2015年11月〜12月


2015-12-27.

・チェックが遅れたせいで『Dies irae 〜Interview with Kaziklu Bey〜』(BGM注意)の発売予定日にさっき気づいたばかりの焼津です、こんぱんは。

 発売は2016年3月25日。『少女たちは荒野を目指す』と同じ日ですね。どっちか(あるいは両方)延期するかもしれませんが。メーカー希望小売価格は4500円(税抜)。ミドルプライスよりは安いがロープライスよりは高いという微妙なお値段。実際、lightだとこういう価格帯のソフトはあんまりないんじゃないかしら? 『潮風の消える海に』とかさかこことかは3000円(税抜)で、今だと低価格に特化した姉妹ブランド「Campus.」の方へ属する感じだし。強いて書けば『天使のこばこ』(lightデビュー作『White Angel』のファンディスク)が4800円(税抜)で近いかな。他社のソフトだと『鬼哭街』(音声注意)がだいたい同価格ですね。ちなみに『鬼哭街』のオリジナル版(2002年発売、18禁でボイスなし)は正田崇が初めてやったエロゲーだそうですが、それと前後して『君が望む永遠』もプレーしていたらしい。ご存知の方も多いでしょうが、君望のアニメ版で主人公・鳴海孝之の声を担当したのは谷山紀章――イカベイこと『Interview with Kaziklu Bey』で主役を務めるヴィルヘルム・エーレンブルグの声優と同一人物です。不思議な縁もあるものだ。イカベイ主題歌も谷山紀章自身に歌ってもらう方向で交渉を進めているみたいだが、実現するかどうかは未確定。

「クオリディア・コード」のアニメ化が決定! 制作会社は『A-1Pictures』 PVからオーラを感じるな(まとレーベル@ラノベ新刊情報サイト)

 アニメ化含みの企画だろうと予想していたけど、まさかこんなに早く発表が来るとは。「クオリディア・コード」はレーベルの垣根を越えて展開する、一種のシェアワールド企画“プロジェクト・クオリディア”によって編まれているストーリーだが、まだ全容が判明しておらず解説しにくい。ざっくり説明すると、人類が謎の敵「アンノウン」(そのまんまや……)に襲撃されて、特殊な力を持った少年少女が国を護るために立ち上がる――ってな具合。ぶっちゃけもう聞き飽きた感のある背景設定である。現時点で参加している作家はさがら総、渡航、橘公司の3人だが、今後増えるかもしれない。『クズと金貨のクオリディア』はアンノウンが襲ってくる前の時期を描く第0章というか前日譚(プリクエル)で、それ以外はアンノウンとの戦いがメインとなる、はず。企画の趣旨としては「アンノウンに対抗するための防衛都市」、すなわち東京・神奈川・千葉の物語をそれぞれの作家が担当するといったもので、現在東京編の『いつか世界を救うために』と神奈川編の『そんな世界は壊してしまえ』が刊行されている。千葉編は渡航が書くらしいが、刊行時期未定。別口の新シリーズも開始する予定なので、忙しいんだろうな。さがら総はもともとそんなに筆が速くないし、橘公司は『デート・ア・ライブ』を抱えているし、“神曲奏界ポリフォニカ”あたりに比べると展開は遅めなんですよね。ポリフォニカは何せメンバーに榊一郎がいましたし、ほぼ毎月のように新刊が出ていた時期もあった。おかげでGA文庫は本屋から「ポリフォニカ文庫」として認識されていたそうだが……ちなみにポリフォニカのライトノベル方面における展開は2006年にスタートして、一部の未完作品を残しつつ2014年にほぼ終了。今年(2015年)は一冊も出なかった。差し当たって今後出す予定もない。ダンまちを始めとするレーベルの新しい柱が順調に育ってきていますからね、「もはやポリフォニカ文庫ではない」ってことでしょう。

 脱線した。話を戻そう。“プロジェクト・クオリディア”は先述した通り「レーベルの垣根を越えて展開する」のが特徴で、過去の例で言うと“冥王星O”みたいな感じ。こういうのは大抵鳴り物入りで始まって、思ったほど話題にならず有耶無耶のうちに展開が停滞し、しばらく時間が経ってから「そういえばアレってどうなったの? 続いてるの? 終わったの?」と訊かれてどう答えても「ふーん、あっそう」と返されてオシマイなところがあります。あれだけGAが力を入れていたポリフォニカも8年が限度だった。“プロジェクト・クオリディア”はいったいいつまで続けられるのだろうか。てか無事に新刊が出続けてちゃんと完結するのだろうか。心配である。「ラノベ版『太陽の子』」と言われずに済むことを祈ろう。

ビキニアーマーの女戦士が大手企業の集団面接にやってきた内容のエロゲwwwwwwww(ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 これでフルプライスだったら「かぐやめ、気が触れおったか」と呻いていたところですけど、さすがにロープライス(税抜2800円)だった。一発ネタを通り越して出落ちムードすら漂う。『はっちゃけあやよさん』時代へ逆行するかのようなバカバカしさに思わず和んだ。しかし、今後エロゲーは大作と低価格帯とに分かれてどんどん二極化していきそうですね。

角川文庫が小説発売中止 編集者が原稿を無断改変

 同社によると、作家の谷津矢車(やつ・やぐるま)さん(29)から「原稿の改変が行われているのではないか」との指摘を受け編集部で調査したところ、担当編集者が無断で原稿を変えていたことが判明した。あわせて、8月に刊行された同シリーズ第1作『からくり同心 景』にも、改変があったため、初版1万部を回収して絶版にするという。

 され竜を思い出した。あの編集者、まだ見つかってないのかな……この手の改竄事件で有名なのは平井和正の『狼男だよ』ですね。「編集」と「改竄」は割かし紙一重なのかもしれません。

Lump of Sugar最新作「タユタマ2」の公式サイトOPENきたああああああああ!!前作メインヒロイン『ましろ』も登場! タユタマの約50年後が舞台(ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 待ち侘びたぞましろォ! さあ新たな「きょーぞん」を巡る神話の始まりだ。というわけで実に7年ぶりとなる『タユタマ』の続編です。『タユタマ』はLump of Sugar最大のヒット作でありアニメ化も果たしているのだが、『タユタマ』の解説へ入る前にLump of Sugarそのものについて触れておこう。「そもそもなんて読むの?」という方のために一応書いておきますと、読みは「ランプ・オブ・シュガー」です。Lumpは「塊」を意味する単語なので直訳すれば「砂糖の塊」、要するに角砂糖のことですね。「ランプ・オブ・シュガー」だと少し長いので「角砂糖」の方で呼ぶファンもいるとか。私は勝手に「プガー」と略している。同人方面で人気の高い原画家「萌木原ふみたけ」を中心にして立ち上がったブランドで、2005年の『Nursery Rhyme -ナーサリィ☆ライム-』がデビュー作。タイトルに見覚えがなくても「きしめん」でピンと来る方もおられるのでは? そう、ニコニコ動画の黎明期に「レッツゴー!陰陽師」と並んで一世を風靡した空耳誘発OPムービー主題歌「true my heart」、通称「きしめん」の大元に当たるゲームなんです。「タイトルはハッキリ覚えていないけど、なんか見たことある」っていう潜在的な知名度の高さではプガー中一、二を争うソフトだ。

 第2作が2007年の『いつか、届く、あの空に。』、ライターとして朱門優を迎えた伝奇ゲーです。ファンが朱門優のことを「お朱門ちゃん」と呼ぶのはこれが原因。「お兄ちゃん」と「ご主人様」の間を取って「お主人ちゃん」――珍妙すぎる二人称が多くのユーザーにインパクトを与えました。後半のシリアス展開で評価が分かれ、結果的に朱門優はこれ一作のみでプガーを去ることになるが、PS2に移植されたりなど商業的には決して失敗作ではなかった。かれこれ10年前の作品だから最近のソフトとは単純に比較できないが、『タユタマ』の次くらいには浸透したタイトルだと思う。『Nursery Rhyme』の頃は萌木原ふみたけのネームバリューで注目されていた部分が大きかったが、『いつか、届く、あの空に。』から内容面でも話題を集めるようになった記憶がある。そうした中で2008年に発売された第3作が『タユタマ -kiss on my deity-』です。先に書いておきますと、翌年2009年発売の『タユタマ -It's Happy Days-』はFD(ファンディスク)に当たるソフト。パッと見では判断し辛いけれど、「kiss on my deity」の方が本編です。アニメ版も本編がベース、というかFDはアニメの放送時期に合わせて発売されました。時期を考えると、本編発売前からアニメ企画が進行していたんだろうな。きしめんのナーサリィ、ディープなファンが付いてるいつ空、ライト層に広く人気のあるタユタマ、というのがプガーの初期3作に対する印象です。

 『タユタマ』のメインヒロイン「泉戸(みと)ましろ」はプガーキャラでもトップクラスの人気を誇っており、知名度の高さも相俟って実質的な看板娘と化している(公式マスコットキャラクターは一応ナーサリィのアズラエル)。OHPエントランスの10周年記念画像にもましろのSD絵が描かれています(もう一人はいつ空の桜守姫此芽、総合人気投票では確かましろを抑えて1位だった)。それだけに「ふたたびましろを」との要望は多く、『タユタマ2』はプガーファンにとって念願の一本だったのです。「新作2本を新品で購入して応募すると『タユタマ』のアペンドディスクをプレゼント」という微妙にハードルの高いキャンペーンにも参加しちゃうぐらい。おかげで応募ハガキ&応募封筒目当ての人が新作を中古市場に流しまくってスっゴい値崩れ引き起こしましたけどね……さておき、実は『タユタマ』にはある面でましろをも凌ぐ隠れた人気キャラが存在していました。それは……ロリましろ! 登場時点では幼女形態で物凄く可愛かったましろが、すぐ成長して少女形態となってしまう……この展開に歯噛みしたプレーヤーを一箇所に積み上げたなら富士山の高さをも凌駕するでしょう。鵺(人外ロリ)とロリましろのツーショットに惹かれて『タユタマ』を購入し、天を呪った奴もいるとかいないとか。今回『タユタマ2』のメインヒロインを務める「泉戸こはく」はましろに比べてやや幼い容姿で、規制の許すギリギリまでロリましろに寄せたデザインとなっています。ましろに成長してほしくなかった……ずっとロリのままでいてほしかった……かつて涙したロリコンどもの悲願が、ほんの欠片程度ながら願う。その事態を寿ぎたい。

・拍手レス。

 伊達将範とは、なんて懐かしい名前を聞きましたね・・・。
 名義も変えずに復活とは、もはやダディフェ再開の予兆……?(希望的観測)

 終わった・・・終わっちまいましたよ。なんか、劇場版や続編ばっちこいな終わりかたですが>ファフナー26話
 でも、これで完結でも良いような気もしますね。というか、全て解決して丸く収まるような終わり方をするとは、最初から思ってはいませんでしたけどね。
 あ〜、言いたい事は山のようにあるけど、とりあえず、劇場版や続編があるなら楽しみに待つだけの話ですけど。終わってほっとしたような、終わらなくてほっとしたような、何ともいえない気分です。

 ちょっと盛り込み過ぎた感じがしないでもない。「劇場版どころか普通に3期も来るでしょコレ」って終わり方だった。ファフナーはエンドレスストーリーであってほしい、という願いがあるので「完」な結末じゃなかったことは喜びたいが……もし続編やるとしたら2020年に劇場版第2弾、2025年にTVシリーズ第3期って具合でしょうかね。


2015-12-18.

・レンタル屋で見かけてなにげなく借りた『パージ』『パージ:アナーキー』が面白くて快哉を叫んだ焼津です、こんばんは。

 毎年3月21日の午後7時から翌22日の午前7時まで――12時間だけ殺人を始めとしたありとあらゆる犯罪が合法化される。このパージ(浄化/粛清/追放/切り離し)法の制定によって平常時の犯罪率が著しく低下したアメリカ、というメチャクチャな設定を背景に「一夜の狂気」が描かれるサスペンス映画です。「フライングや時間オーバーをいったい誰が裁定するのか?」などツッコミどころは山ほどあるし、細かいことを気にしていたら観るのも難しいが、現実のアメリカが割とイカれている(子供用ライフルなんか売ってる国だもんな……)ので「パージ法によって銃火器の売上が飛躍的に伸びました」みたいな作中のニュースを眺めて「うーん、ありそう」という感覚を抱いたり。

 設定的には『バトル・ロワイアル』『ハンガー・ゲーム』を連想させますが、あれらに比べればゲーム要素は薄め。「自分の身も守ることができない貧困層や、病気等で身動きの出来ない弱者を切り捨てることで経済再生を果たす」っていう「福祉」の概念に中指をおっ立てるような狙いもあり、弱肉強食視点で臨めば理不尽感は少ない。この映画は「高みの見物を決め込んでいた連中が些細なことで地獄に叩き込まれる」あたりに見所が宿っている。一作目『パージ』の主人公一家は裕福な暮らしを送っていて、いつも通りなら警備システムに守られて安全に夜を過ごすことができるはずだったのに、見ず知らずのホームレスを息子が家に匿ってしまったことから歯車が狂い出す。匿うことで主人公の死亡フラグが一個消えるシナリオ構造がうまい。「匿わなきゃよかったのに……」と思う人に対し「でも匿わなきゃその時点で詰みだったで?」と言い返せる。ちょっと踏み込んでネタバレ気味に書きますと、一作目の『パージ』は舞台をほぼ主人公宅に限定してストーリー展開するので、「ちょっとダークな『ホーム・アローン』」といった趣がある。「限定されたエリア内での攻防」が好きな人には是非オススメしたい。

 二作目の『パージ:アナーキー』は舞台となるエリアが「家」から「街」に広がる。逃げ遅れたカップル、自宅を襲撃された母娘、復讐のために車を走らせていた男、パージが始まる前は他人同士だった5人が即席のパーティを組んで夜を凌ごうと足掻く。規模が大きくなったことも相俟って、ストーリーは若干散漫になった印象もある。移動するたびに何かしらトラブルが発生する、という展開も単調と言えば単調だ。「MMOをプレーしているような気分」で鑑賞できる人じゃないと退屈するかも。パージに絡んで陰謀劇が進行したり、パージ反対派が活動したりなどといった部分もあるけど、シリーズを続けるためなのか特にこれといった決着が付くこともなく終わってしまう。ガツンと来るようなサプライズ要素を期待する人にとっては物足りないでしょう。「パージが始まった途端、街全域がヒャッハーな無法地帯と化す」世界観にワクワクしてしまう人間じゃないとしんどいかもしれない。私にとってはドンピシャの大当たりでしたね。このまま三作目、四作目と延々作り続けてほしい。そして『パージ:ロシア』とか『パージ:チャイナ』とか世界レベルにまで広がってほしい。『パージ:ジャパン』はショボくなりそうだから要らない……『パージ:シリア』は今の御時世だと洒落にならないか。

TVアニメ『Dies irae(ディエス・イレ)』は2017年放送予定。原画展が2016年1月に開催(電撃オンライン)

 再来年か。そんなもんでしょうね。時期は夏(7月〜)か秋(10月〜)になるっぽい。形態はOVAじゃなくTVシリーズに落ち着いた模様。服部代表が「TVでやりたい」って言ってたし、既定路線か。声優陣はそのまま(一部名前が載ってないキャラもいるが、まだ正式な起用が決まってないだけ。現時点で変更の予定はナシ)だから特にコメントすることもないが、気になるのは「放送話数は14話以上で企画進行中」って点ですね。通常、1クールアニメは10話〜13話程度なので、「14話」というのは微妙に多い。ありそうなのはTV放送で12話か13話やって、残ったエピソードをOVA、あるいはスペシャル番組でやるってパターンだけど、正田の発言を要約すると「『以上』と言っても全14話とか15話って意味じゃない」そうでハッキリしない。「クールにとらわれずに作成することを考えている」そうで、「ひょっとしたら2クール以上になるかも」という含みも感じるが、現段階では何とも言い難い。

 またアニメ化に伴うコミカライズは港川一臣が、ノベライズは森瀬繚が担当。港川の方はよく知らない(一応仕事の依頼が来る前からDiesを知っていたぐらいに熱心なファンではあるらしい)が、森瀬はクトゥルー絡みで有名な人ですね。『うちのメイドは不定形』などに関わっている。『萌え萌えナチス読本』という本も監修しているし、ナチス面についてはたぶん問題ないはず。ただ、ノベル版は「司狼が主人公というかたちで今のところ進んでいる」「本編が始まる少し前の話になる」とかで、ナチス要素は希薄になるかも。要は『Wehrwolf』前後のエピソードか? Dies本編は2006年12月が舞台でクリスマスに決戦を迎える流れですから、その少し前となると11月頃? 確か蓮と司狼が喧嘩別れしたのは10月ぐらいでしたっけ。司狼と恵梨依の馴れ初めは詳しく書かれていない(用語集か何かで軽く触れられていた程度だった)から、そのへんが中心になるかもしれない。Diesは本編でやり尽くした印象が強く、サイドストーリーの類はあまりねじ込む余地がないけど、「司狼視点で眺めるDies」の方が新規向けには適切なのかもしれないな……うーん、正直そこまで関心が湧かないのでおざなりなコメントになってしまった。今はとにかくイカベイこと『Interview with Kaziklu Bey』が気になる。クラウディアは「能登麻美子」で、ルートヴィヒ・ヴァン・ローゼンクライツは「置鮎龍太郎」か……寺島拓篤とちょい声が似てる人だっけ。最近だとファフナーでウォルターの声やってますね。能登はいっときあらゆるアニメに出まくっていたので懐かしさを覚える人もいるのでは。声としては早見沙織に近いか。私も何度か「この声、はやみん?」→能登だった、という経験がある。

 あとDiesとは関係ないが『シルヴァリオ ヴェンデッタ -Verse of Orpheus-』(エロを抜いた非18禁版)、当初はVita専用ソフトの予定だったらしいがPC版の発売も決まったそうだ。Vita持ってない私には朗報。

・サキの『クローヴィス物語』読んだ。

 教科書で習った人もいるであろう、「短編の名手」サキの作品集です。これには収録されていないけど、日本だったら「開いた窓」が特に有名ですね。O・ヘンリーあたりと比べたら知名度は少し低いかもしれませんが、未だに根強い人気を誇っている「奇妙な味」系統の作家だ。『クローヴィス物語』は第三短編集 "The Chronicles of Clovis" の翻訳で、タイトル通りクローヴィス・サングレールという青年がメイン。皮肉屋ながら悪戯好き、自信家ながら話を混ぜっ返すのが大好きという「反抗的なようでいて甘え上手」なクローヴィスの魅力が溢れるほど詰まっているが、実を言うと収録されている28編中20編がクローヴィス物で、あとの8編(「ハーマン短気王――大涕泣の時代」「スレドニ・ヴァシュタール」「イースターエッグ」「丘の上の音楽」「モーズル・バートン村の安らぎ」「運命の猟犬」「閣僚の品格」「グロービー・リングトンの変貌」)は非クローヴィス物。この本に収録されていないクローヴィス物が10編以上あるので、残念ながら「クローヴィス・シリーズの決定版」ではありません。原書がそういう構成なんだから仕方がない。収録されているクローヴィス物を列挙しますと、

 「エズメ」(Esme)
 「月下氷人」(The Match-Maker)
 「トバモリー」(Tobermory)
 「ミセス・パクルタイドの虎」(Mrs. Packletides's Tiger)
 「バスタブル夫人の逃げ足」(The Stampeding of Lady Bastable)
 「名画の背景」(The Background)
 「不静養」(The Unrest-Cure)
 「アーリントン・ストリンガムの警句」(The Jesting of Arlington Stringham)
 「エイドリアン」(Adrian)
 「花鎖の歌」(The Chaplet)
 「求めよ、さらば」(The Quest)
 「ヴラティスラフ」(Wratislav)
 「フィルボイド・スタッジ――ネズミの助っ人」(Filboid Studge, the Story of a Mouse that Helped)
 「聖ヴェスパルース伝」(The Story of St. Vespaluus)
 「乳搾り場への道」(The Way to the Dairy)
 「和平に捧ぐ」(The Peace Offering)
 「タリントン韜晦術」(The Talking-Out of Tarrington)
 「退場讃歌」(The Recessional)
 「感傷の問題」(A Matter of Sentiment)
 「セプティマス・ブロープの秘めごと」(The Secret Sin of Septimus Brope)

 以上20編。「バスタブル夫人の逃げ足」の如くクローヴィスが咄嗟に機転を働かせるエピソードもありますが、中には「フィルボイド・スタッジ――ネズミの助っ人」の如く最後の最後に出てきてちょろっと一言コメントするだけに留まるエピソードもあり、徹底して主役を務めるわけじゃない。他人から話を聞かされるだけのエピソードもあって、「最初か最後にチラッとでもクローヴィスが出てくればシリーズ物ってことになっちゃうんだな……」と考え込まなくもない。それはそれとして猫が喋り出す「トバモリー」は面白かった。サキはネーミングセンスが抜群で、妙に印象に残る名前が多い。さておき、本書に収録されていないクローヴィス物がどれだけあるのか気になって調べてみた。漏れがあるかもしれないけど、見つかった範囲では次の12編。

 「メス・オオカミ」(The She-Wolf)
 「マレット家のウマ」(The Brogue)
 「メンドリ」(The Hen)
 「できのよい弟、悪い兄」(Cousin Teresa)
 「ネメシスの祝祭」(The Feast of Nemesis)
 「禁じられたハゲタカ」(The Forbidden Buzzards)
 「クローヴィス、親の責任を論ずる」(Clovis on Parental Responsibilities)
 「ルイズ」(Louise)
 「運命の女神」(Fate)
 「ショック戦略」(Shock Tactics)
 「オーバーサイト(未訳? 検索では発見できず、題名は「見落とし」等の意)」(The Oversight)
 「クローヴィス、実務の冒険心なるものについて語る」(Clovis on the Alleged Romance of Business)

 「メス・オオカミ」から「クローヴィス、親の責任を論ずる」までの7編は第四短編集 "Beasts and Super-Beasts" に収録されており、これは来月に『けだものと超けだもの』として翻訳される予定なので遠からずまとめて読むことができるだろう。問題は残りの5編。これらは第五短編集と第六短編集に散らばっており、今のところ翻訳の目処は立ってなさそう。サキはアンソロジーに選ばれたり、ベスト盤めいた短編集が組まれたりすることはしょっちゅうだが、原書通りにキチンと翻訳されたのは今年4月刊の『レジナルド』(第一短編集、ただし本来は第二短編集収録の「ロシアのレジナルド」も引っ張ってきているので厳密に書けば原書通りじゃない)が初めてでした。サキは1916年没なので、死後100年近くも経ってやっと原書通りの本が翻訳されるようになったんですよね……半端に有名な作家なのでどこの出版社も「今更出しても売れないかも」と二の足を踏んだのかもしれません。しかし、予想に反して『クローヴィス物語』は売れ行き好調みたいでどんどん増刷が掛かっている模様。この調子で行けば、クローヴィス物をすべて集めた愛蔵版ハードカバーが出る日も近い……? ちなみにクローヴィス・シリーズ、なんと『クローヴィスのクロニクル』なるコミカライズ本も出ています。漫画なので収録作品数は少ないが、入門書代わりに読んでみるのも一興やもしれず。

伊達将範 原作の『re:teen 繭の中でもう一度10代のキミと会う』、12月18日発売

 伊達将範……! 生きとったんかいワレェ! 『DADDYFACE』というライトノベルで有名……だった人です。最新刊から数えても既に10年が経過していますからね、古本を漁る趣味でもないと今の子は知らんでしょう。個人的に好きなのは『COOLDOWN』、学校を占拠するテロリストに高校生がダイハードっぽく立ち向かうっていう清々しいほど中二テイスト溢れる奴。何せ10年以上も新刊が出ず音信不通だったため作家業から足を洗ったものと思い込んでいましたが、そうでもなかったみたいで嬉しい。小説の新作も待ってるぞ。『DADDYFACE』再開させるなら新装版だって買ってやるぞ。

・拍手レス。

 EXODUS24話で終始無言の翔子
 (続きです)を見て、ああ松来さんはもういないんだと改めて実感してしまい、涙が止まらなかったです。こんな形で中の人と外の人がシンクロしてしまうなんて・・・

 本当は交代々々でセリフをわけっこする予定だったんでしょうね。結果的にカノンちゃんが喋り通しに……今ちょうどニコニコで1期の無料配信やってて久々に翔子の声を聴き、胸が詰まりました。


2015-12-06.

『シー・マスト・ダイ』の石川あまねが筆名を変えて再デビューしていた、という事実を今更ながら知った焼津です、こんばんは。

 「教室にいきなりテロリスト(みたいなもの)が突入してくる」 そんな中学生の妄想丸出しなストーリーを、「襲われた生徒たちは超能力者だった!」というツイスト利かせてうまくまとめた『シー・マスト・ダイ』。新作を密かに待ち望んでいたものの音沙汰がなく、てっきり作家業から足を洗ったものと思っていましたが、知らないうちに再起していたとは。新しい筆名は「松屋大好」、「三鷹駅前の松屋が大好き」だから。石川あまね時代にも同じこと書いてるな。再デビュー作は『宇宙人の村へようこそ』――正直「え? 電撃文庫からこんな本出てたっけ?」という感じでまったく記憶に残っていませんでした。検索してみると、第21回電撃小説大賞の3次選考通過作品に『活性化してます!中山間探偵部』ってのがありますね。作者本人のツイッターを読むと、『シー・マスト・ダイ』は「まあまあ評判もよくて、続編の話ももらった」そうだが、「当時は書きたい話がいっぱいあったので断ってしまった」。そして新しい企画がなかなか通らず、また投稿生活からやり直すことに……と。『宇宙人の村へようこそ』は連作形式の短編集(読んだ人の感想によると「岸辺露伴はうごかないみたいな雰囲気感じる」)らしいが、作者曰く「二巻を出せるほどには売れなかった模様」。存在を知った頃には打ち切りが確定していたという悲しみ。

hibiki worksシリーズ最新作 「PURELY×CATION」 公式サイトOPENきたあああああああああ!! 注目の原画担当は『ななろば華』氏!(ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 CGをチラ見した瞬間に「あ、これチ○コに来るわ」と確信。早くも購入が決まりました。エロゲーを選ぶ上で股間のセンサーは超大事です。原画の「ななろば華」は近頃のLump of Sugarでよく見かける人ですね。同人歴は割と長いけど、商業で活動するようになったのはここ2、3年? あまり肉感的な絵柄ではなく、これまでの×CATIONシリーズに比べるとやや細めの印象が勝つ。強いて言えば『PRETTY×CATION』の「おりょう」に近いか。

 ×CATIONシリーズというのは2011年の『LOVELY×CATION』から始まる恋愛エロゲーの作品群であり、『PURELY×CATION』(ピュアリィケーション)は通算5本目。『LOVELY×CATION』(ラブリケ)と『LOVELY×CATION2』(ラブリケ2)では「唯々月たすく」が、3作目の『PRETTY×CATION』(プリティケ)では「おりょう」が、4本目の『PRETTY×CATION2』(プリティケ2)では「浅海朝美」が原画を担当した。×CATIONシリーズの特徴は二つ、一つは各ヒロインがプレーヤーの名前を呼んでくれる「ラブリーコール」システムです。仕組みは単純、「ありそうな名前」を逐一収録しているので、プレーヤーはそこから当てはまる名前を選ぶだけ。前作プリティケ2にはこんなにたくさんの名前が登録されていました(しかも追加要望のあった名前までパッチとして配布している)。この「名前を呼んでくれるシステム」自体は別に珍しいものではなく、たとえば『喪失郷』のお名前呼びシステムなどが過去に存在していたわけだが、なにぶん手間が掛かるせいかときメモのEVS(音声合成システム)あたりを除けばどれも散発的な取り組みに留まっていた。作を重ねて「名前呼び」に執念燃やしているシリーズは、エロゲーだと今のところ×CATIONだけです。

 第二の特徴、×CATIONシリーズには一貫して「ストーリーと呼べるもの」がほとんどありません。主人公はヒロインたちと出会って徐々に親しくなっていき、やがて彼氏彼女の関係になってラブラブエッチを繰り広げる……イベント消化を通じて「恋心を育む」ことに特化したゲームであり、ひたすら「状況」が羅列されるだけで物語性は皆無に等しい。『ときめきメモリアル』にハッキリとしたストーリーが存在しないのと一緒で、起伏に富んだ展開を求める人には厳しいかもしれません。パラメータ管理などもあってオールドゲーマーには懐かしく感じられるでしょうが、最近のユーザーは鬱陶しがるかも。物語性を放棄し、「カノジョと淫らで甘々な性活を謳歌したい」という欲求へ応えることに徹したイチャイチャパラダイスな恋愛シミュレーションゲーム。それが×CATIONシリーズなのです。波風立たぬ平板さこそが最大の魅力。

 何せストーリーがないのだから、便宜上のエンディングは存在していても本質的なエンディングは存在しない。×CATIONシリーズはアフターサービスにも力を入れている企画で、どのソフトも発売から一年間は毎月「Append Life」という追加パッチが配布されます。7月とか8月には水着イベントのアペンドを、12月にはクリスマスイベント、2月にはバレンタイン……といった調子。これらのアペンドを最初から適用させたバージョン(「ずっと初恋の日々エディション」などと称されている)も発売されていますので、パッチ当てるのが面倒な人はそっちを買いましょう。

 ラブリケとラブリケ2では「insider」というライター(ごく一部において『悪の教科書』で有名な人)がシナリオを手掛けていましたが、何らの事情で彼が続投できなくなり、ラブリケ3は制作されなかった。ライターと原画を刷新し、仕切り直す形で開発された後継ソフトがプリティケこと『PRETTY×CATION』です。ラブリケのイメージが強かったためか、既存のファンにとっては違和感たっぷりだったみたいで「コレジャナイ」と低評価を受けることになってしまった。個人的には×CATIONシリーズで一番好きな作品なんですけどね……×CATIONシリーズは「究極のキャラゲー」って呼ばれているくらいなので、ぶっちゃけキャラを気に入るかどうかに依存するところが大きい。私も出来がどうこうってより、薬王寺小町に搾り取られまくったからプリティケが大好きって感じですし。他の子も可愛いけど、小町先生は別格だな。たぶん3年経ってもまだ抜いてるレベル。

 しかし、今回は公式サイトを眺めてしみじみとしちゃったなぁ。理由の一つは、製品概要に「イベントCG枚数」や「Hシーン数」の記載があること。未だにあかべぇ系列は銃騎士35事件の傷が癒えないんだな、と。「『癒し』というコンセプトから始まったLOVELY×CATION2作」なんて書いてるだけに皮肉を感じてしまいました。もう一つは価格。税別で9,800円、税込だと1万円を超える高額ソフトです。実際は値引き販売するところが多いし、購入特典をオークション等で捌けば結果的に安上がりらしい(私は面倒なのでそこまでしていない)が、フルプライスを飛び越すオーバープライスがもう普通になってきていますね。今月でも『見上げてごらん、夜空の星を』や『IZUMO4』、先月だと『サクラノ詩』や『恋×シンアイ彼女』がオーバープライスでした。×CATIONシリーズ初のオーバープライスとなるピュアリケ。どうか売れて、6作目にも繋げてほしいものです。

MF文庫J、2016年1月刊の刊行予定にあごバリア「ラノベの杜」より)

 あごバリア! 目にして思わず「懐かしい」と呟いてしまったが、検索してみると普通に現役だったんですね。解説しておきますと、「あごバリア」はキャリア十数年を誇るベテランのエロゲーシナリオライターです。珍妙なPNの由来は某STGに登場するボスキャラ、顎の下にあるバリア発生装置を破壊しないと弾が当たらないことから「あごバリア」と呼ばれていたそうな。デビュー作が2000年の『Bless 〜close your eyes, open your mind.〜』なので、もう15年以上か。「BasiL」はNavelの前身に当たるブランドですが、keyにとってのTactics、みなとそふとにとってのCandySoftのようなものなんで、いろいろとお察しいただきたい。『Bless』、欲しかったけど懐が寂しかったせいで結局買わず終いだったな……ストーリーの発端が出会い系チャットサイトというところに時代を感じる。

 王雀孫の先輩であり、BasiL最大のヒット作『それは舞い散る桜のように』でもサブシナリオを担当しているが、並べて語られることは今やほとんどないですね。とにかくテキストに凝るせいで作業が捗らず遅筆家として有名になってしまった王と違い、あごバリアは勢いとノリ重視の速筆家。「牛丼みたいなシナリオ」と喩えられたこともあるくらいで、際立った特徴はありませんが安定感にかけては随一です。あごバリアがバリバリ仕事してくれたおかげでNavelは俺翼(開発期間は6年にも及ぶ)を出すことができた、という見方もある。代表作はNavel時代に手掛けた『SHUFFLE!』、「空鍋」が話題になりましたけど原作にああいう描写はない。『Gift』の糸電話や『ましろ色シンフォニー』の滑り台同様、あくまでアニメオリジナル。『SHUFFLE!』には外伝的な派生タイトルとして『Tick!Tack!』や『Really?Really!』があり、まだまだ続ける予定も立っていたらしいが、途中であごバリアがNavelを抜けた影響もあってかだんだん下火になり、現在ほぼ展開が終了した状態になっています。今はRosebleu(ロゼブル)というブランドに落ち着いてあれこれ書いている模様。連作形式の『Tiny Dungeon』が「分割商法ではないか」と批判されたりもしたが、途切れずに仕事を続けていた点は素直に「すごいな」と感心する。そんな彼のライトノベルデビュー作は、『勇者と魔王が電撃同盟! キッカケは、お互いの恋を応援するため!?』……タイトルがあらすじになっているパターンだ。ファンタジー版『とらドラ!』って感じになるのかな?

 しかしMF文庫Jの1月ラインナップ、あごバリアに衣笠彰梧に柊★たくみと、エロゲーライターだらけじゃないか。今後もどんどん流入してきそうな気配ですね。

・拍手レス。

 来年の一月二日にNHKEテレでラブライブ一期が放送されるとのことですから、おそらくはその宣伝も兼ねて紅白出場となったのでしょうね。それにしても、前に日常のアニメを放送したことといい、今回のラブライブといい、「お前、公共の放送局だよな?」と、いろんな意味でツッコミたくなりますね。
 ○年後、そこにはAT-Xと混同されるくらいワンランク上のアニメ専門チャンネルと化したNHKの姿が! CCさくらをやっていた頃に比べれば「まだやれる、お前はまだやれるぞ、NHK」と囁きたくなる気持ちがないでもない。


2015-11-30.

ラブライブ!:「μ 's」が紅白初出場へ 「緊張でガクブル」(まんたんウェブ)

 目が点になった。私はあんまり紅白を観ない方なので衝撃はそこまで大きくなかったけど、「まさかμ 'sが大晦日の国民的番組まで駆け上がるとは」と驚きの念を禁じ得ず。解説するまでもないが、μ 's(ミューズ)は『ラブライブ!』作中に登場するスクールアイドルユニットに因んだ声優ユニットで、ラブライブはアニメが有名だけど出発点は雑誌の読者参加企画だから、μ 'sというユニット名も公募&読者投票で決まったという経緯がある。当時から追いかけているファンにとっては感無量だろう。私はアニメ1期から入ったクチなので古参でも新参でもない中途半端なポジションだが、何にしてもアニメ放送を観ている頃は紅白出場なんて想像だにしなかったな。出自が出自だけに「まーた毒にも薬にもならないメディアミックス作品か」と放送前は軽く見られている雰囲気がありましたし。いざ放送が始まっても、初期は真姫ちゃんの演技がちょっと……で半ばネタアニメ扱いでした。同じく初期の演技が「う〜ん」だったファフナーの遠見真矢とかけて「遠見真姫」とか「西木野真矢」とか言いたくなるくらい。でも真矢同様、回を重ねるごとに上達して馴染んでいき、1期が終わる頃にはほとんど気にならなくなっていた。

 話の眼目に当たるスクールアイドル大会「ラブライブ」(つまりインハイのようなもの)への出場が1期目では叶わなかったため、自然な流れで2期目が決まったのですが、人気が爆発したのはむしろこの2期目からでしたね。1期目の時点だとファン層はほとんど男性だったのに、2期前後から女性ファンも目立つようになった。スマホゲーの『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、通称「スクフェス」が1期目の終了後に配信され、暇潰し目的にやり始めた層を新規ファンとして取り込めたことが大きいと言われています。実際、劇場版を初日に観に行ったら女子高生や女子中学生の集団がいっぱいいてビックリしましたよ。「いかにも深夜アニメ」って感じの濃厚なお色気サービスシーンがほとんどなくて、どちらかと言えばキッズアニメに近いテイストだから普段アニメを観ない人にとっても抵抗が少なかったのかもしれない。しかし、紅白では何を歌うんでしょうかね……季節的に「Snow halation」あたりか?

Navel新作「乙女理論とその後の周辺 -Belle Epoque-」が発売延期!12月18日から2016年2月26日発売予定へ(つでぱふ!)

 仕方ないじゃない、Navelだもの……と言いつつ、調べてみると実は俺翼以降あんまり発売延期してなかったみたいですね。前作『月に寄りそう乙女の作法2』が延期していたから相変わらずの延期体質なんだな、と思っていました。『乙女理論とその後の周辺』は“月に寄りそう乙女の作法”シリーズ、略してつり乙シリーズの最新作で、通算4本目に当たる(アペンドディスクは考慮しない)。ただ、つり乙シリーズはすべてのエピソードが一直線に並んでいるわけではなく、ifやパラレルの要素も孕んでいるのでより正確に書けば「シリーズ第2弾『乙女理論とその周辺』の続編」ということになる。タイミング的に去年発売された『月に寄りそう乙女の作法2』のFDだと錯覚しそうになるが、つり乙2の後日譚は後日譚で別個に制作しているらしい。かつては『SHUFFLE!』と俺翼に頼ってばかりというイメージが強かったNavelだけど、今や名実ともにつり乙シリーズが看板作品となっているんだな……冗談抜きで来年あたりにはアニメ化しているかもしれない。

『ゼロの使い魔 (21) 六千年の真実』、amazonで予約開始。2016年2月25日発売予定。

 いよいよ出るのか……20巻が2011年2月刊行だから、ちょうど5年ぶり。下巻が出るまで丸6年掛かった『刃を砕く復讐者』よりは早かったか。作者急逝によって中断してしまった『ゼロの使い魔』、完結までもう少しだっただけに「誰か書き継いでくれないだろうか」と望んだファンは多かった。「あくまでノボルの書いた分しか認めない、もうゼロ魔は永遠に未完なんだよ」って人も少なくないが。執筆者に関しては非公開の方針みたいですね。

・拍手レス。

 危惧してたフラグもどうやらへし折れたみたいで、ひとまず安心・・・ま、成立するとも思ってませんでしたけど。とはいえ、どんどんヤヴァい方向に話が収束してますけどね>ファフナー22話
 新しいザルヴァートルモデルの名はマーク・レゾン(理由)だそうで・・・もう一機あるとすれば、マーク・リザルト(結果)ですかね。自分はレーベン(生命)とトート(死)を予測してたのですが外れました。
 それにしても、ミツヒロの正体が悲惨過ぎますね・・・世界樹関連の予測はある程度的中してましたが、もう一つ二つありそうな予感がしますね・・・楽しみですが、年末進行があるので正直しんどいです。

 22話「憎しみの記憶」は情報が一気にドッと押し寄せてきて、初見時は処理が追いつかなかった。1時間スペシャル番組を見せられたような気分。新ザルヴァートル、私はマークツァイト(時間、時代)かな、と予測してましたが大外れ。ファフナーは密度が下がらないどころかグングン上がっていくので追いかける視聴者の負担も大変ですね。1期から観返したい気持ちはどんどん大きくなるけど余裕がない……。


2015-11-23.

・「夏庵、随分と絵柄が変わったな」と思いながらポチった『彼女は恥ずかしいの虜』、某所で「初単行本」と書かれていたので慌てて確認したら作者名「夏桜」じゃん! 素で取り違えていた焼津です、こんばんは。

 (表紙をじっと眺め)まぁ、これはこれで。結局キャンセルせず、そのまま購入することにしました。6月に『処女ネトリア』が出たばかりだし「やけに刊行ペースが速いな」と訝ったんですけど、熟考するには至らなかったです。エロ漫画は絵柄で記憶している部分が大きく、作者名に関しては割とうろ覚えなんですよね。チェック力をもっと強化せねば。

我が初恋(はじまり)よ 枯れ落ちろ――『Dies irae 〜Interview with Kaziklu Bey〜』、2016年春発売予定(※リンク先BGMあり、注意)

 そろそろDies外伝の情報が来る頃合だな、いったいどんな内容になるんだろう……と待ち構えていたら、ええええっ、ベイ!? まさかのベイ前日譚(プリクエル)!? 需要を鑑みて黒円卓絡みだろうとなんとなく予想していたが、まさかヴィルヘルムメインとは。しかも初恋だと? 「やーい恋愛童貞!」とベアトリスがブーメランな野次を飛ばす様子が目に浮かぶ。

 ここで「Dies irae? ああ、あのアニメ化する奴?」くらいの認識な人向けに解説しておこう。外伝ストーリー『Interview with Kaziklu Bey』の主人公を務める(たぶん)ヴィルヘルム・エーレンブルグは「カズィクル・ベイ」という魔名(二つ名のようなもの)を持っており、階級が中尉なので仲間内からは「ベイ」や「ベイ中尉」と呼ばれています。ファンもだいたいベイ呼びだが、シナリオライターの正田崇自身は「ヴィルヘルム」と本名で呼ぶ主義を通している。カズィクル・ベイは「串刺し公」を意味するトルコ語で、ルーマニア語だとツェペシュ。ドラキュラのモデルとして有名なヴラド3世の異名。初期のHPには「白面外道。ブラッドサッカー」と書かれています。ブラッドサッカーは「吸血鬼」を意味する英語、独語だと「ブルートザオガー」ですね(シャナ知識)。「黒円卓第四位」という紹介のせいで「へえ、こいつの序列は上から四番目か」と勘違いしそうになりますが、「黒円卓における順位はルーン、アルカナ、星座の配置関係を表すものにすぎないので、力による序列ではない」。単純な強さで言うと上から数えて八番目くらいですね……幹部クラスの実力が桁違いなのでどうしても順位は低くなってしまうが、序盤では「どう足掻いても勝てそうにない相手」として良い具合に絶望感を与えてくれます。

 PVによると1917年頃の生まれ、戸籍があるかどうかも怪しいので詳細は不明。アルビノのため生まれつき肌と髪が白く、瞳も赤い。人間時代は直射日光に弱かったせいで夜間以外はほとんど外出しなかったという。この体質ゆえに「自分は吸血鬼である」という妄執じみた願望を抱いている。貧民街の生まれで、劣悪な家庭環境だったこともあり、非行に走って両親を殺害。凶悪な犯罪者として街をうろついていた際、後にボスとして仰ぐことになるラインハルトからスカウト(物理)されてしまう。黒円卓(Dies本編では悪の秘密結社めいた敵組織なのだが、ファン人気は高くガンダムにおけるジオン軍みたいなポジション)のメンバーとなった後は悪名高き第36SS所属武装擲弾兵師団(オスカー・ディルレワンガー隊)へ配属されるが、最終的には敵味方の区別なく殺しまくり、串刺した大量の死体を野晒しにして逃亡。以降はベトナム戦争などいくつかの戦地で目撃されている。

 幼少期についてはゲーム本編で語られており、スカウト(物理)の件もドラマCD『Die Morgendammerung』で触れられている(当時の姿)。モルゲンが1939年だから、22歳くらいか。入団後の様子もあちこちで確認できるが、もともとヒャッハー気質だったせいもあって人間をやめてしまったことに対する苦悩はなく、「黒円卓エンジョイ勢」として軽めに処理されてきた節がある。ビフォーストーリーでは物事をあまり深く考えない性格をシュピーネに軽蔑され、「この男は駄目だ――」と見限られています。蓋を開けてみるとシュピーネの方がもっと駄目だったんですが……さておき、『Interview with Kaziklu Bey』はベイが日本の諏訪原市にやってくる直前、つまり先述したビフォーストーリーの後で何者かによるインタビューを受ける、という体裁で彼の血と争乱に満ちた過去を辿っていく。ちなみにDies本編は2006年の末って設定なので、ベイの実年齢は既に90近くとなっています。語られるのは1944年のワルシャワ、そこでヴィルヘルムはアルビノの少女「クラウディア・イェルザレム」と出会うのだが……と、新キャラを交えての完全新規ストーリーである。ヘルガさんも名前載ってたし、有栖川……じゃない、高田初美にも仕事回ってくるでしょう。タイトルからアン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』(“ヴァンパイア・クロニクルズ”第1弾で原題が "Interview With the Vampire" 、もちろん『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の原作)を意識したものと察せられるが、別にこれは唐突なパロディではない。ベイの聖遺物である「闇の賜物」自体がアン・ライスの小説から来ているネーミングであり、ネタの取り扱い方としては一貫しています。ボリュームはそんなに大したものではないそうだし、本編やったファンからするとオチ見え見えなのですが、与猶サウンドやGユウスケのCGが放つ効果も相俟って期待がMAXまで駆け上る。「オチ見え見え」なのはファンだけですし、「Diesって設定がゴチャゴチャしていて面倒臭そうなんだよなー」という方もいっそここから入ってみてはどうだろう。よくわかんない箇所もあるでしょうが大丈夫、熱狂的なファンのみなさんも最初は「こいつら言ってることがよくわかんねぇな」と思いながらプレーしていたクチです。ホント、Diesは再プレーするたびに「あ、ここってそういう意図だったのか!」と気づく発見まみれのソフトなんですよ。

 ベイはあの「怒りの日」を巻き起こした2007年版においてユーザー人気トップ(男性部門)だったキャラであり、且つまだ開発中だった時期に没CGとして一番最初に公開されたキャラでもあるので、旧来のファンとしてはいろいろと因縁を感じてしまうな。今回は18禁じゃなくはじめから全年齢向けとして発売されるようだが、ベイのエロシーンはそんなに見たいわけじゃなし、別にいいかな……バイオレンス描写があまりヌルくならないのであれば。やっぱアニメ化に向けての展開である以上、18禁だと足枷が多くて難しいんでしょうね。しかし、最後に表記された一覧。「Dinah Malloy(ダイナ・マロイ?)」は恐らくインタビュアーでしょう(元ネタの『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』では「ダニエル・マロイ」という青年がインタビュアーを務める)が、もう一人の「Ludwig van Rosenkranz(ルートヴィヒ・ファン・ローゼンクランツ?)」はいったい何者なんでしょう。ローゼンクランツは直訳すると「薔薇の冠」で、つまりロザリオ(これも直訳すると「薔薇の冠」)のこと。いかにもベイ=Rosenkavalier(Diesはいくつかのオペラがモチーフになっており、ベイの担当曲は「ばらの騎士」)の敵対者って感じの名前だ……てか『ロザリオとバンパイア』

切る 切る 切る 切る 切る 切る 。人体 を 切断 する 上級者 向け の エロゲ 「蜥蜴の尻尾切り」 (体験版)(ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 CYC系列という時点でアブノーマル路線だというのは察していたが、四肢切断系か……「達磨」(四肢を完全に切り落とす)とか「人犬」(半肢くらい残して四つん這いにさせる、元ネタは『バイオレンスジャック』)とか、そういう嗜好自体は昔から存在しますけど、「尻尾が再生しない蜥蜴がいる」「なら、再生できる人間もいるのでは……」という「いや、そのりくつはおかしい」な発想が基となっているのはさすがCYCと言うべきか。むげにんの不死力解明編や『富江』をちょっと思い出した。異能バトル物だと再生系のキャラは別に珍しくないけど、ああいうのを見るたび「頭部切断したら首と胴体、どっちが再生するんだろう?」って気になりますね。富江みたいに切断した箇所すべてが再生するプラナリアタイプは、収拾がつかなくなるからかホラーや雑魚敵以外だとあまり見かけないんですが。

 ブランドの「CYCLET」は見ての通りCYC系列であり、低価格路線として2012年に設立。作品はどれも小粒なものばかりだが、過激さをウリにしておりリョナ方面から一定の評価を得ています。去年発売された『駄作』が話題を呼んでおり、現時点での代表作と言えるかもしれない。ブサイクことBLACK CYCがほとんど休止状態に陥ってしまった(完全に休止したわけではなく、来年に5年ぶりの新作が出るという話も)今、サイク魂を受け継ぐブランドとしてひっそり注目されている。

『双星の陰陽師』、TVアニメ化決定

 お、私が密かに愛好している漫画だ。作者は『貧乏神が!』の助野嘉昭。ギャグ要素も若干ありますが前作に比べればシリアス度は高め、主人公の置かれた状況も結構ヘビーであり、敵の手でボコボコにされるシーンも出てくる。基本としてはよくあるボーイ・ミーツ・ガールな超常バトル伝奇アクション。「双星」はあくまで比喩的な表現であって、「二つの惑星がどうのこうの」というSFチックな内容じゃありません。

 「双星の陰陽師」とはすなわち、全てのケガレを打ち祓う最強の陰陽師――「神子」を産み出す役割を負った夫婦に与えられる称号。ろくに面識もなかった主人公とヒロインは「双星」の役目を果たせ――つまり「さっさと子作りに励め」と周囲から急かされるのですが、最初は険悪な雰囲気、でもだんだん打ち解けてきて……っていうラブコメめいた要素もほんのり混じっています。最近は他の女の子と仲良くすると嫉妬するような素振りを見せるので、大変美味しい。登場時点では中学生だった主人公たちが現在は高校生になっていることもあり、このまま進めば本当に夫婦生活編および出産育児編に入る可能性とてなきにしもあらず。主人公が突然成長し始めるので「ひょっとしてこのまま打ち切りENDになるのでは」とヒヤヒヤした時期もあったが、無事続くみたいでホッとした。アニメは1クールだったらたぶん中学生編だけで終了でしょうね。2クール以上あれば高校生編に入れるかも。原作の高校生編があまり進んでないから、そうなるとオリジナル展開も増えてくるだろうけど。

 ヒロインの紅緒ちゃんが可愛いというか愛想はないんだけど健気な頑張り屋さんで、歯を食いしばって懸命に過酷な運命へ立ち向かっていくものの、次々とヒドい目に遭って心折れそうになるから読んでいてゾクゾクする部分はあります。リョナ好きからこっそり注目されているという噂もあるほど。主人公の境遇も重いし、いろいろと傷だらけなふたりが惹かれ合っていく様子を見るのは気持ちいい。個人的には巨乳で表情豊かな繭良ちゃんも好きです。

・拍手レス。

 まさかファフナー見てて、本当の意味で「呼んでますよ、アザゼルさん(やっておしまいなさい的な意味で)」と言いたくなる日が来ようとは・・・
 アルゴス小隊は新国連の婆さんに「ほら、お前の大好きな交戦規定アルファだぞ!」と下克上を果たすまで生き延びてほしい。

 安心した矢先にこれだよ・・・おのれ、冲方>ファフナー20話
 いや〜、Vガンの例のシーンみたいなのやるとは思ってたんですけどね・・・まあ、メットの中に入ってないだけマシかも。
 あと、剣司の能力がどう見ても「自分の命を他人に分け与える力」なのが、もうね・・・毒と薬とか言ってたけど、ありゃどう考えたって剣司の方が毒だよな。

 「島のみんなを守護らねば」的セリフが出てきた時点でヤバいと思ったが、あんなにアッサリと……レオとの合体フラグも囁かれていますが果たして。剣司は「ボクの寿命をお食べ!」「ありがとう、アハトンマン!」という遣り取りが脳裏をよぎった。

 うわあぁぁぁぁぁやってくれたわ、もう最高!!!・・・別の意味でもやってくれましたが>ファフナー21話
 とはいえ、最低にして特大の駄作フラグも半分ですが立っちゃいましたね・・・「実はヘスターはフェストゥムだった」という。これが完全に成立しちゃうと、今から何やっても全部茶番で終わっちゃうんですよね・・・ま、冲方さんが間違うとは思いたくないですけど。彼女はあくまでも「怨讐に囚われた人間」であるからこそ意味のあるキャラなわけで・・・なんか、別の意味でも目が離せませんね。まさにリアルで「ほら、胃ずーん」な状況ですわ・・・
 ちなみに、ジョナミツが普通の人間でない伏線はBDの1話で既出ですので、気になった方は購入して視聴することをオススメですね。

 21話は絶望に絶望を上塗りしていくスタイルで30分が1時間くらいに感じられました。「ヘス婆がフェス婆だった!」というのはさすがにないと思いますけど……「フェストゥムどころか人間同士ですら分かり合えない」そして「対話と物事の理解を拒む愚かさもまた人間的である」ことの象徴みたいなキャラで、そこを外すと行美婆さんとの対比やら何やらすべてが瓦解しますし。ジョナミツが端末化している可能性は1期の頃から指摘されてましたね。オヤジがオヤジだもんな……。


2015-11-15.

『ハルウソ』がマスターアップしたのでサクッと予約を済ませた焼津です、こんばんは。

 とな恋のFDやインレの新作もマスターアップしたし、今月買うものはだいたい決まりました。「マスターアップ」という文言は使用していないけど、『シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章』も「マスターROMを工場に納品」したとのことで無事発売される見込み。また延期するかと思っていただけに意外。でも発売されてからじゃないと信じられないな、ageのソフトは……まだ前編だし、来月になってから検討します。

【悲報】「一二三書房」が発行しているラノベレーベル『桜ノ杜ぶんこ』の見直しが決定 それに伴い全ラインナップが終了へ…(まとレーベル@ラノベ新刊情報サイト)

 「桜ノ杜ぶんこ」ってゲームのノベライズとかをちょこちょこ出してたレーベルですか。『いっき』やら『スペランカー』やら、少々ラインナップが謎めいていたので見直しになってもしょうがないかな、という気はする。オリジナルで比較的長く続いていたのが『風とリュートの調べにのせて』『戦国ぼっち』。この二つ以外はさして目立つシリーズがなかった。風リューの作者(健速)は出版社を変えて再開したいようだけど、現時点で9冊も出ているシリーズとなると微妙なところでしょうね。六畳間で付き合いのあるHJあたりかな、考えられる範囲だと。編集部と何かトラブルがあったというGAはなさそう。ライトノベルのレーベルは短期間で増え過ぎた印象があるので、今後こういう突然終了みたいな事態は頻繁に発生するやもしれません。具体名は上げないけど、あそことかあそことかは既にヤバそうな空気が……。

・海空りくの『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』読んだ。

 現在アニメ放送中である「ベースとしては熱血系異能アクションなのに、『毎回ヒロインに脱ぐノルマがあるんじゃないか?』と疑われている」『落第騎士の英雄譚』の作者、海空りく(みそら・りく)が送る新作シリーズであり、最近流行りの異世界召喚ファンタジーでもある。こっちもヒロインが脱ぎます。率直に申し上げて、最初は買おうかどうか迷いました。落第騎士は面白いけど、このタイトルはなんぼなんでも購入意欲を削がれるよなぁ、と。

 ここで少し海空りくの経歴を振り返ってみよう。1987年生まれ、まだ20代の海空りくは2010年に第2回GA文庫大賞「優秀賞」受賞作『断罪のイクシード』(応募時のタイトルは『善意の魔法』)にてデビューを果たしました。私は1巻の途中までしか読んでいない(部屋のどこかに置いて、それっきり見つからなくなった)ので詳しく解説することはできませんが、落第騎士とかに比べると若干テイストが古風と申しますか、90年代頃の漫画やライトノベル、あるいは2000年代前半頃の伝奇系ビジュアルノベルみたいな雰囲気でしたね。この断イクは5巻まで出たところで完結。まだ続きが書けそうな感じではあったらしいが、打ち切りというほどでもなくそれなりにまとまっていたそうだ。2012年から新シリーズ『彼女の恋が放してくれない!』を開始するも、これは打ち切りだったみたいで翌年の3巻目で終了。そろそろ当てないと先行きが……というところで落第騎士がヒットして安定期に入ります。伝奇アクションの断イク、ラブコメのカノ恋を経てやっと「アクション&ちょっぴりラブコメ」の境地に辿り着いたみたい。2014年から『アルティメット・アンチヒーロー』というシリーズも手掛けており、超余裕は通算5つ目のシリーズに該当します。アニメ化のおかげで落第騎士ばかり注目されるが、なにげに現行シリーズを3つも抱えているわけだ、海空りく。ちなみに『アルティメット・アンチヒーロー』も最近読み始めましたが、「邪神使い」という設定のせいでどうしてもデモベが脳裏をよぎってしまう……。

 さておき、『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』。内容は……詳しく解説するまでもなく、ほぼタイトル通り。なんとなく『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』を彷彿とさせるが、ノリはだいぶ違う。結構変化球(半ば魔球)だったアッチに対し、コッチは割とオーソドックスな勇気リンリン直球勝負の内容となっています。ファンタジー版『七人の侍』というか。時代が時代なら『七人の高校生』ってタイトルになっていたでしょう。相手が兵士や騎士とはいえ、女子高生が躊躇いもなく殺人行為に手を染める(グロテスクな描写は極力控えているようだが、「甲冑ごと両断」といったふうにがっつりキルってる)あたりは好悪が分かれるかもしれませんけど、「殺したかどうかハッキリさせずにボカす」曖昧な態度よりかはイイだろうと個人的に思う。そんな感じで少々殺伐としている面もあるにせよ、概ねタイトル通りの軽い調子で気楽に楽しめます。何せ略称が「超余裕」になるくらいです、全般的に危なげない。

 7人の超人じみた高校生がひょんなことから異世界に難破しちゃいつつもあれやこれやで大活躍する、割かしベタベタなストーリーであるが、特徴は強いて言えば戦闘職が少ないことか。騎士を撃退する程度に強い政治家や忍者もいるけれど、チート級の威力を誇るのはサムライガールな一条葵くらいで、他は医者や科学者、マジシャン、商人など非戦闘職ばかり。商人が町に出て荒稼ぎして様々な物資を獲得、それを元に科学者がオーバーテクノロジーな機器を生み出す……といった具合に各々の働きがパーティ全体を活性化させるつくりになっていて、なんというか領地経営SLGをプレーしてるような楽しさがあります。召喚の際に何か特別なパワー(魔法とかスキルとか)が付与されたとかいった設定は一切なく、もともと持っていた技術と能力で事態に対処し難局へ立ち向かっていくのが痛快であり、大きな味わいになっている。「これ、ほとんど魔法じゃねぇか」って感じる部分も多々あるにせよ、1巻にしては波瀾万丈というか、いろんなイベントてんこ盛りで飽きさせない構成になっています。主人公格の存在が7人もいるのはちょっと多いかな……って思わなくもないが、みんな頼もしくて「こいつらがいれば無事最終目的まで到達できそうだ」って安心感はある。異世界召喚モノは出落ちムードが強いジャンルであり、「現実世界への帰還」あるいは「大陸全土の統一」など掲げられた最終目的を達成する目処が立たなくなって行き詰まり、有耶無耶だったり強引だったりするショボい結末を迎えることも少なくない。その点、超余裕は「最後まで行ってくれそう」という期待が持てます。重版決定のPV作るくらいですし、売上的にも余裕で生き抜いてくれそう。

 読んでいて「なんだか懐かしい感触がするな」と考え込んでしまったが、アレです。小学生の頃に読んだ宗田理の“ぼくら”シリーズ(1作目に当たる『ぼくらの七日間戦争』が有名)に通じるものがあります。有能なメンバーが協力してトラブルをぶちのめす頼もしさ&楽しさ。落第騎士とはまた違った多人数モノ特有の妙味でワクワクさせてくれる。あとがきで尊敬する存在として川上稔を引き合いに出していますが、「もし川上稔のデビューが遅れていたら『超人高校生たちは異世界の方々と全力で戦後交渉するようです!』みたいなタイトルで終わクロを出すことになっていたのかな……」って遠い目をしてしまった。ところでデビュー時のインタビューでは川上稔の他、奈須きのこや田中ロミオも好きな作家として挙げており、やはり海空りくにはエロゲーマーの血が流れている……?

・拍手レス。

 松来未佑さん、9月に誕生日迎えたばかりなんですよね。後藤邑子さんのように無事復帰してもらいたかったのですが、本当に残念です……。
 後藤さんのブログにも松来さんのことが書いてありますね。復帰して元気にまたアンナ会長等を演じる様子が聴きたかった……。

 二世作家(小説、マンガ、作曲、デザイナー等)ってどれくらいの割合でいるのかな。創作しないで関連業界に就職している人も多いだろうなあ。
 二世じゃないけど少し前にジョン・ディクスン・カーの孫の小説が邦訳されて話題になってたな。カーと言えば、『シャーロック・ホームズの功績』がドイルの息子と共著だったっけ。芸能人と違ってクリエイターのプライベートはあまり触れられないことが多いから、実態は把握し辛いですね。

 死亡フラグが山津波のように押し寄せてきますね・・・あと、甲洋帰ってきた、EDにも出た>ファフナー19話
 マジで嬉しい。蛇足だが、神式いいねぇ。
 現実世界では、松来さん死んじゃいましたね・・・とりあえず、心からご冥福を。翔子の代役は誰になるんだろう?

 帰ってくるならもうこのタイミングしかないだろ! ってぐらいバッチリ来ましたね。EDで増えていたときは思わず快哉を叫んだ。翔子はもう代役立てずにセリフなしで切り抜けるか、過去のボイスの切り貼りになるんじゃないかな……。

 甲洋復活来ましたね。カノンの孤独な戦いが報われて本当に良かったです。人間の姿も取り戻していたので、一騎たちとの再会も楽しみですね。
 流れで甲洋復活の予感をキャッチしましたけど、見た目の印象がだいぶ変わっていたせいで「甲……誰だお前」となりかけたり。


2015-11-03.

・半分ネタ枠の意識で観続けていた『スタミュ』、順調に面白く育ってきて望外の喜びを感じる焼津です、こんばんは。

 これ、キャラが男ばかりというだけで、感覚的にはギャルゲーに近いんですよね。複数同時攻略じみたノリでメンバーたちと打ち解けていく主人公が微笑ましい。突然歌い出す演出など、一部珍妙な箇所もあって笑ってしまうが、衒いのない青春モノとしても純粋に楽しみになってきている。次回(第6話)には那雪の妹(双子)が出てくるとあって弥が上にも期待が高まります。

ノベルゲームは復活できるか? 新プラットフォーム「ノベルスフィア」の挑戦

 Yahooのトップにこんな記事が出てくるとは予想できずビックリした。インタビューを受けている笠井翔は作家・笠井潔の息子ですね。1986年生まれだから、今はたぶん29歳。中学生の頃(逆算すると15年くらい前?)に『Kanon』をプレーしてノベルゲーにハマり、大学時代に同人ゲーを制作、流通から声が掛かって商業に移ったという経歴の持ち主です。正直、ライターとしてはあまり注目を浴びなかったが、こうしてインタビューを受けるくらいにはなったようだ。自社で手掛けているノベルゲーム配信プラットフォーム「ノベルスフィア」の宣伝を兼ねたようなインタビューであるが、エロゲーのスタッフはいわゆる「同人上がり」が多く、流通から大金を貸してもらって制作していること、そのため流通の言いなりになってしまい冒険のできない環境になっていること、またクオリティ維持のために手が込み過ぎて「PC用ノベルゲームはプレイするのも作るのも、ものすごく大変になった」ことを率直に打ち明けている。確かに90年代から2000年代前半に掛けてのエロゲーは「つくりがチープだなぁ」と感じるところが多く、でもそのチープさが味でもあって、他のジャンルではやれないようなことを好き勝手にやってる楽しさがあった。でもだんだん「斬新さ」や「奇抜さ」よりも「無難さ」「堅実性」が重視されるようになってきて、「オタク趣味の最先端」みたいな雰囲気は薄らいでいきました。ハルヒ、禁書、化物語がアニメ化された2006年〜2009年あたりを境に潮目が変わってきた印象があります。

 ここ十数年の間にマーケットの規模は半分程度まで縮小した、という話もある。実はエロゲーの場合、ソフトそのものはそんなに凄く売れるわけではなく、利益で見ると付随して販売される各種グッズ類の売上が大きい。しかし、ソフト本体の売上が減れば当然グッズ類の売上も比例して減少傾向を示すわけで……衰退が加速する形になります。アニメ業界もいろいろと無理が祟って限界に達しつつあるという話だけど、エロゲーもエロゲーで先行きが厳しいともっぱらの噂。末期を迎えたら、逆にかつてのように尖った才能が飛び出す修羅の国へ返り咲くのではないか、なんて破れかぶれの期待もありますが。なんであれ、終焉が訪れるなら看取るつもりで最後まで居残ってやるし、訪れないなら訪れないで引き続き楽しませてもらうとしよう。

【訃報】声優の松来未祐さん死去(萌えオタニュース速報)

 声優に疎い私でもさすがに松来さんのことは覚えています……『ひだまりスケッチ』で吉野屋先生を演じていましたよね。最近だと『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』でアンナ会長を怪演し切っておりました。出演リストを眺め、「羽佐間翔子」の文字列で胸が締め付けられた。ファフナー1期目の前半で早々に退場してしまったから本編における出番こそ少なかったものの、ファフナーシリーズが大詰めを迎えつつあることも重なって、ここのところ写真や灯籠、新OPなどで顔や名前を出していたんです。突然すぎて頭の配線が繋がらないと申しますか、とにかく信じがたい気持ちでいっぱいであり、呆然とします。呑み込んで冥福を祈れるようになるまで時間が掛かるだろうな……。

・拍手レス。

 主人公や敵が変身するのは特撮好き的にビビっと来たんですけどね……1冊2話は流石に無理が>35 EXODUSが初見というド新参ですが第17話ではボロボロ泣きました、辛過ぎて2回観るのが限界だった……これは今までのシリーズもいずれきちんと把握しなければ>ファフナー
 結構殺伐としたストーリーなので今時アニメ化し辛い部分もあるのでしょうが、現状だと視聴者を原作に誘導するのは難しい気がします。<35試験小隊 ファフナーはEXODUSからだとキャラや人間関係の把握に苦労するでしょうが、そのぶん理解すれば旧シリーズに入り込みやすいって利点があるかと。1期目のファフナーは前半が説明不足で、「2周目からが本番」と言われるくらいですし。私は1期目の前半で一度挫折したクチ。

 松来未祐さんの訃報にショックが隠せません… 翔子以外にも沢山の印象的な役を演じられた声優さんでした。まだ38歳、あまりにも早過ぎます…
 突然すぎて受け止めきれないです。あの声とあの演技が、もう過去の作品でしか聴けないだなんて……残念でならない。

 CANNONBALL、懐かしい。私も初回版持ってます。大好きな作品だけど、ストーリー進行がおかしい系のバグとかもありませんでしたっけ。(パッチ後でも)
 私はインストール作業だけで疲れてしまって冒頭をチョロっとプレーしたのみですね。当時のPCが壊れて、再インストールする気力も湧かないまま押入れに初回版が眠り続けています。


2015-11-01.

アニメ『落第騎士の英雄譚』ってスタッフにとても恵まれているよな(まとレーベル@ラノベ新刊情報サイト)

 率直に言って、「アニメ化決定」の報せを受けたときはあまり期待していなかった。さすがに1話目くらいは気合を入れてくるだろうけど、あとはなし崩しでパワーダウンするはず、と思い込んでいました。大筋としては原作の雰囲気を守りつつ、TVアニメの枠に合わせて細かくアレンジを利かせているあたりが上手い。声が付いたこともあり、コミカルな掛け合いは楽しさが倍加しています。アニメ化する際に原作の良さを平然とスポイルされることが日常茶飯事になっている昨今のライトノベルにおいては破格の扱いです。同クールで言うとアスタリスクはまだいい方で、『対魔導学園35試験小隊』なんかはヒドいですね……いろいろ説明すっ飛ばした結果、話がダイジェストみたいになっており、「原作の魅力が伝わりにくい」ってレベルじゃなくなっている。

 話を戻して落第騎士。4話かけて1巻目の内容を消化し、次に来る5話目で零(短編集)収録の箸休め的なエピソードを中心に日常回をやるみたいだから、尺としては結構ギリギリですね。BDやDVDの情報から全12話だと判明しているから、残り7話。2巻と3巻はどうにか消化できるだろうけど、零の他のエピソードまでやってる余裕はなさそう……いや、あるか? でもそれだと本編の内容が削られることに……うーん、と悩ましい塩梅。是非とも2期目をやってほしいから私もBDの購入を前向きに検討しておりますが、決心がつくのは6話目以降になると予想されます。原作も2巻から「このシリーズ、面白い!」って思えるようになりましたし、きっとあのへんが一つの山場になるでしょう。桐原くんはアニメだと声優の演技が凄かったこともあってメッチャ存在感が強化されたけど、さてはて倉敷くんはどうなることやら……声優は公表されていて、私のイメージと若干異なるのですが、本番でハマリ役になることを期待するばかり。

アニメ『響け!ユーフォニアム』の劇場版と2期が決定!(まとレーベル@ラノベ新刊情報サイト)

 劇場版は総集編みたいなので、形としては『中二病でも恋がしたい!』に近いですね。ユーフォニアムは京アニのお膝元である京都が舞台(ただしアニメ版では京都弁や関西弁は使われていない)。吹奏楽部に所属する高校生たちが全国大会出場へ向けて奮起する、という鉄板の部活モノです。特徴としては顧問の先生が熱血教師タイプではなく根っからの合理主義で、「現代の空気に合っているな」という印象を受けること。部内での人間関係が青臭くも生々しく描かれていること。そして何より、そこはかとなく百合臭が漂っていることです。一期の時点で明確な同性愛者は存在しておらず、むしろ何人かは異性愛者であることを明確に打ち出す言動すらしているのだが、第8話のお祭り回とか百合スキーどもを一本釣りしようと画策したとしか思えない。それはさておき、1クールで割と綺麗にまとまった『響け!ユーフォニアム』だが、原作はまだまだ続いているし「主人公たちの戦いはこれからだ!」な終わり方でもあったので続編は来てほしいと願っていました。反響的に行けるかどうか難しそうだったけど、続けられるみたいでよかったよかった。ちなみに登場人物の一人である高坂麗奈、「武田弘光の漫画に出てくる『最初は抵抗するけどだんだんガードが緩くなって最終的にはアヘ顔晒しながら堕ちていくヒロイン』みたいだな」ってのがファーストインプレッションだったが、後日本当に描いてて笑った。

2015年11月新作エロゲまとめ(つでぱふ!)

 『祝姫』(ダウンロード専用ゲーム、パッケージ版もシリアルの書いたカードが付いてくるだけなので注意)は延期しちゃったけど、それでも11月は気になる新作が9本もあります。全部は無理だから最低でも半分に絞るつもりですが、それでも4、5本。『ハルウソ』は安いからほぼ確定、「ほぼ」なのはまだちょっと延期を警戒しているから。『果つることなき未来ヨリ』はマスターアップも済んだから確定、シナリオの藤崎竜太目当てです。設定も面白そうで期待している。『キミのとなりで恋してる!〜The Respective Happiness〜』はとな恋のFD、安いし延期しなければ買う。迷うのはここからですね。

 残り6本のタイトルを気になる順で並べると、『Maggot baits』、『僕はキミだけを見つめる』、『シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章』、『恋する気持ちのかさねかた』、『コドモノアソビ』、『ひとつ屋根の、ツバサの下で』。『Maggot baits』は最近少なくなってきたハード&ダーク路線の陵辱ゲーであり、その希少性も相俟って心が疼くのだけれど、メーカーがクロアプだからなぁ……ここのゲームは期待し過ぎるとあんまり、なことがあるから悩む。『僕はキミだけを見つめる』は『ChuSingura46+1』で一躍有名になったインレの新作、新作と言っても同人時代に出したソフトのリメイクらしい。眠たいタイトルのせいで最初はスルーしかけたが、あらすじが面白そうで引き返した。同人ゲーと言えば、『ですろり』はどうなったんだろう……とぐぐってみたが、相変わらず未完成のまま放置されている模様。かわりに今『キョンシー×タオシー』というのを作ってるらしい。完成したらやってみようかな。

 『シュヴァルツェスマーケン 紅血の紋章』は『マブラヴ オルタネイティヴ』のスピンオフで、非18禁。『トータル・イクリプス』はオルタネイティヴの半年くらい前のエピソードだったが、シュヴァルツェスマーケン(略称は「柴犬」らしい)は更に過去、オルタネイティヴから遡ること18年前のドイツが舞台になっている。ちなみにオルタは西暦で言うと2001年から2002年に掛けての物語で、TEも2001年(「帝都燃ゆ」は1998年頃)、柴犬は1983年である。原作は仮想戦記方面で知られる作家・内田弘樹が手掛けており、一旦完結したがゲーム化&アニメ化に合わせて『隻影のベルンハルト』という新章がスタートした。新章と書いたが時系列上は柴犬本編よりも古く、BETAが地球に襲来する前の1972年を描いている。オルタは設定が膨大かつストーリーが長大なため、本編が映像化する機会に恵まれないままスピンオフばかりアニメ化される状況に陥っていますが、ぶっちゃけTEのアニメがかなりアレな出来だったのでもっとお先真っ暗かと悲観していました。こうして柴犬がアニメ化(2016年1月より放送開始予定)されるところを見るとまだまだ望みを捨てなくてもいいのかしら。柴犬のゲーム版は2部構成で、『紅血の紋章』は前編に当たります。後編『殉教者たち(仮)』は「今冬発売」だそうだけど、『紅血の紋章』がずるずると延期しまくって、しかもここから更に延期する心配さえ否定できないくらいなので、誰も冬の間に出るとは信じていません。この期に及んで(仮)とか載せてる時点でお察しとしか……柴犬そのものは雰囲気に惹かれるが、ageのあまりにもいつも通りな体たらくに躊躇の念を禁じ得ず。

 『恋する気持ちのかさねかた』は女装ゲーの多さで有名なensembleの新作。どれほど多いかと申せば、これまで出した11本のうち7本が女装ゲーってぐらい。見分け方は簡単、タイトルに「乙女」が入っているソフトは全部女装ゲーです。『恋する気持ちのかさねかた』は女装ゲーじゃないけど、とにかく女の子が可愛い。もっと注目ソフトの少ない時期だったら飛びついていたかもしれません。が、今回は本数が本数だけに様子見かな。『コドモノアソビ』はプガーことLump of Sugarの新作。ロリゲーみたいなタイトルだが、ヒロインは全体的におっぱい大きめ。メインのセーラちゃんがエロ可愛くて心躍るものの、複数原画ということもあって絵柄がバラバラ……これも様子見かな。『ひとつ屋根の、ツバサの下で』は新ブランド「Harmorise」のデビュー作。制服のデザインは少しアレだが、CGはキレイですね。軍用機(にそっくりな飛行機)を飛ばして競う、戦車道の大空版みたいな競技を描くようだが、飛行機パートにどの程度力を割くのかが不透明。てか発売も近づいてきたのに情報公開がこの程度って、間に合うのか?

 「気になる新作」だけでもこんなにあるというのに、11月は「気になる旧作」もあって悩ましい。そう、「Liar-soft SELECTION」です。ライアーソフトの旧作を廉価版パッケージとして販売する試み。「データだけでいい」という人はDL版を購入しましょう。11月は『腐り姫』と『CANNONBALL』の2本。初期作――というほど古くはないけど、両方ともライアーソフトの評価を高める要因になった名作です。もちろん所持しているのですが、なにぶんどっちも初回版でしてね……『腐り姫』は初回特典が修正パッチ入りのFDで、しかもOPムービー入れ忘れているからOHPに行ってダウンロードしないといけないって代物。DL版は解像度が上がったというし、いい加減買い直したいと思ってました。『CANNONBALL』の方は……もはや懐かしさすら覚える、あの糞インストーラー……耳に甦る、嘘屋ファンたちの阿鼻叫喚。銀河でいちばんのバグ。環境によってはプレーどころかまともにインストールすることもできない有様でした。スチームパンクシリーズあたりから入ってきた人にとっては遠い昔話のように聞こえるかもしれないが、かつてのライアーソフトはバグのヒドさで有名だったんですよ。あまりにも笑えないので笑うしかなかったという壮絶な矛盾。キャン玉のバカでかい初回版もそろそろ処分したいし、インストールのためにいちいち何枚もCDを入れ替えるのは面倒臭いので、いい加減買い直したいと思ってました。で、「Liar-soft SELECTION」、12月のラインナップは『Forest』と『SEVEN-BRIDGE』だそうです。見事にめておゲーばっかだな……現状だと「METEOR SELECTION」って言った方が適切かもしんない。

・拍手レス。

 「永訣の火・・・また人類軍が核ぶっぱするんか・・・」→「灯籠・・・花火・・・まさか」→「うわあああああああ」 ホンマ冲方の祝福は天井知らずやでぇ・・・
 「連鎖する祝福の果てにいったい何が待ち構えているのだろう」と白目剥きながら視聴しています。天高くファン痩せる秋。

 マジ恋以降のタカヒロのスタンスがどうにも好きになれない自分としては、今回のアニメ化も予想の範囲内であると同時に苦笑を禁じ得ないですな。まあ、ロミオの姿勢は一貫してぶれないので、そこそこのヒットで終わりそうですが
 タイミング的に販促狙いでしょうし、「俺たちの戦いはこれからだ!」エンドになりそうなのが見え見えですけど、ロミオ関連の動きが止まるよりはずっとイイです。まだまだオクルを諦めずに済む、と思える。

 ライバルキャラが「美形」「エリート」「ロリコン」「声が櫻井」と、いかにも「こいつ、後で殺すか酷い目にあわせるから楽しみにしててね」なキャラで吹いたw>鉄血4話
 最近の櫻井は、演技の幅こそ広いですけどなぜかこういう役どころが多いですね・・・スタッフの悪意が見えるようだよ。

 忍野メメみたいな役もあるけど、物語シリーズじゃ最近出番ないですもんね。「器用貧乏」というほどじゃないにしろ、最近は多彩さをアピールする機会に恵まれていない気がします。

 涙腺崩壊寸前でどうにかカノン消失シーンを堪えられたと思ったら、ショコラの叫びで決壊のち号泣。的確に心を抉る脚本&演出――ああ、これがファフナーか。
 ショコラの遠吠えでROLを連想させるとか、ほんとファフナーはファンの傷口を抉ることに余念がない。新OPも細かいカットで心を抉られた。


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