2012年10月分


2012-10-23.

『BUYUDEN』新刊の表紙、やけにヒロインがポッチャリして見えるなぁ、絵柄が変わったのか? と訝りながら本編を読み出した焼津です、こんばんは。

 比較用に2巻のリンクも貼っておこう。結論から言うと錯覚ではなく本当にヒロインが激太りしていました。『銀河へキックオフ!!』の西園寺玲華とは逆のパターンか。様々な事情からブランクが空いたせいでナマってしまう、という展開そのものはよくあるけど、主人公じゃなくヒロインでそれをやるのが少し珍しい。今まで(小学生編)は主人公視点がメインだったのに、最新刊から(中学生編)はヒロイン視点が主体となっているのも、ちょうどいい変化の付け方だった。『BUYUDEN』、なかなか面白いけど、一番の難点はまだ巻数が溜まってないせいで読んでて物足りなさを覚えるところかな。10巻か20巻くらい溜まってから一気読みする方がイイかもしれない、この漫画に関しては。

『境界線上のホライゾンII』BD3巻特典小説は272P!表紙のカラーネイトも公開、特典CDでは武蔵さんの歌が聞ける模様(萌えオタニュース速報)

 272ページって……もうそれ特典じゃなくてただの新刊じゃないですか。川上稔作品で言うと『パンツァーポリス1935』よりちょっと薄い程度。ホライゾンのファンは訓練された川上儲が大半を占めているだろうからあまり問題ないだろうけれど、これで今後「分厚い特典小説」商法が流行ったらライトノベル読者は大変なことになりますな。やろうったってそうそうやれない商法だから、流行るとも思えませんが。しかし去年と今年で川上稔はホント原稿書きまくりです。そのうち倒れるんじゃないかと心配になるレベルだ。

『とある科学の超電磁砲』第2期制作決定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 人気から言っても2期はほぼ確定したようなもんでしたけど、なにぶん原作のストックが少ないから時間が掛かるだろう、と言われていたアニメが遂に来ました。タイトルは『とある科学の超電磁砲S』になる模様。シスターのSか? 『とある科学の超電磁砲』『とある魔術の禁書目録』というライトノベルのスピンオフで、一種の番外編に当たりますが、本編でトップクラスの人気を誇るキャラ「御坂美琴」を主人公に据えた内容だけに、下手すると本編より人気があるかもしれない。アニメ1期は2クールありましたがオリジナル展開を盛り込んだせいもあって4巻から7巻の前半にかけて繰り広げられた「妹(シスターズ)編」は映像化されませんでした。「妹編」は本編の3巻を美琴視点で描いたエピソードであり、本編の15巻で初登場した集団「アイテム」が出てきます。実にファンサービス旺盛。しかし15巻のあたりはまだアニメ化されていないので、原作を知らない人からすると「アイテム」は「ポッと出の新キャラたち」に見えてしまう。それはそれで面白いのかもしれないけど。タイトルから言っても2期目は「妹編」が要となるはずですが、ストーリーが重いことと、美琴以外のレギュラーキャラがあまり出てこないことから脚本作りが難航するものと思われます。「妹編」の後は、美琴と並ぶ超能力者(レベル5)・食蜂操祈が強烈な存在感をアピールする「大覇星祭編」がスタートします(大覇星祭は平たく述べますと体育祭、ただし学園都市内の学校すべてが参加する合同行事のためかなり大規模、本編では9巻および10巻に該当するイベント)。「大覇星祭編」は超電磁砲のレギュラーキャラも多数登場し、ファンが観たいと切望する場面も山ほど盛り込まれていますがどうもまだ本誌でも終わっていないらしく、アニメ2期の収録範囲に入るかどうか微妙なところだ。だいたい、クール数も不明ですからね。これが1クールだったら全編オリジナルってのもありえる。何であれ続報待ちだ。『ロウきゅーぶ!』の2期制作も決定したようだし、電撃のアニメ化戦略は順調ですな。この勢いでAWの2期と境ホラの3期もお願いしたいところ。

『少女革命ウテナ』待望のBD-BOX発売決定!上巻には1話〜24話 下巻には25話〜39話・劇場版・特典映像を収録(萌えオタニュース速報)

 潔く格好良くポチってゆこう。2BOX形式というのはDVDと一緒ですね。DVDは上下併せたメーカー希望小売価格が6万円超えだったけど、BDは5万円切る程度で、安くはないけど少し手頃になった。amazon等の割引を考慮すればギリギリ手が伸びる域。しかし改めて振り返ると、ウテナって40話近くもあったのか。レンタルでまとめて視聴したせいか、せいぜい2クール程度の感覚しかなかった。『新世紀エヴァンゲリオン』(1995年開始)→『機動戦艦ナデシコ』(1996年開始)→『少女革命ウテナ』(1997年開始)のラインを肌で覚えている世代はもう立派なオッサンだな。ウテナは独特の演出で視聴者を酩酊させつつ様式化した展開で安心させる(そして後でブチ壊す)、カルトのようでいて意外と馴染みやすい作品であり、時間が経っても結構特別な想いが残ります。御影草時というキャラが好きだったな……確か「根室教授」と呼ばれていたんで、御影は名前(つまりフルネームが根室御影)と勘違いしていた。あの頃はまだネットに繋いでなかったから体系化された情報を得ることが難しかったような記憶がある。でも、ウテナは細部を理解しなくても充分楽しめるアニメではあった。

・高橋慶太郎の『デストロ246(1)』読んだー。

 『ヨルムンガンド』の原作者による新作。帯文にある通り「クソ凶暴な女子」のオンパレードで、度を越した凶暴ぶりにもう笑うしかなかった。のっけから大虐殺ですもんな。ヨルムン以前に描かれた『オーディナリー±』という作品の姉妹編に相当し、そちらで主人公だった女子高生暗殺者・的場伊万里が引き続き登場する。『オーディナリー±』は『ヨルムンガンド傑作選1』に収録された第1話しか読んでないので詳しいことは知りませんが、どうも未完で終わったらしく、「やり直し」という意味も篭められているのかも。ただ、伊万里は今回も主人公を務めるのかどうか、現時点では不明確です。伊万里の他に「殺し屋を狩って回る殺し屋たち」や「女子高生893集団」が出てきて、ある種の群像劇みたいな雰囲気を醸しているから、流れ次第ではサブキャラに落ち着く可能性もある。殺しの腕はトップクラスだけど、「個性の強さ」では周りに喰われている感じ。特に女子高生893集団の存在感は素晴らしいまでにギンギラギン。同じ学校に通っているお嬢様の彼氏を目の前でブッ殺し、半ば精神崩壊して小便漏らしているお嬢様を性奴隷(ペット)として生かしてやる(どうもガチレズっぽい)など、遣り口がナチュラルに外道すぎる。次巻あたりで無惨に全滅しそうな空気も漂っているものの、「ひょっとしたら……」と期待を抱かせるしぶとさもほんのり灯っている。

 「女の子ばかり描いていたい」という作者の願いが途轍もなく血腥い形で叶った、荒々しいバイオレンスガールズコミック。個人的に女性キャラ同士の戦いはあまり燃えない(どうしても暴力描写がセーブされがちだし、セーブされないとそれはそれで痛々しい)けれど、この『デストロ246』くらい突き抜けていると「いっそアリだな」と思ってしまいます。直截的な暴力を豪快に振るってブッ殺すというのはこう、ジメッと陰湿なところがなくて、変な言い方だけど却って爽やかに見えるんですよね。正直、単純な「怖さ」という点で言ったら『デストロ246』のキャラよりも、そのへんの少女漫画に出てくる悪役っ子の方が上だったりする。血腥いけど、精神的なグロさは希薄です。明朗制裁、とでも言いましょうか。ぶっちゃけ読んでいて気持ちイイ。リアリティなど欠片もないが、渦巻く妄念と欲望が常識という名の薄い皮膚を引っぺがし、肉すら裂いてしたたかに頭蓋を打つ。是非とも深見真にノベライズしてほしい一品。版元は小学館だし、ガガガ文庫ならレーベル的に考えて充分有り得るで。

・拍手レス。

 ニンジャスレイヤーは本当に外国の人が頭の中に思い描く忍者像をそのまんま文字にした感じでおもしろかったです。もし山田風太郎がニンジャスレイヤーを読んだらどういう反応をするのかと読んでて思いました。
 山風というか忍法帖も冷静に考えると随分息が長いシリーズですね。『甲賀忍法帖』なんてもう50年以上前の作品なのに、余裕で新品入手できる。願わくばニンスレも50年後に忍法帖並みの存在感を確立せんことを。


2012-10-20.

講談社コミックスの発売予定表を確認し、440円(税込)だった単行本が12月から450円(税込)に値上げされると知ってちょっと驚いた焼津です、こんばんは。

 ジャンプとかマガジンとか、ああいう少年漫画の単行本って400円を切っていた時代もあったのに……なんて書くと年寄りめいているか。しかし世の中がデフレだ何だという中で漫画の単行本が450円とは、うーん、そこまで本が売れないってことなんですね。なんだかちぃと切なくなります。

ジャンルを問わず、高校生の間に読んでおくべき本(ぶく速)

 うちのサイト名の由来である『カーラのゲーム』を推しておこう。悲しいことにもう新品は手に入らないみたいだが……あと社会人になるとまとまった時間が取りにくくなって分厚い本を読み通すことが難しくなってくるから、高校生や大学生のうちは暇に飽かして怯まず大著へ挑むが吉。『紙葉の家』とか、今になって読もうったって到底無理だ。それと読んだ本の内容は結構忘れるので備忘録を付けることもオススメします。このサイトも備忘録のつもりでやっていた時期がありました。

百合なライトノベルってあります?(ひまねっと)

 ライトノベルにも百合系はいくつかあるけど、ジャンルとして成立するほどの勢力は今のところないですね。コバルトとか、少女向けはマリみてという代表作の影響もあってかそれなりに伏在しているものの、少年向けに至ってはポツポツと散発的に出てくるだけ。『アイドライジング!』もセールス面では結構苦労したらしいし、「需要はあっても情報が体系化されておらず、読んだら確実に喜ぶような人のところまで届かない」という状態に陥っているのではないでしょうか。その割に『ヤングガン・カルナバル』はやけに百合スキーの間で人気がありますが……何か秘密のネットワークでもあるんだろうか。個人的に好きなのは、厳密に言うと百合じゃないかもしれないけど、『毛布おばけと金曜日の階段』の「みちのながてをくりたたね」。

『咲-Saki- 阿知賀編』残り話数の詳細については今月中に発表!(萌えオタニュース速報)

 やっとか。阿知賀編のテレビ放送は12話で一旦終わったんですが、「残り3話を何らかの形で放送ないし配信して全15話のアニメとして完結させる」とアナウンスしていたんです。要するに『化物語』と同じ遣り方。12話が7月の初め頃に放送されてから既に3ヶ月、情報らしい情報が来ないのでやきもきしておりました。BD特典のハーフボックスが4巻収納であることを考えると、BDも7巻と8巻を出すつもりなんでしょうね。当方は『化物語』のネット配信分を観てアニメ版に興味を持ち、なんだかんだでBDを揃えちゃったんですが、阿知賀編も残りの3話で興味を持った新規層が食いついたりするのかしら。それはそれとして本編の第2期もそろそろ動き出してほしい。

『ニンジャスレイヤー』宣伝用のPVが完成(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 知っていても「ネオ・サイタマ」を音読されると我慢できずに噴いてしまう。ニンスレと言えばウブカタ=サンもツイッター連載小説というアンタイセイに魅せられている模様。ウブカタ=サンがメチャクチャ多忙な売れっ子作家でなければ原作者の許可を得てニンスレ外伝書いていた可能性が芥子粒レベルで存在する……?

富士見書房『神さまのいない日曜日』アニメ化決定!『東京レイヴンズ』アニメ化企画進行中!(萌えオタニュース速報)

 『神さまのいない日曜日』はファンタジア大賞の「大賞」受賞作作品(かつてファンタジアの新人賞は大賞をほとんど出さないことで有名だった。『神さま〜』の第21回に至るまでたった4人しか大賞受賞者が輩出されておらず、要するにかなり希少な存在)だけど、ちょっと暗いし割合地味なストーリーなのでアニメ化まで漕ぎ着けるのは難しいだろうな、と思ってました。何せヒロインの属性が「墓守」ですからね……『シュガーダーク』の翌月くらいに刊行されたせいもあり、「墓守が今のトレンドか」と揶揄されたものでした。てかシュガダの作者、結局続編を出しませんでしたね。記者会見までしたのに……プレッシャーが大きすぎて潰されてしまったか。ライトノベルの新人賞は華々しく大賞を取った作家が最前線で活躍し続ける、ということは案外稀です。ファンタジア初の大賞受賞者・五代ゆうは何度か消えそうになりながらも必死で生き延びたけど、グイン・サーガの続編を任させるなど、ライトノベル以外の分野で評価されている感がある。滝川羊はご存知の方もおられるでしょうが、一作こっきりで消息不明に。貴子潤一郎は結構粘った(10冊の大台には乗った)が、もう3年以上新刊を世に問うていない。川口士は富士見じゃパッとせず、一迅やMFに流れて頭角を表しましたね。初美陽一は有望株? 筆が早いし、売上も良いみたいだし、来年頃には『ライジン×ライジン』のアニメ化が決まって勢いに乗りそう。話を戻すと『神さま〜』はイラストから想像される内容とはだいぶ違った物語なので既刊を一気にまとめ買いせず、まず1巻だけ読んでみてから続き読むかどうか判断した方が宜しいです。

 『東京レイヴンズ』『BLACK BLOOD BROTHERS』のあざの耕平による新シリーズ。開始当初から「アニメ化はほぼ内定したようなもんだろう」と囁かれていただけに、あまり驚きはない。『Dクラッカーズ』が今更アニメ化、とかだったらさすがに驚きますが……あれは内容の評価が高かったけど、「(架空の)ドラッグを飲んで悪魔を召喚する」という話だけに「未成年たちが薬物をキメる描写はちょっと……」って理由からメディアミックスを敬遠されたそうな。『神仙酒コンチェルト』(あざののデビュー作、この時は「字野」名義、頻繁に「宇野」と間違われるためDクラ以降は平仮名へ変更した)がアニメ化決定と言われたら即座に「釣りだろ」と切って捨てる。ああ、でも『神仙酒コンチェルト』自体はオススメですので未読の方は是非手に取ってみてください。あれを読んでいたからこそイロモノ臭いレーベルである富士ミスの中でも特に異彩を放っていたDクラを「読んでみようか」って気になれたのであり、個人的にも思い入れが深い。

・拍手レス。

 まほよの感想は書かないのでしょうか?
 「話の途中で終わった」という感覚が強いため単体の作品としての感想は希薄。「第一部・完」の漫画を大人買いしてしまったような、というか、『喧嘩商売』を一気読みしたときの感情に近いです。

 西尾維新の「蹴語」は掲載誌のパンドラが突然、休刊だからね……個人的には単独完結でニンギョウとかより読みやすいから初心者にオススメなのだが
 「蹴語」は後で単行本読めばいいや、とスルーしちゃったことをほんのり後悔中。最近は目当てのコンテンツがあったら普段買わない雑誌でも買うよう心掛けています。

 自分が今年読んだ漫画の中で、新しく読み始めたものに限るとゲッサンの「ひとりぼっちの地球侵略」が一番desune
 最後変換ミスりました

 タイトルが『ひとりぼっちの宇宙戦争』を連想させるなぁ、と思いながら読みました。月並み以下の感想ながらヒロインが可愛いと思いました。

 ウルトラジャンプにて舞城王太郎×大暮維人マンガ連載開始だそうです。西尾維新といい講談社から集英社に人材が行ってるような?まあ漫画と言えばジャンプか
 大暮維人のファンが怒るような話になるかもしれませんが個人的にはすごく楽しみ。舞城大太郎と王暮維人が登場したりして。

 神咒のPV4を初めて見た時に、「俺の女神に捧ぐ愛だ!」と叫ぶ夜刀様に、「私の女神(まどか)に捧ぐ愛だ!」と叫ぶ赤髪・褐色肌のほむほむを幻視したのは私だけではないはず
 「来るがいい、第六べえ――おまえの宇宙に私が亀裂を刻んでやる!」 そしてすべてに終焉(フィナーレ)を齎す必殺のマッミースマイルをティロっと披露する先輩の姿が。

 富士ミスは色々アグレッシブに生き残り工作してたなぁ。面白い作品も結構あったと思うんだけど。個人的には、ファンタジアの金看板たる秋田禎信を召喚してきたのに、完成したのは来るべき鳩時計との最終決戦への考察を延々と書き綴った謎の一作だったという怪作、閉鎖のシステムが忘れられん。
 秋田は本家でも『愛と哀しみのエスパーマン』なんてのを出してましたね。富士ミスは単発で楽しめる作品がチラホラ点在していたところが良かった。逆に言うと、うまくシリーズ化へ結び付けられなかった作品が多かったわけですが……。


2012-10-15.

・デュラハンが好きなのでタイトルに釣られて買った『ロゥド・オブ・デュラハン』(紫藤ケイ)を読んでますが、来月の新刊予定を見ていたら「紫藤ケイ」と同作者の名前があり、調べてみたら「デビューと同時に3ヶ月連続刊行企画開始」という試みだと知って猛烈にデジャヴった焼津です、こんばんは。

 そう、覚えがあるぞ、この新人を特攻させるが如き無謀な企画……10年前の野村美月じゃないか。あの人もデビュー即3ヶ月連続刊行で、それぞれ別々の独立した作品を出したんですよね。どれも長続きしなかったけれど。それでもなんだかんだとキャリアを重ね、4年後に『“文学少女”と死にたがりの道化』で起死回生を果たし、名実ともにファミ通文庫を代表する作家の一人となりました。紫藤ケイもいずれ同じロゥドを辿るだろうと信じて、来月と再来月の新刊も買ってみることにしよう。まだ途中ですが、今のところは割と当方好みです。ただ、ブレイクするまでのロゥドは険しそうだ。

・前々回の更新で「マウス買い換える」と書き、実際に新調したんですが……もうダメになりました、新しいワイヤレスマウス。

 突然マウスカーソルが動かなくなり、触ってもいないのに突然ワープしてページ上のものを勝手にクリックするなど異常動作が始まったため一旦USBからレシーバーを抜き、差し直したらそのときは治りました。が、またカーソルが動かなくなって、今度はレシーバーを抜き差ししても解決しない。どうしようもないので予備に仕舞っておいた旧マウスを引っ張り出して使ってます。やっと新マウスの操作感覚に慣れてきたところだというのに、当日含めて3日間しか使用できなかった。PCとの相性が悪いのか、機器のどっかが故障しているのか、原因は判然としませんが「使い物にならない」ってことだけは確か。うーん、1000円未満のワイヤレスマウスだとこんなもんか。また新しい奴を試してみるか、壊れ気味で不便な旧マウスに耐えるか。悩ましいところです。

key『リトルバスターズ!』、プレー開始。

 なぜ今更になってプレーし始めたのかは語るまでもありません、アニメ版がスタートしたからです。今回は制作が京アニではないということで数ヶ月前に関連スレへ行ったらお通夜ムードが止め処なく流れていましたけど、いざ観てみると何のことはない、素晴らしい出来ではないですか。5年くらい前(正確に書けば2007年6月)に体験版をやったきりの当方もゲーム本編をやってみたくなりました。ソフト自体は随分前に購入済だったりします。無印の通常版を予約して発売日に届いた(無印は初回限定版が7月発売で、通常版は9月発売)から丸5年寝かせていた勘定になる。ちなみに「無印」とわざわざ記載したのは、リトバスのゲームって何種類かバリエーションがあるからです。単なる『リトルバスターズ!』、通称「無印」、これは2007年にリリースされた全年齢向けのPCソフト。これに18禁要素、つまりHシーンと新キャラと新シナリオを追加したバージョンが2008年発売の『リトルバスターズ!エクスタシー』。エクスタシーから18禁要素を抜いたコンシューマ移植版の『リトルバスターズ!Converted Edition』はPS2版が2009年、PSP版が2010年、Vita版が今年になって売り出された。そしてアニメ放送開始を記念したPC全年齢向け完全版『リトルバスターズ!PERFECT EDITION』が来月ストアに並ぶ予定。まとめると、オリジナル版(無印)、18禁版(エクスタシー)、移植版(Converted Edition)、完全版(PERFECT EDITION)の4つ。これからプレーする人には「来月末まで待って完全版ゲット」のルートを推奨したい。今すぐやりたい、パソコン使わないでプレーしたい、という方は移植版をどうぞ。また完全版は全年齢対象で18禁要素を削っているため、「どうしてもエロシーンを拝みたい」という人はエクスタシーやるべし。無印は……中古で安かったとか、特価品が出ていたとか、そういう理由でなければわざわざ買う必要もない。インストールした後もキーディスクが必須で、アプリケーションを起動しようとするたびにいちいちディスク入れないといけないから非常に面倒臭いです。ゲームは気が向いたときにスッと立ち上げてサッとプレーできるような軽快さが重要。

 起動の面倒臭さもあり、普通にプレーしてたら途中で放り出してしまいそうなので、継続するために「アニメで進んだ箇所までやる」という自分ルールを設けてみました。まずは小毬が登場するところまで。当然と言えば当然ですが、アニメは結構イベントを省略してますね。後からプレーすると少し新鮮な気持ちになれる。しかし、省いてはいるものの、「これは入れて欲しい」という要素をしっかり取り込んでいて、きっと原作ファンにとっては嬉しいつくりだろうなぁ、としみじみ思いました。5年も積んでいたくらいだし、スピンオフのクドわふとかも買ってないし、ぶっちゃけ当方のリトバスに対する思い入れは低めだったが、アニメ版を1話観ただけで「ああ、OPが物凄く胸に染み渡ってくるな」と態度を改めてしまった。やはりアニメの効果は強いな、と実感。「とりあえず試しに1話だけ」と至って軽い気持ちで視聴したにも関わらず、己が心は「来月の完全版買おうかな……」と真剣に検討するところまで変貌しました。とりあえずアニメ版を観続けて、とりあえず無印を攻略して、それからまた検討することに致しましたが、だいぶ気持ちが「買う」の方に傾いている。先生、当方は沙耶(エクスタシーで追加された新キャラ、当然無印には出てこない)が見たいんです……さておき、無印が発売された2007年って、思い出したくもないけど「怒りの日」があった年か。あれのせいで鬱屈としたイメージがあるものの、『恋する乙女と守護の楯』という当方のツボにハマりまくったソフトも世に出ておりました。懐かしいな、恋楯。あれもアニメ化しないものかしら。噂が流れたこともあったけど、噂のまま流れ去った。劇場版みたいなノリの嘘特報ネタ(小冊子3を参照のこと、ただしこれは発売後に配布されたものなのでネタバレ全開につき注意)が実現したら嬉ションかます自信がある。

【画像あり】Windows8の販促キャラwwwwwwwwwwwwwwww(暇人\(^o^)/速報)

 8なんだから『終わりのクロニクル』の八号さんをマスコットにするのは如何だろう。いやむしろWindows8を自動人形化しよう。「Windows8、よくやったと自己判断します」。そのセメントぶりに客が泣く。おかしくてありがたい、略しておかしたいOSに。

劇場版『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』2013年公開予定!(萌えオタニュース速報)

 最初この副題はネタかと思った。『スクライド』のカズマ並みに熱い魔法少女が出てくるのかしら。それとも『リスキーエッジ』よろしく背信の闘牌が始まっちゃうのか。予告編が流れたということは、劇場版新作って意外と制作が進んでる? 下手すると3年くらい待たされるかも、と危惧していただけに来年中にはなんとか観れそうだと知ってホッとしました。虚淵が以前のインタビューで「ここから更にマギカの世界を広げ、長期展開が可能なコンテンツにする」みたいなニュアンスの発言をしていたけど、これはつまり正田崇がDiesで「座」という概念を作ってパラロスと繋げたようなことをするって意味だろうか。まどかで「叛逆」の対象になりそうなものって円環の理くらいだし、「我らいざ征き征きて円環の座へ駆け上がり、愚昧な神を引きずり下ろさん」とジューダス・ストライフする魔法少女軍団(エクスペンダブルズ)が出てきて万物の条理を捻じ曲げ宇宙さえ弾け飛ぶ超弩級インフレ闘争に発展するかもしれない。「アクセス――我が魂(ジェム)」と変身する姿はちょっと見たい。ところで創刊号を買ったっきりノーチェックだったきらマギこと『まんがタイムきらら☆マギカ』、3号目を書店で見かけ、買うつもりはなかったけど「へえ、表紙は鳴子ハナハルか」と手に取ったところ、特典のミニ色紙が目に入って思わず購入。あまりグッズ類に興味がない性格なので色紙なんてものは一枚も所有していない当方ですが、蒼樹うめ描き下ろしということもあって抗えなかった。蒼樹うめは未だに「諸葛瑾」の印象が強く、芳文社のビル壁面をゆのとまどかで飾ったりする光景には「出世しすぎやん」と驚愕するばかりだが、馴染みのある絵ということもあって見ていてすこぶるホッとする。まどか関連のイラストは公式・非公式両方を含めると把握し切れないくらい大量にあるけど、その中においてもうめ絵はやはり別格ですな。つくづく『RKGKMDK(ラクガキマドカ)』を買い逃したことが悔やまれます。

なぜスポーツを題材にしたラノベは少ないのか?(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 個人的な意見として、スポーツ物のライトノベルはそんなに「凄く読みたい」と渇望するジャンルではないですね。「馴染みのないスポーツは文章で説明されてもあまりピンと来ない」ことが一つ。「見れば/やればすぐに飲み込めるんだろうけど……」という、まだプレーしていないゲームの取扱説明書を読んでいるような気分に陥ります。もともとそのスポーツに興味がないと、なかなか手に取る気がしない。理屈や背景、薀蓄をじっくりと解説する上では漫画よりも小説みたいな活字媒体の方が向いてますけれど、「感覚的な理解」を促す点では映像を主体とするメディアには叶わない。スポーツは理屈だけ述べられてもあまり面白くないから、何らかの形で感覚的な把握が伴わないと盛り上がれません。ただ、ラブコメにスポーツを絡めるとか、基本は異能バトルだけど主人公が部活やっててスポーツの要素も入ってくるとか、「別の主題」に添える形で活用していけばスポーツという題材も有効になるかな。『ロウきゅーぶ!』も、バスケが題材ではありますが、主題は「小学生って最高だな」ですからね。んで、読者から「もっとスポーツの部分を掘り下げてほしい」と希望されるようになってからスピンオフとしてやってみる、みたいな。最初からスポーツ主題で行くのは正直リスキーです。いくつか面白い作品も生まれてるんだけど、長続きしない。西尾維新も「スポーツ小説に挑戦したい」とインタビューに答えて、実際に『蹴語』というセパタクロー物を執筆しましたが、続きが出ないどころか単行本すら発売されていません。漫画業界のスポーツジャンルもスポ根がすっかり廃れたせいで近年は結構苦労しているらしいし……当方が現在愛読しているのも、格闘物を除けば『弱虫ペダル』とか『GIANT KILLING』『ベイビーステップ』『バガタウェイ』くらいかな。『のりりん』はちょっと微妙? 『LSD〜ろんぐすろーでぃすたんす〜』も好きだけど、4コマ漫画なので続きが出るまでが遠い。

 しかし富士見ミステリー文庫がまだ存命だったら、本城雅人でも招聘して何か出してくれただろうか。未発売だけど『ボールパークの魔法』とか、表紙的にはライトノベルとして出してもおかしくない雰囲気ですし。今だとメディアワークス文庫あたりが有望かしら。ちょっと前にも『かもめ高校バドミントン部の混乱』なんてのが刊行されてますね。

高殿円の『カーリー』講談社文庫版、専用サイトを開設、作者へのインタビューも掲載

 『トッカン』がドラマ化した影響もあってか、遂に復活となる『カーリー』。元は2006年、つまり6年前にファミ通文庫で刊行されていたライトノベルです。売上が伸びず2冊で打ち切りとなってしまいましたが、今回は既刊の復刻とともに幻であった「3冊目以降の新作」も順次出していく予定とのこと。ファミ通文庫で打ち切られて一般レーベルで続刊する、という点に関して言えば『荒野の恋』(2冊目で打ち切られた後、『荒野』と改題して復活、でもコミカライズのタイトルは元通り『荒野の恋』)と同じパターンです。何せ打ち切られたのは6年前だから諦めかけていたファンも多いと思いますが、作者の弛まぬ努力がこうして実を結んだわけであり、ここは歓喜を剥き出しにして書店へ走りましょう。ファミ通文庫で打ち切られた数々の作品にも更なるチャンスが来ることを祈って。次は『暴風ガールズファイト』あたりが復活してほしい。『BLOODLINK』……は売上と関係なく続き出ない感じだからどんなもんかな。

編集者が選ぶ新マンガ賞「マンガ秋100」結果発表 1位「俺物語!!」 2位「私がモテないのは〜」 3位「乙嫁語り」(萌えオタニュース速報)

 当方が現時点で挙げるとしたら↓になるかな……あくまで「2012年に当方が読んだ漫画」であって「2012年に発行された漫画」とは限りませんが。

第一位 『EIGHTH(1〜8)』/河内和泉(スクウェア・エニックス)
第二位 『咲―Saki―(1〜10)』/小林立(スクウェア・エニックス)
第三位 『天牌(1〜65)』/来賀友志、嶺岸信明(日本文芸社)
第四位 『むこうぶち(1〜33)』/天獅子悦也(竹書房)※途中までは安藤満原作
第五位 『ベルセルク(1〜36)』/三浦建太郎(白泉社)
第六位 『凍牌(1〜12)』/志名坂高次(秋田書店)
第七位 『アカギ(1〜26)』/福本伸行(竹書房)
第八位 『天(2〜18)』/福本伸行(竹書房)
第九位 『勇午(1〜22)』/真刈信二、赤名修(講談社)
第十位 『焔の眼(1〜2)』/押切蓮介(双葉社)

 『EIGHTH』は科学と奇跡が交錯するストーリーをアクションとドラマの程好い配分で描く一作。7巻の表紙イラストに惹かれたことが読み出すキッカケとなりました。女の子が可愛いし、話も面白いし、もう言う事がない。ノーベル賞受賞のニュースでさかんにiPS細胞が話題になりましたが、『EIGHTH』読者はもちろん「みんな大好きりお先生」のiPS細胞講座を思い出したことでしょう。6巻のサンプルでちょっとだけ読みます。ニュースとかでiPS細胞のことを解説されたけど、結局よく分からなかった……という方にも『EIGHTH』オススメ。掲載誌の“ガンガンJOKER”はマイナー誌の割に今すっごく勢いがありますね。いぬぼくやアムネジアは早いタイミングでアニメ化を果たしたし、その他にも『プラナス・ガール』『アラクニド』『アカメが斬る!』がグングン伸びてる。このへんからまたアニメ化作品が出てきそうだ。あるいは『絶対☆霊域』『私のおウチはHON屋さん』が来る可能性も低くはない。ちなみに『EIGHTH』の作者は『いずみっしょん』の人です、と書いておけば葉鍵ファン(特に名雪好き)が食いついてくれると信じています。

 『咲―Saki―』、『天牌』、『むこうぶち』は麻雀漫画三連発というか三連荘というか。今年ちょうど麻雀漫画にハマったものでして。順序としては、「アニメの『咲―Saki― 阿知賀編 episode of side-A』に魅了される」→「『咲―Saki―』本編のアニメもついでに観る」→「面白いけど麻雀のルールが分からず、もどかしい」→「ファンブックの『咲―Saki― ラブじゃん マホちゃんの必殺技完成!』でルールを覚える」→「もう一回最初から原作を読み返す」→「麻雀って楽しいよね!」、つまり『咲―Saki―』がキッカケで麻雀に目覚めたわけです。これがなければ他の麻雀漫画を読むこともなかったでしょう。最近は押川雲太朗の作品群に触れて更なる覚醒が進んでいる。来月は押川の新刊ラッシュでウハウハ。『天牌』は現時点で最多巻数を誇る麻雀漫画、たぶん巻数でこれを超える作品は今後出てこない。外伝含めてそろそろ90冊行きますからね。大学生の沖本瞬(途中で除籍処分となる)が麻雀一本で生計を立てる「本物のプロ」を目指して様々な雀士たちと戦う大長編ストーリーながら、瞬の出番は20巻あたりから激減し、以降ヤクザの威信をかけた麻雀戦争が始まったりする。ツモの流れを非常に分かりやすく綿密に描いており、当方は『天牌』を読んだだけで前よりも勝率が上がったほどです。単に読む前が下手糞すぎただけかもしれませんが……半端じゃない冊数だから全部自前で揃えて読むのは難しいでしょうけれど、漫画喫茶等を利用するなり、コンビニコミックで読み所だけ摘み食いするなり、どうぞ気楽に試読してみてください。気に入れば自然と全巻揃えたくなります。話が連続している本編よりも、読切エピソードが基本の『天牌外伝』が入りやすいかも。『むこうぶち』は昔ゲーメストで『龍虎の拳』のコミカライズを手掛けていた天獅子悦也の漫画。原作者である安藤満が連載の途中で亡くなったため、現在は天獅子悦也がピンで描いている模様。「傀(カイ)」と呼ばれる謎の男が様々な賭場で玄人(バイニン)やプロ、素人すらも食い物にする、といった趣旨のエピソードを「食い物にされる側」の視点で綴る。短ければ1話完結、長くても6話くらいしか続かないので、長期連載作品にありがちな「まだ終わらんのか。○○編……」といったようなボヤきとは無縁でいられます。サクサクと読めて、いろんな趣向の話が楽しめる。しかも前のエピソードで主役を務めたキャラが脇役として再登場したり、あるいは脇役が主役に抜擢されたりなどと、心憎い展開の数々で「通読の喜び」を味わわせてくれます。連載300回を超えてもういい加減にネタ切れっぽいところもあるけど、そのマンネリズムさえ愛しい。この『むこうぶち』は80年代後半のバブル景気真っ盛りな日本が舞台(確か海外のエピソードもあったけど、概ね国内に留まる)で、「水原祐太」という中年の男が「あれから20年か……この街も変わってしまった」と追憶に耽るところから始まる。そのため「水原祐太が主人公」というイメージを新規読者に与えますが、祐太ってたまーに出番があるだけのサブキャラなんですよね、今のところ。しばらく顔すら見せない時期もあった。「80年代後半」という時代設定もだんだん骨抜きになってきており、「1話目のフリはいったいなんだったのか」と困惑するけれど、この調子でどんどん傀無双な安定感を保ち続けてほしい。結末がどうこうって部分に興味が湧かない、ただただ「いつまでも読み続けたい漫画」の一つです。

 『ベルセルク』は実のところ、今年になるまでずっと着手していなかった。高校生の頃に1巻を読んだっきり放っていた次第。巻数が多いことと、「近頃連載が停滞気味になっているらしい」という噂を聞いていたことから気が進まず様子見していたのですが、映画化の影響もあって興味が膨らみ、ついカッとなって既刊全冊をまとめ買いしてしまった。「あまりよく知らない」という方のために解説しますと、『ベルセルク』とは狂戦士(バーサーカー)の意味で、1989年から連載を開始した暗黒大河ファンタジーです。現在物語は大きく分けて「黒い剣士篇(1巻〜3巻)」「黄金時代篇(3巻〜14巻)」「断罪篇(14巻〜21巻)」「千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇(22巻〜35巻)」「幻造世界(ファンタジア)篇(35巻〜)」と5つの篇に渡っており、あとどれだけ巻数を費やせば完結するのか、それすら不明なほど壮大極まりないスケールを誇る。ファン人気が高いのは「黄金時代篇」で、今映画をやってるのもここ。時系列的には最初のエピソードに当たります。映画は全エピソードを映像化するプロジェクトなので、「黄金時代篇」が終わったら「黒い剣士篇」が来るはず。「断罪篇」以降は時系列順に進んでいます。大枠を一言でまとめると「狂戦士と化した元傭兵の復讐譚」ですが、戦う相手は人知を超えた守護天使「ゴッドハンド」であり、戦いの規模は全世界クラス。眩暈がするような悪魔的スケールです。ゴッドハンドは5名のメンバーから成り、主人公ガッツは彼ら全員を殺すつもりでいますが……36巻まで達した今になってもゴッドハンドは誰一人として欠けていません。更に、ゴッドハンドの面々は「人の造りし神ならざる神」に仕えているようで、つまり彼ら5人を斃した後もラスボスチックな何かが待ち構えている可能性が高い。このペースでは100巻到達してもまだ終わりそうにないです。『ベルセルク』は新たな『グイン・サーガ』(未完の大作)となってしまうのではないか。とても心配ですが、本誌での連載も再開したそうなので来年発売予定の37巻を大人しく待つことにしよう。

 『凍牌』、『アカギ』、『天』、またまた麻雀漫画三連荘。これで都合6個、ランキングの半数以上が麻雀漫画で埋まってしまった。しかし面白いのだから仕方ない。『凍牌』は暴力描写がややキツめな作品。多少やりすぎ感は漂う(志名坂はいったいどれだけ雀士の指を切り落とせば気が済むのか)が、殺伐としたムードの醸し方が絶妙だ。12巻で一旦完結となりましたが、現在は『人柱篇』のタイトルで継続中。タイトルの物騒さは『ベルセルク』と大差ないな。「断罪篇」と「人柱篇」……並べても全然違和感がない。「氷のK」と呼ばれる少年があれこれ残酷なルールで麻雀を打つわけですけれど、キャラとしてのインパクトはKよりもサブキャラである堂嶋の方が濃い。「国士ツモ? そんなゴミ手を和了(アガ)る堂嶋じゃねえ!!」は何度読み返してもおかしい。堂嶋が主人公のスピンオフ『牌王伝説 ライオン』もオススメ。『アカギ』は言わずと知れた有名作品、麻雀漫画の知名度で言ったら『哭きの竜』や『哲也』にも匹敵するのではないかと。他の2作同様アニメ化も果たしている(『哭きの竜』にはOVAがある、制作はガイナックス)。ルールが分からなかった頃もいくつか麻雀漫画を読んでいた当方ですが、その中では『アカギ』が一番面白かった。改めて読み返すと、麻雀のルールが分からない人でも楽しめるような工夫が凝らされていると分かる。喩え方や、状況を端的な言葉で表現するセンスが抜群に優れています。「死ねば助かるのに……」の一言で読者の心をグッと掴んでしまう。何度読んでも飽きない漫画です。あなたが麻雀のルールを知らない人であるならば、尚更『アカギ』は強烈にプッシュしておきたい。当方みたく一粒で二度楽しめます。『天』は『アカギ』の関連作というか姉妹編というか……うーん、逆に書けば分かりやすい。『アカギ』はもともと『天』のスピンオフ漫画だったんです。まず『天』に高齢のアカギ(と言っても40代、白髪のせいでかなり老けて見える)が登場する。読者人気が高かったためか、「赤木しげるの少年・青年時代を描く」といった趣旨の漫画『アカギ』がスタートし、大評判を呼ぶ。呼びすぎて、派生元である『天』よりも有名な作品になってしまった。『アカギ』が気に入ったけど『天』はまだ読んでいない、って人もちょくちょく見かけます。さておき、なんで『天』だけ2巻からなのかと申しますと、この巻からアカギが登場するから。1巻は後でいいやとパスしてしまった。『天』は関西の代打ち集団と関東の代打ち集団がぶつかり合う「東西決戦」がメインの構成となっており、バトル漫画的な意味合いでのワクワク感は『アカギ』すら上回る。知名度では『アカギ』に負けているけど、作品としての面白さなら、ファンの間でも「どっちが上か」で意見が分かれるほどです。

 『勇午』は凄腕の交渉人(ネゴシエイター)である主人公が体を張って危地に乗り込み、毎回のように拷問されながら依頼を完遂すべく奮闘する漫画。いきなりパキスタンに飛ぶなど、世界各地を舞台にしたストーリー作りが魅力的。「命は投げ捨てるもの」とばかりに危険を顧みない勇午の手段は結構強引で、「交渉」の範囲を超えている気がしないでもないが、凄まじい意志で凛然と困難に立ち向かっていく姿が眩しくもある。籠城した犯罪者を電話回線越しに様々な交渉テクニックで粘り強く説得する、スタンダードなイメージのネゴシエイターを期待するとガッカリかもしれないが、「意志を貫く」タイプの主人公が見たい人には是非とも推しておきたい。ナンバリングは22巻で一旦ストップですが、以降も「日本編」と呼ばれるシリーズなどがあり、最新刊の『台湾編(3)』で単行本は37冊目になります。どこから読み始めても問題のないシリーズですから、気になるエピソードを選んでそこから読み出すってのもアリです。『焔の眼』は『ハイスコアガール』で話題になった押切蓮介の漫画。「ショルゴール」という架空の大国に占領された1945年の日本で、一人の少女と一人の格闘家が出会う。格闘家と言っても半端な強さではなく、範馬勇次郎とかラオウとか、あのへんを思い浮かべてもらった方がいいレベルの無双な益荒男。拳や脚を振り回すたび『キングダム』の合戦並みに惨劇が巻き起こる。それを眺めた少女はやがて……といったお話。謳い文句は「『はだしのゲン』×『小公女セーラ』×『空手バカ一代』」だ。押切蓮介は多作家なので全作読み通すのは少々骨が折れる(単行本デビューは2004年なのにもう50冊くらい出ている。特に今年のペースは凄まじく、新刊が既に7冊出ていて、来月8冊目が発売される)けれど、ハマると病みつきになる作風なので、読み出して3ヶ月もしたら「ああ、もう押切蓮介の漫画を全部読み尽くしてしまった……なんということだ」と嘆くこと請け合い。

 ほか、選には漏れましたが『今日からヒットマン』も最近ハマって一気読みしました。新婚ホヤホヤのサラリーマン(登場時点では34歳)が、ひょんなことから裏社会のゴタゴタに巻き込まれ、成り行きで伝説のヒットマン「二丁」の名を継ぐことに……ってな調子の若干コメディが入ったアクション漫画。普通のサラリーマンと凄腕のヒットマン、二つの顔を使い分けて生活する――という二面性をベースにした設定は『特命係長只野仁』をチラッと連想するが、只野仁ほどスーパーマンではないあたりが特徴となっています。ヒットマンになったのは成り行きだし、任務も脅されてイヤイヤこなすことが多いし、ヒットマンとサラリーマンの使い分けが徹底していなくてしっちゅう地が出るし……と主人公の造型は割合情けない。ハッタリと周囲の勘違いで過剰に持ち上げられていく流れはまるで『エリートヤンキー三郎』のよう。追い詰められたり妻の命が懸かったりすると途端に秘めたるポテンシャルを解放して一発逆転、不利な状況を覆してしまう、と御都合な展開もあるが読んでいて爽快感があることは確か。「追い詰められたら本気出す」はいつの時代になっても通じる黄金パターン。伝説と一緒に「二丁」の恋人であるちなつも引き継いで、「新妻と愛人」の両手に花なシチュエーションに突入するなど、男の願望てんこ盛りであるが、なんだかんだでちなつとは本番をヤらないまま現在に至っている。まだ妻との新婚生活を取り戻せるギリギリの境界線に立っているわけです。つっても主人公、相当な数の悪党を非合法手段で撃ち殺しているわけで、倫理的にはもう戻れなかったり。ともあれタイトルのイメージに反してアクションがカッコいい漫画なので、興味がある方は読んでみてください。1巻から13巻までは短期エピソード主体で、14巻以降はどんどんエピソードが長期化していきます。コンビニコミックも比較的入手しやすく、11冊目の『ストーキングスナイパー編』(外伝の『ちなつ七変化編』を含めれば12冊目)まで集めれば単行本の20巻あたりまではカバーできます。ただし、コンビニコミックは厚さ調節のためか再録エピソードが入っていることもある。さっき挙げた外伝『ちなつ七変化編』も半分くらい再録です。ところで『今日からヒットマン』は2009年に武田真治主演の映画が公開されていて、これのハリウッドリメイクを目指して関係者と交渉中らしいが……今の進捗状況は謎。実現したら儲け物だな、程度の感覚で待っておいた方が良さそうです。

『悪夢ちゃん』というドラマが話題になっているということで調べてみたら、原案は恩田陸の『夢違』なのか。あくまで「原案」であって、『夢違』そのものをドラマ化したわけではないみたいだが、興味が出てきた。ちなみに『夢違』は去年の直木賞候補に選ばれた作品です。恩田陸はかれこれ4回も直木賞の候補に選ばれていますが、依然として受賞には至らないまま。『夢違』以降新刊も出していないし、そろそろ大きな新作が来そうな気もしますけど……そういえば『夜の底は柔らかな幻』ってどうなったんだろう。連載は2009年で最終回を迎えたのに、3年経った今もまだ単行本が発売されていない。「異邦人」で有名な久保田早紀の曲とタイトルが同名なので、それに絡んで何かトラブルが生じたのではないか、という噂も。なんであれ無事に刊行されることを祈っています。

・拍手レス。

 ligthは昏式のラインも結構面白いと思います、面倒臭い大人が凄い良い感じなんですよね。あとエロい
 『Zero Infinity』の体験版はDL済なので、いずれやるつもり。しかし泉まひるも長いですね。lightとの付き合いは12年、干支がぐるりと回ってます。

 XB360版Phantomが10月25日についに発売。アニメが終わって2年以上の時間が経ち、完全に出すタイミングを逃してしまったなあと思っていたが、最近の虚淵玄のフィーバーぶりを見るとむしろこのタイミングこそベストなのだろうか?と思える今日この頃。無印の発売が2000年。Phantom単体で干支がすでに一回りしてるのか……。これに匹敵する単発作品は『久遠の絆』ぐらいしか思いつかない。
 『ニトロプラスコンプリート』で「製作決定」とか報じているから約3年でしょうか。そして無印はもう12年前……確かヴェドゴニアが出るちょっと前くらいにエロゲー雑誌でニトロプラスの特集があって、そこで初めて虚淵と社長(でじたろう)を見たんですよね。正直「変な格好をしたオッサンたちだな」と思ったが、まさかこんなに長い付き合いになるとは。


2012-10-11.

『魔法使いの夜』を最近になってようやくコンプリートした焼津です、こんばんは。

 発売からかれこれ半年か……予想に反して随分掛かってしまった。本編は8月くらいでクリアしてたけど、オマケシナリオが思ったより長い(加えてキチンと攻略しないと先に進めない)せいでなかなかフィニッシュすることができなかった。2004年の当方は『Fate/stay night』を10日でクリアしたというのに、この体たらくとは情けない。歳のせいにしたくはないが、衰えたものです。ともあれ、せっかく終わったんだから積みっぱなしにしていた体験版(もちろんエロゲー)を並行して崩し始めた。開始数分程度しかやってないものが多かったけど、じっくりやってみるとどれも面白い。当方がエロゲーにもっとも熱心だった時期(90年代後半から2000年代半ばにかけて)と比べ、各種クオリティが非常に高水準となっている。まほよもそうだけど、「ここまでするかぁ」と感心を通り越して少し呆れる気持ちがないでもない。内容に対して演出やら何やらが豪華すぎて、ちょっと異次元じみた雰囲気が漂う。「超空間」とか、もう過去の話だな。

 崩してみた中で特に面白かったのがま〜まれぇどの『らぶ2Quad』とLatteの『妹選抜☆総選挙』の2本。『らぶ2Quad』は平たく言うとEVAの使徒みたいな正体不明の敵が攻めてきて、通常攻撃は利かず、斃せるのは選ばれた少女たちだけ。しかも彼女たちの真なるパワーを解放するためには主人公と想いを通わせてエッチしないといけない……という、清々しいほどにエロゲーらしい設定のエロゲー。ああ、こういう設定のエロゲーは腐るほどやってきたぜ。エスカレイヤーとかな。でも最近はエロゲーから離れ気味だったせいもあり、直球以外の何者でもないエロゲー設定が却って新鮮に感じられました。心に疚しい潤いを与えてくれる。個別シナリオに入ったわけでもないのにいきなり朝フェラしてくる唐突なエロも悪くない。いや、好きだ! 『妹選抜☆総選挙』は365人、日付と同じ数の妹が存在する少年を主人公に、「自分以外の生徒は全員妹、妹だけの、妹だらけの学園」を描く、端的に申し上げてキ○ガイじみた設定のエロゲーです。十二人の妹とか、クラス一つ分が丸ごと妹とか、『十三妹』とか(これは違う)、その程度ならまだともかく「妹オンリーの学園」って、途轍もないにも程がある。発想だけなら浮かんでもおかしくないが、実行に移すのは正気じゃないですね。素晴らしい。ホームページの情報を見ただけで既におなか一杯となりますが、実際にやってみるとクラスメイトの女子全員から兄呼ばわりされるシチュエーションは頭がPANと弾ける絶大なインパクト。あまりのムチャクチャ加減に、時さえ遡行する。危うくエロゲーにハマったばかりの頃に抱いていた初心な気持ちすら甦りそうになりました。そうですそうです、ただ単純に「すげぇ」と興奮できたからこそ、当方は葉鍵やニトロ、型月、その他多くのエロゲーメーカーが送り出すソフトに夢中になったのです。小賢しい理屈は全部置いといて、ノーガードで全力全開のエンジョイ&エキサイティングをすればいいのだ。理論理性は必要ない、ただ悟ればいいのだ。目の前の帳がサッと上がった気分になりました。

 依然としてまとまったプレー時間を捻出することは難しいけど、ちょっとずつでいいから、「すげぇ」とシンプルに興奮できるエロゲーを探していこう、と改めて誓いました。

【画像あり】ディスプレイにスカート巻いてパンツ画像見るとやばい(暇人\(^o^)/速報)

 発想のくだらなさで笑ってしまったが、途中こんぼくあすかの画像が出てきて更に噴き出した。あすかにはシスコンの兄がいて、妹をオカズにオナニーするくらいのヤバさを誇っている。そいつだったら妹(あすか)のスカート使ってこれくらいのことはやりかねんな、と想像してしまった。それにしてもこのプレイ、「スカート必須」というところがいかにも上級者向けですね。流行ったら自作する猛者なんかも出てきそうだ。そしてうっかり自分で履いてみて未知の領域に目覚める、と。

村上春樹氏また受賞逃す 中国の莫言氏にノーベル文学賞

 莫言は「アジアでもっともノーベル文学賞に近い作家」と呼ばれていたが、遂に受賞しましたか。幻想と現実が地続きになっていて区別が付かない、いわゆる「マジックリアリズム」の書き手で、日本語での訳書も多い。しかしほとんどが高価なハードカバーで、図書館でも利用しないとなかなか読めなかった。この受賞を機に著作がどんどん文庫化されたらいいなぁ、と思うものの、2000年にノーベル文学賞を獲った高行健の著書は全然文庫化されていないし、あんまり期待しすぎてもガッカリすることになりそうで曖昧な心境。ノーベル文学賞って、知名度が高い割に出版業界での扱いが微妙ですよね。効果がまったくないわけじゃないにせよ、想像していたよりも優遇されない感じ。とりあえず『四十一炮』『転生夢現』だけでも文庫化してほしい。

・拍手レス。

 むろみさんはあの内容からしてアニメ化しても大丈夫なのかと感じましたが、生徒会役員共もアニメ化されたから製作関係者の皆さんは大丈夫だと思ってるんでしょうかね?というよりも、コードブレイカーのアニメ化といい、むろみさんのアニメ化といい、週マガもジャンプと同じく、アニメ化に関してなりふり構わずな状況になっているような気がします。ネギま、エアギア、絶望先生と、人気連載作品が立て続けに終わってしまいましたから、焦りに焦ってるんでしょうかね…。
 マガジン漫画は『我間乱』をアニメ化してほしいところだけど、あれもそろそろ終わりそうな気配が……講談社が本当になりふり構わないんなら、むろみさんはイカ娘あたりとコラボしそう。


2012-10-08.

・マウスが壊れたので買い換えることにした焼津です、こんばんは。

 思えば今使っているPCは『Dies ira 〜Acta est Fabula〜』が発売する直前に購入したものであり、その付属品であるマウスをずっと使ってきたのだから、かれこれ3年近くということになる。故障の内容は「左クリックの反応が悪い(カチッと音が鳴っているのにPC上はクリックされていない)」というもので、たぶん部品がヘタっているのでしょう。使用頻度の少ない右クリックは問題なし、試しに設定で左右逆にしてみたらサクサクとクリックできた。混乱するので結局元に戻しましたが。エラーは毎回というわけでなく、だいたい10回に1回くらいの割合で「クリックしても無反応」という現象が起こるからさほど致命的ではないんだけど、あっさり無視できる範囲でもなくて結構イラッと来る。買い換えるマウスは当然今と同じワイヤレス、一度慣れると紐付きには戻れませんね。使い始めた当初は重さに驚いた(電池が入るぶん、光学式の有線マウスより重量が増す)けど、もうすっかり慣れてしまった。しかし、現在ってワイヤレスマウスが既に1000円切ってるのか……以前やっぱりマウスの調子が悪くなって買い直そうと調べたら、2、3000円くらいしていたのに。そのときは迷って先送りにしているうちに調子が良くなってきたから買わなかったものの、今回は安いから予備の意味も篭めてポチることにした。ポチったのに無反応だったときはさすがに苦笑。届くまでしばらく決済が必要な操作は行わないようにしないと。これも「買い控えよ」とのお告げか。

『波打際のむろみさん』アニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 ヒロインが産卵して主人公に「精子かけて」と懇願する、異類姦マニアが狂喜するか激怒するか悩ましいシチュエーションを伴ったギャグ漫画。よく考えると『スレイヤーズ!』にあった「さあ、卵を産め」の逆バージョンか。「リヴァイアさん」繋がりで霧恵マサノブ作品がアニメ化する未来を夢想してみたが、「轟姦部」とか出てくるエロ漫画はさすがに深夜放送でも厳しいところか。いや、むしろ轟姦部がOKだったらレ研もOKってことで更に夢が広がる……わけない。そういや今月は祭丘ヒデユキの新刊が出るみたいなので忘れずチェックしておかないと。

『はたらく魔王さま!』2013年にTVアニメ化決定!(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 アニメ化する流れを感じていましたが、やはり来たか。異世界から現代日本に飛ばされてきた魔王様が生活費を稼ぐべくアルバイトしてたら勤労意欲に目覚めちゃった、という話です。彼を追討すべくやってきた勇者も口に糊するため日々サポセンでせっせと働いている。流行りの「勇者と魔王」モノながら、非常に所帯じみた描写が多く、コメディ好きの人なら合うと思います。個人的には笹塚が舞台というところがさりげなく嬉しかった。あそこのスーパーや図書館はよく利用したものでした。他にもアニメ化発表されそうな雰囲気の作品があり、きっと来年も今年に引き続きライトノベル原作のアニメがいっぱい出ることでしょう。劣等生もそろそろ発表があるんじゃないだろうかと思っていたり。

『エルフェンリート』12月にBD-BOX発売決定!特典にサントラ、岡本倫先生描き下ろし漫画「エルフェンリート特別編」など(萌えオタニュース速報)

 岡本倫の描き下ろし漫画付きだと? なんともファンの心をくすぐる特典じゃないですか。あくまでオマケだから、そんなに大したページ数ではないだろうけれど気になります。ヒシヒシと脳髄に極大天使チタンダエルが降臨してくる。「気になります」の大合唱でもはや幻聴レベル。オマケ目当てで買うには高いけど、アニメのBD-BOXとしては比較的良心的な値段設定なんですよね。迷うところだ。発売は12月、ビバップのBD-BOXが出る頃。うーん、とりあえず様子見で。

『K』古橋秀之がノベライズ(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 よし、買おう。しかし今年のフルハシさんは見事なまでノベライズ作家に徹していますな。来年こそケルベロスを……『K』の小説版は来月も刊行予定で、『SIDE:RED』だから次はレッドの人が書くのかしら? 現時点で判明しているのは「イエロー=壁井ユカコ」「グリーン=あざの耕平」「ブルー=古橋秀之」の3名。残り4名は有沢まみず、来楽零、鈴木鈴、高橋弥七郎のいずれか。ツイッターの書き込みによるとレッドはメンバー集めを行ったリーダー格の模様。古橋について「僕にとっては尊敬する大先輩」と言及していますが、古橋は7人の中で一番の古株だからまったく参考にならない。アニメ2期が円満終了した『境界線上のホライゾン』の原作者である川上稔すら古橋にとっては後輩ですからね。電撃発の作家としてはほとんど最古参に近い。「最古参」って響きが「サイコさん」に通ずるのでなんかイヤだな。差し当たってREDは様子見、まずはBLUEを読むことにします。

マイナー作家が「明らかな続き物なのに、編集が1巻を巻数表示させてくれない。数字入れると売れないから」と言っていた(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 確かに「1」とか付いてるとキリが良いところで終わらないんじゃないかって不安になりますね。しかしある程度巻数が増えてきた場合、きちんとナンバリングされていないシリーズはどういう順番で読めばいいのか分からなくて途中から入り辛い。特にコンビニコミックはどれがどのへんのエピソードなのか分かりにくいことこの上ないです。収録順がグチャグチャだったりすることも結構あるし。たとえば最近出た『アカギ 狂気の闘牌』、発売予定表を見ただけではなんなのかよく分からなかった。どうも単行本1巻と2巻あたりをまとめたものらしい。コンビニで現物を見かけ、目次を確認したら「絶一門」(市川戦の途中)で終わってました。でも、今はネットで検索すればだいたいのシリーズ発行順は分かりますからね。便利になったものだ。昔は表紙見返しの既刊リストとか、あとがきとか解説とか、巻末の刊行物リストとか、折込広告とか、あらゆるところに書かれた情報を総合し、いちいち自前でリスト作成しないといけなかった。それが今や海外作家の未訳作品さえ簡単に検索できてしまえるんですもの。隔世の感があります。っと、話が逸れた。漫画は「本誌で続いている=2巻以降が出る可能性も高い」という点から1巻だけでも試しに買ってみようって気になれますが、原則書き下ろしのライトノベルは本当に2巻が出るのかどうか怪しいところがある分、「近いうちに2巻を出す予定の作品」でもないと「○○○1」みたいなのは買い控えがちになるかもしれない。とか言いつつ『ケルベロス壱』はバッチリ買っちゃったわけですが。もう3年近く続きを待っているわけですが。よよよ。

・拍手レス。

 電撃といえば一色銀河の『若草野球部狂想曲』もその後の作品にこっそりと影響を与えた作品だと思います。当時まだゲーム大賞だったころに、ファンタジー成分ゼロの野球小説が受賞、出版されました。この作品行以降にファンタジー色がない作品もぼちぼち出始めたと思います。
 一色銀河は最近見なくなりましたね……若草野球部というとリングテイルやダブルブリッドが同期受賞でしたっけ。確か第6回。それぞれ路線は違っていながらクオリティが高い、豊作だと言われていたのに、今も第一線で活躍しているのは最終選考で受賞を逃した時雨沢恵一なのだから不思議なものです。

 二十年前のラノベ作家ということで『塾のおじいちゃん先生が元ラノベ作家だった』という記事を思い出ました。まあ松枝蔵人のことなんですが、この方実は角川スニーカー、富士見ファンタジア、電撃のそれぞれのレーベルの立ち上げ時期に作品を出していたりします。
 あー、ありましたね。当方にとっては「名前を見かけたことはあるけど読んだ事のない作家」の一人ですが……「名前だけ知ってる作家」って半端に先入観ができちゃってるから、「名前も知らない作家」より着手するタイミングが掴みづらいです。

 昔のレーベル(と言ってもそれ程古くも無いですが)といえば富士見ミステリー文庫が作品も作家も割合充実してたのにあっさり消えていったのが残念。せめてSHI-NOの短編をまとめた短編集を出してから消えて欲しかった……。上遠野浩平のしずるさんシリーズは後に続編が単行本で出たのになぁ。
 レーベル消滅してからGOSICKがアニメ化したのは「富士ミス魂は死せず」という意味で嬉しかった反面、「せめてレーベルがあるうちにアニメ化していれば、SHI-NOの短編集も滑り込めただろうに」と悔しい気持ちもあったり。

 20年前の富士見ファンタジアで竹河聖の『風の大陸』の名前が抜けてますぜ。調べてみるとこの作品ドラゴンマガジンの創刊号から連載してたんすね。そしてファンタジアで一番最初にアニメ化した作品だったはず。スピンオフ的な『巡検使カルナーシリーズ』があって、最近は『新 風の大陸』も出版されていてこの方もバリバリの20年作家ですね。
 おお、『風の大陸』。小中学生の頃に読んでいたのにスコーンと忘れていました。巡検使カルナーも読んでましたね、こっちの方が過去の時代なんですっけ。あと、書こうかどうか迷った末に割愛した冴木忍も20年越したようで、やっぱり頑張ってる作家は多いですな。

 ハルトモさんの作品には何やら奇怪な中毒性がありますよね。独特すぎてアニメ化とか出来る気がしないけど。あれで可愛い女の子描くときはガチで可愛いから困る。戦車男のウェイバーは鉄板だが、個人的にはヒキコモリ金ぴかの幼馴染エンキドゥちゃんをベストとして推したい
 エンキドゥちゃんは魂抜ける勢いで可愛かった。ハルトモ絵が好きすぎて東方ネタ知らないのに総集編の同人誌まで買ってしまったこともある。今でも東方ネタはよく分かっていませんが、それで弾みが付いて『孤独のグルメ』パロディの奴とかちょいちょい購入するように。

 過去のライトノベルの記事懐かしかったです。欲を言えば卵王子に触れてほしかった。
 “メルヴィ&カシム”シリーズは好きでしたけど、卵王子は読まず終いだったもので……実家探せばたぶん1巻か2巻くらいは出てくると思いますが。

 富士見ファンタジアの方向性を決定づけたのはやっぱりオーフェンとスレイヤーズの二大巨頭でしょうね。正直、この2作の呪縛から未だに脱し切れてない、という言い方すら出来そうな気がする。
 オーフェンとスレイヤーズは高すぎるハードルのようなもの。超えられないけれど無視することもできない、常に意識してしまう存在。電撃はそうしたハードルがないぶん図書館戦争とかビブリア堂とか、枠に囚われず伸び伸びと柔軟なヒットを飛ばしてこれた面があると思います。


2012-10-04.

11月に宮本昌孝原作の漫画『大樹−剣豪将軍義輝−』第1巻刊行、作画は東冬

 新刊チェック時に発見。最初は危うく見逃しかけたが、「宮本昌孝」の四字が視界に引っ掛かり、慌ててスクロールバーをバックさせた。『剣豪将軍義輝』のコミカライズとは、なんと嬉しきことよ。個人的には『虎の城』と並ぶ「大河ドラマ化してほしい歴史小説」です。作画の東冬は『嵐ノ花 叢ノ歌』を描いた人か。amazonの商品ページに絵が載ってるけど、なかなか良さげな気配。『剣豪将軍義輝』には番外編『将軍の星』や続編『海王』がある(ただし『将軍の星』は短編集で、堀越公方の足利茶々丸を主人公にした「前髪公方」など、義輝に関係ないエピソードも含まれている)ので興味をそそられた方はまとめてどうぞ。宮本作品の漫画化は長谷川哲也の『陣借り平助』以来か。この調子で『紅蓮の狼』あたりもコミカライズしてほしい。

『All You Need Is Kill』トム・クルーズ主演で2014年3月米国公開(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 遂に公開日決定か。かなり先だけど、公開日が告知されるくらい制作が進んだってことは確かでしょう。あとは「原作とどれくらい乖離した内容になるか」がファンとしての懸念になります。原作では主人公が新兵という設定なんですけれど、果たして50近いトム・クルーズが若作りしまくって新兵役をこなすことになるのか。「ムチムチのオッサンが学ラン着て出てくるAV」みたいにならないといいんだが……。

初期の電撃っつうのは硬派だったよな…あの頃の電撃を返してほしい(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 硬派……かどうかは分からないが、初期(90年代半ば)の電撃文庫はカオスというかどことなく怪しい雰囲気が漂っていて好きだったなぁ。渡辺浩弐のコラムを集めた『マルチメディア・バカ 』とか『モニター上の冒険X』とか。『摩陀羅 天使篇』の内容は当時小学生だった自分にはかなり衝撃的でした。読んだことはないけど『血まみれ学園とショートケーキ・プリンセス』も奇天烈なタイトルのおかげで強く印象に残っている。『獣人探偵局ノハール』『悪魔の国からこっちに丁稚』といった翻訳モノまであり、「傍から見ていて何がしたいんだかサッパリなレーベル、でもそこがいい」と心地良さを覚えていた次第。『光の騎士伝説』とか、地味な良作もあったし。第1回電撃ゲーム小説大賞(現在の「電撃小説大賞」、初期はなぜか「ゲーム」が付いていた)の大賞作品『五霊闘士オーキ伝』は進むにつれてエグさを増していく展開に少し辟易したが……土門作品は『ハンドレッドハヴェスタ』が一番好きだった。

 で、既に何度も書いたことですけど、電撃文庫の流れを決めた作品は『ブギーポップは笑わない』(98年。99年が初版のバージョンもあるが、そちらは発売元が主婦の友社から角川に変わった新装版)ですね。あれが当たった時期から急速にカオス感が減り、レーベル色がハッキリしていきます。翌年の『月と貴女に花束を』もさりげなく後続に影響を与えている(ベタ甘なラブコメとベタな伝奇バトルの融合)ってのが当方の自説だったり。明くる2000年には『キノの旅』開始、2001年には『イリヤの空、UFOの夏』開始、そして2002年になって『灼眼のシャナ』が開始(後に『ビブリア古書堂の事件手帖』で大ブレイクする三上延も同時期に『ダーク・バイオレッツ』でひっそりとデビュー)。これで路線は固まりました。2003年に入ると『バッカーノ!』『キーリ』『七姫物語』『いぬかみっ!』『撲殺天使ドクロちゃん』『終わりのクロニクル』など、多種多様なシリーズがスタートして百花繚乱の様相を呈しますが、そこにカオスの気配はなく(ドクロちゃんはちょっとあるか)、「いかにも電撃」と読者を納得させるような「レーベル全体のイメージ」が完成しつつありました。2004年の『とある魔術の禁書目録』によってそのイメージは遂に完成。以降、特に大きな変化は見られない。つまり、「昔の電撃」とか「あの頃の電撃」って語る際に大きな指標となるのが「ブギポ以前」「シャナ以前」「禁書以前」の3つなんですよね。今後次第では「SAO以前」や「劣等生以前」も加わるかもしれない。当方が懐かしさを感じるのは「シャナ以前」かな。シャナ自体は好きな作品だけど、まだ懐古する段階には至っていない。というか10巻が劇場アニメ化する夢を依然として諦めていない。コミカライズの『Eternal song―遥かなる歌―』はとうとう完結を迎えたが、むしろここからが本番だと思いたい。あの内容を最後まで描き切った木谷さんはお疲れ様でした。一ファンとして本当に心底感謝が尽きないです。

二十年前のラノベ作家って息してる?(ぶく速)

 20年前というと、ちょうど当方が小説を読み出した頃だ。ついでだから懐古の続きをしてみる。まず申し上げますと、当時は「ライトノベル」という用語がまだ普及していませんでした。少なくともインターネットに接続する以前はそんな用語、見たことも聞いたこともなかった。図書分類上は「ヤングアダルト」で、たまに「ジュブナイル」と称されていた程度。会話の上では「スニーカー」や「ファンタジア」、「コバルト」など、レーベル名でまとめることが多かった。包括的なジャンル名がなくて不便だった記憶があります。2000年頃、ブギーポップの話題をネットで追っているときに「ライトノベル」なる呼称を知り、「いまいちしっくりこない呼び名だけど、レーベル無視して全体をまとめられるから便利だな」って、便宜上の呼称として使っていたところ、気づけば周りですっかり定着してしいた。2chのライトノベル板が出来たのも2000年くらいだったはずです。

 んで、20年前、つまり1992年は電撃文庫が創刊する前年であり、主要レーベルは「富士見ファンタジア文庫」と「角川スニーカー文庫」の2つ。「ソノラマ文庫」は90年代に入るとかなり勢いが落ちてきて、主要レーベルとは言い辛い状態になってきました。他にも小学館の「スーパークエスト文庫」や集英社の「スーパーダッシュ文庫」、大陸書房の「ネオファンタジー文庫」などがあり、93年には電撃文庫と前後して「ログアウト冒険文庫」も創刊されましたが、すべて消滅して現在残っているレーベルは一つもありません。少女向けレーベルの「コバルト文庫」や「X文庫」などは詳しくないので割愛します。当時流行っていたのはスニーカーだと『ロードス島戦記』『フォーチュン・クエスト』、ファンタジアだと『スレイヤーズ!』『無責任艦長タイラー』あたりかな。『魔術士オーフェン』とか『宇宙戦鑑ヤマモト・ヨーコ』は始まってなかった。この時点だとまだスニーカーが業界トップで、ファンタジアが勢いづいてくるのは スレイヤーズがアニメ化しオーフェンも軌道に乗り出した95年頃。あと、厳密にはライトノベルから外れるかもしれないが、田中芳樹も90年代前半は絶頂期でした。『銀河英雄伝説』が終わって、『アルスラーン戦記』『創竜伝』をやっていた時期です。しかしこのへんからシリーズ作品の刊行が間遠になり、「完結させられない作家」へと変貌していく……。

 ざっと振り返ってみましたが、水野良、深沢美潮、神坂一、吉岡平、秋田禎信、庄司卓、ついでに田中芳樹、みんな現役ですね。しかも水野良はロードス島のリライトをする予定だし、深沢美潮や神坂一は未だにフォーチュン・クエストやスレイヤーズを続けているし、吉岡平と秋田禎信と庄司卓は場所(レーベル)を変えながらも代表シリーズのリメイクや再開に頑張っているし、田中芳樹はペース激遅ながら、一応アルスラーンを終わらせる意志はある……といいなぁ。とにかく、20年経ってもまだ何らかの形で続いている作品がいろいろとあって、なんだかホッとするような気持ちが湧きます。願わくば、現在活躍している新人たちも、20年経とうが元気で頑張っていてほしい。

『K』1話の脚本に古橋秀之(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 フルハシ、まさかのアニメ脚本デビュー。寝耳に水で驚きました。あざの耕平も一緒だった模様。「GoRA」とかいう覆面集団が脚本を手掛ける、みたいな話は聞いていたが、まさかライトノベル関連のメンバーだったとは。去年あたりからあっちこっちのラノベ作家にアニメ脚本関連の仕事を持ちかける動きが活発化している、という噂は聞いていましたが、こういうのを見ると本当だったのかな。GoRAは総勢7名で、内訳は有沢まみず、古橋秀之、あざの耕平、壁井ユカコ、来楽零、鈴木鈴、高橋弥七郎。上にも書いたけど、2003年あたりで瑞々しく活躍していた作家が中心ですね。10代の視聴者からするとあまりピンと来ないメンバーかもしれない。20代や30代のラノベ読みからすると「おっ」な陣容。ただ、肝心の『K』は今んところどんなアニメなのか雰囲気が掴めなくて、興味とか関心が湧いてこないんだよな……ニコニコで配信する予定だから、一応観てみるつもりですが。

・拍手レス。

 平山夢明さんの「ダイナー」がポプラ社で文庫化だそうです!
 今月10日ですね。それにしても『シエスターズ』はまだ出る気配がない……『SINKER』の復刊と続編『SALVAGE』の進捗もどうなっていることやら。


2012-10-01.

・「どれ、久々にマット・デイモンの顔でも拝もうか」と映画館に立ち寄って『ボーン・レガシー』を観たら、ジェイソン・ボーンがちっとも出てこなくてポッカーンとした焼津です、こんばんは。

 ラドラムの原作が3作目までしかないから4作目以降はオリジナル・ストーリーになる……とは聞いていたけど、まさか3部作の主役をはみごにするとは思わなんだ。扱いとしては「スピンオフ作品」ってことになるようですが、タイトルに「ボーン」と付けておきながらボーンさんがまったく登場しないとは、正直トホホだなぁ。一応この映画にも同題の原作本があり、そちらにはジェイソン・ボーンが主役として出てくるんだけども、いろいろ大人の事情が重なって根本的に内容が変わってしまったらしい。アクションはそこそこだったけど、目当てだったマット・デイモンは全然出てこないし、結構長い(135分もある)ので集中力が持続しなかった。「3部作の裏側を描く」といった体裁ですが、10年前に『ボーン・アイデンティティー』を観たっきりで全容を把握していない当方には少々退屈。映画はふらっと立ち寄って観たりせず、ちゃんと事前に情報を収集したうえで吟味するべきだな、と痛感しました。ちなみにボーンの新シリーズはこの後も『ボーン・ビトレイヤル』『ボーン・サンクション』と続き、未訳分を含めれば『ボーン・デセプション』、『ボーン・オブジェクティブ』、『ボーン・ドミニオン』、『ボーン・インペラティブ』と7作目まである。ハリウッドとしては007みたいにシリーズとして定着させたいんでしょうね。当方はとりあえず遡ってスプレマシーとアルティメイタムを観ることにしよう。今月の洋画は『ザ・レイド』に期待しています。シラット(インドネシアの格闘術)が炸裂するそうですよ、楽しみ。

小学5年生のマキャベリズム コミックス「よいこの君主論」1巻(アキバBlog)

 そういえばコミカライズするって情報が出ていたな、すっかり忘れていた。ダンゲロスの架神恭介ってことで読んでみた原作はなかなか面白かったです。「クラス制圧」を目標に掲げる野望に燃えた小学生たちの壮絶な派閥争い、というナンセンスなストーリーをダイジェスト形式で綴っている。一つ一つのパートが短くて、サクサクと読みやすいあたりが特徴。合間合間に解説を入れて要旨をまとめてくれるため、筋立ても把握しやすい。これでマキャベリに興味が出て、つい『ディスコルシ』まで買ってしまった。700ページを超える分厚さに陶然としつつ、当然のように積んでいる。だんだん自分が本を買っているのかインテリアを買っているのか分からなくなってきている今日この頃。

『這いよれ!ニャル子さん』TVアニメ第2期決定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 予想通りの2期が来た。Flashアニメを含めると4期目に当たりますが、あれは扱いが難しいので普通に「第2期」と考えておけばいいです。1期目はハス太を早く登場させる&出番を増やすためにか、エピソードの順番を弄ったり内容を端折ったりオリジナル展開を入れたりしましたけど、2期目は開始時点でレギュラーキャラが出揃っていますから割と原作に忠実なストーリー進行になるのではないかと予想。原作9巻目をラストに持ってこれたら良い幕切れになりそうだ。個人的にはクー音が出てくる6巻部分に期待したい。そういえば最新刊(10巻)が今月発売だったか。予約したのが随分前だったから危うく忘れそうになっていました。地方在住者にとってネット書店の予約システムはすげぇ便利ですけれど、調子に乗って予約しまくると頼んでいたこと忘れて同じ本買っちゃいそうになるんですよね。あるいは忘れてないけど思ったより早く店頭に並んで「待てば届く……しかし今ここに現物が……」と誘惑に負けちゃったり。悩ましきかな我が物欲。

完全新作「D.C.III P2 〜ダ・カーポIII プラチナパートナー〜」 4月28日発売決定 PSP「D.C.III Plus」も発表(萌えオタニュース速報)

 ダ・カーポもつくづく息の長いシリーズであります。無印の『D.C.〜ダ・カーポ〜』がリリースされたのって今から10年前で、それ散ると同日発売なんですよね。安いところでそれ散るを買おうとあっちこっちのショップ回った際、頻繁に見かけたのでよく覚えています。ついでに書くとPULLTOPのデビュー作『とらかぷっ!』発売も同じ日でした。「曲芸商法」という言葉を生み出すキッカケになったソフトであり、到底「行儀が良い」とは言い難い売り方をしてきたわけですか、それでも10年を生き抜いてなお現役でいられるのはすごいな……と素直に感心します。エロゲーってそもそもシリーズ作品が少ないから、10年に渡ってサバイヴするソフトなんてほとんどありません。Fateあたりは余裕で10年突破しそうな勢いですけれど、並のソフトは現役でいられるどころか復刻やリメイクされることすら困難です。あ、リメイクと言えば『世界ノ全テノ全テ』、もう発売されていたのか。出るとは聞いていたけど具体的な発売日を調べていなかったのですっかり忘れていた。あれも元は2002年発売だから、10年越しの完全版ってことになります。小説とか漫画だと10年経っても続いているシリーズはザラですけどね。『七王国の玉座』も刊行からそろそろ10年が経過する勘定になります。『グラン・ヴァカンス』はもう10年突破しましたが……未だに続編の『空の園丁』が出ないってどういうことですか。飛が遅筆なのは最初から分かっていた(デビューが1982年なのに、初単行本は2002年刊行)ことですけれど、それでも10年以内に“廃園の天使”3部作は完結するだろうと思ってましたよ。見通しが甘かった。

『暁の護衛 トリニティ』本編に佐竹に髪が生えたCGが追加されてている件(あしたがみえない)

 文章を直せば済む話なのに、わざわざCGを追加したのか……フサフサになった佐竹っていまいち想像できないな、と思いながら当該CGを確認して噴いた。この解決法は想像していなかったです。『暁の護衛』を知らない方のために解説しますと、これはもともと2008年に発売されたエロゲーで、「ボディガードを養成するための特殊な学園」に身を置く主人公が護衛対象のお嬢様たちとあれやこれやする内容となっています。佐竹はその学園の校長。見ての通り、頭髪がありません。公式のキャラ紹介にも「スキンヘッドに色黒と言う、強持て(ママ)」とハッキリ書かれています。主人公は学園に入る前はスラム街のようなところで暮らしており、主人公の父親と知り合いだった佐竹は彼を連れ出そうと単身スラムに乗り込んで、逆に襲われてしまう。その際に「髪を掴んでいた」というテキストが表示されるのですが、やはりCGはどう見てもスキンヘッドのまま。「過去のイベントだから、その頃はまだ佐竹も髪が生えていたんじゃないか?」「ただ単に差し替えるCGが用意されていなかっただけだろう」と擁護されたものの、あまりに珍妙な不一致であったため、長らくネタにされてきました。メーカーサイドも気にしていたのか。なんであれ「佐竹の毛」問題は4年の月日を経て無事解決された。解決してどうなるというわけでも、別にないのですが。

秋アニメ『PSYCHO-PASS』先行上映会感想・トークショーまとめ 堅実で丁寧な作りでグロ、バイオレンスあり(萌えオタニュース速報)

 未来警察……ウラシマン? と、それはともかく第2弾PVを観ましたが、期待以上に面白そうでワクワクしました。設定がコチャコチャした雰囲気のアニメなのでスッと入っていけるかどうかが不安だったけど、これなら問題なくエントリーできそう。「だから俺の遣り口が気に入らないときは、そいつで俺を撃て」は終盤の殺し愛フラグかしら。もうヒットするとかしないとかはどうでもいい、ただ個人的に観たいアニメとなってきました。放送日が待ち遠しい。

アルセーヌ・ルパン描く「アバンチュリエ」年内で連載終了の報にTLどよめく。連載移籍への期待も(nelja)

 あちゃー、『アバンチュリエ』終わっちゃうのか。確かに店頭であまり見かけなかったし、売れてる気配はなかったな。モーリス・ルブランの“怪盗ルパン”シリーズを忠実にコミカライズした作品ですが、やはりタイトルでルパン物だと分からないところが響いたんじゃないでしょうか。当方もたまたま新刊コーナーで発見するまで存在すら知らなかった。森田崇は移籍してでも続ける気満々のようですが、現状は「難しい」とのこと。出来は良いんだし、可能なら全作品をコミカライズ完了させるまで粘ってほしいところではあります。とりあえず『怪盗ルパン』のタイトルで既刊をコンビニコミックとして出したらもうちょっと知名度が高まりそうな気がする。しかし、そもそも出版業界全体が長引く不況ですっかり疲弊しているから、移籍が決まっても安泰とは言い切れないのが世知辛いところ。アニメ化するぐらいまで人気が出ないと全作品コンプリートは難しかろうな。

・今月の予定。

(本/小説)

 『バーニング・ワイヤー』/ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋)
 『ユダの覚醒(上・下)』/ジェームズ・ロリンズ(竹書房)
 『北斗』/石田衣良(集英社)
 『64(ロクヨン)』/横山秀夫(文藝春秋)
 『江神二郎の洞察』/有栖川有栖(東京創元社)

(本/漫画)

 『マンけん。(3)』/加瀬大輝(小学館)
 『ばくおん!!(2)』/おりもとみまな(秋田書店)
 『魔王様ちょっとそれとって!!(1)』/春野友矢(集英社)
 『ディーふらぐ!(6)』/春野友矢(メディアファクトリー)
 『ぱんつぁープリンセス(3)』/鬼八頭かかし(学研)
 『竹刀短し恋せよ乙女(2)』/神崎かるな、黒神遊夜(角川書店)

 文庫化情報。キース・ロバーツの『パヴァーヌ』が遂に文庫化を果たします。サンリオSF文庫(87年)→扶桑社のハードカバー(00年)→ちくま文庫(12年)と複雑な経緯を辿っており、文庫化というよりは再文庫化ながら、待望の一冊であることに変わりはない。歴史改変系のSFで、あらすじを引用しますと「1588年、英国女王エリザベス1世が凶弾に到れ,その混乱に乗じてスペイン無敵艦隊が英国本土に侵入、ついにはスペイン国王フェリペ2世が英国の統治者の座に収まった。さらにその結果として、宗教改革派は徹底的に鎮圧され、世界はカトリック教会の支配下に置かれるに至った。そして今、21世紀において、依然として法王がこの世の最高権力者として全世界を統治している。科学技術の研究は規制され、せいぜい蒸気機関や初歩的な通信機を使用するレベルにとどまっている。しかし,至る所で不平のつぶやきが聞かれ、それが次第に高まっていた…」、こんな具合。読むだけでワクワクする設定だ。こればかりは買い逃せない。ほか、ピュリッツァー賞受賞作の『オリーヴ・キタリッジの生活』、先月に新刊『ならずものがやってくる』が刊行されたジェニファー・イーガンの『古城ホテル』、平山夢明の日本冒険小説協会大賞&大藪春彦賞受賞作『ダイナー』、ジョージ・R・R・マーティンの大河ファンタジー“氷と炎の歌”第3弾『剣嵐の大地(上・中・下)』も要注目。あと高殿円の『カーリー』が講談社文庫から再発売されます。もとはファミ通文庫から刊行されていたシリーズですが、打ち切られたのか2冊目までしか出なかった。ナンバリングされているので2巻も再発売されるんでしょうけれど、売れ行きが良ければ3冊目が書き下ろしでリリースされる可能性もありやなしや。

 『バーニング・ワイヤー』は毎年決まってこの時期に発売されるジェフリー・ディーヴァーの新刊であり“リンカーン・ライム”シリーズ最新作。なぜ「毎年決まってこの時期」なのかと申しますと、ランキング本『このミステリーがすごい!』が10月末で一旦集計対象を締め切るからです。たとえば『このミステリーがすごい!2012年度版』の場合、集計対象となる本の発売日は2010年11月〜2011年10月末……ってな具合になります。なんで「このミス」はこんなに変な集計期間を設けているのか? それは、「そうしないとランキング本を年内に発売することができないから」です。2011年1月〜2011年12月末という区切りのランキング本を出す場合、集計期間や本の編集作業で発売は早くても2012年2月になってしまう。翌年の2月になってから「去年1年間に出た傑作を振り返る」ってやっても、少し遅いんですよね。だから集計期間が不自然になることを承知で10月区切りにする。そのため11月や12月に出た本は翌年の集計期間に回ってしまい、いざ集計が始まる頃には感覚として「去年の本」になっちゃうため、票が集まりにくい。10月なら当年の集計期間に収まるし、投票する人たちにとっても「読んだばかりの本」なので印象に残りやすく、票を集めやすい。それを当て込んで各社は「このミス」対策の勝負玉をこの時期に仕掛けてくるわけです。宮部みゆきの『ソロモンの偽証』が今月で完結するのも、恐らく「このミス」を視野に入れてのことでしょう。書店員が「このミス」の結果に合わせてコーナー作りをするのは年末の風物詩と化していますから、このへん割とバカにできません。『バーニング・ワイヤー』は間違いなく上位狙いのタマです。一方、『ユダの覚醒』はこのミス等のランキング本からは軽視されているジェームズ・ロリンズの新刊。まさかの“シグマフォース”第3弾です。『マギの聖骨』が2007年、『ナチの亡霊』が2008年で、その後ずっと音沙汰がなかったからもう翻訳されないものだと決め付けて諦めかけていました。マギやナチが立て続けに文庫化したのでもしや……と希望を抱きましたが、裏切られなかった。ぶっちゃけ「ダン・ブラウンの二番煎じ」という扱いを受けているシリーズですが、構わない、この調子で未訳分をどんどん出していってほしい。ハリウッドで映画化企画も進行中とのことだが、実現するかどうかはちょっと怪しいな。『北斗』は副題「ある殺人者の回心」。両親から虐待されて育った少年・北斗が殺人者になるまでの過程を描くそうな。ハードカバーで500ページ超と、石田衣良の小説としてはたぶん最長の一冊。分厚い本スキーとしてチェックせずにはいられない。『64(ロクヨン)』は延期しすぎでもう累計でどれだけ延期したか記憶が曖昧になっている警察小説。横山秀夫の純粋な新刊としては『震度0』以来7年ぶりだ。“D県警”シリーズの4冊目に当たる。ホントこれは「何度も発売予定リストに挙がってはいつの間にか消える」の繰り返しで、幾度となくガッカリさせられてきたから、今回もマジで発売されるかどうか半信半疑である。2008年6月の時点で「延期に次ぐ延期で記憶がおぼろげになってまいりました」と書いているくらいだから、当初の発売予定は2007年くらいだったんじゃないかな。出るなら間違いなく買います。『江神二郎の洞察』は長編作品ばかりで短編集がなかなか出なかった“江神二郎”シリーズ(または“学生アリス”シリーズ)初の短編集。待っていたファンも多いでしょう。当方は何編か既に読んでますが、もはやうろ覚えになっている作品もあり、きっと新鮮な気持ちで楽しめるはず。江神シリーズ未読の方は素直に『月光ゲーム』や『孤島パズル』を読みましょう。個人的には『孤島パズル』の方をオススメ。って、コミカライズ版まであったのか。知らなかった。

 『マンけん。』は無性に熱い漫画家漫画。絵柄自体は流行りのスッキリとシャープな萌え系だが、中身は島本和彦並みにアツい。というか島本和彦が推薦文を寄せていたような気がする。展開がちょっと遅いところが難点だが、3冊一気に読めば程好い満足感が得られるはず。一括購入オススメです。『ばくおん!!』は『けいおん!!』のタイトルをパロった女子高生バイク漫画。主人公がバイクを「バイ太」と呼んだりする。これで作者がおりもとみまなじゃなかったら手に取る気もしなかったでしょう。「コッテコテの萌え絵柄に狂気と熱気が渦巻いている」ともっぱら評判のおりもと作品、是非この機会にご賞味くだされ。『魔王様ちょっとそれとって!!』と『ディーふらぐ!』、奇跡でしょうか。まさかハルトモ漫画の単行本が月に2冊も発売されるだなんて……天にも昇る心地です。実にヘヴる。春野友矢の絵はそれ自体がもう一種の麻薬なので解説不要というか解説不能でしょう。『戦車男』のウェイバーは何度見てもマジで可愛い。『ぱんつぁープリンセス』、略してぱんプリは最終巻。パンツを印籠代わりにする水戸黄門(ロリ)を想像してもらえると分かりやすい。よくこの内容で3冊も続いたな……意外とバトルシーンが多めなので少年漫画展開が好きなアナタにも大プッシュ。『竹刀短し恋せよ乙女』は『しなこいっ』の続編。そういやまだ完全版読んでなかった……話そのものが『しなこいっ』のダイレクトな続きなので、未読の方はまず『完全版 しなこいっ(上・下)』を読みましょう。余裕があればキャストがやけに豪華なドラマCD版もどうぞ。

・拍手レス。

 交渉人ものだとマイナーだけど『犯罪交渉人峰岸英太郎』が面白い。勇午はほとんど超人ですが、この作品の主人公は刑事には見えない頼りないルックスと虚弱体質。ほんとに言葉だけで交渉していきます。交渉術の妙、論理に依った展開が面白いですよ。
 1巻だけ読んだことありますけど、確かにあれは面白かった。1冊でちょうどエピソードの区切りが付いていたことも好印象。2巻以降も買おうと思って調べたら「5巻で完結」ということを知って悲しくなった記憶があります。交渉人モノだとディーヴァーの『静寂の叫び』も緊迫感に溢れていて良かった。


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