2012年6月分


2012-06-28.

・掃除してたらヘッドホンを発掘したので、試しに『ヨルムンガンド』をヘッドホンで聴いてみたら想像以上に素晴らしくて感銘を受けた焼津です、こんばんは。

 もともとBGMが素敵なアニメとは思っていましたが、低音がしっかり響くと断然良くなりますね。アクションシーンの迫力が半端じゃなく増します。それにしてもココ役の伊藤静が見せる(聴かせる)演技は最高だ。ヨルムンがアニメ化すると聞いたとき、「ココのイメージを再現するのは難しいだろうな」ってチラッと思ったけれど、まさかここまでハマリ役になるとは。伊藤静はエロゲー声優の中でも特に声質と演技が際立っている人だと個人的に認識しています。塵外魔京のイグニス、明日君の小夜、マジ恋のクリスあたりが印象に残っている。あとヨルムンはショコラーデが可愛いです。なにこの癒しキャラ。

 ついでにエロゲーもヘッドホン付けてやってみましたが、与猶啓至のサウンドが威力を倍増させてきたのでビビった。冗談抜きで体が痺れた次第。中んずく神咒の「祭祀一切夜叉羅刹食血肉者」が凄かった。天魔戦などで掛かる曲。聴き惚れてしばらく動けなくなってしまったほどです。ただ当方は眼鏡着用者なので、長時間ヘッドホンを付けていると耳が痛くなってくる。常用は難しいけど、機会があるたびに使っていくとしよう。

PSPソフト『Dies irae 〜Amantes amentes〜』、本日発売

 いつの間にかPCコンシューマ版『Dies irae 〜Amantes amentes〜』のサイトができていた。『Dies irae 〜Amantes amentes〜』全体のトップページもあります。ホント、『Dies irae』は関連ページが多すぎてチェックに苦労しますな。07年版クンフトファーブラモルゲンデンメルングノイエンとゼーゲン……これから入ってくる新規に「全部見よ」と強要することは憚られる。雑誌で情報公開してよりかれこれ丸6年、積もりに積もったものです。当方は「やっぱりPSPの画面でゲームを長時間プレーするのは辛い」と『咲-Saki- Portable』で実感しましたゆえ、アマンテースはPC版を購うことにします。PSP版をプレー用ではなく記念品として買うことも検討しましたが、資金的な問題と置き場の関係で断念。ここんところ麻雀関連の書籍やゲームを乱獲したせいでいろいろとキツかったりする。

 あと今回も恒例のカウントダウンボイスがありましたけれど、いつも以上にカオスっておりました。ベイとシュライバーとか、ルサルカとマキナとか、新規ユーザーは「どういう組み合わせだよ」って理解に苦しむでしょう。黒円卓の連中が妙に仲悪そうなのも本編知らないとしっくり来ないかもしれません。発売日の組み合わせは理解に苦しむどころか理解不能なはず。本編をコンプリートした暁には是非ともふたたび聴き直してほしいものです。ちなみに発売記念ボイスが一番ひどかった(誉め言葉)エロゲーは『刃鳴散らす』ダウンロードコーナーの「発売前座談会」で聴けます。あ、そうそう、カウントダウンと言えば今回のAXL嘘粗筋は「1日目:『ヨルムンガンド』」「2日目:『究極超人あ〜る』」「3日目:『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)』」「4日目:『ストライクウィッチーズ2』」「5日目:『ペルソナ4』と『這いよれ!ニャル子さん』」「6日目:『モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)』」「7日目:『アイドルマスター2』(小ネタいろいろ)」「8日目:『彼岸島』」でした。明日発売ですが、当日は嘘粗筋を控えるのが通例ですから今日(8日目)で終わりだと思います。

『人類は衰退しました』公式サイトに謎のサイト「PROJECT ROMEO」へのリンク、現在カウントダウン中(萌えオタニュース速報)

 これはきっとオクル……オクル……いや、冷静に考えると『AURA』あたりか? 随分前に劇場化の噂が囁かれていたし。あるいはCS化に絡んで『最果てのイマ』に新展開とか。クロチャンはともかく、『加奈〜いもうと〜』や『家族計画』はないだろうと思われる。あれは「山田一」名義で、公式的には「山田一=田中ロミオ」と認められたわけじゃないですからね。契約の関係で山田一名義が使えず、代わりに田中ロミオを名乗ったらしい。由来に関しては「田の中を見ろ(「田」という字には「山」や「一」もパーツとして含まれている)」で田中ロミオ、という説がファンの間で有力視されている。『ユリイカ』のまどか特集臨時増刊号で虚淵玄と対談した田中ロミオですが、両者の付き合いは判明している範囲でも結構古く、『Fate/Zero』同人版の3巻で解説を手掛けていたし、更に遡ると『腐り姫読本』の対談へ一緒に参加した仲でもあります。『腐り姫読本』は延期に延期を重ねたせいで2004年に発売となりましたが、告知した時点ではまだロミオ名義のデビュー作たる『CROSS†CHANNEL』(リンク先はXbox360版)もリリースされていなかった。それを考えると山田一時代から交流があったのかもしれません。エロゲーライターは横の繋がりが強い、と言います(たとえばまったく関連なさそうな奈須きのこと王雀孫さえ互いに面識がある)けど、田中ロミオは特に神出鬼没なタイプで「なぜこんなところに?」と驚くような場所へ顔を出します。Keyの『Rewrite』でメインライターに抜擢されたときも話題になりましたが、あまり話題にならなかったところではぱじゃまソフトの『PIZZICATO POLKA』CS移植版でいきなり妹キャラの追加シナリオを手掛けたことがありました。「突然よくわからない企画が持ち上がる」ことが彼の特徴ですから、ひょっとするとこの「PROJECT ROMEO」もまったく新しいナニかかもしれぬ。ともあれ続報が楽しみだ。

『境界線上のホライゾン』2期BDは全7巻予定!1巻ジャケ絵は闇さん!(萌えオタニュース速報)

 全7巻で、第1巻の価格が5040円(税込)ということは1期目と同じく1クール尺でしょうな。第1巻が1話収録、第2巻から第7巻までが2話ずつ収録の全13話と予想される。正直、あれを1クールでまとめるのは相当キツい。星海社文庫版『Fate/Zero』全6巻の合計ページ数が1576ページ(参考:amazonのデータ)で、2クールでもかなりキツキツだったのに対し、『境界線上のホライゾンU(上・下)』は合計2058ページ……ガル茂が一万七千倍加速を駆使してさえ凌ぎ切れるかどうかという困難。嘆いても仕方ないので愚痴はこのへんで切り上げますが、せめてクオリティだけは死守してほしいものです。どっちにしろBDは特典のおかげで回避不能ですから。というかもう予約始まってますね、BD。今年も熱い夏になりそうだ。

日5アニメ『マギ』番宣CMでアニメ映像キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!動くしかなり良い感じ!(萌えオタニュース速報)

 PV観たら予想以上に滑らかでやんの。「劇場用アニメのPV」と言われても信じてしまうクラス。これは放送開始が楽しみです。

『GA 芸術科アートデザインクラス』Blu-ray BOX発売決定!全12話+OVA+特典映像収録(萌えオタニュース速報)

 アニメのBD-BOXにしてはなかなかリーズナブルなお値段で手が伸びやすい。原作が好きで気になっていたし、買っちゃおうか。11月頃なら、お財布の状況も少しは好転しているだろう、と未来の自分を信じて……! ちなみに原作の最新刊(5巻)は8月発売予定

橙乃ままれ『まおゆう魔王勇者』TVアニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 人気作だからアニメ化すること自体は想定内だけど、実際どんな具合になるだろう。まず問題は尺か。1クールだとキツすぎるし、かと言って2クールだと内容は消化できるかもしれないが会話主体のストーリーを映像向きに変更できるかどうか心配になる。うまくやれば面白くなるでしょうけど、下手すると原作の持ち味を殺すだけで終わるでしょうね。当方は単行本の1巻を読んだ切りでずっと積んでいますが、これを機にそろそろ崩してみようかな。

『マルドゥック・スクランブル』「ヴェロシティ」新装版発売(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 わざわざ新装版を出すなんて……まさかヴェロシティまで映像化の予定が? 一応解説しますと、冲方丁の“マルドゥック”シリーズはアメリカっぽい国に存在する架空の街「マルドゥックシティ」を舞台にした近未来SFで、「スクランブル」「ヴェロシティ」「アノニマス」の三部作で完結する、ということになっています。『マルドゥック・スクランブル』と『マルドゥック・ヴェロシティ』は既に刊行済ながら、冲方が多忙すぎて『マルドゥック・アノニマス』に関しては予告だけの状態に陥っている。いつ開始するか、まったく分かりません。そして刊行順は「スクランブル」→「ヴェロシティ」ですが、ヴェロシティはスクランブルの過去編めいた位置付けにある内容なので、作中の時系列に沿って並べると「ヴェロシティ」→「スクランブル」→「アノニマス」となります。「なら、ヴェロシティから読めばええのん?」と思われる方もおられるやもしれませんが、ヴェロシティは冒頭でスクランブルの最終決戦シーンを描いており、そこから回想する形で時間を遡って本編がスタートする構成となっていますから、やっぱり「スクランブル」→「ヴェロシティ」の順で読んだ方がいいです。そうじゃないとラストもちょっと分かりにくい。スクランブルはメディアミックス展開が盛んに行われていて、原作たる小説版の他に漫画版アニメ版もあります。どれも評判が良いので、興味のある方は好きなところから入ってみれば宜しいかと。

 ちょっと余談めいた話になりますが、『マルドゥック・スクランブル』は『事件屋稼業』というタイトルでプロトタイプが書かれていました。最初はそれを刊行させようと冲方も努力したのだけど、出版社が「売れそうにない」と難色を示して立ち消えになりかけていたところで早川書房に拾われて、ほぼ一から書き直し『マルドゥック・スクランブル』として生まれ変わった。“マルドゥック”はトラブルの多いシリーズで、GONZO制作でOVAがつくられる予定だったのに企画凍結となったり、ヴェロシティ執筆中に冲方が失踪したり……と散々な経緯を辿っており、それに比べれば「ほぼ一から書き直し」はまだ軽い方。プロトタイプの『事件屋稼業』については番外編『マルドゥック・フラグメンツ』でほんの一部だけ読むことができます。『マルドゥック・フラグメンツ』はシリーズの隙間を埋める短編集で、別にこれを読んでいなくても本編を理解することは可能ですが、収録されている作品がただ純粋に面白いからオススメしておきたい。「マルドゥック・スクランブル“104”」は『マルドゥック・スクランブル』刊行記念として『S-Fマガジン』に掲載されたエピソードで、当方にとっては一番最初に目を通した“マルドゥック”関連作ゆえ思い入れが深いです。

 最後に、「『マルドゥック・スクランブル』は小説版がいろいろあってどれ読めばいいのかわからん」という人のために軽く説明。スクランブルの小説版は大きく分けて3つあります。2003年に発売された旧版(文庫)改訂新版(ハードカバー)完全版(文庫)。ハードカバーの改訂新版は全1冊ですが、文庫である旧版と完全版はともに「圧縮」「燃焼」「排気」の全3冊構成。旧版をリライトしたものが改訂新版および完全版であり、改訂新版は全1冊にまとめるため文章をいくらか削っていますが、完全版は一切削らずノーカットでの収録となっている。「あくまでノーカットで完璧に仕上げられたものを読みたい」という人は完全版を、「とにかくストーリーが分かればいい」という人は改訂新版をどうぞ。旧版は、完全版なり改訂新版なりを読んだ後で「古いバージョンがどんなのだったか気になる」という人に。あれって今だと古本屋へ行かないと手に入らないと思いますが、プレミアとかは付いていないはずですから簡単に安く集められると思います。今回のヴェロシティは「新装版」であって完全版でも改訂新版でもないみたいですから、恐らくカバーイラストが変わってトールサイズになるってだけのことでしょう。よほど熱心なファン以外はわざわざ買い直す必要もないんじゃないかしら。

・拍手レス。

 『レッドドラゴン』は虚淵と奈須コンビの“よくないプレイ”が楽しみですが同時に不安で……成田ならなんとかしてくれるはず! 電撃の公式海賊本についてきたN◎VAリプレイで解説役だったり、ビーストバインドのサンプルキャラにセルティっぽいのを許可したりと関わり多いですよね
 成田は遊演体PBMでマスターをやった経験があるそうな。彼なら、うろなすの仁義なきプレイをうまく捌いてくれるはず。


2012-06-22.

・「RPF(RolePlayingFiction)」と銘打たれ、三田誠、虚淵玄、奈須きのこ、紅玉いづき、成田良悟、しまどりると、錚々たるメンバーが参加した、平たく申せばオリジナルTRPGのリプレイ本に当たる『レッドドラゴン1 第一夜 還り人の島』がなかなか面白くてつい一気読みしてしまった焼津です、こんばんは。

 レッドドラゴンというとトマス・ハリスの『レッド・ドラゴン』やラリー・ボンドの『レッド・ドラゴン侵攻!』を連想してしまうが、さておきTRPGとは何ぞや? リプレイ本とは何ぞや? といったあたり順を追って説明していきましょう。まずTRPGとは「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」の略で、つまりコンピュータを使わずに複数の人間が紙、鉛筆、サイコロ、そしてルールブック等を駆使して繰り広げる遊びのことです。机越しに会話(テーブルトーク)しながら役を演ずる(ロールプレイングする)、言ってみれば「お喋り主体のごっこ遊び」になります。参加者たちは各々特定のキャラクターになり切って架空の世界で様々な冒険を行う。ライトノベルやゲーム方面で執筆業を営んでいるライターはこのTRPG経験がキッカケで物書きとしての生を歩み始めた、という人もいるそうです。機械ではなく人間が状況を設定し、説明し、協議し、裁定して進めていかなければならないから発想力や思考力が鍛えられるし、参加者が楽しんでいるか否かダイレクトに伝わってくるため「創作の喜び」を強く感じて病みつきになるらしい。リプレイ本はそうして執り行われたTRPGの記録を書籍としてまとめたもので、だいたい小説仕立てのパートと、参加者たちが実際に交わした会話を再現するパートとに分かれています。舞台裏を見せながら物語を綴る異例のスタイルゆえ慣れないと戸惑いますが、「恣意ではなく偶然によって物語が左右される(サイコロの出目やパラメータの値などで行動の成否が決まる)」様子が丸分かりだから普通のフィクションよりもスリルがあり、ドラマティックで熱い。重要になるのは綿密なプロットよりも機転、その場その場で持ち上がる問題を如何にうまく立ち回って対処してみせるか、に掛かっています。

 『レッドドラゴン』は二つの大国が争い合う中世ファンタジーチックな異世界を舞台に、突如狂乱してしまったと噂される「赤の竜」を巡り、いろんな陣営に属するキャラクターたちが混成チームを作って「たまに死人が蘇る」という島国へ赴き調査に乗り出す……と、大まかなあらすじは実にオーソドックスです。最初の100ページくらいはお膳立てに費やされ、物語はまだ本格的に動き出さない。しかし和気藹々と参加者たちが会話を交わして話を練り上げていく流れは読んでいて単純に楽しい。読者というより観客気分ですね。こうしたTRPGにあまり馴染みがないのかこわごわと手探りで進めて行くメンバーもいれば、非常に手馴れていてサクサクと進めて行く者、裏技めいたやり口で周りを驚かせながら立ち回っていく人など、「舞台裏」に相当するパートが面白くて仕方ない。何と言っても虚淵玄演ずる婁震戒の「反則スレスレじゃね?」ってな振る舞いの数々が笑えます。連帯感がありそうでない、先行きが危ぶまれる不安なムードが素晴らしい。そんな虚淵の独走に対するツッコミを欠かさない奈須きのこの存在感も大したもの。このコンビがレッドラの要と申し上げても差し支えないでしょう。一方で紅玉いづきやしまどりるの初心者っぽいやり取りはTRPG未経験者にとっても寛げるはず。少なくとも当方は大いにリラックスしました。メンバーの一人でありながらほとんど出番がない状態で終わってしまう成田良悟など、まだまだ真価を発揮していない部分はあるにせよ、これは素直に「続きが楽しみ」だと断言できます。最前線のサイトに行けば続編「第二夜 竜の爪痕」が読めますが、ディスプレイは辛いので大人しく書籍化を待つ。夏中には出るそうです。

 『レッドドラゴン』は全6夜構成とのことであり、このペースで行けばだいたい来年の今頃にはもう完結巻が出ている頃合かしら。これから成田良悟がどんどん引っ掻き回してくれるんだろうなぁ、と想像しているうちにだんだんキャラクターブックも読みたくなってきました。これも夏中には出るそうな。

・視聴するだけで買うつもりはなかったけど、なんか突然麻雀にハマってしまったから『咲―saki― 阿知賀編 episode of side-A』1巻のBD買っちゃった。

 初回特典の三方背ハーフボックスは小林立描き下ろしで松実姉妹。小林立が描いた阿知賀メンバーってなにげにレアか? 少し得した気分です。阿知賀編はとにかく展開が早くて真面目に麻雀打ってるシーンも少ない(『咲―saki―』本編が20話くらい掛けて描いた県予選突破→全国大会出場の過程をたった3話で消化してるんだから、駆け足になるのは当然)ですが、「ニワカは相手にならんよ」と偉そうな口を叩く噛ませ犬みんなのアイドル・小走やえ先輩の威勢良い姿が拝めるのはこの1巻だけ。2巻収録の第3話では立派な王者の討ち死にをお見せしてくれます。

 麻雀物として純粋に面白いかどうかと訊かれたら微妙なところですが……なんだかんだで阿知賀編がなかったら当方の麻雀に対する興味は燃え上がらなかったと思います(経緯としては、「ニコニコチャンネルで配信されていた阿知賀編を観る→GyaO!で第1期が無料配信されていることを知ってそちらも観る→原作を読み返したくなってくる→というか麻雀のルールもそろそろ理解しなければ、と『咲―saki―』ガイドブック『ラブじゃん マホちゃんの必殺技完成!』を買う→ドハマり」ってな感じ)。今後どういう展開へ赴くにせよ、「個人的に特別な麻雀アニメ」である事実はきっと変わらないでしょう。てか、そんなことよりポニキャは早く第1期の通常版BD-BOXを発売しろよ。嶺上開花BOXは高いしデカくて場所塞ぎだからスルーしました。

AXL、新作『Dolphin Divers』マスターアップ、そしてカウントダウン漫画スタート

 いつもだいたい発売一週間前にカウントダウン開始するから今日行けばいいだろう、と思ってアクセスしたら昨日開始だったという……見逃してしまったけど、一日目は『ヨルムンガンド』ネタだったそうです。そして二日目に当たる今日は『究極超人あ〜る』ネタ。これ、今エロゲーやってる世代に通じるんでしょうか? イイ感じに齢を重ねてきている当方ですら「面白いけど、ちょっとノリが古臭いなぁ」と思いながら読んだ記憶のある漫画です。最初は作品のテンションとこちらのテンションとに落差が生じてキツかったものの、慣れてくると「これがいい、いや、こうじゃないといけない」って気がしてきたものだ。OVAの廉価版も出ていますから、興味を持たれた方はそちらもどうぞ。

ニコニコチャンネルの「タツノコ劇場」で『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』全6話を無料配信、6月27日(水)15:00まで

 『The SoulTaker〜魂狩〜』のスピンオフとして始まったアニメですが、いろんな意味で本編をブッちぎった作品。「邪道魔法少女」の始まりを告げる一作でもあります。どう見てもあかほり○とるとしか思えないキャラが、突如作画崩壊し始めた本編に対して「ヤシガニ」と言い掛けるなど、全編危険なパロディだらけ。ひたすらやりたい放題であり、今観ても充分「ここまでやるとはすごい」と感心する内容です。ミルキィホームズみたいなカッ飛びギャグが好きな人は見逃すべきではない。個人的にはナベシンがちょこっとだけ出てきたところが嬉しかった。当方、「アニメキャラとしてのナベシン」が案外気に入っているのですよ。

・拍手レス。

 むこうぷちの誤字に思わず吹いたwwwwそして焼津さんが順調に麻雀にのめり込んでいるようでなによりです
 プチキャラ使って『咲日和』みたいな『むこうぷち』をきららあたりでやってくれたらそれはそれで嬉しいなって。

 刃牙は、無理な引き伸ばしによって「昔は面白かったのに」と言われる様になってしまった漫画、の典型ですよねぇ。同様の事態に陥ってるのの筆頭が、はじめの一歩だと思う。なんかもう、連載の内容から作者の苦悩が透けて見えるようだよ。
 はじめの一歩は飽きたわけじゃないけど、途中で何巻まで読んだか分からなくなってしまって脱落。「何巻まで読んだか分からなくなった」せいで挫折した漫画は結構多いです。

 麻雀漫画にハマっていらっしゃるようですが、ちょっと変わったところ(というと失礼でしょうか?)で、『かほりさん』とかいかがでしょう?
 麻雀のギャグ漫画とは珍しい。チェックしておきます。


2012-06-17.

・「対子(トイツ)とトイズって響きが似てるな」というだけの理由で『海底オペラ ミルキィホンイツ』を妄想するなどすっかり麻雀漬けの焼津です、こんばんは。ミルホン……どんな役か分からないがバカホンをも超越していきそうな予感がする。そしてアルセーヌさんは幻惑のトイツで手牌すべてを白の七対子にして天地創世(ビギニングオブザコスモス)で和了と。

 ここんところずっと麻雀漫画読むか麻雀ゲームをするかの二者択一ですっかり麻雀浸り、暇だったらもう一日中麻雀ゲーム打ち続けてもいいくらいの気分です。差し当たって『咲-Saki- Portable』を購入したけど、『むこうぶち』『天牌』『兎-野生の闘牌-』のゲームもあるのか。でもそのへんはやりたいかと言われると別に……『咲-Saki-』はアニメ版を全話観終わって、ゲームのキャラデザがアニメ準拠になっているからその流れでゲーム版もやりたくなったのであり、漫画しか読んでいない作品はゲーム版までプレーしたいとは特に思わない。「じゃあ、どんなのがやりたいんだ」と訊かれると……なんだろう。スーチーパイとかスーパーリアル麻雀とか、当時はすごくやりたかった(恥ずかしかったし麻雀のルールも知らないからできなかった)けど、さすがにもう今更って気がするなぁ。『ひぐらしの哭く頃に 雀』は興味あったけど、どうも四人打ちモードがないらしい。うーん、とりあえずゲーセン行ってアーケードの麻雀ゲーム探すか。

 で、ここしばらく読み耽っている麻雀漫画についての話。『凍牌』は際限なくエスカレートしていく暴力的な描写(対局中に切腹して臓物垂らしながら打牌とか、この漫画は『シグルイ』か)にいささかうんざりしたものの、第一部のクライマックスに当たる麻雀大会「竜凰位戦」を巡る激闘はなかなか白熱した。ラストは驚くのを通り越して笑ってしまう。「見せ場」を強く意識して丹念にストーリーを紡いでいる、という点では『咲―saki―』と一緒ですね。物騒さ、過激さを突き詰めた内容ゆえ、「バイオレンス物は苦手」という方には到底オススメしがたいが、チャンピオン系ブチキレ漫画がイケる口の人には推しておきたい。そして現在進行中の第二部『人柱篇』はしょっぱなからアクセル全開で度肝を抜かれること間違いなし。スピンオフの『ライオン』は比較的暴力描写が少なく、麻雀パートを楽しみたいならばこちらを選んだ方が宜しいかもしれません。が、あくまで「本編に比べれば」暴力描写が少ないという意味ですから、純粋に麻雀漫画を読みたいって人は他を当たるが吉です。闘牌描写が混じり気なしに面白いのはやはり『天牌』か。各人の打ち筋を非常に綿密なタッチで写し取っています。現時点であれ以上に息詰まる対局シーンを魅せる麻雀漫画はまだお目に掛かっていない。是非ともオススメしたい一作ではありますが、とにかく巻数が多くて「全巻読むがいい」とは言い辛い。本編は来月発売される新刊を含めて64冊、外伝は今月出る新刊含めて23冊、あと列伝というスピンオフ短編集も1冊あるみたいで、全部足すと88冊……始まった時期は『むこうぶち』と同じくらいなのに、すっさまじい量だ。『ONE PIECE』よりも後に始まった漫画なのに『ONE PIECE』の巻数を超えている、と書けばその凄さが伝わるだろうか。当方も今はコンビニ本の総集編を摘み読みしている程度です。いずれ本格的に取り掛かりたい。ところで鹿賀ミツルの『GAMBLER!』、主人公の名前が「勝」で頬にバッテン傷があるなんて……ひょっとして『ギャンブルッ!』の続編なのでしょうか、これは。まさか近麻に移っていたとは。2巻で打ち切りっぽく終わってますが、またどこかで続けるのかしら。

 今はあれこれと麻雀漫画を漁っているところですが、やはりジャンルがジャンルだけにコンビニ本が充実していて狙い目になっている。古本屋の中にはコンビニ本を投げ売りしているところもありますから、状態にこだわらなければ安く手軽に調達できる。『銀と金』の麻雀やってた回(誠京麻雀編)だけピンポイントで買えるのはありがたい。『むこうぶち』はコンビニ本だとタイトルが変わって『麻雀破壊神 傀』になっていますが、このセンスはぶっちゃけどんなもんだろう。破壊神って……『麻雀妖怪ゴブレイ』の方がまだしっくり来る。いっそシンプルに『雀妖傀』とか。傀さんは「御無礼」よりも牌を切るときに「ツツーッ」と滑らせるような音を立てるところがとても妖怪っぽい。

 さておき、いろいろあって迷った(某所で薦められた『反逆の麻雀 リスキーエッジ』はあいにく全巻揃いが見つからなかった)けど、題名が気に入って『麻雀バクチ列車!』を買ってみました。原作は『麻雀放浪記』らしい。『麻雀放浪記』か……麻雀漫画ばっかりに目が行っていたけど、あれも押さえておくべきか。昔マガジンでやっていた『哲也―雀聖と呼ばれた男―』がすごく長かったから原作も10冊とか平気で超えてるんだろうな……と思って調べたら、意外なことにたったの全4巻。えっ、そんなもんだったんですか。だったら読むしか手はない。麻雀小説と言ったら『病葉流れて』も読み返さないと。白川道の小説ということで麻雀のルールも知らずに読んでいました。最近『身を捨ててこそ』って続編も出たし、いい機会だ。

 余談。『アカギ』って『天』のスピンオフだったのですか……『天』の2巻を読んで始めて知りました(『アカギ』1巻は1992年発行、『天』2巻は1989年発行で、後半に老齢の赤木しげるが登場する)。『天』の方が先に連載を開始した事実は把握していましたが、てっきり『アカギ』で人気を集めた赤木しげるが『天』にゲスト出演する、みたいな形かと思っていた。へえ、こんな早くから出てきていたのか。つまり、『天』の登場人物である赤木しげるの読者人気が高かったため『アカギ』というスピンオフを開始したところ、大元である『天』よりも有名な作品になってしまったということか。スピンオフと言えば『アカギ』に登場する鷲巣巌の若き頃を描いた『ワシズ』や『天』に出てくるひろゆきを主役に据えた『HERO(ひろ)』などもありますね。『咲―saki―』の阿知賀編といい、『天牌』の外伝や列伝といい、『むこうぶち』の『EZAKI』といい、『凍牌』の『ライオン』といい、『兎―野性の闘牌―』の『シャモア』といい、麻雀漫画はなにげにスピンオフが多いなぁ。

『咲-saki-』の魅力とはなんなのか(ゴールデンタイムズ)

 改めて全巻読み返し、魅力として感じたのは「爽やかさ」。他の麻雀漫画はヤクザの代打ち同士が鎬を削る話だったり、大金や生命を賭けて行うギャンブルだったり、どことなくアブない雰囲気を孕んだものが多く、その「アブなさ」が作品を盛り上げる要素にはなっていましたが、どうにも殺伐たる印象を拭い去ることができなかった。敗者が破滅してしまう作品もあるし、破滅は免れても禍根が残ってしまって再戦する際「復讐」みたいなニュアンスを漂わせてしまう。『咲―saki―』はギャンブル要素を排し、女子高生たちが全力で頑張る競技としてのイメージを徹底的に構築したおかげで「勝者がいれば敗者も生まれる」という残酷な現実を描きつつも禍根を残さずに戦い合った者同士が笑い合える、そんな清々しい場面を描き出すことに成功しています。一方で読者を退屈させぬよう、過剰なほど演出に工夫を凝らし、丁寧にキャラを立てていく、という漫画的な努力も決して怠らない。麻雀漫画として読むと、ところどころ闘牌シーンが端折られているせいでしばしば物足りなさを覚えますが、「見せ場」を意識した話作りによってうまく不満を抑えてくれる。全体のパランスが良く、またここぞというシーンではハッタリ混じりでしっかりとキメる、メリハリの利いた筆運びで再読に耐える内容へ仕上げています。薄暗さナシで爽やかに白熱させてくれる麻雀漫画。一言でまとめると「異端の優等生」ですね。

 『咲―saki―』で麻雀に興味を抱いた方は是非とも当方みたいにいろんな麻雀漫画に手を付けてほしい。オーソドックスな選択肢としては福本伸行の『アカギ』。『咲―saki―』に先駆けて(念のため申し上げますが、駄洒落のつもりではない)アニメ化を果たした有名作品であり、調べたところによると『アカギ』のアニメをやっている最中に『咲―saki―』の連載が始まったみたいだ。たぶん、『アカギ』がなければ『咲―saki―』のアニメ化はなかったか、あったとしても随分遅れていたことでしょう。アニメは原作の途中(確か13巻あたり)で終わっているため消化不良気味ながら、アニメとしての出来はいいから原作を揃える前にまずDVDで鑑賞してみる、ってのも一つの手です。その次は『兎―野性の闘牌―』くらいかな。『咲―saki―』に先駆けて(くどいようですが、駄洒落のつもりではない)麻雀対決に能力バトルめいた展開を盛り込んだ一作です。主人公の少年・武田俊、コードネーム「兎」は危険察知能力――「どれが他家の当たり牌か」を本能的に読み取る力を持っている。そいつを駆使し、様々な特徴を持った人物たちを相手に打ち回していく。劇画の流れを汲む絵柄だから萌え漫画好きに訴えかけるパワーは弱いやもしれませんが、いわゆる劇画的な荒々しさは少なく、さらっと乾いた白さが際立つ綺麗な画面でムードを引き締めて、滑らかにリーダビリティを高めています。打ち手も女子高生や女子中学生がいる一方、渋い野郎やゴツい野郎もいる。作者が遅筆らしくてなかなか新刊が出ず、1996年連載開始作品の割に既刊が13冊という驚きの少なさですけれど、『咲―saki―』も休載が多い作品だから『咲―saki―』に付き合える人なら『兎』にも付き合えるでしょう、たぶん。当方がとてもとても気に入っている『凍牌』は暴力的なのとケレン味が利きすぎているのとでオススメするには迷う。逆にケレン味利いてるのが大好き、とおっしゃる方は『バード』など如何かしら。『ギャンブルフィッシュ』のコンビによる超絶イカサマ麻雀コミック。ほぼ全編に渡ってイカサマ技の応酬が綴られており、仕舞いには「そこまでやるか……!」と呻いて絶句すること間違いなし。全2巻と冊数は少ないが短く濃厚にまとまっています。来月には続編も出る。今度の対戦相手は「雀界天使」らしいが、はてさてどんな相手なんだろう。

チャンピオン連載『範馬刃牙』あと10回以内で終了(萌えオタニュース速報)

 現在は刃牙と勇次郎の親子対決をやっているところで、これが終わったらもう描くことないよな……と感じていただけに納得の行く話ではある。と言っても単なる仕切り直しで、間を空けて再開するつもりだろうな、というのがファンたちの読み。烈ボクシング編の続きからリスタートか? ちなみに当方、『グラップラー刃牙』の頃は文句なく好きでした。最初から最後までまったく退屈しなかったし、何度も何度も読み返して充足させてもらいましたが、『バキ』の途中で呆れて熱が冷めてきましたね。具体的には最凶死刑囚編のドリアン戦が決着したあたりから。末堂という非常に懐かしいキャラが出てきてドリアンと闘う場面(遊園地のあたり)までは虚心に楽しんでいましたが、神心会メンバーとのバトルがうまく終わらず、最後はなぜか出てきた烈海王(ドリアンとは同門だから対決できない、と言って一度退いている)がドリアンを敗北させて、そのとき受けたショックによりドリアンは幼児退行する――というグチャグチャな展開を目の当たりにして「なんか話が途方もなく迷走してきたな」と感じたのがキッカケでした。もともと迷走気味ではあったけど、それが極端に著しくなったと申しますか、「遂に一線越えてしまった」感が勃然と湧き上がってきた次第。擂台賽編で攻めの消力(シャオリー)がどうのこうの、と言い出した時点で本格的に「もうダメだ」と諦めて連載追うのやめてしまった。擂台賽が終わった後に登場したアライJr.は「ああ、そんなキャラいたっけ」とついさっきまで存在ごと忘却していたレベルです。かくして巨大カマキリ相手にリアルシャドーしたり、恐竜時代に存在していた最古の牡が塩漬けから甦ったりする『範馬刃牙』は「気が向いたら読む」という位置付けの漫画に。ここ数年はずっと格闘漫画ってよりもギャグ漫画に近い状態でした。「ギャグ漫画そのもの」と語る人もいます。しかし、なんだかんだで合計100巻突破のコミックスを読み抜いてきた当方だ。こうなったらもう最後まで付き合う所存。

『快楽天ビースト7月号』の記事を読んでいたら「遊佐志朗」という名前の漫画家がいて思わず二度見。ユサシロー、こんなところに……「女の下でセックスの解説なんかしてる男は、死んでいいだろ」と言いながら、卑猥な原稿に吼えペン並みの熱さで筆を走らせる司狼の姿を想像してしまった。よく考えるとあいつインポだからセックスに対する執着はなさそうだが。漫画家漫画と言えば最近は『マンけん。』が面白い。「主要登場人物がほぼすべて女子高生」ということから萌え作品のように見えますが、意外と熱血系で燃えます。基本は友情ストーリーだが百合として読めなくもない。熱血系微百合、未読の方は機会があるときにチェックをしてみてはいかがだろうか。百合と言えば『百合男子』の2巻もそろそろ出ますな。「百合」がテーマなのに男が主人公という異形のコミック。倉田嘘の画力が卓越しているだけに異様さは弥増すばかりです。ちなみに百合漫画家は乙ひよりが好きです。新刊出ないかな。

・拍手レス。

 コミックの発売予定リストの管理でしたら、新刊.netを使ってみたらいかがでしょう?アマゾンに登録されないと連絡来ないのが多少難ですが、結構重宝してます。
 新刊.netですか、調べてみます。

 けれん味のある劇場タイプの麻雀漫画が好みでしたら、兎ー野生の闘牌をおすすめしておきます。セリフセンスとキャラの魅力では麻雀漫画界屈指かとおもっています
 兎は高校生の頃にクラスメートから薦められて読んだ思い出の一作。ここ数年読んでなかったけど、まさかまだ完結してなかったとは……。

 ディエスをやっていてこそ真価を発揮する、という話を聞いてたから雰囲気的にストライクだった神呪もあえて見送り、コンシューマ版が出るからこれを機に両方プレイしようか、と思っていたのだが。なんか情報を見てると、コンシューマ版は神呪をやってるとニヤリとできる演出が幾つもあるんだとか。……どないすればええねん。というか商法がずるいよ
 Diesや神咒は内容が濃くて一度クリアしただけでは情報を咀嚼し切れない、つまり「繰り返しプレーすること」が前提のゲームですから、正直どういう順番でやってもハマれば結局また頭からやり直すことになります。どうあがいても再プレー必須。


2012-06-10.

・麻雀漫画はいくつか読んでみましたが、個人的にグッと来たのが『凍牌』だった焼津です、こんばんは。

 昼は学校に通い、夜は裏レートの雀荘で荒稼ぎしている少年・ケイ、通称「氷のK」。冷徹極まりない打牌でカモを毟っていく彼は「自宅で少女を飼っている」とも噂されていた……という話。正直1巻を読んだ時点ではあまり面白いとは思わなかった。主人公の決め台詞「凍死」や「はい凍死」もちょっとわざとらしくて浮いていましたし。けど、2巻に入ってからの展開がハチャメチャで盛り上がってきます。ハチャメチャというか、ムチャクチャですね。死に掛けの状態で銃突きつけられて麻雀打たされるとか、「麻雀やってる場合じゃないだろう!」とツッコミたくなるシーンが次から次へとやってくる。吸血麻雀ならぬ流血麻雀。肝心の闘牌にしても「国士ツモ? そんなゴミ手を和了(アガ)る堂嶋じゃねえ!!」と吼え、せっかくツモったにも関わらず有効牌を捨てオープンリーチで国士無双十三面待ちに突入するなど、実にハッタリの利いた奇想天外ぶり。『アカギ』よりも『ムダヅモ無き改革』に通ずるモノを感じます。暴力的かつケレン味が強いせいで「麻雀漫画」と言うより「麻雀を題材にしたバイオレンス漫画」って気がしますが、とりあえず全巻集めて読んでみようと決心しました。12巻で第一部終了となり、現在は第二部『人柱篇』を連載中の模様。「なにこの麻雀漫画とは思えない不吉なタイトル……」と、書店の新刊コーナーで見かけて以来ずっと気になっていたんですよね。察するに人命を点棒代わりとして打つんだろうか? また堂嶋というキャラを主役に据えたスピンオフ『牌王伝説ライオン』もあるので、そちらも忘れずに査収しておきたいです。

深夜ドラマ『家族八景 Nanase, Telepathy Girl's Ballad』、つい先日からDVD-BOXとBD-BOXを発売開始

 amazonから「是非とも買ってくれ」という趣旨のメールが届くまで存在自体を知覚していませんでした……まさかドラマ化していたとは。いや、小耳に挟んだ気もするけどあまり強く記憶に残っていない。深夜ドラマは番宣などの露出が少ないので、いつの間にか始まっていて気づくと終わってるんですよね。さておき、原作となる『家族八景』は筒井康隆の小説で、単行本の発行は1972年。40年も前の作品です。刊行当時から評価は高く、直木賞の候補作にも選ばれましたが、受賞は逸しました。人の心を読んでしまう感応体質の女性・火田七瀬があっちこっちのお宅に家政婦として呼ばれ、そこで働きながら毎度毎度厄介事に巻き込まれていく……という体裁のホーム・ドラマ。作者が筒井だけあってブラックな要素やエロティックな要素も多く、七瀬が襲われそうになる場面も。最終的に七瀬は家政婦をやめるんですが、話自体は継続していきます。第2弾は『七瀬ふたたび』、第3弾は『エディプスの恋人』。これらすべてを合わせて“七瀬三部作”と称される機会が多い。『七瀬ふたたび』は何度か映像化されていますが、シリーズ完結編のエディプスは確か一度も映像化されていなかったは ず。『七瀬ふたたび』からサイキック・バトルの様相が濃くなり、70年代のSFらしく破滅的なラストを迎える……という評を聞いて、『家族八景』で七瀬が好きになった当方(読んだ当時は高校生だった)、破滅的なエンディングを見たくないばかりに『七瀬ふたたび』や『エディプスの恋人』は読みませんでした。が、さすがにもういいでしょう。このドラマ化を契機に積読を崩してしまおうではないか。

 にしても、なぜ今になって『家族八景』がドラマ化されたんだろう。あれか? 『家政婦のヒタ』ってネタをやりたかったのか? ちなみに読心能力者というと、当方の世代では『NIGHT HEAD』が懐かしい。これも深夜ドラマで、90年代前半に放送。今だと海外ドラマの『SUPERNATURAL』あたりが比較対象に持ち上がるかな。豊川悦司と武田真治が超能力者兄弟を演じており、兄のトヨエツがサイコキネシス(念動力、手を触れずに対象を動かしたり破壊したりする)で弟のタケシンがリーディング(読心能力)の持ち主だった。役名は霧原直人と霧原直也。深夜ドラマとしては異例な高人気で、ゴールデンの時間帯に流されるバラエティ番組でパロディ寸劇をやられるほどでした。当方はそっちをキッカケにして知った。CLAMPが挿絵を手掛けた小説版も売れまくり、普段小説を読まないクラスメートまで熱心に読み込んだくらい。売れまくった反動で、一時期はどこのブックオフに行っても100円コーナーで牢名主と化していましたね。牢名主というか、牢名主が尻を乗せる畳みたいな積まれっぷり。映画化を最後にドラマの展開は終わったものの、何年か前にはアニメ版まで制作されたっけ。あれのせいで未だに「兄さん!」と聞くとハガレンのアルフォンスよりも武田真治を連想してしまう。

昔読んでた、小林めぐみの必殺お捜し人みたいな気を抜いて読めるファンタジーが読みたい あんまり殺伐としてない冒険物っぽいの(ぶく速)

 “必殺お捜し人”は好きだったなぁ。復刊されていないし、もう完全に忘れられた作品となっていますが。90年代後半に刊行されていたライトノベルで、全9巻。小林めぐみ最長のシリーズです。ノリは少年探偵団とかああいう路線ですが、読者を飽きさせないよう一作ごとに趣向を変えるなど工夫を凝らしている。ただ、逆に言うと毎回毎回趣向が変わるせいで「シリーズ全作一貫して面白い」ってふうにはならなかった。これとこれはアリだけど、あれはちょっと……みたいに好みの分かれる部分があったり。個人的にベストと感じたのが6冊目である『勇者の聖戦』。全体としては過不足なくまとまっている良シリーズですから、もし古本屋等で全巻揃いを見つけたら一気通貫購入することをオススメします。もう現在のライトノベル市場はこういうタイプが売れなくなっていますから、探すとしたらジュヴナイル(児童文学)方面が有望ですね。コルネーリア・フンケの『どろぼうの神さま』とか。ジュヴナイルはなかなかの金鉱であり、掘り当てるとかなりの嬉しさが込み上げてきます。

虚淵玄氏「アルティメットまどかが商品名にまでなってしまった・・・もうちょっと他に命名なかったもんかと忸怩たるモノがなくも、ない。」(萌えオタニュース速報)

 てっきり「アルティメットまどか」は通称で、予約開始時にマミさん考案っぽい小洒落た正式名称を発表するものとばかり思い込んでいました。まさか本当にアルティメットまどかで押し通すとは……「御無礼、採用しました」とグッスマ関係者が『むこうぶち』の傀みたいな顔で虚淵に告げている光景を想像したりしなかったり。あと虚淵のツイッター見てたら海法紀光が「遙かなる時の最果てからいつもニコニコあなたの隣に這い寄るまどか!」ってコメントしてて笑った。仮面ライダーの変身ポーズをするアルティメットまどかが脳裏に浮かんでしまったではないですか。

『境界線上のホライゾン PORTABLE』公式サイト開設設定資料集『境界線上のホライゾン ENCYCLOPEDIA』発売決定

 限定版が税込で10479円のゲームとちょっきり1万円の設定資料集……合わせて2万円ちょい。川上儲の財布からおゼゼを本格的に搾り取るつもりか。設定資料集は高額ということもあって一般書店では販売されないようです。例によって電撃屋での発売。川上稔関連の商品は電撃屋やぱちぱち屋を使わないと手に入らないものもありますから、既存のファンは恐らく登録済みであろうと思われます。予約締切まで2ヶ月くらいの猶予があるものの、早めに決断して予約しておかないとうっかり忘れて期限が過ぎてしまいかねません。買うにしろ買わないにしろ、今月中か来月くらいまでには心をハッキリさせておきましょう。念願の設定資料集ゆえ、当方は無論買うつもりですが。ゲームはどうしようかな。うーん、もう少し様子見で。

・拍手レス。

 宇宙大帝ギンガサンダーの冒険は発売されたの全然知らなくて、某お絵かき掲示板で発売記念と称して水上絵描いてる人が居てはじめて知りましたよ。買い逃すとこだったよ。あぶねぇ。そういえば戦国妖狐も何回か買い逃したな。新刊が出た時買って、間が抜けてることに気づいて慌てて本屋に、なんて事を2回ほど……。水上悟志に限らず意識してないと本屋で平積みされてても頭が認識しないんですよね。
 毎月コミックの発売予定リストはチェックしているんですが、なにぶん出版数が膨大なので、どうしても何冊かはチェック漏れしてしまう。以前はbk1 express(作家名など特定のキーワードを登録しておくと、キーワードに一致する新刊の情報をメールで送ってくる機能)がチェック漏れを防いでくれていましたけど、bk1がhontoと合併してからexpressのメールが来なくなって今は漏れ漏れ状態です。

 レイ・ブラッドベリが亡くなったことを知りませんでした。間違いなく巨匠と呼ぶべき作家だったのに…日本ではあまり大きく報道されなかったせいか、それともあまりニュースを見ていなかった自分のせいか。いずれにせよ、悲しいことです。どうか安らかに
 自分が知った頃にはまだ存命だった作家たちが次々と亡くなっていく日々に胸を塞がれます。誰であれ名前を目にする際は、訃報ではなく新刊情報であって欲しいと願う。

 妖怪御無礼ことむこうぶちは、お漏らしどころかタマとったり除霊までしたりと敗者の描写は一級品ですぜ。萌えキャラはムサいおっさんばっかで、女性に関しては・・・お察しください
 『むこうぶち』はオッサンがオッサンらしく描けていて好きです。「御無礼」は真似したくなるけど実際にやったら殴られそう


2012-06-07.

・麻雀のルールが分かってきたおかげで『咲―saki―』の再読が楽しくて仕方ない焼津です、こんばんは。改めて読み返すと、鹿老渡(かろうと、広島県の代表校)所属の佐々野いちごが途轍もなく可愛いことに気づく。麻雀のルール微塵も関係ねぇ。阿知賀編の安福といい、『咲―saki―』に登場するキャラは高めへ振り込んでしまったときに見せるショック満載の半泣き表情や絶望顔がたいへん素晴らしい。特に安福のガクガク震えながら漏らす「あっあっあぁ……っ」はゾクゾクしました。放銃可愛いよ安福。ほーちゃーん! ほ、ほーっ、ホアアーッ!! ホアーッ!!

 話がズレすぎたので軌道を戻そう。自分自身は牌を見ても何待ちなのか咄嗟に判断できないヘボ初心者ながら、解説込みで読むと闘牌の流れが分かる分かる。雰囲気だけで楽しんでいた『アカギ』も最初から味わい直したくなってレンタル屋でDVD借りてきました。あとカイジは「17歩編」が麻雀牌を使ったゲームということで敬遠して堕天録からは全然読んでいなかったけれど、もう敬遠する理由がなくなったので和也編もろとも一括購入。17歩編はちょうどコンビニ本(作りはチープだが、そのぶん値段に対してページ数が多いお得な廉価本。主にコンビニで売られているためこの名で呼ばれている)がアンコール刊行と称して復刻されていたので助かった。コンビニ本は「一度に大量生産し、短期間で売り切る」というスタイルが基本だから、ほとんどの場合において増刷されることはなく、時期を逃すとすぐ品切れになってしまう。割と一期一会な代物です。さておき、17歩編。無気力のまま美心と戯れる序盤で挫けそうになりましたが、そこを抜ければ一気呵成に読み切ってしまった。麻雀のルールを知ったうえで味わうと駆け引きの意図も飲み込みやすいです。ただ、対戦相手の手牌や待ちを絞り込もうとする描写がだんだんくどくなっていくこともあり、単行本を1巻ずつ読んでいると痺れを切らしそうな内容ではある。随分と着手が遅れてしまったにせよ、まとめて読んで正解だったか。感想をひと言でまとめると「社長のキモさが印象的だけど、それはそれとして高レートの麻雀に負けた可愛い子がおしっこ漏らしてへたり込む漫画読みたいなぁ」でした。

 他にも気になる麻雀漫画はまだまだいっぱいあります。『天』『天牌』『むこうぶち』『凍牌』……『アカギ』と関連していて完結済みの『天』は揃えるつもりですが、それ以外は冊数が多いこともあり、到底すべてをまとめ買いすることなどできそうにありません。『天牌』と『むこうぶち』だけで軽く100冊を超える。それぞれ1、2冊くらいつまみ読みして好みの麻雀漫画を集めるとしよう。

 ああ、そうそう、意外に知られていませんが、ライトノベルにも麻雀物はあります。『アスカ―麻雀餓狼伝―』『ナナヲ・チートイツ』など。両方とも続刊が出ないところを見るに、あまり売れなかったんでしょうか。この2冊はわざわざ購うまでもない、既に作家買いして部屋のどこにか積読中。問題はどこに置いてるか、ですが……探そう。

・水上悟志が『宇宙大帝ギンガサンダーの冒険』『エンジェルお悩み相談所 新装版』を出していたことをすっかり見落としていた当方、ファン失格。今「見落としていた」を「見通していた」とタイプミスしそうになって慌てた。意味全然違ってくるわ。

 さておき、『宇宙大帝ギンガサンダーの冒険』は『げこげこ』『ぴよぴよ』に続く第3短編集です。読切作品を中心に組んでいますが、作者の代表作である『惑星のさみだれ』(全10巻)の後日談を含んでいることもあり、あまり新規向けの内容ではない。水上悟志の作品を読んだことがない、という方は後回しにするが吉です。そこに来ると『エンジェルお悩み相談所』は入り口として最適。記憶曖昧ながら、確か当方もさみだれよりこっちを先に読んだような気がする。天使がお悩み相談を受け付ける――という、そのまんま過ぎると申しますかケレン味が少ない内容のせいでちょっと地味な印象を受けますけれど、「へえ、水上悟志ってこんな作風なのか」と理解するにはうってつけの一冊です。明るくコミカルでさばさばとしたコメディ、のようでいてどこかヒネくれている。必ず「お約束」からズレたところに話を持っていこうとする、その割に芯となる部分では歪みのない真っ直ぐな意志を保っている。読み心地も良く、一冊読むともう一冊、それも読み終わると更に一冊……とドンドン読みたくなること請け合いであり、この人の本に関してはどーんとまとめ買いした方が宜しい。当方が始めて水上作品を読んだのは『惑星のさみだれ』の4巻や『サイコスタッフ』が出る少し前の頃合でしたが、翌月にはもう既刊を全部揃えていましたね。正直『散人左道』や『げこげこ』は初期作すぎて今見ると物足りないところもあるにせよ、後の作品群と繋がりがあるから絶版したままってのは好ましくない。是非これらも新装版で発売してほしいものだ。現在雑誌では新連載が始まっているし、そちらが大きくヒットかませば叶うやもしれぬ。ちなみに『エンジェルお悩み相談所』の新装版が旧装版と違うところは描き下ろしの表紙と、「雑誌掲載時にカラーページだった冒頭をそのままカラーで収録していること」、らしい。あれ? 当方の記憶では旧装版もカラーで収録されていたように思うけど錯覚だったか……あるいは脳内で勝手に補正を掛けていたのかも。たまにあるんですよね、記憶では鮮やかな総天然色なのに、いざ現物を読み返してみるとモノクロってパターン。最近は己の脳味噌があまり信用できなくなってきました。

井上淳哉『BTOOOM!』TVアニメ化決定!監督:渡邉こと乃 脚本:黒田洋介 制作:マッドハウス(萌えオタニュース速報)

 ひと言で要約すると「リアルボンバーマン」です。孤島に集められた「プレーヤー」たちが様々な爆弾を駆使して殺し合う、デスゲーム色の濃い残虐サスペンス。参加者たちは生き残るため時に協力し合い、時に物資と戦果を巡って出し抜き合う。そんな愛と裏切りのバトルロイヤル的な状況がずーっと続く。アニメはオリジナル展開で畳むか、話の途中で「何が何でも生き抜いてみせる……!」と決意して終わりか、たぶん二つに一つでしょう。原作がキリのいいところまで行ってないんですよね。面白いけれど、とにかく進行が遅い。一応「条件を満たしたプレーヤーは島から脱出できる」というルールはあるものの、まだ主人公が脱出の目処を立てる段階には達していません。もし原作を読まれるのであれば「完結してからまとめ買いして一気読み」というコースをオススメしたい。

R・ブラッドベリ氏が死去 米SF小説の巨匠(日本経済新聞)

 日本ではつい先日『ブラッドベリ、自作を語る』が発売されたばかりだというのに……SF作家というイメージの強い方ながら、ミステリやハードボイルドの作品も手掛けています。「ブラッドベリ初期ミステリ短篇集」と銘打たれた『お菓子の髑髏』は先月に刊行されたばかりだから入手しやすい。ちなみにこれ、以前に徳間文庫から出ていた『悪夢のカーニバル』という短編集のタイトルを変えただけなので、そちらを既に所有している人はご注意を。ハードボイルドで有名なのは『死ぬときはひとりぼっち』か。ブラッドベリ好きの作家が引用したこともあって個人的に印象深い一冊。でもやはり、ブラッドベリの肩書きは「SF作家」をおいて他にないか。どうぞ安らかに。

・拍手レス。

 エロゲのライターってそんなに儲からないのか。タカヒロとか幾ら儲けてるんだろう。 声優とかも労力と報酬が見合わない、とかって話を聞いたことがあるし、スポットライトが当たってるようで意外とそうでもないのか、オタク産業界。
 外注ライターか社員ライターか、契約の形にも拠るそうですが。オタク産業は昔から概ね苦しい状態が継続していますけど、他の産業がもっと苦しくなっているせいか、相対的に活況を呈しているように映る罠。

 ドン観音寺は重要キャラとかそんなんじゃない、はず。自分もストーリー正確に追えなくなって久しいけど。ただまあ成田好みのキャラではあるんじゃないかな。ギャグとヒーローの両立というか。『世界を守る死神たちの活躍』より、
 途中送信してしまった…・・・ 。『世界を守る死神たちの活躍』より、『町を守るために走り回る道化者ヒーロー』の方が成田良吾の筆致に合うと思う。

 まだ読んでないけどブリーチの小説版はなかなか良さげな評判であり期待が持てます。本気でドン観音寺が大活躍するそうな。


2012-06-01.

・最近読んだ中で面白かったのは『囚人リク(1〜5)』『最底辺の男(1)』です、といきなり漫画の話題を切り出す焼津です、こんばんは。

 『囚人リク』は“週刊少年チャンピオン”で連載中の漫画。栗田陸という回文名前の少年が主人公で、「親代わりの警官を殺害した容疑」で逮捕され、タイトル通り囚人として監獄に放り込まれるのですが、実は冤罪で……ってなストーリーになっています。リクの目的はふたつ、監獄から脱出すること、そして殺された恩人の仇を取ること。真犯人は最初から分かっています(何せリクは恩人が殺される現場に居合わせていた)から謎解きとか推理とかの要素はなく、当面は「脱獄」を目指して話が進展していくことになる。しかし、舞台は隕石被害によって東京が壊滅してしまったディストピア的な未来の日本。増加する一方の凶悪な少年犯罪者たちを押し込める監獄孤島はアルカトラズ並みの堅牢さを誇っている。そのうえ、監獄内では弱肉強食、強いものが弱いものを屈服させ従える「力こそすべて」という世界観に支配されています。プチ世紀末ワールドです。脱獄よりもまずは生き延びることが先決。この漫画の面白さは、主人公が腕力も技術もない単なる丸腰の少年で、ほぼ根性と「暴力への嫌悪感」のみで立ちはだかる様々な事態にブチ当たっていくところ。ボコボコにされて、ボロボロになって、それでも暴力を嫌い抜く。屈服もしなければ羨望もしない。身は虜であっても、心は囚われていない。そんなリクに感化された少年犯罪者たちが、暴力に囚われることや血で血を洗う抗争に明け暮れること、弱肉強食という強迫観念に溺れることから少しずつ解き放たれていく。平たく申せば「序盤は仲間作り」ってことなんですが、そういう泥臭くてクサい部分をしっかり描いているのはいかにもチャンピオンの漫画だなぁ、と感心させられます。これは『バチバチ』『弱虫ペダル』と並ぶ傑作になるやもしれんね。もうすぐ6巻が発売されるし、楽しみだ。

 『最底辺の男』は『死神様に最期のお願いを』(面白かったのに打ち切られてしまった……)を描いた山口ミコトの新作。前作で見せ付けた途中下車不可能のアクロバティックなジェットコースター・サスペンスぶりは健在です。キモいデブの主人公が盗品とおぼしきパンツをスーハースーハークンカクンカする冒頭こそキツいものの、「来るはずのない転校生」がやってきたところから物語は怒涛の進撃を開始する。「えっ?」とか「は?」とか、驚愕と絶句の連打。ネタバレなしで解説することが難しく、また現状では情報が出揃っていないため「どんな話なのか」を要約することができませんが……ちょっとネタバレ気味に書きますと、つまりボディ・スナッチャー系のホラーサスペンスです。言わずと知れた『盗まれた街』。60年近く前の作品ながら、4度に渡って映画化された実績があるだけに、この設定は今見ても怖い。一種のカプグラ症候群的な悪夢を描いているわけですが、皮肉なのはすり替わる人間が「最底辺」ばかりだから周りの人たちはオリジナルよりも替え玉の方を好ましく思うという状況。原典とはまた異なる不気味さを追求していく模様です。表紙でヒいちゃっている人も、試しに読んでみては如何?

light、これまで発売したソフト12本のアクティベーション認証解除パッチを配布

 来たか。早速ファーブラ(正確に書けばアペンド版のScharlachrot Grun)のパッチをダウンロードしてきました。適用すると起動がちょっと……いや、かなり早くなった。認証のためか、以前は数秒のラグがあったんですよ。それがほとんどなくなり、ほぼ一瞬で立ち上がります。繰り返し何度もプレーするとなると、たった数秒であっても起動ラグがあるのは結構ストレス溜まるんですよね。ようやく小さなイライラから解放されました。この調子でパラロスと神咒のパッチも当てようとしたが、そういえばこのふたつはまだID登録してなかった……アクチ解除パッチをダウンロードするには、専用のIDログインページに入らないといけません。2004年発売の『Dear My Friend』以降、lightの製品には「ユーザーIDカード」というものが同梱されていて、これがないとプレーできないってわけじゃないんですが、購入ユーザー限定の壁紙や公式AS(アナザーストーリー)といったダウンロードコンテンツを入手するためにはカードの情報を打ち込んでIDを登録・取得しないといけません(製品同梱のカードに書かれているIDは「ユーザーID」、それを登録して取得したIDは「light ID」と呼んで区別します。ダウンロード版の場合は「プロダクトID」がユーザーIDに相当する模様)。まあ、最近はダウンロードコンテンツとかあんまり作ってないみたいですけどね。ユーザーIDの登録はソフトごとに必要で、たとえばあるソフトを購入してユーザーIDを登録し、light IDを取得してログインページに入れるようになっても、買ったソフト以外のダウンロードコンテンツを落とすことはできない。ユーザーIDは無論固定というか固有のものですが、light IDとパスワードは任意のものを登録することが可能。ここで気を付けたいのは、「ソフトごとに異なるlight IDを登録してしまう」というミスを犯さないこと。light IDを一本化しておかないと、今回みたいなときにいちいち何度もログインし直すハメになります。2度目以降の際は一旦ログインしてから登録した方が宜しいです。

『マルドゥック・スクランブル』ハリウッドで実写映画化(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 マルスクのみならず『時砂の王』まで映画化権取得に向け交渉中かよ。最近のハリウッドは本当に節操がないな。『時砂の王』は遥か未来の世界からやってきたメッセンジャーが若き日の卑弥呼と邂逅する時間SFで、壮大なストーリーの割に300ページ足らずというコンパクトな分量にまとまっている作品です。小川一水の代表作は大長編が多く、「読み通すのに骨が折れそう」と怯まれるので、最初の入り口としてはちょうどいいかも。実際に読み出すとどれもすぐに夢中になって読み耽っちゃうんですけどね。まー『時砂の王』はともかくとして、問題はマルドゥック・スクランブル。ハリウッド映画は意外と倫理規定が厳しいから、バロットの「少女娼婦」という設定が引っ掛かりそう。下手すると「客に殺されそうになったところをウフコックたちに救われる」って冒頭が「単なる交通事故」に変えられるかもしれない。車内で瀕死の重態に陥った少女のところに不思議なネズミがやってきて、潜在意識へ問い掛ける。「きみの願いはなんだい?」「たす……けて……」「その願いはきみにとって魂を差し出すに足るものかい?」 ……マミさんとQBじゃねぇか! 緊急法令「マルドゥック・スクランブル-09」による保護は魔法少女の契約と被らなくもない。正直、例によって例の如く「映画化権だけ取得しといて映画は作らない」ってパターンだろうな、って思います。ハリウッドの映画化権取引は半ば投機ビジネスと化していて、あっちこっちに権利を転がしては利鞘を稼いでいるそうな。もう完全に時期を逸したような作品でも平然と権利の転売が行われる観客無用の伏魔殿らしい。そして時々何かの手違いで「なぜ今更になってこれを?」と関係者一同首を傾げるような作品が本当に映画化されてしまう罠。

『小悪魔ティーリと救世主!?』MF文庫J7月刊に衣笠彰梧新作(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 おおう、遂に衣笠トモセのコンビがライトノベル界に殴り込みか。ポジションとしては『101番目の百物語』のサイトウ涼香コンビがいるあたりを目指していくのだろうかな。でもぶっちゃけ衣笠はテキストがうまいライターではないと申しますか、ライトノベルというフォーマットは向かない気がしないでもない。そんなこと言ったらヤマグチノボルだってあまりライトノベル向きではなかったがどうにか適応したわけで、衣笠も粘り次第か。それにしても、ここんところ『こんぼく麻雀』ばっかやってるせいか、こんぼく時代の衣笠テキストが懐かしく思われて仕方ない。ああ、もっぺん頭からこんぼくやり直したくなってきたな。

・今月の予定。

(本/小説)

 『BLEACH Spirits Are Forever With You(1〜2)』/久保帯人、成田良悟(集英社)
 『追撃の森』/ジェフリー・ディーヴァー(文藝春秋)
 『大尾行』/両角長彦(光文社)
 『ジロンド派の興亡』/佐藤賢一(集英社)
 『星を撃ち墜とす』/友桐夏(東京創元社)

(本/漫画)

 『ちょっとかわいいアイアンメイデン(1)』/深見真、a-AlfLyra(角川書店)
 『地獄ニート』/林家志弦(コアマガジン)
 『父とヒゲゴリラと私(1)』/小池定路(竹書房)
 『はるまげ(1)』/なにわ小吉(小学館)
 『咲―Saki―(10)』/小林立(スクウェア・エニックス)

 文庫化情報。唐辺葉介のデビュー作『PSYCHE』が星海社より文庫化されます。元はスクウェア・エニックス・ノベルズという辺境のレーベルでひっそりと発売された作品。ごく一部の人々の間でしか話題にならず、その後唐辺がスクエニから切られてしまった(3作目として『暗い部屋』を上梓する予定だったが、「社内の倫理規定が変わった」と一方的に通告されて刊行中止に。結局『暗い部屋』は同人ソフトに近い形で電子ノベルとして頒布された)ため、ほとんど忘れられた形になっていましたが、去年星海社に拾われたことで再評価の機運が高まってきました。再刊が決まるまではプレミア価格が付いていたそうです。内容は幻想小説の一種で、ストーリーよりも雰囲気を楽しむタイプ。当方の感想はこちらですので気になる人は御参考にどうぞ。しかし唐辺葉介と言えば『電気サーカス』(“週刊アスキー”連載作品)はまだまとまらないんだろうか……連載開始からそろそろ一年が経ちますが、はて。ほか、日本ではマイナーだけど本国ではドラマ化されている人気ファンタジー“氷と炎の歌”第2弾『王狼たちの戦旗』の改訂新版(固有名詞等を新しいバージョンに切り換えただけで、基本的な訳は旧来のまま)や、小野不由美の“十二国記”シリーズの新装版『魔性の子』と『月の影 影の海(上・下)』は「“氷と炎の歌”とか“十二国記”ってまだ読んだことないな」って人へオススメ。是非この機会にどうぞ。個人的に嬉しいのは『明治断頭台』復刊か。これもずっと買い逃していたんですよね。あとはアニメ化されて既刊が売れまくっているという“古典部”シリーズ(現在は『氷菓』のシリーズ、と言った方が通りが良いだろうか)の最新作『ふたりの距離の概算』も文庫化します。シリーズ通算5冊目。アニメはこのエピソードもやるのかな?

 『BLEACH Spirits Are Forever With You(1〜2)』は漫画『BLEACH』のノベライズ版。『デュラララ!』や『バッカーノ!』で有名な成田良悟が手掛けることで発売前から話題になっています。Fakeとか禁書の自販機とか、特典レベルのものはいくつか書いてますけど、本格的なノベライズの仕事となるとこれが初めてか。しかし主人公は黒崎一護ではなくドン・観音寺。『BLEACH』は途中で読むのやめてしまったから「なんであいつが主人公に?」と驚いたけど、いつの間にか結構重要なキャラになっていたのか? 原作知識が半端な状態で読むことに不安を覚えないでもないが、成田の腕を信じて買ってみる。『追撃の森』は「どんでん返しの名手」として知られるジェフリー・ディーヴァーの新作。軒並み売上が細っている海外ミステリ市場の中では比較的好調と噂のディーヴァーですが、ハードカバーではなくいきなり文庫で発売されるところを見ると、今回はそんなに勝負作ではないのだろうか。ディーヴァーの作品はまずハードカバーで発売されて文庫化されるパターンと、最初から文庫で発売されるパターンとがあり、大抵後者の方は出来が微妙なんですよね……『青い虚空』や『クリスマス・プレゼント』はアタリだったけど。うむ、今回もアタリであることを祈るしかない。『大尾行』はタイトルが地味すぎて一度スルーしましたが、作者名をよく見ると両角長彦……『ラガド 煉獄の教室』の作者じゃないですか! デビューから2年以上が経過したのに全然新作出る気配なかったから、小説書くのやめちゃったかと思いましたよ。『ラガド』は個性的だけど賛否両論な作品で、オススメできるかどうかと訊かれたら迷いますが、個人的に好きな一作であることは確か。わざわざ文庫版も買ったほどですよ。時間は掛かったけど、「時間を掛けただけのことはある」と思える内容だったら嬉しい。『ジロンド派の興亡』は“小説フランス革命”の7冊目。書いているうちにどんどん構想が膨らんだため、当初は全10巻だった予定を全12巻に変更するため一旦休止期間に入った“小説フランス革命”、遂に再開です。2010年当時から「2012年6月に再開する」とアナウンスされていましたが、その後全然続報がなかったせいで「本当に再開するの?」と半信半疑でした。疑ってすみません。ちなみに“小説フランス革命”は文庫版も刊行されておりますけれど、巻数がハードカバー版とは異なり、見覚えのないタイトルもチラホラと散見される。これは一体どういうこと? と調べてみたら、どうも文庫版はハードカバー版の2冊分を3分冊にしている模様。つまり、ハードカバー版の1巻と2巻を文庫版では1巻と2巻と3巻に、3巻と4巻を4巻と5巻と6巻に、5巻と6巻を7巻と8巻と9巻にしているわけです。要するに、ハードカバー版では全12巻の“小説フランス革命”が文庫版では全18巻になるって計算。それはそれとして『かの名はポンパドール』、コミカライズは発売されたけど原作の単行本が発売される気配が一向にないのは何故だ。連載は3年くらい前に終了しているはずなのに。謎。『星を撃ち墜とす』は知る人ぞ知る「リリカル・ミステリー」の友桐夏、5年ぶりの復活となる作品です。いわゆる「百合」と「ミステリ」を複合させた作風が特色の作家で、当時はあまり話題にならなかったけども、潮目が変わった今ならワンチャンあるかも。定期的に作品が出せる程度にはブレイクしてほしい。

 『ちょっとかわいいアイアンメイデン』は深見真が原作じゃなかったらガン無視していただろうな、というタイトル。目にしたときは「おいおい、アイアンメイデン(中世の拷問具だが、使うとまず確実に死ぬので実際は処刑具、Wikipediaによると「実在しない」という説もあるとか)を萌えっ娘にでもするつもりかよ」とヒいたものの、深見真なら(違う意味で)安心だな、と購入確定。この人は暴力をキチンと織り込む作家なので「なんちゃってアイアンメイデン」みたいな話にはしないでしょう、たぶん。『地獄ニート』の林家志弦は『はやて×ブレード』の作者ですね、ってか、それくらいしか知りません。完全にタイトル買い。どんな内容か一切調べていないので、現物を手に取る日が楽しみ。『父とヒゲゴリラと私(1)』は小池定路の新刊とあっちゃ買わずにはいられない。比較的有名なところでは「『大正野球娘。』のイラストを手掛けた絵師」って経歴ながら、十数年来のエロゲーマーにとっては「『終末の過ごし方』の原画家」と言った方がしっくり来る。小池定路が原画で大槻涼樹がシナリオって、控え目に言っても最強の布陣ですね。まぁ、『エム M×S エス』はさすがにちょっとニッチ狙いすぎでしたが……キャラ可愛かったけどSMに興味持てないのでパスしちゃったな、アレ。アボガドパワーズはもうなくなった(一度妙な復活を遂げたが現在は沈黙している)ものの、大槻や小池はまだ健在ってことを確認できるこのささやかな日々がしみじみと嬉しい。『はるまげ(1)』は作者がなにわ小吉ってことで。おい、懐かしすぎるでしょ。ジャンプで『王様はロバ』描いてた人ですよ。単行本出すのは10年ぶりくらいか。あまりにも懐かしいので買わずにはいられない。歳を取ると人はノスタルジーの奴隷になるのです。『咲―Saki―(10)』、麻雀のルールを知らなかった頃は絵とキャラを目当てに読んでそれなりに楽しめましたが、麻雀のルールを勉強中の現在、より一層楽しめています。寝ても覚めても麻雀と『咲―Saki―』のことばっかり考えている、という日もあったほど。実は『咲―Saki―』、刊行ペースの遅さに痺れを切らして一旦既刊を処分してしまったのですが、また読み返したくなって既刊を再購入しました。後悔なんてあるわけない。最近はもう「読み返したくなったら買い直せばいい」と開き直って読了した本は積極的にどんどん売っ払っています。古本屋を書庫代わりにする戦法。そうでもしないと住む場所が確保できない。さておき『咲―Saki―』は阿知賀編の2巻も同時発売なので楽しさ倍満だ。麻雀と言えば『ムダヅモ無き改革』も新刊が出ますな。アレはもう麻雀のルールとか超越した代物ですが……。

・拍手レス。

 西尾維新の推薦帯で変ゼミ読んだらガチの変態すぎた
 変ゼミはアニメ化まで果たすとは予想できなかった。

 塵骸魔京のシナリオ担当の夜刀さんと海法さんが同一人物という説がありますし、そう考えれば海法さんがニトロ+の社員になっていても変ではないかもしれません
 田中ロミオが『加奈〜いもうと〜』や『家族計画』のノベライズを手掛けるような感覚ですね。

 ラノベ600円エロゲ9000円とすれば15倍なのにラノベの方が収入いいのな
 ラノベは刷った分だけ印税が入りますけど、エロゲーは売れても社長が外車を買いまくるだけだったりします。


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