2005年2月分


・本
 『ニードレス(0〜2)』/今井神(集英社)
 『ネコソギラジカル(上)』/西尾維新(講談社)
 『奇蹟の表現』/結城充孝(メディアワークス)
 『ひかりのまち』/長谷川昌史(メディアワークス)
 『ルカ』/七飯宏隆(メディアワークス)
 『ソウル・アンダーテイカー』/中村恵里加(メディアワークス)
 『松浦純菜の静かな世界』/浦賀和宏(講談社)
 『鬼麿斬人剣』/隆慶一郎(新潮社)


2005-02-28.

・ギャルゲー少女ハイジ。「フラグが立った! フラグが立った! おじいさ〜ん、フラグが立ったわ!」 イケてない一発ネタでこんばんは。

ハヤカワ、4月の新刊にジョージ・R・R・マーティンの『タフの方舟1』

 “氷と炎の歌”が出るまでひたすら何年も待つだけ、と思っていたらキター。2ヶ月連続刊行予定とのことで、5月に出る2巻も楽しみだ。

・隆慶一郎の『鬼麿斬人剣』読了。

 たまたま手近なところに積んであったので読み始めた一冊。『シグルイ』にハマったおかげで時代小説に興味が湧いていたこともある。隆慶一郎の本を読むのは初めてだ。一時期、峰隆一郎と混同していたことについては謝りたく思う。

 二枚の皮鋼の間に刃金、心金、棟金と三種類の鉄を挟んで鍛着させる「四方詰め」──鬼麿の師匠・源清麿は手間の掛かるこの方法を常の鍛刀法としていたが、鬼麿と出会う前、路銀に困っていた彼は皮鋼で心金を包んだだけの「甲伏せ」で刀を量産し、売り払っていた。「四谷正宗」とまで呼ばれた刀工であり、誇り高い信州人でもある清麿にとっては残すにあたわぬ粗悪品。「折ってくれ、一振り残らず」と死ぬ間際に懇願した彼のため、鬼麿はひとり「刀折り」の旅に出た……。

 師匠が不本意に打った刀を折り砕く旅。あまりシリアスな目的ではなく、読み始めた当初いささか設定が弱いように思えたが、いざ話が動き出してみるとこれがなかなか面白かった。まず、鬼麿は師匠が打った「甲伏せ」の数や打った場所について知らない。「中山道→野麦街道→丹波路→山陰道」という大雑把なルートが分かっているだけで、そこから先については自力でどうにかするしかない。同じ道を辿り、師匠の行動を生前の人柄から推理して、「恐らくここで路銀が尽きて刀を打ったはず」と結論を導き出すあたりはまるで捜査小説。

 それだけでも充分楽しめるが、更には「見つけ出した刀をどうやって折るか」という問題もある。強度の問題ではなく、所有権の問題だ。金に換えた以上、刀は人手に渡っているわけで、持ち主と交渉して折ることに合意させる必要が発生してくる。だが、刀は武士の魂。交換すべき逸品も用意できぬ状況では簡単に納得してくれない。盗むのが手っ取り早いが、それは師匠に禁じられている。いかにして刀が折れるシチュエーションにもっていくか。その展開も含めれば、望外のエンターテインメントぶりであった。「力任せにぶった斬るのみ」な鬼麿の単純極まりない戦法も、語りの妙味でおいしく魅せてくれる。

 かつて師匠が通った道を辿り、彼が言葉や情を交わした人々と出会い、彼が打った刀に触れることで既にこの世の者ならぬ師匠と会話してしまう演出も嫌味がなく、じんと胸に染み入るものがある。読者が楽しむことは何でもやったと言わんばかり。文句なしの出来栄え。傑作であった。唯一惜しいのは表紙か……。

「推定会議」の産物

 昨夜から明け方にかけて行われたチャットで「う、うまれたぁ」なリレー掌編2本。お題は「シンデレラ」と「浦島太郎」。企画としてはごくシンプルながら、推定メンバーらしいイカレたヒネリが利いているかと。


2005-02-26.

・「デンドロビウム」というから思わず反応しかけたところ、蘭の話。小恥ずかしかった焼津です、こんばんは。

『お嬢様組曲』、コンシューマー化決定

 PC版がまだ出ていない状況で発表するとは、なんと男汁溢るる姿勢。ってかまだ発売してなかったのか、このソフト。確か1年くらい前に情報を見た気がするのだけど。

 ケロQの『モエかん』みたいに「発売直後にコンシューマー化をアナウンス」というパターンは目にしたことがありますが、原作自体が開発中なのにそれをやるとは……大胆すぎる。よほどの自信? 何も考えてない? ある意味怖い。

・浦賀和宏の『松浦純菜の静かな世界』を読み終わり。

 楽しめたものの、某所で目にした「静かすぎる世界」という評がしっくりくる内容だった。シーンをぶつ切りにして並べ替えることで時系列を錯綜させ、読者の興味を持続させつつ作者の意図を終わりまで伏せておく構成力は素晴らしいが、設定(主人公や純菜が持つ「力」)にしろシリーズの根幹を成すらしい謎(なぜ主人公が白昼堂々銃撃されたのか&純菜の事故)にしろ、いまいち地味。狙った地味さなのかもしれないが、浦賀ならもっと巧く捌けたのではないか、と思ってしまう。「予想を複雑に裏切る」のが彼の作風というか特色だと認識していますが、今回は裏切るべき「予想」自体が見当たらず。

 不振が続いて見限りかけていた頃に刊行された『ファントムの夜明け』が個人的に傑作だった分、切るに切れなくて浦賀の新刊を買い続けている。浦賀の小説は毎回序盤の盛り上がりが薄い一方でクライマックスに差し掛かってからのテンションは尋常じゃなく、そこが好きでなかなかやめられなかったりする。根暗な人間の思考をねちっこく丹念に痛々しく綴るのもお手の物だ。今回の感想は「微妙」だが、続きが出たなら当方は自然な動作で購入に走っていることだろうと予期。「グフパーンチ」がさりげなくツボでした。


2005-02-24.

「それが俺のジャスティス」の元ネタが『アナル・ジャスティス』だとばかり思い込んでいた焼津です、こんばんは。そうか、仮面ライダーBLACKなのか……先入観って怖い。

・来月、『月に繭 地には果実』がハードカバーで出るとのこと。やはり、『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の映画化が影響しているのかしらん。ハードカバーや新書で出た本が文庫になることをよく「文庫落ち」というが、逆はなんだろう。「ハードカバー上がり」?

・中村恵里加の『ソウル・アンダーテイカー』読了。

 異様にトロ臭くて周囲とズレまくっており、自他ともに「馬鹿」と認める12歳の少女・江藤比呂緒が、この世に未練を残して彷徨う魂を葬り去る銃・アルケブスを手に取り、自意識を持った使い魔・ハンニバルとともに霊葬業務請負人(ソウル・アンダーテイカー)として「二十世紀最後の英雄伝説」を打ち立てるまでの一部始終を綴る……予定らしいが今月発売されたこの巻では比呂緒が小学校を卒業して中学校に入学するまでの一季分しか収録されておらず、「以下続刊」の雰囲気。『ダブルブリッド』を絶賛放置中の作者が、約3年前に連載開始してようやく1巻がまとまったばかりのこの新シリーズをキッチリ完結へ漕ぎ着けるまで如何程の歳月を必要とするのか、不安というか想像しただけで身の毛がよだつ。

 「霊髄」だの「霊的物質結合体」だの「霊葬業務請負人」だのやたら「霊」が目立つ字面に埋め尽くされているところを読めばいかにもゴテゴテした「一部の人しか付いていけない設定先走り伝奇ファンタジー」かのように思えるが、そもそもヒロイン自体が頭悪くてそうした設定をよく理解しないまま進んでいくせいもあって実際はほとんどの設定があまり重要性を感じさせない。馬鹿だ馬鹿だ、と言われるたびに「もっともだ」と頷いてしまうタイプの主人公が馬鹿なりに桁外れの素質を強引に活かしてしぶとくまったり頑張っていく、粘り強い展開はなんともゆったりと不思議なテンポを保有している。「うちの上の娘は馬鹿だ」と思いつつもそれを認めたくない両親の複雑な心情が描かれるあたりは「親不在」が常識化しつつあるライトノベルにおいて珍しくツボを押さえた構成。

 ただ、主人公が馬鹿であることを強調しようとあらゆるキャラの視点を借りて「比呂緒はいかに馬鹿か」という説明を繰り返すのはさすがに少しくどい。個人的には読んでいてそれなりに楽しかったが、代償として物凄いスローペースをもたらしてしまっている。結局、物語の核心に触れるどころか、比呂緒が初仕事を終えたところで一冊が尽きた。車田的に言えば男坂の突端すら登り始めていない状態。250ページ程度の薄い本ならまだともかく、370ページもあってなのに、です。辛抱強くない人にはオススメしかねる。

 とはいえ『ダブルブリッド』の停滞ぶりに「中村恵里加の本を買うのはもうやめようか……」と弱気になりかけていた当方を翻意させる出来であったことは確か。セリフだけでなく地の文もじっくり読む、って人ならたっぷり堪能できること請け合い。会話も会話で絶妙にユルくてイイ。


2005-02-22.

・あまりの面白さに両親が近くにいることも気づかず「NANACA†CRASH!!」を遊び耽ってしまった焼津です。そして振り向き凍る時空。

・「積ませはせん、積ませはせんぞ!」と自らを叱咤するように積読を精励消化中、というのはやや嘘。単に読みたい本をテキトーに選んで読んでいるだけです。

 そんな具合で『空ノ鐘の響く惑星で6』を読み終わる。中世ヨーロッパ風のファンタジーに軽くSFの要素を絡めたこのシリーズ、いよいよ作品世界にまつわる謎の真相も徐々に明かされていき、一方で主人公を軸としたストーリーも静かに加熱。相変わらず「地味さ」が拭えない作風だけど、読めば読むほどにどんどん続きを求める気持ちが弥増す。ラブコメ的な三角関係も展開していくことをこっそり期待してます。

「ジンギマキョウ」、90万ヒット

 おめでとうございます。ミリオンヒットも間近。とりあえずTOP絵のエンネアにハァハァ。

『SEVEN BRIDGE』は忙しさにかまけて放置。遅れを取り戻さねば。


2005-02-20.

・実家で初めて渡された給金を、『楽園の魔女たち』全巻(21冊)の購入に充てた焼津です、こんばんは。衝動買い。そして積読。郷里に帰ろうと一向に病気は治りません。

「年6冊書け」と言われている小川一水(小川遊水池)

 成田良悟並みのペースを要求されてますな……しかし既刊リストを読み返してみると2002年に6冊出していることだし、不可能でもなさそう。なんにしろ期待。

『SEVEN BRIDGE』、プレー中。

 一つの橋を越えるまでが結構長い……現在、7時間を割き、やっと二つ目の橋を越えて三つ目に向うところ。このペースだと「七つの橋」ってのは多すぎないですかね? 後半が駆け足になりそうな予感がヒシヒシと。

 エルロイ調の文体から段々フツーのノリに変わってきているのは流れのせいなのかライターが違うせいなのか、ともあれ序盤の狂騒的な雰囲気が薄れてまったりしてきています。それでも緊張感は損なわれず、現実の歴史を変奏していくストーリーにはワクワクさせられること已むなし。ボリシェビキとか馬賊が出てくるエロゲーなんて初めてだ。

 「そのときエマが動いた」が脳内でNHKの番組と被って仕方ないものの、飲んだくれな読心術師が自分の乗ってる列車とまで心を通わせて奮起する「橋の試練」に差し掛かったシーンは熱い。立ち上がったエマや膝乗りエマのCGではヒロインの眉の太さが決然と引き締まった表情をより一層強く印象づけていてグッド。声の出せないエマが伝声管に縋り付いて掠れた呼吸音を送り込むなど、非言語的な表現も体感していてゾクゾクと背筋に這うものを覚えます。

 ろくでなしのチンピラで、ノワール小説に出てきたら絶対に死にそうなキャラの主人公が、「エマを笑わせてやる」と密かに必死になるあたりも微笑ましく、そうやってヒロインと打ち解けていく過程も肌に心地良い。ちょっと性急に思える場面もいくつかありましたが、これ以上尺を長くするのもアレですし、現状を妥協点と見做すのがいいのかな……。

 徐々に群像劇の様相が濃くなっていくことに関しては「第一部・完」なテイストで終わった『リアライズ』が想起されて内心穏やかではありませんけれど、うまく締めてほしい。プレーを続行します。

・電撃の新刊を崩していた関係でここのところ毎日更新になってなすが、明日以降は隔日の通常ダイヤに戻りそうです。もはや溜め置いたネタ壺も枯れて底を晒しとりますし。


2005-02-19.

・『薬物戦隊ドラッグレンジャー』はヤバすぎるので棄却し、代わりに提出したネタが『仮面ライダー弁護』。法廷を舞台に「異議ありパンチ」や「誘導尋問キック」、「証拠不十分チョップ」を駆使して怪人検事から物理的に逆転無罪を勝ち取るライダー。「この世に合理的な疑いがある限り、正義は必ず勝つ!」と高らかに叫び、法廷侮辱罪で強制的に退廷させられながらもキメポーズ。六法全書のページをカード状にしてベルトに差し込んで「刑法アドベント! 第三十九条、心神喪失クラァァッシュ!!」とか必殺技も繰り出したりするわけですよ。

 と、実家近くで何年ぶりかに会った旧友へ挨拶代わりのジョークを飛ばし微妙に滑った焼津です、こんばんは。そして「空気が読めないあたりはお前らしい」と安心されてしまう。なんてザマ。

『SEVEN BRIDGE』、プレー開始。

 ライアーソフトは『ちょーイタ』でハマりながらも、新撰組に興味がないからと『行殺☆新選組』(リンク先はふれっしゅ)を見送り、ブルマーに興味がないからと『ぶるまー2000』を見送り、ネタが好みじゃないからと『サフィズムの舷窓』『ラブ・ネゴシエイター』を見送り……と見送ってばかりで本当にハマっていたのかどうか自身でも怪しみたくなりますが、OHPにはちょくちょく足を運んで新作をチェックしていました。ようやく興味が一致する新作『腐り姫』が出て久しぶりに購入に至りますが、崩すまでに時間がかかり、その間に発売された作品は軒並みスルー。『腐り姫』がプレーし終わってからリリースされたのが『Forest』で、これがかなりクセの強い作品でしたけど面白くてディープに惹きつけられひどく熱中した次第。そんなこんなで「気になるブランド」のくせして3本しかプレーしていない(『Forest』の後、修正版『CANNON BALL』『サフィズムの舷窓〜an epic〜』を買いましたがどっちも積み中)ため、ファンと名乗るのもどうかと思われるものの、今回の新作『セブンブリッジ』は並々ならぬ期待を寄せておりました。

 黒死病の流行とイスラム勢力の侵攻によって没落し、時代の暗黒へ沈んでいったヨーロッパ。大陸を東に渡り難を逃れた人々。そのひとりクゥ・クランは人の心を読む特殊能力を見込まれ北京で幇会に飼われ、「狗」と蔑まれながらチンピラ稼業で口に糊していた。だが、彼自身の心はいつも故郷を求めていた。疫病が蔓延り朽ちたドイツの村。いくつも掘った穴といくつも放り込んだ死体。すべてを埋め尽くす雪。口の利けない少女と、彼女がもたらした黒い切符を元手に「黒い列車」プレステ・ジョアンに乗り込んだクゥ・クランは、流されるままにユーラシアの黒点たるヨーロッパ、彼の死に場所に相応しい空白地帯へと向かう……。

 「神さえ滅ぼした魔法大戦」なんていう、割と凄いバックストーリーを掲げている架空歴史旅情ファンタジー。大陸横断列車と言えばアメリカ大陸を渡るフライング・プッシーフット(『バッカーノ!1931』)やトランスコンチネンタル号(『鉄路のオベリスト』)を連想する当方はつまり鉄道に対する関心が薄く、蒸気機関車がどうこうっていう部分には興味がないし反応しておらず……『腐り姫』や『Forest』をやっていなかったら確実に避けてましたね。

 クゥ・クランの一人称を主として進行するストーリーはまだ第一章の途中なのでよく分かりませんが、とにかく文章が読みやすくて且つ面白く、襟を掴まれたみたいにぐいぐいと引き込まれる。去年の同じ2月に出た『Forest』では「ウィンドウに表示されない文章を音声で流す」という演出を頻発し、プレーヤーを幻惑しましたが、今回はその演出を「主人公のリーディング能力によって読み取られた心の声」などといった分かりやすい方面へ割り振っており、大きな混乱は起きない仕組みになっています。「『Forest』はやりすぎた。今は反省している」と自供するかの如く、広範な層にアピールせんとする必死さがヒシヒシと伝わる冒頭。良くも悪くも同じ徹は踏まないブランド、ライアーソフト。かつて恒例となっていた巨大バグもないらしく、ようやく「嘘と蟲の会社」というイメージからも脱却しつつあるようだ。

 「橋」の話題すら触れていない今のところ、「一人十字軍」グリエルが気になるキャラです。片目瞑りの狂信者。実際真似してみようとすると瞼が引き攣りそうになる。


2005-02-18.

・え? 『バクト』ってヴァン・ヴォークトの略じゃなかったの? とシラを切ってみる焼津です、こんばんは。第4回富士見ヤングミステリー大賞は受賞作よりも最終候補作の方が人気という状況に陥っているため、1月分を回避して2月の『風月綺』『Bad×buddy』のみ確保。イラストに恵まれているのが最終候補作たちの方ってのはどういう了見でしょう……。

・『Tears to Tiara』、また延期したそうな。3月から4月へ。どうでもいいですけどこのタイトル、見るたび『TALK to TALK』を思い出します。

・電撃の新刊、大賞の『ルカ』読了。

 ルカと聞くとどうしても「涙目」を付けたくなるのは当方だけでいい。以前は「2年に1度」と呼ばれ、偶数回しか大賞が出ないというジンクスが囁かれていた電撃賞ですが第9回からこっち、3年連続で大賞作品が出続けております。そろそろジンクスも終焉ってことでしょうか。ところで応募時のタイトルが著しく某少女マンガを彷彿とさせる代物だったために受賞前から違う意味で注目を集めていた本作、あとがきを見る限り、作者はかなり後悔しているみたいです。

 人類最後の子供でありながら、既に人類が滅亡していることを知らずに育てられた少女。死の荒野と化した外へ出て行くことができないせいで、地底シェルターが彼女にとっての「世界」そのものとなっていた。もちろん、それがいつまでも続くわけはなく、やがて真実を知るときが訪れて……。

 閉鎖的な楽園世界、という設定は同じ電撃だと『ウィザーズ・ブレイン2』、他レーベルでは『戦略拠点32098 楽園』を連想しますが、この手の話は「パラダイス」というより「ユートピア」といった感じでどことなくネガティヴな雰囲気を漂わせているのがお約束。あらかじめ滅びを予定した物語に相応しい展開を見せる。

 正直、文章面で言えば大賞三作品の中でもっとも見劣りする。読みやすいし分かりやすいが、表現があまりに「そのまんま」過ぎて拙く映ることがしばしば。しかし、三作品の中でもっとも計算高い作品も、この『ルカ』だと思うのです。技術的にはアマチュアながら、いや、むしろ技術的にアマチュアだからこそ完遂できる「技」もある。読み終わってまさに「これは大賞にする意味があったんだ」と納得しました。出来として大賞に相応しいというよりも、他の二作品と対比したうえでこれを最上位に持ってくる意図が面白い。

 全体的に見ると、今回の大賞は期待していたポイントが軒並み外れてしまいましたが、期待してなかった部分で楽しんだところが多く、良かったのか悪かったのか、なんとも判じがたい。どれも一長一短で荒削りな箇所が目立つのは、ある意味で当方好み。


2005-02-17.

・入金してから24時間経過しないうちに『SEVEN BRIDGE』が届いて通販の恐ろしさを思い知った焼津です、こんばんは。通販ってこんなに早かったのか。初FG。ただ、忙しくて未だに開封していない罠。

スーパーダッシュ文庫の新刊ラインナップ

 『銀盤カレイドスコープ』の4巻に『電波的な彼女』の2巻と3巻、『よくわかる現代魔法』の5巻。購入予定の本が結構あります。創刊当時は『R.O.D』しか買うものがなく、長いことチェック怠り状態が続いたSDですが、最近は新人賞が好調で海原零、桜坂洋、片山憲太郎と3人もデフォ買い指定作家ができた次第。「ダメっぽいと思っていたのにいつの間にか……」というパターンはMF文庫Jも当てはまるか。ダメっぽいままなのがファミつ(ry

・電撃の新刊、金賞の『ひかりのまち』読了。

 最初数ページ読んだだけで「これは間違いなく傑作になるぜ」という予感をヒシヒシと抱かされる作品というものがあります。ライトノベルだと『とある魔術の禁書目録』がそうでした……と書くとしょっぱい顔をする人がいるかもしれませんがそれはそれとして、本読みは大抵己の磨き上げた感性やら嗅覚やらに自信を持っており、ついつい何かの機会で自慢したくなるものです。まあ、それ聞いて感心する人は滅多にいないけど。

 こうした「名作の予感」が外れることは、いかな本読みであれ、割と多い。「プロローグを読んで面白いと思った作品は漏らさずアタリだった」とか言ってる人は単に外れたときのことを忘れているだけじゃないのかと思います。で、この『ひかりのまち』。前半は「面白い、当方好みだ」と夢中にさせてくれました。電撃小説大賞の雰囲気とともに日本ファンタジーノベル大賞作品っぽい味わいもあり、文章の紡ぎ方一つを取ってもさりげない気配りが感じられてやたらツボにハマる。あっという間に前半が尽き、これがつまらないわけがない、と俄然期待して後半も読み進めた。

 あれです。確かにつまらなくはなかった。しかし、負わせた期待の念に沿う盛り上がりもなかった。閉鎖的な箱庭世界を舞台に、延々暗い夜が続く「日黒期」を始めとした諸々の謎を解き明かしていく展開はワクワクするものの、肝心の「解決編」が迫力不足なのは惜しい限り。焦点がブレているというか、読者の見つめていた先とは違う地点で作者が語り出してしまうような認識のズレを感じました。詰め込みすぎで狙いが通じにくくなってるし、絞りも甘い印象がある。あまり読み手を意識していない書きぶりのせいだろうか、折角の伏線までもが味気なく見えた。残念。

 というわけで、前半で稼いだ点数が後半で帳消しになり、落ち着いた先は「やや良かった」という感想。ベースとなる部分は好みだし、次回作が出たら出たで期待してしまうかも。でも続編は結構。


2005-02-16.

・仕事中にウトウトしていたら、「やあ、おにいちゃん。羊たちはまだ沈黙しているかな?」と某サイコキラー似の妹が登場する『レクタープリンセス』を幻視した焼津です、こんばんは。さすがに目が冴えました。

『皇国の守護者9』、2/25刊行

 今月末発売予定、と囁かれつつも一向に確定情報が出ず、すっかり諦めムードが流れてやさぐれかけていたファンたちを驚倒せしめた事触れ。立ち読みも可能。ラ板作者スレの「なんという満足感だろう。/新刊予告が嘘でもこれだけであと2年は待てる。」という書き込みが、待つことに慣れた歴戦ファンの喜びと悲哀を実感させる。2年半の放置を経験した古兵にとって前巻から1年という期間もさしたることがないのだろうか。

バレンタインモーラ絵(山武屋)

 噛まれたら何かがエマージングしそう。ラブリィというよりラヴィ。

・電撃の新刊をゴリゴリと崩しています。銀賞の『奇蹟の表現』は読み終わり。

 『奇蹟の表現』、サイボーグやクローン人間が闊歩する近未来を背景に、元犯罪組織のボスで現サイボーグの主人公が、修道院を舞台としてキリスト云々の陰謀に巻き込まれていき、やがてひとりの少女を救うため死地に赴く……という、高畑の推薦文通り『レオン』げな武骨男と頑な少女のストーリーだけど、海外的な雰囲気の割にキャラが「シマ」「ナツ」「ミクニ」「サカザキ」などカタカナの和名で、しかもキリストや聖人を話に絡めてきており、どうも設定がチグハグに見えてしまう。全体のまとまりがいま一つ。『レオン』抜きで語ると推しにくい。だが、やはりシチュエーションがオイシイことはオイシイし、楽しめることは楽しめた。ぶっちゃけ敵が弱いせいもあってアクション部分はあまり盛り上がらないが、主人公も実はそんなに強くはなく、ボロボロになりながら戦う様を淡々と綴るあたり、先月読んだ『ゴスペラー』同様静かに燃える熱さを感じる。

 地味だしロマンス要素は皆無だし、印象に残りにくいものの、もし続きが出たら買ってしまうかもしれない。主人公とヒロインの微妙な関係がどうなっていくか目撃したい仄かな心情。


2005-02-14.

・エロゲーを取り扱っている最寄の電機店よりも通販の方が安いことが判明し、急遽『SEVEN BRIDGE』を通販予約した焼津です、こんばんは。地方の事情があるとはいえ、秋葉原に慣れた身に「希望小売価格の1割引程度」はツラい。

『灼眼のシャナ』、コミック化

 作画担当は笹倉綾人……って、え? 『少女流幸福攫取論』の? 知らなかった。いや、素でビックリしました。それはそれとして新刊の9巻、相変わらず読んでいてニヤニヤしてしまう、とても人前では読めない面白さに満ちていて堪能。最初はそんなに入れ込んでなかったんですが、いつの間にかすっかりハマっております。

・西尾維新の『ネコソギラジカル(上)』読了。

 副タイトルの「十三階段」を打とうとして「潤さん怪談」とミスタイプしてしまったが、あながち間違っていない気もする。2002年開始当初は破竹の勢いで5冊も刊行された戯言シリーズ、2003年は『ヒトクイマジカル』1冊しか出ず、2004年に至っては番外編(しかもネットで発表済)の『零崎人識の人間試験』が刊行されたのみで、9月から11月に連続刊行されるはずだった『ネコソギラジカル(上・中・下)』も延期してしまったため、ファンは『ファウスト第3号』の「零崎軋識の人間ノック」でどうにか渇きを癒していた状況でした。こうして遂に出版された上巻を手にしても「待望の……」というより単にぐったりした気分を得てしまいます。待ちに待っているといろんな感覚が鈍くなってくる。

 そんなこんなで戯言本編を読むのは1年半ぶり。実に久々でした。だいぶ作風が落ち着いてきてテンポがまったりしているというか、他のシリーズに比べて改行が多い点に目が行きましたけど、読みやすく且つ面白い内容に変わりはなく、散々待たされ焦らされたことも読み耽っている間は気にならなかったです。仄めかしや韜晦が鼻に付いたこれまでと比べて噛み砕いた平易さが目立っており、ああ、これは本気でシリーズを完結させるつもりなんだな、と実感。「物語の終わり」と「世界の終わり」を同質化させるあたりなどメタっぽい要素も多いが、案外と即物的な作風をしている西尾なら観念ワールドへ逃げ込んで独自アクロバティック理論を展開した挙句メタメタな独り合点じみた幕を下ろす、ということもないかと。期待しています。

 それにしても、中巻と下巻が「刊行時期未定」というのは痛いなぁ。来月出るらしい『新本格魔法少女りすか2』で飢えをごまかすとするか。

・本気で忙しかったため、今日があの日であることをまるきり忘却しておりました。委細問題なし。ということにしておいてください。


2005-02-12.

・狙った新刊は無事すべて購入。しかし複数の書店を回らないと揃わないあたりにしょっぱいものを感じた焼津です、こんばんは。『ちーちゃんは悠久の向こう』がそろそろ読み終わるので、次はネコソギに着手しようかと。ちーちゃん、悪くはないけど、特に優れた面白さや目新しさを感じないのが難かな。仕組まれた「胸糞の悪さ」を楽しむ部分はあれども、作者と同等の若さが読み手に要求される部分も多く、あと一歩のところでノリ切れない。「暗くないのに悲惨」という作風は気になるから今後も注視してみるつもりでいますが、さてはて。

ハヤカワ文庫JAの新刊予告(読丸電視行)

 飛鳥彼方さんのサイトを経由しての孫リンク。冲方丁の『ばいばい、アース』、遂に文庫化されるんですか。図書館で一度読んだきりだったけど、そろそろ読み返したい頃合でした。あのガリガリと荒削りな勢いが好きだったので、大掛かりな加筆修正はしてほしくないなぁ。というか、文庫にするとなると4、5分冊くらいになるんですかね。

 他の新刊も読みたいものばかり。ちゃんと年内に発売されてほしい。でも、飛浩隆の『空の園丁』はどうなっているんだろう……あれは年内どころか、『グラン・ヴァカンス』が文庫化するまでに刊行されるかどうかって気がします。

「魔法少女奇譚症」

 上にも書いた飛鳥彼方さんのサイトで公開された新作。「魔法少女忌譚修」の外伝に当たります。「七城玖式が七城玖式ではなかった頃の話」とのこと。魔術と奇術が咲き乱れるバトルロイヤルなサバイバル・ストーリーになる模様です。やはり「殺し合い」という字面にはワクワクするなぁ。登場人物も豊富みたいで、差し当たっては続きを期待。

・今井神の『ニードレス(0〜2)』読了。

 第三次世界大戦の影響によって壊滅した東京の一部は、壁に囲われて封鎖された。そして多くの難民が雪崩れ込んで住み着いた結果、ゲットー化。人が居住しながらも電気さえろくに通わないため夜は漆黒に沈む区域──外側から「ブラックスポット」と呼ばれるに至る。何らかの兵器がもたらしたとされる汚染に耐えて生き抜いた居住者たちの中には、いつしか異常な能力を手に入れた超人が誕生していた。「必要なき者(ニードレス)」と忌避されるほど強力な存在である彼らは、無法の町と成り果てた閉鎖世界でそれぞれの理由を負って戦い続けていた……。

 状況設定は端的に言えば『スクライド』。『北斗の拳』的荒廃と異能アクションをミックスした内容は当方が勝手なイメージとして抱いている「ウルトラジャンプ」の像にとても馴染んでくる。能力を発動させた途端デカデカとしたフォントで技名が表示される演出とか、もはや泥臭さスレスレの部分もあるけれど、全体的に勢いがあって楽しく読めた。『スクライド』は『スクライド』でもコミック版のノリに近い。

 一番最初に刊行された『ニードレス ゼロ』は短編集。「ブラックスポット」を舞台としつつも一話ごとにキャストが入れ替わる(たまにリンクする)構成となっており、シリーズの雰囲気を感じ取るにはうってつけかと。1巻以降の本編は分りやすい敵役が出てきて、ストーリーの核となる要素も明かされていく。遅くもなく早くもないちょうどいいスピードで展開するが、やはり短編集と比べてバラエティに欠き、アクションのゴリゴリしたところが目立ちがち。シリアスな場面でも激しいギャグが挿入される辺り、「作者は定期的にアホネタをやらないと酸欠を起こす体質なのではないか」とすら思わされる。

 短編では慇懃キャラだったくせに本編では唯我独尊の狼藉者になっている神父がどうも主人公らしく、作者は「ラスボス」とまで言っている。敵幼女に向かって「全裸で俺のケツを舐めろ!」と言い放つ彼は誰かに滅ぼされてしまっても違和感がない辺り、なるほど、まさしくラスボス的。臓物がはみ出るようなグロ描写も要所要所で見られるし、「萌え」というより「エロ」なカットも多いしで、やっぱりウルトラジャンプっぽい作品です。それでいて変に爽やか。不思議だ。

 今のところグダグダ感はなく、ちゃんと話が進んでいる。作者のHPを見ると、原型があって既に大枠はできているようなので、『ゼロ』とのリンクを期待しつつ今後も本編を追いたい。

 ちなみに気に入ったキャラは「セカンドサイト」の亜式。凶悪だからというより、ぶつぶつと独り言を垂れ流す危なさがツボ。にしても「判決死刑」の神父、妙に記憶を刺激して既視感を誘うのですが、何なのだろうか……何かで似たようなキャラがあった気がするんですけれど。


2005-02-10.

『ハチミツとクローバー(6)』『シグルイ(3)』を同時にレジに出してしまう、それが当方クオリティ。こんばんは、どっちも愛読者の焼津です。というか昼休憩に『シグルイ』を1巻から読み直していたらのめり込んでしまい危うく遅刻しかけました。慌てて職場に駆けつけると「これ、面白いなぁ」と母が勝手にハチクロを読んでいたりする。ステキな仕事環境ですね。

『終わりのクロニクル3』もようやく目を通し切ることができました。上・中・下と3分冊で、ページ数を合計すると1100を超える。ほとんど狂ったボリューム。主人公の佐山・御言がどんどんエロく且つ冷静にイカレていく有様が非常に痛快。どこに向かってアヘッドしてやがんだ、彼は。このAHEADシリーズが「あへ」呼ばわりされる責任の一端を見た気がする。他のキャラも揃ってイカレていることもあって楽しさは已むことなく、ダレずに最後まで読めました。ただ次の4を着手するのはもう少し経ってからにしよう……あのノリをもう一回繰り返すのはいろいろと危険な気がします。

「うまい米食べたい」 コシヒカリ万引き容疑で農家起訴

 動機について「自分の作った米はまずい。たまには県外産のうまい米を食べてみたかった」と話しているという。

 なんて農家の風上に置けない犯罪なんでしょう。捜査幹部のコメントでオチが付いている構成に笑いました。

誕生日が2カ月離れた双子

 一瞬、「それって双子なの?」とバカな質問をしそうになったニュース。弁慶や伊良子みたいに単に遅れて出産された、という逸話はあっても、こういう話はあまり聞かない気が。

シグルイ・イン・ライブラリー(C-WWW)

 「伊良子」の字を確かめようとヤフってみて引っ掛かったページ。ちなみに当方は同時期に読み出したせいか、シグルイとハチクロがたまに脳内で混ざります。

 真山への思いをしゃぶり尽くした上で
 そいつを踏み台にして…
 天下の山田あゆみとなる!

 未練である。
 未練がモルヒネのように失恋の痛みを麻痺させているのだ。

・明日は休日なので本屋に寄って新刊を買い込んでこようと画策しています。果たして講談社ノベルスや電撃文庫の新刊は出ているのか……。


2005-02-07.

『ジンキ』『ジンキ:エクステンド』、10冊まとめて購入して帰宅。

 ( ゚д゚)<あ、それ必要経費で落ちるよ。
Σ (゚Д゚ )<えー!?

 給金は安くとも図書費が出易い環境につき、差し当たって不満のない新生活。

2004年下半期の2chライトノベル大賞、大賞を制したのは……

 おお、あれですか。意外。出たのが年末だっただけに、読み終えている人の割合が少なくて票が集まり切らないのでは……と思ってましたけど。うん、どうやら余計な心配だったようです。今回は実に粒揃いで、1位と2位はともかく、3位以下は伯仲している。かなり見栄えのする結果になったのではないかと。

・すっかり忘れていましたが、2月の予定。

[本]

 『デスノート(5)』/小畑健、大場つぐみ(集英社)
 『HUNTER×HUNTER(21)』/冨樫義博(集英社)
 『武装錬金(6)』/和月伸宏(集英社)
 『ちーちゃんは悠久の向こう』/日日日(新風舎)
 『ネコソギラジカル(上)』/西尾維新(講談社)
 『松浦純菜の静かな世界』/浦賀和宏(講談社)
 『灼眼のシャナ9』/高橋弥七郎(メディアワークス)
 『空ノ鐘が響く惑星で6』/渡瀬草一郎(メディアワークス)
 『ルカ』/七飯宏隆(メディアワークス)
 『ひかりのまち』/長谷川昌史(メディアワークス)
 『奇蹟の表現』/結城充考(メディアワークス)
 『少年トレチア』/津原泰水(集英社)

 やはり田舎だけあって本の入荷が遅いです。デスノとHHは購入できましたが、武装錬金は未だに並ばない。五つもの新人賞を獲得して話題になっている日日日、ちーちゃんは店頭に並ぶっぽいけれど、『私の優しくない先輩』に関しては入手困難の雲行き。わざわざ取り寄せを頼むほどの関心はないので、「もし見かけたら買う」ということにします。ネコソギは長かった……かれこれ5ヶ月の延期。中巻と下巻も急いで欲しい。浦賀のは新シリーズらしい。電撃の新刊は大賞作品3作を押さえつつ、脂が乗ってきている2シリーズの最新刊もゲットする予定。津原泰水は皮膚感覚に訴えかける文章を描き出す才能に優れた作家であり、ハードカバーで買い逃したトレチアも無論チェック対象。今年はなるべく積読を減らしたい。

[ゲーム]

 『SEVEN BRIDGE』(ライアーソフト)

 一点買い。実家近くでエロゲーを売っている店に関しては心当たりがありますけど、いっそ通販に頼った方が確実かなぁ。『STEEL』『南国ドミニオン』『School Days』『咎狗の血』あたりも気になるところですが、これらは評判待ちということで一つ。


2005-02-05.

・実家に帰った事情は一身上の都合というより単に自業自得。こんばんは、焼津です。新しい環境に適応すべく奮闘する今日この頃。更新は不定期化する気配が濃厚です。

 やっと荷物も届いて、今はライトノベルを読み耽っております。具体的には終わクロ3。『漂流街』の方は読み終わりました。頻出する決めゼリフ──「しゃぶってくれ」。いつも通りの馳小説ですが、いつも以上に救いがない。

・沈黙の天使こと『ANGEL TYPE』、ようやく発売予定日が3月25日に決まったようで一部に半信半疑の喜びが流れている模様。確か一番最初の予定が2001年の夏頃で、延期を重ねた結果、年末に発売中止がアナウンスされたんですよね。minoriによるサルベージが発表されたのが翌年の10月末。そこからの長い長い停滞。「またポシャるんじゃ……」と不安の果て、遂に今日へ辿り着いたわけです。長く数えて3年半、短く数えても2年ちょっと。あの『SNOW』でさえ2年ですから、その凄さは推して知るべし。ATの名はほとんど都市伝説の領域にまで逝きかけてました。

 当方がATの存在を知ったのは「佐倉詩希だけど質問ないよね」スレが原因。なりきり質疑応答スレの割にはひどくネガティヴな雰囲気を発していた場所で、ROMっているうちについつい興味を惹かれていった。発売中止あたりから関心は随分目減りしてしまいましたが、とりあえず事態の推移を見守るつもり。

sfさんのパソコンは修理が終わったみたいですが、sfさん本人と入れ違いに帰ってくることになるようで……そういうわけで「魔法少女忌譚修」の第七話、もう少しお待ちください。すみません。


2005-02-02.

・やっとHPを更新する気力が出てきた焼津です、こんばんは。実家に到着しましたが、着いて早々に家業を手伝わされてます。しばらく引きこもってダラダラ読書するつもりだったのに、見事にアテが外れた。そう甘い話はないですか、やっぱ。

・荷物はまだ届いてないので実家に置いていたものを読んでいます。馳星周の『漂流街』。長い&忙しいゆえ、いつになったら読み終わるやら……合間合間にライトノベルも崩すつもり。

「ライトノベル批評サイト」によくある光景(推定天使−D.G.S−)

 一項目からしてドンピシャなので思わず笑った。うちは厳密には感想サイトなので書評や批評といった意識はあんまりないのですが、だいたいは符号する次第。『・続編もので面白くない場合、「次」に期待する。』のはモロにそうです。「面白くない場合」というのがポイントで、「つまらない場合」は「次」にすら期待しませんね。ただ、「面白い場合」でも「次」に期待するので、逆(『「次」に期待する場合、続編もので面白くない』)は成立しませんが。

 それと『・最後に「○○○(作品名・作者名)が好きな人は、多分楽しめる」と書く。その場合、その後には「ハズ」「かも」「と思う」など自信がなくて曖昧に濁す。』、当方はテレビでよく使われる「是非○○してみてはいかがでしょうか」みたいな言い回しが嫌いなのでなるべく確言したいのですけれど、それでも言い切れないあたり、気の弱さを露呈しています。


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