ですね。新潮は『帰還』、早川は『復活』。古書マニアとして知られる著者の書痴な日々を綴ったエッセイ集ですが、「ブック○フとかの新古書店は嫌い」ということで、出てくる古本屋は神保町とかああいった系統です。万単位の散在は日常茶飯事であり、読んでいると金銭感覚がおかしくなってくること請け合い。エッセイといえども結構体当たりな企画を催したりもしますので、一向に飽きが来ません。けど、価格が高いのでいきなりこれから読み始めるのはハードルが高いと思います。文庫版が出ている『本棚探偵の冒険』や『本棚探偵の回想』を読んでみて、すんごく気に入ったのであればどうぞ。『パワードスーツ』はタイトルからしてSF小説かアクション小説かの二択だろう、と思いきや、なんとミステリです。作者は江戸川乱歩賞受賞者で、これが3冊目の著書に当たる。「ミステリでパワードスーツってマジかよ、買うしかねえ」とほとんど脊髄反射で購入確定となった次第。『藁にもすがる獣たち』の曽根圭介も乱歩賞作家。他に日本ホラー小説大賞や日本推理作家協会賞も受賞しています。でも3つも賞取っている割にいまいちマイナーですね、この人。さておき『藁にもすがる獣たち』は2年ぶりとなる新作で、今回のジャンルはノワールとのこと。ホラー小説大賞を取った「鼻」で露骨なエルロイ文体やってたから違和感ないな。曽根作品は未読、という方にはホラー文庫から出ている『鼻』あるいは『熱帯夜』をオススメします。あ、そうそう、乱歩賞といえば最新の受賞作も今月刊行です。『よろずのことに気をつけよ』と『完盗オンサイト』(応募時のタイトルは『クライミング ハイ』)。『ドローンズ・クラブの英傑伝』は『ドローンズ交遊帖』のタイトルで予告していた作品でしょうか。高価なハードカバーで刊行されることを覚悟していましたが、まさかのいきなり文庫本。お値段は1000円を切ります、安い! 高くても買うつもりですが、安いと他の人にもオススメしやすくていいですね。まあ普段海外小説を買わない人からすると1000円切る価格でも「高い」と感じるかもしれませんが……でも先月の『感謝だ、ジーヴス』なんて300ページで2100円(税込)ですよ。ページ単価7円。

 『双帝興亡記』は“戦塵外史”の6冊目にして完結編。遂にこのシリーズも終わりですか……復刊前はまだ“戦塵外史”という呼び名がなく、便宜上の名称として“士伝記”と呼ばれていたこのシリーズ、短編第1弾「八の弓、死鳥の矢」は著者のデビュー作でもあり、なんと雑誌掲載されたのが17年前です。“士伝記”シリーズは小型のハードカバーで出たり文庫書き下ろしで出たりソフトカバーで出たりアンソロジーに収録されたりと、バラバラすぎて一個一個探すのに苦労した記憶がある。2006年からGA文庫で“戦塵外史”としてまとめられるようになり、既刊が復刻され、単行本未収録作品が編纂され、書き下ろしも新たに発売されるという奇跡の数々に一ファンとして歓喜の絶頂を迎えました。でも正直あんまり売れていないそうで、著者曰く「ミニマム部数」だそうな。確かに今の売れ筋からは外れまくっているし、仕方ないっちゃ仕方ないでしょうが、こんなに面白くて売れないだなんて悲しい。書店で既刊を見掛けたら是非どうかまとめ買いしてみてください、お願いします。GA文庫は今月白鳥士郎の新刊も来ますね。タイトルは『のうりん』、その名の通り農林高校を舞台にした青春モノらしい。『銀の匙』みたいな感じだろうか。ライトノベルは先月発売予定だったけど今月に延期となった『魔弾の王と戦姫2』も要チェック。一方、田中ロミオの新刊『灼熱の小早川さん』は来月へ延期になったみたいです。『魔法少女まどか☆マギカ』の関連書籍は小説版と公式ガイドブックの2冊。小説版の初回限定版は上下2冊セットなのでお値段少し高めです。しかもISBNを取得していないので一般書店では取り扱いされておらず、amazon以外だと同人ショップの類でしか買えません。公式ガイドブックは一般書店でも取り扱っています。小説版はニトロプラス、公式ガイドブックは芳文社が担当なのでこういったチグハグな事態に。芳文社KR文庫を4年ぶりに復活させてもよかったような気がしますけど、いろいろ事情があったんでしょう、きっと。『ドッペルゲンガーの恋人』は唐辺葉介の復帰作。前作『暗い部屋』がスクエニの倫理規定に抵触して突然発売中止となり、同人ノベルとしてなんとか世に出る運びとなった唐辺葉介、「まさかこのまま小説界からフェードアウトするのでは」と懸念されましたが、その心配も杞憂に終わったようだ。今回は死んだ恋人の記憶をクローン人間に植え付ける、という如何にも唐辺らしい薄暗い設定のストーリーで、無期限で全文ネット公開される予定ですから気になる人はタイトルでぐぐってみるといいかも。『光あれ』は「原発に支えられている、未来を描けない地方都市で生まれ育った男」が主人公だそうで、またえらくタイムリーな作品になってしまったな……内容はたぶん「いつもの馳」で括れると思います。『エージェント6(上・下)』は待ってましたのトム・ロブ・スミス。シリーズ3作目です。前作は "The Secret Speech" という原題を『グラーグ57』と、無理矢理『チャイルド44』に合わせるタイトルに変更していたため、「また今度もか」と呆れかけましたが調べてみると原題も "Agent 6" でした。すまぬ……勘違いしそうになってすまぬ。関係ないけどメル・ギブソン主演のサスペンス映画 "Edge of Darkness" を『復讐捜査線』という邦題にするのはあんまりだと思います。

 『ディザインド』はキバコーの新刊。『セツ』の姉妹編というか、むしろ『セツ』が『ディザインド』のスピンオフだったりします。単行本化が遅れたせいで前後してしまった模様。木葉功一は絵は非常に特徴的と申しますかすごく荒削りに見えますけれど、一度読むと意外なほどハマります。1巻の売れ行きが悪かったせいでISBN取得済だった2巻の発売がキャンセルされるなど、不遇な逸話のある漫画家ですが今度こそ円満完結してほしい。『中国嫁日記』はネットで話題になったWEBコミックの書籍化。作者名は本来「井上純弌」なんですが、頻繁に「純弐」と間違われるため、これに関する商品のみ「純一」表記に改めるとのこと。『エクゾスカル零』は山口貴由の新作。『覚悟のススメ』と関係しているらしいがよく分からない。つか『シグルイ』はどうなってるんだ。再開しないのか? なんだか知らんがとにかくよし。『ひだまりスケッチ』は『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラ原案として有名になった蒼樹うめの「本業」です。そろそろアニメの新シリーズも開始するんじゃないかとの噂。メチャクチャ面白い、という感じの作品ではないものの、なんか繰り返し読み直してしまう不思議な魅力があります。個人的にさほど思い入れがないため、棚整理のたびに「そろそろ処分しようかな」と検討するのですが、パラパラめくって中身を読んでるうちに「んー、いいや、また次回考えよう」とつい保留しちゃう。そんな調子でかれこれ5年。自分はひだまりが好きだ、といい加減に認めた方がいいんだろうか。『スーパーロボット大戦OGジ・インスペクター-Record ofATX』は『スーパーロボット大戦OGディバイン・ウォーズ-Record of ATX』の続編。タイトル長すぎるせいで違いがわかりにくい……『ディバイン・ウォーズ-Record of ATX』は『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION』というゲームソフトをベースにしたアニメ『スーパーロボット大戦OG-ディバイン・ウォーズ-』のサイドストーリーで、『ジ・インスペクター-Record ofATX』は『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』をベースにしたアニメ『スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター-』のコミカライズです。『ジ・インスペクター』のアニメ企画には八房龍之助も関与しているし、『ディバイン・ウォーズ-Record of ATX』よりも更に公式に近い内容となっている……はず。ゲーム版もアニメ版も知らず、Wikipediaから引き写しにしているだけなので詳しいことは分かりません。とりあえず、原作知らなくても八房ファンなら楽しめる仕上がりとなっているでしょう。相変わらず描き込みと書き込みが細かいし。欲を言えばもう一回り大きいサイズで刊行してほしかった。

 『スカイブルー』は新人の初連載作品ながら話題になっている異能バトルコミック。まだまだ荒削りですが、独特のセンスを有しており、大きな可能性を秘めています。ポストハガレン……は無理でも、ハガレン景気が終わりかけていて苦しんでいるガンガンを支える一翼になってくれるかも。『アラクニド』も異能バトルコミック。蜘蛛やゴキブリなど、虫に見立てられた殺し屋たちが凄惨な殺し合いを繰り広げる。1巻の時点では「そんなに際立って面白くないな」という感じでしたが、画力の成長著しく、2巻、3巻と新刊が出るたびにメキメキ面白くなっていきます。主人公もイイ味出しているが何よりゴキブリちゃんが可愛い。だんだんヤムチャ化しているっつーか、実は登場したときからそんなに強くなかった子ですけど、可愛いから問題ない。「ヘボいヤンデレ」って割とツボかもしれない。『プラナス・ガール』は今流行りの「男の娘」をヒロイン(?)に据えた学園コメディ。最近とらのあなで「この子可愛いな」と思ってクリックしたエロ同人のサンプルにチ○コ生えてた、という悲劇が頻発しているため、だんだんジャンルとしての「男の娘」に拒否反応が出てきました。女装少年は大好物だけど、チ○コはそんなに軽々しく見たくない。秘めてこそ花。いや、根にして茎、か? 男根にして陰茎。脱線がひどくなってきたので戻しますが、『プラナス・ガール』は少女のような外見をしながら「自分は男」と言い張る藍川絆が主人公に対して思わせぶりな行動を取り、主人公が「本当にこいつは男なのか?」と疑いながらドキッとする、要約すればそれだけの話です。なぜ藍川絆が女装して学校に通っているのか明確な説明はなく、今後掘り下げられる気配もありませんけれど、あくまでこれは「雰囲気を楽しむマンガ」だと割り切って読むが吉です。『MASTERキートン 完全版』、権利の関係で揉めて絶版になっていた人気シリーズ待望の復刊です。興味がなかった頃は古本屋で山積みになっている様子をよく見かけていたのに、いざ読みたくなったときにはすっかり姿を消していたのだから皮肉なものだ。とにかくこれでやっと読めます。オークション等で買わずに待っていてよかった。

(ゲーム)

 『彼岸花の咲く夜に 第一夜』(07th Expansion)
 『WORLD END ECONOMiCA Episode.1』(Spicy Tails)

 両方とも同人ソフト。商業は特に注目作なし。『彼岸花の咲く夜に』は『Rewrite』でもライターを務めた竜騎士07の新作。『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』のような大長編と違って今回は短編路線らしく、この『第一夜』に数話分のエピソードを詰め込んでいる模様です。テーマは「学校の怪談」。ナンバリングしている以上続けるつもりなのでしょうが、何夜までやるのか今のところ判然としない。同じタイトルのマンガ原作もやってますが、何でもあちらとは別視点だとか。マンガの方は読んでなかったからちょうどいい。『WORLD END ECONOMiCA』は『狼と香辛料』の作者・支倉凍砂が参加しています。3部作の予定だそうですから、Episode.3までやるんでしょうね。同人ゲームで「○部作」とかやると、実績がないところは挫折しちゃう恐れもあり、少々不安ですが……とりあえずEpisode.1だけでもやってみます。そして今月は欲しいBD-BOXが多すぎて青息吐息。ノエイン、巌窟王、妄想代理人、SP……これに加えてまどマギ、あの花、T&Bのマラソンもありますし、『マルドゥック・スクランブル 圧縮』や『牙狼 〜RED REQUIEM〜』、『るろうに剣心 追憶編』、SPの『革命前日』と『革命篇』も含めたら到底資金が回りそうにない。BOXはどれか一個に絞って、BOX以外もいくつか後回しにするつもり。どこも夏の商戦に懸けすぎだろ……。

・拍手レス

 4クールTVアニメ『装甲悪鬼村正』、放送したTV局からも苦情きそうだw。 後デモンベインは許されないな、九郎が車持ってるとかどんな判断だ。
 >九郎が車持ってる マジですか? 車に乗って帰るアンデルセン神父並みに許しがたい。


>>back