2020年5月〜6月


2020-06-28.

『ランボー ラスト・ブラッド』観てきたけど、B級感がスゴいことになっていたと申しますかタイトルは『病んボー』か『ランボー ホーム・アローン』にした方が良かったのではないかな……と思ってしまった焼津です、こんばんは。指をグリグリ突っ込んで骨引っ張り出す拷問が挨拶感覚で繰り出されるタイプの映画。

 “ランボー”シリーズの5作目であり、一応完結編ということになっています。え? ランボーは『最後の戦場』が完結編じゃなかったのかって? 『最後の戦場』は日本の会社が勝手に付けた邦題であって原題は単なる『ジョン・ランボー』であり完結を匂わせる要素は微塵もない。“ランボー”シリーズの1作目、邦題では単に『ランボー』となっていますが原題は『ファースト・ブラッド』であり、それと対比する意味も込めて本作には『ラスト・ブラッド』の副題が付いている。なおデイヴィッド・マレルの原作小説『ファースト・ブラッド』は『一人だけの軍隊』というタイトルで翻訳されています。前作『最後の戦場』は里心のついたランボーが田舎に帰るシーンで終わっており、実家に戻ってしばらく平和な暮らしを満喫していたランボーがふたたび血腥い闘争へ身を投じることになる、というのが今回の『ラスト・ブラッド』です。ネタバレ全開で行くから今後観るつもりの方は以降を読まないでください。

 「メキシコギャング皆殺し篇」といった趣の本作、結論から述べるとランボーは重傷を負った状態で生き延びます。「あの後傷が悪化して死んだ」とも「あっさり回復した」とも解釈できる微妙なライン。なのでその気になれば更に続編を作ることもできるわけですが、スタローンの年齢を考慮すると本当にコレが最後かもしれない。最後だから派手にやろうぜ、とばかりにテーマ性を投げ捨てて娯楽方面に振り切れています。「押し寄せる悪漢どもを自宅に仕掛けた罠で殺戮する」という『ホーム・アローン』みたいなクライマックスをやりたくて、そこから逆算する形でシナリオを編んだのでしょうが企画が難航した(5作目の企画は2009年から始動しており、当初は『極北のハンター』をベースにした話にするつもりだったが途中でメキシコ舞台の『ノーカントリー』みたいなプロットに変更、それでもまとまらず「もうランボーは終わりでいいだろ」とスタローンも匙を投げて一旦製作中止、2014年になって企画が再浮上し、2018年から本格的に再始動、2019年に完成――という流れだった)せいもあるのだろう、「途中で面倒臭くなっちゃったんだな……」と察してしまうくらい大味な展開の連続です。正直ストーリーは褒められない。あくまで「暴力のファンタジー」を描く一本であり、そこに至る過程や動機はすべてスクリーンの奥へ退いていく。ゴア描写自体は結構激しいのでぶっ殺し映画が観たい人にはオススメ。メキシコを「メチャクチャ治安の悪い国」として描いているので「メキシコへの偏見が強まる」という批判もあるらしいが、今年だけで215体も組織犯罪絡みで遺棄されたと思われる死体が見つかっていることを考えると仕方ないんじゃないかな。

 他の人の評を借りると『ランボー 怒りのステイホーム』、これが一番的確で笑ってしまった。ラストのハートキャッチ(物理)もさることながら、一番衝撃的だったのは「生首ポイ捨て」のシーンかな……マナーに厳しい人が観たら「ポイ捨て禁止! ちゃんと家まで持ち帰りましょう!」って激怒しそう。

『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」V.spring song』公開日決定のお知らせ

 真夏に春が来た! 最悪「来年の桜が咲く頃」まで待たされるのでは、と覚悟していただけに思ったより早くてホッとしました。宙ぶらりんになっていたFGOの公開記念キャンペーンもやっと開催できる。FGOと言えばバニ上の強化がいきなり来てビックリしました。なにげにスキルマしていたから使いやすくなるのはありがたい。イベントが終わったら幕間の物語キャンペーンが始まると予告しているので向こう一週間くらいはのんびりモードが続くであろう。それが終わったら何が来るのか、想像しただけでドキドキします。

佐藤大輔の『レッドサンブラッククロス』、8月から四六判上製カバー装にて復刊開始

 あの未完の大作が令和の世に甦ります。佐藤大輔のシリーズ作品はほとんどが「未完の大作」なので、より正確に表現するならば「未完の中の未完」、キング・オブ・未完とも呼ぶべき架空戦記シリーズである。レッドサン(日の丸)とブラッククロス(鉤十字)、つまり史実の上では友好国であり共に敗戦国となった日本とドイツが「もし日米が第二次世界大戦に参戦していなかったら」というifが叶えられたパラワレワールドにおいて激突する。元は80年代に出たボードゲームの設定であり、制作に協力した佐藤大輔が90年代に小説化。途中までは非常に良いペースで刊行されていたものの佐藤大輔特有の完璧主義が災いしてか徐々に筆の進みが遅くなり、2000年の『パナマ侵攻2』を最後に本編の展開が止まってしまった。ファンたちは焦がれる想いで続編を待ち続け、「いつか、いつかきっと『パナマ侵攻3』が出る……!」と信じ続け、やがて十数年の時が流れ、2017年――佐藤大輔の訃報によって望みは断たれた。享年52歳。今でも信じがたいほどの早過ぎる死でした。

 細部まで綿密にこだわる作風が彼の魅力でもあったのだが、こだわりすぎて途中で書けなくなってしまうのが大きな欠点であった。『レッドサンブラッククロス』は佐藤大輔の代表作でありながら「再開を強く望まれた未完の大作」であるがゆえに半端なところで愛蔵版を刊行するわけにもいかず、古い版がずっと放置される仕儀となっていたのである。新規の読者が手を伸ばそうとしたら文庫だったり新書だったりとバラバラの判型を古本でいちいち集める必要があり、身近な布教者でもいないかぎり面倒な思いを強いられるという障壁があったから新鮮な血が流入せずファンの高齢化は進む一方だった。今回の愛蔵版で「ようやくRSBCを読める」という人も多いはず。四六判なら図書館にも入るし、なんとなく手に取って沼底に引きずり込まれる層も出てくるんだろうな。そして未完であることを知って慟哭するところまでがワンセット。ちなみに佐藤大輔が「豪屋大介」という変名で書いたライトノベル『A君(17)の戦争』にもRSBCのネタを混ぜた番外編があるんですけど、アレも当然の如く未完シリーズなのであまり積極的にはオススメできない。

 なお愛蔵版は全4巻で、本編4〜7を収録した2巻は11月、8〜11を収録した3巻は来年1月、全短編を集めた4巻は3月刊行予定とのこと。RSBC、私は古本で集めたからあまり状態が宜しくなくてこれ幸いとばかりに買い直すつもりなんだけど、ぶっちゃけ置き場が問題なんだよな。置き場のことを考えると向こう5年くらいは新刊購入を停止して積読消化に励むべきなんだが、そんなに欲望抑え切れないので無理です。

・拍手レス。

 セブンス好きなので、読んだのでしたら一言でもいいから感想聞きたいなーって
 まだ3巻の途中なので評価が固まっていませんが、とにかく最初は歴代当主の顔を覚えるのが大変で何度もカラーページを見返すハメになりましたね。今のところ五代目の詳細が気になる。初代の霊基消滅(霊基消滅ではない)シーンはグッと来ました。設定が一部『おこぼれ姫と円卓の騎士』を彷彿とさせるのでおこぼれ姫も読みたくなってきて、最新刊まで追いつくのにだいぶ時間が掛かりそうです。


2020-06-21.

・積読の消化に夢中でHPの更新をすっかり忘れていた焼津です、こんばんは。読んでも読んでもなくならず、山が消えたと思ったらまた次の山が視界に入ってくる……賽の河原かな?

 結構前から積んでいた「ありふれ」こと『ありふれた職業で世界最強』は6巻までまとめ読みした。既にアニメ化しているのでご存知の方も多いだろうけど、一応解説しておきますと元は「小説家になろう」に連載されていたWeb小説です。例によって異世界転生モノであり、その中でもクラス丸ごと異世界に召喚される「クラス転生」とか「クラス転移」と呼ばれるジャンルに属している。転生と転移の違いは、たとえば修学旅行のバスが崖から転落してみんな致命傷を負った記憶があるのになぜか異世界にいた、みたいなのがクラス転生。死んだ記憶がなく召喚ないし偶発的なキッカケで異世界に跳ぶのがクラス転移です。クラス転生だと元の世界ではみんな死んでいるはずなので生き返る手段がないかぎり力を合わせて帰還しようというモチベが湧かず、各々「第二の生」を受け容れることになる。クラス転移だと状況によっては元の世界へ帰還する希望が持てる。クラス転生(転移)モノの歴史については詳しくないが、少なくとも瀬尾つかさのデビュー作『琥珀の心臓』(2005年)までは遡れるので最低15年は歴史のあるジャンルだ。イメージの源泉を辿っていくと『漂流教室』に行き着くのかな。クラス転生(転移)の利点は「元の世界(概ね現代日本)の人間関係を引き継げるからドラマを作りやすい」こと。元々クラスにあった派閥によってパーティがわかれ、対立・協力・傍観の構図を紡ぐ――といった展開へ容易に持っていくことができる。難点は「クラス丸ごとだとキャラ数が多過ぎる」ことか。そのため転移直後にモンスターの襲撃を受けたり諍いが発生して殺し合ったりなどして人数を減らすタイプもある。「即死チート」こと『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』もその一種。ありふれはクラスメイトの手で殺されそうになった主人公がダンジョンの中に取り残され、孤立無援の状況でサバイブしていくことにより「クラス丸ごとだとキャラ多すぎ問題」を緩和している。

 主人公の目標はごくシンプル、「生き延びて元の世界に帰る」です。舞台となる異世界には「大迷宮」と称されるダンジョンが7つあり、すべて踏破すれば元の世界に戻る術が見つかる……かもしれない、といった設定になっている。強くなってダンジョンをクリアする、基本はこの繰り返しです。その過程でいろんな種族のヒロインがどんどん増えてハーレムめいた環境になっていくという、男子中学生の欲望を具現化したような内容になっており読む人を選ぶというか年齢によってはだいぶキツいかもしれない。私はハーレム系バッチコイですが「ヒロインたちがあまりにも美少女すぎて道ゆく人々が愕然とする」系の描写が頻繁に繰り返されるのはさすがにウンザリしたな……なろう小説はもともと連載作品であり、回ごとに見せ場が必要となるため通して読むと新聞小説並みに同じような場面が出てきてデジャヴを覚える仕組みになっています。そもそも、ありふれは「殺されかけた主人公が奈落の底から這い上がる」巌窟王じみたダークヒーロー路線のストーリー(ただし復讐が主題ではない、あくまで第一目標は「元の世界に戻る」)が骨子であるにも関わらず、「ノリはギャグ漫画っぽい」という作者の趣味が露骨に発揮された一作となっていて、受け付けない人はとことん受け付けないだろう。私も3巻くらいまでは「面白いところと付いていけないところが斑模様になっていて評価に困るな……」というのが率直な感想でした。ハウリア族のアレとか、リアルタイムで読んでいたらそこで脱落していたかもしれない。

 4巻あたりからギャグとシリアスのバランスが逆転し始めてシリアス寄りのストーリーになっていくこと、加えて作者のノリに慣れてきたこともあり、ようやく評価が「面白い」に傾きましたね。バトル描写に関しても3巻までと4巻以降とでは盛り上がり方が明らかに異なる。主人公たちの戦力は概ねチートながら、だんだん「死闘」感が増して白熱してきます。菊地秀行とか安井健太郎とか、あのへんのノリが未だに好きな読者ならワクワクするんじゃないでしょうか。タイトルのせいでいまひとつ食指が動かず長らく放置していたけど、もっと早く崩しておけばよかったかもしれない。アニメの1期目はあらすじから察するに4巻までやった模様だが、2期目はどこまで進むんだろう。余談。ヒロインがどんどん増えていく点で「ハーレム」とは言えますが、主人公がユエ一筋なこともあってラブコメ的な読み所はほとんどありません。修羅場展開も軽いコメディの範疇を出ない。あくまでハーレム目当てなら他の作品を当たった方が吉です。クラス転生(転移)モノだと「同級生ハーレム」(『クラス転移で俺だけハブられたので、同級生ハーレム作ることにした』)があるけど、あれは主人公のスキルが便利すぎて逆に燃えないんだよな……ハーレム系の欲望充足型ノベルは安易なようでいて意外とシビアなバランス感覚を要求されるから難しい。

 ありふれ以外だとやっと発掘した『セブンス』、それから『英雄王、武を極めるため転生す』あたりも面白かった。特に『英雄王〜』はデビュー当時から知っているけどいまいちパッとしなかったライトノベル作家「ハヤケン」がようやくブレイクしそうな気配を漂わせていて感慨深い。人々を助け、国を興すにまで至った英雄王「イングリス」は王の務めが忙しくて「武を極める」という初志を貫徹できなかったことだけが心残りだった。そのため死の直前、女神に「第二の生」を望み、遥か未来の世界において念願の転生を果たした……までは良かったが、特に性別を指定していなかったせいか女の子になっちゃった。「なったものは仕方ない」と受け容れ、今度こそ政治や大義といった仰々しいものから距離を取り、武の極致への到達を固く決意するイングリスちゃん。魔印(ルーン)を持たないことで「騎士としての出世は絶望的」と憐れまれるが、むしろこれ幸いとばかりに最強の従騎士(エスクワイア)として前線に立ち続ける道を目指す。「精神的にはお爺ちゃんな主人公が美少女に生まれ変わる」「立身出世に背を向けてひたすら強い敵との戦いを所望する」、この二つの要素がうまく噛み合ったおかげで「メンタル爺のバトルジャンキー美少女イングリスちゃん」が爆誕し、ハヤケン史上最大にキャッチーな設定のシリーズとして仕上がっています。「娘に付き合ってプリキュアを見ているうち『主人公が女の子というのも悪くないかな』と思った」のが企画の発端らしく、戦闘シーンがちょっとプリキュアっぽいのは御愛嬌か。空に浮かぶ島「天上領(ハイランド)」の住人「天上人(ハイランダー)」が地上の人々を支配しようとしているなど転生するまでの間に世界が大きく様変わりしているが、「それはそれとして最強を目指すね!」と世直しの意志などまったくないイングリスちゃん、いっそ清々しくて素敵。これは是非アニメ化まで漕ぎ着けてほしいわ。

「シャーマンキング」2021年4月に完全新作TVアニメ制作決定!2000年版アニメも配信(コミックナタリー)

 最初の数巻だけ読んだ。内容に関してはジークンドーの話が出てきたことくらいしか覚えていない。あと2巻あたりに「おシャマなシャーマン」ってタイトルのエピソードがあったような気がする。いずれまとめ読みしようかと考えていたところに「打ち切りになった」って話を聞いて関心を失ってしまったんだよな……その後、何度か気になりつつも「読もう」という機運が盛り上がることもなく時は流れていったのですが、遂に時機を得られるのかもしれない。

 シャーキン(ファンの間では「マンキン」という略称が一般的らしいが、私の場合は周りに読んでいる人がほとんどいなかったこともあってこの略し方に馴染んでしまっている)は1998年に連載開始して、2001年に一度アニメ化されている。まだ連載中だったこともあって後半はオリジナル展開になっており、先述した通り原作が途中で打ち切りになってしまったことから続編も作られていない。打ち切りとはいえ30巻以上続いた作品だし、ファン人気も根強くて再アニメ化を希望する声は多かったらしいが、林原めぐみの歌う楽曲など旧アニメの素材が権利関係で使えないことに原作者が難色を示してなかなか動き出せなかったそうな。PVで林原めぐみの曲が流れたということは権利関係を無事クリアしたのか? ハマっていた作品ではないから「懐かしい」「我が青春」と浸っている方々を傍観することしかできずちょっと寂しい気持ちも湧くけれど、ようやくシャーキン(今からでもマンキンにシフトした方がいいのか?)の世界に触れる絶好の機会が訪れたことにワクワクしています。こないだ出た新装版、買っちゃおうかな。

『マギアレコード』新イベント「伝説の終わり、光の果て 〜魔法少女たると☆マギカ〜」開催中

 まどマギのスピンオフ作品である「たるマギ」こと『魔法少女たると☆マギカ』のコラボイベントです。2018年の「時を超えて鳴らす鐘」、2019年の「常夜の国の叛乱者」に続く第3弾であり、完結編でもある。後に「ジャンヌ・ダルク」の名で歴史に刻まれることになる少女「タルト」を巡る物語であり、英仏百年戦争を背景に史実上の人物が黒幕として出てきたりもするのですが、ジャンヌに比べて知名度が低いので名前を聞いても「えっ、誰?」と戸惑う人の方が多いかもしれない。ぶっちゃけ私も知りませんでした。不思議な力によって現代日本の住人である魔法少女たちが百年戦争の頃のフランスにタイムスリップし、タルトと協力して黒幕――歴史を歪めようとする存在に立ち向かっていく、という趣旨のイベントです。タルトは15世紀の魔法少女なので、「時空を超越する不可思議な因果」って体裁にしないと共演できないんですよね……ホント、まぎマギってFateとかに比べてシェアワールド化しづらい企画だと思います。

 さておき、イベント開催に合わせて「タルトver. Final」がガチャ実装されました。既に実装されている☆4魔法少女「タルト」のバージョン違いであり、新タイプ「エクシード」として初めて投入されるユニットです。ビジュアルは単行本最終巻の表紙にも描かれている黒いガントレットとボロボロのマントを纏った三つ編み姿、平たく言えば「タルト最終形態」だ。見るからに強そうなルックスと安定のほっちゃんボイスに惑わされ、3周年まで温存するつもりだったガチャチケットを放出してチャレンジしちゃいました。たるマギそのものにはあまり思い入れがないんだけど、サポートで借りまくったノーマルタルトは数え切れないぐらい周回でお世話になったから「ユニットとしてのタルト」には愛着が深いのである。堀江由衣のCVも魅力的だし。で、具体的な経過は端折りますが白目を剥くほどのすり抜けの嵐を味わいつつどうにかファイナルタルトを完凸させることができました。あと少しでガチャチケを使い果たすってところまで追い込まれ、冷や汗かいたわ。もう2ヶ月もすれば3周年記念ピックアップが始まるというのに、その手前で素寒貧になっていたら目も当てられない。

 完凸したファイナルタルトは流した冷や汗に見合うだけの強さを備えていたので満足です。副産物として☆4イベントメモリアを両方とも凸ることができたのでドロップアイテム数がかつて見たことのない次元に達し、アイテム交換も捗っている。マギレコのクエストは単調すぎて飽きが来てしまい真面目にやる気力もなく、オート周回で楽々進められる完凸ファルトを大いにありがたがってしまっているが、ゲームのプレーヤーとして見ると完全に堕落だなコレは。シナリオパート以外はずっと本読んでるし、冷静に考えると「そもそもゲームパート要らないのでは?」という気がしてくる。「遊びがいつの間にか作業になっている」現象、コレに耐えられなくなったらときが辞め時なんだろうな。ソシャゲってギリギリの戦力で危なっかしいバトルを繰り広げて辛勝している時期が一番楽しかったりする。

「はめふら」こと『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』、2期制作決定

 反響の大きさと原作ストックが豊富なことから2期はほぼ確定だろうと予測していたものの、まさか最終回で告知が来るとは。もうちょっと掛かるかと思っていました。情勢が情勢だけに時間は要するかもしれませんけど、カタリナたちの騒がしい日々の続きが見られるというなら楽しみに待つより他ない。アニメ1期のラストは原作だと2巻に相当するので、素直に考えるなら2期目は3巻以降の内容をやるのだろう。なお現在の最新刊は9巻です。3巻はキャラが増えるのとゲーム要素が希薄になるのとが重なり、それまでの内容が好きだった人にとってはやや低調な印象を受けるかもしれない。シリーズ構成は大いに頭を悩ませることになるだろう。あのエンドから話を続けるとなると「こういう展開しかないだろうな」と薄々察している人も多いでしょうが、とにかく2期目のストックは充分なので気長に期待しておくべし。


2020-06-10.

『はじめてのおるすばん』、アニメ化

 「はじるす」の略称で知られる伝説のロリコン向けエロゲーがまさかのアニメ化……だと? アカウントができたばかりで情報がほとんどなく、マジネタなのかどうかイマイチ確信が持てず半信半疑だったけど3月の時点で18禁アニメブランドから告知があったみたいだから本当っぽいですね。まさか今になってこのタイトルが話題になろうとは。

 『はじめてのおるすばん』は2001年にビジュアルアーツ系ブランド「ZERO」から発売されたアダルトゲームです。ZEROは制作ラインや専属スタッフを持たないブランドであり、「VA内で制作することが決まったけど新しいブランドを立ち上げるほどでもない企画」が送り込まれるバーチャルオフィス的な「名義だけ存在するブランド」です。その性格から他では出せないソフトをリリースすることも多く、『蒼い海のトリスティア』をもじった『蒼い海でヤりすてや』みたいな現在だったら炎上しそうなタイトルも含まれています。2010年以降新作を出しておらず、今や「名義すら使われることのなくなったブランド」、さながら打ち捨てられて廃墟となった実験場の扱いを受けていましたが、はじるすのアニメ化で久々に陽の目を見ることになりました。

 意外かもしれませんがエロゲー界には「ロリ特化モノはあんまり売れない」というジンクスがあります。攻略対象をつるぺた系ヒロインだけに絞るとコアな層しか注目してくれず、どこの世界でも同じだがコアな層ほど自分の好みにうるさいので「違うんだよなぁ」「そうじゃないんだよ」と些細なことからそっぽを向いてしまうのである。うまくコア層を掴んでも知名度向上には繋がらず「知る人ぞ知る」なポジションに収まってしまいがちで、大ヒットにはなかなか結び付かない。たとえば「野々原幹」という原画家はロリエロゲー方面では有名どころのビッグネームだが、エロゲー全般のトークをしているときに話題に上ることは少ない。当時の感覚からすると『Fifth』の登場は衝撃的だったし、『Fifth 〜TWIN〜』がなければはじるすもなかったと個人的に思っているが……。

 ともあれ、そんな「ロリ特化ゲーは売れない」というイメージを払拭して大ヒットを飛ばしたのが『はじめてのおるすばん』です。ロリ双子姉妹とエッチなお留守番を繰り広げるというただそれだけの内容であり、清々しいほど他には何もないんですが、税別5800円という中規模の価格設定も功を奏したのか「普段エロゲーを買わない層」にまで訴求して一大ムーブメントを巻き起こしました。世間からいろいろと厳しい視線に晒されるくせして売上がいまひとつ伸びないロリゲー界にとってはじるすブームは貴重な追い風の一つだったと考えられている。ロリエロゲーというジャンルは現在「辛うじて存続している」というレベルだが、はじるすのヒットがなければジャンルそのものが消滅していた可能性すらあります。巨乳ヒロインの台頭、いわゆる「おっぱい軍拡」によって「胸はとにかく盛るもの、ロリは箸休め程度に留めるべき」という流れが業界全体で強化&固定化されてしまったからな……はじるすの翌年に同じ趣向のロリゲー「はじいしゃ」こと『はじめてのおいしゃさん』が発売され、「ZEROにおけるはじめてシリーズ」はここで一旦終了となった(『はじめてどうし』はシリーズ作品と勘違いしそうになるタイトルだけどヒロインはそれほどロリじゃない)が、2003年に設立された「Studio Ring」(スタジオメビウスの姉妹ブランド)で実質3作目の『ななみとこのみのおしえてA・B・C』、実質4作目の『はじめてのおてつだい』が発売されており、一応4年くらいシリーズとして続きました。ZEROは原則としてスタッフ非公開なので大っぴらにはされなかったが、はじるすを実際に制作したブランドがスタジオメビウスであることは公然の秘密であり、もう時効だからか中の人も「スタジオメビウスがこっそり作ってZEROから発売した」って堂々とツイートしています。スタジオメビウスと言えば、同じZEROから出たソフト『いたいけな彼女』の制作スタッフもメビウスっぽいんですよね。ゆずソフトやこれゾンで有名なむりりんの原画デビュー作で、シナリオは作風から『SNOW』にも参加した某ライターではないかと推測されている。はじるすアニメが売れればいたカノもアニメ化されるかもしれない……? ちなみに昨今でよく見られる「モニターに表示したヒロインの前にケーキ等を用意してお祝いをする」光景、ブームの端緒になったゲームが『いたいけな彼女』であることはあまり知られていない。「そう言われたらそうかな……」レベルなので私自身もあまり覚えていない。

 余談。長らく活動休止していたスタジオメビウスは今年になって突然再始動し、新作『ちっちゃい女の子で何が悪い!』を発売予定だという。令和にもなってはじるすやメビウスの話題で盛り上がるとはさすがに予想できなかったな。

【期間限定】「復刻:見参! ラスベガス御前試合〜水着剣豪七色勝負! ライト版」開催!

 「じゃ、18時に復刻するから」と当日いきなり言われてさすがに泡食いましたね。スケジュール的にそろそろ開催しないと新しい夏イベントに差し支えるんだろうが、こんなに急とは……一週間ぐらい先かと考えていました。てなわけで去年多くのマスターの目が点になった「ラスベガス(仮)のカジノで水着纏って御前試合を行う」という狂気の産物としか言えないイベントの復刻です。何がヒドいって、「狂ってる」としか言いようのない出だしなのにコレがまだまだ序の口ってこと。「カジノで爆散するパイセン事件」や「姉ビーム母レーザー事件」、そして「聖杯ごはん」と、頭の痛くなる出来事が目白押しになっている。直前にレクイエムコラボがあったせいで「胡乱なカジノの群れに『何これ……』という視線を向けていたエリセが、目を離した隙にギャンブルに夢中になってしまい負けが込んでムキになっているところをボイジャーに制止される」みたいな幻覚すらあちこちで観測されていた。「カジノで素寒貧になるパイセンと後輩(真)」、あまりにも容易に想像できてしまってダメだった。

 ゲーム的な部分に目を向けるとミッション形式で正直ちょっとダルいイベントなのだが、6枚目以降の水着北斎と霊衣やコマンドコードの代替でレアプリがいっぱい貰える点に関しては素直に「美味しい」と思う。配布礼装は二つとも凸っているので解放されているぶんのクエストもサクサク進められるし。特に「天鬼姫」は凸1個と未凸1個があればサポートの凸と合わせて合計100パーセント、つまり絶対確実にボーナスエネミーを出現させられるから便利。初めてプレーする人が戸惑うであろう「フィーバーチケット」と「ビッグチャンスクエスト」について軽く解説しますと、フィバチケは「QP稼がなきゃいけないのはワカったけどチマチマ周回するのはダルいな〜」って方々のために用意した救済策であり、任意のタイミングでボーナスステージをプレーするためのもの(ボーナスステージの種類そのものは日によって変わる)だから深く考えず好きに使って構いません。「攻略状況に応じて解放されるステージの難易度が増える」ので基本的に最高効率のクエストが追加されてから使用する方がグッドですけど、ログボでどんどん貯まっていくから1枚2枚無駄にしても気に病む必要はないと申しますかむしろこまめに消費しないと終盤貯まり過ぎて消化するのが面倒になります。ビッチャンクエはサイトの説明文にある通り「ハイリスクハイリターンなクエスト」、敵HPがとても高めに設定されているので攻撃力UPする配布礼装「盛夏の思い出」がある程度揃ってから臨む方がベター。20日に解放される4番目のクエスト(オールイン級)は去年から変更されていないのであれば「挑戦に5000万QP必要で、負けたり撤退したりしたらその都度没収」という「あっ、編成ミスった。やり直そう」なんて真似が許されない代物になっています。令呪切ってでも、場合によっては石を砕いてでも必ず一発で突破しましょう。

 開催中のピックアップ召喚は水着武蔵と水着刑部姫と水着カーミラ。復刻なので水着師子王をはじめとする第2弾の面子は既に判明済であり、最初から「ピックアップ1召喚」と表記してありますね。水着武蔵はバーサーカーでほとんどのクラスに優位が取れるうえイベント特攻も付くので持っていれば攻略に役立ちますが、全体Arts狂という稀少ながらも若干運用しづらいユニットなのでイベント外における性能を考慮するとそこまで無理して狙う必要はないかも。個人的には日曜限定のマーリンピックアップ、じきに来るであろう水着沖田と水着メルトのピックアップを回したい気持ちはあるが、新しい夏イベントと5周年記念キャンペーンが控えていますので我慢。周年記念ピックアップ、今年はネモの公算が大ですし。やっぱり2部5章をプレーした後だとネモシリーズは欲しくてたまらない。にしても「マーリン」で検索しようとすると「給付金」がサジェストされるのは笑ってしまった。「リーマンの給付金をマーリンが回収する」「花びらが舞い夢のように片付けられる給付金」みたいなネタの数々。一方プリコネの方では水着サレンの復刻が決まって「マーリンを我慢してもママサレンに搾り取られる」と悲鳴を上げる人が続出。なお私は本とゲームソフト(シャッフル2とかゼノブレDEとかサマポケRBの予約とか)を買いまくったせいで給付金の残りは既に風前の灯火です。仕方ないじゃん、今月は『三体2 黒暗森林(上・下)』『北米探偵小説論21』も出るんだし。

・拍手レス。

 電波的な彼女連載される件初めて知りました!初めて読んだラノベなのでとても思い入れがある作品です。小説も続き書いて欲しいですがそっちは難しいのかな...
 『紅』やってた頃に「『電波的な彼女』の続きも書きたい気持ちはある」みたいなコメントしていましたけど、それさえ12年くらい前の発言なので今のカタケンがどう思っているかは未知数。書いてくれるんなら大喜びなんですけども……。

 電波的な彼女は自分もふとした時に思い出すほど好きな作品なので、新展開は嬉しいですね 西尾維新の影響をモロに受けているイメージはありますが、陰惨で残虐な事件に巻き込まれつつもくじけず前を向く主人公はラノベの中でも上位に入るほど好きでした
 超人か常人かで言えば圧倒的に常人なくせして、陰惨な事件の数々でメンタルがボロボロになりながらも挫けないジュウくん、素直に肩入れしたくなる主人公で好きですね。再評価の波と再始動の機運が訪れたらいいな。


2020-06-05.

・最近は『精霊幻想記』のまとめ読みをしている焼津です、こんばんは。今11巻の途中。

 刊行直後に買ったままずっと積んでいたので、1巻は約5年モノですね。4巻までが旧カバーデザインで懐かしさを感じる。「ある程度巻数が溜まったら崩そう」と思いつつ、気づけば「これだけまとめて読むのは億劫だな……」というくらいの冊数が積もってしまって解消の糸口が掴めない状態に陥ってしまった。最近はソシャゲ熱が少し冷めて積読消化の方に熱が入ってきたから、その勢いに乗って「とりあえず1巻だけ」と着手し、当然1巻だけでは終われずズルズルと崩し続けるハメに。本屋に駆け込む必要もなく延々と読みまくることができるので「積読最高!」と叫びたくなった。

 『精霊幻想記』は「小説家になろう」に連載されていたWeb小説ですが、あとがきによるとWeb版と書籍版でだいぶ話が変わっているらしく両者はパラレルな関係にある模様。Web版の方はもう1年以上更新されていないみたいだが、このままフェードアウトしちゃうのかしら。壮大なストーリーなのでまったく知らない人向けに解説するのは割と手間だ。まず「なろう小説だし異世界転生モノなんでしょ?」とおっしゃる方には「その通り」と答えます。現代日本で大学生だった主人公がバス事故に遭って死亡し、意識を取り戻すと異世界のスラム街で孤児になっていた……という出だし。主人公は孤児「リオ」と大学生「天川春人」、二種類の記憶があり、ふたつが融合することによって「リオであり春人でもある」という統一された人格になる。成り行きで王女様を助けたことから主人公は孤児でありながら貴族の通う学園に通学できるようになり、当然の如く迫害される。ヒドい目に遭ってもグッと耐え忍ぶ少年の姿に涙腺が緩むのは歳のせいか。そこからいろいろと才能を開花させて学園を自主卒業(というか出奔)し、「リオ」のルーツを辿る旅に出る。1巻から3巻にかけては「リオの出自」を巡る物語になっており、シリーズ全体のプロローグという位置付けになっています。つまり1000ページ以上費やしてやっとプロローグが終わるような規模の話なんですよ、これ。4巻からいよいよ本編突入となります。

 本編が始まることで徐々にわかってくるが、主人公リオ(春人)は物語の中心ではなく外縁に佇んでおり、どちらかと言えば主人公というより「隠しキャラ」に近いポジションである。「召喚魔法によって異世界から6人の勇者が喚び出される」というのが『精霊幻想記』における重大イベントで、普通なら「地球からやってきた6人の勇者」がメインとなるはずなんですけども、肝心の勇者たちはチラチラ程度にしか顔を見せず、スポットライトが当たるまでだいぶ掛かる。「勇者とは何者なのか?」を少しずつ探っていく外野のリオ(春人)が主役に据えられているため話運びも非常にゆったりとしたものになっており、なかなかストーリーが前に進まない。8巻は特にその傾向が顕著です。ただでさえ状況を丁寧に綴っていく方式なのに「一方その頃○○では」的日常シーンもところどころに盛り込まれているので、良くも悪くもなろう小説的な「話の早さ」「サクサク進む感じ」はありません。腰を据えて読むぶんには面白いんだけど1冊あたりの満足度はやや低めかな。「エロゲやギャルゲだったら複数のルートが用意されているだろうな」ってくらいヒロイン候補が多く、あまりに多すぎて魅力が分散しちゃってるような印象を受けるのもマイナスか。

 主人公はチートクラスの強さを誇っているものの「無双」というほどではなく、隔絶した実力があっても所詮は個であり状況に翻弄されるしかないところもある。このへんのバランスも含めてなろう小説より「ひと昔前のライトノベル」に寄ったテイストの読み口です。転生前のことをほとんど気にしないなろう系主人公が多い中、リオ(春人)はめっちゃ前世のことを引きずっていますし。「春人の生まれ変わりであっても春人本人ではない」ことを思い悩んだりもする。空は飛べるし一人で飽和攻撃しちゃうしいきなり降り注いできたドラゴンブレスを弾き返したりもできるが、「強いだけではどうにもならない」局面もあり単純にスカッと気が晴れる俺TUEEEE系のラノベを期待して読み出すと肩透かしかもしれない。不快なキャラの断罪イベントもあるけどスカッとするどころか気が重くなるだけだしな……スケールが大きいようでいてネットリした人間関係とせせこましい感情の軋轢を丹念に描いているの、嫌な人は嫌だろうけど私は「このシリーズならではの味わい」といった感じで好きです。ままならない現実を受け容れながら「それでも」と歩み続けるあたりが本シリーズの魅力である。

 結論を述べると「1冊1冊で区切ると微妙だが通して読めば超エキサイティン!」なシリーズ。実際まとめ読みしないと魅力が伝わりにくい作品なので、最低でも7巻まで購入してから一気読みすべし。余談。リオの仇敵として出てくるルシウスというキャラ、脳内再生されるCVが藤原啓治で笑いながら悲しくなってしまった。ポジション的にアリー・アル・サーシェスっぽいところがあるうえ口調が完全に悪趣味バトルジャンキー系チンピラだもんな。ホント藤原さんにはまだまだ演じてほしい役が山ほどあった……。

ダッシュエックス文庫の7月刊行予定に『電波的な彼女 新装版』があるけど、こ、これはいったい……?

 なぜ今更!? とビックリして検索したらコミカライズの連載が近々ウルジャンで始まるみたいで、どうもこれに合わせて復刊する模様。小説版の新作が出るという情報は今のところ観測されていないが、ちょっとは期待しちゃってもいいのだろうか。と言っても『紅』の新作が出たのすらもう5年以上前。『電波的な彼女』の最新作『幸福ゲーム』が刊行されたのは2005年7月、もはや15年前の出来事ですからさすがに難しいか? 個人的には『紅』よりも好きなシリーズだし、前髪の隠れているヒロインを見ると未だに堕花雨を連想してしまうし、「柔沢ジュウは今頃何をしているのだろう」と折に触れて考えてしまうし、ほんの僅かな望みでも抱けるのであれば新装版を買い直すことも吝かではない。旧版、電子版、新装版と3回も購入するハメになってるけど躊躇うものか。とりあえず片憲が生きているみたいでホッとしました。

『うたわれるもの ロストフラグ』、復刻イベント「剣奴の灯火」開催中。

 ロスフラ初の復刻イベントです。タイトルに「剣奴(ナクァン)」とあることからわかるようにカルラがメイン。ストーリークリアで☆1火属性遠隔キャラ「エムシリ」(ロスフラのオリキャラ)が加入します。☆1とはいえ優秀な特性を備えているので手持ちが少ないうちはとても重宝するユニットだ。イベントシナリオは復刻に際してフルボイス化されていますし、ロスフラが気になっている人は今がチャンスかもしれない。オリジナルの開催が12月だったことを考えると、今後も復刻系のイベントは概ね半年後にセッティングする予定なのかしら。もともとそういうスケジュールだったのか、それともコロナ禍のせいで新しいイベントの用意が間に合わずもうちょっと先にするつもりだった復刻イベントを前倒しにしたのか。ゲンジマルの声が収録できていないのに「剣奴の灯火」と「亡國の双姫」がフルボイスになることを考えると、準備自体は結構前の時点から進めていたはずなんですよね。アプリのセールスが好調で「今後イベントはフルボイスで行こう」と水面下で動いていたところへコロナ騒動が起こって見通し立たなくなっちゃった感じかな。

 オリジナル版をクリアしている場合、イベントストーリーは全部「読了済」という判定になりミッション以外で報酬の宝珠を貰うことはできません。ただしクエストは未攻略扱いに戻っており、突破することで各種報酬をゲットすることができる。感覚としてはプリコネの復刻イベントに近い。ポイント交換も結糸や契約の代価、凸用金鏡素材は再度同じレートで入手できるが、御魂や配布鏡に関しては前回の交換状況に応じて変わる。たとえば、前回カルラの御魂を全部交換していた場合、今回は最初から「売切れ」扱いで1個も交換できません。前回まったく交換しなかったノスリの御魂と今回追加されたミトの御魂しか表示されないから「変だな」とは思ったんですが、まさかそんな方針で来るとは。新規と古参の格差を減らすための措置なのだろうけど正直ガッカリした。カルラは☆5まで覚醒しているからもう御魂は使わないものの「余った御魂はいずれ汎用御魂に交換できるようにする」と告知されていたからそれを見越して交換しておく算段だったんです。アテが外れてしまったわ。あえてプラス思考すると「復刻はポイント稼ぎにそこまであくせくしなくてもいい」わけで、活力の節約にはなるかな。結糸と心と金鏡凸素材、あとは恒常のノスリ御魂だけ交換すればいいから楽っちゃ楽。ガチャでピックアップされているミトの御魂は限定だしスルーでいいかな……今後すり抜けとかで出る可能性もなく、「あのとき交換しておけばよかった」と後悔する場面はなさそうだし。

 という口振りでだいたい察してもらえたと思いますが、交換した結糸でミトは出ませんでした。赤糸から虹糸への昇格、10連目の虹蝶から扇子が開くという激アツ演出だったにも関わらず結果はノスリ。いい女はすり抜けでやってくるものなのだ。ログボの結糸で引き続き粘ってみるつもりだけど、奇跡的にミトが排出されないかぎり御魂を交換することはないでしょう。そして「亡國の双姫」が復刻される後半ピックアップの目玉。ヒエン説とフギト説とアトゥイ説が囁かれているが、果たして誰になることやら。


2020-05-31.

【期間限定】Fate/Requiem×Fate/Grand Orderコラボレーションイベント「『Fate/Requiem』盤上遊戯黙示録」開催!

 呼符でボイジャーくんを引き当てる幸運に恵まれたおかげで俄然やる気が湧いてきたレイクエムコラボ。肝心のモミさんは……明日の交換呼符で再挑戦する予定。というか久しぶりの会話不能系バーサーカーだと思ったらまさかの人間形態実装でビックリした。しかもCVは日笠陽子。ボイジャーくんの声が井口裕香なのでますます「実質シンフォギア」度が増してきました。あとは高垣彩陽と高山みなみと南條愛乃が来れば「ほとんどシンフォギア」と言ってもいいな。オートスコアラーまで範囲を広げると井澤詩織しかいないからちょっと遠くなってしまうが。与太はさておき、ユニットとしてのボイジャーくんは「最大NP50チャージのスキルを持った全体Q宝具フォーリナー」という恐らく今後似たようなキャラは出てこないであろうユニーク性の高いサーヴァントに仕上がっています。「スカディと組み合わせろ」と言わんばかりだ。任意の味方にスター集中状態を付与できるので状況に応じてアタッカーにもサポーターにもなれる。宝具で味方にNPを20or30配れるのも便利。不利属性のアルターエゴがエネミーとして出てくることは稀だし、初心者が引いたら物凄く重宝する1騎になるはずです。難点は宝具火力が低いことと育成素材がエグいことくらいか。

 てっきり開催初日に頑張ればエリセが仮加入してくれるものだと思って眠気を堪えながらプレーしたのに「仮加入はもうちょっと後だよ!」をやられて落ち込みました。でも立ち絵の横乳を眺め返して立ち直った次第。つくづく14歳とは信じられないほど御立派である。エリセが仮加入を果たすのは29日になってからで、4日ほどだからそんなにすごく長い間待たされたわけではないけれど気持ち的にはだいぶ焦らされましたね。昔のFGOを彷彿とさせる「話の途中だがワイバーンだ!」的細切れ戦闘が多かったりなど、今回のイベントは「もっとブラッシュアップしたかったんだろうけどリモートワークだ何だで間に合わなかったんだろうな……」と察してしまう雰囲気があり、未監修状態のテキストおよび演出が公開されるという椿事も発生した。コミックの巻末とかにオマケで載っている「監修前/監修後」のビフォーアフター図をこんな形で目にするとは。DWやTYPE-MOONが普段如何にギリギリの状態で制作しているのかがイヤってほど伝わってくる出来事でした。

 フランス組による人狼もどきはルールの逸脱ぶりが不評だったらしいが、マリーやアマデウスの新規立ち絵が見れて個人的にはそこそこ楽しかったです。今後も英霊祭装や英霊正装を流用するのはどんどんやってほしい。具体的に書くと英霊正装の牛若丸を霊衣にしてほしいんだが、その前にまずモーション改修が来なきゃなんだよな。エリちが牛若丸のことを「義経さん」と呼ぶシーンがあった(すぐに言い直した)が、レクイエム世界のエリちは義経さんと面識があるんだろうか……。

 第4のゲーム「激突の軍団」は編成固定で勝っても負けてもストーリーが進むという異色のクエスト。「負けても大丈夫」というのは良心的な気がする一方で「リトライはできない」という意味で緊張した。トライ&エラーの道を塞がれた以上、選択する魔術礼装は必然的に遊びのないものとなり、もっともシンプルで使いやすいベーシックなカルデア制服を多用することになった。慎重に立ち回ったおかげで三連続勝利。感覚的にはグラブルみたいでちょっと面白かった。グラブルは初心者と上級者の戦力差が開き過ぎているため、イベント本編やチャレンジクエストの戦闘は編成固定が目立つのだ。ゲーム面では面白かったけど、「負けた方がもっと多くシナリオが読める」という逆報酬システムになっているせいでオトク感があまりないのは残念。

 「黒いマリー」の立ち絵が表示されたときは「PU2の予兆!?」って反射的にガタッてしまったが、グラフィックが完全にヒュージゴーストでありスン……となって座り直してしまった。黒マリがカルデアにやってきてフランス組が混沌とした状況になるの、見たくなかったと言えば嘘になるが「平穏が守られてよかった」という気持ちがあることも嘘ではない。いやでも「ジャンヌオルタと黒マリが意気投合した結果ポジションを奪われるアルトリアオルタ」は超見たかったな。邪悪巨乳の黒マリさん、薄い本界隈では割と需要がありそうなキャラ造型ではあるけれど扱いが扱いだけに普及しなさそうでもったいない。マリモミも密かに良かったし、リヨがネタにする日が待ち遠しい。

 エリセの正式加入と宝具上げと高難易度が全部終了し、黒獣脂とピスモニュ類以外の交換も終わってイベントはほぼ終了といった気配です。役割的にエリセが損なシナリオだったと申しますか、レクイエム未読の人からするとエリセがただ「急にやってきた感じ悪い態度の子」という印象になってしまったのではないかと心配してしまう。このコラボやって原作読みたくなる人あんまりいないような……ボイジャーくんの笑顔とエリセの横乳で辛うじて引き込める、か? 私は原作既読でボイジャーくんも引けたからやる気が湧いてきたものの、そうじゃなかったからモチベが低調なまま進みが遅くなっていたかもしれない。シナリオの起伏が乏しく会話の遣り取りも淡泊なせいで雑魚戦雑魚戦また雑魚戦な進行が正直苦痛だった。復刻のときには改善しておいてほしいですね。

 なんだかんだ文句は書いちゃったけど、ボイジャーくんとエリセの組み合わせでクエストを回れるのはやはり楽しい。フレからモミさんも借りてレクイエムパでの周回を満喫しています。「エルケーニッヒ!」「フライシュッツ!」「ウォッチインザダーク!」と叫ぶエリセを見るたび「14歳」という単語が脳内をリフレインする。検索したら「ぼっちインザダーク!」という空耳もあって笑うに笑えなかった。ぐっちゃんパイセンとエリセ後輩に挟まれたカルデアライフを想像するとワクワクするけど、エリセは今後イベントのシナリオとかに出てくるのかしら。サーヴァント知識が豊富だから解説要員としてはうってつけかもしれない。「あの武装、間違いない……!」「知ってるのかエリセ!」 それにしても今回は礼装がなかなかドロップしなくて白目になりながら林檎を齧るハメになりました。ダイスもかなり余って勿体ない感じ。

スタリラ、6月1日午前零時から新イベント「再演 別れの戦記」開催

 おお、「別れの戦記」イベント! サービス開始当初からやってるプレーヤーにとってはテンションの上がる報せだ。「別れの戦記」とはスタリラの作中作であり、「太陽国」と「黒獅子国」の二つが戦争を繰り広げるというストーリーです。聖翔の舞台少女9人が太陽と黒獅子の二派に分かれ騎士風の衣裳を纏う。本編第2部でも言及されていますが、断片的なストーリーしか語られておらず「いつか本格的なイベントをやってほしい」と願っているプレーヤーも多かった。私も当然その一人。「別れの戦記」関連の衣裳は初期実装されたものばかりであり、特に「太陽の国の騎士 愛城華恋」はパネルミッション報酬なのでほぼすべてのプレーヤーが持っているはずです。太陽国上層部の著しい腐敗に失望した香子が黒獅子国に寝返り、かつての友であった真矢と一騎打ちを繰り広げることになる――というのが大まかな筋立て。自国の腐敗を知りながらも民を守るために騎士の務めを果たさんとする真矢だったが、敵となった香子を斬ることはできず、香子に討たれその腕の中で眠るシーンがクライマックスとなっている。メモワール(概念礼装みたいなもの)「友情と悲しみの騎士二人」には瞑目した真矢の顔を至近距離で香子が見つめる密な構図で描かれている。悲しい場面なのだけど胸が強調されているせいもあって「二人ともおっぱいでっっっか」な感想が湧き上がってしまう。

 「太陽の国の軍団長 天堂真矢」、いわゆる「太陽真矢」は初期実装された☆4舞台少女の中において破格の性能を誇る盾役(タンク)であり、現在ではちょっと型落ち感が否めないけどサービス開始間もない頃は太陽真矢目当てにリセマラする人も少なくないほど人気のある衣裳だった。消滅してしまった前のアカウントで一番最初に引いた☆4でもあり、個人的な思い入れも深い。「黒獅子の国の軍団長 花柳香子」、つまり「黒獅子香子」は強力な特殊アタッカー(スタリラの攻撃は通常と特殊の2タイプあり、プリコネの物防と魔防みたいに通防と特防がパラメータとして設定されている)であり、初期実装特有の面白みに欠けるスキル構成であるがCA(奥義)が単体攻撃だからボス戦や盾役潰しで有効なユニットだ。二人とも「使えないことはないが、今の環境だともうひと声欲しい性能」なのでイベントに合わせて強化が入ると嬉しいな。真矢と香子以外の7人は全部☆3であり、スタリラは初期レアリティの違いでステータス差が歴然となるゲームだから一部のユニークスキル持ちを除いて繋ぎ目的(あるいはコスト制限や編成制限)以外でわざわざ☆3を起用する人は少なく、仮に☆3勢に強化が入っても使用率はあまり変わらないだろう。範囲攻撃ができる特殊アタッカーの太陽ばななはかつて憧れの視線で見つめるほどの存在だったんだけどな……アホみたいなペースで☆4が増える(なんとここ1ヶ月の間に7人も増えた)アプリゆえ☆3は恐ろしく冷遇される運命なのだ。

 気になるのは新しい衣裳の追加があるかどうかです。聖翔のキャラは全員出揃ってるから、兼ね役でもないかぎり増やすのは難しい気がする。あるとしたらスキン追加くらいかしら。何であれ、放置されていた初期実装衣裳にスポットが当たるのは喜ばしい。この調子で「あやかし見廻り隊浪漫譚」のイベントもやってくれ。軍服テイストの和風衣裳で見た目はかなり好みなのに本編でもほとんど言及されておらず「別れの戦記」よりも扱いが良くない。スタリラは「衣裳だけあってストーリーがほとんどない」ユニットがあまりに多く諦め気味だったが、「再演 別れの戦記」をキッカケに流れが変わることを期待している。

プリコネ、5月31日12時から「プリンセスフェスガチャ」を開催。新規フェス限として「コッコロ(プリンセス)」を追加。

 「不思議の国のリノ 小さなアリスと希望の絵本」というアリスネタのイベントやるんでガチャ追加は「リノ(ワンダー)」だろうと予想していた(配布が「アユミ(ワンダー)」という予想は当たった)けど、まさかのプリンセスコッコロ降臨でTLが激震しました。「プリンセス」というのはグラブルの「リミテッド」みたいなものと受け取ってもらえれば宜しいかと。次のプリンセスが追加されるのは2.5周年を迎える8月くらいじゃないかと呑気に構えていたから不意打ちもいいところです。だいたいプリユイ飛ばしていきなりプリコロだなんてサプライズにもほどがある。一応石の備蓄はあるから天井を叩く余裕もあるが、ここで天井しちゃうと水着は何が来てもスルーするしかなくなるので悩ましいんだよなぁ。8月にもっぺんプリフェスが来てプリユイ追加の可能性もあるし、それまでスルーするのも一つの手ではある。

 さておきプリコロ(プッコロやコップリと略す向きもある)、見た目が月光蝶なせいで「ターンエーコッコロ」と呼ばれているのは笑った。プリペコが「デスティニーガンダム」、プリユイが「ウイングガンダムゼロ」と呼ばれているし、「プリンセスフォームのデザインモチーフがガンダムに由来している説」はあながち冗談じゃないのかもしれない。さてはサイゲのスタッフ、本当はスパロボが作りたかったのでは?

・拍手レス。

 「セブンス」は自分がなろうの中でも上位に入る好きな作品の1つですねぇ。コメディとシリアスのメリハリのあるタイプ。モブ転生の妹は話が進むと可愛げ出てきたりもしますが、セブンスの妹はガチ宿敵。他には1巻表紙が主人公&七人のご先祖様(男)とか、ヒロイン同士の仲がよろしくないハーレムとか。コミカライズも予定があるようで。個人的には「黒の魔王」「異世界迷宮の最深部を目指そう」と並んで好きです。
 おとモブが面白かったからセブンスも読みたいんですが、探しても見つからなかったので蔵書整理の際に出てくるのを待つしかない状況です。いっそ買い直した方が……って気分になるからすぐに読むつもりの本以外はパスした方がいい、と理解しつつも本屋に寄るとつい衝動買いしてしまう。(給付金で『三角の距離は限りないゼロ』と『リアデイルの大地にて』もまとめ買いしてしまった)


2020-05-25.

レクイエムコラボ「盤上遊戯黙示録」、大方の予想通り「開催はこのあとすぐ!」パターンだったので大慌てで更新作業をする焼津です、こんばんは。

 ボードゲームの世界に呑み込まれてしまったサーヴァントたちを回収するため水先案内人のボイジャーとともにボドゲ世界へ降り立つぐだ、そこに待ち受けるものとは……? イベント名を目にした瞬間「黒幕は磨伸映一郎か?」と勘繰ってしまったことはナイショだ。

 配布はエリセ(ランサー)、天沼矛っぽい槍を持っているからイザナギかイザナミ関連の霊基? ガチャ産の限定☆4はモミさんこと鬼女紅葉、宝具で人間体になっていてビックリした。目玉の☆5はボイジャー(フォーリナー)です。「初のイベント配布フォーリナーかも」と予想していたが外れた。ボイジャーくんの真名は1巻のラスト、最後の最後に出てくるからエミヤ(アーチャー)並みのネタバレではあるが「無料配信やってるのにとっとと読まない奴が悪い」ってのが運営の見解なのか? とりあえず呼符が貯まってるのでモミさん目当てで回します。限定☆4は下手すると限定☆5より手に入りにくい(ふじのんなんかまだ一度も復刻されていない)からな……義経さんが来なかったのは残念なようなホッとしたような複雑な心境である。挿絵すらないんだから来る確率は元から限りなくゼロに近かったんだが、それでも「ひょっとしたら」と思わずにはいられなかったのだ。

スタリラ、初音ミク×スタリラコラボ開催記念キャンペーン開催!

 コラボ系では初となるストーリー付きイベント「初音ミク コラボ公演 ピュグマリオンの友達」も開催中。権利上の関係なのか開催期間がとても短く、一週間で終わりです。あと3日くらい? 鍵集めてボス殴ってボックスガチャ回すという、やってること自体はいつも通りなので作業感据え置きであり変わり映えとかは特にない。「初音ミクをメインに据えた劇」の上演が決まり、露崎まひるが主役として抜擢されることになった。まひるが演じるのは友達がいない孤独な少女「みらい」。みらいはあるとき楽器屋の店頭で初音ミクのPVを目にして、その風変わりな歌声に惹かれていく……という筋立てです。新衣裳は「単に初音ミクのコスプレをしているまひる」にしか見えないが、一応「『みらい』というオリキャラを演じているまひる」って扱いになるわけだ。ややこしい。まひるちゃんがコラボのメインになっているのは単純にキャラ人気が高いからというのもあるだろうが、クリプトンの本社がある北海道出身という設定も加味しているのかもしれません。あとスタリラでは自信が付いてすっかり明るく社交的になっているからつい忘れがちになるが、アニメ本編のまひるちゃんは「大人しくて引っ込み思案」と書かれるほど後ろ向きな性格だったんですよね。「友達がいない孤独な少女」の役は「自分に自信がなかった頃のまひるちゃん」を彷彿とさせるぶん親和性が高い。今は粗忽な華恋とひかりの面倒を診る母親的なポジションで「ままひる」とか呼ばれていますが。

 大型のコラボ企画だけあって運営のバラ撒き具合もスゴいです。ログボとして39(ミク)回分のガチャチケットと3900個のスタァジェムを配布している。39枚あるガチャチケットのうち1枚は☆4舞台少女確定という豪華さ。スタリラもサービス開始当初と比べれば☆4入手難易度がグッと下がってきている(昔は排出率1.2%が基本だったけど最近は2.4%以上が基本、更にステップアップ方式でところどころに☆4確定枠があるからまとめて回せば数人分を一気に獲得できる)ので、以前ほどのありがたみはないにせよログボで配るのは景気が良すぎる。ホント今の新規ってすごく恵まれているよな……100連確定枠すらなく「100連回しても☆4はゼロだった」なんて時代が嘘のようだ。

 ガチャはみらい(初音ミク衣裳のまひる)、「☆4で実装」と予告していたから配布じゃないだろうとは予想していたが、遂にスタリラもコラボ衣裳でガチャを回させるゲームになっちゃったか。期間限定であり、コラボ衣裳ゆえ復刻されるまで今後ガチャから排出されることはない。初回10連が無料で20連目が半額となっており、とりあえず半額まで回そうとしたら無料分だけで☆4舞台少女が2人出て片方がみらい(まひる)だったから石を使うことなく終了しました。お知らせをよく読まないままガチャ回したから引いた後で知ったが、タイプは夢属性。「すべての属性に対して攻撃優位だが被弾した際のダメージも大きくなる」、FGOで言うところのバーサーカーです。スタリラの夢属性は極端に数が少なく、全体で10人もいない。みらい(まひる)は確か8人目の夢属性になるはず。☆4としては5人目であり、一周年記念イベントの報酬だったベル純那以来だから約7ヶ月ぶりの追加となります。毎月5つ以上の新衣裳を最高レアリティでガンガン投入するハイペースガチャ地獄のスタリラにしては異例なまでの渋りようだ。夢属性って手持ちが少ないうちは便利だけど、脆くて耐久性に欠けるから手札が揃ってくるにつれだんだん使わなくなる微妙ポジションのユニットですし、需要そのものがあまりないんでしょう。先月復帰したばかりで戦力の足りていない私にとって夢属性キャラは充分すぎるほどありがたく、リザルト画面で確認したときは「やった!」と心の中でガッツポしましたが。

 特徴は「複数体の敵に攻撃するスキルが充実している」ところ。単騎運用すると3体のエネミーそれぞれに3回の通常攻撃を加えられる。しかも確率で睡眠やスタンを付与してくれる。CAは全体攻撃&確率ストップ付与。このため雑魚戦では無類の強さを発揮するが、反面ボス戦だと範囲攻撃が無駄になるうえしばしば状態異常耐性に阻まれるため強みが活かせない。VSレヴュー(PvP)でもそこそこ暴れられる性能だが、CAのAPが3とコストやや重いため安定感と決め手には欠けます。コラボキャラは版権元に配慮してやや壊れ気味の強さになることが多いけど、みらい(まひる)は「初心者には使いやすいが上級プレーヤーにとってはそれほどでもない」仕上がりになっている印象。雑魚を蹴散らすことに特化したようなスキル構成なのでストーリー本編をガンガン進めたい新規プレーヤーは重宝するはず。その代わり今回のイベントボスを攻略するのにはそこまで役に立たない(パーティ全体に特効が付くしドロップUP効果もあるから編成すると得だけどバトル上での役割は特にない、キラめきを撒く程度?)という奇妙なバランス調整になっています。これまでのスタリラだったらガチャで追加した新衣裳の接待を兼ねたイベントボスちゃんと用意しておくはずなのに……さておき、イベント報酬として手に入る有能な期間限定メモワール「初音ミクと夢の共演!」も既に凸ったから後はもうのんびりモード。「ぶっちゃけコラボ衣裳はあまり興味ない」などと書いてしまったが、現金なもので当たった途端にミク衣裳のまひるちゃんがハチャメチャに可愛く見えてきました。今後もイベントステージ攻略等で愛用すること間違いナシ。

・三嶋与夢の『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(1〜5)』を読んだ。

 『マジカル★エクスプローラー』は面白かったけどまだ2巻しか出ていないせいで読み足りなくて、「同ジャンル作品で何かちょうどいいのないかな」と思いながら新刊チェックしていたらコレの6巻が7月に出るという情報をキャッチして衝動的に既刊をまとめ買いしました。いつもならもうちょっと迷ってから購入するところですが、今の私には給付金がある……! あ、『ガラン版千一夜物語』も全巻買いました。さておき作者の三嶋与夢(みしま・よむ)は他に代表作として『セブンス』というシリーズも書いているが、そちらは積読からのロストで現在どこにあるかもわからない。旧PNは「わい」、『ドラグーン〜竜騎士への道〜』などを出している。

 ジャンルとしては「モブ転生」ですね。はめフラは乙女ゲーの悪役令嬢に、マジエクはエロゲ主人公の友人に転生するという広義の意味での「モブ」だったが、こっちは原作ゲームに一行たりとも出てこない正真正銘のモブキャラ、学園シーンの背景に佇んでいるような「その他大勢」の一員へ転生しちゃうパターンです。なので普通に生きていれば「シナリオの強制力」みたいなものに邪魔されず自由に過ごせる……はずなんですが、「自由」とは程遠い環境でサバイバルするハメになる。ストーリー紹介に移る前に、まず前提となる事柄を書いていきます。タイトルには「乙女ゲー世界」とありますが、実際は遠い未来、主人公たち旧人類が滅んだ後に勃興した新たな文明社会です。乙女ゲーの設定とそっくりな理由は今のところ謎。発掘された乙女ゲーを「古代の文献」と勘違いして作中ワールドそのまま再現しちゃったとかいうパターン? 「悪役令嬢モノとか乙女ゲー転生ネタは面白いのに男性読者にとって敷居が高いジャンルなのかあまり読まれていない……だったらいっそのこと男性読者向けに特化した作品を書けばいいのでは?」という逆転の発想で編まれているためイケメンの挿絵はほとんどなく、代わりにロボが出てきます。サイズ的にはロボというよりパワードスーツですね、『装甲悪鬼村正』の劔冑みたいな奴。チートなメカを手に入れたモブ系主人公が私怨含みで無双する、そういう話です。主人公機のネーミングが「アロガンツ」(ドイツ語で「傲慢」の意味)だったりするあたりも中二心をくすぐる。登場するイケメンキャラのほとんどはやられ役であり、ライバルと呼べるような存在は現れない。一番苦戦するのもイケメンじゃなくてジジイだしな。あと、これはネタバレなので言及すべきかどうか迷うところなんですが、キーとなる要素なので書いちゃうと「主人公以外の転生者も出てくる」。主人公と同じくゲーム知識を有しているため、なかなか厄介な存在です。

 普段男性向けゲームを作っている会社が突如乙女ゲー市場に進出し、RPG要素と戦略SLG要素の盛り込まれた大作が世に放たれた。不慣れな分野ゆえか難易度調整に失敗しており、買ったはいいもののクリアできないプレーヤーが続出。主人公は「旅行から帰るまでにコンプしといて」と妹にソフトを押し付けられ、嫌々ながらも徹夜で攻略するハメに。「真面目にやったら時間が掛かり過ぎる」と課金アイテムまで購入してトゥルーエンド(と呼ばれている逆ハーレムエンド)へ辿り着いたが、ほどなくして不慮の事故により死亡してしまう。気が付くと、さっきまでプレーしていた乙女ゲーの世界に転生していた――と、導入自体はごくありふれている。辺境田舎貴族の三男坊となった彼は前世で買った課金アイテム(もちろん性能はチート)を回収し、ゲーム知識を利用してひと財産築き、悠々自適の生活が送れるかと思いきや「冒険者としての実績を残した」と認められて陞爵してしまった。下手に爵位を上げたせいで、学園の普通クラスではなく上級クラスへ通うハメになってしまう。上級クラス――それは高位貴族の令嬢たちが親の金で買った亜人奴隷(当然のようにイケメン揃い)を侍らせて男子生徒たちに差別的な振る舞いをし、嫁の欲しい男子生徒たちが唇を噛んで我慢するのが日常風景という、「女尊男卑」と表現するのも生ぬるい苛酷な婚活荒野だった!

 原作ゲームで曖昧だった部分の整合性を取ろうとした結果、途轍もなく歪な世界が実現してしまったわけです。学園に通う貴族の少年たちは「在学中に結婚相手を見つける」ことが通例となっており、縁談まとまらなかったボーイズは「売れ残り」と蔑みの目を向けられてしまう。そのため学業以上に婚活に熱心にならざるをえないのだが、「釣り合いの取れる身分」で「気立てのいい子」を見つけるのは至難の業であり、何かしらの妥協を強いられることになる。女尊男卑描写を若干ギャグっぽく綴っているものの、「なんか女が気持ち悪く感じてきた」とこぼすシーンもあり、男子どもがちょっと可哀相になってしまう。なにぶんモブなので主人公は全然モテない。唯一仲良くしてくれるオリヴィア(乙女ゲーの主人公)は表向き「平民」ということになっているので求婚するわけにもいかない。ゲームでは最終的に大層な正体が明かされ、ルートによっては王太子ともくっつくオリヴィアなのだが、不思議なことにこの世界では攻略対象であるイケメンたちの誰ともフラグを立てている様子がなかった。訝しんだ主人公は調べを進めていくうちゲーム本来のシナリオを歪める「異分子」が紛れ込んでいることに気づく。それこそが「もう一人の転生者」だった、というわけで「転生者同士の駆け引き」がシリーズの重要ポイントになってきます。原作ゲームをやり込んでいる主人公はこのままシナリオが歪み続けるとどういう末路を迎えるか予想できるため、可能な限り事態の変化に対処しなくてはならない。要するに「破滅フラグの回避」に腐心するわけです。

 パワードスーツを纏って戦う世界観なので戦闘シーンもふんだんに盛り込まれているが、先述した通り主人公はチートアイテムを手に入れた状態で学園に入ってくるので苦戦する場面はほとんどない。装備の差でほぼ「無双」と言って差し支えない暴れっぷりを見せる。あまりにも強すぎてハラハラするシーンが少ないのはマイナスっちゃマイナスだが、前向きに受け取れば「安心感がある」とも言えます。状況がどうなっても必ず最後に主人公がクソ野郎をブッ飛ばしてくれるはずだ、っていう。主人公は性格の捻じくれた自称「小物」であり、「ネチネチと口撃してカタに嵌めていく」追い詰め描写は好悪の分かれるところだろうが、「クソ野郎をキチンとブッ飛ばしてくれる」点についてだけはあらゆる読者の期待を裏切らない。帯の惹句である「ゲスをもってゲスを制する」がもっとも端的に作品の雰囲気を表しています。ホント「乙女ゲーというよりゲスゲーでは?」ってくらいゲスキャラが次々と湧き出しては高速処理されていく。ここまで来るとコメディである。とにかく展開が早くて一冊あたりの満足度が高いところは評価したい。500ページもある3巻で「王国編」が一旦終わって次から新天地を舞台にした話が始まるというサクサクぶり、読んでて気持ちいいです。

 「因果応報」と「勧善懲悪」をモットーに爽快感重視の構成にしているため「えっ、それでいいの?」と訊きたくなる箇所は山ほどあるが、難しいこと考えたくねぇ……シンプルにスカッとしてぇ! といろいろ心が疲れ気味なアナタにオススメしたいシリーズである。難点はヒロインの存在感がやや薄めなことか。サービスシーンもちょこちょこ挿入されるけど、いまいちインパクトが弱い。ぶっちゃけ一番興奮したのは5巻の口絵イラストに描かれているユメリアさんだったりする。見た目はロリだけど「おっぱいでっっっか」なエルフママ、これで経産婦とかマジ?

・拍手レス。

 大槍葦人さんのイラスト目当てで英雄戦姫WWX始めたけど、あの人「おっきい」のも手掛けるようになったのね。
 ハーフアニバ記念で26日から無料10連が6月10日まで!とダイマしてみました。

 同人誌とかでも「おっきい」方が需要あるからか頑張って描けるようになったみたいですね。確か『ピリオド』の頃に「難しいけど今後は積極的にチャレンジしていきたい」みたいなことを言っていた気がする。英雄戦姫WWは犬江さんがヴァレンシュタインのイラスト手掛けているから惹かれるものはあるけど、さすがにこれ以上本数を増やせないので断念。ああ、一日の余暇が50時間くらいあれば……。


2020-05-20.

『Fate/Requiem2「懐想都市新宿」』、6月12日発売予定

 1年半ぶりにやっと新刊が出ます。遅筆で有名なめておだから仕方ないと申しますか、正直もっと掛かると思ってました。1巻の「星巡る少年」は5月31日まで無料配信されているのでまだ読んでない人は今のうちに目を通しておこう。FGOではレクイエムコラボの開幕直前キャンペーン開催中、2週間に渡って種火が半額になるのでマナプリを集めるなら今がチャンス。開催記念放送が25日に予定されており、場合によっては即日スタートとなるかもしれません。ジナコと刑部姫を揃えた事前ピックアップが「Fate/Stay home」と言われているのは笑った。

 ストーリーに関しては今のところ不明ながら、参加条件が「冬木クリア」であることを考えるとFGOの本編と密接に関わってくる内容ではないのだろう。「イベントで活躍するサーヴァント」としてマシュ含めて10人の名前が上がっており、ある程度は内容が推測できる? 「刑部姫」と「巴御前」が出てくるところを見ると「鬼女紅葉」(バーサーカー)が登場する可能性は高いかな。そしてアマデウスとマリー、つまりフランス勢が出てくるということは、まさかルイ17世が……? キルケーはレクイエムでサーヴァント戦争ごっこ大会の司会者やってたから同じような役回りだろう。元々めてお担当のキャラなので使いやすいのかもしれない。ジナコ、エジソン、ナーサリー・ライムあたりはよくわからない。そもそも原作自体が1巻しか発売されていないシリーズなので推測にも限界があります。2巻の内容と関係しているシナリオかもしれないですし。「懐想都市新宿」って、作者がめておだけに『Forest』を思い出すな。『Forest』……ナーサリー・ライム……まさかレクイエムコラボに見せかけた児童文学ネタのイベントになる可能性も?

『マジカル★エクスプローラー エロゲの友人キャラに転生したけど、ゲーム知識使って自由に生きる』の1巻と2巻をまとめ読みしました。

 タイトルで気になりつつもいまいち手を伸ばす意欲が湧かなかったこのシリーズ、はめフラのおかげでゲーム転生モノに対する抵抗感が下がったので「今がチャンス」と挑んでみました。題名を読めばわかりますけど「エロゲの主人公ではなくエロゲの友人キャラに転生してしまった」という内容のライトノベルです。ジャンルとしては「モブ転生」に当たるのかな。読み始めて真っ先に驚くのは「鏡に映る自分は、自分なのだけれど自分ではない」程度の言及だけで転生に関する説明を済ませてしまうところですね……いや、これ説明を済ませてるんじゃなくて説明を端折り過ぎるほど端折ってるのでは? 「トラックに撥ねられて」とか「通り魔に刺されて」とか「謎の光に包まれて」とか「目を覚ましたら」とか、そういう段取り的な描写が全然ないんです。はめフラのカタリナみたいに頭を強く打った衝撃で前世の記憶を取り戻すといったような現世側のトリガーすらない。「鏡を見たらエロゲの友人キャラになっていた」――以上、これで終わり。ホラーかよ。「今時転生モノなんて基礎教養だからわざわざ紋切り型の説明なんてしなくてもいいでしょ?」と思いっ切り開き直る導入になっている。まるでこれ自体がRTAだ。

 転生前の主人公がどんな人物だったか触れられている箇所はほとんどなく、「エロゲが趣味のサラリーマンだった」ことくらいしかわかりませんが、そんな彼がやり込んでいたゲームが『マジカル★エクスプローラー』というダンジョン探索型RPGでした。で、何度も周回したおかげで攻略情報が頭に叩き込まれており、その知識をフル活用して序盤からカッ飛ばしていく。タイトルのせいで「あくせくしたくないから好き勝手にスローライフを楽しむ」系の話と勘違いしそうになったが、そういうのとは対極に位置します。主人公は「最強を目指す!」と明確な目標を立て、立ち止まる時間が勿体ないとばかりにハードな訓練を重ねて邁進していくことになる。なぜ最強を目指すのか? それはアペンド含めて20人以上も存在する攻略対象(ヒロイン)たちを全員幸せにしたいから――清々しいほど欲深でお人好しな主人公が「みんなハッピー」の御都合グランドルートを実現しようと難行に励むストーリーです。「本来の主人公」を邪魔したりはせず、むしろ「強くなってもらわなきゃ困る」とばかりに情報通の友人キャラを演じ続ける。ゲームで獲得した知識をここぞとばかりに披露するシーンはまさに友人キャラの面目躍如といった趣で笑ってしまった。あらすじでは「友人キャラなんて役割放棄して」って書いてるけど言うほど放棄してないな。

 サービスシーンは盛り込まれているものの、恋愛絡みの進展があまりなく、「いずれ主人公とヒロインを取り合う関係になるかもしれない」ことについて気にする素振りがないのは少し引っ掛かるところかしら。もとがエロゲだから当然ヒロインたちに性的な視線を向けることもあるんだけど、恋愛面で落とすことはあまり考えてないというか、「ハーレム王になる!」みたいな思考は今んところしてないんですよね。そもそも主人公の意識が「ゲームをプレーするような感覚」の延長線上に存在していて、目の前にいる生身の人間を「設定の用意されたキャラクター」として捉えがちなところはちょっとモヤモヤする。ゲーム転生モノ全般に通じる問題なので、この作品がとりわけ悪いということじゃないんだけども……「二次元の存在が三次元になること」を掘り下げてほしい気持ちと「そこは掘り下げなくてもいい」という判断が心の中で鬩ぎ合う。「ゲームの世界を現実して生きること」について昔はさほど抵抗なく受け入れられたが、加齢のせいで頭が固くなったのか最近は飲み下しにくくなっています。とはいえ1巻丸ごとプロローグに費やす(魔法学園に入学する直前で終わる)くらいゆったりとしたペースで進む物語だから、本番はまだまだこれから、今の段階で判断するのは早計というものだろう。2巻からキャラが増え、学園モノらしくなっていくので先が楽しみ。

・拍手レス。

 もっと正確に言えば、シャッフルの発売日はFateと同日です。シャッフルを買いに行って売切れていて、悲しみの中代わりにFateを買ってどハマりした思い出。16年前の作品が両方とも新作として話題に上がるのは感慨深いですね
 シャッフルは王雀孫いないからスルーして、俺翼やった後に興味が湧いてEssence+を買ったクチだからぶっちゃけ初回版発売当時はあまり印象に残ってないです。しかしそう考えると2004年の1月って正田崇がデビューした月でありTYPE-MOONが商業デビューした月でありNavelがデビューした月でもあるのか……濃いな。


2020-05-17.

・特にネタもないので堂々と更新をサボっていた焼津です、こんばんは。

 必死になって走らないといけないようなソシャゲのイベントもなく、ここ数日は黙々と積読や積アニメの消化に励んでいました。いくつかを紹介します。

 『ななどなどなど(1)』、コミュニケーションが不得手で「陰キャ姫」という不名誉なあだ名を付けられヒキコモリになっていた高慢にして紙装甲メンタルのお嬢様「玉村小町」が妹の開発した脳天気ヒューマノイド「7D-O(ななど)」によって半ば強制的に登校させられる話。要は「友達0人からスタートする学園モノ」です。なお、きらら系の漫画だと『ぼっち・ざ・ろっく!』なんてのもある。ヒューマノイドが当たり前のように出てくる時点でリアリティはかなりフワフワなんですが、デフォルメの利いた絵柄(たまにちょぼらうにょぽみっぽい)で繰り出されるコミカルな描写の数々が面白い。「ひい…齢15と思えぬ駄々こねこね」「初手イキリソシャゲ早口自分語り!?」など言語感覚が秀逸。クラスメイトの可愛いポーズを「まねー」と真似するななども可愛い。姉のためにわざわざヒューマノイドを開発する(しかも容姿は自分がモデル)シスコン妹、みんなで映画鑑賞なのにずっと画面ではなく隣の女子の顔を眺め続けていたガチガールなど、主人公以外のキャラが濃い。この表紙を見ても「買いにくさ」を感じない人にはオススメの一冊です。しかし「陰キャ姫」や「陽キャ姫」って書かれると『陰の章 〜しゃぶり姫〜』と『陽の章 〜ぺろぺろCandy〜』を思い出してしまうな。

 『二の打ち要らずの神滅聖女』、李書文を連想するタイトルだが中国拳法とはまったく無関係の異世界ファンタジーです。惑星滅亡級の危機が到来し、人類のほとんどが宇宙船に乗って退避する中で地上に留まって戦い続けた神滅聖女の「ニルマ」。何とか戦いを終結させたものの、逃げた人類がいつ頃戻ってくるかもわからないのでとりあえず5000年の眠りに就くことにした。目覚めたとき地上に人類は戻っていたが、ふたたび滅亡の危機に瀕していて……という、転生モノではないが読み口が限りなく転生モノに近い。5000年の間にテクノロジーが大きく後退し、ニルマが戦い抜いた「神滅大戦」は神話になるどころか語り継がれてさえいない。彼女が所属する「マズルカ教」はギリギリ残っていたものの、聖女ニルマの名は完全に忘れ去られており、「神も悪魔も殴り殺す」最強の存在であった神官は単なるヒーラー職に成り下がっていた。差し当たってマズルカ教の復権を目指し、ニルマは立ち塞がる様々な敵をほぼワンパンで倒していく。『姉ちゃんは中二病』『即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』の作者が書いただけあって、基本的なノリはあれらと一緒です。淡々とした筆致でサクサクと進む。ただ、いろんな要素をてんこ盛りにしたせいでゴチャついたところもある姉二病や即死チートに比べてシンプルというかスッキリまとまった内容になっており、藤孝作品を初めて読むならコレが最適かもしれない。問題は「まだ1巻しか出てないのであまり話が進まない」ってことか。来月2巻が出る予定なので、そのときにまとめて読んだ方がいいかも。ちなみにコミカライズの作画担当は高田慎一郎です。ネット配信されているから単行本出るまで待たなくても読めますが、正直「説明が……説明が多い……!」ってなっちゃうな。

 『カノジョの妹とキスをした』、落第騎士や超余裕の「海空りく」が手掛ける新作です。最近ライトノベル界には空前のラブコメブームが到来しており、気になる作品が山ほどあってチェックし切れない。「親の再婚によって同い年の少女と一緒に住むことになった」というシチュエーション自体はベタベタなんですが、義理の妹になる子が「現在付き合っているカノジョと瓜二つ」なせいでインモラルな気配が漂い出す。カノジョの「晴香」と義妹の「時雨」、二人はかつて両親が離婚した際に別れ別れとなってしまった双子の姉妹だったのだ! てな具合に「同い年の義妹と一つ屋根の下」なシチュエーションに「生き別れの双子姉妹」要素をミックスしたラブコメです。なんとなく『みゆき』を彷彿とするが、今の年代だと『みゆき』は喩えとして通用しない予感もするな……ラノベでは通りにくそうなイメージのあるこういう企画が次々と実現するのは新しき世たる令和ならでは、って気もするが根本的なスピリットはだいぶ昭和であり、「新しい袋に古い酒を注いだような」と表現したくなる面もあります。わざと垢抜けないムードを作っているのか? 大部分は主人公視点で進行するが、後半になって時雨視点のパートが挿入される構成になっており、そこで本書のイメージが大きく変化します。文脈としてはラブコメじゃなくて昼メロのソレなんですよね。ダメだ、いけない、と思いつつ振り払えぬまま二人揃って堕ちていく。久々に三角関係モノのホープが現れてオラとってもワクワクすっぞ。続くかどうかは売上次第だとあとがきで触れていたが、ツイッターの呟きを確認すると無事2巻の発売が決定したみたい。果たして3冊打ち切りで終わってしまった『彼女の恋が放してくれない!』のリベンジとなるかどうか。

 『推しが武道館いってくれたら死ぬ』、略称「推し武道」。漫画原作のドルオタアニメです。ドルオタ薀蓄要素とアイドルグルーブの微百合な人間関係が読み所になっており、良く言えば「一粒で二度美味しい」んだけど悪く言えば「どっちつかずでやや散漫」というのが原作の印象だった。そのため3巻以降は購入意欲が湧かず中断。アニメ化によってキャラたちに声と動きが付き印象がだいぶ変わったと申しますか、率直に言って原作購読を再開したくなりましたね。ぶっちゃけ「アイドル」そのものにあまり興味がないせいで心の深いところに刺さることはないんだが、一定の距離と節度を保たなくてはならない「アイドルとファン」のもどかしい関係や、お互い「相手のために」と想い合いながらすれ違ってしまう遣る瀬無さは百合としての純度が高い。「男キャラがメインで出てくるのは許せない」っていう過激派の百合オタには薦めかねるが、そうでなくて「少し気になっている」という方はまとめて視聴することをオススメします。つっても「まとめて観よう!」って気合を入れて臨むタイプではなく、「あと一話だけ、あと一話だけ……」とズルズルやってるうちに気づけば全話観終わってるタイプです。ドルオタという沼を描く作品だけど、これ自体も結構沼要素ある。2期目が実現するといいなぁ。

「TYPE-MOON展 Fate/stay night -15年の軌跡-」、図録等のグッズ通販受付開始。

 この図録、本来はTM展来場者のみを対象に受注販売するというメモリアルなレアアイテムだったんですが、新型コロナの影響でTM展が中断してしまったため、アニプレ通販サイトを介した受注生産が始まりました。地方民にとってはありがたい方針変更だけど、新コロの影響だと思うと素直に喜べない。HF3章の公開予定だって全然決まる気配ないし。公開記念キャンペーンも宙ぶらりんで、上姉様と下姉様のモーション変更は未だにお預け状態。コロナのない世界線では今頃みんな麗しくなった下姉様の宝具で鬼柴田をシバき倒しているんだろうな……図録の発送は7月下旬と結構先なんですが、予約受付は5月31日までなので欲しい人は後回しにせずさっさと注文しておきましょう。

Navelの新作『SHUFFLE!エピソード2-神にも悪魔にも狙われている男-』、マスターアップ

 ちょっと不安だったが、これで今月発売することが確定となりました。よかったよかった。「エピソード2」というくらいだから当然『SHUFFLE!』の続編なんですが、前作をやってない人でも大丈夫です。なぜなら特典として前作のディスクが丸々付いてくるから。限定版だけじゃなく通常版の方にもちゃんと同梱されています。むしろ前作やってない人の方が「2本分遊べてオトク」と言えるかもしれない。つっても『SHUFFLE!』の中古価格は数百円というか店によっては500円玉でお釣りが来るレベルであり、プレミアはまったく付いていないので「オトク」というのは単に「前作をわざわざ購入する手間が省ける」程度の意味合いです。アニメ化するぐらい売れまくったしいろんなバージョンが出ているしで何年も前から中古市場ではダブつき気味なんですよ。致し方ない。

 『SHUFFLE!』は今から16年も前に発売されたエロゲーで、「Navel」のデビュー作でもある。Navelのスタッフはもともと「BasiL」というブランドに所属していたが、いろいろと揉めて離脱し、新規ブランドを起ち上げることになったんです。旗揚げとなる1作目は絶対に外せない、というプレッシャーの中で生み出されたのが『SHUFFLE!』であり、前述通りアニメ化するほどの人気を獲得しました。販売本数は確か5、6万本だったかな。エロゲーとしては紛れもなく「大ヒット」と謳える数字ながら、『SHUFFLE!』が発売された2004年は『Fate/stay night』や『CLANNAD』が出た年でもあるのでエロゲー/ギャルゲー史を語る際は隅に追いやられがちである。2005年に放送されたTVアニメは「空っぽの鍋を掻き回す眼ギマリな楓」というインパクトの強い描写で話題を喚んだが、アレはアニメオリジナルであり原作にそんなシーンは存在しない。そもそも「旗揚げとなる1作目は絶対に外せない」のでユーザーが嫌がる暗めの要素を徹底的に排除し、強引なほどひたすら明るいノリを貫いてみせたのが『SHUFFLE!』というソフトである。アニメの「空鍋」とかのせいで未だに「原作もああいう感じ」だと勘違いしている人もいますが、そんなことはないので安心してほしいと申しますか逆に修羅場を期待するとガッカリします。

 『SHUFFLE!』のシナリオを手掛けたライター「あごバリア」は2016年に急逝したが、生前に2や関連作の構想を西又葵や鈴平ひろに伝えていたこともあり、今回「シリーズ原案」としてクレジットされています。そして参加ライターには「王雀孫」の名前が。そう、最近はプリコネの「なかよし部」で七兆人の新しいファン層を築きつつあるあの王雀孫です。シナリオ面で『SHUFFLE!』に関わるのはコレが初となる。Navelに移籍して以降は俺翼(『俺たちに翼はない』)の企画に掛かりきりで、『SHUFFLE!』シリーズについては手伝いレベルの関与に留まっていたらしい。俺翼、初めて雑誌に情報が載ったのは2005年ですけど発売したのは2009年なんですよね……『SHUFFLE!』が大ヒットしていなかったらお蔵入り間違いナシだっただろうな。去年出た『SPIRAL!!』はパッと見でNavelのソフトだともわからないような一本で自然にスルーしてしまったが、さすがに今回ばかりは買います。それ散るのFDもけれ夜も実現しなかったけど、「雀孫の参加する『SHUFFLE!』」は実現したのだと思うと感慨深い。

・最後に今やってるソシャゲの近況。

 FGO復刻ファイナル本能寺がもうちょっとで終わりですが、新イベントの情報が来ないところを見ると例によって1週間くらいは幕間キャンペーンとかで時間を潰すつもりなのかな。オリュンポス配信があったとはいえ今年に入ってからの新イベントが「救え! アマゾネス・ドットコム 〜CEOクライシス2020〜」「バレンタイン2020 いみじかりしバレンタイン 〜紫式部と5人のパリピギャル軍団〜」「アイアイエーの春風 〜魔女と愉快な仲間と新しい冒険〜」の3つしかなく、暇してる期間が多くてだんだん「メインでやっている」という感覚がなくなってきた。今の状況だと幕間追加だけでもありがたいから、とにかく新しいシナリオが来てほしい。

 グラブル。デレマスとのコラボイベント「シンデレラファンタジー 〜ふたたび始まる空の旅〜」が開催中です。デレマスコラボはこれで8回目となる。これまでの「シンデレラファンタジー」は「〜少女達の冒険譚〜」(凛、卯月、蘭子)、「〜夢の続きの空の先〜」(未央、美嘉、きらり)、「〜新たなる来訪者〜」(瑞樹、みく、きらり、杏)、「〜迷える魂よ、安らかに〜」(小梅、美嘉、莉嘉、かな子)、「〜少女たちの夢の続き〜」(幸子、愛梨)、「〜雪降る山の物語〜」(みりあ、アナスタシア)、「〜PINYA HAZARD〜」(美波、志希)。リアルタイムでやった記憶があるのはピニャハザだけで、他はハッキリと覚えていない。今回はニュージェネ3人と楓さんがメインの模様。イベントは前半と後半に分かれる形式で、前半クリアによってSSRニュージェネ(光属性)、後半クリアによってSSR楓(風属性)が手に入ります。「グラブルってガチャがしんどいことで有名なんでしょ? ほら、アンチラ事件とかあったしさ。デレマスには興味あるけどプレーするのはちょっと……」という方も安心してほしい。グラブルは基本的にコラボキャラをガチャ実装することはない(グラブルとの関係が深い『神撃のバハムート』は例外)ので、課金する必要はゼロなんです。過去イベントのいくつかはサイドストーリー化しており、コラボイベントは版権管理が面倒臭いせいか常設対象はあまり多くないが、ラブライブコラボやコードギアスコラボに関しては常設対象ゆえいつでも遊べる。コロナの影響で新規ボイスが収録できず無声イベントとなってしまったのは寂しいかぎりだが、この機会に空の世界を訪問してみるのも一興では? 大丈夫、グラブルはコラボイベント開催時と無料ガチャキャンペーン開催時しかログインしないライト勢がいっぱいいますから。私もたまにログインをサボる日があるほど。

 プリコネ。ルナの塔はEX含めて登り切ったし、追加されたエリア34はノーマル・ハードともにサクッと終わったし、サイドストーリーに常設された「ヴァンパイアハンター with イリヤ」もクリアしたし、18日から始まるイベント「ショーグン道中記 白翼のサムライ」は復刻だし、しばらく暇になる雰囲気です。素材集めとか未読シナリオの消化とか、やることはたくさんあるけど急ぎのものは全然ない。タマキ以外の☆6開花が完了した結果、少なくともルナの塔を踏破するぐらいは楽勝の戦力になって育成への熱意がだいぶ薄れてきましたね。今後はログインをサボる日も出てくるかもしれない。ルナの塔と言えば、新たに始まったストーリー「すれちがいディスタンス」の組み合わせがエリコ(ヤンデレ)とアユミ(ストーカー)でヤバイですね☆ エリコの新規ボイスは未収録で『メギド72』状態ですが、アユミの声だけはフルボイスになってます。これって「近々開催される新イベントにアユミが出てくるからそのついでにルナ塔のボイスも録っておいた」ということかしら? あるいは☆6開花が月末に来る? コッコロの誕生日ボイスがあったことを考えると「アニメに登場するキャストはこまごましたボイスも先録りしている」のかもしれない。だとしたら誕生日ボイスがなかったイリヤとアヤネはアニメに出演しない……?

 マギレコ。来週からリリース1000日記念キャンペーンが始まります。いろいろやるけど目玉の企画は「1000日記念福袋」、第2部から登場する新キャラ☆4魔法少女がランダムで1人確定排出される特別なガチャチケットが付いてくる。通常の福袋とは違って無償石でも交換できる安心設計だから無課金勢も充分に検討可能というありがたさ。交換に必要な石の数量は400個、ガチャ16回分です。福袋には☆4確定チケとは別に10連ガチャチケットも付いてくるので、差し引きガチャ6回分で手に入る計算になり相当オトク。「石がねーよ」とか「2部キャラに興味ナッシング」という人以外は迷わず取りに行くでしょう。ただ、「無償石でも交換できる」という説明文が控え目な書き方になってるから「有償石じゃないと交換できない」って勘違いしてスルーしちゃうプレーヤーも出てきそうなんだよな、コレ。もっと下品なくらい大きく「無償ストーンでも交換できます!」ってアピールした方がいいのでは? 1000日記念に合わせて開催される新イベントは「トリック☆トラブル☆学園祭〜パクっと解決!つむぎにおまかせあれ!〜」、アニメにも少し出てきたお嬢様学校「水名女学園」が舞台となる。水名女学園絡みのイベントは「お月見は優雅な茶会のあとで」以来かな。水名女学園はお嬢様学校と言いつつ個性の強いキャラ(口癖が「自害します」の子とか「きのこと服のハイブリッド化」を目指すデザイナー志望の子とか)が山ほど出てくるので「芸人養成所」と揶揄されることもある。恐らくギャグ寄りのイベントだから気楽に楽しめるはず。水名ということで胡桃まなかの☆5覚醒およびドッペル解放水名勢の精神強化も来ます。まなかは低レアながら人気が高く、ガチ勢は今頃大喜びだろう。個人的には梢麻友の精神解放が一番嬉しい。

 スタリラ。今やってるイベント「アライズ・オール・ユア・サンズ〜心を救う舞台〜」があと3日ほどで終わり。最近のパターンからすると次は復刻イベントかな? アライズ〜は配布キャラもないイベントなのであまり熱心に走る必要もなく、のんびりダラダラとボスを殴ってボックス空けるだけだから楽っちゃ楽です。今回はボイスなしだった影響もあって演出家の「鬼龍院しのぶ」先生が一番目立っていたな……鬼龍院先生は大運動会のプロローグにも名前だけ出ていたけど、今後重要キャラになっていくのか? 現状だと立ち絵すらないが。あと初音ミクとのコラボでミク衣裳の☆4まひるが追加されるらしいが、ぶっちゃけコラボ衣裳はあまり興味ない。でも今回はコラボ限定ストーリーがあるらしいのでちょっと楽しみ。これまでのスタリラのコラボってメモワール(キャラに付ける装備品)配布くらいでシナリオが全然なかったからイマイチ盛り上がらなかったんですよね。青嵐総合芸術院の舞台少女も実装が決まるなど、本編にも新展開がありそうな雰囲気でワクワクしています。

 メギド。「忌まわしき『蒼の組曲』」が復刻され「スラグシ(アスラフィルとグシオン)は体にいい……」と堪能した。かのテルミナスヴィータ「天使の羽のウマスギーノ」が初登場するイベントであり、「凡夫のみなさん、はじめまして」という天才にしか許されないセリフは何度見てもインパクトがある。ちなみにこのイベント、グシオン(リジェネ)が配布でアスラフィルフェニックス(リジェネ)がガチャ産なんですが、実はアスラフィルってオリジナルでも復刻でも「イベント開催中に一度もピックアップされていない」という謎すぎる采配(というかスケジュール管理の失敗)の犠牲者になってるんですよ。ピックアップされていないどころか、彼女はテルミナスメギドなので原則として月末月初に開催されるサバトでしか排出されず、他のガチャを回してもすり抜けで出てくることすらありません。「忌まわしき『蒼の組曲』」はオリジナルにしろ復刻にしろサバト期間から外れているせいで「シナリオ読んでアスラが欲しくなった」という人もイベント開催中はどうやっても手に入らない。そう、アスラは「ガチャ産なのにイベント開催期間中ずっと排出率0%だった」という異例のレコードを保有しているキャラなのだ。さておき、サイドストーリーとして常設化した過去イベント「上書きされた忠義」をまだやってなかったことを思い出して早速プレーした(ブニ自体は〆チケで交換したから既に持っていた)が、ユフィールってこのイベントが初登場だったのか。メギドのキャラって「気づいたらいるパターン」と「イベントで出会いが描かれるパターン」があり、ユフィールはなんとなく前者な気がしていました。何せメギドにはバフォメットという前例がありますから。

 ロスフラ。「紅白奉納試合」ステージ追加とゲンジマルの実装が来ています。ただしコロナの影響で新録ボイスはなし。貴重な土アタッカーで割と欲しかったが引けなかった。残念。たとえ引けていても「やることあんまりない」って状況に変わりはないのだが……日課が短時間で済むのは長所でもあるけど、現状だとプレーするコンテンツがほとんどないんですよね、このアプリ。追加ステージは弟子のヤクトワルト。回避とダメカでなかなか削り切れなかったが、何度かリトライして「ここだ!」という瞬間にカルラの連撃を叩き込み一気に吹っ飛ばした。やはり頼りになるのはカルラ姉様の火力だ。

・拍手レス。

 パンテオンは惜しいけど諦めて正田ユウスケコンビはまた燃えゲー作って欲しいですね。アヴェスターが面白いだけにそう思います。
 今は同人誌を出すので精一杯という雰囲気だけど、アヴェスターが完結する頃には人が集まって同人ゲー制作を始められるくらいにはなるのかな……。


2020-05-05.

・グラブルの新イベント「窮寇迫ること勿れ」が結構面白くて満足した焼津です、こんばんは。

 タイトルは「きゅうこうせまることなかれ」と読む。「寇」は敵や賊を意味する言葉。元ネタは孫子の兵法「囲師必闕、窮寇勿迫」です。戦争の際に敵軍を逃げ場のない状況へ追い詰めると死に物狂いで抵抗してくるから、あえて包囲網の一部を緩くするなどして逃げ道を用意し、わざと潰走させることで自軍の損傷を抑えよう――という考え方です。ただ単に逃がしてやるというのではなく、「相討ち覚悟で向かってくる敵と戦うよりも背中を見せて逃げる敵を追撃した方がアド」って思考なので割かしエグい。

 「銀の軍師」という二つ名を持つキャラ「アルタイル」をメインに据えたイベントです。アルタイル持ってないからどんなキャラか知らなかったし、告知の時点ではあまり興味が湧かなかったけど、「オーソドックスな戦記物」といった風味のシナリオですぐに引き込まれた。新型コロナの影響で残念ながらボイスが収録されておらず、ちょっと耳に寂しいイベントとなっていますが……おっぱいと太腿が眩しい軍師「シュラ」の声が聴けなかったことは非常に残念である。でも「アルタイル様」と様付けで呼ぶシュラにはちょっと萌えた。敵側も安定のドクズ陣営で惚れ惚れする。ロウファの強大な力を恐れている割に叛逆封じの策を何一つ弄していなかったユラントスク王には呆れたが。

 音声と言えば、プリコネもイリヤの誕生日ボイスが収録できなかったらしく過去に収録したボイスを継ぎ接ぎした結果『メギド72』みたいになっていました。スタリラも最近実装された衣裳には新規ボイスがないし、ゲーム方面にまで様々な影響が広がっていて暗澹とした気持ちになります。一度延期している『SHUFFLE! エピソード2』も果たして今月末に無事発売されるのか。

【期間限定】「復刻:オール信長総進撃 ぐだぐだファイナル本能寺2019 ライト版」開催!

 聞くところによると、こないだの生放送で「GW中は復刻イベントを開催する」という告知があったみたいだが、ながら聞きだったので完全に聞き逃していました。復刻するとしたら時期的に大奥かな、と思いきやまさかのファイナル本能寺。タイミング的に考えてこの後はやはり『麒麟がくる』合わせでミッチーメインの新規ぐだぐだイベントを開催する予定なのか? 本来の予定は4月末にGW用のレクイエムコラボ、5月中旬くらいにファイナル本能寺復刻、6月に新規ぐだイベ……みたいなスケジュールだったんじゃないかな、と想像しています。日曜の昼に告知が出て夕方に開催という慌ただしさだったが、告知すらなくメンテが明けたら既にイベントが始まっていた復刻ぐだぐだ明治維新に比べたらまだマシな方という事実。

 「信長の野望」をパロディした似非SLG形式のイベントとなっており、初参加の人だとどこから手を付ければいいのか戸惑うかもしれません。素直に攻略サイトを頼るのも一つの手。いくつかのクエストには厄介なギミックが仕掛けられていて、「適役」という表示の出ているサポートを選ぶことでギミックの一部が解除されたりする。適役がいなくても頑張ればクリアできる程度の難易度ゆえ、あえて歯応えのあるバトルを求めて適役を選ばないプレーヤーもいる模様。配布の特攻礼装(「腹が減っては戦ができぬ」)を凸っていればまず負けることはないから去年クリアした人々にとっては割と楽チンなイベントです。レイドもないからのんびりマイペースで進められる。ピックアップでは魔王信長が復刻中。強化クエストも来ています。魔王信長の他、沖田オルタと水着信長にも。「えっ、オルタじゃない方の沖田さんは強化ないの?」と不審がるプレーヤーが続出し、ピックアップ対象じゃない「沖田さん」がトレンドに昇るという椿事も発生した。沖田さんは復刻ぐだぐだ明治維新やってた頃の単独ピックアップ以来2年近くに渡って復刻されないままなんですよね。そろそろ復刻の時期だと思うし、それに合わせてなにがしかの強化も入るはず。沖田さんのスキルってMAXにしてもあまり運用感が変わらないから伝承結晶を使う踏ん切りがつかず、ずっと9/9/9で止まったままになっている。思わずスキルマしたくなるような大改造が来ることを期待したい。

 あ、☆5サーヴァントの交換は予定通り玉藻にしました。噂で聞いていた通り凄まじい量の凶骨を要求してくる……骨喰み狐だ……でもこれでArtsパ運用が捗るから「やったぜ!」な気分です。サポートに玉藻出しているフレがいないわけじゃないんだけど、何度も更新しないとリストに上がってこなかったりしますからね。世はまさに大スカディ時代。そろそろ晴明が来そうな雰囲気漂ってますが、これでまた環境が塗り替わるのかしら。FGOと言えば5周年記念広告 "under the same sky"も楽しみ。47都道府県を舞台にした描き下ろしイラストの新聞掲載を全国で行うという「いったい何十億円掛かったの?」な企画です。

『黒白のアヴェスター』、単行本1巻が今月発売予定(とらのあな専売商品)

 ようやく単行本が出ます。商業流通ではなく同人流通なので、一般の書店では購入できません。『Fate/Zero』とかだって最初は同人流通だったことを考えれば、ここからメガヒット飛ばしてアニメ化→パンテオン復活というルートもなくはない、むしろ大いにありえ……書いてて悲しくなってきたからやめよう。

 “神座万象”シリーズにおける第一神座「善悪二元真我(アフラマズダ)」での出来事を綴るファンタジーであり、『Dies irae』や『神咒神威神楽』といった関連作を知っていればより楽しめるが、ポジション的にはエピソード1なので予備知識ゼロでも入っていけます。「善」と「悪」、あるいは「黒」と「白」、とにかく二つの陣営に分かれてしまった人類が終わりなき闘争に没頭する物語であり、銀河を滅ぼす級のヤツすら平然と登場するくらい戦力がインフレしている。あくまで過去の時間軸における出来事だから最終的に打ち倒されることは確定しているが、どうやって勝つんだあんなもんに……。

 なお『Dies irae』が“神座万象”シリーズのエピソード4で『神咒神威神楽』がエピソード6に相当し、ガイドブック『神座七秘聖典』ではエピソード0の存在も仄めかされている。正田崇のデビュー作『PARADISE LOST』はエピソード2の末期を舞台にしているが、発表時点では神座云々の設定がまだ出来ていなかった(神座云々は後付けだと本人も認めている)から今やると却って混乱するかもしれない。“神座万象”シリーズは「神が交代するごとに世界が創り変えられる」という壮大な設定を背景にしているせいで「語られていない部分」が非常に多く、それらを埋めるための企画として持ち上がったのが『Dies irae PANTHEON』ってソシャゲだったんですが……ご存知の方もおられるでしょう、サービス開始前に経営上の理由でポシャってしまって再開が絶望視されています。『黒白のアヴェスター』も元々はパンテオンの一部として配信される予定でした。

 労力的にゲーム化が困難なため小説形式での再出発となり、「じっくりテキストが読めるんだからファンとしてはむしろ嬉しいかも」って気持ちとてなくはないんですが、基本無料のソシャゲと違い単行本での販売は「お金を払った人しか読めない」から新規の層が形成されにくく、このままだと先細りになるのではないかと若干心配です。でも買う。2巻が出ることを、完結することを、そして「次」に繋がることを信じて。


2020-05-03.

・10万円が給付されたらガラン版『千夜一夜物語』をまとめ買いしようかなぁ、と皮算用している焼津です、こんばんは。

 まとめ買いしてる暇があったら蔵書整理してまとめ読みするべき本が山積しているんですけどね。『シルヴァリオ ラグナロク』も届いたし、足りないのは圧倒的に時間と気力。今は『ティアムーン帝国物語』の3巻を読んでいます。「パンがなければ肉を食べればいいじゃない」とか嘯いていたら断頭台の露となってしまったお姫様が死に戻りしてギロチンルートを回避すべく行動する、大枠としてははめフラと同じ路線の話。ヒロインのミーア姫は「目つきが少しキツい」程度で別に悪役顔ではないのだが、とにかくポンコツ。「未来を知っている」アドバンテージを活かして処刑フラグを折ろうとするものの、あまり緻密な計算や交渉ができないせいもありフンワリした物言いをしてしまう。それらを周囲が延々と深読みしていった結果、いつしか「帝国の叡智」と讃えられることに……っていう、ファンタジー版『エリートヤンキー三郎』だ。『エンジェル伝説』と『エリートヤンキー三郎』は概念として非常に便利なため、ついつい説明で引き合いに出してしまう二大漫画である。

 さておきティアムーン帝国物語、割と展開が早くて2巻目で第一部終了となり、3巻から新キャラを交えて第二部スタートとなります。「死に戻り」とは別の超常現象が発生し、「この展開はアリかナシか」を巡って意見の分かれるところになるかもしれませんが、少なくとも退屈はしない。絶望的な未来を変えるために勝ち目のない戦いへ赴くミーアの雄姿、こないだ読んだ『騙王』と重なるところもあって面白い。対照的なようでいて根底では似通った箇所があるのかも。

 余談。主人公は20歳のときに処刑され、革命が起こる前の12歳の頃までタイムスリップしているから精神年齢は20+α歳のはずなんですが、ぶっちゃけ大人びたところはほとんどない。周りを子供扱いする内面描写が多いくせして自身も相当子供っぽい。最初は微笑ましい気持ちで読み進めていたが、よくよく設定を読むと17歳のときに革命で捕まって3年間も地下牢生活を送った末に処刑されているわけだから、それで20歳相応の精神年齢になれというのも酷な話だよな……じゃあ17歳に相応しい精神年齢に達しているのか、と訊かれると「それすら怪しい」と答えるしかないが。基本的にコメディで陰惨な描写は抑え目になっていますけど、崩壊していく斜陽帝国の中で懸命に頑張っていたやり直し前のミーア姫を思うといろいろ切なくなる。

『メギド72』、4月25日(土)より「呼応召喚」を実装

 よくわからないので読み飛ばしていたけど、要するに天井実装か、これ。規定回数分ガチャを引くとピックアップ対象の中から任意のメギドかオーブを選んで召喚することができます。気になる「規定回数」は200回。石を消費した場合のみで、石が減らない無償ガチャやチケットを使ったぶんはカウントされません。単発の初回割引を利用すれば石29950個、利用しなければ30000個でピックアップメギド確定となるわけだ。

 『メギド72』はキャラの排出率こそ高いもののピックアップ率が低いため特定のキャラを狙うと沼って悲惨なことになりがちなゲームでしたが、ようやく救済案が用意されることになりました。石0の状態から課金していくと約6万円掛かる計算になるが、無課金でもコツコツと貯め続ければいずれ到達できる数字です。これまでメギドのガチャはサバト(排出率2倍、他のゲームでいう「フェス」に相当する)以外あまり旨味がなかったし、長くやってるとサバトすら被りだらけになって旨味が減っていく(おかげでガチャ欲も減退していく)ゲームだったけど、天井前提で回すならこれまで無視してきた平常時の複数ピックアップも挑むか挑まないか検討する余地が生まれてきます。といっても天井前提で回せる場面なんてほとんどないだろうし、基本的には「物凄く欲しいテルミナス(サバト限定)が実装されるまで石を貯めておく」方針になるだろう。

 貯める目安としてはだいたい10ヶ月程度になるかな。イベント開催頻度にもよるし、衣裳課金や〆チケ課金をするかどうかでも変わってくるから一律には計算できないが、手持ちと合わせてメギドの日(7月2日)までに……は無理としても、年末の周年アニバーサリーまでには規定回数分が貯まるかもしれません。ここのところ全ツッパしたくなるガチャもなくて石を温存していたのが幸いした。イベントでRキマリスを配布してもらったからしばらくは物欲も抑えられるはず。イベントは悪役としてノコノコ再登場してきたコシチェイがイイ味出してますね。格の低さをアピールすることに余念がない三流ヴィランといった役どころで、やってることはエゲつないしムカつくんだけど沸点の低さや「人望のなさを自覚しているところ」が面白くて憎めない。「ジョジョみたいな言語感覚でキレるアミバ様」って風味があります。

 本編の配信も来ており、「母なる白き妖蛆」と呼ばれる謎多き存在の詳細についてようやく説明され始めた。その過程で新たな真実も判明して、話のスケールが拡大していくことに途轍もないワクワク感を覚える。ただ、このアプリはシナリオを読み返しにくいシステムなので、じっくりとテキストを確認したいときにストレスが生じてしまう。テキストだけ閲覧できるバックログとか実装されないかな……。

『うたわれるもの ロストフラグ』、3章後半の配信を開始。クリアすると「スズリ」が仲間として加入。

 当初からキャラ紹介ページに載っていたにも関わらず本編の出番が全然なかったせいでどんなキャラかいまいちわかになかったスズリがようやくお目見えです。そしていきなり仲間に。目にも止まらぬ速さだな。伝染病の発生源を追って西に向かったアクタ一行は壊滅状態の村を発見する。僅かな生き残りを救助した後、大量の遺体を火葬するための手立てを考えていたところ、「烟師(けぶりし)」と呼ばれる女「スズリ」が現れて……という、偶然なんだけど嫌なくらいタイムリーな話になっています。相変わらず引き込まれるシナリオで一気に読んでしまった。モブの少女が可愛い。死者を灰にして弔う務めから畏怖され距離を置かれているスズリ、正体についてはまだ朧気にしかわかってないが、さりげなく人恋しさを感じている様子が微笑ましい。伝染病が自然発生したものではなく、何者かの意思によって広められたものだと判明したあたりで3章は終わり。4章は流れからして「何者か」を突き止めるために南へ向かうのかな。だとするとナトリの再登場はもっと先になりそう。依然として客人(マレビト)云々の話題は出てこない。もうこのままでもいい気がしてきた。

 イベントは3回目となる紅白奉納試合を開催中。基本的にクエストだけでストーリーは用意されていないんですけど、今回は前フリとしてごく短いシナリオが追加された。グラブルの古戦場で毎回ビィくんが「ごくり……こ、ここが噂の島か……」と言うアレみたいなヤツ。ピックアップガチャは「ムネチカ」、ヤマト八柱将の一人ですね。二つ名が「鎮守」だから防御性能に優れたユニットなのかもしれない。イベント結糸は全部使ったけどヤクトワルトの鏡が出ただけで☆3はゼロでした。当たらないのはともかく、期間限定ミッションの達成条件が「ムネチカを編成して○○せよ」って代物になってるのはどうかと思う。ロスフラにフレンド機能はありませんので、期間中にガチャでムネチカを当てないと絶対にクリアできない。ロスフラ、シナリオはいいんだけど、ところどころ腑に落ちないゲームだ。

 嘆きつつ他のミッションでゲットした恒常結糸使ったら常設ガチャからオボロが引けたので不満を脇に措いて小躍りしちゃいました。ロスフラ、やっぱりいいゲームじゃないか! と華麗に掌を返す私である。あまりに嬉しくて早速編成へ入れてみたところ、「速攻支援タイプのアタッカー」といった趣でバカみたいに強くてウットリしました。好きなキャラがバトルで活躍するのは楽しいな。本人の火力自体はそこまで高くないものの、開幕と同時に気力ゲージを+1する特性、連撃参発動時に気力ゲージを+2する特殊効果がなかなか便利です。私のプレースタイルは「持久戦に持ち込まず、速攻を掛けてゴリ押し気味に潰し切る」という頭の悪い戦法だからオボロの使い心地はとても良好。火属性のアタッカーということで「カルラと役割が被るのでは?」という危惧もあったが杞憂でした。今後も重宝しそうです。先月のイベントで念のため御魂交換しておいてよかった。カミュの御魂交換サボって泣きを見た件が未だに忘れられないから、ピックアップで引けなくても御魂はなるべく交換しておく方針にしています。

・拍手レス。

 FGO二部五章の某U氏については、「おいおい、ワンパンマンに登場する災害指定レベル・竜の怪人じゃないんだからさ…」と突っ込んでしまいました。何もあんなところでシリアスな笑いをブッこまなくてもと思ってしまいました。
 ジャガーマンが出てきたときと同じ「何この……何?」なメダパニ感。7章で「O」のアレが出る可能性も高まってきたし、「ちゃんとまとめ切れるのかきのこォ!」と叫びたくなります。


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