2020年3月〜4月


2020-04-26.

・今期のアニメは『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』が最ハマリの焼津です、こんばんは。

 タイトルの長さで察したかもしれませんが元は「小説家になろう」で連載されていた作品です。2015年から「一迅社文庫アイリス」という少女向け文庫レーベルで書籍化を開始。なろうでの連載は「完結」扱いとなっており、現在は書籍版でのみ新作エピソードが公開されている。『魔法科高校の劣等生』などと同じパターンですね。アイリスは少女向けレーベルなのでチェックの対象外であり、アニメ化の発表が来たときも「へー、遂に悪役令嬢モノのアニメ化が始まったか」くらいの反応でした。

 「悪役令嬢モノ」はなろうにおける人気ジャンルの一つであり、「少女マンガ等で『庶民のくせに生意気よ!』と主人公をイビってる高笑いが似合う意地悪ないしワガママなお嬢様」をあえて主人公やヒロインに据えるという主旨の作品群です。源流を遡っていくと1991年の『お嬢さまとお呼び!』まで辿り着くが、ここ数年の範囲に絞ると2013年開始の「謙虚、堅実をモットーに生きております!」がジャンルの火付け役と見られている。謙虚堅実は「少女マンガの悪役お嬢様に転生してしまった主人公が破滅を回避しようと努力しつつ没落後の備えもしておく」という内容。作者が商業化を望まなかったためなろう読者以外の知名度が低く、しかもここしばらく更新が途絶えていてエタりそうな気配漂っているけど……なお「悪役令嬢」という呼び名を普及させたのは謙虚堅実よりも先に始まった『悪役令嬢後宮物語』と思われる。転生モノではなく、「悪役顔」のせいで周囲から誤解される令嬢を主人公にした『エンジェル伝説』系の話。最近では「処刑されたワガママなお姫様が死に戻りして人生をやり直す」『ティアムーン帝国物語』や「天から降ってくるゲーム実況者の声で悪役令嬢の運命が変わっていく」『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』みたいな変わり種も出てきており、男性マーケットの方にも需要が広がりそうな雰囲気である。

 さておきはめフラ。アニメ化と聞いて「一応チェックしておこう」と通販サイトで検索したところ、何か見覚えのある表紙が。あっ、この本買ってるわ。タイトルが長かったせいで覚えていなかっただけだわ。我ながら記憶力の乏しさにズッコケそうになったものだった。確か「このラノベ面白いよ、普段少女向け読まない人にもオススメ」とプッシュされて物は試しと2巻まで買ったんですよね。冒頭だけパラパラ読んで、あまり気乗りしなかったから放置してしまってアニメ化の報が飛び込むまですっかり忘れていました。読みさしのヤツはもうどこにやったかわからないし、とりあえずアニメの方を先に観よう、と大して期待せずに放送のときを迎えた次第。1話目は「まあまあ面白い」くらいでしたが2話目で「おっ?」となり、3話目を観て慌てて数年前に買った1巻と2巻を積読の山から発掘しに掛かりましたね。なんだよ、このシリーズほんのり程度とはいえ百合要素あるじゃん! そういう重要なことはもっと早く言って!

 ゲームではだいたい死ぬか国外追放されるかしていた悪役令嬢「カタリナ」に転生してしまった主人公(通称「野猿」)が「最低でも死は回避したい、できることなら国外追放も……追放が回避できないなら、せめて追放された先でもしぶとく生きていけるように逞しくならねば」と熱意を変な方に燃やすコメディです。主人公の行動によってゲームではカタリナとの接点がなかったはずの「メアリ」や「ソフィア」といった少女たちとも交流が生じ、ちょっぴり百合姫めいたイベントが展開されたりします。ぶっちゃけ乙女ゲーにはさして興味がないけど、この僅かな百合スメルを嗅ぐだけでも読むに値する!

 とはいえアニメから入った以上なるべく初見はアニメにしておきたいし、原作についてはアニメ化された範囲だけ読むことにしよう。書籍版の1巻がアニメの3話目までに相当するのか、ならちょうどいい……気が付いたら2巻まで読み終わって残りの既刊全部を通販で注文しておりました。挿絵を担当している「ひだかなみ」がコミカライズも手掛けているということで漫画版も併せて購入。イラストレーター本人の作画によるコミカライズは良い文明。来月に単行本が出るスピンオフ系のコミカライズ『絶体絶命!破滅寸前編』は8歳ではなく15歳のカタリナに前世の記憶が戻ったら……というifを描くみたいで、面白そうだから買うことにした。再来月の『GIRLS PATCH』は百合姫コミックスだから恐らく百合要素を前面に押し出したアンソロジーであろう。ラインナップがわからないがこれも買う。なもりの作品があったら嬉しいな。

【重要】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止対策の影響による次回新規イベント開催およびアプリアップデートの延期につきまして

 世間がもうゴールデンウィークどころではない有様なので薄々予感していたが、FGOにもやっぱり影響が及んでいたか……テレワークの限界に達したんでしょうね。本来GWに合わせて開催する予定だったイベント(恐らくレクイエムコラボ)の準備が間に合わず、文面から察するにGW明けの5月6日以降にズレ込むみたいです。代替的な復刻イベント等も予定されていないので、本編もフリクエも幕間も強化クエストもすべて終わらせている人にとっては真の虚無期間が訪れることになる。さすがに暇すぎるから、端末壊れてデータが吹っ飛んだ際に引退したスタリラへの復帰を果たすことにしました。端末壊れたのが去年のクリスマスだったんで4ヶ月ぶりか。UIがちょっと変わっていたり「合宿」なる新コンテンツができていたりで浦島太郎気分に陥る。

 壊れる前の端末で最後に確認した☆4舞台少女は「猟犬レプラス 秋風塁」。87番目に実装された☆4であったが、調べてみると現時点でスタリラの☆4は115体にまで増えていました。私がプレーしていなかった4ヶ月間だけで28体も増えた計算になるのか……1ヶ月に7体ペースであり、もはや週刊どころではない。配信1.5周年を迎えたばかりなのに最高レアの数が軽々100を超えてるなんて相変わらずトンデモないソシャゲだ。ちなみに秋風塁は私の推しで、少し前にフェス限として「ナイチンゲール 秋風塁」が追加されたことも復帰を促された要因の一つである。CA(奥義)を使用した際、退場した仲間を呼び戻す「退場解除」が発動する。要するに蘇生効果を持った特殊なユニットです。現状では唯一? 「退場回避」というガッツ付与みたいなのは以前からあったけど、完全に退場したユニットを甦らせるのはナイチンゲールが初めてのはず。無限にリセマラする覚悟で臨んだところ予想外にすんなり出てくれたので速やかに復帰することができました。2STEP☆4確定ガチャで十兵衛塁が出たし、無限引き直し5連ガチャがリニューアルされたおかげで初期実装ではない鬼影塁の入手も確定しているし、引き続き塁推しでチマチマとプレーしていきたい。

【予告】「2000万DL突破キャンペーン」開催予定!

 しばらく暇こくなぁ、とか思ってたら急に生放送が始まって2000万DL突破キャンペーンの告知が来ました。今回の目玉は何と言っても「お好きな☆5サーヴァント1騎プレゼント」! まさかFGOが最高レアリティである☆5鯖を配布するだなんて。限定とスト限、それに最近追加されたばかりのディオスクロイとオデュッセウスを除いた恒常25騎が対象です。

 

 

 有償でも迷わず課金していたであろう内容だが、なんと無償でゲットすることが可能です。ありがたいの極みだ。RMT業者対策なのか交換するだけでは正式加入とならず、霊基再臨(最低1回)と絆レベル上げ(5以上)を行うことで入手できるようになっています。私は玉藻を選ぶ予定。これでアーツパ運用が捗るぜ。リセマラという苦行抜きでFGOを始める絶好のチャンスであり、まだドッと新規のプレーヤーが増えそう。「前々から興味があったけど、機会がなくて……」という方もステイホームのビッグウェーブに乗ってインストールしちゃうかもしれない。

 「で、どのキャラがオススメなの?」という質問には「どれでも。好みで選べ」って返答したいところだが、やはり私も新規の人を引きずり込みたい気持ちがあるので少しだけ詳しく書きます。単純に性能や汎用性で語るなら「諸葛孔明」か「ジャンヌ・ダルク」の二択です。このゲーム、アタッカーはサポートで調達できるから支援系ユニットを自前で持っている方が便利なんです。孔明は宝具(必殺技)を撃つためのゲージを加速させるスキルを持っていて、味方全体に強力なバフも掛けられることから「孔明がいるのといないのとでは別ゲーム」とまで言われるほど優秀なユニットだ。現在はスカディを軸にした編成が主流になりつつありますが、孔明もまだまだ有益です。3年以上ずっと孔明に頼り続けている私が言うのだから間違いない。ジャンヌは宝具で味方全体に無敵バリアを張れる便利ユニット、ボス戦や高難易度戦では大いに重宝する。時間の掛かる持久戦が苦にならない人であれば、孔明よりも有用かもしれません。

 そしてマナプリ交換にネモ礼装の「フリー・シーティング」か追加。欲しい絵柄なのでまたせっせとマナプリ集めなきゃ……。

・拍手レス。

 FGO二部五章の某U氏については、「おいおい、ワンパンマンに登場する災害指定レベル・竜の怪人じゃないんだからさ…」と突っ込んでしまいました。何もあんなところでシリアスな笑いをブッこまなくてもと思ってしまいました。
 ジャガーマンが出てきたときと同じ「何この……何?」なメダパニ感。7章で「O」のアレが出る可能性も高まってきたし、「ちゃんとまとめ切れるのかきのこォ!」と叫びたくなります。


2020-04-18.

シン・エヴァ公開延期が発表されたけど、これに関しては「そもそも制作が間に合っていなかったのでは……?」と疑念の眼差しを向けてしまう焼津です、こんばんは。

 序からかれこれ13年、今更1年や2年の延期には動じない心境へ至っている人がほとんどではないかと。なんにしろ現況では劇場の稼働自体が危ぶまれているから仕方ない。緊急事態宣言が全国に拡大した影響で営業している映画館も少なくなり、最近は録画したアニメと積んでいるBDの消化に忙しい日々です。映画とアニメはいい、観ている間は現実を忘れられる……でもたまに「今後の新作映画は『ソーシャル・ディスタンスを守って制作しています』みたいなテロップが入ることになるのかな?」とか考えてしまう。

声優の藤原啓治が4月12日に癌のため死去(コミックナタリー)

 闘病生活をしているのは知っていましたけど、さすがに訃報は受け止め切れず「信じられない」という気持ちでいっぱいになった。まだ55歳ですよ、あまりにも若い。一番有名なのは野原ひろし役でしょうが、個人的にはダブルオーのアリー・アル・サーシェスが印象に残っている。「行けよファング!」が好きです。マジ恋では釈迦堂刑部を演じていて、「行けよリング!」ってネタもあったな……グラブルではオイゲンを担当しており、私はリミオイゲンを土アタッカーとして重用しているから、今後もグラブルで藤原さんの声を聴き続けることになると思う。繰り返すけど、まだ信じられません。物凄く容易にあの人の声が耳に甦ってくるんですもの。だんだん藤原さんの代役が増えていくことで少しずつ実感を伴うようになっていくのかな……。

作家の浦賀和宏さん死去 ミステリー中心に執筆 41歳(朝日新聞デジタル)

 こちらは先月の訃報ですけどついさっき知ったばかりで絶句しました。来月『殺人都市川崎』という新刊が出るからどんな内容か調べよう、って検索した矢先に訃報が表示されて思考が停止してしまった次第。過去に『浦賀和宏殺人事件』なんて本も出していたからマジか虚構かすぐには判断が付かなかったです。私は読んでいないけど去年刊行された『デルタの悲劇』の冒頭には「息子は浦賀和宏というペンネームで小説を書いており、来月、遺作となる『デルタの悲劇』が出版されます」という一文が綴られており、熱心なファンは余計に混乱したものと思われる。実際の遺作は『殺人都市川崎』になるのだろうか?

 1998年に『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。実は第4回から第6回までのメフィスト賞は同じ月にまとめて刊行されています。第4回が『イニシエーション・ラブ』で有名な乾くるみの『Jの神話』、第6回はもう覚えている人も少ないだろうけど積木鏡介という作家の『歪んだ創世記』。浦賀が第5回になったのは単に50音順じゃないかと想像している。「安藤直樹」という青年を軸に進行していくシリーズでコアな人気を集めたものの、売上がいまひとつだったせいかすぐ文庫化されたのは『記憶の果て』だけで、2作目の『時の鳥籠』以降は15年以上も放置される始末だった。2001年に幻冬舎から出版した初のハードカバー作品である『彼女は存在しない』が、なぜか10年くらい経った後に書店員のオススメか何かで急に売れ始めて再評価の波が来ました。安定して新作が出続け、だんだん追い切れなくなってここ数年は買っていなかったわけですが、まさか亡くなっていたとは……10代の頃に夢中になって読み耽った同年代の作家ですから正直かなりショックです。「ここ数年は買っていなかった」けど、新刊の情報が出たらとりあえずチェックする程度の関心は残っていたわけですし……個人的に好きな作品は『ファントムの夜明け』ですが、浦賀小説を一冊も読んだことのない人に差し出したいのは『記号を喰う魔女』。『記憶の果て』の過去編に当たる『時の鳥籠』の更なる過去に位置する前日譚であり、ファンの間でも評価が真っ二つに分かれる怪作です。「浦賀初心者に『記号を喰う魔女』を薦める奴は異常者」と言われても仕方ないレベル。逆に言うと『記号を喰う魔女』が読み切れたなら『記憶の果て』や『時の鳥籠』は楽勝すぎて「天国か?」って気分になりますよ。浦賀はナイト・シャマラン監督作品が大好きで、作中に「ミスター・グラス」と名乗る人物を出すほどだった。この週末は彼を偲んで『スプリット』と『ミスター・ガラス』の2本を観るか……。

【期間限定】「オリュンポスピックアップ2召喚」!

 というわけでピックアップ2の目玉は☆5ランサー「ロムルス=クィリヌス」、グランドランサーの資格を持った「神として祀られているロムルス」です。ファーストインプレッションを率直に述べると「黄金聖闘士じゃん」ですね。「路地裏さつき ヒロイン十二宮編」なんて直球の星矢パロをかますようなTYPE-MOONがギリシャ舞台で『聖闘士星矢』を意識しないわけがない、とわかってはいてもここまで開き直られると苦笑するしかない。敵や味方に「〔ローマ〕特性」を付与する珍しい……どころか現状唯一の宝具とスキルを持っています。ギル祭超高難易度のフィナーレ(永遠の都)はテストの意味合いもあったんだろうか。味方のサポートもできる有能な全体アタッカーであり、今後様々な運用法が編み出されていくのではないかと予想される。なお本編で大活躍した武蔵ちゃんはピックアップの予定なし。2000万DL突破キャンペーンまで温存するつもりか?

 それはそれとしてオリュンポスのネタバレ感想をざらっと書いていきます。まず一番に書きたいのは「こんなんキリシュタリア様を好きになってしまうやろ……」ってことだ。冷酷な面持ちの完璧超人であり、泥の中で這いずり回っている下々の者たちを無表情に眺め下ろしている……みたいなイメージをかつては抱いていましたけど、それが思いっきり覆ってしまった。服を脱いでおいて「露出狂ではない」と弁明するズレた生真面目さといい、この人、顔が貴族なだけの愉快お兄さん枠だよ。「すまないカドック! 話の途中だがワイバーンだ!」みたいな遣り取りをオルレアンの塹壕で交わし、カドックと友情を育んだ結果がうたた寝からのヘヴィメタ発言だったんだな……カドックの中から一切の思い出がそれ散る並みに消え去っていることを考えると無性に切なくなる。もしキリシュタリアがやむにやまれぬ事情で遅刻してロマニたちと一緒にいたら――というifを想像するにつけ、いろんな与太イベントに目を輝かせたり大真面目な顔ですっとぼけたことを言う彼の姿がありありと浮かんでいって止まらない。いくらでも二次創作の余地があるから今後もファンによるイラストや漫画は描かれ続けるだろう。でも、本編におけるキリシュタリアの出番はここで終わりなんだ、と悟って悲しくなります。救世主をモチーフにした名前からして「復活」を遂げる可能性もほんの僅かに残っていますが、これだけあけっぴろげに内面を晒しちゃったことを考慮すると「ほんの僅か」ではなく「極小」と申し上げた方が正確かもしれません。素直に「彼とはここでお別れ」と受け取るべきである。でも、やはり、惜しい……! まさかここまで退場を惜しむことになるとは。すまないキリシュタリア、はじめの頃「ベリルに背後からアゾットぶち込まれそう」とか言っちゃって。ベリルに殺されたことは確かだけど、一度はちゃんと回避したもんな。

 キリシュタリアとカイニス周りは奈須の筆が多く入っているみたいで、この二人の掛け合いはstay nightの頃のFateっぽさがあって楽しかった。カイニスもオリュンポスを通じてイメージが向上したキャラと言えます。面倒臭い戦闘狂なんだけど、味方になると頼りになる。武蔵ちゃんとの息が合うんだか合わないんだか、な会話も好きです。執拗な神霊アピールさえだんだん可愛く見えてきた。可愛いと言えば「今回の現地住人」を担当するアデーレちゃんもなかなかにキュートでしたね。弟のマカリオスくんがそれを凌駕する勢いで魅力発揮したためやや霞んでしまったところはあるが。ぶっきらぼうな態度から徐々に軟化していくマカリオスくん、ほぼギャルゲヒロインでは? 現代日本が舞台だったら確実に女装イベントがあったはずだよこの子。

 オリュンポスのボスエネミーは真体(アリスィア)と呼ばれる機神としてのボディで出撃してくるため、人間体とのバトルがないのはちょっと残念だった。難易度結構高めで常にガチ編成での出撃を余儀なくされましたが、毎度毎度程良い緊張感が味わえて超エキサイティン。真体デメテルのあだ名が「滅殺開墾ママ」なのは笑いました。アフロディーテはキャラそのものよりも幻覚シーンの方が印象的。選択肢間違えたらバッドエンド直行しそう感が半端ない。うタがきこえマすね? そしてPU1の目玉でありながらアトランティスでは小物悪役ムーブしかしてなかったディオスクロイの双子、オリュンポスではどんな見せ場が用意されているのか――と期待していたら、あれ? ひょっとして、見せ場らしい見せ場がない……? 最後まで小物イメージが抜けないまま退場して呆然。なぜ双子が☆5でカイニスが☆4なのか、「知名度」以外の理由が思い浮かばない。

 既存サーヴァント陣で最大のサプライズだったのが「正気カリギュラ」。まさかこんなに流暢に喋る伯父上が本編に登場しようとは。「月女神に愛された」という点でカリギュラとオリオンは共通している、という解説には「なるほど」と納得しました。クライマックスはインフレに次ぐインフレで半ばワケが分からない事態に陥ってしまったが、ここぞとばかりに捻じ込まれてくる一枚絵の威力は相当なもの。激闘の末に異聞帯オリュンポスは崩壊する。そして、よりによって「少し前に録画された明るい雰囲気のVTRが発掘される」というすごく気の沈むエンドがプレーヤーを待ち受けている。やめてくれ、『グリーングリーン』の美南早苗を思い出しちゃったじゃないか……。

 クリプターやアルターエゴの出番も割と多く、書けば書くほどいろいろ思い出しちゃってキリがないな。本当に行ったことがあるかどうかもわからないのに「自動娼館で浮かれているのではありませんか?」の一言だけで異聞帯レヴュアーズ扱いされてしまったカドックが不憫すぎる。「U」の人についてはまだ混乱しているから割愛しますけど、強いて想いを捻り出すなら「ここから悲劇的なエンドに向かわないでほしい」ってところか。もうすぐレクイエムコラボが始まって、復刻を挟んだりしつつ水着イベントと6章の準備を進めるのだろうが、さすがに6章も前後編に分割なんてことはないですよね? 一気に最後までやってベリルの野郎をブチのめせますよね? 空想樹も既にロストしているらしいイギリス異聞帯、いったいどんなことになっているのやら。その前に5.5章みたいなノリの番外編来そうですけど。余談。シナリオとは一切関係ないけど、一部の人にはピンと来るくるであろう「やけに硬かったフリクエのクリスタルゴーレム」、結局不具合だったみたいで現在は修正されている模様です。

・拍手レス。

 藤原氏の訃報が…… ハクの中の人どーすんでしょコレ……
 そういえば二白のアニメ化が控えていましたね。代役を立てる以外ない、と理性ではわかっているものの正直抵抗感はあります。


2020-04-15.

・遂に放送が始まったTVアニメ版『プリンセスコネクト!Re:Dive』、コッコロちゃんの可愛さもさることながら主人公(ユウキ)の無垢スマイルにほんのりトゥンクしてしまった焼津です、こんばんは。エピソード記憶どころか意味記憶すらボロボロになって「赤ちゃん」呼ばわりされることも珍しくない主人公、アニメでの扱いは苦慮するだろうと思っていたが案外何とかなってますね。

 TVアニメ版の監督・シリーズ構成を担当しているのは「金崎貴臣」、『これはゾンビですか?』など主にライトノベル原作のアニメでいろいろな仕事を手掛けている人です。「このすば」こと『この素晴らしい世界に祝福を!』が特に有名。プリコネはよく知らないけど、これゾンやこのすばは好きだから試しに観てみよう、ってアニメ好きの方の多いかもしれない。なのでまずは原作となるプリコネについて説明していきます。

 『プリンセスコネクト!Re:Dive』は2018年2月にサービス開始したソシャゲで、つい2ヶ月前に2周年を迎えたばかり。そういう意味では比較的新しいゲームと言えますが、タイトルの「Re:Dive」で察せられる通り純粋な新作ではなく『プリンセスコネクト!』(以下「無印」と表記)というソシャゲの続編的な内容です。ゆえに本来「プリコネ」という略称は無印を指すものであり、Re:Diveの方は「プリコネR」という公式略称を用いるべきなんですが、今や無印よりもRe:Diveの方が有名になってしまったため単に「プリコネ」と言った場合はほとんどがRe:Diveの方を指す雰囲気となっています。無印は2015年2月から2016年7月まで、約1年半に渡って配信された。当初はサイバーエージェントとCygames(サイゲームス、以下「サイゲ」)の共同開発企画で、サイゲはキャラクター作りを担当していたが、2016年にサービス終了が決定した際「ここで終わらせてしまうのはもったいない」という理由で許可を貰いサイゲ単独でRe:Diveとして仕切り直すことになった――とプロデューサーの木村唯人はインタビューで語っています。Re:Diveから「日日日(あきら)」をメインライターとして迎え入れ、前作の世界観や資料を元に何度も会議を重ねて構築したのが「世界の謎」に迫るというRe:Dive独自のメインストーリーです。余談ですが、ほぼ同時期に「王雀孫」も木村プロデューサーから打診されて「なかよし部」という新ギルドの制作に携わっている。

 Re:Diveの前作に当たる無印のシナリオは現在Youtubeの「プリンセスコネクト!チャンネル」で無料公開されているので時間に余裕のある方は「再生リスト」の「メイン・サブストーリー集」から視聴するといい。時間に余裕のない方のために要約しますと、舞台は2030年代の日本。VR技術が発展したゲーム業界に、超高性能なAI「ミネルヴァ」が開発したフルダイブ型の新作『レジェンドオブアストルム』が参戦。ミネルヴァは「ソルの塔」と称するコンテンツを制覇したプレーヤーの願いを何でも叶えると宣言し、真偽不明ながら「願いが叶うゲーム」として主に10代の少女たちの間で流行する。主人公(名前は可変だが性別は男で固定されている)は「模索路晶」なる謎の女性(TVアニメ第1話でクレープ屋として出演している)によって半ば無理矢理フルダイブ装置を付けられ、アストルムの世界へダイブすることになる……といった話です。ゲームクリアすれば「何でも願いが叶う」わけだから当然の如く様々な野望と陰謀が交錯し、最終的に主人公は仲間たちと力を合わせ覇瞳皇帝(カイザーインサイト)というラスボスを打ち破って世界に平和をもたらします。めでたしめでたし、ってのが無印のエンディング。スタッフロールの後にゲームを始めたばかりの巨乳少女が主人公たちと出会って「私の名前は――」と名乗ろうとしたところで「完」になります。無印におけるペコリーヌの出番はこれだけ。

 恐らくSAOあたりを意識して始まった企画だと考えられますが、無印の時点では普通に「現実の世界」と「ゲームの世界」を行き来するVRMMOモノでした。しかし、Re:Diveではアストルムのプレーヤーたちがフルダイブ装置に繋がれたまま目を覚まさなくなってしまう「ミネルヴァの懲役」事件が発生し、現実世界はパニックに陥ります。ゲームの中にいるプレーヤーたちも「ログアウトできない!」と大騒ぎに……なったりはせず、「ここがゲームの世界である」ことを忘れて冒険の日々に励むのであった。そんなわけで、アニメで言及されるのはもうちょっと先になると思いますがプリコネの世界は「VRで作られた架空のゲーム世界」です。街を行き交う人々はほとんどNPC。「アストライア大陸」の王国「ランドソル」が物語の主な舞台となりますけど、そこは異世界じゃなくて「ゲーム上にのみ存在するデータ」でしかない。原作アプリのメインストーリーではこうした「世界の謎」を少しずつ解き明かしていく筋立てになっているものの、アニメは「新規のオリジナルストーリー」と明言されているので「世界の謎」云々をうっちゃってしまう可能性もあります。ぶっちゃけ「ミネルヴァの懲役」だの何だのを真面目に追っかけていたら2クールあっても全然足りないだろうしな……「細かいことはアプリで!」って丸投げする方が販促としては正しいかと。

 主人公(ユウキ)はかつて世界を救った紛れもない英雄ながら、「ある変事」(これがミネルヴァの懲役に繋がっていく)が発生したことによって「世界を救った」事実がなかったことにされ、記憶の大半も失ってしまう。おかげで従者のコッコロ(現実世界では小学生)が世話をしなくては満足に生活もできない有様に陥る。ちなみにコッコロちゃんは現実世界でも「私には仕えるべき主様がどこかにおられるはずなのです」という謎の確信を抱いて彷徨うヤバい小学生であり、ゲームの世界に閉じ込められたおかげで積年の願いが叶うという皮肉な事態になっています。幼児じみた主人公の世話を焼くことが一切苦ではなく、むしろ主人公の知能が回復してだんだん手が掛からなくなってくると不満を覚えたりする。年相応の「子供っぽい支配欲」を持っている点では微笑ましいのだが、若干『ミザリー』めいたムードもあって怖いんですよね。プリコネには「エリコ」というヤンデレキャラが存在しますけど、わかりやすく病んでいるエリコや「狂気の18才児」と呼ばれるユニちゃんよりも一見まともに映るコッコロや「お姉ちゃんはお姉ちゃんなのに弟くんと一緒にいられないなんておかしい……この世界は間違っている!」と弟くん(主人公)への想いだけで「世界の謎」に気づいてしまったシズルお姉ちゃん(1話の最後に少しだけ出てきた薄紫髪の剣士)の方が「ヤバいですね☆」度で上回っているという説もある。

 無印だと顔見せのみだった巨乳剣士の「ペコリーヌ」は「Re:Diveにおけるメインヒロイン」と表現しても差し支えないだろう。特殊な装備を身に纏っており、物凄いパワーを発揮することができる反面、カロリー消費が激しくすぐに空腹となってしまう。携行する食料だけでは全然足りないから、倒した魔物を食べることが彼女の日常となっています。いくらVRMMOの世界だからって魔物をその場で食べるヒロインだなんて……最近もいたな(防振りのメイプル)。食べることが大好きなので「美味しい魔物をゲットするために」という理由でクエストへ出撃することもしばしば。TVシリーズはオリジナルストーリーなので今後の展開は不透明ですが、大枠としては「主人公(ユウキ)たちが食べ歩きギルド『美食殿』を結成し、いろんなクエストをこなす」体裁になると予想されます。次回以降キャルちゃんをはじめとしてどんどんキャラが増えていくだろうからアニメ組の人は「誰が誰だか名前を覚えきれない」と混乱するかもしれませんけど、ゲームをやってる私でもたまに名前が出てこないこともあるくらいキャラが多いので、そこは割り切っていきましょう。ゲームの方は覇瞳皇帝との戦いを巡る第一部が終わって、新たな敵「レイジ・レギオン」と争う第二部の幕が上がったところです。今月から二章の配信が始まる予定ですけど、完結まで十数章は掛かるだろうからまだまだ先は長い。

 最後に。「ギルド管理協会」の職員である眼鏡を掛けた緑髪の女性「カリン」はRe:Diveから追加されたキャラであり、「デレマスの千川ちひろに相当するポジション」と書けば原作プレーヤー間における扱いを察してもらえるだろうか。つまりチュートリアルやガチャ案内を行う「運営の分身」と見做されており、期待に胸膨らませてガチャを引くたび「素敵な仲間が増えますよ!」とか「おめでとうございます!」とかいちいち煽るようなこと叫びながらションボリする結果を寄越してくる「無慈悲」の象徴です。プリコネのガチャはキャラのみが排出される仕組みで、FGOやマギレコ、メギド、スタリラ、ロスフラなどと違ってキャラと装備品がゴチャ混ぜで出てくるわけじゃないんですけども、そのぶんキャラが揃いやすくあっという間に「被りばっかり」となってしまう。ガチャで被ったキャラは自動的に「女神の秘石」というアイテムに変換されるシステムゆえ、カリンは「仲間を石に変える魔物」、すなわちメデューサやバジリスク、コカトリスに準ずる存在として恐れられています。仲間を募集する(ガチャを引く)たびに走らされるカリンの身にもなってみろよ、仲間が石になっちゃうぐらい些細なことだろ、という擁護とてなくもないが。

ARIA:新作アニメが2020年冬公開 アテナ役に佐藤利奈(まんたんウェブ)

 BD-BOXの特典として制作された『ARIA The AVVENIRE』以来、約4年ぶりの新作アニメになります。一番最初のシーズンである『ARIA The ANIMATION』から15年、当時幼稚園児だった人もそろそろ成人しようかという頃合いであり、冷静に考えると眩暈がする。『ARIA』の前身である『AQUA』が書店に並んだのは19年前、そろそろ20周年を迎えるわけでついつい遠い目をしてしまう。ちょうど『秋桜の空に』が発売された時期ですね。

 『ARIA The MASTERPIECE』(コミックの完全版)も買ったくらいだから当然この「完全新作」の円盤も購入する予定ですが、「公開」ということはTV放送じゃなくて劇場公開を前提にした作品になるってことかな? 劇場版ではなく「OVAを劇場で先行公開」パターンかもしれない。さすがに冬頃にはコロナ騒ぎも収まっている……といいなぁ。川上とも子が演じていたアテナはサトリナこと佐藤利奈が担当するとのこと。佐藤利奈は今だと御坂美琴や千川ちひろのイメージが強いけど、『ARIA』のアニメやっていた時期の役で言うと『ネギま!』のネギ先生が有名ですね。しかし、川上とも子が亡くなってからもう9年近く経つんだな……先述した『秋桜の空に』のドラマCDでも尼子崎初子役を演じていたっけ。年を取ったせいか「新しいこと」よりも「懐かしいこと」に心が吸い寄せられる体質になってしまった。懐かしくも新しい『ARIA』のアニメ、楽しみにさせてもらおう。それにしてもこの件でツイッター検索したら『ガン×ソード』のカイジを混ぜた懐かしいコラ画像載せている人がいて噴いてしまった。あれも2005年の作品で、絵柄的にそこまで違和感がないから新規の人が目にしたら普通に騙されそうではある。

「魔術士オーフェン」第2期「キムラック編」制作決定!キャストから喜びの声も到着(コミックナタリー)

 正直言ってアニメの出来があまり……で途中から観るのやめてしまったが、2期目もやるのか。キムラック編ということは第一部(西部編)のラストまで? 評判が良ければ3期、4期と続けていきたかったんだろうが、現在の反響からすると第二部以降の制作は厳しそう。コロナ騒ぎでバタついていることを考えるとキムラック編もいつになるかわからないな。新アニメのオーフェン、観ていて感じたのは「森久保さんにキリランシェロ役までやらせるのは無理があるだろ」ってことですね。ベジータ役の某声優が裏名義でエロゲーに出演した際、回想でシスコン野郎のショタボイスを出そうとしたけどベジータ声なままだったあの事件に比べればまだ「アリ」な方ではあったが……アレは本当にスゴいインパクトだったな。未だに忘れられんぞ。久々にクロバッハー♪やりたくなってきた。

第2部 第5章「Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス 神を撃ち落とす日」開幕!

 日曜日の夜にやっと空想切除しました。「そりゃこの長さなら分割もされるわ」ってボリュームであり、あまりにもてんこ盛りすぎる内容で感想がまとまらない。とりあえず言えるのは「シナリオのタッチがもろに桜井光だった」ってことか。FGOの皮を被ったスチパン。もうすぐピックアップ2が始まってネタバレ解禁ムードも出てくるだろうから、その後にちょっと語りたいと思います。

『うたわれるもの ロストフラグ』、イベント「鈴音導く光の彼方」にアナザーストーリー追加。

 「実はイベントシナリオの裏側でこんなことが!」という番外編です。シリアスだった本編を中和するかの如きコメディ系のエピソード。解放するためにいちいちミッションを達成していかないといけないが、基本的に「イベントポイントを○○pt集めよ」みたいな単純極まりないミッションばかりなので時間を掛ければほとんどのプレーヤーは達成できるはず。イベントを途中から始めた人の場合は石を砕いて活力回復する必要が生じるかも。そこまでして読むべきストーリーなのか、と訊かれたら返答に窮するな……半分くらいはアンジュの体験クエストって趣だし。

 はい、というわけで更新されたイベント特効ガチャの目玉は「アンジュ」です。ログボ画面に出てきたのでお知らせが表示される前に判明しました。「剣奴の灯火」にも少しだけ出番があった(そのときは「ミト」名義)からいずれ来るだろうとは思っていましたが、ん? なんか「剣奴の灯火」に出てきたときより見た目が幼くなってる? 服装も違うし、これひょっとしてミトverは降臨祭限定で実装されるパターンか? 幼い方のアンジュも「なぜかわからんが気が付けば大剣を握っていた」という設定になっており、どんどんロスフラの世界がガバガバ……いえ自由度マシマシになってきています。バトルユニットとしては見た目通りほぼカルラと同じ路線、大火力で殴って殺す(その代わり防御面が脆い)って感じだな。結糸で10連したらアンジュには掠りもしなかったが、特効銀鏡(「起臥欠伸」)とカルラ鏡(「女将のおもてなし」)が出てまずまずの成果を得られた。これでヴライ鏡(「死闘の宿世」)とカルラ鏡で超強化したカルラにエルルゥで回復を掛けるという理想の運用がやっとできます。今後も立ちはだかるエネミーたちをひたすらカルラ姉様で吹き飛ばしていきたい。

・拍手レス。

 今回のCMは特にプレイしてから見返すと重要シーンばっかやんけ!?ってなりますね…
 CMというより「ファンから『ここ映像化してほしい』と要望されるであろうポイントをまとめました」って感じですね。


2020-04-08.

「俺ガイル。完」の放送が延期、新型コロナウイルスの感染拡大を受け(コミックナタリー)

 まさかこんな土壇場で……キャラ音声を収録するためのブースは雑音が入らないように密閉されており、コロナ対策をするのが難しい、という事情も絡んでいるみたいです。既に全話完成済みの作品は問題なく最後まで放送できるだろう(今後の情勢によってはそれすら難しくなるかもだ)が、ギリギリの進行でやってたところは万策尽きちゃうだろうな。これ、ひょっとしてアニメだけじゃなくゲーム業界の方も影響が深刻なのでは?

『メギド72』、新イベント「師の想い、弟子の想い」開催中

 いくつもの師弟関係を多層的に描く趣旨のイベントであり、リジェネエリゴスのキャラストーリーに登場して「男対魔忍」と呼ばれた時期もあった新メギド「アマゼロト」がイベント開催に合わせて実装されました。サバトなので「ひょっとするとテルミナス(サバト限定)?」とも思ったが恒常です。ちなみにテルミナスかどうかは「提供割合」で判別できます。新規に追加されたピックアップメギドが恒常である場合は排出率1.0%だけど、テルミナスの場合は0.7%と少し低めに設定されている。おかげでネフィリムが追加されたときのサバトでは「召喚画面にデカデカと映っているネフィリムよりもオリエンスの方が排出率高い」というアレな事態に陥っていました。これでもまだ改善された方で、確か確率が変更される前のテルミナスメギドは単独PUでも0.5%だったんですよね……話を戻してアマゼロト、CVは「村上幸平」です。声優よりも俳優の方の活動で有名だから、「555の草加雅人役」と書くとピンと来る人が多いかもしれません。

 涼しい顔したイケメンながら「正々堂々と戦うのではなく主に闇討ちして殺す」というメギドもドン引きするような誉れもクソもないアサシンスタイルを貫く男です。『メギド72』は味方にも曲者が多く、「こいつホントに仲間にしていいのか?」ってキャラが既にたくさんいるから今更驚くこともないのだが、それにしてもこのアマゼロトは……挨拶感覚で不意打ちを仕掛けてくるわ、人質取ったうえで容赦なく刺すわ、ひたすら取り繕いようのない危険人物です。下手すれば殺しかねなかった状況でも「これで死ぬなら所詮その程度の存在だったこと」とまったく悪びれない。少年漫画では割とよくいる苛烈系師匠であり、倫理観が「牙の塔」並みだ。弟子であるエリゴスといずれ対決することになりそうな雰囲気を醸しているが、「エリゴスとやり合う日」を夢想して呟いたセリフにこのキャラの本質がまざまざと顕れている。

 今回は配布キャラがなく、代わりにSSRオーブ「リャナンシィ」がイベント報酬として手に入るが、完凸するためにはドロップが1個必要。有能なオーブなので「できれば複数欲しい」というプレーヤーも多く、ドロップさせるために延々と周回作業に服務する通称「リャナンシィ刑務所」が開幕した。私は1個ドロップした時点で「もういいや」と早々に出所したが、「凸にドロップが必要」なのってやっぱり悪い文明なのでは? オリエンスをリーダーにして配布アガレスのスキルを連打すれば1ターンで倒せるからそんなに手間は掛からないんですけども。

【予告】第2部 第5章「Lostbelt No.5 星間都市山脈 オリュンポス 神を撃ち落とす日」開幕予定!

 本来ならニコ生終了後すぐ配信する予定で進めていたらしいが、審査がまだ通ってないとの話で「近日」という曖昧な公表になってしまった。林檎はここのところただでさえ審査が遅れ気味だったことに加えて、本国が大変な状況に陥ってるもんな……どうにもならんわ。早ければ明日にも配信できる準備を整えているらしいし、ここはおとなしく待ちの一手だ。正直、「このあとすぐ!」だとニコ生で発表された情報を咀嚼する時間が取れないから助かった面もあります。

 今月下旬に公開予定だった『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」V.spring song』は再度延期になりました。感染拡大が続いて緊急事態宣言まで出てしまったんだから仕方がない。見通しが立たないからか、新しい公開予定日は発表されておらず未定となっています。もういったい何本の映画が公開延期になったんだか数え切れなくなってまいりました。この調子だとヱヴァ(6月)、ハサウェイ(7月)あたりも厳しそうだな……ことによるとキャメロット(8月)やキングスマン(9月)あたりまで影響が長引きそうな雰囲気もある。春休みやGWといった書き入れ時に商売にならないだなんて、とんだ年もあったもんだ。

 さておきオリュンポスピックアップ召喚第1弾として「カイニス」と「ディオスクロイ」の2騎が実装されます。カイニスはモーションの時点で察していたが、☆4のランサーです。見るからにバスターって感じの全体宝具で、実際にバスター宝具だった。ナタと茶々を足して割ったような印象だ。ディオスクロイは「ゼウスの子ら」という意味で、ふたご座のふたり「カストロ」と「ポルクス」を指している。種が違う異父兄弟であり二卵性のはずだが、母親であるレダが「卵を産んだ」とする伝承もあって「一つの卵からカストロとポルクスのふたりが生まれた」みたいな記述もあるからややこしい。ちなみにパリスが攫ったヘレネーやアガメムノンの妻であるクリュタイムネストラも同じくレダが産んだ異父姉妹。ゼウスの血を引いているとされるのは一般的にヘレネーとポルクスのふたりである。動画を見るかぎり単体宝具っぽい。カイニスはスト限みたいだが、ディオスクロイは恒常の模様。初の恒常☆5単体セイバーになりますね。恒常☆5セイバーはなにげに全体宝具ばっかりだったので「限定PU以外のガチャでは☆5単体セイバーが手に入らない」問題がやっと解決される。原典のギリシャ神話では両方男なんですが、FGOではカストロが兄、ポルクスが妹という設定になっています。ポルクスの声はたぶん内田真礼、カストロの声は内田雄馬ではないかと予想されており、本当にそうだったらリアル兄弟声優じゃん。姉弟が兄妹役を演じるのか……ややこしくない?

 公開されたCMアニメには人間時代? とおぼしきカストロとポルクスの姿も映っています。アトランティスではチクチク嫌味を言っているイメージしかなかったふたりだが、オリュンポスで掘り下げ来る? 掘り下げどころか出番すらなかったエウロペ、サムネにも映っているので今度こそ活躍するみたいですね。とにかく短時間で情報をバンバカぶっ放すCMだから整理が間に合いません。アトランティスではチョイ役だった武蔵ちゃんが本格的に参戦する様子だったり、神霊とおぼしき有翼の美女(ニケ?)が出てきたり、窓辺で幸薄そうな女性(カサンドラ?)が佇んでいたり、キリシュタリアのそばに誰か(ゼウス?)がいたり、マシュが大砲(ブラックバレル関係?)を撃っていたり、カリギュラが雄叫びを上げていたり、ホームズが着物の人(剣式?)相手に不敵な笑みを浮かべていたり、ゴルドルフが真顔でクロワッサン(マリー登場フラグ?)を運んでいたり、ロボっぽい鎧武者(騎ん時の大具足?)が雷光を放っていたり、シルエットで登場する面々が概ね雷系サーヴァントだったり、ベリルが眼鏡クイッとしてたり、最後に赤い瞳の謎イケメン(兜を外したロムルス?)が映ったり……一回眺めただけではわからない怒濤の情報量にTLの人々が一斉に考察を走らせるの、見ていて楽しかったです。カリギュラやロムルスが出てくるのは恐らく「ギリシャ神話とほぼ同じ体系を持つローマ神話」が背景にあるからだろうな……「アルテミスに愛されたオリオン」と「ディアナに愛されしカリギュラ」を重ねている? 最終決戦でロムルスが槍を突き立てて「ここがローマだ!」とばかりに大樹を生やして空想樹にぶつけたりするのかな。オリオンがビースト案件であることを仄めかして消えた以上、マザハも登場する可能性は高い。ゼウスが倒された後、何か重要そうなこと口走りそうになったキリシュタリアをベリルが口封じして、「彼の背後には謎のビーストが……6章につづく!」みたいな流れかなぁ。さすがにマザハはもうちょっと勿体ぶってからの実装になる気がします。PU2はゼウスを目玉にニケ(仮)とカサンドラ(仮)って組み合わせと予想。

 コロナのせいでFGOの運営もだいぶスケジュールが狂っているらしく、施策に滞りが生ずる恐れもあることを告げていましたけど、今はただただ耐えるっきゃないですね……全然関係ないけど深夜に発生したモードレッドのトゥリファス霊衣の表示が消える現象を「廃嫡バグ」と形容するコメントには笑ってしまった。笑って少し気が晴れたという、ただそれだけの話です、はい。


2020-03-28.

『劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」V.spring song』、公開延期。03/28→04/25に。

 おのれおのれおのれ! 首都圏の外出自粛要請に伴って公開延期という、2ヶ月前には予想だにしなかった事態を迎えてしまった。でも、うん、先月あたりから気配が怪しくなってきたな……とは感じていました。期待していた007の新作が延びたあたりで「あ、これ他の映画もヤバくない?」という危惧が湧いてきましたもの。新コロ騒動、映画界が蒙った被害は甚大なもので、アメリカだとあまりにも閉鎖している映画館が多いため全米ボックスオフィスランキングが集計結果の発表をやめてしまうというトンデモない事態に陥っている。諦めてネット配信に切り換える会社も出てきているとかで、もし新コロ騒動が収まったとしても従来通りの方式で映画館が営業を続けていくのは難しくなりそう。暗澹とします。HFに関しては「原作から16年待ってるんだから1ヶ月くらい屁でもないぜ!」と強がりたいところながら、4月も本当に上映できるかどうかは不透明だ。やっぱり暗澹とします。

 映画といえば『ミッドサマー』ようやく観てきました。さすがに館内はガラガラだった。『ヘレディタリー/継承』のアリ・アスター監督による長編第2作。ディレクターズカット版ではなく通常版の方です。通常版といっても上映時間は150分弱と結構長い。削られたシーンを復活させたディレクターズカット版はなんと170分。レーティングも「R15+」から「R18+」になっています。ディレクターズカット版も観たいけど、3時間近くも映画館の席に座るのはさすがにケツがキツいから円盤待ちかな。

 『ミッドサマー』がどんな映画かと申しますと「心に深い傷を負った女性がスウェーデンの片田舎にある秘境『ホルガ村』へ訪れ、不思議な村人たちとの驚異に満ちた交流を経て少しずつ浄化されていく物語」です。タイトルは「夏至祭」の意味。原題は "Midsommar" 、スウェーデン語だ。「深い傷」を負うくらいなのでなにぶんショッキングなシーンもチラホラありますが、映像の美しさが強く印象に残る一本です。ちょっとHなシーンもあるから誰かと一緒に観に行く場合は気を付けた方がいいかも。「観たら語りたくなる」映画ではあるし、正直ユーモラスというか笑えるシーンも多い。前作『ヘレディタリー/継承』も「前半は悪夢だけど後半がギャグ」だったもんな。北欧神話ネタが多数まぶされている(ホルガ村では巨人の祖ユミルを祀っており、ところどころにルーン文字が出てくる)ので観終わった後にいろいろ調べたり考えたりするのも楽しいです。

【追記・更新】【期間限定】Fate/Apocrypha×Fate/Grand Orderスペシャルイベント「復刻版:Apocrypha/Inheritance of Glory -Triumphal-」開催!

 最初の撃退戦でジャックちゃんとバトろうとしたらもう狩り尽くされていて唖然としました。塵とQPの掴み取りだもんな、そりゃみんな欲しいよな……オリジナル版のアポイベが開催されたのは2018年4月〜5月、スカディが実装される前だったため主にダブル孔明での出撃がメインでしたけれど、復刻となる今回はスカディ実装済ゆえ編成の幅が広がり、前回よりも撃退ペースが上がってるのではないかと考えられます。実際、剣トルフォに凸トゥリファス付けて自前の孔明とフレスカディで挟んだら弓以外は1ターンで倒せますもんね。「クラスを選ばない」という点でもっとも最適なアタッカーはバサランテか。バサランテで延々とジャックちゃんを狩り続け「バルバトスと違って断末魔がないからいい子だね、えらいえらい」と満足げに微笑むマスターもいるんだとか。相変わらずFGOプレーヤーは人類悪ムーヴをかますことに余念がない。

 貝殻や卵など個人的に枯渇気味な素材は手に入らないものの、QPを稼ぎつつポツポツといろんな素材を拾えるからそこそこ美味しいです。配布礼装は凸ったのがいくつも残っているから楽チンですし。今のところジャックちゃんのモーション変更以外はこれといって変化のない内容となっていますが、そろそろイベントの後半戦に差し掛かるので何か新規の追加要素がお披露目されやしないかとドキドキしている。HF公開延期に伴って公開記念キャンペーンも宙に浮いてしまったから刺激に飢えているんですよ。何でもいいから「おおっ!」ってなるような情報が来ないかな。

『うたわれるもの ロストフラグ』、ガチャ【初回半額 降臨祭 縁結び】開催

 だんだんペースが上がって毎月どころか月2回は開催されるようになってきた「降臨祭」(他のゲームで言うところの「フェス」に相当し、☆3キャラ出現率が普段の1.5倍になっている)、今回は初のエルルゥ単独ピックアップです。排出率は「0.9000%」。エルルゥは降臨祭以外のガチャからは出てこない所謂「フェス限キャラ」であり、これを逃すと次はいつピックアップされるかまったくわかりません。原作ファンとしてさすがに我慢できず、貯めていた石をブッ込んでしまった。渋い内容が続いたものの、最後の10連でギリギリどうにか引けてホッと胸を撫で下ろした次第です。目立った副産物は御魂40個(☆3被り)が1回のみ。それ以外は☆3鏡すら出ておらず「ホンマこのゲームのガチャは……」と天を仰いだが、エルルゥが引けただけでもヨシとしよう。

 原作通りエルルゥ本人に攻撃能力はなく、味方の回復とバフ掛けに徹する少し特殊なユニットとなっています。ヒーラーとしてはネコネと双璧を成す性能であり、「ほとんどのクエストはエルルゥかネコネを編成すれば突破できる」と言われるほど。私は回復に頼らず瞬間火力任せでひたすら強引に速攻を仕掛ける雑なプレースタイルだから性能的に必須というわけじゃないが、やっぱりキャラ的にすごく欲しかったので当たったときは安堵の念でいっぱいでしたね。もう石が尽きたから今後は「ガチャを我慢すべきかどうか」なんてことでいちいち悩まなくても済む。少しスッキリしました。アルルゥに関してはサプチケの販売を待つとしよう。

 月末に新イベント「鈴音導く光の彼方」が開催されるという告知も出ています。ストーリーについては一切不明だが、「『火属性』のキャラクターが有利」ということはオボロ実装の可能性が高い? オボロってことはユズハが来るパターンも……さすがに病弱なユズハを戦場に立たせるのはアレだから「出番はシナリオと配布鏡の絵柄のみ」って感じでしょうか。「このイベントは(中略)最後まで読了することでキャラクターを仲間にすることができます」ということなので、配布キャラがいること自体は確定。オボロだからドリグラかな。これまでの例からすると「オリキャラを配布してドリグラは後半ピックアップ」もありえる。オボロもドリグラも好きだけど、既に迷う余地がないくらい手持ちの石が空っ穴たから、ある意味気楽に待ち構えることができます。相変わらずイベント開催期間が長くて4月末までやる模様。本編の続きはやはり5月か……FGOのオリュンポスもあるし、シャニマスのコミュ読み放題キャンペーンもあるから暇潰しに困ることはないと申しますかむしろ時間の方が圧倒的に足りないレベル。マギレコのアプリも「新イベント『桜の轍』開催」「ミラーズ最終層開放」「第2部第2章の配信開始」といっぺんにまとめて来るもんだから「なんでこんなに固めるんだよ、分散しろ!」って言いたくなったり。グラブルではスツルムとドランクがメインの新イベント「傭兵お仕事帖」開始。メギドではフルフルがメインとおぼしき「師の想い、弟子の想い」の開催が迫っており、「不要不急の仕事を控えてゲームをやり込みたい」という気持ちが高まっています。

・拍手レス。

 ソフトハウスキャラは残念ですね。随分長い事HPの更新もしてなかった(年賀はがきの応募だけは有った)ので危ういのかなとは思ってましたが・・・。やり込み系は今の時代、時間作ってまでやる人が居ないってことなのかなぁ・・・。
 私はやり込み系をあまりプレーしないから完全に「ただのイメージ」ですが、やり込み系ゲーマーはマスターピース的な一本と巡り会った末に満足して引退表明もせずひっそりと静かに去ってしまう印象がある。何かのキッカケでひょっこり復帰するパターンもあるかもですが。

 プリコネのキャラソンCDvol12(なかよし部・リトリリハロウィンED)に収録されてるドラマも、王雀孫さんのシナリオでした。凄く面白かったです。
 「小さな冒険隊と聖なる学舎の異端児」ですね。そういえば買っていたけどまだ聞いていなかった。イベント始まる前に開封しとかなきゃ。


2020-03-25.

「巣作りドラゴン」などの美少女ゲームメーカー「ソフトハウスキャラ」が営業終了(ねとらぼ)

 アリスソフト、エウシュリーと並ぶ「やり込み系エロゲー」の雄だったソフキャラが遂に……なんやかんやで開設から20年は経っているから、割と続いた方ではあるな。2000年の『葵屋まっしぐら』で業界デビュー。私がブランドを認知したのは2作目の『うえはぁす〜お姫様は今日も危険でした〜』からだった。初めて買ったソフトが6作目の『ブラウン通り三番目』。店舗経営SLGで、雰囲気が良くて楽しかったけどコンプはできなかった。ブランドの最高傑作として名高いのが8作目、2004年に発売された『巣作りドラゴン』です。体験版のおかげで前評判も高く、発売日に秋葉原へ行ったけど、ほとんどの店で売り切れていて買うのに苦労しました。主人公(竜族)が物凄くプライドの高い許嫁「リュミス」に命令されて立派な巣(ダンジョン)を作ろうとする、ってゲーム。巣(ダンジョン)にモンスターを配置して侵入してくる連中を撃退するという18禁版『ダンジョンキーパー』です。中毒性が高く、「無限に時間が吸われる」という意味で危険なゲームでした。個々のキャラクターも立っており、モブに至るまで存在感があったせいで「ソフトハウスキャラと言えば『巣作りドラゴン』」ってイメージが固まってしまうほど。リュミスもいいけど目隠れメイドも可愛かったな……給料分! 給料分! 給料分! 13作目の『ウィザーズクライマー』あたりまではチェックしていたが、それ以降はほとんど把握しておらず、なんとなく「固定ファンが買い支えているのかな」って思ってましたが……ブランドの最終作は2018年の『悪魔聖女〜デーモンガール・ステップ〜』、28作目でした。去年(2019年)に恋姫シリーズとのコラボ作品『巣作りカリンちゃん』も出ているが、あれは権利がネクストンの方にあるみたいで、サポートも引き続きネクストンが行うとのこと。

 エロゲメーカーの灯が一つ、また一つと消えていくのは切ないものがあるな……エロゲーマーとしてはほぼ引退の身であるが今後も可能な限り業界にお金を落としていきたい。とりあえず今月は恋楯リメイクを予約済なのであとは届くのを待つばかり。コロナの影響が心配だが都市封鎖とかにならなければ大丈夫だろう、たぶん。

【FGO】アニメ『冠位時間神殿ソロモン』制作決定。『バビロニア』制作スタッフが続投(ファミ通.com)

 『ノーゲーム・ノーライフ』みたいな「特に続編が決まっているわけじゃないけどテンション上げるため『次の戦いが始まる!』エンドにしておくよ」パターンかと思ったら本当に終局特異点をアニメ化するのか。尺も形式も不明だけど杉田智和が大忙しになることは確定だな。というかムニエルの声が想像よりも遥かに綺麗で仰天したわ。

 アニメしか観ていない人向けに軽く解説しますと、『冠位時間神殿ソロモン』はFGO第一部の最終章に当たるエピソードであり、『絶対魔獣戦線バビロニア』の続き。ラスボスとの決戦が描かれます。第一部は「序章」「第一〜第七特異点」「終局特異点」という構成になっており、序章は『First Order』として既にアニメ化されているが、第一〜第五特異点に関しては今のところアニメ化の予定がなく、「いろいろなものをすっ飛ばしすぎでは?」という思いとてなくもない。第一部のコミカライズは『turas realta』『mortalis:stella』、2種類もあるんですけど両方まだ連載中だから「欠けている部分を知りたい」という方にはオススメしづらい。やっぱりアプリをDLしてもらうのが一番手っ取り早いか……大丈夫です、ソシャゲは怖いものじゃありませんよ。と沼からマドハンドを出しながら誘ってみる。終局特異点のアニメは特番放送になると思うが、時期はいつだろう。年末? それよりもうちょっと早いかもしれない。

 アプリの方はもうじきアポクリファコラボ復刻開始です。新鯖の追加があるかどうかは現時点だと不明ですが、とりあえずジャックちゃんのモーション改修とモーさんの新霊衣追加が公表されています。ライダーアストルフォの改修は来なかった……き、きっと遠くないうちにシャルルマーニュ十二勇士イベントが開催されてそこでお披露目されるはずですから! あとはHF公開記念に合わせてアルトリアに風王結界(インビジブル・エア)の簡易霊衣を追加、下姉様ことエウリュアレと上姉様ことステンノのモーション改修が来ます。下姉様のペチペチアローと上姉様の光弾が遂に見納めとなるのか。これで高レアの光弾鯖はやっといなくなります。残る光弾組はキャスニキと術ジルとアンデルセンとシェイクスピアとアマデウスとマタハリで☆1〜☆3勢のみ。肝心のオリュンポス配信は4月と少し先だ(たぶん15日前後と思われる)。待ち遠しい。

 カルデア放送局の最後に「オマケ」と称してぶっこんでいったのは『Fate/Requiem』のコラボイベント開催告知。えっ、まだ2巻も出ていないのに!? というか2巻いつだよ、テレビCMで「今冬」と言ってたのに冬終わっちまったぞ! 普通に2巻の発売告知だと勘違いしただろうが! とTLがざわついた次第です。『Fate/Requiem』は2018年12月から始まった新しい小説シリーズで、遅筆で有名な星空めておが作者なもんだから全員の予想通り刊行は滞っている。「人類のほぼすべてが専属のサーヴァントを召喚している(その代わり1騎1騎の出力は小さい)」という設定だけに1巻だけでも大量のサーヴァントが登場します。有名どころだとカルタゴの将軍「ハンニバル」とか。ぶっちゃけ開始した時点で「FGOとの連動を意識した企画だろうな」とは思っていた(ギャラハッド・オルタなんてのも出てくる)からコラボすること自体に驚きはなかったが、まさか蒼銀やFakeを差し置いて躍り出るとは。運営もさすがに告知の時点で2巻すら出ていないとは想定してなかっただろうな。めておはホンマ……いや愚痴はやめておこう。

 先述した通り登場サーヴァントが多い作品なのでコラボに誰が来るか予想し切れないところはあります。告知映像に顔を出したくらいだから金髪の子(開始時点だと真名不明)は確実に実装されるだろうが……もしこれで「源義経」が実装されたら私が大変なことになってしまう。扱いとしては脇役であり、容姿に対する言及が「美形」程度で挿絵もなく性別すら不詳なんですけどね、レクイエム義経。むしろマスター勢の方が目立ってるからエリセとかコハルが実装される可能性もゼロじゃない。FGOのコラボイベントはだいたいゴールデンウィーク開催だから1ヶ月くらい猶予はあります、未読の方はそれまでにゆっくり『Fate/Requiem』を読み進めておけばOK。なんせまだ1巻しか出ていないから時間は掛かりませんよ。

アニメ『マギアレコード』第12話「どうしてこんなにみじめなんですか」視聴。

 窓の外の雨を眺めながら追憶に耽るやちよさんへ「行かなくていいのか?」と問い掛ける灰色の少女。「灰色」で暗示している通り、存命ではなく故人です。名前は「雪野かなえ」。三白眼で得物は鉄パイプと、かなり物騒な見た目ながら根は穏やかで優しい。争い事は嫌いだけど売られた喧嘩は買うタイプである。モノクロで観るとメッチャ美人だなこの子。“講義”の時間だオラァ! とメアリーポピンズみたくパラソルでフワフワしている灯花ちゃんが魔法少女理論基礎Tで話している「Aさん」はかなえのことです(変身したときの衣装が映っている)。まだやちよさんがみふゆとコンビを組んでいた頃に出会った魔法少女で、不良との諍いの中で人質に取られた知人を救うためキュゥべえと契約した。彼女に関しては原作組でもMSS(魔法少女ストーリー、ガチャ等で当該魔法少女を入手したプレーヤーだけ読むことが可能な個別シナリオ、グラブルの「フェイトエピソード」に相当する)を読んでいるかどうかで印象がだいぶ変わってくると思います。私はBD特典の☆4確定チケットでちょうどかなえが当たったからたまたま読めていたが、レアリティが低い「安名メル」と比べたら目を通している人は少ないだろう。

 ソウルジェムは少女から抜き取られた魂そのものであり、砕かれると死ぬ――まどマギから入ってきた人にとっては当然というか、単なる大前提ですけどマギレコでは知らない魔法少女が多いので「衝撃の事実」となる。「ソウルジェム=魂そのもの」という自覚がないからいろはも平気で鞄に入れたりしていたわけだ。あれを電車に忘れていたら1話目でいきなり主人公が死亡して即アニメ終了になるところだった。ちなみにマギレコ、本編の選択肢はどれをタップしてもストーリーに影響を及ぼさないが、たまにあるマルチシナリオ形式のイベントで間違えた方を選ぶと魔法少女が死亡してバッドエンドを迎えることがあります。「あちし」という一人称を使う魔法少女がバッドエンドでやたらと落命するため「あち死」なるあだ名が付けられたこともあった。さておき、かなえがソウルジェムを砕かれたのは魔女の攻撃からやちよたちを庇ったため。本人曰く「後悔はしていない」そうだが、やちよさんはずっと彼女の死に責任を感じており、未だに彼女が使っていたマグカップを捨てることができずにいる。

 魔法少女理論基礎Uは「ソウルジェムが濁り切った魔法少女は魔女になる」、これも大前提の一つだが、マギウスに所属する魔法少女たち以外でこの真実を知る者は少ない。知ってしまうと心の平衡をうまく保つことができなくなり、遠からず絶望して自らも魔女と化してしまう子がほとんどだからだ。アリナのような「魔女になること」を評価する例外を除くと「魔女化の真実を知った魔法少女同士で連帯する」以外に希望を繋ぐ道筋はなく、「マギウスがなければ絶望して魔女になる子はもっと多くなっていたであろう」という側面もあり、「マギウスの翼=悪の秘密結社」とは言い切れない部分もあるんですよね。マギウスの翼は「弱い者たちが縋る互助組織」という性格も強い。みふゆさんの太腿に視線を吸い寄せられつつ、回想は次の場面に移る。賑やかなみかづき荘の中でタロットカードをめくる占い好きのボクっ子が「安名メル」。かなえの死亡後にやちよさんのチームへ加入したので、かなえとの面識は生前だとありません。メルの占いはよく当たるが、やちよさんの分析によると「未来を予測しているのではなく、占い通りの未来を引き寄せるため無意識に因果律干渉系の魔法を行使している」らしい。「予言の自己成就」そのものであって制御不能だからそもそも使わない方がいい、というのがやちよさんの意見です。でもメルは占い好きなので、多少控えはするものの完全にやめることはない。「1000年に一度のラッキーデー」と言いつつ魔女になってしまったが、メルはやちよさんのことを物凄く慕っていたから「尊敬してやまない先輩の命を救えるとは、なんてラッキーな日なんだろう」って解釈になっちゃうんですよね……あの朝、メルが占いによって「1000年に一度のラッキーデー」という結果を確定させていなければ、やっちゃんの命運はあそこで尽きていたかもしれない。

 メルは死後にどんどん関連シナリオが追加されていった子なんで、読むたび「魅力を感じつつ胸が痛む」というオーフェンのコミクロンみたいな立ち位置になっています。バレンタインイベントのシナリオは特にキツい。「恋って何なのだろう、ボクもいつか恋をするのかな」と訪れることのない未来に思いを馳せたり、「メル、あなたは私の宝物よ!」「もう、やめてよお母さん、恥ずかしい!」みたいな和気藹々とした遣り取りがあったり……メルママは今頃どうしているだろうかと思うと気持ちがとても重たくなる。戦闘スタイルは「タロットカードを触媒にして風や雷を発生させる」というなかなかカッコいい代物だが、作画の都合かアニメでは満足に表現されなかった……残念。変身後の衣装も可愛いが、お嬢様みたいな私服が超絶キュートです。こんなに愛くるしい子が本編にはもう出てこれないだなんて、そんなの絶対おかしいよ。

 二度に渡って「自分を守るために仲間が死んだ」のでやちよさんはチームを組むことに消極的になってしまった。かくして彼女をリーダーとするチームが崩壊し、メンバーは散り散りになる。魔女化の真実を知ったうえ「加齢による魔力の衰え」を実感していたみふゆは未来に明るい展望が持てなくなりソウルジェムを濁り切らせてしまう。しかし、魔女ではなくドッペルが出現し、みふゆは元に戻る。メルの魔女化から半年の間に神浜市では「あること」が起こっていて、ドッペルなる奇妙なものが発生する特殊都市となっていたのだ。

 時系列をまとめると、かなえの死が約一年前、メルの魔女化がその少し後、みふゆ濁り切りが「メル魔女化の半年後」なので本編から見ると約半年前です。およそ半年前に神浜ではドッペルが発生するようになり、魔女化する魔法少女がいなくなって、時期を合わせるように他の地域から魔女が流入して「激戦区」となっていった。ドッペルシステムは現時点だと神浜市を覆う程度の規模だが、灯花たちマギウスは全国、それどころか全世界を覆い尽くし宇宙進出さえ果たせるほどのスケール拡大を目指しています。いずれキュゥべえすら凌駕せんとして。

 かなえの美人顔、灯花ちゃんのあざとい仕草、メルメルのキュートさ、みふゆさんの太腿など見所が盛り沢山だったけれど、もっとも驚いたのはかえでのマギウス入りを匂わせるシーン。原作にない展開でビックリした。マギウスの翼は手当たり次第に布教活動を行っているわけではなく、加入する見込みがある(魔法少女の真実を知ってしまった)子を紹介する口入れ屋めいた斡旋役が存在しており、そこから取り込まれた可能性が高い。ひょっとすると、かえでの様子に違和感を覚えていないももこも……? 真っ黄ウスじゃん。かもれ全員がマギウスの翼になっていろはちゃんと敵対する展開も考えられるわけだが、そうなると黒江ちゃんの存在がますます霞んでしまうのでは、という危惧が……あの子、どういう場面に投入するつもりなのか制作側の意図が本格的にわからなくなってきた。エンドカードはぽよよん、じゃない、渡辺明夫のメル絵。渡辺明夫と言えばキャラデザを担当しているひぐらしの新作はTVアニメで7月放送予定だそうな。PVから察するにまた「鬼隠し編」からやるのか?

 アプリの方では安名メルの☆5覚醒およびドッペル解放イベント「耳を撫でて彼岸の声」の復刻が始まっています。復刻イベントながら新規ストーリーの追加もあるらしい(まだ最初の方しかやってない)。それに合わせる形でかなえ&メル ピックアップガチャも開催されますが、二人とも恒常なので始めたばかりの方は焦って回さなくてもいいです。マギレコはピックアップ☆4排出率がたった0.6%とロスフラ並みなので、石やチケを貯めて「これだ!」という限定ガチャが来たときだけ回す悪鬼スタイルが基本的にオススメ。ロスフラは天井どころか最低保証すらないけど、こっちは「天井も、確定枠も、あるんだよ」ですから貯めて一気に回す方がアドだ。

ストーリーイベント「授けの財団と聖なる学舎の異端児」開催決定!

 プリコネの新イベントは待望のなかよし部! 開催は来週の31日から。王雀孫がツイッターで「お待たせいたしました」と呟いていることを考慮すると今回のシナリオも恐らくby雀孫でしょう。「なかよし部」はプリコネに出てくるギルドの一つで、正式名称は「聖テレサ女学院(なかよし部)」。奨学金欲しさに設立された打算的なギルドであるが、実際メンバーの仲は良い。去年の8月末に開催されたストーリーイベント「森の臆病者(ぼっち)と聖なる学舎の異端児(リセエンヌ)」で初登場を果たし、その後長らく放置されていました。プレイアブルになっているキャラもクロエしかおらず、「第一部の最終決戦にクロエだけ参加していたのはバイトだった」ってイベント予告でネタにされているくらいです。

 さておき「授けの財団(エンジェル)と聖なる学舎の異端児(リセエンヌ)」はなかよし部イベント第2弾に当たります。財団というのは恐らく「メルクリウス財団」のことだろう。金融業を柱とするギルドだが実態は何でも屋に近く、悪徳商人を成敗する義賊めいたキャラまで在籍している。「財団」に「エンジェル」というルビを振っているのはエンジェル投資家のイメージを重ねているから。先立つものがなくて途方に暮れているなかよし部のところへメルクリウス財団のギルドマスターであるアキノがやってきて条件付きで援助を申し出る……みたいな話かしら。儲け話に飛びついて痛い目を見る両津勘吉パターン?

 問題は誰がプレイアブルとして実装されるか、だ。前回のイベントに配布キャラはいなかったから今回もナシかもしれない。プリコネのストーリーイベントはコラボ系や季節系を除くと基本的に配布ナシですし。例外は「魔法少女 二人はミスティ&ピュアリー」くらい。ただツイッターで公式アカウントが「限定キャラを仲間にできます!」と投稿した直後に「内容に誤りがあった」と慌ててツイートを削除する騒ぎもあり、謎は深まっている。なかよし部メンバーのうちクロエは既に実装済なのでチエルかユニのどちらか、あるいは両方がガチャに来ちゃう? 仮に来るとしても十中八九恒常での実装だろうから別に焦って回す必要はない。ないのだが、ユニ先輩が降臨したら即座に理性が吹っ飛んで「気づいたら天井を叩いていた」ってことになりかねません。来てほしい気持ちともうちょっと後(今年の新規水着ガチャが終わってから)にしてほしい気持ちが鬩ぎ合う。

・拍手レス。

 ロスフラはキャラ排出率の方はまだ納得できなくはないですけど、イベント特攻鏡のPU率はもうちょい高くしてくれても良いと思うんですけどねぇ。星3以外の特攻鏡がないので100連くらいだと1枚も出ないことが割とありますし、数万課金してキャラも鏡も収穫が無いとなるとかなりやる気が…
 今までPU鏡の排出率はあまり気にしたことがなかっただけに「確率変更があった後でもこんなに低いのかよ……っ」て愕然としました。確率上げるなりステップアップガチャ(○連でPU対象1個保証)方式にするなりしてほしいですね。

 ミカヅチgetおめでとうございます!しかしこのゲーム物凄いペースで既存キャラを実装しますね。既存キャラ出し終わったらガチャがどうなるのか気になるところです
 ありがとうございます。衣装違いとかで凌ぐのも限界があるんで、途中からオリジナルキャラをどんどんガチャに追加していくのかもしれませんね。本編やイベントのストーリーで活躍させてからピックアップ始めた方が回す側としてもテンション上がるでしょうし。


2020-03-21.

・冬アニメもそろそろ終わりですけど、最初はあまり期待していなかった『SHOW BY ROCK!!ましゅまいれっしゅ!!』が回を重ねるごとにどんどん良くなってきたせいでもうじき最終回を迎えるという事実に「嘘でしょ?」と言いたくなる気持ちでいっぱいな焼津です、こんばんは。最低でも50話はやるべきでは?

 主要キャラが一新されてしまったことと第1話が導入としてイマイチ盛り上がりに欠けることから正直2話目を観ようかどうかすら迷ったのだが、「でもほわん可愛いし……」と視聴を続けているうちに引きずり込まれてしまった。ほわん、ヒメコ、デルミン、ルフユの掛け合いが細胞の奥までスゥーッと浸透してくる感じで心も軽くなる。ぶっちゃけあまり馴染みのない声優ばかりだから新鮮、というのもある。ほわん役の「遠野ひかる」はスタリラの夢大路栞役も演っているけど、イメージが重ならないせいか検索するまで気づかなかった。ヒメコ役の人(夏吉ゆうこ)は最近マギレコに実装されたキャラを演ってるけど、最近すぎて聞いた覚えがない。やや友情寄りの百合アニメって趣で個人的にはツボながら、たまに男キャラがメインの回もあるので百合好きへ薦めるのはちょいと躊躇するんだよな。でも「あわよくば続編を」というスケベ心を抑えられないので軽率に「百合好きは観ろ」と言い切ってしまおう。『SHOW BY ROCK!! Fes A Live』(ショバフェス)というソシャゲもリリースされているみたいで少し気になっているが、リズムゲーか……音感が死滅しているのでリズムゲーはゲロ吐くほど苦手でありつい敬遠してしまう。とりあえずアニメPVだけ堪能するミン。

『うたわれるもの ロストフラグ』、新キャラクター「ミカヅチ」実装

 私自身はまったく予想できていなかったが、「運営がやけに帯電推してたからそろそろ来ると思ってた」と語る人も多いヤマト左近衛大将の「ミカヅチ」です。ログボの画面でいきなり出てきたときは誰だかわからなかった。正直、彼に関しては素顔よりも仮面付けてる姿の方がしっくり来る。さておき、これまで「虹蝶からの渦鏡」演出に何度も失望させられてきたロスフラであるが、今回に限っては新規追加の灯幻鏡(「女将のおもてなし」)が欲しい! と補充された結糸を早速ポイント交換して10連回したらあっさりミカヅチの方が来て笑ってしまった。隙あらば仕事する物欲センサーの勤勉さたるや。調べたらカルラ鏡の排出率は0.4%でミカヅチ(0.6%)より低かったから「そりゃ出ないわ」って納得しましたが。ピックアップ灯幻鏡2種合わせてたった0.8%とか、強気すぎないかこの運営。相も変わらず狂しておられる。

 それはともかくミカヅチ、風属性の単体アタッカーという稀少なユニットで、恒常ながら侮れない強さを誇っています。連撃参の気力消費が0なカルラやトウカと比べると動き出しが遅いという難点はあるが、帯電付与鏡と組み合わせることで開始直後の火力を高められるからそれほど困らない。なんやかんやで近接・遠隔ともにアタッカーが揃ってきたおかげでクエスト内容に応じて使い分けられるようになり、戦力的な面ではだいぶ充足してきました。ここから極端なインフレでも起こらないかぎり当分は手持ちの札で凌いでいけそう。

・公開延期だの制作中断だの、映画関連の暗い話題が多くて気が滅入ってきているので少しでも気を紛らわせるべく積んでいたBDを消化中。

 韓国映画の『タクシー運転手 約束は海を越えて』、『パラサイト』にも出演している「ソン・ガンホ」がタイトル通りタクシー運転手をやってる話。評価の高さに釣られて買ってみたが、地味なタイトルと「感動ストーリーです!」ってアピールしまくるジャケットに食指が動かず放置していた。『パラサイト』面白かったし、そろそろ崩し時かな、と考えて開封。

 1980年、クーデターによって実権を握った全斗煥(まだ大統領には就任していない)が戒厳令を敷き、反発する光州の市民たちを弾圧した「光州事件」が映画のモチーフになっています。ソウルで個人タクシーを営む主人公は光州の実態を知らず、軍主導の「大本営発表」を鵜呑みにしていたが、ドイツ人記者の提示する高額報酬に釣られて光州へ潜入し、「丸腰の民間人相手に暴力を振るう軍人たち」の姿に衝撃を受ける。韓国は兵役義務があるので主人公も当然軍役に就いていた時期があり、軍に対して一定の親近感を抱いていた(軍人に対して敬礼するシーンが何度かある)だけにより一層やりきれないものを感じるハメになります。タイトルは地味だけど、流血シーンが多くて結構凄惨な映画だ。クライマックス、「ここは俺たちに任せろ!」と光州のタクシーが集結するシーンは熱い。史実だと市民たちはみながみな大人しく弾圧されていたわけではなく、割と過激な抵抗を繰り広げていた人たちもいるわけですが、そこらへんは割愛されておりレジスタンス物として観ると物足りないかも。この事件の7年後を舞台にした映画『1987、ある闘いの真実』(政治色がかなり強いものの、アカ狩り部隊である「対共分室」がひたすらメチャクチャなことをやらかす『アウトレイジ』的側面も大きい作品)と併せて観ることをオススメ。


2020-03-16.

戦場の少年少女描く、電撃小説大賞受賞作「86―エイティシックス―」TVアニメ化(コミックナタリー)

 読もう読もうと思いつつ積んでいるうちにアニメ化が決まってしまった。第23回電撃小説大賞の「大賞」受賞作で、1巻の刊行は2017年2月なんで開始から既に3年以上経ってますね。現時点での最新刊は7巻、5月に8巻が出る予定。あらすじをチラッと読んだだけなので詳しくは知らないが、無人ロボ兵器という触れ込みで投入された新兵器が実は有人で、建前上「存在しないこと」になっている少年兵たちが戦場で使い捨てられていく……という話らしい。舞台となる共和国は85の区画によって構成されており、「85区外」に位置する「第86区」から少年兵たちを消耗品として調達するところからタイトルが来ている模様。刊行当初より評判が宜しく、「いずれアニメ化するだろうな」と予想していたんで意外性はない。いや、「意外性はない」とかドヤッてる暇があったらさっさと着手しなきゃだな。

 電撃の比較的新しいシリーズでちゃんと追っているのは『七つの魔剣が支配する』くらいだなー。ハリー・ポッターな学園で魁!!男塾するファンタジー。『錆喰いビスコ』とか『三角の距離は限りないゼロ』とか気になっている作品はあるんだが、他にもいろいろ積読があって消化する暇がなかなか……私は「そのとき気が向いた本」じゃないと捗らない性質(タチ)なので「読まなきゃ」という意識を抱いているうちはページを繰る手にあまり力が入らない。今はなぜか『騙王』という9年ほど前に出た本が急に読みたくなって読んでいるところです。

【期間限定】TVアニメ「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」放送記念キャンペーン 第4弾開催!

 “山の翁”の強化クエストを追加!

 遂に来たか! 嬉しくて小躍りしてしまった。2017年の正月に初の☆5サーヴァントとして引き当ててから3年以上、この日が訪れることをずっと待ち望んでおりました。うちのカルデアが人理修復できたのは翁(とフレのサーヴァント)のおかげですよ。強化クエストをクリアすればスキル「戦闘続行」(いわゆるガッツ)が新スキル「死の淵」になります。「戦闘続行」はスキルマすればガッツ時にHPが5000も回復するという点において破格のスキルであり、高難易度クエストでとても役立つものでした(こないだのオデュッセウス戦も翁のおかげで勝てたようなものだった)けれど、逆に言えば高難易度以外ではあまり使う機会のない地味スキルとなっていました。今回の強化でバスターアップ5ターン(ガッツ発動時に解除)、ガッツ発動後にNPチャージとバスター大アップ1ターンが新たな効果として加わり、普段のクエストでも気軽に使っていけるスキルになる。コンセプトとしては「窮地からの一発逆転」という動きを狙った強化なのでしょうが、クラス補正のせいでどうしても低くなりがちなアサシンの素殴り火力を補うって側面もありますね。今後も「翁のバスターは最強なんだ!」と信じて愛用していきたい。それにしてもアニメの翁さん、「使徒を食ってる……!」みたいなムーブしていて何事かとビビったわ。これじゃ初代様じゃなくて初号(以下略)。

 ピックアップ召喚も唐突に始まりました。タイミングとしては最良なんだろうが、あざとい。あまりにもあざといな運営め。宝具レベルを上げたい気持ちもあるが、こないだの1900万DL突破キャンペーンのPUでエレシュキガルを重ねるために結構石を使ってしまったから手持ちにあまり余裕がない。そろそろ水着に備えて貯め直していかなきゃだしな……今年は誰が来るだろうか。実装から一年以上経ったし、そろそろ虞美人も候補に上がってきそうな気配である。去年は水着剣豪だったから今年は水着七雄とか?

アニメ『マギアレコード』第11話「約束は午後三時、記憶ミュージアムにて」視聴。

 筝曲部でお筝を弾く月夜ちゃん、部員たちからは「天音」ではなく「明槻」という苗字で呼ばれています。前にも解説しましたが天音姉妹の父母は彼女たちが物心をつく前に離婚しており、母親に引き取られた月夜ちゃんは母の旧姓である「明槻」を普段名乗っている。それにしても日常生活で取って付けたような「ございます」を使っている月夜ちゃんの姿はなかなかシュールだ……部長だから「そのございます口調やめた方がいいよ」とは部員たちも言いにくいのか? そんな月夜ちゃんを水名女学園の前で出待ちする怪しい影が一つ。そう、何を隠そう我らが主人公の「環いろは」である。こないだ制服姿で歩いていたから簡単に通学先が割れてしまったのだ。まだ10代の少女たちだから仕方なくもあろうが、セキュリティ意識が低すぎるな、マギウスの翼。今回から原作第一部の第6章「真実を語る記憶」に入っていくわけですが、月夜ちゃんを問い詰めるために喫茶店(原作だとファミレス)へ連行する流れは第5章「ひとりぼっちの最果て」にあったエピソードの改変ですね。原作では鶴乃とフェリシアの二人に挟まれて仕方なく従っていたが、アニメではいろはちゃん一人に変更されたため「年下の女子中学生相手にブルっている秘密組織の幹部」というヒドい絵面になってしまい月夜ちゃんの面目潰れがマッハ。

 ねむちゃんに会わせろ、会わせなきゃお前の小指をへし折るぞと脅す(脅してないが、「妹の病気を治す」という願いを叶えた影響で治癒系の魔法が使えるから多少傷つけても治せばいいと思っている節がある)いろはちゃんに「その件に関しましては一度持ち帰って上司(みふゆさん)と相談してからお返事させていただきたく……」と明言を避ける月夜ちゃん。この遣り取りを挟んだおかげで「いきなり古巣に出戻ってきて『記憶ミュージアムに来なさい』と招待するみふゆさん」という唐突な展開が緩和された印象はある。ズカズカと上がり込んで勝手知ったる古巣とばかりに現在の住人であるいろはちゃんにお茶を振る舞う所作が完全に「元カノ」のそれで「女子中学生相手にマウント取りに行くみふゆさんマジ大人げない」とテンション上がります。どう見ても罠だ、と怪しみながら「罠でも何とかなるだろ」と楽観し一行は記憶ミュージアムを目指すことになる。それを知りつつ制止しなかったやちよさん。彼女は過去に何度か仲間を喪っており、それぞれの経緯から「自分のせいだったのではないか」という疑念を抱いているため、いろはちゃんたちと連帯を深めていくことで「同じことを繰り返すのでは?」って不安も高まっている。強くて面倒見の良いやちよさんだが、「歳を取っても衰えない強さ」が仲間の犠牲によって成立している可能性を疑っているせいで「守るべき仲間」を持つことに恐れを感じてもいる。仲間たちを守るために仲間たちを生け贄にしなくてはならないのならば、いっそ仲間などいらぬ! とジレンマの末にサウザー化してしまったのだ。

 しかし肝心の「記憶ミュージアム」がどこなのかわからない、ということで調整屋へ相談に行きます。原作だと鶴乃の父親が「あそこのことじゃないか?」と手掛かりを示すのだが、尺の関係でオミットされてしまった。アニメでは単に「廃墟」の一言で済ませているが、元になった建物は「記録ミュージアム」こと神浜記録博物館であり、古い音楽や映画が展示・上映されていたとかで「昔はよく通ったなぁ」みたいな形で言及する。万々歳の親父こと鶴乃パパ、アニメだと出番減らされまくってるからメチャクチャ影が薄いんだよな……ストーリー圧縮の関係でモブキャラたちの存在感が相当弱まってしまっているのが原作組にとっては大変残念なポイントである。さておき、みたまとももこの情報提供で記憶ミュージアムの位置に見当が付いて調整屋を後にする。いろはちゃんが去ってから思わせぶりな会話を交わす二人だが、お察しの通りももこがかえでやレナに打ち明けられないでいるのは「魔法少女の真実」です。記憶ミュージアムとやらに行けば、嫌でもその真実を知ることになるだろう。ももこは決心し、雨の中レナを呼び出して一年前にあったこと……七海やちよをリーダーとする西側最強のチームが崩壊するに至った過程を話し始める。

 いろはは記憶ミュージアムで妹の友人だった「里見灯花」と久々の再会を果たすが、向こうは覚えていないのか「初めまして」と挨拶してくる。たぶんここで有無を言わさずモキュをぶつけておけばRTA並みの速度で第一部は終わっていただろうが、原作でも灯花はモキュを不気味がって触れようとしなかったから言っても仕方ないことである。しかし灯花ちゃん、いろはたちを出迎えるためにわざわざあんなキメキメのポーズ取って座っていたのかと思うと可愛いな。原作だとこんな感じで割と行儀良く腰掛けています。賢いのに、というか下手に賢いせいで倫理観が崩壊してしまっている。「『自分にとって大切な人々』以外は何人死んでも痛痒だにしない」メンタリティと「宇宙の隅々まで知悉せんとする」貪欲な探求心を併せ持つ灯花ちゃんは控え目に申し上げてもマッドサイエンティストの類(「可愛いだけでやってることはほとんどボ卿」「神座に至る前のメルクリウス」といった評価すらある始末)であり、生半なネゴシエーションは通じない。魔法少女としての能力も隔絶しており、細かい説明は省くが魔力切れを心配することなくほとんど無制限に近い領域で魔法を行使し続けることができる。彼女にも一応「脆弱なポイント」はあって、そこを衝けば状況を打開することも不可能ではないが、普通に正面からぶつかったらまず勝てない相手である。

 もう残り2話しかないから1期目は「真実を語る記憶」を消化して終わりだろうな。第7章「楽園行き覚醒前夜」、第8章「偽りに彩られ神浜」、第9章「サラウンド・フェントホープ」、第10章「浅き夢の暁」とまだ4つも章が残っているから「続きは劇場版で!」というわけにもいかず確実に2期が来るものと思われるが、新型コロナの影響もあるだろうし現状いつになるのか不透明です。ちなみにアプリの方ではアニメの登場に合わせて里見灯花 ピックアップガチャ開催中。精神強化はなくてガッカリ。「あの魅惑のくぎゅボイスにやられた。灯花ちゃん欲しいけど、マギレコはリセマラが面倒って聞いたから手ぇ伸びないんだよな……」と躊躇している方には朗報なんですが、マギレコはチュートリアルを終えた後に無料で引ける☆4魔法少女確定ガチャがありまして、初心者は1人だけ「獲得したい最高レアリティの魔法少女」を任意で選ぶことができます。対象は恒常のみであり、水着やアルまど、クーほむなどの限定キャラを選ぶことはできません。が、灯花ちゃんは恒常なので選択可能。ついでに書くとアリナやねむちゃんもラインナップに含まれている。「リセマラが面倒」というのは確定の☆4以外にもう何人か☆4が欲しい、という場合を指して言っているのであり、ガチでやり込むつもりの方でなければそもそもリセマラする必要自体ありません。てか、未凸の☆4魔法少女が何人かいてもそんなに物凄く戦力が上がるわけではなく、有能なメモリア(装備品)を所持しているかどうかに左右される部分もあるので、完凸魔法少女を何人もサポートに出している先輩つよつよプレーヤーたちをひたすらガンガンとフォローしていくことの方が重要。FGOと違って相互フォローでなくてもマギアやドッペルは使える(相互のメリットは「サポートポイント」というフレポみたいな奴の獲得量が増えるくらいだ)からフォロワー頼りの戦法で突っ切れば高難易度クエスト以外だいたいクリアできます。あ、でも途中いろは単騎縛りのクエストがあるので最低いろはちゃんのレベルだけは上げておいてください。

 「ゆーげん」によるエンドカードはみかづき荘メンバー、かもれ組にアザレア組が加わってすごく賑やか。「アザレア組」というのはイベント「そしてアザレアの花咲く」に登場した魔法少女3名(静海このは・遊佐葉月・三栗あやめ)を指す用語です。イベントタイトルのアザレア(つつじ)は3人が「つつじの家」という児童養護施設で育ったことから来ている。本編前の出来事を描いたイベントなのでアニメに登場するのは難しいだろうな……かえでの横に寝そべっているピンク髪の眼帯っ子は「三栗あやめ」でフェリシアの友人。ことあるごとに張り合って競争する良きライバルといった関係だが、二人に挟まれる夏目かこは審判役を任されたりして苦労している。右端の金髪巨乳は「遊佐葉月」、外面が良くネゴシエーションを得意とするアザレアの渉外担当役。ななか組の組長こと常盤ななかとよく腹を探り合っている(卑猥な意味ではない)。エンドカードではわかりにくいが物凄い巨乳、なのに中三でいろはちゃんと同い年という……ただ「マミさんとも同い年」って考えると納得できる気もするから不思議だ。左端、暗くてちょっと見辛いけど銀髪の子が「静海このは」、最年長の17歳で保護者ポジションながら人見知りが激しく、コミュニケーションも苦手。戦闘力に関してはアザレア組随一で「西のボス」ことやちよさんとも渡り合えるレベルです。そしていろはちゃんの横で目を伏せている黒江ちゃん、この調子だと残り2話でも出番はなくて2期までお預けなのかな……まどかとさやかとほむらもまだ出ていない(回想はノーカン)し、なんとも持ち越しが多いアニメだ。


2020-03-10.

・積読の山から発掘した『ちょろいですよ鬼殺しさん!(1)』が面白くて満足するものの「えっ、刊行は去年の10月……!?」と地味に衝撃を受けた焼津です、こんばんは。

 もうちょっとで半年経過していたところじゃないか。ついこないだ買ったばかりという気がするのに……内容は「おっぱいが大きくて眼帯を付けていて鬼殺しを生業としている女の子にいきなり告白されて付き合うことになった」主人公がヒロインの鬼殺滅滅子(おにごろし・めめこ)とひたすらイチャイチャするだけのラブコメです。周りがドン引きするレベルで徹底的にイチャつきます。モブのささやかな反応が結構ツボ。それにしても一張羅の戦闘装束を纏ってデートに繰り出す滅滅子さんが鬼可愛い。「殺した鬼ぐらいにしか見せたことありませんッ」と顔を赤らめる様子も初々しいです。是非この調子で続けられるだけ続けていってほしいものだ。どうか打ち切りを心配しないで済むぐらい売れてくれ。いっそ表紙を黒くしてタイトルを『鬼殺の滅滅子』にしたら勘違いして買っていく人が増えないかな?

「リゼロ」第2期の4月放送が延期に、新型コロナウイルスで制作スケジュールに影響(コミックナタリー)

 新コロの影響がこんなところまで……4月開始は無理だからとりあえず7月開始の予定になるみたいだが、それまでにどれだけ状況が改善するのか見通しが立たないムードだな。アニメ制作はまだデジタル化できていない部分も多いとかで、渡航制限だの何だのが響いて業界全体が苦しいらしいですね。影響がどこまで広がるか判然としない。差し当たって4月以降は再放送の枠が増えることになりそう。

【期間限定】「アイアイエーの春風 〜魔女と愉快な仲間と新しい冒険〜」開催!

 店番のキルケーがすごく可愛い……「ピピピピッピピグレット〜♪」もさることながら、「キュケストック アイアイエー」の発音にも心ときめくものがある。「うけたま」というギリギリのネタをブっ込んでくる姿勢も買いたい。さておき、オデュッセウスのあの恰好がまさかパイロットスーツだったとは……宝具演出で明かされる驚愕のギリシャ真実、「トロイの木馬」は変形ロボでありトロイア戦争とはスーパーロボット大戦だった? エミヤのロー・アイアスが逸話に反してやけにビームシールドっぽい形状をしている理由も16年越しに判明してしまった。「殲滅形態で叩く!」と宣言するオデュッセウスさん、完全にロボアニメのパイロットである。もう違うジャンルのゲームやってる気分になりますわ。

 微小特異点が観測されたアイアイエー島にキルケー、イアソン、アルジュナ、オリオン、ゲオルギウスという面子で乗り込み、記憶を失ったオデュッセウスに出会う……といった調子で進行していく。何者かが仕組んだ気配を感じるというか、明らかに黒幕の一人はメ……いえ、やめておきましょう。「まるで遠足か修学旅行みたい」って形容もあるように生き生きとした掛け合いが楽しめるシナリオです。こういうちょっとユルめのイベントでもイアソンはあっさり雰囲気に馴染んでしまうな。こいつ相当な便利キャラなのでは? ノリツッコミするアルジュナも新鮮で良かった。一番なのは複雑な大魔女心を見せるキルケーですけどね。オデュッセウスの言動を過剰なほど気にしている様子にニヤニヤしてしまう。

 オデュさんはちょいちょいサポートで借りて使ってますが、「木馬で出る!」「やるぞ木馬!」と木馬を連呼するのが面白すぎて笑っちゃった。たぶん戦争時はずっと馬形態で使ってトロイア側に「機動力は優れているが破壊力はそれほどでもない」という印象を与え、人型に変身できることは隠し通していたんだろうな。で、故障したフリしてわざと乗り捨て、鹵獲されて市内に運び込まれた木馬をどうにか起動して「あばよ☆」したワケダ。予言者のカッサンドラ(ヘクトールとパリスの妹)は木馬を運び入れないよう必死に説得したがアポロンの呪いのせいで聞き届けられなかった……ってなってるけど、呪いがなくても「あの木馬を市内に入れてはなりません! あれこそ運命の化身、蹂躙の具現! 皆が寝静まった頃に殲滅形態で叩かれます!」と訴えても信じてもらえなかったのでは、という疑惑が生じる。あと絶望したカッサンドラは単独で木馬を焼き払おうとしたらしいから、彼女も何か武装を持っていた可能性があります。トーチ状の火炎放射器とか。

 余談ですが、エミヤが使うバリア「ロー・アイアス」はトロイア戦争に従軍したギリシャ英雄「アイアス」に由来するものである。アイアスという名前のギリシャ英雄は二人いて、区別するために体格の大きい巨漢を大アイアス、小柄な方を小アイアスと呼ぶ。別に兄弟とか親戚ではない。盾の逸話で知られるのは大アイアスの方であり、小アイアスの方はトロイア陥落時に神殿でカッサンドラを陵辱したことで有名(そのため神罰を受け、故郷へ帰り着くことなく海に散った)。アキレウスの死後、遺品である鎧の獲得権を巡って大アイアスとオデュッセウスは争うことになり、敗北を喫した大アイアスは発狂した末に自害した。オデュッセウスは彼の死に対し「奴のことは嫌いだったが我が軍の英雄であることに変わりはない、丁重に弔うべきだ」という趣旨のコメントを残している。こんな具合なのでアイアスは大小ともどもあまりカッコいいイメージがない……なおアイアスの英語読みは「エイジャックス」、軽巡洋艦の名前にもなってますね。

 そんなアイアスたちを上回る勢いでマイナスイメージが強いギリシャ英雄は「アガメムノン」。アキレウスやオデュッセウスが属するアカイア軍の総大将ながら「人妻だったクリュタイムネストラ(パリスが攫ったヘレネーの双子の姉)を手に入れるため従兄弟とその子供を殺した」「軽はずみな行為でアルテミスの怒りを買い、許しを得るために愛娘であるイピゲネイアを生け贄として捧げた(しかもイピゲネイアを呼び寄せるために「かの大英雄アキレウスがお前を嫁にしたがっている」と嘘の手紙を書き、アキレウスを不快にさせた)」「祭司の娘を攫ったせいでアポロンの怒りを買い、神罰による疫病が発生してアカイア軍の兵士を大勢死なせた」「アキレウスから『祭司の娘を返してアポロンに詫び入れて来いよ』と提言されたことに腹を立て、『じゃあ娘を返す代わりにお前のお気に入りを貰うわ!』とアキレウスが寵愛していた女性を権力に物を言わせて強奪、『戦利品を寝取られた男』として彼の面目を丸潰れにしてやった(この仕打ちを受けたアキレウスは危うくアガメムノンを殺しそうになるほど激怒して戦争をボイコット、やがてその行為が親友であるパトロクロスの死に繋がる)」「小アイアスに陵辱された後のカッサンドラを戦利品として故郷へ連れ帰るが、イピゲネイアの件で恨んでいたクリュタイムネストラによって二人とも殺される」という、「こいつ本当に英雄か……?」なエピソードが満載です。アルテミスとアポロンの二神両方を敵軍の総大将としてではなく単なる個人的な行為で怒らせた、という意味では他の追随を許さないヤバさ。そこらへんが英雄的と言えるのかもしれない。アガメムノンはギリシャ悲劇の主要人物として知られており、妻に殺されて終わりではなく、むしろ殺されるところからが悲劇の始まりである。詳しくは「オレステイア」で検索されたし。

 長い船旅の末に故郷で待っていた妻と運命的な再会を果たすオデュッセウスと、長い戦争の末に故郷で待ち構えていた妻の計略で宿命的な死を遂げるアガメムノン。鮮烈な対比となっているが、「イピゲネイアを呼び寄せるために嘘の手紙を書いた」というところ、実はこれオデュッセウスの発案だったんです。アガメムノンは娘を生け贄に捧げることを当然躊躇していたし、呼び寄せる際に障害となる妻をうまく言いくるめる自信もなかったわけだが、オデュッセウスは「アキレウスを餌にすればよいではないですか」と悪魔にも似た囁きを吹き込むことで状況のお膳立てを済ませ、後には引けなくしてしまった。トロイア戦争へ参加することについて最初乗り気ではなく、狂人のフリまでしてアガメムノンを追い返そうとしたオデュッセウスだが、一度参加すると決めたらたとえ上司の愛娘だろうと躊躇わず生け贄にする道を選ぶほど勝利への意志が強い男である。アガメムノンの悲劇は間接的にオデュッセウスが用意したものと言えなくもなく、二人の違えた末路は単なる「対比」ではなく「オデュッセウスがアガメムノンを犠牲にして勝ち取ったもの」と見做すこともできる。『オデュッセイア』にはキルケーと別れた後に冥界下りしてアガメムノンやアキレウス、ついでにヘラクレスの亡霊と出会う件もあり、まだまだオデュッセウス絡みのネタはたくさんあります。ホント、ギリシャ神話はネタの宝庫ですわ。

アニメ『マギアレコード』第10話「私の名前」視聴。

 アバンでいきなりアイちゃんが消滅してビックリした。原作アプリだと「環ういのことは知っている」って言い残してようやく「いろはちゃんの妹が実在する」ことを確定させるシーンだったのに。相変わらずポンコツな天音姉妹とマリオみたいな移動法でやってくるアリナに笑わされたが、「魔女を結界に閉じ込めて飼育している」というドン引きするような彼女の趣味が割合サラッと流されてしまってやや狂気の色合いが薄れてしまったか。「作品を破壊(ブレイク)していいのはアーティストだけ」というセリフはヴァンダリズムを指しているのかな? Aパート最大の衝撃は「巴マミがマギウスの翼に加入している」ところでしょう。あれは原作派も驚いた。マギウス入りしている点では一緒なんですけど、原作だと「洗脳されて正気を失っていたため」であり、その結果として「ホーリーマミ」なる「不審者を超えた不審者」的な産物まで発生していました。アニメの描写を見るかぎりではどうも正気を保ったままマギウスの理想に賛同しているみたいで「これはいろいろと前提が変わってくるぞ」と原作界隈もザワついたわけです。

 マミさんのメンタルが脆いことはまどマギ10話の「みんな死ぬしかないじゃない!」で周知の事実となっており、魔女化の真実を知らされたマミさんが「魔法少女救済」という餌に飛びついてしまう心理はわからなくもない。なんやかんやでまだ中学生なんだから誰かに縋りたい気持ちもあるだろう。ほぼキュゥべえが悪いとはいえまどかやさやかを勧誘してしまった負い目、責任もある。ちなみにマギレコの世界はほむらが何度かループした後なのでマミさんにとってほむらは「出会った時から既に魔法少女だった」という認識です。

 Bパートはみかづき荘へやってきたさなちゃんを中心に日常的なエピソードを綴る。もう残り3話だし、これが最後の日常描写となるだろう。連れだってマグカップを買いに行く件はほのぼのしている反面、「もう使う主のいなくなったマグカップがみかづき荘には残っている」ことを思うとしんみりしてしまいますね。荷物を取りに一旦自宅へ戻ったさなちゃんは「自分がいなくなっても何の支障も来していない家族」を目の当たりにする。そもそも自分が家から出ていったことにも気づいていないのでは? まだ部屋に引き籠っていると思っているのだろうか……何であれ、「ここはもう自分の居場所ではない」ことを再確認して帰るべきホーム、魂の故郷、みかづき荘への道を辿る。虐待やイジメのシーンが大量にカットされたおかげでアニメ派には何てことのない帰宅風景に映るかもしれないが、アプリやってると本当に心の底から「おかえり」感が湧いてくる。

 終盤、「その頃のマギウス」的なカットも挿入されます。ホベーミャン、ホベーミャンと鳴くツバメ型の使い魔を尻目にマギウスへ「これ以上ウワサを減らされるのはまずい」と発言するマミさん。アリナ以外のマギウス2人はセリフを一切口にせず、僅かに手元が映るのみだが察しの良い人は「この子たちって……」と気づいたであろう。それはさておいて、幹部でありながら食生活が荒れているみふゆさんを心配して通い妻しにやってくる双子姉妹かわええ……みかづき荘に住んでいた頃の記憶が一瞬だけフラッシュバックするが、やちよの隣にいる緑髪の子は「安名メル」です。占い好きの子なんですけど、うん、何も言わなくてもだいたい伝わるかな、「本編に一度も顔を出していないキャラのポジション」は。役割上ほとんど活躍するシーンがない不遇な少女ですが、イベント等で関連シナリオが不定期的に追加され、そのたびにプレーヤーたちは心を抉られる。特にバレンタインのアレは事情を知らずに読むとただのほのぼのイベントにしか見えないから、より一層凶悪。

 ういの手掛かりを求めてさなちゃんから聞き取りを行っていたところ、「それってマギウスの柊ねむのことですか?」とあっさり爆弾発言が投げ込まれる。そう、たまに回想シーンで出てくる眼鏡を掛けた文学少女・ねむちゃんは3人いるマギウスのひとりだったのだ。じゃあ最後のひとりは……たぶん次回触れられるだろうからわざわざ言及しなくてもいいか。アプリに比べてアニメは回想シーン自体が少なく、衝撃は若干浅かったかもしれないが、ともあれこれでストーリーは大きく進展しました。原作通りに進むかどうかわからないが、そろそろマギウスたちとの対面を果たす流れでしょう。残り3話で完全決着……は無理だろうから2期に続くのかな。ソードマスターヤマトばりに駆け足で無理矢理終わらせる可能性とてゼロではありませんが。「生き別れた妹を探していたような気がしていたけど別にそんなことはなかったよ!」 それよりクロエちゃんが未だに影も形もないのは何かのバグか?

 エンドカードの魔法少女は「五十鈴れん」、2話でレナちゃんが変身してなりすましていた子である。ファンの使う愛称は「れんぱす」が主流か。いろはたちと同じ学校に通う生徒でありながら本編のストーリーにはほとんど絡んでこないが、彼女および友人である綾野梨花(8話でラジオに投稿していた「あやっぺ」は同一人物と思われる)をメインに据えたイベントとして「君と綴る日記」や「聖夜に刻む1ページ〜君と、ここから〜」が開催されています。マギレコはこまごまとしたイベントの積み重ねで各キャラへの思い入れを培っていくタイプのゲームなんで、本編ストーリーだけを追いかけると正直あんまり……な部分がある。原作組とアニメ組との間で温度差が生じる主な要因はそこだろう。なのでぶっちゃけた話、アニメの解説を読むより原作の過去イベント(ほとんどがアーカイブに常設されており、「追憶の欠片」というアイテムを消費することで解放可能)を直接プレーする方が手っ取り早いです。

・拍手レス。

 ロスフラはガチャ更新の度にアプリ売上ランキングのかなり上の方に来るみたいですね。この調子を維持できればいいのですがどうなることやら。ストーリーは面白いので続いて欲しいですがやはり粗が目立つので改善は積極的にしていって欲しいですね。個人的にはガチャで出るイベント特効の鏡の排出率をもっと上げて欲しいです。
 あれで意外と売上が良いらしいですね……ストーリーの途中でサービス終了になってしまうのは勘弁だからサプチケ程度なら課金するつもりですけど、実装ペースを鑑みるにだいぶ先の話になりそう。イベ特効鏡は☆3しかないうえすり抜けも多いからしんどいですね……。

 原典のオデュッセウスとキルケーの話は「ベッドヤクザ」というワードしか思いつきませんがFGOではどんな立ち位置になるのやら…
 イベントタイトルからするとしんみりした話になるのかな……って雰囲気でしたが、本人が割と愉快な性格のおかげで和気藹々としていますね。根気強く物事を成し遂げるキャラということで今後もチラホラ出番があるかもしれない。


2020-03-05.

『忍者カウンター』等8サービス提供終了のご案内(忍者ツールズ)

 もう「カウンター」とか「キリ番」みたいな文化はすっかり過去のものになってしまったし、やむをえないか。こないだの大規模障害の件も関係しているのかもしれない。こうして「ほめぱげ」のカルチャーはどんどん思い出の中へ消えていくんだろうな……すぐになくなるわけではなく、来年の3月までサービスを続けるみたいなのでそれまで外さずにおいておきます。今のペースなら期間内にギリギリ100万まで行けるか……? そもそも今のカウンター、移転の際に一度リセットしているからそんなに正確じゃないんですけどね。ジオシティーから移転する前と同じくらいの数字を初期値として入力したような気もするが、さすがにもう記憶が曖昧。じゃあなくなる直前に数字いじって無理矢理100万にする手もあるか? そこまでこだわりないから実際にはやらないだろうが。

【予告】期間限定イベント「アイアイエーの春風 〜魔女と愉快な仲間と新しい冒険〜」開催予定!

 アイエエエエ!?キルケー!?キルケーナンデ!? 「CBC絡みのイベントだから男キャラメインの話になるだろう」と安直な予想をしていたところ、まさかの大魔女メインでべっくらこいた。「アイアイエー」というのはギリシャ神話に出てくる島の名前で、大魔女たるキルケーはここに住んでいたことになっている。まだ住民票も残ってるんじゃないかな。「島というより半島や岬だったのでは?」みたいな解説もあるが、とにかく海に面していたらしい。アルゴー船が寄港した地であり、当然のようにイアソンも縁のある場所だ。けれど、一番有名なのはギリシャ英雄「オデュッセウス」の漂流記である『オデュッセイア』に綴られた記述だろう。キルケーはアイアイエーへ訪れた客人たちに毒を盛ることで動物に変えて支配していたが、毒対策を済ませていたオデュッセウスはキュケオーンを飲み干したものの豚にはならず、逆にキルケーを武力制圧して「魔女め! 部下たちを返せ!」と要求。刃物を突き付けられたキルケーは脅しに屈して彼の部下たちを返し、「なんでもしますからどうかお助けを」と命乞いした末なんやかんやで懇ろな仲に。でもオデュッセウスは故郷へ帰りたいから、やがて二人は別れることになりました。彼がキルケーと過ごした蜜月はおよそ一年に及んだと云う。

 そういうわけで、「キュケオーンの元カレ」ことオデュッセウス実装の可能性が一気に跳ね上がりました。帰還後の逸話からするとアーチャー適性も高いだろうが、「トロイの木馬」という逸話で有名だしクラスはライダーでほぼ確定でしょう。もしそうなら☆5の男性ライダーはイスカンダル、オデマンディアス、イヴァン雷帝、アキレウスと既に4人いるからこれで5人目となる。☆5の男性鯖がカルナしかいないランサーとは大違いだな……アトランティスには「汎人類史のオデュッセウス」も来ていたらしいが、ストーリー上とっくに退場済だったせいで具体的にどんな奴だったかはよくわかっていない。基本的な性格は異聞帯オデュッセウスと一緒だろうか? 異聞帯オデュッセウスは「仮面を外す際になぜか胸元も晒す」という謎パージが発生したことから「谷間仮面」や「ロイヤルメイド」、あと髪のカラーリングから「異聞帯の芹沢あさひ」など好き放題に言われて弄られており、本人は真面目なのにギャグキャラ扱いされる理不尽な目に遭っていたが、このイベントでいよいよトドメになりそうだな。いや、原典からして「ギャグか?」と疑うような振る舞いをする英雄ではあったんだが。どうしてもセイレーンの歌声を聴きたいからと帆柱(マスト)に自分の体を縛り付けた件とか、時に好奇心旺盛な面を覗かせたりもする。そもそも、あのキルケーとイイ仲になった過去がある時点でネタとしてしゃぶり尽される結果は目に見えていた。

 実装から2年ちょい、じわじわと人気を伸ばし続けたキルケーがいよいよイベントの主役に抜擢されるとあって興奮の種は尽きない。ますますピグレットどもが増えることになるだろう。そしてずっとお預けを喰らっているオリュンポスの続報もそろそろ来るものと思いたい。参加条件が「冬木クリア」である以上、このイベントにオリュンポス絡みの新情報はないも同然だろうが……ひょっとしたらひょっとするかもしれない。あと、なにげに画像に載ってるゲオルギウスが気になります。まさかこのタイミングで強化とモーション改修来ちゃう?

アニメ『マギアレコード』第9話「私しかいない世界」視聴。

 まるで「私だけがいない街」と対になっているようなタイトルだが、孤独・疎外・隔絶を意味する点では共通しているか。オープニングにも映っている薄緑色の髪をした少女、「二葉さな」がようやくお出ましになります。ペタン座りが可愛かったな。彼女がウワサである「アイちゃん」の結界「ひとりぼっちの最果て」に囚われたのは32日前。この時点で既にキュゥべえと契約して魔法少女になっています。鈍臭く、学業も優秀でないさなちゃんは家族(母親以外と血が繋がっていない)から疎まれており、「二葉家の恥」と罵られて育ったため自信を喪失していてとても後ろ向きな性格になっている。猫好きで、「こねこのゴロゴロ」という子供向け人形劇のファンであるが、クラスの子に「ガキっぽい」と嘲笑されイジメられた(当時友達だと思っていた子も見て見ぬフリをして助けてくれなかった)ことがトラウマになっていて「他人に心を開く」という行為に対し臆病になっています。

 アニメではダイジェスト気味に語られるだけだったが、原作アプリではさなちゃんの受けてきた虐待がもうちょっと詳しく綴られていて読めば読むほど憂鬱になります。バレンタインイベントのシナリオでも「家族にチョコを渡したらゴミ箱に捨てられた」という悲しい過去が明らかになる。最終的にさなちゃんの父親は「学費は払うし最低限の養育もするが、お前の存在は無視する。割く時間がもったいないから今後一切話しかけるな、勝手に生活してくれ、用件があったらメールで通達しろ」と堂々たるネグレクト宣言を放つ。学校にも家にも居場所がなく、誰にも相談できず惨めな想いをしていたさなちゃんはちょっと猫っぽい怪生物に唆されてつい魔法少女の契約を交わしてしまいます。「透明になりたい」――こうしてさなちゃんは一般人から認識されないインビジブルな存在に成り果てたが、ウワサや魔法少女からは普通に見える。このため「さなちゃんが見える=テメー魔法少女だな!」と簡単に露見する仕組みとなっており、さなちゃんがその場にいるだけで「あなたが魔法少女だったなんて……!」という展開もやり辛くなる。「見えていたけど特に反応しなかっただけ」みたいな記述をいちいちせねばならず、シナリオチームも扱いに苦慮している模様。裏を返せば見鬼のような役割をこなせるので便利なポジションである。

 居場所がないから魔法少女になったのに、願いを叶えたせいで日常生活すら支障を来すようになったさなちゃんは自ら志願して「ひとりぼっちの最果て」へやってくる。人工知能のウワサは最初「新たな獲物」としか認識していなかったが、自分を怖がらないさなちゃんに興味を抱き、彼女と交流するうちに意識が拡張し自我を獲得していく。人々に影響を及ぼすばかりでなく、ウワサもまた人から影響を受ける。アプリの方には魔法少女と同等の存在になった某ウワサがユニットとして実装済みです。いずれ消え去るウワサの自分に依存したままでは危ういからと、いろはを招いて自己の消去を依頼するアイちゃん。しかしそこにルー語みたいな怪しいフレーズを繰り出す謎の美少女が!

 彼女こそ3人いるマギウス(前々回双子姉妹が「御三方」と言っていたことを覚えている人はいるだろうか)の一人、「アリナ・グレイ」です。愛称は「アリナ先輩」。新進気鋭のアーティストであり、倫理や道徳にまったく縛られない感性で魔法を行使する、控え目に言って「ヤバい奴」だ。改心する気がサラサラない悪属性の魔法少女ながらなぜかココイチコラボに抜擢されるなど、人気に関してはマギレコを代表するレベルの高さを誇っている。テンション高すぎて「何言ってるんだコイツ」と混乱した視聴者もおられるでしょうが、彼女の行動目的は非常にシンプルで「芸術の探求」です。アトリエ(キューブ状の結界)を生み出す能力であらゆるものを閉じ込めて保管する。ぶっちゃけ「魔法少女の解放」なんてお題目にはまったく興味がなく、自身のアートを追求するうえで必要だから他のマギウスたちとつるんでいるだけ。魔女さえも「作品の素材」と見做しており、熱心に収集しては可愛がっている。捕まえた魔女のいくつかを融通することで組織に貢献しているが、性格がアレなので本質的な人望はなきに等しい。唯一、彼女を「先輩」と呼ぶ少女だけが慕っているが、その子はアリナがマギウスであることを(それ以前に魔法少女であることすら)知らないという……。

 彼女が繰り出すドッペルは「熱病のドッペル」。本体はチューブで、中に詰まっている絵の具を吐き出し固めることで顕現する。絵の具そのものが病原体であり、デザインもウイルスが元になっているという時期的に詳しく解説するのがマズいドッペルだ。絵の具を浴びてしまったアイちゃんはさなちゃんにトドメを刺してもらうよう頼み、嫌がっていたさなちゃんもやがてその想いに応える。さよならアイちゃん……いや、アイちゃんはいろはに重要な手掛かりを渡す役目もあるから次回もまだ少しだけ生きてると思うが。ところでアリナ戦の最中にいきなりギロチンが出てきて面食らった方も多いと思われますが、あれアイちゃんじゃなくてさなちゃんの攻撃です。原作アプリだと盾がパカッと開いて振り子ギロチンが飛び出すモーションあるんですよ……他にトゲ付き鉄球が出るモーションもある。なにげにシールドバッシュ以外の攻撃手段が豊富なんですよね。必殺技(マギア)も「フォルターゲフェングニス」(ドイツ語で「拷問の檻」)という物騒な代物であり、盾からペンチやドリルが飛び出す。「幼い頃から精神的な拷問を間断なく受け続けた」さなちゃんの闇の深さを窺わせる。彼女が持つ「無色透明のドッペル」は子供が見たら泣いちゃう級のおぞましさだ。モーションが2パターンあってランダム発動するんですけど、電鋸みたいに回転するギロチンで脳味噌切り刻んで鮮血を噴出させる『モータル・コンバット』みたいな方はどうやってもアニメ化不可能だろう。

 さすがにさなとアリナの二人を新登場させて1話の尺に収めるのは無理だったらしく、「ひとりぼっちの最果て」編はまだ次回へ続きます。このペースだと原作6章「真実を語る記憶」で1期目は終わりそうだな……やちよの過去などが明かされる章であり、説明的な描写が多いぶんそのままアニメ化しても盛り上がらないだろう。大きく改変されるか、もしかするとまったく別のエピソードに置き換えられるかもしれない。どう考えても今の調子でマギウスと決着が付くはずないから分割2期は確定したようなものだが、問題は「いつ2期が来るのか」です。春はないだろう。夏も怪しい。となると秋ぐらいか……? できれば夏に間に合わせてほしいものですけれど。

『うたわれるもの ロストフラグ』、メインストーリー3章前半を解放

 待ちくたびれたぜ、と思わず溜息を漏らしたくなる。前回のシナリオ更新が1月だったことを考えると概ね隔月ペースでの更新になるか? 相変わらず既存のうたわれキャラが全然出てこなくて本編とそれ以外のストーリーが繋がらないままだが、新キャラ投入に伴って盛り上がっています。具体的に書くとメイドロボ(ではない)のナトリイトリが可愛い。咄嗟に「どうやったら個別ルート行けるの?」って訊きたくなりますね。

 

 

 ジト目好きにはたまらない。「人形」であることを示すためか耳カバーを付けているが、そういえば……公式サイトのキャラ紹介に載っているくせしてまったく出番がなく話題に上らない「スズリ」、彼女も耳カバーを付けているな。「ナトリイトリ」というネーミングの由来がNa(ナトリウム)らしいことから察するに、スズリはSn(錫)から来ているのかしら。元素シリーズの代理人形(プロクシード)、数が数だけに大半は設定だけで実際には出てこないだろうが、オルフェンズのガンダム・フレーム同様「設定上はたくさんある」から妄想が膨らんでワクワクするな。Hg(水銀)のメルクリルクちゃんとか。

 

 

 旧文明の遺産ながら人に近い見た目のせいか却って忌むべきものと見做されており、普段はこうして顔を隠しています。しかし突然ドイツ語を喋り出すものだからザインフラウ感が半端なかった。クゥランの例からすると、このナトリイトリもストーリー加入キャラとしていずれ仲間になるのだろうか。早ければ次回更新の3章後半かもしれない。楽しみ。

 現在は紅白奉納試合というストーリーなしのイベントを開催中。イベントポイントを集めるとクオン[術師見習い]確定ガチャが引けます。クオン持ってないから助かった。ピックアップはアルルゥ(withムックル)、恒常だけど好きなキャラゆえ節制を忘れて回したくなる。シナリオ付きのイベントで登場していたらきっと我慢できなかったであろう。今後は偶数月にシナリオ付きイベントを開催し、奇数月にシナリオなしイベントを開催しつつ本編シナリオ更新――というスケジュールで行くっぽい。つまり3章後半は5月配信で、7月に4章前半、9月に4章後半、11月に5章前半を配信して今年は終了か。先はまだまだ長いな……というか本編が終わるまでサービス継続できるのかこのアプリ。

・拍手レス。

 ロスフラは「最初からそれくらいやっておけよ」と思わないでもない案件も正直多いですけど、まぁ改善しようという意識は見えるのでマシですかね
 積極的に他人へ薦めようという気になるほどではないけど少しずつ環境は良くなってきている、かな……とりあえず☆2クオンをイベント報酬として実装したことは評価したいです。この調子ならいずれ☆2エルルゥも、と期待できる。


>>back