2020年11月〜12月


2020-12-26.

・折込チラシに載っていた『機械じかけのマリー』という漫画が面白そうだったので即ポチしちゃった焼津です、こんばんは。

 あらすじによると、人間不信な御曹司・アーサーが「機械で出来ている」という触れ込みのメイド・マリーを雇って溺愛するのだけど、アンドロイドというのは大嘘で、彼女はがっつり生身の人間だった……! ってコメディ。「機械のメイドに依存するおぼっちゃまって最近何かで見たな……」と既視感を覚えたが『俺は星間国家の悪徳領主!』だった。ともあれ絵もイイし設定もイイしで「買うっきゃない」となった次第。しかし花とゆめCOMICSを購入するのなんて何年ぶりだろうな……『カラクリオデット』の完結が12年前で、それ以来あまり追わなくなった記憶があるからガチで10年ぶりくらいなのでは? 残念ながらまだ手元に届いていないので読むことはできないけど、年末年始の休暇中にじっくり堪能する予定です。

『我が驍勇にふるえよ天地』、来年2月に2年ぶりとなる新刊(10巻)を刊行予定

 「もう続きは出ないんじゃないか……」と諦めかけていたところにこの報せが舞い込んだもんだから欣喜雀躍しましたわ。副題は「アレクシス帝国興隆記」であり、読んで字の如く「アレクシス帝国」という大陸再統一の偉業を果たした超大国が興隆していくまでの過程を綴る異世界戦記ファンタジーです。開始時点でアレクシスは国じゃなく単なる一地方に過ぎず、しかも隣国の侵略によって占領されてしまった状態。そこから奪還して再起する様子を英雄譚のノリで描いていくわけなんですが、話が盛り上がってきた9巻でふっつり刊行が途絶えてしまった。「作者の健康上の理由」と噂されたものの、『我が驍勇〜』が塩漬けになっている(コミカライズは続けていたけど)2年間のうちに5冊も違う作品を出しているような状況だったので再開は難しいのかな……と暗い顔をするしかなかったわけです。経緯は知らないが、何であれ10巻がようやく発売されるってんだからめでたいねぇ。最強クラスの武力を誇る主人公が周りに支えられながら様々な暴虐と謀略へ立ち向かっていく爽快感のあるストーリーに仕上がっており、恋愛面がちょっと弱い(想いを寄せる参謀ヒロインはいるのだが、肝心の主人公が朴念仁なので……むしろサブキャラたちの方が三角関係とかで盛り上がる)ところを除けば隙のない娯楽作品です。戦記モノゆえ映像化は難しいだろうが、何とか完結まで漕ぎ着けてほしい期待のシリーズだ。

 ちなみに最近読んだライトノベルで面白かったシリーズは『嘆きの亡霊は引退したい』。「千変万化」の異名を持つトレジャーハンターとして恐れられている主人公だが、実はそのへんの通行人と喧嘩しても余裕で負けるレベルのクソザコであり、危険な稼業からはさっさと足を洗いたいと願っている。しかし持ち前の豪運(悪運?)と周囲の忖度によってあらゆるトラブルが何となく解決してしまうため、引退したくてもなかなかできない……という「勘違いで最強だと思われている」コメディ系ファンタジーです。会話は基本的にアンジャッシュ状態で進み、至って思慮の浅い主人公なのに相手が勝手に深読みして「な、なんて奴だ!」と戦慄してしまう。『オーバーロード』『エリートヤンキー三郎』を足して割ったような作品。コミカライズ2巻の表紙を飾っている女の子(ティノ)が可愛かったという理由で衝動買いしたけどアタリでしたね。FGOのクリスマス周回している間ずっと読み耽っていたせいであっという間に最新刊(5巻)まで追いついてしまった。次の6巻は2月まで待たないといけないのが辛い。今は『オーク英雄物語』の2巻『転生前は男だったので逆ハーレムはお断りしております』の2巻を並行して読み進めているところ。

「のんのんびより」あと3話で完結!「はがない」コミカライズも10年の連載に幕(コミックナタリー)

 『のんのんびより』が、終わる……? 理解の及ばない概念に直面して戸惑ってしまった。突然「空が終わる」とか「大地が終わる」とか言われたようなもんですよ、表情が「???」とバクるに決まってるでしょうが。えっ、それってレトリック的な言い回しではなく本当に連載が終わるってことなんです? デジマ? 無意識で「サザエさんのようにいつまでも続くもの」と認識していたから動揺が隠せません。

 連載開始が2009年で、ちょうどひと回りして同じ丑年に終わるわけですから漫画としては長く続いた方ではあります。アニメの1期目が2013年でもう7年経っており、「懐かしいなー子供の頃観てたよ」と言い出す世代も現れるタイミングである。打ち切りではなくきっと円満完結なのだろう。でも咄嗟に脳裏をよぎったのは「もはやこれまで」という言葉。来年から始まるアニメの3期目『のんのんびより のんすとっぷ』を呑気に待ち望んでいた頃の自分にはもう戻れない。1話1話、噛み締めるように惜しみながら視聴しないと……そしていたちのはがないコミカライズ、遂に終わったか。これに関しては「まだやっていたの?」と驚く人も多いだろう。関係ないけど、その方々には連載開始から13年経った今でも『壬生義士伝』のコミカライズが続いている事実にも驚愕してほしいものだ。作画のながやす巧はもうすぐ72歳になります。そう、『のんのんびより』の連載開始と同じく丑年の生まれです。なお、はがないの原作者である平坂読は『〆切前には百合が捗る』という新作を出したばかり。最近は百合を謳うライトノベルが増えてきて「百合以前にそもそも女性主人公のライトノベルは少年向けレーベルじゃ売れない、『スレイヤーズ!』は例外」と言われていた時代とは隔世の感がある。みかみてれんの新刊がいっぱい読めるので個人的には嬉しい流れだ。


2020-12-19.

『反逆のソウルイーター』4巻、前巻から少し間が開いたけど新章「鬼ヶ島死闘編」に突入してイイ具合に盛り上がってきていて喜ぶ焼津です、こんばんは。

 まだ「死闘」というほどバトルが激化していないけど現時点での主人公を凌駕する強キャラも続々登場し、今後が楽しみになってきた。なろう小説だけど、やってること自体は昔の伝奇バイオレンスみたいなノリでとても好み。あと今更知ったがコミカラズの作画って東條チカなんですね……『幼女戦記』のコミカライズをバリバリ描きながらコレも手掛けていたのか、と驚嘆してしまった。ライトノベルにしては刊行ペースがやや遅め、ということだけが不安材料のシリーズ。次巻以降も待ち遠しい、なるべく早めに出てほしい。それにしても主人公を追放した親父よりも元許嫁の子の方が得体の知れぬラスボス感を漂わせているな。設定的にも主人公の天敵じみた位置付けだと思われるが、果たしてこのまま殺し愛展開に向かっていくのだろうか。

【期間限定】「栄光のサンタクロース・ロード 〜封じられたクリスマスプレゼント〜」開催!

 とっとと義経チャレンジしたかった私はCMを見てもなお「最後に出てくる黒っぽい女性は引っ掛けでサプライズ義経ピックアップだ!」と強情に言い張ろうとしていたが、はい、普通にCMに出ていた新規サーヴァントがガチャ実装されています。真名は「ヴリトラ」。インド神話に登場する悪龍ですね。ビジュアル的には龍というより蛇のイメージが強いかしら。限定っぽい見た目をしているけれどイベント終了後も排出される恒常キャラである。2018年のクリスマスPUで追加されたブラダマンテと同じような扱いだ。クラスはランサー、配布のカルナサンタがセイバーだからそれに合わせたのだろうか。にしてもクリスマスPUサーヴァント、槍多すぎじゃない? ☆5である6騎(ジャック、イシュタル、エレシュキガル、ブラダマンテ、剣トルフォ、ヴリトラ)のうち半数がランサーという見事な偏りぶりだ。

 義経待機のためガチャは回せなかったが、フレが引いていたのでヴリトラ借りてみた。アーツ全体宝具で、イベントだと特攻が乗るから申し分ない火力が出るけれど通常クエストだとやや低めに感じるかな。キャストリアと組み合わせて連射する運用が想定されるから、素の火力が高すぎると壊れ気味になってしまうという事情もあるのかも。短期決戦よりも中長期戦を得意とする感じの設計かな。全体攻撃宝具を持ったアーツ槍はこれまでフィンとラムダとエリセしかおらず、☆5としては現状唯一の存在だから初心者が引けばきっと重宝するだろう。キャラ的には古風な喋り方をする人外ヒロインといった趣で、「水浴びでもしてくるかのーう?」のところはちょっと可愛かった。平然と溶岩水泳しそうな強さではあるが、正直言って溶岩水泳部と絡める方法は思いつかないな。

 さておき始まりましたクリスマス新イベント。月曜に幕間キャンペーンが始まったから早くても金曜開催だと思ってのんびりしていたのに、前日になって「水曜開催、つまり明日!」と告知してくるFGO運営め……毎度のことだがもうちょっと早く報せることはできなかったのか? FGOとしては初の男サンタ(奇妙な表現だ)ながら、ベースが施しの英雄とあって違和感はまったくない。なぜかボクサースタイルになっていることが気になるが。カルナ、ボンバイエ! カルナ、ボンバイエ! と、ちょっと前にスターチャンネルでやっていた『ALI アリ』にたやすく影響される我。しかしマイケル・マン監督作品とは思えない出来で驚いたわ、『ALI アリ』。

 クリスマスイベントなので当然ボックスガチャです。取り急ぎ必要な素材は今のところないけど、塵はいくらあってもすぐになくなるし、林檎もいっぱい余っているから頑張って周回するつもり。これ終わったら今年はもう大きなイベントないだろうし、警戒すべきは元日開始のピックアップと1月10日前後に始まるであろう例のアレである。できれば元日の方はスルーしたいのであまり私を誘惑しない新鯖で頼む。

・拍手レス。

 わあ次郎衛門を放り込みたい絵面。前妻後妻前妻の仇自分が殺した相手とバラエティに富んでますね!
 ロスフラ世界に来たタイミング次第でお互いに面識がない可能性もあるけど、「直後」だったらメチャクチャ居心地悪いだろうな。

 まさかの痕コラボ...こうなると他のリーフ作品の登場も可能性高そうですね
 旧人類(オンヴィタイカヤン)は極力ロスフラ世界に滞在させない方針らしい(ハクも来てすぐに帰った)ので、定住させるとしたらメイドロボ系かしら。


2020-12-12.

『異世界迷宮でハーレムを』TVアニメ化企画が進行中 最新11巻も12月28日発売へ(ラノベニュースオンライン)

 流行りを通り越してもはや定番化しつつある異世界転生モノのアニメがまた一つ増えるわけですが、これは割と古参の作品ですね。なろうでのタイトルは『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』だが、さすがに「奴隷ハーレム」はマズいと判断されたのか書籍化に際して「奴隷」の二文字が外された。お察しの通り「ポリコレ? 知るかボケ」な欲望充足ファンタジーである。連載開始が2011年で書籍化開始が2012年(年末だったからほぼ2013年)、年に1冊か2冊というライトノベルにしては緩めの刊行ペースでほそぼそと続いてきたシリーズでもある。私は3巻の途中までしか読んでないからあまり詳しく語れないが、少なくともその時点においてストーリーらしいストーリーはほとんどありません。新手のネトゲと思い込んでパソコンであれこれパラメータを設定していたら、いつの間にか異世界に転移していた……という、ちょっと時代を感じさせる導入です。「ダンジョンへ潜る→敵を倒して自己強化しつつドロップアイテムを拾う→町で換金して装備や生活費に変え、残りがある程度貯まったところで奴隷を買う」、これが本シリーズのルーティーンです。王国の命運がどうのこうのとか、魔王の軍勢がどうのこうのとか、そういうファンタジーっぽいお膳立ては一切なく、ひたすら「ダンジョン探索者の日常」が続く。物語にスリルやどんでん返しを求める人が読めば退屈すぎて眠気に襲われてしまうかもしれない。

 いったいどこらへんが魅力なのか、と考えると「自分がダンジョン探索型RPGをプレーしているような錯覚に陥る細かさ」でしょうかな。本シリーズもなろう小説の例に漏れずスキルやステータスといった概念があるRPGチックな世界を舞台にしているが、どのスキルがどんな効果を発揮するのかいちいち親切に教えてくれる仕組みにはなっておらず、実際に使ってみて検証する必要があります。条件を満たしていないので発動しない、なんてこともままある。神様や神様の使いといった便利なナビゲーターが存在しないので、自分で実地に調べるなり、現地の住人たちに訊ねるなりして確かめないと現状を把握することができない。とにかく何でも検証する検証魔な主人公が頼もしい。作者が一番書きたいのは奴隷ハーレム云々ではなくこの「検証」の部分なのでは? という気がしてくるほど飽きもせず延々と調査・分析・理解・習得の過程を繰り返す。「ゲームめいた世界」の中で主人公が少しずつ強くなっていく様子を丁寧に描写しており、「波乱万丈の英雄譚」ではなく「ダンジョン攻略に淫する疑似体験」という形で快楽を提供するタイプのシリーズになっている印象です。主人公は購入した奴隷にエッチなことをするけど、「戦力」としても活用する。当初はやむなくソロ攻略に励んでいた主人公がパーティを組むようになっていく変化も面白さの一つ。

 原作だと濡れ場にはさほど力を入れていないので、エッチなところを愉しみたいのであればコミカライズ版の方がオススメ。あと、主人公は正義漢じゃなく欲望に忠実な少年ですから「気高い精神」とかは求めない方が吉である。タイトルに「ハーレム」と入っている作品に気高い精神だの何だのを求める人がいるとは思えない(ほとんどの人が求めるのはポルノ要素だろう)けど、念のため。そのまま映像化すると単調な話になりそうだからアニメ化は向かないと見ていたが、遂にコレも地上波に乗る時代がやってきたか……最近は原作人気以上にコミカライズ人気が重視されるらしく、古めのなろう作品であっても漫画版の出来如何ですんなり俎上に乗せられるようだ。そのせいか書籍化と同時に(あるいは書籍化に先行して)コミカライズを開始するパターンが目立つようになってきました。でもコミカライズって原作に追いつくまで物凄く年数が掛かるから積極的にチェックしようって気が起きないんだよな……本屋で堆く積まれているなろうコミカライズのうち、いったい何作が完結まで描き切れるのだろうか。そもそも原作に当たるなろう小説のうち、いったい何作がエタらず無事に完結できるのかって話なんですが。

【期間限定】「平安京ピックアップ2召喚」!

 そっち!? てっきりアヴェンジャー義経(景清?)の方が先に襲来するものと思ってドキドキハラハラしながら待機していたのに……アヴェンジャーなんてクリスマスや元日にピックアップするようなクラスでもない(来年は丑年だから牛若丸と掛けてって説もあるが)し、こりゃ“山の翁”衛士長のような「1月10日前後に実装される」パターンかなぁ。向こう1ヶ月は生殺しの気分を味わうことになってしまうんじゃが。その間呼符や石を貯められるというメリットはあるけれど。そんなわけで来週あたり始まるであろうクリスマスイベントのガチャは一切回せないことになりました。フレ各位にはどうかご容赦賜りたく。いや、源平合戦を題材にした「壇ノ浦のクリスマス〜浪の下にも都のティル・フォ・スイン〜」とかならあるいは……? もし来るのであればついでに牛若丸のモーション改修もお願いしたいけど、セイバーアストルフォが実装されてから随分経つのにまったく改修される気配がないライダーアストルフォという前例もあるんですよね。望み薄か。

 さておきピックアップ2の目玉は前々から存在が仄めかされていた酒呑童子の別側面「伊吹童子」になりました。口調からしてほとんど別キャラなのではないか、って気もする。クラスはセイバー、性能的には「攻撃的なスキル構成の全体無敵貫通宝具持ち」ですね。宝具強化前なので素の威力はさほどでもないが、強力な自バフと魔性特攻で高い火力を発揮できる。セイバーとしては現状唯一の「最大NP50獲得スキル」所有者です。全体無敵貫通宝具でNP50、という点ではアルトリア(ランサー)に似てるかな。槍トリアと違ってスト限ではなく期間限定鯖だが、そもそも「5.5章のスト限」なんて扱い的に期間限定とほとんど変わらないから大差ナシか。セイントグラフで見ると若干神ジュナっぽいが、TLに流れてくる第一臨のビジュアルは色黒イカ腹ラミアといった趣で特殊な性癖の方々に刺さりそう。

 んで、「地獄界曼荼羅 平安京」。英霊剣豪七番勝負の再演じみた風情で、出だしがのんびりしていて少し焦れたが、最終的には良い時代伝奇ストーリーに仕上がっており満足しました。道のそのへんをラフムみてーな土蜘蛛が闊歩しているとかどんな魔京だよ平安京、って感じですけども。というか平安武者の強さ、何かおかしくない? いくらキャスターの支援があるとはいえ超常的な存在に平然と立ち向かっていっちゃうし。チンピラをブチのめす感覚で化生どもを仏契める。源氏やべえ、そりゃ牛若丸もバビロニアで魔獣相手に「ぬるい、平家の駄馬にも劣るわ」とか言い出すわ。サーヴァント戦の「そうか、ロンギヌスを呼び出す瞬間を狙っていたのですね……!」みたいな倒し方には笑ったけど。考察とかを検索しているときに見かけた「源氏武者は魔法少女の変身中でも殴りかかりそう」というツイートに噴いてしまった。「出てくると主人公になってしまうから」という理由でアポクリファ出禁の憂き目に遭った金時が十全に主役を演じている姿、割かし感慨深いものがある。彼の精神がまっすぐで不屈過ぎるため、ストーリーに絶望感がまったく湧かなかったのは良いところであり悪いところでもある。個人的には義経さんの掘り下げと三下極まりないリンボマンの挙動が面白くて大満足。

 しかし「やめました」の件といい、あいつライブ感を重視しすぎだろ。「ライブ感のある悪事」ってフィクションにおけるヴィランとしては外せないポイントだから仕方ない面もあるが。格を投げ捨ててでもビックウェーブに乗ろうとする姿勢は買いたい。レクター博士のように「自分は頭が良いから何とかなる」と楽観し、用意周到なくせして肝心な場面では出たとこ任せを貫くリンボマン。何だかんだで人気があるのは「陰湿な楽天家」という特異なキャラクターの妙味ゆえでしょう。でもリンボマンというか蘆屋道満はここまで散々引っ張ったくせに最期が呆気なかったというか……更に数段階は足掻いてほしかったな。こんなんじゃ全然殴り足りねえよ……ンンンン、霊脈石もまだまだ余ってるからもっとしつこく復活してくれてもよかったのですぞ?

 それはそれとして。地獄界曼荼羅がメインインタールード行きとなったところで、6章のタイトルがようやく明らかになります。「妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ」、厄い雰囲気プンプンでたまらない。そろそろ順番的に奈須きのこ執筆のシナリオが来そうな雰囲気で期待は鰻登り櫃まぶし。配信は早くとも来年の春頃かしら。きのこのことだから大詰めに差し掛かったところで「やっぱり根本的なところを見直すでちゅ」とか言い出すんじゃないかって気がするから現実的には夏前ぐらいかなぁ。あと、ストーリーには関わらなかったが、卜部と碓井のキャスターについも設定だけはあるような雰囲気だからいったい誰だったのか気になるところ。

『うたわれるもの ロストフラグ』、クリスマスイベント「聖夜奔走 甦れ、さんたさん!」開催

 夏の水着イベント以来となる季節系イベントです。サンタやクリスマスの伝承が半端に残っていて成り行きから再現することになる、とかそういう雑なノリのアレでしょ……と舐めてプレー開始したら予想外の角度からネタが降ってきてブッ魂消た。

 

 

 アイエエエエエ!? 柏木四姉妹!? この令和の世に新規絵だと!? 古の葉ヲタが椅子から転げ落ちそうな不意打ちである。ぶっちゃけ絵柄が違うから初音似の子が出てくるまでピンと来なかった……元ネタわかる人も少なくなってきたと思うので念のため解説しておこう。↑の画像に出てくる四姉妹の元ネタはLeaf(アクアプラスがエロゲー出すときに使っていたブランド名)4本目に当たるソフト『痕』です。タイトルは「きずあと」と読む。画面に表示されるテキストをひたすら読んでたまに出てくる選択肢をクリックするだけの非常に簡略化されたゲーム、「リーフ・ビジュアルノベル・シリーズ」の第2弾として1996年7月にリリースされた。2002年と2009年、二度に渡ってリメイク版が制作されているが、2009年版すらもう11年前だからファン層のほとんどは30代以上である。ロスフラのターゲットがどのへんに設定されているか、この事実からも容易に窺い知れるであろう。

 『痕』は大学生「柏木耕一」が夏休みの期間中、従姉妹の経営する旅館「鶴来屋」で過ごす際に遭遇した怪事を巡る伝奇サスペンスであり、血と愛と記憶が交錯する鮮烈なストーリーでエロゲー界へ参入する前のリサーチを行っていた奈須きのこや虚淵玄に「18禁ゲーってこういうのもアリなんだ!」と衝撃を与えた一作です。極端な話をしてしまうと『痕』がなければ『月姫』や『Phantom』もなかっただろうし、Fateが世に出ることもまどマギが制作されることも恐らくなかったであろう。「柏木四姉妹」は主人公の従姉妹に当たるヒロインたちであり、長女の千鶴、次女の梓、三女の楓、四女の初音にそれぞれルートが用意されている。当時のユーザーたちは「柏木姉妹の誰派か?」という話題で大いに盛り上がったものだった。ちなみに私は千鶴派です。今回ロスフラにコラボ感覚で登場したキャラたちは何を隠そうこの柏木四姉妹……ではない。名前がリズエル、アズエル、エディフェル、リネットとなっています。『痕』ファンなら「うわあああああっ!?」と叫ぶ組み合わせだが、未プレーの人に向けてネタバレなしで解説するのは……無理だな。仕方ないので次の段からネタバレ全開で書きます、これから『痕』やるつもりの人はスキップしてください。

 単刀直入に申し上げるとロスフラに出てきた四姉妹は柏木四姉妹の前世に当たるキャラです。彼女たちは宇宙からやってきて地球に降り立った「エルクゥ」という種族であり、先天的に凶悪な狩猟本能と超強力なパワーを有していたため古来より「鬼」として語り継がれる存在になりました。なんやかんやあってエルクゥのコミュニティは壊滅し、人間との混血が進んでいったせいで子孫はもはや「エルクゥの末裔である」という自覚すら希薄になっています。柏木家の人々はまさしく「エルクゥの末裔」であり、同時に数百年前の世を生きたエルクゥたち(先述したリズエル、アズエル、エディフェル、リネット)の生まれ変わりである。ヒロインによっては前世の記憶をかなり受け継いでいたりする。回想でエルクゥが滅亡するに至った経緯も触れられるが、『痕』自体がそこまで長い話ではないので概要を押さえる程度に留まっている。前世エルクゥ四姉妹の中にはほとんど設定だけのキャラもいるぐらいです。なのでこうも堂々とソシャゲの季節イベントに出張してきた事態は「驚愕」の二文字に尽きるワケダ。エルクゥ絡みの設定はほとんど忘れていたから検索してあっちこっちのサイトを覗いたが、まだ結構残ってるんだな、葉鍵系のところ。

 あくまでクリスマスイベントのキャラとして登場するだけで、今後本編に関わってくる可能性は低い。そもそもロスフラの本編って既存のうたわれキャラがほとんど関わって来ず、概ねオリキャラだけで回しているからなぁ。なおクリスマス衣裳のエディフェルのみが配布で、現在はリズエルのPUガチャを開催中。リネットはまだ実装されておらず、じきにPUが始まる手筈となっています。アズエルは、うん、「クリスマス衣裳の用意が間に合わなかった」という理由でユニット化しないんだ……代わりにクリスマス衣裳のアルルゥが来ています。『痕』ファンを狙い撃ちにしたいけど、うたわれファンにも配慮しないと……という運営の苦労が忍ばれる。四皇女降臨でロスフラが気になってきた人(いるのか?)に申し上げますと、PU第4弾としてクリスマス限定キャラ3名全部が入ったガチャを24日から開始するので、リセマラしてでも姉妹を揃えたいならそれまで待った方がいいです。確率からして吐き気がするほど大変だろうからあまりオススメはしないが。私も無限引き直しガチャで目当てのキャラ(アルルゥ)と鏡(如何なる苦難をも)が揃うまで粘るつもりだったのに、あまりにも揃わないのでだんだん吐き気がしてきて「このへんで宜しかろう」と手打ちにしてしまったからな……いろいろ緩和されて遊びやすくなってきているし、「ストーリーさえ読めればいい」くらいの心持ちなら今から始めても全然余裕です。

・拍手レス。

 平安バベジン・・・
 おじさま……。


2020-12-04.

・店頭で見かけて何となく購入した『龍鎖のオリ』が割とアタリだったことに満足している焼津です、こんばんは。

 「小説家になろう」の連載作品を書籍化したもので、「実はすごい能力を有しているけど周りには隠している」タイプの少年を主人公にした学園ファンタジー。2011年から連載されているかなり古参のシリーズであり、なんと『Re:ゼロから始める異世界生活』よりも連載歴が長い。分量に関してはリゼロの方が多いのかな? あんまり探るとうっかりネタバレに接してしまいかねないので詳しく調べていません。

 最近のなろう小説よりも2000年代のライトノベルに近いノリで、あまり流行りに乗った作風ではないが、「2000年代のライトノベル」が未だに好きな私は安心して読めるので全然構わないっスね。呪いみたいなアビリティのせいで成長が見込めなくなって「落ちこぼれ」と冷遇・嘲笑され続け現実から逃避していた主人公が、ひょんなことから人の身に余る力を手に入れてしまう……という展開自体はベタベタなんだけど、制御が難しくて気軽に連発できず、下手すると暴走して惨劇を巻き起こしかねないため力を解放するタイミングは慎重に選ばないといけない、ってシチュエーションがスパイスになっていてうまく話を盛り上げてくれる。文章が少し生硬だったり、舞台となる世界のイメージにあやふやなところが多かったり、イベントとイベントの繋ぎ方がやや強引だったりと難点もあるが、「こういう物語が書きたいんだ」という熱意の伝わってくる内容で気に入った。あとがきを読んだ感じだと2巻の刊行は確定していないみたいだが、これでオシマイじゃあまりにも……なので、売れて無事に続刊できる未来が訪れることを祈っています。次巻以降は恋愛面も動くのかな?

原画:愛上陸、シナリオ:NATORI烏賊の『催眠学習-Secret Desire-』、2021年3月26日発売予定

 ブランドは「だーくワン!」。本ソフトがデビュー作となる新興ブランドで、細部を端折って端的に説明するとネクストン系列です。原画の「愛上陸(あいうえ・おか)」は同人誌として発行している『催眠性指導』シリーズで有名な18禁漫画家であり、商業でも『イジラレ』という「いじめっ娘グループに催眠術をかけて好き放題ヤりまくる」作品を描くほど催眠モノが好きなクリエイターだ。ちなみに「愛上陸」はユニット名で「waon」と「越前」の二人組。シナリオを担当する「NATORI烏賊」はエロゲーで数多くの催眠モノを手掛けてきたライターであり、『操心術』の「おくとぱす」ともども後続にかなり影響を及ぼしている。2001年の『催眠術』を皮切りに、これまで軽く10本を超える数の催眠エロゲーを物してきました。主人公だったりライバルだったりと、登場する作品によってポジションが変わる名物キャラ「村越進太」を生み出したことでも知られる。が、『催眠術3』発売時に「もう村越はいいだろう」とコメントし、以降は封印する方向へ舵を切った。最後に顔を見せたのは2014年の『催眠術Re』だったかな? 『催眠学園○年生』シリーズでは「初山啓太」というジェネリック村越なキャラを出しているけど。

 『催眠学習』は今年の5月に美少女文庫から発売された挿絵付きエロ小説であり、本ソフトはそのPCゲーム化という位置付けになる。エロ小説のエロゲー化はそう頻繁に行われるものではないが、過去にも「綺羅光」原作の『女教師・恥辱の旋律』がリリースされています。他は……なんかあった気がするけど忘れた。ともあれ『催眠学習-Secret Desire-』はNATORI烏賊曰く「小説には無かった追加シーンもあれこれ!」とのことで、小説版をベースにしつつ内容を強化したものになるみたいだ。価格は税抜きで3000円台、ロープライスだから大幅な追加は期待できないかもしれない。気になるのはだーくワン!の2作目以降の企画ですね。またこのコンビで催眠モノをやるのか、それともまったく別の路線にチャレンジするのか。とにかく来年の3月が待ち遠しいです。

【予告】第2部 第5.5章「地獄界曼荼羅 平安京 轟雷一閃」開幕予定!

 渡辺綱と「キャスターリンボ」こと蘆屋道満の実装は予想の範疇。マスターレベルの上限解放も嬉しかった。だが、一番気になったのはCMにチラッと映る牛若丸っぽいキャラ。牛若丸オルタのように見た目をちょっとだけ変えたユニークエネミーなのか、それとも私がずっと待望していた「源義経」なのか……判断材料が少な過ぎて何とも言い切れない。期間限定イベントだと水着以外でピックアップ2が来ることはほとんどないのですが、5.5章は常設シナリオ扱いみたいなので普通にピックアップ2が始まる可能性高いんですよね……なので道満と綱のピックアップはスルーして、義経(仮)が来るかもしれないPU2に備えます。来なかったら来なかったで呼符と石は新規クリスマスイベント(あるよね?)に突っ込む。

 それにしても情報量の多いアニメCMだった……「明らかに平安関係ないやろ!」ってサーヴァントも何騎か混じっているし。ひと際浮いてるパラケルスス(というかお前空飛べるのか)のチョイスに戸惑ったが、シナリオライターがたぶん桜井光(まったく作風を隠す気のないテキストで笑う)だからパラッキーは持ちキャラなわけだな。茨木・酒呑は当然として、紫式部や清少納言にも見せ場があるようで心躍った。けど玉藻の姿が見えないのはいったい……? 今回まさかの出番/Zeroなのか? 玉藻ファンってば冷遇され過ぎて憤怒の堰が決壊しそうになっとるんじゃが。開幕直前キャンペーンで「関連サーヴァント」として名指しされているし、「※第2部 第5.5章「地獄界曼荼羅 平安京 轟雷一閃」のメインストーリーには、上記対象サーヴァント以外のサーヴァントも登場する予定です。」という文言から察するに玉藻が出てこないなんてことはないはず。CMに顔を見せていないということは、よっぽど核心に触れる場面で登場するのか?

 あとはキャメロット公開記念に合わせてベディとアーラシュのモーション改修、およびベディの新規霊衣が来ます。轟雷一閃では狂金時の霊衣が追加されるし、見事なまでに男祭りだな。アーラシュに関しては「ステラの演出時間が長くなるのでは」と心配するマスターが多くて笑ってしまった。周回速度に関係してくるポイントだから気を揉むのはわかるが、ホント我々マスターはアーラシュに生きたままバトル終了の時を迎えさせるつもりがないんだな、と痛感したり。アーラシュの勝利ボイス、始めたばっかりの頃は何度か聞いた気がするけどもう思い出せない……何であれ、轟雷一閃の開催は4日金曜日、つまり今日の夕方だ。一気にやり込みたいところだけど、明日にはキャメロットもあるし夜更かしはできない。読みたい本も山積みだし、観たい映画も溜まっていて時間が足りねえ……最近は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が面白かった。『スーサイド・スクワッド』に比べてエロティックな雰囲気は減ったものの、ハイテンション&ハイスピードなムービーと化しており、常にエキサイティングなムードが漂っていて退屈しなかったです。『ザ・スーサイド・スクワッド』の公開も今から楽しみだ。

・拍手レス。

 >小林泰三先生 初めて読んだのは『ΑΩ』でした あのウルトラマンオマージュを経て、やがて公式にウルトラトリビュート作品を書くとは思わなかったな…… 心から残念でなりません
 『ΑΩ』は冒頭から悪夢じみた筆致で只事じゃない雰囲気を醸していて引き込まれたなぁ。『ウルトラマンF』が刊行されたとき、「ここまで来たか」という思いと「まだまだ先がある」という思いが同時によぎったものなのに……もう未収録作品と未発表作品以外で本が出ることがないだなんて、信じたくない気持ちでいっぱいです。

 「独裁者の掟」がSFギミックも展開もキャラクターも素敵で最高でした。
 「ブラックホールにはブラックホールをぶつけんだよ!」な短篇ですね。最後の一行が切ない。『海を見る人』に収録されてるけど初出は何処だろう、と調べたら『NOVEL21 少女の空間』だった。かどちん目当てで『少年の時間』は買ったけど少女の方はスルーしたから知らなんだ。


2020-11-29.

・TLに流れてきた画像から『極限痴漢特異点』なるエロゲーが発売されている(及び続編が来年発売予定である)ことを今更知った焼津です、おはようございます(夜間に更新しようと思っていたのにアップロードし忘れて朝になっていた)。

 痴漢モノは抜きゲーにおける定番ジャンルの一つだが、設定が『最終痴漢電車3』寄りっつーか原画が同じ人だし参加シナリオライターもちょっとだけ共通しているから実質的な後継作なのでは? 痴漢愛好会「蛮痴漢(バチカン)」だの、国際痴漢撲滅機構「イノセンス」の「断罪者(パニッシャー)」だの、痴漢たちによるバトルロイヤル「暴爛痴(アバランチ)」だの……主人公が駆使する技法にも「痴漢七十二指法」なるネーミングが施されていて、完全にノリが70年代や80年代の伝奇バイオレンスです。痴漢を狩る女装少年やら痴漢を掘る捕食者(プレデター)やら、主人公の前に立ち塞がるライバルキャラもかなり濃い。しかし一番ビックリしたのは『最終痴漢電車3』発売から既に10年が経過しているという事実だ。えっ、そんなに……?

『精霊幻想記』、TVアニメ化決定

 「小説家になろう」で連載され、HJ文庫で書籍版が絶賛刊行中の異世界転生ファンタジーがこのたびTVアニメ化とな(説明口調)。このシリーズ、もうすぐ出る最新刊が18巻というぐらい結構な長期作なんですよ。連載開始が2014年、書籍化開始が2015年でライトノベル界においては中堅程度のポジションだが、マイナーレーベルたるHJ文庫の中では五指に入る重鎮的存在である。人気を考慮するとそこまで意外な話ではないけれど、ストーリー構成しづらいからTVアニメは難しいかな、と思ってました。バス事故で死んだ現代日本の大学生が異世界のスラム街に住む少年の体へ転生する――という導入自体はありふれているが、「スラム街に住む少年」には秘められた出自があり、また「前世の記憶」も重要な情報であることが徐々に明かされていく筋立てとなっているため、「3巻までがプロローグ」と言われるほど足取りのゆったりとした物語なんです。だから尺が1クールだとマジでプロローグだけしか消化できない恐れがある。1話か2話ごとに1巻分の内容を消化するレベルのスピードじゃないと「この世界には現代から何人も勇者が召喚されていて」云々という本題のところまで話が辿り着かない。

 基本的には「何らかのトラブルが発生する→超強い主人公が活躍して事なきを得る」というパターンの繰り返しで話を紡いでいっているため、「壮大なファンタジーとか胃もたれしそうでちょっと……」という方でも安心して楽しめるシリーズです。大量のヒロインが登場しては主人公に好意を寄せるけど主人公にとっての本命は一人という構図も読者の心をくすぐること間違いナシ。しかしそのへんの魅力が確立するのは5巻あたりからだから、最低2クールないとアニメは厳しそう。あくまで視聴者を原作に誘導するための宣伝、と割り切るなら話はまた別だろうが。『精霊幻想記』は1冊1冊の満足度がそこまで高くない(正直、キャラ多過ぎるせいでページ数の消費激しいシーンがいくつもある)代わりにまとめて読むと没入度が高まってすごく面白い、というタイプのライトノベルなので新規に一気読みをさせる状況が整えばまだまだ伸びる余地はあると思うんですよね。だから1期目は半端なところで終わっても原作の売上(ちなみに現在のシリーズ累計発行部数は約120万部)がグッと急上昇すれば2期目や3期目に望みを託すことだって……と書きたいところなんだが、「それなりに巻数が出ているHJ文庫作品のアニメ化」というとどうしても『六畳間の侵略者!?』が脳裏をよぎる。アニメ化が決まったのは2014年2月で、当時の最新刊は15巻だった。アレも「ここからが本番なんですよ!」という山場直前のところで放送が終わっちゃって、原作はつい先日36巻が出たほど長期化しているのに、アニメは2期をやる気配が全然ないっつー……ゆりかのへろへろした声、好きだったんだけどなぁ。HJ原作で2期以上やったアニメって『百花繚乱』以外なんかあったっけ?

 あと『精霊幻想記』はHJにとって切り札のようなシリーズだから、これを出すとアニメ化の弾はほとんどなくなる。残弾は「どう愛で」こと『魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?』ぐらいかしら。アレはコミカライズの出来がイイので漫画から入るのもオススメです。最近だと『魔界帰りの劣等能力者』とか『英雄王、武を極めるため転生す』が売れてるっぽいが、アニメ化するほどの勢いがあるかというと微妙。巻数的には『最強魔法師の隠遁計画』が伸びてるけど、アレは読んでないのでよくわからん。戦うパン屋は完結したみたいだし、他に長期シリーズはもう残ってな……あ、『高1ですが異世界で城主はじめました』があったか。まだ続いてるんだな、アレ。どう愛でどころかデンドロや精霊幻想記より長いし、なにげに現役HJ作品の中では六畳間に次ぐ二番目の古参か? と思って調べたら百錬の方が僅か1ヶ月だけ早かったわ。その百錬もそろそろ終わりそうなんだから寂しいものだ。

【予告】第2部 第5.5章「地獄界曼荼羅 平安京 轟雷一閃」の開幕時期について

 遂に来たか……リンボをボコボコにできる日が! 「地獄界曼荼羅」というおどろおどろしいタイトルで脅威を予感させつつ、続く「轟雷一閃」で「バカな、拙僧が朽ちるなど――ぐぎゃあああああっ!」と見事に討伐される未来を幻視させるとか、根っからのヤラレ役ですね辺土の人。事前ピックアップの面子からして平安勢が大活躍しそうな予感にワクワクします。轟雷ってことは金時か頼光がトドメを刺すのかな。まさか合体技を……? そのどちらでもなく新サーヴァントが降臨する可能性もあるが。

 そうそう、キャスターリンボの登場は確実として、他に新キャラが何人出てくるのか気になるところだ。ネットでは安倍晴明を予想する人が多いけど、晴明クラスが出張ってくるとリンボの存在感は完全に喰われてしまいそうだし、「轟雷一閃」のイメージとも会わないんだよなぁ。渡辺綱あたりの方がしっくる来る気がするけど、「ガチャはリンボと渡辺綱です!」じゃ正直盛り上がりに欠けそうではある。プレーヤーから石を搾り取ることを考えたらやっぱり晴明の可能性が高いのかしら。

 なお「第2部 第5.5章」「第2部 第5章「Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス 神を撃ち落とす日」をクリアすると開放されます」という表記から察するに期間限定イベントではなく、1.5部みたいな常設シナリオとして無期限配信するんじゃないかと予想される。なので「この時期は忙しくてプレーする時間が割けそうにない」って方は後回しにしても大丈夫かと。12月2日に情報番組の配信があるから「早ければ2日、遅くとも9日」にはスタートすると思います。最近は「この後すぐ!」のパターンが多いから2日説が有力視されているものの、運営としては5日から公開するキャメロットの劇場版にも足を運んでほしいだろうから少し遅らせるんじゃないかとも考えられる。さてはて、どうなることか。

 あ、それとピックアップに合わせて強化クエストも開催されています。茨木童子のスキルが強化されているのが嬉しい。味方フィールドに酒呑がいるとNPチャージも付くみたいで、鬼パを組んでる人は楽しみが増すかも。

・ローレンス・ブロックの新刊『石を放つとき』が無事に届いた。

 早速収録内容を確認したが、中篇「石を放つとき」+短篇集『夜と音楽と』といった感じで12個の作品を収録しています。これ1冊で「ブッチャーとのデート」以外のマット・スカダー短篇を網羅しているわけで、ハッキリ言って超お得です。2750円(税込)という価格だけ見れば高そうに見えるかもだが、500ページものボリュームであることを考えればむしろ安いだろう。収録内容がよくわからなくてポチる踏ん切りがつかなかった、という方も悩まずレジに進んで良いでしょう。期待以上の品で満足しました。

作家・小林泰三氏ご逝去

 「やすみん」こと小林泰三の突然の訃報が流れてきたとき、当たり前だが動揺してしまった。今年だけでも4冊の新刊を出していて、体調不良の素振りとか全然なかったのに……1995年に短篇「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞「短編賞」を受賞し、翌年1996年に「酔歩する男」を加えた単行本『玩具修理者』で書籍デビュー。来年で作家生活四半世紀に達するはずでした。ちなみに第2回日本ホラー小説大賞というのは『パラサイト・イヴ』が「大賞」を取った回です。8月に出た『未来からの脱出』が100番目の著書(参加したアンソロジーなども含めた数字)に当たり、単著だけでも40冊以上出していました。ホラーやSFを主戦場としつつミステリもいくつか発行しており、その多彩さから私も目が離せず十数年に渡って追い続けてきたものです。とにかく傑作が多くて代表作を絞り込むのに苦労する人だった。基本的にどれもオススメなので、あらすじ読んで気になる奴に手を出せばOKです。ハズレがまったくないわけではなく、『ネフィリム』あたりは他に比べてかなり落ちる出来だったけども……あと『目を擦る女』『見晴らしのいい密室』は重複が多い(7篇中4篇が共通している)ので注意。ホームページの著作リストを眺めると十数篇の単行本未収録作品があるのでまだ何冊か本は出るかもしれません。だが純粋な新作はもうお目に掛かれないのだ、と思うと暗い気持ちになる。“名作万華鏡”シリーズは第2弾の「太宰治篇」が連載中だったというのに……無念と述べるより他ない。積んでいる未読の本は大事に崩していくとしよう。

・馬路まんじの『ブレイドスキル・オンライン1』読んだ。

 副題は「ゴミ職業で最弱武器でクソステータスの俺、いつのまにか『ラスボス』に成り上がります!」。乙一も絶賛した倫理観崩壊末世系ハイテンション成り上がりファンタジー『底辺領主の勘違い英雄譚』で書籍デビューした「馬路まんじ」の3番目となるシリーズです。フルダイブ型のMMORPGを題材にしている。タイトルだけ見ればモロに『ソードアート・オンライン』の二番煎じといった印象を受けるものの、読んでみるとSAO要素はほとんどありません。別にログアウトできなくなってデスゲームを強要されたりするわけじゃない。強いて言えば「気のいいハゲ」が友達になるところくらいかな、SAO要素。タイプとしては『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』のような「特定のステータスのみを強化していたら想定外の強さを発揮してしまい運営白目」っていうピーキー過ぎて主人公以外にゃ無理だよコメディです。

 お金を貯めてやっとの思いで買ったフルダイブ用の機材! 事前に攻略wikiでβテスターたちの耳寄り情報をチェックして準備はバッチリ! の、はずだったが……騙されたあああああああああああっ! 愉快犯が書き込んだガセを鵜呑みにして最弱ジョブ「サモナー」(召喚対象は必ずソロで討伐しないといけない、しかも判定は確率)を選び、もっとも使いにくい武器「弓」(射程は長いけれどシステム的な補正が働かないため命中率が物凄く低い)を手に取って、ステータスを「幸運値」(クリティカル等判定が必要なスキルの発生率が上がり、レアアイテムのドロップ率なんかも高まるが、直接的な旨味はほとんどない)に極振りしてしまった主人公「ユーリ」。いっそ最初からやり直した方が早いのでは、と気づきつつも意地になって最弱要素てんこ盛りのまま攻略に乗り出し、あれよあれよという間に誰も想像だにしなかった極悪の地平へ辿り着いてしまう……!

 狂気度は『底辺領主〜』に比べるとやや低めながら、思い込みが激しく他人の言葉を無視して突っ走る主人公の頑迷さ、苦笑いが浮かぶほど似通っている。まんじ節満載と申しますか、「正義の勇者として虐殺に励まなければ!」とかそういうファナティックな言い回しが勢いに任せてバンバン繰り出されます。それだけでも心地良い酩酊感が味わえるわけだけど、本書の魅力は「主人公が強くなっていくロジック自体は割合しっかりしている」ところですね。物凄く展開が早いので多少御都合を感じる部分もあるにせよ、「こうして、こうして、こうなったからコイツをブッ倒せる」と理詰めで丁寧に説明しており、RTA動画を眺めるようなノリで「へ〜、なるほど〜」と楽しめる。狂気の使いどころを把握した作風であり、「ひょっとして佯狂なのか?」と疑いそうにもなるが、細かいところで計算抜きに頭がおかしいと納得できるため結論としては「狂っていることを明晰に自覚した狂人がノリノリで書いている小説」になります。ブレーキが壊れているのではなく、あえてブレーキを壊したうえで乗りこなしてみせる。そういう変態的な頭のおかしさです。

 ガワだけとはいえ主人公が銀髪巨乳の美少女になっているし、まんじ作品の中で一番入りやすいシリーズなんじゃないかと思いますね。『底辺領主〜』や『貧乏令嬢の勘違い聖女伝』がアニメ化する未来というのはあんまり想像がつかないけども、ブレスキならあるいは……と一縷の望みを幻視してしまう幽玄さがある。ちなみに主人公は男ですが、1巻の時点だと明確なヒロインキャラは存在しません。主人公自身がヒロインと言えなくもないか? 中にはハゲがヒロインって意見もあるかもな。ハゲ単体は別に好きじゃないんだが、ハゲと主人公の掛け合いは結構好きです。「アスナのポジションにエギルがいるSAO」と表現したいところだが、ハゲなだけでエギル要素は別にないんだよな……それはそれとして、最近は「VRMMOでデスゲーム」みたいなラノベあんま見かけなくなっちゃいましたね。「異世界クラス転移」とかに読者を吸われてしまったのだろうか。書籍だともうすぐ『未実装のラスボス達が仲間になりました。』が刊行される予定だし、まだ死に絶えたジャンルではないはず。『未実装〜』、内容が気になってなろうのページ覗いたら序文に「最近見なくなったデスゲーム系小説の再熱を願って」という一文があって少ししんみりしてしまった。

・拍手レス。

 沃野を探してたらたどり着きました。「なろう」あたりにいらっしゃるかと思ってたわ
 「沃野」とはまた懐かしいものを……なろうへ行ったら確実にエタる自信があります。


2020-11-23.

・ケーブルテレビで放送していた『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』、ロシア製の戦車映画ということで『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』のような痛快娯楽作品を期待して視聴したが、主人公がいきなり「戦車の神は壊れた戦車たちを侍らせ天上の玉座に坐す」と言い出す謎のシーンがあるなど、何とも形容しがたい出来で「なんだこの映画!?」と戸惑ってしまった焼津です、こんばんは。というかいつの間にかBD出てたんだな。前にチェックしたときはDVDしかなかったのに。

 題材はタイトルでわかると思いますが独ソ戦です。1943年、存在するはずのないカスタム型ティーガーが存在するはずのない場所(ぬかるみだらけでとても戦車が入れないような地形)に出現し、ソ連兵たちを苦しめていた。白みを帯びた装甲から「ホワイトタイガー」と呼ばれ畏怖されていた謎の戦車に赤軍は成す術なしかと思われたが、体表の9割が炭化するほどの火傷を負いながらあっという間に治ってしまった記憶喪失の操縦手「イワン・ナイジョノフ」(「名無しの権兵衛」みたいなニュアンスのネーミング)が死の淵で手に入れたチートスキル「戦車の声が聞こえる」を振るい、劣勢から逆襲していく。白き亡霊と名無しのイワン、勝つのはどっちだ?

 つい「どっちだ?」と結んでしまったが、バラしてしまうと決着は付きません。「俺たちの戦争はこれからだ!(第一部・完)」 そもそもホワイトタイガーの正体もよくわからないまま幕が下りる。「ナチス極秘戦車」なんて邦題だから例によってナチスがこっそり造ったワンオフの秘密兵器っぽい代物を想像していたが、実態を見るにどちらかと言えば狐狸妖怪の類である。バーバヤガとかヴォジャノーイとかキキーモラとか「御無礼」とか、ああいうの仲間と捉えた方がすんなり呑み込める。条理に従わぬ化け物、すなわち「不条理の象徴」として神出鬼没する。過去(ルーツ)を断たれ、戦車の中で「発見された(ナイジョノフ)」不条理な男だけがそれに対抗する力を持つ。

 要するに戦争映画の皮を被って「人外と超人の終わりなき螺旋状バトル」の断片を切り取った、ある種の幻想映画なのだ。『ホワイトタイガー』という独立した作品ではなく架空大系“ナイジョノフ・サーガ”の一部だと受け止めた方がわかりやすい。ロシア版エターナル・チャンピオン。きっとイワン雷帝の時代にもナイジョノフは出現していたんだろうな……とか妄想してしまう。「恐ろしき(グロズヌイ)イワン」vs「誰でもない(アノニムヌイ)イワン」みたいな構図。イワンはラテン語だと「ヨハネ」、それこそ聖書の時代にまで遡れるネタだ。閑話休題。ホワイトタイガーとイワンの死闘が長引くさなか、ドイツのカイテル元帥が降伏文書に調印したことで戦争はソ連側の勝利となり、辛気臭いムードが吹っ飛んで兵士のほとんどは祝杯を上げるのに大忙し、ホワイトタイガーのことなんかあっさり忘れてしまう。悪夢を具現化したような戦車であったが、所詮は局地的な脅威に過ぎず戦況を左右するような代物ではなかったと。しかし「戦車の神」に帰依するイワンはホワイトタイガーへトドメを刺す気満々で整備に勤しんでいる。もう戦争は終わったんだ、ドイツは敗北したんだ、きっとホワイトタイガーだって去っていっただろう、と常識を説く上司に対し「あいつは焼き払わないかぎり50年でも100年でもずっとあそこに居続けて何度でも現れます」と理外の確信を持って告げるイワン。戦車型地縛霊とかマジ最悪だな、弾数無限っぽいし。そして上司が少し目を離した隙にイワンと彼を乗せた戦車は煙の如くフッと消えてしまう……まるでお伽噺のような終わり方です。ネットで漁ったレビューだと「戦車版『白鯨』」という評が一番ピンと来ますね。最後にヒトラーとおぼしき人物が何者かに向かって「戦争は人類の原点である」といった趣旨のことを熱弁してエンドロール。調印式の後なら、時系列的に考えるまでもなくヒトラーはとっくに死んでいるはずなのだが……彼の話に黙って耳を傾けている男はいったい誰なんだ? 悪魔か何かという見方もあるが、ヒトラーが悪魔に向かってわざわざあんな演説するとも思えないし、どちらかと言えば「神の走狗」たる天使に類するものだという気がするけど……教えてくれ考察班!

 非常に不思議な感触の映画で感想がまとまらないけど、邦題が内容とマッチしていないことだけは確かです。単純明快なアクション映画だと思って観ればガッカリするだろうし、こういうお伽噺めいたフワフワしたノリの映画が好きな人はタイトルでパスしちゃいそうだし。「永劫に続く闘争」のビジョンが好きな人にオススメ。

・拍手レス。

 馬路まんじ先生の底辺領主2巻とブレイドスキルオンラインが発売されましたねー。底辺領主はweb版が11万字で本編完結したのに2冊(20万字)出すことになって大変だったらしいです。
 ところで、昔読んでたけどなろう退会・削除済みの作品で「邪神転生バビロニア」っていうのがあるのですが、作者も作品もノリがまんじ先生そっくりで、「同一人物…まさかな」とか思ってたら、最近「知る人ぞ知るやる夫スレ作者(自分は知ってた)」と邪神転生の作者が同一人物だと知った上に、その人のスレ住人の間でもまんじ先生が話題になっていて(スレ主本人はしばらく顔出しておらず、肯定も否定もされてない)、真相めっちゃ気になるけど直接聞く訳にもいかず悶々としてます。

 うっとこは地方なんで書店に並ぶのは連休明けかな……来月には貧乏令嬢の2巻も出るし、まんじ分の補給にはしばらく困らなさそう。というか今年の4月に書籍デビューして8ヶ月くらいの間に5冊も著書を出すとか凄まじすぎる。『邪神転生バビロニア』はまったく知らないけれど、この調子なら来年以降もガンガン作品が刊行されるだろうから「こんなんも書いてました」ってどっかの出版社からしれっとリリースされるかもですね。


2020-11-18.

・積んでいるうちに完結したライトノベル『魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った?』をなんとなく崩し始めたら予想外に面白くて喜んでいる焼津です、こんばんは。

 ヒロインたちが変身して戦うハーレム系のバトル学園モノだが、設定上「魔法剣姫」の父親はほとんどが共通しており、モブ含めてヒロインの大多数が異母姉妹という「どこの青銅聖闘士?」な話です。魔力ゼロの主人公が口先と小細工を駆使して並み居るヒロインを次々篭絡していくわけですが、5冊で終了となったことも相俟ってかハーレム的なムードは意外と希薄である。学園最強の少女「ティリ・レス・ベル」がメインヒロインの座も譲らず、ほぼ一強状態になっています。主人公に対する執着心が強く、気弱な性格をしている割に嫉妬深いのがたまらないですね……他のヒロインとの間にエッチな雰囲気が流れ出したらすかさずインタラプトしてくる。童顔巨乳のムチムチ14歳、恥ずかしがりやだけどエッチなことにはとても前向きという股間に優しくない女の子で、もっと巻数があれば余すところなく凶悪な魅力を引き出せただろうにな……と悔やまれる。

 「十二鬼月」ならぬ「十三血姫」なる枠組みが用意されている(念のため書いておきますが、本シリーズが始まったのは鬼滅の2巻が出た頃なので鬼滅を意識している可能性はほぼゼロ)にも関わらず5冊で終了という時点で既に打ち切り臭が濃厚なわけですが、もっと正確に書くと十三血姫は「現行十三血姫」と「学園十三血姫」のふたつあり、後半は別口で「十三階位」というのも出てくるから長期化すれば39人以上の主要キャラが登場していたのかもしれない。3巻ラスト、現行十三血姫のほとんどが勢揃いとなるシーンは名前や容姿に関してまったく言及せずに進行するという小説ならではの力技で押し切ります。漫画やアニメでも黒塗りシルエットやローブで容姿をごまかすというテクニックがあるけれど、「総勢○名が集結していた」で済ませられる小説ってやっぱ便利だな……と改めて感じた。

 4巻から新展開へ入り、「舞台となる世界はキエサルヒマのように閉ざされた大陸だった!」と駆け足気味に判明します。このへん本来の予定ではもうちょっと巻数を掛けてじっくり明かしていくつもりだったんだろう。細かい設定を擲ってヤケクソじみたスピード感で突き進んでいくストーリーによって独特の味わいが醸され、「打ち切り臭いけどなんか妙な魅力があるシリーズ」に仕上がっています。まだ最終巻に目を通していないから評価は確定していないものの、現段階では「思わぬ掘り出し物」と認識している。リアルタイムで読んでいたら1巻でやめていたかもしれないし、まとめて消化できたのは幸いだった。こういうことがあるから「とりあえず買って積む」のはやめられないぜ。

「真の仲間」TVアニメ化決定!勇者パーティから追い出された英雄のスローライフ(コミックナタリー)

 いわゆる「追放モノ」と呼ばれるジャンルをなろうで流行させた作品です。いずれアニメ化されるとは思っていたが、とうとう来たか。来年あたりから追放モノのアニメ化ラッシュが始まるんだろうな……同じクールに重なって「追放アニメの後にまた追放アニメが放送される」なんて事態も起こりかねない。食い合ってそれぞれが中途半端な人気に終わってしまわないだろうか。私は追放モノ割と好きですけど、同系統の作品を立て続けに読むとさすがに胃もたれする。催眠系のエロが好きだからといってオカズが催眠モノばかりだと食傷しちゃうような感じ。

 さておき『真の仲間〜』原作の書籍版は7巻まで刊行されており、来月にはEpisode.0(前日譚)が発売される。なろうでの連載開始が2017年、書籍化開始が2018年なので『真の仲間〜』が巻き起こした「追放モノ」ブームの歴史は「悪役令嬢」ブームよりも浅く、ある程度テンプレが固まってきているけれどまだ固まり切ってはいない。ゆえに「新たなスタンダード」に成り上がるべく虎視眈々と『真の仲間〜』の後釜を狙っているシリーズがいくつもあり、そういう意味では今アツいジャンルである。広義の追放モノと言えなくもない『たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。』らへんも伸びているし。コローナかわいいよね。

【期間限定】「虚数大海戦イマジナリ・スクランブル 〜ノーチラス浮上せよ〜」開催!

 「ゴッホカッター!」と叫びながら回転ノコギリみたいに動くヒマワリでエネミーを攻撃する姿見たとき「さすがにこれはどうか」と少しヒいたが、最終的には好きなキャラの一人になりましたね、ゴッホちゃん……宝具演出の雨に打たれる表情がグッと来る。今回のシナリオは幻霊やフォーリナーという特殊な霊基について掘り下げる要素があり、番外編じみた内容ながら楽しめた。マインスイーパーみたいな探索パートは、うん、1マスとか2マスとか半端に残ると切ない気持ちになっちゃう。実装以来目立った出番のなかった楊貴妃が大活躍するところも嬉しかったが、終章であんなことになるとは。異聞帯では恐ろしい敵だった項羽やスカディが頼もしい味方になっているあたりも良かったです。そのぶんネモくんがちょっと割を喰ってしまった感はあるが。ネモくん、今回の主な被害者って雰囲気に満ちている。「貴艦、艦名を告げられたし」というキメ台詞まで「呂布です!(馬)」とかのネタにされているし。

 「?」エネミーのラッピングを引っぺがすために全体宝具でコストの安い術ジルもちょくちょく編成したが、スキル強化のおかげでサポーターとしても役立つようになりやがったな、こいつ。モーション改修がなかったのは残念だけど、シナリオ上の出番もちゃんとあったし厚遇されている方か。Fateにクトゥルー要素が混じるようになったのってだいぶ「こいつのせい」なところあるし、キチンと押さえてもらえるのは嬉しい。「味方サーヴァントとしての術ジル」が見せ場を得られるなんて、FGOやり始めたときは想像もできなかったな。水着だらけでビジュアル面はアレだけど、召喚に至る経緯が明白でそれぞれに明確な役割が与えられているところも面白かった。「虚数空間なので屁理屈でも何でもあり」になりかねないぶん、ロジックの積み重ねにはだいぶ気を遣ってますね。まだ終章クリアしてないが「外部ライターを招いた案件」としては充分成功なのではないだろうか。私も『レイジングループ』やりたくなってきました。

『うたわれるもの ロストフラグ』、何回でも引き直し可能な【心願成就 縁結び】開催

 一周年に合わせてサプチケの類でも販売するかと思っていたら、まさかの無限引き直しガチャが到来だ。10連回せば最高レアリティである☆3キャラと☆3鏡(キャラに装備させるアイテム)が必ず1つずつ排出され、結果が気に入らなければ何度でもリセットして引き直すことができる。ガチャが渋いことで常にプレーヤーたちから文句を言われ続けているロスフラにしてはかなり思い切った施策を打ち出してきました。似たようなのはメギドとかスタリラとかでやってるから施策自体はさほど珍しくないが、「あのロスフラがこれをやるとは……」って驚きはある。現在☆3キャラは34名実装されており、このうち8名が期間限定で4名が降臨祭(フェス)限定。残り22名が恒常です。このうちナトリイトリとウンケイは直近の実装であるため対象外、つまり引き直しガチャから出てくる☆3キャラは20名となります。列挙すると、

 ルルティエ、クロウ、ウルゥル・サラァナ、ウルトリィ、ベナウィ、カルラ、ノスリ、カミュ、ネコネ、トウカ、アルルゥ、ミカヅチ、オボロ、アンジュ、ムネチカ、ゲンジマル、アトゥイ、フミルィル、ネコネ〔式鬼使い〕、シス〔演芸師〕

 こうなる。2枚抜きや3枚抜きは不可能なので「誰でもいい」という方以外はこの中からあらかじめお目当てを見繕って臨むことになるワケダ。流れ的にここで「オススメキャラは誰々」とか解説できればよかったんだが、このゲーム、フレンド制じゃないから持ってないキャラの性能はあんまわかんないんですよね……どうしても聞きかじりになってしまう。攻略サイトによると「フミルィル」がイチ押しらしいけど、私は未所持なので「へー、高倍率バッファーなのかー」と感心することしかできない。ぶっちゃけあのおっぱいには惹かれるものがあるので他に欲しいキャラがいなかったら私もフミルィル取ってたな。でも私は「アルルゥ」一択。うたわれは無印が一番好きだし、エルルゥと一緒に編成したい気持ちも強い。ただ、一周年記念キャンペーンで結糸(ガチャチケ)を連日配るみたいですからそっちの結果見てから回すことにします。【心願成就 縁結び】に期限はなくいつまでも保留にしておけるので、石も結糸も使い切ってスッカラカンになるまで待ってから結果を確定させればいい。今後は【天命 縁結び】という有償石のみで回せる☆3キャラ1体確定ガチャ――FGOの福袋やグラブルのスタレジェみたいな奴も予定されていますが、被りそうなのでパス。

 ガチャ以外で目ぼしい情報は「メインストーリーのフルボイス化が決定」でしょうか。キャラクター数とテキスト量が割と多いゲームなので最初からフルボイスでやるのは厳しかったみたいだが、プレーヤーたちの課金が実ったのか序章より順次ボイスを付けていくみたいです。イベントの復刻でフルボイス化した際「本編もそのうち……」と期待したが、思ったより早く来た模様。ロスフラは普段やることが花札くらいしかなくて暇を持て余す虚無(シャバ)いアプリだからシナリオを一から読み直すくらいは余裕である。とはいえストーリーパートの機能はもうちょっと充実させてほしいです。結構ルビの多いシナリオなのにバックログにはルビが表示されないし、画面長押しで早送りとかもできずそれどころか効果音や画面演出のウェイトすら飛ばせなくて読み返す際にイライラさせられるし……ソシャゲやってると今までエロゲーが培ってきたようなこまごまとした気配り機能はプレーヤーのストレス緩和にすごく役立っていたんだな、って実感します。通信の間も地味にストレス溜まるし、たまにソシャゲから離れてパソコンでエロゲーやるとあまりの快適さにホッとする。でも歳のせいか集中力が長続きしなくて疲れてしまい、どのソフトもクリアまで至らない……悲しい現実だ。


2020-11-11.

・FGOの「虚数大海戦イマジナリ・スクランブル 〜ノーチラス浮上せよ〜」が予想通り「このあとすぐ開催!」パターンだったので手早く更新を済ませたい焼津です、こんばんは。

 ネモくんは来ると思っていたけど、ゴッホはさすがに予想外でした。北斎に影響を受けているからその流れでフォーリナーになったという設定なのか? 「ゴッホと言いつつゴッホじゃない」可能性もあるし、わからないことも多くて判断に迷うが……クラスはネモがライダーでゴッホがフォーリナー、どっちも☆5での実装となります。新規☆5のダブルPUはアトランティス以来ですね。ゴッホは「期間限定」と明記されているがネモに関しては「新登場」としか書かれていないのでたぶん恒常。とはいえスト限になるかもしれないから「いずれすり抜けで出る」ことはあまり期待できない。呼符と石は全部捻じ込む気で参ろう。

 TVCMはネモシリーズいっぱいで眼福だったが、衝撃的だったのは水着頼光が映るカットです。ぷるんぷるんやんけ。あそこをスローモーションで再生してじっくり眺めたい衝動に駆られるけれど、もう更新が来たはずなのでそろそろ行ってきます。以下はあらかじめ用意していた記事。

「グリザイア クロノスリベリオン」のリリース日が11月26日に決定。新たにApp StoreとGoogle Playでの事前登録も可能に(4Gamer.net)

 あまりにも続報がなくて「パンテオンの二の舞になるのでは」と不安だったクロノスリベリオン、やっと配信日が決まったみたいです。26日というとは木曜日か。「美少女国防RPG」とかいうワケのわからんジャンル名になっているものの、グリザイアシリーズのクロスオーバー的なストーリーになることは確かな模様。雄二も出てきますが「ヒース・オスロを倒した後」と明言されていますね。ファントムトリガーは全部積んでるから設定があまり分からないや……未だに『果つることなき未来ヨリ』やってるような状態(そろそろ5周年)なんで着手する道筋立たなかったんです。クロリベが面白かったら果つみらジャンプしてファントムトリガー崩そうかな。それはそれとしてストアで事前登録受け付けてますからクロリベをプレーするつもりの方は手続き済ませておきましょう。

川上稔の新刊『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈上〉』、12月17日発売予定

 というわけで境ホラの新作が物理書籍の方でも本格始動します。『境界線上のホライゾン NEXT BOX』はカクヨムで連載されており、読むだけならそちらを閲覧すればよいのですが、やっぱり分厚い本になってこそだよなぁ、川上作品は。序章編に続く「HDDD英国編」はサービス終了したアプリ、オッパチこと「OO-FORMATION 王と八人の仲間達」で配信された物語がベースとなっています。川上稔の新作シナリオがタダで読めるという素晴らしいアプリだったにも関わらずなぜかプレーしている人が少なかったんだよな、オッパチ……アプリの方ではこの後に「天草G3編」が配信され、3番目のメインストーリーとして「巴里編」も予告されていたが、KADOKAWAの再編に巻き込まれて「巴里編」が始まる前にサービス終了となってしまった。順番通りに行くなら巴里編が書籍化するのはだいぶ先(2年後くらい?)になるだろうな。だが、オッパチがサ終したときの失意に比べれば年単位の待ち時間など軽い軽い。余裕で待てます。

 さておき、「HDDD英国編」は「アーサー王」をテーマにした話で、イギリスのややこしい歴史を交えつつ「誰がアーサー王襲名するのか」を巡ってひと悶着ふた悶着といった騒動を描いています。作者の同人誌である“Historica Double Divine Dominion”のネタも拾っているから濃いファンが大興奮する内容に仕上がっているが、同人誌の方は読んでいなくても支障なく楽しめます。記憶が曖昧だけど、私もオッパチ先にやってから同人誌の方を崩したような気がする。でもさすがに基礎知識として境ホラは何冊か読んどいた方がいいですね。建前上「ここ(NEXT BOX)からでも楽しめる」ことになっていますが、何も知らない人が序章編や英国編から読み出してもキツい……いや、よく考えると本編も用語集から始まるようなノリだったし、どこから読んでも一定のキツさがあることに変わりはない……? とりあえず「アニメの1期と2期は観ておいた方がいい」くらいまでハードルを下げておくか。川上作品はノリが独特なのと設定が異様に細かいことから未見の人にとっては入りにくいジャンルだが、一度入れてしまうと抜け出すことのできない魔空間であり、ハマりようによっては「川上作品以外を受け付けない期間」が生まれることもあるから注意だ。私も都市シリーズを一気読みした時期はヤバかったな……。

『うたわれるもの ロストフラグ』、新キャラ「ウンケイ」実装

 明らかにトウカの縁者とおぼしき見た目をしたエヴェンクルガの武士(もののふ)です。私はてっきりロスフラオリジナルのキャラだと思い込んでいたが、ファン曰く無印(移植版だと『散りゆく者への子守唄』)にチラッと名前だけ出てきたキャラとのこと。ゲンジマルがトウカに向かって「ウンケイの娘か?」と尋ねるシーンがあったらしい。まったく記憶に残っていません。性別に関して言及されたことはなかったため父親だと思っていたファンもいるみたいだが、ロスフラのおかげで「ウンケイ」は母親の名前だろうとほぼ確定することになりました。「ほぼ」なのはロスフラが性転換とか平気でやるようなアプリだからですね……「元の世界では父親、ロスフラにいるのは並行世界のウンケイ」ってパターンもなくはない。ただ、うたわれの設定だと種族的な特徴は母親からしか受け継がれない(たとえばエヴェンクルガの女はどんな種族の男と交わってもエヴェンクルガの子を産むが、エヴェンクルガの男は同族の女を妊娠させたときだけしかエヴェンクルガの子を産ませることができない)ので、トウカの母親がエヴェンクルガであることは確実です。なので変に捻らず「ウンケイ=トウカの母」と捉えてもたぶん宜しいかと。エヴェンクルガは「強い男の子供を産む」ことに情熱を燃やすからトウカの父もトウカの母に認められるくらいは強かったはずなんですが。

 先日公開された本編ストーリー5章前半に登場したとき「いずれガチャ実装されるだろう」と予感したけど、まさかこんなに早く来るとはな。恒常だしいずれすり抜けてくることを期待してスルーするのが一番だと分かってはいたものの、うたわれの最推しがトウカである私にとっては座視しがたく、つい引いてしまった。早速個別ストーリー読んだけど、仕事サボって酒を飲み御座敷遊びに耽るという割と不真面目な昼行灯タイプで意表を衝かれる。性格的にはトウカよりもカルラに近いような……もしかしてウンカイ、トウカルの補助線になりうる存在なのでは? ともあれこないだのナトリイトリでだいぶ消費したこともあり、貯めていた宝珠は概ね使い切っちゃったわ。1周年イベントが間近だというのに……これでハクオロ実装とか来たら泣くしかない。2週間足らずだったナトリイトリのピックアップと比べてウンケイのピックアップ期間は3週間以上とやけに長いから「英傑 縁結び」(通常ピックアップ)の更新はもうこれ以上ないはずですけれど、1周年は1周年で「超降臨祭」みたいなのを開催しそうなんだよな。手持ち尽きてるからもはや何が来ても思い悩む余地などない。開き直って「フッ、石がねーぜ」と強がることにしようか。

・拍手レス。

 あの表紙買いパワーがげきつよのダークエルフの森となれが絵師変更とかまじビビりました。いやニリツさんも魅力的な女性(アバズレ系)を描く人だけどもw
 ラノベの絵師変更はちょくちょくあることだけど、2巻でいきなり別イラストレーターになるだなんて……割と覚えがあるな。(最近でも『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』、電撃文庫だと少し古いが『ダーク・バイオレッツ』とか) 森なれは表紙イラストに惹かれて買ったところがあるので残念を喰らうが2巻も買おう。


2020-11-05.

・秋アニメの一つ『無能なナナ』、原作読んでるしアニメは2、3話観れば充分かな……と思っていたがヒロイン「柊ナナ」を担当する「大久保瑠美」の演技が魅力的なため全話視聴することに決めた焼津です、こんばんは。

 既存の役で言うと『ゆるゆり』の「吉川ちなつ」で有名な声優。Fate関連だと「エリザベート・バートリー」や「アストルフォ」の役を演っていますね。可愛い系を演じることが多いけど腹黒タイプの演技も上手い。声で視聴継続を決めたアニメというと『安達としまむら』もだ。入間人間の百合ライトノベルが原作。入間作品は上遠野浩平みたいに舞台となる世界がほぼすべて共通しているのでコレも他作品との繋がりがあり、予備知識ナシでいきなり観始めると戸惑うかも。私も言うほど入間作品については詳しくないが……みーまーや電波女も途中で挫折したし。『安達としまむら』は女子高生の「安達」と「しまむら」が互いに向け合う感情について訥々と綴る青春モノ。安達を演じる「鬼頭明里」のテンション低いボイスが癖になります。鬼頭明里は『鬼滅の刃』の「竈門禰豆子」役を演じてメチャクチャ有名になったが、禰豆子はほとんど喋らない役だから鬼滅ファンが観ても同じ声優とは気づかないかもしれない。演技の方向としては『まちカドまぞく』の「千代田桃」や『Fate/Requiem』の(現状だとFGOの、と書いた方が通じやすい?)「宇津見エリセ」路線。声が目当てで観ているわけじゃないが『魔女の旅々』の「イレイナ」(本渡楓)もイイですね。ただ、声の魅力が行き過ぎるとボイスを「演じている役」ではなく「声優そのもの」と認識してしまう現象が発生してしまうデメリットもある。今季で言うと『魔王城でおやすみ』を観ていても「スヤリス姫の声」ではなく「水瀬いのりの声」と脳が受け取ってしまうんだよな……映画の話で役名を覚えておらず俳優の名前を言っちゃう感じです。「中の人」のことなどまるで念頭になかった子供時代がスッカリ遠くなってしまった。

 子供時代と言えば90年代を舞台にした映画『mid90s ミッドナインティーズ』を観た。「え? これで終わり?」というようなところでエンドロールが流れ出すのでビックリした。主人公がガイルのTシャツを着ているところと兄貴の部屋にCDケースがいっぱい並んでいるところに辛うじて90年代っぽさを感じたが、場所がロサンゼルスなので共通項は少なく、「90年代半ば」という要素はだんだん忘却してしまう。年代云々よりも「子供の頃は『ちょっと年上の人』にすごく憧れたよなぁ」とか「知らない子たちの集まりに入っていくのって緊張するよなぁ」って部分で懐かしくなる。未来に希望が持てず無軌道な日々を送る少年たちの青春映画で、特にこれといったストーリーはない。主人公たちはスケボーに熱中しているが、大会に出場するとかプロになるとかいったスポ根的展開もなく先述した通りプツンと途切れるように終わります。観終わってスッキリするタイプじゃなくてモヤモヤが尾を引くタイプの映画だ。「16mmフィルムにこだわった」と解説されているノイズ混じりのザラザラした画面も味わいの一つ。この映画を観て「あの頃に戻りたい」と思う人もいれば「過ぎ去るべくして過ぎ去った日々だ」と切り捨てる人もいるんだろうな。

【予告】期間限定イベント「虚数大海戦イマジナリ・スクランブル 〜ノーチラス浮上せよ〜」開催予定!

 イベントという体裁ですけど実質的な4.5章でしょうね。5章の冒頭で触れられていた「ノーチラスの試運転」にまつわるエピソードのようです。主人公やマシュの記憶が曖昧になっているところから察するに「深海電脳楽土 SE.RA.PH」同様BBちゃんあたりが虚数事象として処理したのでは、と考察されている。来週11日に生放送の予定が入っており、恐らく「開催はこの後すぐ!」のパターンだろう。

 サブタイトルが「ノーチラス浮上せよ」だから間違いなくキャプテンこと「ネモ船長」が実装されるイベントになるはずです。クラスは素直に考えればライダーだが、作中では明言されていないんだっけ。フォーリナー全員が特攻鯖になっていることを考慮すると「まさかのフォーリナーネモ」という可能性も捨て切れない。なお特攻鯖にはジルの旦那が含まれているのでほぼ確実にクトゥルー案件ですね。ノーチラスだけじゃなくルルイエも浮上する流れでは? 「虚数の海」に因んで水着サーヴァントが大量に特攻対象として上がっているけど、むしろ「水着霊衣を持たない特攻鯖」の方がストーリー内容を暗示している気配が漂います。項羽と武則天――中華繋がり。正月に実装されたきり細かい日常イベントを除いて特にこれといった出番のなかった「楊貴妃」がいよいよシナリオ上重要な役割を果たすのでは……と予測されています。ピックアップも来ているし。フォーリナー3名の強化クエストも開始されている。ここまで露骨にフォーリナーを推すの、もしかして配布鯖にフォーリナーを用意しているからなんじゃないか。中国には「媽祖」という航海の安全を守護する女神が古くから存在し、もともとは人間の娘だったけどあれやこれやで神になった、という伝承があります。媽祖は「天妃」や「天后」などの呼び名もあり、武則天が自らを「天后」と称したことにも繋げられる。生放送でいきなり黒星絵の媽祖ちゃんが降臨するかもしれないので念のため心の準備をしておこう。

 いつも通りイベント礼装が用意されていると思いますが、今回は恒常礼装である「虚数魔術」と「イマジナリ・アラウンド」にも攻撃力アップの効果が付くとのこと。「虚数と言えば間桐桜」というシンプルな発想に基づく施策だろう。「残りのサクラファイブも出す気なのでは?」と不意打ちを恐れている人もいますが、今回は外部のライターである「amphibian」を招いてのイベントなのでサクラファイブ絡みの可能性は低いと言ってもいいんじゃないかと。そう安心させてからのPU第2弾、とか平気でかますような運営だから完全にガードを下げることはできないが……開催が11日前後として、終了は25日前後になるだろうから今月はもう他にイベントとかなさそうですね。12月に入ってから前倒しでクリスマスイベントをやって、その後に地獄界曼荼羅で〆って感じ? 6章配信は来年の春頃になるのかな。

『うたわれるもの ロストフラグ』、1周年キャンペーンスケジュール公開!

 半年持つかどうかも危ぶんだアプリが1周年を迎えます。「渋すぎる」と苦言を呈され続けたピックアップ確率の変更など、ガチャに関しても多少改善されてきているが天井は未実装のまま。不足の著しかった「契約の代価:天/地/心」が花札ショップで交換できるようになって育成も捗るようになり、☆1や☆2のキャラも役に立つようにはなってきていますから☆3がそんなに当たらなくても何とかなる状況は整いつつある。少なくともストーリーを読むだけならどうにかなるレベルです。高難易度は依然として「手持ち次第」な状況が続いているけど。

 さておき、1周年記念の前哨戦となる11月ピックアップ第1弾「ナトリイトリ」、過去3部作にルーツを持たないロスフラオリジナルのキャラが水着や性転換といった特殊例以外で初めてガチャ実装されました。しかも恒常とはいえ☆3(最高レアリティ)。「運営のヤロウ、本編で愛着持たせてからガチャにぶち込みやがって……」と呻いた次第。スズリはすぐ仲間になったのにナトリは全然加入する気配がなかったから、薄々察してはいました。担当声優は「Lynn」、名前はたまに見かけるけど代表作とかはパッと思い浮かばないな……印象的な役で言うと『私に天使が舞い降りた!』松本あたり? ただでさえ愛着を持っているうえに容姿が直球ドストライクなキャラとあって我慢できず、久々にガチャ禁(正確に述べると「宝珠を消費するガチャの禁止」)を解いて回しました。少なからぬ宝珠を烏有に帰してしまったけど引けたから満足。早速レベルを上げ、追加されたハードクエストで役に立ってもらった。まだあんまり運用法を理解できていないけど帯電付与が強いしサポーターとしても優秀な気がする。しかし今回のハード、ベナウィだけ段違いに強くて最初途方に暮れたわ。

 ナトリのPU期間が普段と比べて若干短い(2週間足らずで終わる)のは今月予定が詰まってるからでしょうね。恐らく10日にピックアップ第2弾が来て、一周年当日の26日に第3弾が始まるのだろう。実装されそうなのはメインストーリーから考えて○○か、それとも××か。「このモブ可愛いな〜」と思っていた子の正体がまさかの……だったり、予想外の新キャラが出てきたりで今後の展開がなかなか読めない。期待以上に楽しませてもらっているのでサプチケ的なものが販売されたら即購入するつもりでいるが、今のところ予定はない模様であり残念。アルルゥが欲しい。

『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』、『ラブライブ!サンシャイン!!』とのコラボイベントを11月6日(金)より開催

 なんか運営がやけにガチャチケ配ってるな〜、と呑気にガチャってからツイッターのアカウント覗いたところコラボイベ開催の告知が出ていました。スタリラは意外とコラボが多く、過去にCCさくらシンフォギア、そしてなぜか東武動物公園ともコラボしたことがあります。しかしこれらのコラボはゲーム内だとそれほど大きな扱いではなく、せいぜい記念メモワール(概念礼装みたいなもの)を配るくらい、限定衣裳のガチャを行ったりシナリオ付きのイベントを開催したりなどといったことはなかった。なのでプレーヤーの立場からするとこれらの施策はあまり印象深くなかったです。今年5月の初音ミクコラボで初めて専用シナリオを用意したイベントが開催され、状況が変わってきました。コロナ禍の影響で「ボイス収録できませんでした!」と惨憺たる有様に陥ってしまった同時期のイベント群と異なりフルボイスでの実施となったため、相当前から準備を進めていたであろうことが窺われたものだ。7月にはバンドリコラボも実施、限定衣裳を4つもガチャ実装(しかも全部別々にピックアップ)するという鬼のような方針で両ファンを泣かせました。ブシロ繋がりということもあってかシナリオも割と自然な仕上がりになっており、花柳香子市ヶ谷有咲が「どっかで会ったような……」と言い合う中の人ネタ(両方ともCV.伊藤彩沙)までブチ込まれてましたっけ。

 スタリラとラブライブの両方に出演している声優は何名か存在しており、たとえば神楽ひかり役の「三森すずこ」は海未ちゃん役で有名。今アニメやってる虹ヶ咲で優木せつ菜の役を演じている「楠木ともり」も巴珠緒を担当しています。その気になれば中の人ネタをやれる土台はあるんですが、今回は企業も違うからさすがに控えるだろうな。そもそもコラボ先は初代でも虹ヶ咲でもなくサンシャインですし。一応サンシャインにも星見純那役の「佐藤日向」が出演しているけど、Saint Snowの鹿角理亞だからな……イベント自体に登場しないかもしれない。

 さすがに9人分のAqours衣裳をユニットとしてガチャ実装するのは無理だったのか「4名だけユニット化して残りの5名はメモワール」という形に落ち着くみたいです。君ここコス4名のうち双葉だけが配布で、ななと純那はガチャ確定。香子は一週間ぐらい空けてから実装かな? 以前のスタリラはイベントを開催するたびに☆3舞台少女を配布していましたけど、☆3だとイベント終了後にあまり使われないことがわかったのか復刻以外で配ることはほぼなくなりましたね。君ここ双葉も当然のように☆4での実装となります。ただ、配布☆4は配布☆3に比べて入手難易度が高い(稼がないといけないポイントの量が全然違う)ので、条件が緩和されないかぎりコラボ目当てで始めた初心者や復帰勢が満足の行く形でゲットするのは困難化もしれません。現に私もバンドリコラボのイニシャル衣裳華恋を育成する素材取り切れなくて半端なレベルで止まっちゃってるし。スタミナ課金前提のラインを設定している節があるんですよな……。

 閑話休題。現在のスタリラは新章開幕に伴い「アルカナシリーズ」というタロットの大アルカナに因んだ衣裳が登場し、「バカなの?」と訊きたくなるほど次元の違うぶっ壊れた性能で猛威を振るっています。「劇団レヴュー」なるプリコネのクランバトルみたいな新コンテンツも始まり、報酬のコインを集めるとアルカナシリーズの一つ「塔ひかり」と交換できる仕組みになっているが、ランキング上位へ滑り込むためにはガチャ産のアルカナシリーズ「隠者まひる」がほぼ必須(特効が付くため)というふざけた状況に陥っていました。「常に環境が壊れ続けている」とまで言われるスタリラの世界、果たしてサンシャインコラボがキッカケで始めた人のうち何%が残り続けてくれるのであろうか。

ローレンス・ブロックのマット・スカダー・シリーズ最新作『石を放つとき』、11月26日発売予定

 前作『償いの報酬』から8年、遂に“マット・スカダー”シリーズの新刊が出ます。えっ、てか『償いの報酬』が刊行されてからもうそんなに経つの……!? 感覚的には3、4年前くらいだと思っていた。前々作『すべては死にゆく』が2006年なので『すべては死にゆく』→『償いの報酬』よりも『償いの報酬』→『石を放つとき』の方が待たされた期間は長い勘定になるわけだが、全然そんな感じしない。ともあれ本書は“マット・スカダー”シリーズの18冊目に当たる。マッスカの既刊については出版社公式サイトの一覧が参考になります。ほとんど二見文庫から出ていますが、『暗闇にひと突き』と『八百万の死にざま』だけ早川書房から上梓されている。なお『すべては死にゆく』は14年経った今でも文庫化されていないため、本棚に揃えようとしてもサイズを統一することは不可能です。

 マッスカは長編作品がメインながら、『石を放つとき』は「最新作+傑作短篇集」とのこと。実はマッスカの短編集が日本で出るのってコレが初めてなんですよね。ローレンス・ブロックの短編集自体は何冊も出ているし、その中にマッスカ作品もいくつか含まれてきたんですが、純粋な「マット・スカダーの短編だけを集めた本」は今まで1冊も発売されてこなかった。そのためファンは重複を気にしながら短編集をいくつも買うハメに……確か10個の短編を読むためにブロックの短編集全部(5冊くらい)買わないといけないんだったっけ。ファンに優しくない仕様だ。ちなみに本国では "The Night and the Music" という短編集が2011年に刊行されています。ほぼすべてのマッスカ短編が収録されている優れモノながら、「ブッチャーとのデート」という作品だけ入っていないので実は不完全。7作目の長編『慈悲深い死』のプロトタイプみたいな位置付けだから意図的に外されたのかも。『石を放つとき』の詳しい収録内容に関しては今のところ不明だが、 "The Night and the Music" に入っていた「ミック・バルー、何も映っていない画面を見る」と「グローガンの店、最後の夜」は本邦だと雑誌掲載のみで単行本に収録されたことはなく、確実に取られると思う。というか下手すると表題作以外はこの二つだけかも。せめて『頭痛と悪夢』所収の「ダヴィデを探して」だけでも入れておいて欲しいが……『頭痛と悪夢』は数が少ないせいかプチプレミア化しているんですよ。「ダヴィデを探して」読むだけなら『EQMM90年代ベスト・ミステリー 双生児』買えばいいのだけど、そっちにしたって短編1個のためにアンソロジー1冊買うのは非効率的と言わざるをえないしな。

 表題である「石を放つとき」(A Time to Scatter Stones)は旧約聖書の一部「コヘレトの言葉」に由来するらしい。「Scatter」は「撒き散らす」といった意味なので、一つの石ではなく複数の石を投げつけるようなイメージかしら。このタイトルをツイッターで検索すると「○○が実装か……貯めていた石を放つときが来た」っていうソシャゲ関連の呟きばっかり引っ掛かるので笑ってしまった。確かに何も知らない人がタイトル見たら「満を持してガチャを回しまくる話?」と思われかねないな、この御時世。

・拍手レス。

 散々待たされた挙げ句集めきらないまま完結を迎えた封仙娘々追宝録なんてのも有りましたね。前の巻から2年なので実際にはそこまで極端に待たされた訳でも無いんでしょうが最後が上下巻の下巻だった事、出ない間に富士見のカバーの仕様が変わった事なども有って実際より待たされた感が有ります。ろくごまるに先生なろうで色々ぶちまけてから見ないけど今でも執筆活動続けてるんだろうか
 封仙娘々追宝録は『刃を砕く復讐者』の下巻が出せた時点で全部許してしまったな……いつまで経っても下巻が出ないと言えば『ウィザーズ・ブレイン\』、そろそろ『刃を砕く復讐者』の記録を超えそうです。中村うさぎの作品もいくつか下巻が出ないままなのあったっけ。ろくごは今年ツイッターで生存が確認されましたけど、執筆活動を続けてるかどうかはよくわからんですね。


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