2011年3月分


・本
 『妖狐×僕SS(4)』/藤原ここあ(スクウェア・エニックス)
 『0能者ミナト』/葉山透(アスキー・メディアワークス)

・アニメ
 『魔法少女まどか☆マギカ』第8話「あたしって、ほんとバカ」
 『魔法少女まどか☆マギカ』第9話「そんなの、あたしが許さない」
 『魔法少女まどか☆マギカ』第10話「もう誰にも頼らない」


2011-03-27.

講談社ノベルス5月の予定に麻耶雄嵩の新刊を発見し、咄嗟に小躍りした焼津です、こんばんは。

 タイトルは『メルカトルかく語りき』、書き下ろしです。久々にメルカトル鮎のお出ましですか。胸が期待で破裂しそう。設定上の推理力があまりにも高いせいで自ら「長編には向かない」と豪語してしまうほどの銘探偵、その外道な活躍を心待ちにしています。「メルカトル鮎って誰?」な未読者には『メルカトルと美袋のための殺人』をオススメしたい。あそこまで正義感がないと逆に清々しい。

『俺たちに翼は無い R』にてとうとうコーダインも攻略可に まあエロはねぇけどな!(ニロカン)

 俺翼本編の一般向け(と言ってもR指定)リニューアルです。要するにエロシーンを削除して香田亜衣の攻略ルートと新キャラ・中田可菜のシナリオを追加する模様。発売予定日は5月27日。小賢しいなさすがNavelなにもかもこざかしい。18禁じゃなくなるなら店長こと軽部狩男のアブないセリフもいろいろ削除されるのかしら。少なくとも「移植前提でポルノが作れるかッ!」は消えそうですね。原画が西又だから俺翼にエロはあんまり期待していないんだけども、王雀孫の濡れ場テキストとか、てんこ盛りになってる下ネタとかが好きなだけに「一般向けリニューアル」は少々テンションが下がる。プレリュード、ドラマCD1期、本編、PVB、ドラマCD2期、アフつばと貢いできた当方もそろそろ限界を悟り始めました。買うのはもうこれが最後だよ……という気分でお財布から諭吉様を出す。

R・A・サルバトーレの“ダークエルフ物語”最新刊『夜明けへの道』発売

 D&Dのフォーゴトン・レルムという世界観を下敷きにしたファンタジー小説“ダークエルフ物語”の第3弾「ドロウの遺産」4部作の最終巻に当たる本です。第1弾である「ダークエルフ物語」3部作は現在絶版で入手困難、第2弾「アイスウィンド・サーガ」3部作は第1部に相当する本が現在絶版で入手困難と、非常に新規読者が参加し辛い状態となっていますが、ひょっとすれば図書館に置いてあるかもしれませんので、そちらから入るという手もあります。サルバトーレの“ダークエルフ物語”はかなり壮大なシリーズであり、翻訳されている巻よりも翻訳されていない巻の方が多いくらいで、姉妹編の「クレリック・サーガ」に至っては途中で打ち切られている(5部作なのに、第2部発売から3年以上経つ今も刊行がストップしたまま)ほどですが、辛うじて続いてくれていることを感謝し寿ぎたい。

『戦争と文学』に載るのは『おれはミサイル』(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 書き下ろしじゃなくておれミサか……やっぱりそんなこったろうと思ってた。既に『ゼロ年代SF傑作選』というアンソロジーにも収録されているし、秋山瑞人目当てで買う必要はなさそうだ。

『魔法少女まどか☆マギカ』4月中を目途に最終話までをお届けできるように調整を進めてまいります!(萌えオタニュース速報)

 今後の放送も配信も当面休止というニュースでガッカリしかけたものの、「4月中を目処に」という報せであっさり落胆から解放された。まだ確定じゃありませんから糠喜びに堕す可能性もありますが、希望を持つことは悪くないはずだ。本編放映の目処が立たないとコミカライズの方とかも発売未定の状態に据え置きとなってしまいますし、関係者の方々が全力で頑張ってくれるでしょう。未知の結末を見るため怒りの日(2007年12月21日)からファーブラ(2009年12月25日)まで2年も待った身ゆえ、月単位の待機なら余裕余裕。DVD/BDも、延期したとはいえとりあえず発売されるみたいなので安心した。延期と言えば飛浩隆の“廃園の天使”第2部『空の園丁』はいつになったら出ることやら。『末期、少女病』も制作再開の噂が流れたっきりで今どうなってるのかよく分からない……そしてcuffsの『Garden』に動きなんて、あるわけない。

ASa Project、新作『恋愛0キロメートル』の情報公開スタート

 ビジュアルが出たくらいで詳しい情報はまだ載ってませんね。今回はヒロインたちのおっぱいがおっきめというか、やたらと乳を強調する制服になってんな……どんな構造になっているのか疑問が湧くけどエロいから不問としたい。エロくない合理よりもエロい不合理を取る、それがエロゲーマーの志。まだ期待を寄せる段階じゃないだろうけど、とにかく詳報を楽しみにしています。

・拍手レス。

 まどか☆マギカですが、地上波での放送休止を受けて、ニコニコでも配信を当面休止するとのことです。おそらく地震の影響でシャフトのスタジオが悲惨なことになったか、TBSとMBSが被災地と被災者のことを考慮したのだろうと思います。前者なら「まぁ、しょうがないよなぁ」と感じるのですが、後者だと「でも夕方五時から放送されているアニメは普通に放送再開されてるよなぁ、どうにも腑に落ちない・・・」と思ってしまいます。当面配信が休止になるのは覚悟していたので受け入れるので、早く配信が再開してもらいたいですね。
 シャフトは地震で本社の支柱にヒビが入ったと聞きますし、制作中止もありえるかな……と危惧していただけに「4月中の放映を目処に調整中」と知らされてホッとしました。シャフトも4月からの新アニメを抱えてますし、なるべく早めにケリつけたいでしょうね。

 「クラスのみんなにはナイショだよっ」はロリコン属性のない(ハズ)の私もキュンときました。
 あのセリフで初めてまどかに主人公らしさを感じました。

 それにしても、やや気になった点はあるにせよ過去ループの顛末をあれだけ1話に詰め込んで無理を感じさせないのは見事というほかないですね。この前「アンストッパブル」のデンゼル・ワシントン繋がりで観た「デジャ・ヴ」は過去ループを端折ったのか、全然スッキリしない幕引きでした。
 一周目や二周目で姿のなかったさやかがなぜ三周目で参戦しているのか、とかは少し引っ掛かる。が、破綻というほどでもなく、却って想像と妄想を掻き立てる効果があります。内容自体はさほど目新しくないにも関わらず、あまりにも見事な凝縮ぶりであり、舌を巻くより他ない。

 もしかしたら、魔法少女の身体は老化(成長?)を抑えることが可能なのかもしれませんね
 成長と言えば、OPに出てくる「少し成長したもう一人のまどか」が意味深で気になりますね。


2011-03-22.

・連日連夜放送されるニュースを眺め続けた結果、相当気持ちが沈んで食欲もなくなりましたが、寝る前に『けいおん!』のBDを1巻ずつ観る習慣をつけたおかげでどうにか精神が安定して浮上に成功した焼津です、こんばんは。

 改まって書くことでもないが、ホントにBDは映像が綺麗で音もクリアだわ……本を読んでいても一向に集中できなくて苦しかった分、ジョーク抜きで『けいおん!』には救われました。ストーリー性薄いし、4コマ漫画が元なのでネタに細切れ感が漂うし、普段ならそんなに没入するタイプの作品ではないんですけれど、頭がまともに働かない状態で観ると丁度良い具合に忘我できる。終わった頃には失われた思考力も少しばかり取り戻せました。まさにアニメノチカラを実感した次第。なんとか本も読めるようになってきたし、ペース遅くともチマチマ更新していこうと思います。

サイバーパンク武侠片『鬼哭街』再び! フルボイス&一般対象版2011年5月27日(金)発売予定!!

 まだ仮称の段階ですが、タイトルは『鬼哭街 -涙尽鈴音響-』となりそうな気配。18禁シーンを削除して一般向けに仕立て直し、ボイスレスだったのをフルボイスにして、CGも原画修正や塗り直し・解像度拡張を施し、横書きだったテキストが縦書きになって、更に新規イメージソングも追加されるとのこと。まどか☆マギカFate/Zero、ふたつのアニメが放映される効果により虚淵玄の名前がブランド化することを見越してのリメイクでしょうか。『沙耶の唄』みたく廉価版を出すのかな、と思っていただけに少し意外な成り行きです。『鬼哭街』は既に2枚組のドラマCDが発売されていることもあり、そんなに新味がないと申しますか、むしろ『吸血殲鬼ヴェドゴニア』を「近づいてサド侯爵の愉悦で強打すればいい」なゲーム要素廃止・戦闘シーン書き足し・フルボイスでリメイクしてほしかった。が、『鬼哭街』は大好きなので無論出たら買います。ちなみにドラマCDと今回のリメイクではキャストが一部変更になっていますけど、これはまぁ仕方ないですね。青野武は去年入院して療養中、鈴置洋孝は言うまでもなく既に故人……ドラマCDから数えても7年経ってるんですから、時の流れはマジで早い。

『魔法少女かずみ☆マギカ(1)』は5月12日発売予定

 『魔法少女まどか☆マギカ』の外伝として連載されている作品です。コミカライズの『魔法少女まどか☆マギカ(3)』と番外編の『魔法少女おりこ☆マギカ(1)』が本編放映の遅れから延期して現在発売日未定となっていることもあり、場合によっては3冊同時刊行になるやもしれませんね。なんとか本編を完結してもらって、芳文社からはアンソロジーコミックをドシドシ出してほしいものだ。

「スクライド10周年プロジェクト」始動! TVシリーズを再構成したスペシャルエディション制作決定(萌えオタニュース速報)

 『スクライド』とはなっつかすぃ。端的に説明すると能力バトルものです。「うおおおお!」と叫びながら殴り掛かってボカーンと爆発するイメージでだいたい合ってる。『NEEDLESS』から萌え要素をあらかた排除した感じと申しますか、男同士の意地のぶつかり合いをメインとしています。主人公は基本的に力いっぱいブン殴るだけなんですけれど、良い意味で野蛮なおかげか熱中できました。つか、ああいう部分強化装甲って個人的に好きなんですよ、ナインハルト・ズィーガーとか。当時でさえ希少だった熱血路線、もはや今となっては絶滅危惧種ですね。漫画版を先に読んだせいで「全然ストーリー違うじゃねぇか!」と驚いたものだけど、そうか、あれからもう10年ですか。ちょうど観返したい気分になっていて、「でも全話観直すのはさすがに疲れるし時間も取れそうにないな」と思っていただけに渡りに舟だ。作品としてはメインスタッフが概ね共通している『無限のリヴァイアス』(一言に要約すると「宇宙漂流教室」)の方が印象的であるものの、あれってかなり暗い話だったし、正直観返したくない……でもヴァイタル・ガーダー周りはちょっと観たいかも。月野定規も『♭37℃』でネタにしてましたっけ。

『魔法少女まどか☆マギカ』第10話「もう誰にも頼らない」視聴。(ネタバレに対する配慮なし、観てない人は注意)

 震災の影響から関西以外の局では放映されず、そのためかニコニコ動画における再生数がたった3日ほどで50万に達し、現時点で65万再生をも超えた異例の最新話です。「1週間無料配信」という制約を外して1ヶ月くらい無料配信を続けた第1話が現時点で36万再生に留まっていることを考えると、異例っつーか異常ですね。謎に包まれていた転校生・暁美ほむらが普通の少女から魔法少女になるまでの経緯と、まどかを執拗に守ろうとする理由がここに詰め込まれている。孤独な奮闘、その顛末を24分程度の尺に凝縮してみせる手腕は「すごい」としか言いようがない。あまりにも密度が濃すぎてダイジェスト気味に見えてしまうことが難点ながら、ここに至るまでの9話で各魔法少女の個性が確立されているおかげで、描かれていない箇所、端折られた部分をあっさり脳内補完できてしまう。観れば観るほど、想像が強化されていく。「繰り返し視聴しても飽きない」というまどマギの性質がいよいよ頂点へ達した感があります。

 ほむらが「違う時間軸の人間」であることは既にキュゥべえが第8話の時点で指摘していたし、そもそも第1話で「転校してきたばかりなのに、なぜか保健室の場所を知っている」という奇妙な振る舞いを見せていたあたりで「こいつループしてんじゃね?」って疑惑は抱かれていました。だから、第10話はほむらの戦歴、彼女がこれまで渡り歩いた「別ルート」の記録、絶えず敗北し続けてきた苦い記憶を再現するであろうことは事前から予測されていた。「たった1話で全部描き切れるのか?」という不安も同時にあった。しかし、その不安は杞憂となります。本当にたった1話で必要なことは全部描かれてしまいました。初周、厳密にはまだループを開始してないのだから「ほむらゼロ」と呼ぶべき段階において、暁美ほむらはまだ魔法少女になっていません。病弱で気弱な俯きがちのツイン三つ編み眼鏡っ子という、一瞬「あれっ、新キャラ?」と目を疑うような姿でお出ましになる。そして彼女を保健室に案内するまどかはやたらと快活で、一瞬「あれっ、声優代わった?」と耳を疑うくらい自信に満ち溢れたトークを繰り出す。これまでのまどかとほむら、両者の立ち位置がそっくり入れ替わった異風景を前にして、騙し絵を見るような感覚に陥った視聴者は当方だけでないはずだ。というか眼鏡っ子でヴェドゴニアの弥沙子思い出したわ。大人しそうに見えて実はヘビメタ聴きながらオナニーする癖があるという、いかにも虚淵キャラな子だったな。ほむほむならヘビメタがなくてもまどかの「クラスのみんなにはナイショだよ!」ってセリフだけで相当イケると思う。「魔法少女というよりLOとかの漫画に出てくるロリコンが言いそうなセリフだな」と感じた当方のソウルジェムは限りなく漆黒に近いブルー。当方って、ほんとスケベ。

 めそめそと泣いてばかりいる仔猫ちゃんだったまどかが絶望的な状況で一歩も引かない気高さを見せるのも10話の見所。出てきて早々に死亡退場したマミさんの遺体を尻目にワルプルギスの夜へ単騎特攻するシーンは普通ならクライマックスですよね。エアロスミスの「I Don't Want To Miss A Thing」とか鳴ってそうな雰囲気ですよね。『ゼロの使い魔』で言うなら7巻ラストあたりのヒロイックな盛り上がり。しかし、ワル夜の詳細は11話以降で描こうという狙いがあるためか、直接的な戦闘シーンは描かれず、仰向けに倒れたまどかに取り縋って泣くほむらのシーンへいきなり移ります。掌がからっぽ、制服に戻っているところからしてソウルジェムを砕かれて死亡した模様。ワル夜とは相打ちになったのかどうかは不明です。自分自身は魔法少女となることがなく、ただの一般人としてまどかに守られていたほむらは、「自分がまどかを守る側になりたい」と願ってQBと契約。エントロピーを超越し、過去に遡行する力を得ます。QBの野郎、マミもまどかも魔女堕ちしないで死んでしまったからエネルギー獲得のノルマが達成できそうになくて焦っていたんだろうな……「エントロピーを超越した」というQBのセリフにどんな意図が篭もっているのか不明確だが、単に虚淵がBLASSREITERネタ(「俺はお前の力を凌駕した」)を使いたかっただけかもしれない。このシーン観てて思ったが、QBから契約を持ちかけられる相手って要するに「現状に満たされていないものを感じる少女」なんじゃなかろうか。「満たされぬ者だけが煌きを見る」というのが当方の好きな言葉なんですけれど、たとえば仁美は現状満たされまくってますから契約持ちかけられても乗らないだろうし、乗ったところで大した煌きは見出せそうにない。「やることなすこと裏目に出る」「幼馴染みからの扱いひどい」と定評のあるさやかも、その幸薄さ、満たされなさゆえに利用された節があります。「後悔なんて、あるわけない」が彼女の見出した煌きで、ただそれを見失っただけなんでしょう。そんな彼女と言葉を交わし、見失いかけていた煌きをふたたび見出して、それに殉じた杏子は皮肉なのか救われているのか。

 二周目、厳密にはループ一回目だから「ほむらワン」と呼ぶべき段階、転入した時点で既に魔法少女の力を獲得している(ということは、記憶のみならず身体的な変化も受け継がれているのだろうか?)ほむらは自己紹介の時間が終わるのも待てずにまどかへ駆け寄ります。ここが微妙に犬っぽくて可愛い。前の世界で「クラスのみんなにはナイショだよ!」と言われていたにも関わらず、衆人環視の状況で恥ずかしげもなく「魔法少女」と口走ってしまうほむらにさすがのまどかも赤面。ほむまど始まったな、と確信しました。魔法少女になってもキビキビした動きができず、もたもたと走るほむらが可愛くて仕方ない。マミ、まどかに加えほむらという戦力を得たおかげか、この回では無事ワル夜を撃退できたみたいですけれど、まどかのソウルジェムが濁り切ってしまい魔女化。ソウルジェムとグリーフシードが本質的に同じものであることを悟ったほむらは「みんなキュゥべえに騙されている!」と事態を看破。三周目、「ほむらツー」の段階に移っていよいよQBの反撃が始まるかと思いきや、さやかもマミも信じてくれず、説得は不首尾に終わる。ほむら……人徳のない子っ。ヤクザの事務所で銃火器と弾薬をギってきたり、突然さやかが魔女になっていたり(しかも「ちょっと勘弁してほしいんだよね」と言っていた「いきなり目の前で爆発」により滅殺)とギャグすれすれの展開が続いた末、「ソウルジェムが魔女を生むなら、みんな死ぬしかないじゃない!」とマミさんご乱心。虚を衝いてほむらを拘束(時間停止を無効化するためと思われる)しつつ真っ先に杏子を屠るっつー、乱心している割に案外合理的な行動を取っているところが怖い。3話において「ひとりぼっちで泣いてばかり」と語っていただけにあんまりメンタル強くなさそうと思っていたが、よもやここまでとは。まどかがマミのソウルジェムを砕くことでほむらは助かりますが、魔女化した親友が滅された直後に息つく暇もなく「憧れの先輩」を自らの手によりSATSUGAIせざるをえなかったショックでまどかのメンタルも顔面もボロボロ。そんな精神状態で、しかも「ほむらワン」のときにはいたであろうマミを失ったままワル夜との決戦に踏み切ることとなり、ふたりは前回以上に苦戦した様子です。まどかどころかほむらのソウルジェムまで濁り切った有様となってしまいます。ふたりの曲げた腕がX字に交錯している構図は百合っぽくてええね。すっかり諦めきって「このまま魔女になってふたりで世界を滅ぼそう」と誘いかけるほむらのソウルジェムに、まどかは隠し持っていたグリーフシード(分析によるとさやかのGS、つまり形見として保管していた可能性が高いとのこと)を押し付けて浄化し、「キュゥべえに騙される前の、バカなわたしを助けてあげてくれないかな?」と懇願する。「助けて」ではなく「助けてあげて」となっているところからして、ほむらに救えるのは「今の自分」ではなく「過去の自分」であり、まどかにとってその自分は他人に等しい――と充分自覚した上で言っているようだ。むしろ、まどかが本当に救いたいのは「他人に等しい自分」ではなく、ほむらの方ではなかろうか。「過去のまどか」を救うことに生き甲斐を見出して、彼女に幸せな未来を歩んでほしいのだと。にしても、ほむらがまどかを介錯するシーンの演技は両者とも迫真ってか鬼気迫ってますね。ほむらの言葉にならない絶叫はかなり胸に響く。エロゲーといいアニメといい、声優の演技力はどんどん凄まじいことになっていくな、と実感しました。

 そして段階は「ほむらスリー」へ至り、ここに来て「もたもた走る気弱な眼鏡っ子」は跡形もなく消え失せる。編んでいた髪をほどいてストレートロングにし、マジカルレーシックで視力を矯正。カレンダーによると16日がほむらの退院日で25日が登校日、まどかは25日の一週間前(18日前後?)に契約したのだから、登校日を待たずに直行すれば彼女の魔法少女化を妨害することはできるわけだ。どこかの基地からギってきたミニミをブッ放す冷血・冷徹・鉄面皮の孤高戦士と成り果てるほむら。正直、「これ魔法少女か?」という疑問は拭い去れません。ギャグでもないのに軽機関銃で敵を斃す魔法少女なんて……ここから彼女の転戦がどれだけ続いたかは定かじゃなく、第1話アバンと酷似したシーン(少し違う部分があるので、まったくの使い回しではない)を挟みつつ終了しますが、本編、つまりこれまで放映されてきた1〜9話が「ほむらフォー」に当たるかどうかハッキリしない。「ワル夜と遭遇するのは最低でも5回目」ってところまでですね、言い切れるのは。「主人公の死」によってループが発動する『All You Need Is Kill』などとは違い、恐らくこちらは「暁美ほむらが死ぬばループ終了」となるはずで、ソウルジェムが限度を超えて濁らないかぎりは遡行可能みたいだから、仮に100回ループしてるとしたらそれだけ即死と「魔法の使いすぎで遡行できない」って局面を回避し続けてきたことになる。一見チートな能力のようでいて結構タイトな条件だ。登場してしばらくは「何を考えているか分からない、得体の知れない子」だったほむらの内面がこれでもか、これでもかとばかりに晒されてしまう第10話。ほんの20分少々の内容でほむほむの魅力にすっかりヤラレてしまった人も少なくないでしょう。当方はもともとほむほむ派でしたが、余計に好きになりました。眼鏡っ子時代もデラ可愛い。何より最後にOPを流す演出が心憎い。魔法少女5人が集結した絵には感涙。まだ2話残っている状態で最終回並みの盛り上がりを示しているなんてヤバい。残り2話の地上波での放映は難しそうですが、ニコニコ動画で配信される可能性もあるみたいなので続報を心待ちにしています。


2011-03-15.

『さやかの唄』という表記で『沙耶の唄』よりも『さくらの唄』を連想した焼津です、こんばんは。

 ヤンマガだったのに最終巻だけ成年コミック指定されたという曰くつきの青春漫画。個人的には絵も話も好みじゃなかったが、それでも強く記憶に焼きついているのだから並みの作品ではないと思う。それはそれとしてまどかのコミカライズ、地方なので入荷がだいぶ遅れたらしく先週やっと1巻が市内の書店に並びました。ほんの数冊程度で、あまり目立たないところに積まれていたこともあり、「さすがにこのへんまではマギカ旋風も及んでないか」と感じましたが、数日経って覗いたらそこのスペースだけカラッポになっていてビックリ。ちょっと脅威を覚えた。放映開始前はこんな評判だったのに……。

『E.G.コンバット』虚淵玄がマダ-?してるの発覚(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 ニトロのライターっつったら、奈良原は知らないけど鋼屋ジンも瑞っ子兼フルハシストでしたね。『ブラックロッド』に強い影響を受けたことは何度も語っていますし、「海が、」のパロディで「地面が、」ってネタやってましたし。しかし、『猫の地球儀』に「焔(ほむら)」と「円(まどか)」が揃っていたことはすっかり忘れていた。そろそろまた読み直す頃合かな……。

パラマウント、「男たちの挽歌」をBlu-ray BOX化(AV Watch)

 単品BDやDVD版もあわせて再発売される模様です。『男たちの挽歌』は言わずと知れた香港映画の傑作ですけれど、どういう事情があったのか、DVDが再発売されないせいで長らく品切状態に陥っていたんですよね。リメイクである『男たちの挽歌 A BETTER TOMORROW』の日本公開が再発売のきっかけとなったでしょうか? なんであれ当方は昔ビデオで一度観たきりなのでずっと待ち焦がれていましたよ、このニュース。ブルーレイBOXに収録されるのは『男たちの挽歌』『男たちの挽歌U』『男たちの挽歌V アゲイン/明日への誓い』の正式シリーズ3作のみで、関連作(というか本当は関係なくて日本の配給側が勝手に『男たちの挽歌』と名付けただけ)である『狼/男たちの挽歌・最終章』は別売り、また『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』は今回再発売されません。各巻のパッケージデザインが非常にダサいこと、すべて広東語に日本語の字幕が付くだけで吹替なしとなっている仕様が難点ながら、字幕派の当方は迷わず買います。しかし、当方がamazonでBD-BOXのページを開いたとき「この商品を見た後に買っているのは?」の欄に「44%のカスタマーが魔法少女まどか☆マギカ 5(完全生産限定版)(Blu-ray Disc)を購入しています」と表示されて驚いた。「あらかじめ銃を設置して撃ち尽くしたら捨てる」アクションは確かに共通しているかもしれない。

アニメ『魔法少女まどかマギカ』BD1〜5巻がアマゾンランキング1〜5位を独占中(カオスな情報置場)

 毎時更新のランキングだからあまりアテにならない、という話も聞きますけど、それにしたってすごい光景だ……虚淵脚本は見事なまでの通常運転だし、他のスタッフや声優の頑張りも凄いおかげでメチャ面白くなってますけれど、正直に申して「こんな暗いアニメはヒットしないだろうな」と予想していたので意外すぎる。オリジナルアニメはまだまだやれるんですね。

【私の流儀】止まらない「どげせん」人気 この先どんな展開になるのか…(ZAKZAK)

 35万部以上の出版!? 読みましたけど、あれそんなに人気あったのですか……あらゆる問題を土下座で解決する先生なので『どげせん』――という『ごくせん』のタイトルパロみたいな漫画で、板垣恵介が企画した作品ですから、だいたいのノリは読む前から想像つきます。大ゴマ連発、変な会話と変な思考と変なナレーションの嵐。理屈や薀蓄よりもノリを重視しており、「頭で理解するな、ハートでわかれ」と言わんばかりの展開が最後まで続く。主人公が切羽詰った状況で頭を地面に擦り付けるわけじゃなく、横から首を突っ込むような話が多いので、土下座モノとしては半端マニアソフト『男土下座地獄』の方が好きですけれど、「板垣っぽい絵柄のギャグ漫画を読みたい」という人には推しといてもいいかもしれない。今後はトリプルアクセル土下座とかも炸裂するのだろうか。

お前らが今まででいちばん好きなアニメってなんだよ(カゼタカ2ブログch)

 やはり『ドラえもん』です。漫画好きになった直接のきっかけだし、アニメの中では一番影響を受けた。ドラを別格として扱うなら『AKIRA』かな。小学校高学年の頃に観て激しいショックを受けました。あれでだいぶ嗜好が変わった気がします。ハマり具合でなら『AKIRA』をも凌駕する勢いだったEVAは、TV版のラスト2話と旧劇場版に失望したため「いちばん好き」とは言いがたい。CCさくらは長すぎて途中でダレてしまった。全部で70話くらいありましたからね、あれ。ちょうどいい長さでまとまっていた『serial experiments lain』の方が個人的な思い入れは深い。大学を卒業してからはほとんどアニメを観なくなったせいでここ数年の作品については疎いのですが、あえて「ここ数年」縛りで語るなら『涼宮ハルヒの消失』。160分超というアニメ映画としては異例のボリュームを誇りながら、少しも弛んだところがなくて引き込まれた。次点で『時をかける少女』。EVAの新劇場版はまだ完結してないので保留……と、「いちばん好きな」って制限されているにも関わらず、ついあれこれ名前を上げてしまうのがダメオタの悲しきSa-Ga。

・拍手レス。

 QBは感情がないせいで何やってもくやしがらないであろうことが腹立たしい。ニートですらマリィルートでは「ざまぁ」と言えたのに
 憎めば憎むほど徒労になる。「どうにもならないもの」が具現化したみたいな奴ですね。

 QBマジ天使。ローキックしたいほど愛してる。
 見た目が半端に愛らしくて困ります。

 まどか9話にして、ようやくQBに殺意を抱きました。EDの「まさかw」のくだりはヘイトを稼ぎすぎでしょう…。杏子の死がインベーダー野郎に一矢報いると信じたい
 あの流れで「まさかw」はひどかった。宇宙規模の動機があっても擁護できないレベル。

 地震凄かったですね……。今も余震が続いていますが、大丈夫でしたか?
 西日本なので被害はありませんでしたが、ニュースを見るのが辛い……。

・更新はしばらくお休みします。


2011-03-10.

『魔法少女まどか☆マギカ』にハマりすぎて積読の消化が恐ろしく捗らない焼津です、こんばんは。

 本編自体を何度も繰り返し視聴しているうえ、まとめサイトを眺めたり関連スレを覗いたり各所のツイッターを漁ったりで、あっという間に時間を食い潰してしまう。マギカは魔物やでホンマ。この一週間、漫画は何冊か崩したけど、小説は『落日の死影』だけという有様です。ちなみに『落日の死影』は『ゴルゴ13』のノベライズ第1弾です。作者の船戸与一は外浦吾郎名義でゴルゴの原作に携わっていた時期があるから、その繋がりで仕事が来たのだと予想される。正直、出来に関してはちょっと……でした。船戸ファンにもゴルゴファンにもオススメしがたい。アクションにしろ会話にしろ、とにかく緊密感がなくて全体的にテンションが低い。最近の船戸作品を許容している当方でもこれはさすがに呑めなかった。文章が平易でページ数も少ないからサクッと目を通せるし、読んでいて苦痛というほどではないのだが、「これがかつて『山猫の夏』を物した船戸なのか」って少し呆然とする。毒を食らわば皿まで、の心境で2巻と3巻(3ヶ月連続刊行で、『落日の死影』が先月に発売され、今月は『鬼畜の宴』、来月は『おろしや間諜伝説』が出る予定)も読むつもりではいるけど、ホントにどうしてこうなったんですか。船戸と言えば今月は『藪枯らし純次』の文庫版が出る、というかもう出てましたね。鄙びた温泉郷が一人の男によって盛大に狂わされていくサスペンス、こっちの方はそこそこオススメです。

楽天ブックスで予約した限定版の漫画が一方的にキャンセルされ利用者激怒 転売厨大勝利(暇人\(^o^)/速報)

 楽天側の釈明はこちら。メインで使っているのは他所のネット書店ですけれど、そこで在庫がなかったり予約を開始してなかったりする商品のためにサブでたまに利用しています。なので当方も巻き込まれている。頼んだのは限定品じゃないし、キャンセルもまだ食らってないものの、絶賛発送遅延中。こちらの記事でも触れられている通り、どうもシステム改修に伴うトラブルで注文データの大半が吹っ飛んでしまったらしく、現在大慌てで復旧している最中とのこと。最初は「配送状況の確認ができないだけで発送自体は滞りなく進んでいる」みたいなことを言っていたが、現在「一部の発送が遅れている」と渋々事実を認めている。在庫管理も壊滅的なので、問い合わせてもろくな対応が望めない有様だとか。特に今月発売の限定商品を先月以前に予約注文した人にとっては絶望的な状況。こちらは別に遅れても構わないようなものしか頼んでないから静観の構えでいきます。楽天ブックスは前々から発送遅延しがちなところだった(予約していても発売日から一週間くらい掛かることがちょくちょくあった)ので元より大して期待していない。というかまどマギの9話観たら想像以上のショックを受けて、こんな騒動どうでもよくなった。

『魔法少女まどか☆マギカ』第9話「そんなの、あたしが許さない」視聴。(ネタバレに対する配慮なし、観てない人は注意)

 キュゥべえことインキュベーターは外宇宙からやってきた上位種族(オーバーロード)だった――まさに別銀河からやってきたジャンル違い。エロゲーマー的には『』や『腐り姫』を想起する展開であります。木の葉のように降ってくるさやかの抜け殻を受け止め、魔女化したさやか(個体名はOktavia von Seckendorff)に「お前は何なんだ!? さやかに何をした!!」と食って掛かる杏子。どうも彼女はソウルジェムが濁り切ったら魔女堕ちすることを知らなかったらしい。この分だとマミさんも知らなかったんだろうな。「濁り切ったらどうなるのか?」というのは誰しも抱く疑問のはずなのに、なぜ誰一人としてキュゥべえから聞き出さなかったのか少々気になるが、どうせあの腐れ外道のことだ。教えたら相手のSAN値が下がりまくることを学習して答えをはぐらかすようになったのだろう。実際、6話のさやかが発した「濁りは取らないとダメなの?」という問いにも「杏子は強かっただろう?」とズレた回答が孵ってきた。汚いなさすが淫Qβきたない。ごまかしきれなくなってから事実をアナウンスする。恐らくこれまでの魔法少女はQBのクソみたいな弁舌に惑わされて、「ソウルジェムが濁り切ると魔法を使えなくなるか、変身できなくなる」――それだけだと信じ込んでいたのでしょうね。

 ネット上で物議を醸したという、例の唐突にエントロピー増大則を持ち出して宇宙規模でまどかを説得しようとする件。要約すると「人類の繁殖能力を鑑みれば、二次性徴を迎えたばかりの雌ガキをガンガン使い潰してもお釣りがくるよ!」なわけで、人類として到底許容しかねる理屈である。『ブエナ・ビスタ』

「質問に答える前に、僕から質問です。たとえば僕が人をひとり殺したとします」
「うん」
「それから女の人を犯して新たに生命を誕生させたとします」
「それで」
「僕の殺人は許されますか」
「なぜ」
「なぜって、僕の過ちのせいで喪った生命を、僕は自分の性行為で償ったわけですから」

 という問答を思い出した。「君の理屈には、個々人の人生という視点が見事に欠けている」という指摘に対し、「どうでもいいことです。瑣末なことっていうんですか。些細なことです。だって僕は、神の視点に立っているんですから」と返して問答は続くわけですが、まさにキュゥべえの唱える論理は人倫を超越した神のロジックです。女子中学生が聞いても「いったい何様のつもりだ」としか感じないはず。知恵者ぶっていながらまったく空気が読めないキュゥべえ。連中はある種の群体なのかもしれんね。感情がないのもそのせいかしら。「個々人の人生」をまったく省みないQBに「やっぱりあなた、わたしたちの敵なんだね」と、まどかは遂に明確な敵意と敵視を持ち始める。「この宇宙のために死んでくれる気になったら、いつでも声をかけて。待ってるからね」なんて、およそ今まで耳にした事がない最悪の勧誘だ。これが「お国のため」という大義だったら、あるいは「地球のため」という星義だったなら、まだしも理解は及んだでしょう。しかし「宇宙のため」なんつー漠然としすぎた理由のために死ねと言われたら……「わけがわからないよ」以外に回答例が思いつきません。ちなみにエントロピー云々で真っ先に『熱死戦線ビットウォーズ』『ウィザーズ・ブレイン』を連想した当方は紛れもなくラノベ脳さ。

 場面は杏子とQBの会話、まどかと仁美の会話を経て杏子とまどかの対面へ。このふたりがまともに言葉を交わすのがこれが初めてですね。そして同時にこれが最後の……いや、まだ確定ではありません。「あの魔女を真っ二つにしてやったらさ、中からグリーフシードの代わりにさやかのソウルジェムがポロッと落ちてくるとかさ」って、無理矢理楽観視しようとする杏子が辛くて直視できない。「そういうもんじゃん、最後に愛と勇気が勝つストーリーってのは」とおっしゃるが、虚淵の場合は「邪神への愛」とか「勇気よりも狂気」が勝つ世界ですからね。3話のマミさんに匹敵する勢いで死亡フラグを築いていく杏子にファンはドキドキハラハラしたことだろう。そして待ち構える、かつてさやかであった人魚の魔女。下半身がずっと隠れていて、床が崩落したシーンでようやく魚の部分が見える演出に唸った。人魚の魔女が車輪で一方的に杏子をいたぶるシーンは第5話の逆再現であり、またしても虚淵流の皮肉が疾走する。さやかを救いたいと願って、「愛と勇気」の勝利を祈った杏子が行き着いた末路。切なさや悲しさを通り越してただ戦慄せざるをえなかった。祈りは通じず、願いは届かない。物語は視聴者にひたすら虚無感を抱かせたまま、EDもなしに幕を引く。これで残された魔法少女は暁美ほむらただひとり。まどかが契約して加わったとしても、たったふたり。彼女たちは無事生き延びてろくでもない運命を覆すことができるのだろうか。観てる側としては「無理ゲーすぎるだろ」と言うしかない。もはや完全にツークツワンク(どんな手を指しても事態が悪化する局面)である。

 杏子の犠牲に意味があったのか、それとも単なる犬死だったのか、少しも判然としないまま終わってしまうせいもあって虚脱感がすごい。本当にここらへんで挫けてしまった視聴者もいるのではなかろうか。挫けていない人たちもだんだん『マルドゥック・ヴェロシティ』におけるボイルドみたいな面持ちになってきている気がします。「灼熱の暗黒、失墜する魂」というコピーが脳裏をよぎる。ここから一気に逆転を果たすのかもしれませんが、もし絶望が拭えぬままフィナーレを迎えてしまったら「まどマギは魔法少女モノやない、暗黒魔法少女モノや!」と後世に言い伝えられそう。次の10話は制作スタッフも出演している声優も仕上がりにかなり自信があるみたいなので、期待していますが……正直、ハードルが上がりすぎて虚心に楽しめるかどうか不安。

・拍手レス。

 OVERDRIVEの新作がなかなか面白そうですよ。まさかのプロット漫画で期待が高まりますね〜
 どうせまたバンドものだろう、と思ったらまさかのヒーローもので面食らいました。片倉真二なんで富士見ファンタジアの『仮面武闘会』思い出したり。

 噂では、予約数が芳しくないというのが延期の理由らしいですが>まほよ 何はともあれさっさと新作に取り掛ってほしいものです
 奈須きのこはいい加減『DDD』に目処をつけてほしい。『3/16事件』があるとはいえ、2巻からもう3年半が経過しますよ……。


2011-03-07.

・原作が再開される予定の『けいおん!』、「唯を中心に据えた大学編だろうか梓メインの高校編だろうか」と考えていたら、答えは両方だったという。素で驚いた焼津です、こんばんは。

 それぞれで掲載誌が違うみたいですね。大学生編が“まんがタイムきらら”、在校生編が“まんがタイムきららキャラット”に連載される模様。単行本派なので、ぶっちゃけどっちがどっちか区別つかないし違いもわからない。芳文社の“まんがタイム”系すべてを把握している人はかなりの通だと思う。当方は“まんがタイムきららフォワード”が4コマじゃなくて、単行本の判型もB6であることを辛うじて知っているくらい。だから描き下ろしの漫画版『魔法少女まどか☆マギカ』も分類上はフォワードです。さておき、『けいおん!』。2誌同時となると作者もキツいはずだ。普通4コマ漫画の掲載ページ数は8ページだけど、これを4ページと4ページに分かるのかしら。しかしそれだとエピソードがブツ切れになってしまいそう。あるいは描き溜めた分があってそれを使って2誌の8ページ埋めていくのか、はたまた「描き溜めないけど死ぬ気で両方8ページ描くよ!」なのか、いっそのこと冨樫方式で不定期連載するのか。先述した通り、当方は単行本派なんでどのみちコミックスにまとまるまで静観の一手ですけどね。きららと言えば、来月は娘太丸の新刊が来ますよ。あの人の漫画は好きなので大いに楽しみ。

『クォンタムデビルサーガ』帯コメントが冲方丁(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 「おっ、うぶちんが帯文書いてるな」と目に止まってこの前買いました。文面を引用しますと「冒頭から次の展開が全く読めない。手加減なしに変貌し続ける物語は、まるで万華鏡の中にぶちこまれた気分だ。また一つ、ハヤカワでしか出せない傑作が誕生した。」。さりげなくハヤカワ愛が篭もった推薦文である。ウブコックは最近こうしたコメントの仕事が回ってきてるみたいでちょくちょく見かけますね。さておき、“クォンタムデビルサーガ”は作者の五代ゆうが原案として加わったPS2ソフト『デジタル・デビル・サーガ アバタール・チューナー』を下敷きにしたSFであり、全5巻構想。1巻と2巻が「煉獄」、3巻が「辺土」、4巻と5巻が「楽園」という構成になっています。隔月刊行で今年の10月に完結する予定です。あとがきによると10年近くもの紆余曲折を経た企画だそうな。「ノベライズではなく、原案小説」とのことで、ゲーム版とは違う部分もあるのかもしれない。どのみちゲーム版を知らないので虚心に楽しむしかない。

ノイローゼダンシングというヤンキー漫画を知ってる人はかなりの通。

 正田崇の呟きより。なんか見覚えあるタイトルだな、と検索して思い出した。「ああ、『ガガガガ』の人のだ」と。高校生のときに一回ちょろっと読んだ程度なのでほとんど覚えてないが、「キレた、と言ってもヤクザに喧嘩を売る奴はいない。相手見てキレてんじゃねーよ」みたいなセリフ(モノローグ?)が印象に残っている。しかしホント正田はヤンキー漫画が好きだなぁ。そのうちヤンキー漫画の原作に手を出したりして。

高河ゆんが『魔法少女まどか☆マギカ』のオンリーイベント「もう何も恐くない」に参加

 サークル一覧を開いて画面検索すると、確かに高河ゆんの個人サークル「丸重」(普段は「九重(ここのえ)」だが、男性向けは「丸重(まるのえ)」となるらしい)があります。なぜがゆんが……? と一瞬訝ったが、よく考えたら虚淵玄の連載小説である『金の瞳と鉄の剣』でイラストを担当してましたね。その繋がりなのかしら。関東や関西では最新の9話が既に放映されたらしいが、依然として凄まじい反響でビビる。中には観た後で眠れなくなっている人や、本当に体調不良起こしてそうな様子の人までいる始末。「少女たちの幸せを祈ったぶん、脚本の虚淵を呪わずにはいられない」「まどか☆マギカって、そういう仕組みだったんだね」というムードが各所で充満しています。まどマギブームがどれだけ続くかは見当がつかないけれど、この心が渇くような地獄を潜り抜けて一心不乱にキャラ愛を貫く猛者たちがそれなりに現れるのではないか、という予感を覚えてワクワクしている。夏とか冬とかの薄い本には直球エロよりもハッピーパラレルが期待されている気がするんですよね、全員生存ルートとか平和な日常イベントとかコメディとか。「断崖よりも先に道が欲しい。転げ落ちた者らをその上に拾い上げたい」ってのを地で行くような調子。そこまで行かなくても、ささやかな幕間劇とか。

 本編はいよいよ最終クォーターを迎え、先の展開がどうなるか、いかなる結末が待ち構えているか、当方も毎日考えている状況です。頭の中でほむらの死相が日に日に濃くなっていく。果たして夢と希望、愛と勇気は残るのか。はたまた全国各地域で「虚淵ぃぃぃぃぃ!」と怨嗟の絶叫が響き渡ってファンらのソウルジェムが次々と砕け散っていく嘆きの日(グリーフデイ)と化すのか。最近まどかネタばっかりで更新が単調になっている気はするが、うちってもともと偏るときはひたすら偏るサイトなので毛ほども気にしておりません。

『まどか☆マギカ』 新房監督「キュゥべえはかわいらしく描きたかった、でもスタッフが怖く描いちゃう」(※リンク先ちょいネタバレあり注意)(やらおん!)

 てなわけで凝りもせずまたしても魔まマネタ。「嘘をつくな!」と銀河万丈声の幻聴が聞こえる。「かわいらしく描きた」くてなぜ目パチ口パクをなくすのだ。わけがわからないでござい。そして加藤英美里(キュゥべえの声優)が無理のあるQB擁護をしていて「中の人も大変だなぁ」と実感しました。かつてここまで視聴者の神経を逆撫でにし、憎まれながらも愛された淫獣がいたであろうか。キュゥべえはホント声優の演技が怖いくらいハマってますね。「無邪気の邪気」では言い足りないものを感じる。いくら可愛らしい仕草をしてみせようと、これまでむごく儚く無惨に散っていった魔法少女たちのファンにとってQBは呪っても呪い足りぬ忌まわしい怨敵でありましょう。あれがどうにかならないかぎりまどか☆マギカにハッピーエンドはありえない。とりあえずエレ姐のムスペルヘイムでスペアを焼き尽くしてからマキナのヴォルスングサガを本体に叩き込んで欲しい。

TYPE-MOON、『魔法使いの夜』の発売を再延期(今冬→2011年内)

 それはとっても腹立たしいなって。予想通り延び延びになってますね。噂によると奈須きのこのシナリオ部分は終わっている(だから他の仕事もしている)のでスタッフロールのライター欄にずらずらといろんな名前が並ぶことはないそうだが……ならいったいどこで引っ掛かっているのかと。公式は「作業量の見積もりや過程で発生する問題に対する予測が甘く、今に至るまで完成の目処をつけることができなかった」と玉虫色の回答をするのみ。あまり真に受けず「今年中に出れば儲け物」と思うしかありません。

・拍手レス。

 >キメ笑顔を浮かべて虹がキラリ☆と光るような〜 某ございは、確か最終回手前三話から脚本が板垣監督になったそうですよ。それで「板垣はサーカスだけやってれば…」と言われたような。だからあの締め方は虚ぶっさんのせいではないと思いたい物ですwXAT壊滅とか凄かったんだがなあブラスレ。
 ブラスレイター、あまり期待されていなかった割に面白かったけど、2クールあったにしては……な感じでちょっと勿体無い。

 龍水と夜行がメルクリウスと蓮にみえてしまって…楽に死ねたら吉かなぁ、とか。未来視と既知感で共通点はなくはないので。<逃げてー
 しかし龍水と夜行はえちーするのかな……いまいち想像できない。

 …悲しみも絶望も覆い隠すかのようなGreensleeves…やっとわかりやしたぜ。コイツぁ文字通り、連中からの袖ない仕打ちの合図なんだ。…事ここに至るまで気付かないアタシらの方がバカだったんでさァ。
 さやか絡みで流れていた曲のオリジナルが「Greensleeves」なんですか。歌詞を見るに上條方面の救いはなさそうだ。

 メガミマガジンでの宮本幸裕さんのインタビューによれば、「キュウベェは最後までキュウベェのままです」とコメントしていたので、キュウベェが最後に改心することは無いでしょう。むしろまどかが魔女になってしまったのを見届けた後「さてと、次はどこで契約しようかな〜♪」と言って町を去っていくのが、一番彼らしいラストかなと感じます。
 改心する心がないですもんね。「まどかがQBに感情を与える」という展開を予想する向きもあるけど、虚淵には『浄火の紋章』という例もあるし、それやったらやったで余計に悪化しそう。


2011-03-04.

・葉山透の新作『0能者ミナト』、「メチャクチャ面白い!」と絶賛したくなる類のノリではないにせよ、サラッと読めて面白かったし満足した焼津です、こんばんは。

 妖怪や怨霊などの駆除、いわゆる「モノノケ退治」を生業としながら霊感や異能を一切持たない男、九条湊を主人公とする伝奇ストーリー。連作形式で、1巻目である本書には「嫉」と「呪」、そして2巻への繋ぎとおぼしき「告」の3エピソードを収録している。「告」は言ってみれば間章であり分量も短く、実質的には2エピソードですね。それぞれ150ページ超えてるので連作としては少し長めながら、集中力を切らさず一気に読む分にはちょうどいいボリュームとなっています。霊感も異能もないのだから現代的な技術で対抗するわけですが、ゴーストバスターズみたいな便利極まりない科学グッズを用いることはなく、基本的に機転で解決します。僧兵をあっさりと喰い殺す祟り神レベルの悪霊もパパッと調伏。って書くと「なにそれすげえ」と思われそうですが、「霊感も異能もない」のはあくまで主人公のみ、他の巫女とか天才少年とかは霊能力を有しているので、「なんだよ、結局霊感や異能に頼ってるじゃん」な部分はなきにしもあらずです。しかし、妖怪や幽霊には現代兵器が一切通用しない、一般人は絶対に歯が立たない、というマンガやアニメでありがちな特別扱いの設定に不満を感じている人なら楽しく読める内容でありましょう。「貞子とか伽耶子とか、ジャパネスクホラーの四つん這い女なんてローキックで蹴って撃退すればいいじゃん」っていう虚淵的発想を抱きながらホラー映画を観る方にはオススメ。ただし主人公のミナトは表紙イラストで見るとイケメンだけども下品且つだらしない性格をしており、巫女ヒロインにしょっちゅうセクハラ紛いのシモネタを飛ばす(巫女ヒロインそのものは守備範囲外だから本気で言っているわけではない)ので、そういうシモネタヘイヘイ、略してシモ・ヘイヘ状態が苦手な人は避けた方が宜しいかも。シモネタ大好きっ子の当方は「いいぞ、もっとやれ」と嗾けましたが。ともあれ、結論としては「地味な良作」に落ち着く。続き、今年中に出るといいな。

『弱虫ペダル(16)』の表紙が怖い

 子供の頃に見たら軽くトラウマになっていたかもしれない。赤い瞳のせいでQBを連想させるのもまた……『弱虫ペダル』自体はシャカリキに熱いロードレース漫画ですので普通にオススメしておきます。

ASa Project、3月21日に新作の情報を公開

 『アチ恋』のところです。現在はヒロインたちとおぼしきシルエットのみで詳しい内容は不明。スタッフ日記によれぱ「ASa Projectらしい、楽しい作品になってます」とのことなので、ワクワクしながら待ってます。

『魔法少女まどか☆マギカ』第8話「あたしって、ほんとバカ」視聴。(ネタバレに対する配慮なし、観てない人は注意)

 「ハハッ! 殺り方さえわかっちゃえば簡単なもんだね……これなら負ける気がしないわ」って、かつて「まどかはあたしの嫁になるのだ〜」とか「そこが萌えなのか〜」とか言っていた子と本当に同一人物なのか? と肌寒くなるセリフから始まる第8話。このエピソードは特に意外な展開がなく、ほぼ視聴者の予想通りに進行しながらも、かの3話をも上回る衝撃をもたらしたと評判の回です。「予想通りのコースに予想外の豪速球が投げ込まれた」という形容があって、非常にしっくりと来ました。虚淵や新房を始めとするスタッフの強肩ぶり(そして狂犬ぶり)をまざまざと見せ付けられる。アバン、OP(しかし最後に出る魔法少女姿の3人が揃った絵は心底イメージ詐欺だな)が終わってAパート開始。ゴリ押しのパワープレイで攻めるさやかの戦闘スタイルに「さやかちゃんのためにならない」と苦言を呈すまどか。上から目線のてんこ盛りにカチンと来て、「才能ないからああでもしないと勝てない」と返すさやか。QBに「杏子やまどかは才能あるよ!」と吹き込まれ、言外に「お前に才能? ねぇよ」と告げられたも同然のさやかは、表面上気にしていないようでいてやっぱり自尊心やら何やらを損ない蝕まれていたようだ。「ならお前も戦えよ」と責めるさやかだが、これってよくある「作品の仕上がりに文句があるならお前がつくれよ」というキレ気味の反駁と同じパターンですね。一面では頷ける部分もあるけれど、あくまで自分の意志に基づいてQBと契約を交わしたのだし、また食って掛かった相手であるまどかが「守りたかった大切なもの」の一部であることを失念している。ただ皮肉を言って八つ当たりしたいがために友達の心を踏みにじってしまうさやか。戦って戦って戦い抜いて、遂には戦い始めた理由を見失う痛々しさ。「ただの同情で人間やめられるわけないもんね!」がキツい。こういうセリフがある、とあらかじめ知っていても胸にズンと来て重く溜まる。「変身しない魔法少女」であるまどかに作中での批判がようやく行われたわけですが、ここまで「魔法少女になること」を忌まわしいイメージで捉えられると別の何かに置き換えたくなってくる不思議。「風俗やAVに落ちた子」というのはよく見かけるけれど、もっと言えば石鹸のような「単なる消耗品」を連想させる。磨り減って磨り減って、使い切ったら用済みどころか消えてしまう。残るは虚しい泡ばかりです。

 他者の差し出す手を拒み、「あんたたちとは違う魔法少女になる」「見返りなんていらない」と頑なな態度を取り続ける潔癖さやかにほむらも半ギレ。「おめーのことなんてどーでもいいよ。でもおめーの破滅する姿はまどかの教育に悪いんだよ!」と清々しいまでのまどか至上主義と剥き出しにする。これでますます同人のほむまどカップリングが増えるな……いっそのこと今すぐこの手で消してやろうか、と殺気を露わにしたところで杏子がインタラプト。第5話とは立場が逆で面白い。まどかは全編にこういういかにも虚淵らしい皮肉が利いていて、それが見所の一つでもあります。しかし近代兵器で杏子を撒くほむらに笑った。近代ウェポン使用という点では、今回の見せ場の一つであり視聴者の多くが快哉を叫んだであろうキュゥべえ蜂の巣のシーンも見逃せない。「ひ、ひどいよ!? なにも殺さなくても……」と、一応驚いちゃいるが意外に薄情なセリフを吐くまどかにまたしても笑った。明らかに味方じゃなく敵が殺されたときのセリフでしょう、これって。まったく微塵も悼んでいない。暗に「半殺しならいいよ☆」と言ってるようなものじゃないですか。さすがのまどっちも悪徳業者じみた遣り口で迫ってくるQBからは心が離れていたか。感情が昂ぶっているほむらは涙交じりにまどかを掻き口説きますが、そもそも話が噛み合っていないので説得が通じません。もともとほむらは口下手なのかもしれない。なんにせよ、交渉術に関しては圧倒的にQBの勝利。ひとまず妨害できたけど、次はもうヤバいでしょう。臆病で泣き虫のまどかもいい加減覚悟決めてきてるみたいですし。にしても、「あなたを守ろうとしてた人はどうなるの!?」というセリフはほむら以外にもまどかを守護しようとしている存在があることをほのめかしていますね。てか口調がまるで家族に向けて喋るような馴れ馴れしさ。ここから「ほむらは未来からやってきたまどかの娘」みたいなトランクス説を唱える派も存在する模様。しかし、いるかどうかもハッキリしない「娘」を持ち出すのはシナリオとしてどうだろうか……と考えて、ふと「ほむらはタッくん(まどかの弟、本名タツヤ)が成長して女装した姿じゃね?」という珍説が浮かんだが、ありえないな、いろいろと。時をかける弟。

 最後のシーンはさやかと杏子。かつては殺し合おうと干戈を交えていたふたりが気安げに隣り合って座っている。観ているだけでなぜか心が安らいで悲しくなる光景だ。猪突猛進な性格をしているさやかも、「魔法を使うとソウルジェムが濁る→濁りを取るにはグリーフシードが必要→グリーフシードは魔女か、充分に成長した使い魔を狩らないといけない→魔女は遭遇率が低く、使い魔は成長するまで多くの人間を餌食にする→結局、マミほどの才能がない者は、杏子みたく使い魔泳がせて民間人を見殺しにしながら魔女のみに狙いを絞る遣り方でしか魔法少女を続けられない」というシステムのおかしさに気づき始めたのだろうか。「誰かの幸せを祈ったぶん、他の誰かを呪わずにはいられない」と、自らの限界を悟ったさやかは、こめかみを撃ち抜くかのような表情で「あたしって、ほんとバカ」と囁いて奈落堕ち(フォールダウン)。濁り切ったソウルジェムに涙が落ちて、突風を招きながら破裂してグリーフシードと化す場面は、走馬灯の如く流れる記憶の演出も相俟って非常に切なくおぞましい。SG(ソウルジェム)→GS(グリーフシード)、魔法少女→魔女はだいぶ前から予想されていたことであり、まったくもってサプライズではないのだが梶浦サウンドも加わったおかげで脳裏に焼きつくようなインパクトをもたらす。第6話でキュゥべえが「グリーフシード」と言うべきところを「ソウルジェム」と言っている箇所があり、脚本のミスかとも疑われたが、こうなると奴が言い間違えたのは「おっとごめんよ、本質的には同じものだからつい混同しちゃった」ってことなのか。ヒヨコとニワトリ、オタマジャクシとカエルを会話の中でうっかりごっちゃにしてしまう感じで。なんというなにげないエグさ。EDが終わると次回予告、「本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで諦めたくない」と語る杏子が濃密に死臭を漂わせています。危険だ。魔女を斃すことに躊躇いを持たなかった杏子が主義を曲げてさやかを助けようとするなんて、それは明白な死亡フラグですよ。果たして第9話に「一筋の光」は差し込むのか否か。震えて待つ。

読売夕刊に虚淵氏のインタビューが掲載「夢と希望の物語で終らせるが、視聴者がそう思ってくれるかどうかは分からない」(やらおん!)

 また御大は不吉な宣告をなさる。綺麗な青さで待っててくれた空に半透明のキュゥべえが大写しになって「すまなかったね、許してくれるかい?」とキメ笑顔を浮かべて虹がキラリ☆と光るようなエンディングは勘弁してほしい。もしなったら青空ごとブチ壊してやんよ、そのデタラメな残像。胸を抉るような苦い名残りはノーセンキューです。

 結末予想で一番「ありそう」と言われて危惧されているのが夢オチですね。1話目と2話目で連続して夢オチをネタとして使っていたし、リアルにせよフェイクにせよ最終回でまどかが「夢オチ……?」と呟くセリフが来てもおかしくはない。もっと正確に書くと「夢オチ……だったらいいのになって」。そして傍らの淫獣が「たたかわなきゃ、現実と」とドアップで諭して〆。最終回までED曲は「Magia」のまま。うーん、実際あの「Magia」はどうするんだろう。最終回だけ別の曲流すのか? それともED自体を省くのか? あるいは映像を夢と希望に満ちたものに差し替えるのか? 何にせよまだまだ気は抜けない。

・拍手レス。

 パトリック&アンジー再開は嬉しい知らせですね。ゴーンベイビーゴーンの映画を最近みたのでルヘイン熱が高まっていました。タウンのベンアフレック監督第1作で中々の佳作なので機会がありましたら見てみても損はないとおもいます
 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』って確か日本では劇場未公開ですね。知らない間にDVDが出ていて驚きました。

 初エロゲが沙耶唄だった俺は耐えてみせる。どんなエググロにも耐えてみせるさ・・・・・!!
 初エロゲが虚淵ゲーの人、案外多いなぁ。正田崇も『鬼哭街』が契機となってエロゲーにハマったらしいし。

 龍水逃げてー! エレ姐さん、いつの間にそんな悪趣味に…
 龍水は周囲が「あいつ死ぬんじゃね?」な見方ばかりで哀れ。


2011-03-01.

・デニス・レヘインの“パット&アンジー”シリーズ最新刊『ムーンライト・マイル』(リンク先にシリーズのネタバレあり、未読者注意)が4月に出ると知って欣喜雀躍している焼津です、こんばんは。

 マジで涎が止まらんほどの嬉しいニュースですよ……“パット&アンジー”シリーズは教会の鐘楼に事務所を構える私立探偵パトリック・ケンジー(パット)とアンジェラ・ジェローナ(アンジー)のコンビを主人公にしたミステリです。呼称は“パトリック&アンジー”だったり“ケンジー&ジェローナ”だったりと多少揺らぎがある。ふんだんに盛り込まれたワイズ・クラック(警句や皮肉を混ぜた辛辣な軽口)が心地良いハードボイルドでありながら、事件を通して犯罪者たちの黒々とした悪意や歪んだ価値観に触れることでパットとアンジーの精神も荒廃していく、ちょっとノワールめいた要素も入っているあたりが特徴。『ムーンライト・マイル』はシリーズ6冊目に当たりますが、5冊目までの段階で既にふたりの精神はボロボロ。話が進むにつれて関係も徐々に険悪となり、事件の解決方法を巡って意見が合わず訣別していた時期もあるくらい。パットもアンジーも完全無欠ではなく、迷い悩み誤り傷つく連中なのです。超然とした態度で嘘を見破り、ロジックを弄び、謎を解き明かして、あとは野となれ山となれとばかりに振り向きもせず立ち去り、後日「つまり、あの事件は不幸な偶然が招いた悲劇……どこにでも転がっているような、ありふれたディスコミュニケーションの末路……ただそれだけのことさ」などと斜に構えて上から目線で総括するような「名探偵」では決してない。時として法律にも倫理にも背くような行為に手を染め、「あの選択は間違いではなかったのか」「本当にこんな解決で良かったのか」と疑念や後悔を引きずりながら進んでいくスタイルのせいで作者自身も続きをどうするかいろいろ懊悩したそうだ。邦訳は前作『雨に祈れば』から8年半も掛かった勘定になるが、何もこれは角川が翻訳をサボっていたからではありません。『ムーンライト・マイル』の原書が出版されたのは去年ですから、むしろ早い方。ちなみに『雨に祈れば』の原書は1999年刊、10年以上も掛かっているので、日本よりも本国のファンの方がずっと待たされたわけです。しかし、ネタバレなので詳しくは書けませんが、シリーズ読者にとってはかなり興味深いあらすじなので、待たされた甲斐はある長編だったはず。

 シリーズ1冊目の邦題が『スコッチに涙を託して』と、非常に気の抜ける代物ゆえ「読む気が起こらない」と言われても仕方ありませんが、騙されたと思って手を伸ばしてみてください。何なら2冊目の『闇よ、我が手を取りたまえ』からでも構いません。細部はうろ覚えですが、「痛みという感覚は激しすぎる。ただの機能というのでは説明がつかない。なぜ神はこれほど過剰なものを人に与え給うたか」と問う殺人鬼が印象に残っている。海外ミステリ市場はもはや瀕死の有様ですので、機会を見つけ次第布教しておかないと「次の新刊が読めないかもしれない」っていう不安が拭えないんですよね。不安というより危機感か。海外ミステリには国内ミステリにない面白さがある(逆もまた然り)し、もっと多くの人が参加してくれたら、それはとっても嬉しいなって。つい願ってしまう当方でした。

『七姫物語』次の次ぐらいのメルマガで6巻の発売日が告知される(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 若干諦めムードだったところに来てこの吉報。まだだ、まだ喜ぶのは早い。だかしかし……「望みは潰えていなかった」ということを確認しただけでも喜悦の念が隠せない。これで完結なのか、それとも「もうちょっとだけ続くんじゃよ」なのか。まだ終わって欲しくない気持ちはあるものの、更にこの次を待つとなると何年掛かることやら。考えただけで気が遠くなります。とにかく今は続報を伏して待つばかり。

人気ライトノベル「魔術士オーフェン」、新シリーズが秋からスタート(GIGAZINE)

 こちらも嬉しい再開ニュース。『秋田禎信BOX』に収録された後日談の続きとなるそうです。BOX収録の後日談自体も単独で再販される模様。オーフェン好きの春が訪れました。しかし秋田禎信ってデビューしたときが若かったから、まだ30代なんですよね。もっと年上のようなイメージがあるので確認するたび驚いてしまう。

古賀亮一の『電撃テンジカーズ(3)』、発売延期(リンク先の下あたり参照)

 2月発売のコミックスを一括予約して、月末にまとめて届けてもらう手筈となっていたのに書店からの連絡が一向になく、「おかしいな?」と訝って調べてみたら……なんてこったい。どうも古賀が腰をやってしまって入院していたそうで、「作者急病により」がごまかしでも何でもなく事実そのままだったみたいだ。つーか、こんなにひっそりと告知されても分かんねーですよ。いったい何人の古賀ファンがこれを捕捉できたんだ。この呟きからして古賀自身も延期の発表が既にあったことを知らなかったみたいですし。なるべく早くの刊行を目指しているとのことですが、かなり体調が悪いようなので、あんまり無理しないで欲しいという気持ちもあって心中複雑。

虚淵玄「なぜ僕ばかりに非難が集中するんでしょう。」(カオスな情報置場)

 まどか☆マギカの登場キャラクターが悲惨な目に遭うたび虚淵への怨嗟がスレに満ちますが、確かに脚本(およびシリーズ構成)の彼ばかり槍玉に上がって監督を始めとする他のスタッフはスルーされているのが不思議ではあります。漫画とアニメを比べると、漫画では「ちょっと胡散臭い」程度に収まっているマスコット役のキュゥべえがアニメでは「露骨に胡散臭い、つーか怖い」という描き方になっているのは監督とか演出とかの意向が働いたからではないかと思いますし。脚本段階では「途中まで無害を装っていた淫獣が突如豹変して本性を剥き出しにする」ってなサプライズを意図していたのに対し、新房監督らが「いや、あえて最初から怪しさ全開で行こう。視聴者に『なん……だと……』ではなく『来るぞ、すぐ来るぞ、絶対来るぞ、ほら来たぁぁぁっ』と高まり切った末に弾ける不安と絶望のエグみを味わわせてやろう。奴らの嘆きに満ちた血潮で我らの田畑を潤してやるんだ」っつー具合に狙って変更したのではないかと邪推している。そもそもまどか☆マギカは新房監督の「視聴者に本当の絶望を与えるようなアニメをつくりたい」という願いから虚淵が脚本に選ばれた、って噂もあるほど。「今宵の虚淵は血に飢えている……」と嘯きながら鯉口を切って一気に抜き放ち「首飛ばしの颶風(かぜ)」を吹かせたのは新房監督たちであり、更に申せば新房監督自体も一個の凶器と化し、視聴者の柔いハートを遠慮なく切り刻んでくる。「いいなあ、あれ。斬りたいなあ。何があっても挫けないだなんて、燃えるなあ」「まどか☆マギカが天下最凶の魔法少女アニメである。それを証明するためには、まずテレビの前の全員を挫かないといけませんよね」。言わばアニメ制作会社であるシャフトが妖刀虚淵と魔剣新房をダブル装備した結果が即ちまどか☆マギカなのではないだろうか。蒼樹うめはそれらを秘め置くための鞘。

 にしてもまどマギ、8話目の評判も相変わらず凄まじいですね。キュゥべえはゲロ以下を通り越してゲロ以前の存在になってしまったみたいだし。『絶対可憐チルドレン』の椎名高志もQBに対して込み上げる恐怖感を隠し切れない模様だ。絶チルは三雲岳斗がノベライズしているんですけども、ご覧の通りレーベルがガガガ文庫。虚淵の小説仕事はガガガを中心にしている(最近は星海社に移ってきた?)ので、何か手違いがあれば虚淵が手掛けていたかもしれないと思うと背筋が寒くなる。『絶望可憐チルドレン』……ファンが慟哭するな。ガガガと言えば深見真もまどマギにハマっているらしい。そういえばあの人は以前『少女たちは血雨の中、恋をする』とかいう魔法少女バトルを書くって話があったけど、立ち消えになっちゃったのかな……「発売日未定だけど出たら買う本リスト」に載せているので定期的に思い出してしまいます。

light、『神咒神威神楽』のWEB体験版を公開

 上に書いた「いいなあ、あれ。斬りたいなあ」云々の元ネタはこちらをプレーしていただければ分かるかと。時間がないようでしたらこちらのページにある「販促動画 其の壱」でも確認可能です。パラロス新装版に付いていた超先行体験版とほぼ一緒の内容ですが、新規CGが加えられていたり文章の一部が変更になっていたりと若干違いがある模様。いずれ折をみてダウンロードしよう。

※リンク先にまどか☆マギカの第8話ネタバレあり、注意(やらおん!)

 なんということでしょう……匠の技によってスレ住民の精神構造が劇的ビフォーアフターされてしまいました。この適応力、『GUILTY GEAR XX』のブリジットが男だと判明して多くの人々が落胆を通過し新たな属性に目覚めた一連の騒動を思い出す。彼らはもう何も恐くないし何があっても挫けないだろう。だが虚淵玄はその心さえ折りかねない男。読売の夕刊にすら載ってしまう男。9話目ではどうなっていることやら。

「魔法少女まどか☆マギカ」ノベライズ、ニトロプラスより発売決定!

 虚淵の書き下ろしを期待したが、別作者か……どうせならガガガで田中ロミオ、東出祐一郎、深見真、浅井ラボ、賀東招二、犬村小六あたりに依頼してアンソロジーを組んでほしい。原作以上に血臭の漂う一冊になりそうだ。浅井ラボと言えば、され竜の10巻はまた延期したみたい。もはや恒例行事と化しつつある。延期し始めてそろそろ半年になりますが、このままラノベ界の『さくらさくら』になるつもりなのだろうか。

あかね色に染まる俺(あしたがみえない)

 俺散らす。なんとなく記憶が甦ったけど、昔『ぶれ』というソフトがありましたな。宇宙帝王の原画は良かったけど塗りが残念だった。

・藤原ここあの『妖狐×僕SS(4)』読んだー。

 「さーて、今回も凜々蝶たんの太腿を存分に堪能させてもらおうか……」と思いながら本を掴み取り、ふと帯を見たらこんな一文が目に飛び込んだ。

 凜々蝶、双熾、死亡。

 ( ゚д゚) !?

 こ、こはなんぞ。一応解説しておきますと、凜々蝶は本作の主人公に当たるスレンダーだけど太腿ムチムチなさらさらぱっつんロングヘアーの少女であり、双熾はその彼氏。妖怪の「先祖返り」である彼らは長年の時を経てようやく互いの想いを確かめ合い、無事結ばれた(エロい意味ではない)という「よかったね、よかったね」なカップルなのです。ちなみに今の「よかったね、よかったね」は何のネタだったか咄嗟に思い出せなかったんですが、しばらく考えてねこねこソフトの『White』(今度出る奴じゃない方)だと分かった。なんと11年前のエロゲーである。我ながらよく覚えていたもんだな……閑話休題、要するに晴れてくっついたカップルが妖怪絡みの騒動に巻き込まれながらイチャイチャと、それはもうただひたすらイチャイチャと甘ったるいじゃれ合いを繰り広げる砂糖の塊みたいな伝奇系ラブコメだったわけです、3巻までは。4巻に関しては「そろそろ本筋が動き始める」という話だったのでシリアス展開来るのかな、と少し身構えておりました。ただまあ、最近はまどマギのジェットコースターに振り回されて驚愕耐性が付いているから、そんなにショックを受けることはないだろう。だいたいこの手の死亡通知は王大人並みに信用できないし。と、警戒は解かぬまでもやや弛緩した気分でページをめくっていきました。

 そしたら、その……(以下ネタバレにつき反転)首が、双熾の首が思いっきり刎ねられたんですけども。見開きでこう、スパーンと。双熾はそれを凜々蝶に見せないよう、もう一人の自分にブロックさせて……ああ、言い忘れましたが、双熾は分身能力があって複数の自分を出現させることができます。「なんだよ、それなら一体ぐらいマミられても平気じゃないか」なんて言われそうですけれど、ところがどっこい、双熾の分身は負傷すると本体(というか他の分身すべて)にもダメージが伝わるリスキーな仕組みになっており、たった一体でも致命傷を受けることは即死に繋がる。凜々蝶の視界をブロックしていた分身も当然、命が抜けて、たちまちのうちに崩れ落ちた。その後凜々蝶がどうなったかは描写されていません。が、凜々蝶を殺そうとした(それを庇って双熾は死んだ)相手が健在である以上、双熾の突然死に呆然としている彼女が充分に身を守れるとは考えにくく……そのまま士道脱落したと受け取った方が自然でしょうね。まさかの主人公カップルガチ死亡エンド。当方の顔がポルナレフになったことも致し方のないことです。頭の中で「Magia」が流れました。どーすんだよ、話続けられんのかよこれ、と残り少ないページに目を通すやもっと魂消てしまった。入居者すべてにSS(シークレットサービス)が付くというマンションに引っ越してきた凜々蝶、彼女は双熾と名乗る青年に出会って……っておい、どう見てもループしてるじゃねぇか! 一瞬「え? 死に際の回想?」と判断に迷いましたわ。巻末予告の内容からすると、ジョーク抜きの本気でストーリーをループさせるつもりらしい。よって5巻から先は「2周目(本当はもっとかもしれない)」に入ります。今度こそふたりは破滅の運命を避けられるのか。(←ネタバレここまで)というわけで、作者の術中に見事嵌まってポカーンとしてしまった。最近は予想外のサプライズをかます作品が多くてこちらも驚き疲れます。実はこれ以外にもう一つ「ええっ!?」って完全な不意打ちを食らった作品があるものの、そっちはタイトル出しちゃうとサプライズの方向が簡単に読めてしまうからあえて書きません。衝撃だけならまどっちに匹敵するレベルでした、アレは。

・今月の購入予定。

(本/小説)

 『円環少女13』/長谷敏司(角川書店)
 『麒麟の翼』/東野圭吾(講談社)
 『巨人たちの落日(上・中・下)』/ケン・フォレット(ソフトバンククリエイティブ)
 『GOSICKZ〜薔薇色の人生〜』/桜庭一樹(角川書店)
 『ムーの少年』/滝本竜彦(角川書店)
 『花物語』/西尾維新(講談社)

(本/漫画)

 『戦国ヤンキー』/大和田秀樹(角川書店)
 『修羅の門 第弐門(1)』/川原正敏(講談社)
 『ネクログ(1)』/熊倉隆敏(講談社)
 『スーパーロボット大戦OG−ディバイン・ウォーズ−Record of ATX(5)』/八房龍之助(アスキー・メディアワークス)
 『ひよぴよえにっき。(2)』/琴久花央(芳文社)

 文庫化情報。芥川賞受賞のニュースで時の人となった西村賢太の『小銭をかぞえる』が文春文庫から出ます。表題作の「小銭をかぞえる」も芥川賞候補でした。しかし併録されている作品のタイトルが凄い、何せ「焼却炉行き赤ん坊」ですからね。ほか、文庫化というより復刊ですけど山田風太郎の『地の果ての獄(上・下)』が久々に出ます。中学生だったか高校生だったかの頃にもちくま文庫から復刊されましたけど、1000円近い価格に怖気づいて結局買えなかった。今回は角川文庫なので、値段も若干安めに設定されています。確か税込で800円弱だったかな。

 『円環少女13』は完結巻、ボリュームも500ページに迫る勢いらしい。2005年の9月、つまり5年半前に始まったこのシリーズも遂に終わりですか……年に2冊か3冊のペース(1冊しか出なかった年もあるが)なんで決して刊行速度は速くなかったが、デビューから『円環少女』が開幕するまでの4年間でたった2冊しか著書を出していなかった長谷敏司にしては驚異的なスピードであると請け合えます。コアな人気に支えられて10巻以上も続いた割にアニメ化どころか漫画化すらされなかったというあたり、メディアミックス的視点で見れば不遇なシリーズですが、むしろそのおかげでファンたちはのんびりほそぼそと長く楽むことができたのではないかと思います。今月のスニーカーは『墜落世界のハイダイバー3』と『丘ルトロジック2』も買っておくつもり。『麒麟の翼』はシリーズものが少ないことで知られる東野圭吾がもっとも長期間に渡って展開し続けている“加賀恭一郎”シリーズの最新刊。タイトルがカッコイイのでそれだけでも買い。出版社はシリーズ最高傑作だとか何とか吹聴しているが話半分に聞いておくとする。『巨人たちの落日』はNHKでやってるドラマ『大聖堂』の原作者による歴史小説。原題は "Fall of Giants" 。ロシア革命とか第一次世界大戦とか、そのへんにスポットを当てた人間ドラマとなる模様。“世紀”三部作とやらの第一弾に当たるそうだが、三部作の一作目で既に3冊もあるのかよ……『大聖堂』の分厚さからすると相当な長さになりそうだ。『GOSICKZ』は待ってましたの最新刊、実に4年ぶりとなるシリーズ再開巻です。『GOSICK』はそれまでかなりマイナーだった作者の知名度を一気に押し上げた、言わば出世作に当たるシリーズであり、これがなければ一般文芸へ移る転機となった『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』もなかったでしょう。作者自身も思い入れがあるみたいでずっと「再開したい」と語っていましたが、ようやく念願叶いました。TVアニメ放映中という絶好の時期に発売できてホッとしたことだろう。アニメの感想は「ヴィクトリカかわいい」で埋まっているみたいですが、そのへんは原作も概ね一緒ですので安心してお読みください。『ムーの少年』はいろいろあって心を入れ替えたらしい滝本竜彦の新刊。タイトルの「ムー」は雑誌の“ムー”を指しているみたいです。『花物語』は“物語”シリーズの最新刊、と書くより『化物語』の神原駿河をメインに据えた新作エピソード、と書いた方が伝わりやすいか。相変わらず「本当に出るのか?」と疑うほど情報の露出が少ないけれど、今回は割と余裕のあるスケジュールだったから大丈夫ではないかと思う。ほか、今月の注目は――『漫画BOX AMASIA』に収録されていた榎本俊二と奈須きのこの『3月16日事件』が単独発売、『とある魔術の禁書目録』が『新約』を冠してリスタート、中村恵里加が『ひがえりグラディエーター』という単発作品?を出す、秋田禎信が『ハンターダーク』なるSFアクションを用意していて、しかもイラストは田島昭宇――ってところかな。海外モノはサミュエル・R・ディレイニーの『ダールグレン(1・2)』とマイケル・コックスの『夜の真義を』をチェックするつもり。

 『戦国ヤンキー』は見た瞬間「なんじゃこのタイトルは」と訝るものの、作者が大和田秀樹なのを確認した途端「ああ……」と納得してしまう。例によって例のごとくバカ全開で設定に凝りまくったギャグ漫画となるでしょう。ちなみに今月は『ムダヅモ無き改革』の新刊も出ます。最終巻らしいです。チラッとネタバレを目にしましたが、すごいことやってましたね。『修羅の門 第弐門』はジョークじゃないです、本当です。と、にドヤ顔で告げたくなる誘惑を抑え切れない格闘漫画の新章。連載再開の報が流れたときは結構騒ぎになりましたが、それでもまだ知らない人が割といそうだ。何せ中断の時期が長い、長すぎる。ざっと14年くらい掛かってます。間に姉妹編の『修羅の刻』があったとはいえ、その『修羅の刻』も終わってから随分経っている。『海皇紀』が完結してやっとリソースを割けるようになったみたいです。さあ、修羅の結末を見せてくれ。『ネクログ』は作者名の「熊倉」が視界に入ってすわ熊倉裕一か、と血圧を上げたけど違った。『もっけ』の人です。しかしこっちの熊倉も好きなので嬉しい新刊であることに変わりはない。まだどんな話かも知りませんが非常にワクワクしている。『スーパーロボット大戦OG−ディバイン・ウォーズ−Record of ATX』、メチャクチャ長くてなかなか覚え切れないタイトルですが、『スーパーロボット大戦OG』(OGは「ORIGINAL GENERATION」の略)のアニメ作品である『ディバイン・ウォーズ』の更に派生作品に当たるのがこの『Record of ATX』であり、つまり3つに区切れれば比較的覚えやすい。だがスパロボは何一つプレーしたことがないので未だに頭に叩き込めません。完全に八房龍之助目当てで読み出して「絵だけでも堪能できればいいや」と思っていたのですけれど、グイグイ引き込まれ、気がつけば繰り返し何度も読んでいました。キャラとか設定とか話とか、分からない部分は多々あるんですけれど、「分からないこと」が大して気にならない。分かる部分だけで充分面白い。「あの子達にもう無い未来が 他の奴らに 人類にあってなどたまるか! この世界に未来などあってたまるか!」と逆恨み全開で血涙流す人の迫力がド凄くて忘れられません。あれは夢に見る。『ひよぴよえにっき。』はきららの4コマ漫画。1巻は店頭で見かけて「後で調べよう」と思ったのに、タイトルも作者名も出版社名さえも何一つ記憶していなくて出会い直すのに苦労しました。表紙だけうっすら覚えている本って探しにくいから困る。ともあれ『ひよぴよえにっき。』は小学5年生の少女が2歳の妹の面倒を診る日常コメディで、姉も妹も可愛すぎて多幸感に包まれる。混じり気なしの「好き」で溢れ返った仲睦まじさに心が癒されるどころか超回復して鉄雄並みに暴走。「カオリの痛みが俺の中に入ってくる!」 未だにトラウマが癒えんぜあのシーンは……ほか、護身術を題材に採った『大江山流護身術道場(2)』、「もし一人の女性が分裂して二人になって、それぞれ別々の相手に恋をした後で元の一人に戻ったとき、一方の感じた愛情はもう一方のより強い愛情に上書きされて消えてしまうのか」という思考実験じみた恋愛実験を描く『ウワガキ(2)』、虫に見立てられた殺し屋たちの激しいバトルを綴っていてそれはそれで見応えあるがとにかくゴキブリたんが変態かわいい『アラクニド(3)』、このへんも見逃せない。

(ゲーム)

 なし

 発売リストをざーっと眺めてみたが特に購入意欲を刺激するものはない。先月出た『猫撫ディストーション』をそろそろ買おうかな。BD/DVDはフークワ監督の『クロッシング』、ロドリゲス監督の『マチェーテ』、あとはアニメの『魔法少女まどか☆マギカ1』を予定しています。

・拍手レス。

 >生身で戦車を倒す  パンプキンシザースの901ATTが脳裏に浮かびます
 大戦期のロシアにはウォッカだけ持たせて生身で突っ込ませるホンマモンの「命を無視された兵隊」があったそうな。相手の弾薬を消費させることが目的。

 『おれはミサイル』は『ゼロ年代SF傑作選』に収録されていますよ
 「おれはミサイル」や「海原の用心棒」が収録された短編集を『おれはミサイル』というタイトルで早川から出す予定が以前あったのですよ……数年経ってもまだ出ない。

 暁終末論だと薫の実家パートが一番まともですよorz 後半のやっつけっぷりといったらもう……。海人を強すぎる設定にしたせいで、まともに戦わせ辛いのもありますが。
 衣笠本人はシリアス系がやりたいみたいだが、そろそろこんぼくのようなラブコメ路線に戻ってもいい頃だと思う。

 ネタバレになりますので詳しくは書きませんが、8話を見た感想としては、QBはイザークというよりはメルクリウスですな。まさに吐き気を催す邪悪
 ウザキャラ人類部門の最強がメルクリウスとしたら人外部門はキュゥべえがトップになりそう。

 猫撫ディストーションは買いですかね?
 スタッフのファンからは評判いいみたいですので、元長や藤木が好きなら買いかと。

 マギカとDIESIRAEの構造ってやっぱり類似してるように感じますよねwほむほむのデジャブってる感じとか、(※QBの本名につき伏せます)死ね☆なところとか。最新話見るとなおさら。果たしてまどかは流出位階に至ってQBを座から引き摺り下ろせるのか……
 Diesの構造で最悪だったのは、あのウザくて憎たらしい黒幕を救ってやらないと真の平穏が訪れないところでしたね。QBも全裸のまどかに抱き締められて「ああ……触れ合うだけでこんなにも幸せになれるだなんて……わけがわからないよ……」と満ち足りた笑顔を浮かべて成仏したらいったい何千世帯の液晶テレビが破壊されることか。

 神楽体験版、シュピーネさんがいたよーに見えたのは気のせいでしょうか
 そこに気づくとは……やはりシュピニストか。

 >キョゥすけ  え、何故にQB的表記? 彼も色々言われてるけど、本心はどこにあるのかねぇ。上条くんがさやかのことを思ってても、逆に何とも思ってなくても、どの道さやかに救いが見当たらない布陣になってる辺りウロブチ御大パねえ、としか言いようがないけど。
 上條さんはさやかのことが大好きで、彼女を案じてまだ満足に動かせない足を引きずりながら街中を探し回り、やがて感動的な再会を果たすんですよ。どれだけ感動的かは想像に任せます。

 タブー・タトゥー買ってみたけど、面白い。てっきりラノベのコミカライズだけだと思ってたアライブでこんなオリジナル作品があったとは・・・ただ三巻のBBがなぁ・・・胡散臭いw
 アライブの漫画はほとんどチェックしてないですけど『ディーふらぐ!』『アイリスzero』は面白い。髪フェチとしては『断裁分離のクライムエッジ』も捨てがたいが。

・今回の更新で「※」が付いているところは当方の判断で伏せた箇所です。当方自身は「まどかのネタバレ? バッチコイ!」ですが、中にはネット配信の曜日が来るまでじっと待っている方もおられるやもしれませんのでなるべく伏せていく方針。


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