2012年3月分


2012-03-29.

『妖狐×僕SS オフィシャルガイド 0巻』眺めたら未知のデータだらけで既知感(ゲットー)を破壊されまくり、読み終わった後「ひょっとして……」と調べてみたらまだ単行本に収録されていない本誌掲載分の情報も書かれていることに気づいた焼津です、こんばんは。

 ネタバレに神経質だった頃(主に十代)だったら顔面蒼白になっていたところですが、最近はネタバレ喰らってもあまり動じないようになってきたせいか「あちゃー」程度の落胆で済みました。単行本派の人はご注意を。しかし、現在明かされている情報をギリギリまで収めていることもあって、たいへん分かりやすい内容になっており、「いぬぼく結構話が複雑で混乱するんだよなぁ」って人はこれさえ読めばスッキリ整理できること請け合いです。スッキリしすぎてやや味気なくなってしまう面も否定できず、そこらへん諸刃の剣な感じではある。ああ、アニメ派の人はまだ読まない方がいいです、余計に混乱すること確実ですから。これで800円(税込)はちょっと高いなー、というのが偽らざる感想だが、値段さえ気にしなければ買っておいて損のない一冊。欲を言えばアニメに関する情報も入れてほしかったところか、そっちはそっちでまた別のガイド本出すつもりなんでしょうけどね。

『魔法科高校の劣等生』累計110万部突破(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 この売れ行きだと確実に裏でアニメ化の話が動いているでしょうな。当方はまだ1巻を読み出してすぐのところで中断していますが、優等生の妹と、「表向きは」劣等生ということになっている兄……というシチュエーションが早くも心をくすぐる。やはり掴みは大事ですね。最近だと「地味なボクサーのスキャンダルを捏造し、悪役ボクサーとして脚光を浴びせる」という『キング・メイカー』や、「芸術作品にもっとも長時間向かい合うのは評論家(クリティック)でも学芸研究員(キュレーター)でも蒐集家(コレクター)でもない、美術館の監視員(セキュリティスタッフ)だ」という『楽園のカンヴァス』に冒頭から引き込んでくる勢いを感じました。「冒頭が良ければ必ずや傑作になる」とまでは言い切れませんし、「名作の条件は冒頭の素晴らしさ、冒頭がイマイチな作品に名作なし」という意見にも諾えないものを覚えますが、現実問題として冒頭が面白くないとそこで放り出してしまう確率が高くなる。ともあれ、『魔法科高校の劣等生』は再開する目処を早めに立てておきたい。でないと気づいたら積読が10巻分とか凄いことになってそう。それだけ積むともう最新刊が何巻か分からなくなってくるんですよ……危うく同じ巻をダブらせそうになったことが幾度あったか。

『物語シリーズ』「副音声副読本」はDVD・BDでは削らざるをえなかったシナリオも全て見せます!(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 期待通り脚本から削った箇所も収録してくれるようだ、善哉善哉。しかし1470円(税込)か。それくらいするだろうな、とは予想していたものの相変わらずボッタクリ価格だなぁ。「西尾維新史上、最長巨編」と謳っている『悲鳴伝』よりも高いじゃないですか。いやむしろ『悲鳴伝』が思ったより安くて驚いた。てっきり2000円くらいするものと決め込んで身構えていたが、京極の『ルー=ガルー2』より安い。『奇面館の殺人』とほぼ同価格であることを考えると400〜500ページ程度? 『化物語(上)』が456ページなのでそれよりも多いはずですが……そもそも「最長」が我々の思い浮かべている「ページ数」「文字数」とはかけ離れたところを意味している可能性もありますので、こんな勘繰りナンセンスやもしれません。おとなしく発売日を待つとしましょう。

広がる『いきなり文庫!』 そのわけは?(ぶく速)

 東野圭吾みたく名の売れた作家がハードカバーを経ずにいきなり文庫を出す、という流れは最近頓に目立つようになってきましたな。あとハードカバーと文庫本を同時発売するケースもちょこちょこ。リンク先の記事にも出ている宮部みゆき以外だと、たとえば京極夏彦がハードカバー・新書・文庫・電子書籍の4形態同時発売なんてイベントじみた真似をしました。あまり話題になっていませんが、夢枕獏も『翁―OKINA』文庫版同時発売をやっています。最初知らなくて、もう少し気づくのが遅ければハードカバーの方を買うところでした。ライトノベルは言うに及ばず、時代小説や海外小説、日本ホラー小説大賞の作品(大賞はハードカバーで刊行されるが、長編賞や短編賞はいきなり文庫で発売されることが多い。貴志祐介のデビュー作『十三番目の人格―ISOLA』はまず文庫本で出版され、映画化に際してハードカバー版が刊行された)などでも「新作の文庫」はちょくちょく見かけるのでそんなにすごく画期的な試みでもないけれど、文庫落ちするまでいちいち待たなくてもいいことはやはり嬉しい。ただ、ハードカバーは一冊あたりの利が厚いから元を取りやすい(マイナーな出版物でもだいたい3000部売れればペイラインに達するらしい、増刷の最小部数もその程度である)のに対し、文庫本は利が薄いから1万部は売れないとキツいそうですね。加えて著者への印税も目減りする。著者の取り分が10パーセントと仮定して試算しますと、1600円(税抜)のハードカバーが5000部売れたら80万円、同じ内容で700円(税抜)の文庫として1万部売れても70万円……つまりこの場合、「いきなり文庫」効果で倍の部数売れたとしても収入は増えません。印税が半分以下になるのなら、倍以上売れてくれないと困るわけです。正直、「こんなのわざわざハードカバーで出すほどの内容じゃないだろう」って本は山ほどありますが、出版不況が叫ばれる中で薄利多売を旨とする「いきなり文庫」路線へ突っ走っていくのは死の行進めいた匂いも漂う。そして、ここまでしてもなお、業界各所から「売れないんだ! 売れやしないんだ!」という無形の悲鳴が響いてきて耳朶を打つ。何より雄弁なのは価格。近頃の文庫はどれもこれもやたらと高く、本当にもう末期が迫っているなぁ、と痛感します。翻訳物なんて1000円超えるのが当たり前になってきました。古本屋で昔の文庫本の値段を再確認するとあまりの安さに愕然とする。30年前は300円台や400円台が普通で、海外小説だって500円もあれば買えたんですよ。それが今や倍額とか、凄まじい高騰っぷり。デフレ下でインフレするこの有様じゃ、そりゃ子供や若人も本買わなくなるわなぁ。

『gdgd妖精s』続編決定!キャスト・時期は未定(萌えオタニュース速報)

 来ないはずはないと思っていたが、それでも来ると知ったら喜びを隠し切れない。ああいう集中力が切れないうちにサッと観れるショートアニメって好きなんですよね。できるだけグダグダと末永く続けて欲しいものだ。そう、妖精全員が年老いてybyb妖精s(よぼよぼフェアリーズ)になるまで、ずっと。

『ハイスクールDxD』1巻初週は9121枚、『妖狐×僕SS』1巻は11619枚!両方とも2期いけそうだ(萌えオタニュース速報)

 『ハイスクールDxD』ニコニコチャンネルで第1話だけ無料公開してるんで1話目だけ観ました。そしたらなかなか面白かったので、急いで原作を買いに走った次第。1巻(旧校舎のディアボロス)の時点じゃ正直「まあまあかな」程度の評価でしたが、2巻(戦闘校舎のフェニックス)で「おや、俄かに面白くなってきたな」と襟を正し、3巻(月光校庭のエクスカリバー)で「この戦い、我々の勝利だ!」と時臣(トッキー)スマイルで確信。約束された勝利の大人買い。今は4巻(停止教室のヴァンパイア)を読んでいるところです。10冊まとめ買いした(11巻は品切れだったため後日改めて購入)から「これでハズレだったらやべぇな」と内心冷や汗でしたけど、杞憂に終わって良かった良かった。しかしこの作者、石踏一榮なんですね。作品読むのは『電蜂』以来だから実に6年ぶりか。ちなみに当時の感想(読み返したら『リアルライフ』の方が懐かしかった、もう9年前になるんですかあれ)。『電蜂』の後に『SLASH/DOG』なるシリーズを開始させましたが、速攻で打ち切りという憂き目に。タイトルに「1」とナンバリングしてあるにも関わらず、2巻すら出ていません。よほど売れなかったのだろうか……ここからの沈黙期間が長く、2年くらい新刊を出していない時期があったせいですっかり忘却していました。アニメがなければそのままずっとスルーしていたかもしれませぬ。アニメは「戦闘校舎のフェニックス」あたりまでしかやっていないみたいですし、2期開始はほぼ確実でしょうな。原作読み切ったらアニメもDVD借りて観よう。

 『妖狐×僕SS』は原作、アニメともに好調でファンとしては喜ばしい。男女両方の層をうまく取り込んだ印象。ただ、2期となると展開がどうしても……ですね。1期は百鬼夜行云々といった要素をぶん投げたまま終わりそうな気配で、そこを回収するためにも続編は要求されるところでしょうが、4巻のアレから先はファンの間でも未だに評価が分かれている部分なのでアニメやるとなったら大変そう。当方はオフィシャルガイドに目を通して整理し直したことで、やっと5巻以降を受け容れる心積もりができた。とりあえずアニメのBDは最終巻まで買わせていただく。未放送エピソード(第13話)も収録されるそうですからな。シナリオは原作者書き下ろしでショートストーリーの3本立てだとか。

「子連れ狼」のハリウッド映画化が本格始動! 『ブレードランナー』 『許されざる者』 脚本家が参加!(オレ的ゲーム速報@刃)

 カート・ウィマーも『リベリオン』のコメンタリーで開口一番に「オガミ・イットー」と言ったりしてましたな。あと『ザ・ロード』の原作が出たときに「ショッピングカートを押して歩いている父子って、『子連れ狼』が元ネタじゃね?」と本国で指摘されたそうな。ロードと言えば『ロード・トゥ・パーディション』も『子連れ狼』をモチーフにしているらしい。海外では予想以上に有名みたいです。是非とも『地獄へ行くぞ!大五郎』の志を継ぐ怪作に仕上げて欲しい。

・拍手レス。

 ベイさんマジ不憫。ドカポンやると全員から袋叩きにされるタイプ。
 それ以前に遊びに誘ってもらえなそうなところがマジ不憫。きっと連絡網も回ってこない。

 いつか虚淵さんと水島精二監督がタッグを組むだろうなぁとは思っていましたけど、まさかそれが現実になるとは…。ただ、水島精二監督の場合、ガンダム00の劇場版で黒田洋介さんと一緒に色々やらかしちゃって、ガンダム関連のサイトで賛否両論の嵐を巻き起こす原因を作っちゃった人だからなぁ…。映画の出来がどのようなものになるかがとても不安です…。
 00はTV版観ないで劇場版だけ観に行ったら「宇宙のファフナー」という印象でした。昔の皆さんありがとう、地球は元気です。賛否両論になるのも分かるけど、個人的には楽しめたので内容的な不安はあまりないです。


2012-03-25.

・久々におりもとみまなの漫画でも読んでみようか、と手を伸ばした『ばくおん!!』が割と面白くて気に入った焼津です、こんばんは。

 『けいおん!』のパク……パロディみたいな見た目に正直ちょっとヒいたものの、中身は真っ当に青春ストーリー演じています。勢いを出しつつもバカバカしくならない程度に抑えるあたりなど、加減を心得ている。バイクに対して興味のない当方にも「バイクに乗る楽しさ」みたいなものが伝わってきました。おりもと漫画は『魔法少女猫X』以来なので本当に久々だったが、随分と上手くなりましたな。

light、『Dies irae』のホワイトデームービーを公開

 Diesの男キャラが次から次へと登場して愛を囁く、「これは乙女ゲーのムービーか?」と錯覚するような代物でした……甘いというか、痒い。同性が聴くのは結構つらいでぇ。もちろん、一番テンションが上がったシュピーネさん降臨のところ。なかなかシュピってる。司会進行役の蓮と司狼がノリノリすぎて「誰だこいつら」と思うものの楽しい。トリファの「聖餐杯は砕けないィィ!」「でも氷室先輩にチョコ貰えなかったァァ!」パリーン、は特に笑った。ツイッターでもベイが参戦し、女性陣から一斉にボコられていて噎せた。「いい加減、俺だけハブんのやめろよ」なベイに対し「どのツラさげて出てきたんですか、この雑魚」「あなたは大人しくヤンデレのおっぱいしゃぶってなさいよ」と吐き捨てるベアトリス、「換気しましょう。裏切り者の匂いがぷんぷんしてやってられないわ」と怒りを滲ませるリザ、「あんたよくわたしたちと絡もうなんて思えるわね」「じきにホワイトデームービーが公開されると思うけど、ベイのクソアホカス雑魚がなんか言ってるシーンは速攻で飛ばすように」と率先してハブりに掛かるルサルカ、「おい、なんか言えよボンクラ」「お姉ちゃんに言いつけちゃうんでちゅかー?( ´,_ゝ`)プッ」と挑発する玲愛。怖いわー。女の戦争超怖いわー。その後、男連中からも弄られ放題で薄幸気質が板につくヴィルヘルム・エーレンブルグ=カズィクル・ベイでありましたとさ。

“氷と炎の歌”、第2部の改訂新版を6月、第3部を10月、第4部を来年1月に文庫化、2013年は第5部 "A Dance with Dragons" も翻訳予定

 ソースは『七王国の玉座〔改訂新版〕』の帯。日本では4年近く商品展開が止まっていたせいで気を揉んでいました。第5部は去年やっと原書が出たばかりなので仕方ない面もありますが、ともあれようやく再始動する模様です。改訂に関してはまだ腑に落ちないところもある(「夜警団」が「冥夜の守人」ではイメージ違いすぎる)けれど、この新版はいいですね……分厚くて。以前のバージョンは5分冊だったから薄くてちっともワクワクしなかった。第1部と第2部が出し直し、第3部と第4部は今回が初文庫化となります。“氷と炎の歌”は全7部構想なので後は第6部と第7部が出れば完結ですが、まだ原書すら出ていない状況。あと10年くらいは掛かるかな……待つ気満々ではありますが。

虚淵玄×水島精二×東映アニメーションのオリジナル新作映画「楽園追放」(GIGAZINE)

 おっ、虚淵の新作情報ですか。って、東映アニメーション? しかも映画? また予想外な方向から来ましたな。水島精二監督とはツイッターで親しげに言葉を交わしていたから「ああ、仕事で付き合いがあるのかな」と予想していて、特に意外ではなかったが……うーむ。さておき、『楽園追放』と言われたらどうしても『失楽園』を連想してしまいますね。エロゲーマー的には『PARADISE LOST』。あるいは『人工失楽園』。いかにも暗そうな映画、ってイメージだ。本当に『創世記』をモチーフにして神話めいたストーリーを紡ぐのか、あるいは純粋な象徴として「楽園追放」という言葉を持ってきたのか。謎は深まり期待は膨らむ。が、このタイトルでは観客がたくさん入りそうな気はしない。ハッキリ言って興行的には心配です。けどまぁ当方が心配したって仕方ない、公開時期は未定ながら、これにより最低でも4本(うち3本はまどか)は虚淵脚本劇場アニメが観れると確約されたのだ。ファンとしては言祝ぐしかあるまい。それに、以前から予告していた「10月開始予定のアニメ」とこれとは別クチでしょうしな。あっちはどうもTVアニメっぽい雰囲気。

『超時空要塞マクロス〜愛・おぼえていますか〜Hybrid Pack』でゲームとアニメと堪能せよ!(ファミ通.com)

 ほほう、やっと愛おぼがBD化するのか。解説しますと、『愛・おぼえていますか』は今から30年前に放送されたTVアニメ『超時空要塞マクロス』の劇場版です。通称「愛おぼ」。総集編ではなく、ほぼ一から作り直したという気合の入った出来で、ファンからの評価が高い。HDリマスターしたDVDは既に発売済ながら、BDに関してはアナウンスがないまま時間ばかり流れていました。それが今年になってようやく実現したわけです。30周年に合わせての展開でしょうね。「Hybrid Pack」とはBDにゲームのデータが入っていて、PS3にセットすればアニメ本編を再生するのみならず、そちらも遊ぶことができる――というキメラな仕様のことを指している。劇場版マクロスFもBDはこの仕様でリリースされました。何故そんな七面倒臭い仕様にするのかと申しますと、ゲームのデータを詰めておけばゲームとして流通させることができるので、単にBDソフトとして発売するよりも都合が良いらしい。あくまでアニメがメインでゲームはオマケですから、PS3持ってない人も購入して大丈夫……と言いたいけど、マクロスFのときに「BDを再生できなかった」というトラブルが何件かあったみたいで、再生機や環境によっては映らない可能性もあります。ただ、さすがに対策を講じているだろうし、前よりはそういうトラブルも減るんじゃないかな、とは思いますが。

『物語シリーズ』「アニメ化物語副音声副読本」発売決定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 『空の境界』で画コンテ集をやったかと思えば、今度は『化物語』でキャラクターコメンタリー集か。相変わらず講談社BOXは商売上手というか阿漕というか。化物語のキャラコメは必要に応じて脚本を書き替えたり、削ったり、足したりといろいろやったそうなので、ファンとしては削除シーンなしの決定版を読みたい、って心情です。西尾維新は現場である程度変更することを折り込んで脚本書いてきたらしいけど、中には「最初から消すつもりで書いた」という謎のパートもあったそうな。漫画家が余白に落描きするような感覚だろうか。“物語”シリーズの中でも『化物語』にはひと際愛着を抱いている当方なので、無論買います。迷わず査収します。でも『偽物語』で同じような本が出たとしてもたぶん買わないな。あれもあれで好きだけど、そこまでの執着は抱いてないですし。“物語”シリーズが何冊出ても、やっぱり『化物語』は別格なんですよね。

【お前ら歓喜】「別れの辛さを味わって欲しくない」 ”親友作り禁止”を校則に(暇人\(^o^)/速報)

 「人間強度が下がるから」という言葉が真っ先に脳裏をよぎった。これとは逆に「友達選定システム」を採用した学校が『第七女子会彷徨』にありましたね。スール制度の同級生版みたいな感じ。「恋愛禁止」を掲げた漫画やライトノベルはちらほら見かけますけど、親友禁止ってのはあんまり見ないなぁ。あったとしてもさして興味が惹かれない。むしろ「親友試験」とかいって友情の深さを測るために理不尽なテストを仕掛けてくる教育機関に立ち向かう生徒たち、なんて方が話は作りやすい気がする。まぁ、いちいち面倒臭い試験なんかしないでテキトーに友情破壊ゲーム(プレー内容に熱中しすぎてマジモンの喧嘩に発展してしまうようなゲーム)やらせれば早いんですが。

『おとボク』の続編『乙女はお姉さまに恋してる〜2人のエルダー〜』がTVアニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 続報が途絶えていたせいで完全に忘れており申した。『2人のエルダー』は前作から3年後の聖應女学院を舞台としたストーリーで、なんと主人公を始めとする主要陣が軒並み刷新されています。って、そりゃ3年経ったら前作のキャラは全員卒業するわ、留年(ダブ)らないかぎりはな。前作の後日談に位置付けられる『櫻の園のエトワール』の更に続き。前作の主人公で「エルダー・シスター」と呼ばれる全生徒の代表に選ばれた宮小路瑞穂……の後輩に当たる周防院奏が瑞穂の卒業後エルダーに選ばれるまでの経緯を描いたものが『櫻の園のエトワール』で、このとき登場した奏の後輩・七々原薫子が奏の卒業後に新たなエルダーとなる流れを『2人のエルダー』にて綴る。「2人の」というからには当然もうひとりエルダーに選ばれる存在がいるわけで、それが『2人のエルダー』の主人公・妃宮千早。千早は瑞穂と同様「見た目は美少女、でも中身は♂」という女装主人公です。前作から追っていった方が全体像を掴みやすいものの、別に『2人のエルダー』から観始めてもストーリーはちゃんと理解できるはず。おとボクのアニメはゴタゴタがあった(声優陣が大幅に変更され、シナリオライターの嵩夜あやがブログで問題発言した)ことも絡んでまったく観ていませんが、今回はキャストが変わらないんなら観てみようかな。千早好きですし。見た目の清浄可憐さもさることながら、それに相反する内面の屈折具合が胸を締め付ける。憂いを隠そうとする眼差しにグッと来る。ひねくれ不本意女装主人公なんて、当方にとってご褒美過ぎるぜ。


2012-03-22.

・げっちゅによるとpropellerの『東京バベル』は6月22日発売予定らしいですよ、とつい今さっき知ったばかりのことを報告する焼津です、こんばんは。

 予価は9240円(税込)、普通にフルプライスか。結構ボリュームあるのかな? 現時点では他に注目作のない月だし、たぶん買うだろうと思います。最終判断は体験版で、ってところですかね。

TYPE-MOONの新作『魔法使いの夜』、遂にマスターアップ

 うちの日記の過去ログを漁ってみましたが、まほよに関するニュースが初めて流れたのは、2008年4月4日……当時は媒体も不明で、「果たして小説で刊行するのか、ゲームとしてリリースする予定なのか」とワクワクしながら予想したものでした。年内発売を期待したいけど、現実的なところでは翌年発売だろうか、などと語ったものです。まさか4年も待たされることになるとは想像だにしていなかったな。調べてみましたが、『Fate/stay night』の発表は2002年7月(この頃のTYPE-MOONはまだ同人サークル)で、2004年1月にはもう発売されました。つまり「当初の予定より遅れた」という記憶のあるFateすらほんの1年半しか待たされなかったわけです。それに比べたら破格な年数ですね。しかしもう愚痴はやめにしましょう。あとは来るべき日を指折り数えるのみ。あと3週間、もう少しの辛抱ですよ。

『一撃殺虫!!ホイホイさん』アニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 OVAかな? それより漫画の新刊を出してほしいですけども……去年プラモの本が発売されましたけど、漫画の単行本はもう7年以上経つのにまだ続きが出やしない。田中久仁彦だから仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。この人って超遅筆なことで有名。『一撃殺虫!!ホイホイさん』は害虫駆除を目的とする小型ロボット「ホイホイさん」の仁義なき活躍を綴った連作ショートコメディ。見た目はヒト型なれど、あくまでプログラムに則って動くホイホイさんに心や感情はなく、故障や買い替えといったイベントも時折発生します。愛はあるけど「道具」として割り切っている、意外とドライなテイスト。コロコロやボンボンでやってたようなホビー漫画の延長線上に存在する作品です。様々な武装を切り換えていろんな害虫に対処するなど、巧妙に仕込まれたカスタム要素が男心をくすぐる。4年くらい前から『一撃殺虫!!ホイホイさんLEGACY』という続編を連載開始しており、今回のアニメもLEGACY絡みのようだから、たぶん近々単行本が発売される予定なんじゃないですかね。で、その初回限定版にOVAを付ける感じ。前と同じパターンでしょう。ただ、田中久仁彦の場合だと「近々」という言葉には年単位のブレが生じますから、年内に間に合うかどうか現段階では判然としない。祈るしかない。祈りを突き通せば、きっと『ファム&イーリー』の2巻だって……! そっちはさすがに無理筋か。

オリジナルTVアニメ「ギルティクラウン」の公式サイドストーリー小説『ギルティクラウン PRINCESS OF DEADPOOL』、4月25日発売

 初耳でしたけど、去年の冬コミで試読本を配布していた模様。著者は砂阿久雁……聞いた事のない名前だったため、危うくスルーしかけました。調べてみたらなんとTerraLunarで『ロケットの夏』のシナリオを書いたfocaの別名義じゃないですか。懐かしすぎる。まさかニトロプラスへ流れ着いていたなんて。問答無用で予約しました。ギルクラは『ロストクリスマス』も買うつもりだけど、肝心の本編はまだ1話しか観れていないんですよね。DVDをレンタルするつもりではありますが、全巻リリースされるのってだいぶ先のことですし。うーん、とりあえず『レクイエム・スコア』(ゆうきりんの書いた小説版)読むか。

・来月からアニメが放送開始する『黄昏乙女アムネジア』、今月と来月に原作6巻原作7巻を連続刊行

 2ヶ月連続刊行とは、これはなかなか力入れてますな。ちなみに当方は7巻を予約したつもりでうっかり6巻を予約していたことに先日気づきました。4月下旬発売のガンガンコミックスをまとめて注文したつもりだったのに、よくよく確認してみると「これ、3月発売分じゃん!」みたいな。間違いが発覚してなければ悠々と6巻を買いに行って重複させるところでした。連続刊行はこういうところでややこしいから注意が必要。んなわけで6巻は4月下旬に届く手筈となっており、当方にとっては連続刊行というより同時発売に近い状態となります。自業自得確実……って、俺翼の「微笑みジェノサイド」ネタのつもりだったけど、よくよく思い出すと正しくは「自縄自縛確実」じゃないですか。記憶錯誤だ。こんなポンコツぶりだから注文ミス起こすんや。

・拍手レス。

 黎明のジャケ絵の上部分良く見てみるといいですよ
 なん……だと……? 今初めて気づきました。道理でベアトリスとシュライバーがいないわけだ……。

 臓器たん、拝読しました。とりあえず・・・病院行っとけ?脳外科の。
 臓器たんとはまた懐かしい。脳外科行くのは面倒なので『脳病院へまゐります。』でも読もうかしら。

 Diesアニメ化は黒歴史化する未来しか見えないので、個人的には止めて頂きたいです。HELLSING並みのクオリティでOVA化とかなら別ですが
 アニメ化なんてしようものなら、久しぶりに「スワスチカが開いた」という表現が使われそう。


2012-03-17.

・つい3日前に更新したばっかだし、しばらくサボるかなぁ、と怠けていましたが……「サボっている場合じゃねぇ!」って事態が訪れましたので慌てて更新に馳せる焼津です、こんばんは。

 てかムービーの公開、昨日じゃん……焼津遅参公、ここに見参! と開き直っておこう。

『Dies irae 〜Amantes Amentes〜』、OPムービーとバレンタインムービー公開、キャスト公開、PCコンシューマへの移植決定

 うひょう、滾ってきました。DOWNLOADページにあるオープニングムービーのサムネイルがヘブン状態なマリィでエロい。メチャクチャ重くてなかなか落ちてこなかったから、新たに公開されたCVキャストを眺めて暇を潰しました。やはり表名義になっている人が何名か……つーか、マリィ(榊原ゆい)以外全員変わってますね。「え、そういうお名前だったんですか?」の連続。移植に伴う恒例行事とはいえ複雑な気分。あと「PCコンシューマへの移植決定」の報に当方諸手を挙げて喜んだ。エイドリアンのポーズ、あるいはコロンビアのポーズ。PSPはやっぱ画面小さいし、長時間プレーするのキツいんですよね。よかったよかった、安心した。これで枕を高くして眠れる。と、嬉しがっているうちにダウンロードが終了しました。バレンタインムービーは10分くらいあって結構長い。まず玲愛の出オチっぷりに噴く。ツイッターでの腹黒さといい、知らない人が見たらこの子がDiesのラスボスだと錯覚するんじゃないかしら。とても「私一人を諦めれば、みんな戻ってくるかもしれないよ。キミにとっては、その方が幸せじゃない?」と発言した方と同一人物には見えない。この玲愛なら「みんな全員を諦めれば、私戻ってくるかもしれないよ。キミにとっては、その方が幸せじゃない?」と言いかねん。多少キャラ崩壊している部分はありますが、イベントムービーなので軽く流して笑いましょう。オチに正田の愛を感じた。来週は男衆を集めたホワイトデームービーが公開されるとのこと。楽しみ。

 そして本命は何と言ってもAmantes AmentesのOPムービー。長さは2分半、BGMは新曲です。いきなり絵が動き出したので驚きました。今回のムービーはところどころでアニメを使用しています。ゆずソフトとか、ああいう感じ。まさかlight、今回のCS移植を足掛かりにアニメ化を狙っているのでは……いや既にもう話が来ているのでは……と勘繰ったが、疑心は暗鬼を生ずるのみ。考えないことににしてムービーに注意を傾けましょう。抱き合うマリィと蓮、プレー済の方であれば「ああ、あそこか」と瞬時に思い至る名シーンですが……直後に姿を現すニート(メルクリウス)のウザさといったら、もう宇宙が弾けそうなレベルです。タイトルの後ろで無駄に動くニートが腹立たしい。あの水銀ダンスは正田崇が直々に振り付けして「鉤十字を描く軌跡」もあったそうですが、そこまでは動かせないってんでああなったらしい。

 ムービーの見所はアニメになってる箇所と新作カットですね。アニメは冒頭の歌っているマリィ、抱き合うマリィと蓮、それを傍観するメルクリウスとタイトルの後ろで踊るメルクリウス、ギロチンを形成する蓮、その蓮に襲い掛かるアンナ化したシュライバー、マッキーパンチこと幕引きの一撃を地面に叩きつけるマキナ、葉巻吹かして通常攻撃臭い炎を投げるエレオノーレ、創造位階に達した蓮(ギロチンの絵がちゃんと髑髏からマリィになってる)と聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)のポーズをするラインハルト。もっとも嬉しかったのは「形成(イェツラー)!」のシーンでした。正直、最初観たときは「アニメパート、微妙だな」って感じました(シュライバーのあたりは特に)が、繰り返し眺めているうちに病みつきになってしまった。ホントDiesは謎の中毒性があるな。ほっとくとエンドレスで再生してしまい、気がつくと随分時間が経ってる。

 新作カット第1弾は7人の影が月をバックに見下ろしてくるシーン、格好からして黎明の面子か? 右からヴィルヘルム、アンナ、カール、ラインハルト、エレオノーレ、リザ、トリファかと思われる。ベアトリスらしき影はない。左から二番目の影はリザかシュライバーか判断に迷うが、帽子がなくシルエットもヒラヒラしてないところを鑑みるにリザっぽい。こいつらが揃って何かを見下ろすシチュエーションって、毒壺最強決定戦くらいしか思いつかないが……もしそうならアンナさんはどんな気持ちで観戦していたんだろうな。(追記 この絵は新規ではなく『Die Morgendammerung』のジャケット上部だった模様。ベアトリスとシュライバーがジャケットの中央に来ているため、残り7人を配置した図となっている) 次は若いヴィルヘルム、通称若ヘルムと若シュライバーのカット。たぶんドラマCD『Die Morgendammerung』をゲームに仕立て直した箇所。で、『Verfaulen segen』のジャケ絵が来た後に、上で当方が「ヘブン状態」と表現したマリィのCGが降臨します。背景が宇宙だし、流出(アティルト)のカットだろうな。光でおっぱい見えないけど、全裸じゃね? そして黒円卓紹介の流れへ突入し、なんとシュピーネさんの新規カットが。マジかよ、蜘蛛の巣に案内されちゃうじゃないか。歯を剥き身をくねらせてポージングする紅蜘蛛の雄姿に全米とソ連が無条件降伏した。財津一郎の「非っ常にキビシィーっ!」を彷彿とさせる。よりによってこいつのCGが追加されるだなんて、スタッフの惜しみないシュピ愛をヒシヒシと感じますよ。これも充分に驚きの一枚でしたが、最大の衝撃はなんと言ってもあれですね、ラストの三つ巴。本気出したニートと歓喜してる獣殿とスケルツォで二刀流な夜刀……じゃない、蓮。ファンが夢にまで見た光景ですよ。蓮はパッと見フィナーレモードですが、スケルツォだからか武器の形状が旧来とかなり違う。三つ巴って螢ルートアフターで描かれるイベントのはずだから、マリィの代わりに緋々色金とヴェヴェルスブルグロンギヌスと司狼の鎖を合成してあんな感じになったんだろうか。うーん、現時点ではまだハッキリしないですね。しかしヤバい、いよいよ移植の実感が湧いてきました。もうマスターアップしているそうなのでおとなしく待つだけ。初回版と通常版があり、初回版にはビジュアルファンブックが付くとのこと。黒本+白本+赤本(の一部)か? 何百ページになるんだそれ。

ジブリっぽい話(ぶく速)

 『リビスの翼』はジブリっぽいな、と思った記憶があります。円山夢久は今どうしているだろう……。

『ギャラクシーエンジェル』シリーズが8月にBD-BOX化決定!MXで傑作選放送、ニコ生5日連続 一挙放送(萌えオタニュース速報)

 「おっ、GAの全話入りBOX出るのか。EMOTION the Best(バンダイビジュアルの廉価版DVDシリーズ)はOVAが未収録らしくてスルーしてたんだよなぁ。あれ結構思い入れのあるアニメだし、買っちゃおうかしら」と気軽な心持ちで価格を確認するや、たちまちのうちに昏倒いたしました。78,750円……だと……? 無印、Z、A、AA+S、X、る〜んと約6クールに渡って展開した(「全139話」とありますが、無印からXまでは1話あたり15分なので、通常の30分アニメの尺度で換算すると「全76話」に相当します)長期作品ゆえ仕方ない面もありましょうが、さすがにこれだけ高いと手が出ません。思い入れで8人分の諭吉さんをポンと出すことはできませんわ。バラ売りもするようなので、登場キャラを刷新してしまったる〜ん以外の5作をそちらで買い集めるという策もありますが、バラはバラで高いから結局大した額になってしまう。ZeroのBOXすら割と冒険だった身には到底無理。当方がもっと御大尽であったならば、必ずや購入していたでしょうに。それにしても高い。つくづく高い。去年目を剥いた『刑事コロンボ コンプリート ブルーレイBOX』よりも高い。33万円もした『うる星やつら』のLD-BOXすら買う人がいた(いたどころか、完売した)くらいですから、それに比べればまだスケールの小さい方だろうけど……はっ。もしや、うる星の全話入りBOXを買ったのと同じ人がGAの全話入りBOXを買う、なんて事態も起こりうるのか。四半世紀の時を超えて貫かれるオタク魂。なぜか少しばかり浪漫な香りがして思いを馳せてしまう。

春アニメ『氷菓』のPVが凄い(ひまねっと)

 えるの顔が近すぎて笑ってしまった。ギアス使ってるのかというくらい紫色の瞳をキラキラさせているし、こんなふうに覗き込まれたらほうたろ君もそりゃ断れんわ。映像のクオリティは異常なほど高いけれど、やってることがあまり派手ではないので、少々チグハグ感が漂う。原作ファンとしての率直な感想は、「えるの可愛さを推し過ぎでちょっとクドイ」ってところでしょうか。PVだから可愛いシーンを寄せ集めているのかもしれませんが、観ていて胃にもたれる。あと内容も未読の人には伝わりにくいか。ほとんどキャラ紹介だけで終わっています。

劇場版『まどか☆マギカ』今秋公開!中日新聞に新房監督にインタビュー掲載(萌えオタニュース速報)

 秋か。今年の秋映画というと、『天地明察』を筆頭に注目作が多いですな。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』『エクスペンダブルズ2』『黄金を抱いて翔べ』『アウトレイジ2』など。まどかは総集編の前編なので、多少のカット追加があるにしても中身に関してはそこまで期待しているわけではない(劇場の大スクリーンで楽しめる、という点では期待している)。やはり気になるのは同じシャフト制作の『傷物語』『偽物語』もそろそろ終わろうかというのに、未だ具体的な情報が出てきやしない……本当に今年中に公開へ漕ぎ着けることができるのか? もし仮に間に合うとしたら、今年は虚淵玄脚本の劇場アニメと西尾維新原作の劇場アニメが立て続けに上映される年となりますが。冷静に考えると凄い状況だな。ふたつの公開時期が近かったら、講談社か星海社あたりが二人を起用した企画かましそうな予感がします。無難なところで対談記事とか。そこに『天地明察』と、あと『マルドゥック・スクランブル 排気』の公開がそろそろじゃないかと予想される冲方丁加えて鼎談したら記事どころか一冊の本が出来そうだ。

・拍手レス。

 ガンガンは最近、妙に唐突に連載を切るんですよね。いつぞやのスクエアエニックスお家騒動を思い出す。鋼の錬金術師というそれ一本で紙面を支えられるような絶対的エースが完結し、作者も他所に行ってしまった以上、今こそ次のエースを育てなければいけないと思うのだけど。スカイブルーとか、あとトライピースとかは、結構柱になり得るものを感じてたんだがなぁ。
 そういやトライピースも去年終わりましたね……今は本誌よりもJOKERの方に勢いを感じます。

 本の内容もさることながら、サイコロと見紛うほどの分厚さに期待を寄せてしまうのは人の性ですよね。「書痴道は書狂いなり」とか頭に浮かんでしまった
 『ムージル日記』とか、買っても読まないだろうに無性に欲しくなる。でも当方の財布では『ナチ戦争犯罪人を追え』が精一杯。

 Amantes Amentes OPアニメですよアニメ! そして三つ巴格好よすぎでしょう……蓮はマリィと一緒じゃないと夜刀っぽい感じで流出しちゃうんですね。しかし、それにしてもいったいGユウスケは何枚新規絵を描いたんだろう……
 テンションがバリバリに高くなってまいりました。Gユウスケは安定して仕事量が多いですな。あらゆる意味で彼が原画じゃなければDiesも神咒も仕上がってなかったでしょう。


2012-03-14.

・今日はホワイトデーということで、先月から楽しみにしていた「人生オワタ劇場」の個人誌が公開されたことを寿ぐ焼津です、こんばんは。

 蓮海才太は『蒼色輪廻』のシナリオを手掛けた人。少数精鋭ながら根強いファンを獲得しています。次回作の話もチラホラありましたが、今のところ実現しておらず、ファンは一同揃って茫々たる待ち局面に突入している。まるで見通しは立たないけど、この長い長いトンネルを抜ければ、そこは緋色梵鐘的な何かがきっと待ち受けているであろうと。さておき、今回の個人誌「もうノベルなんて書かないなんて言わないよ絶対(1)」はpdf形式で4つの短編を収録しており、列挙しますと「仁義なき血痕」「猫が死んだ日」「好青年のガイドライン」「清く正しく」。全体で100ページ弱。「仁義なき血痕」は以前『ファントム』(雑誌みたいな体裁で発行された書籍)に掲載された短編「血痕」がベースとなっている。このときは蓮海もぐら名義でした。蓮海もぐら名義ではもう一冊『ツンデレっ娘大集合!』というアンソロジーへ「猫になりたい」という短編を載せています。ちなみに『ツンデレっ娘大集合!』に参加した一人である北国秀人は「好き好き大好きっ」でお馴染みYU-SHOWの別名義。あとがきに「方々から『いくらなんでもひどい』と言われ」とありますが、ぶっちゃけ『ファントム』全体がカオスだったので特に浮いている感じはしませんでした。

 彼の作品は「自意識が暴走しそうになっている己を冷静かつ執拗に見詰めている自分」みたいな、ぐにゃりとねじれた理性を湛えた筆致で紡がれていて、読む人によって恐ろしく好みが分かれるものと予想されます。時折「観察している自分」と「観察されている自分」の距離がふっと喪失するような心許ない感覚に襲われる。

 岡谷に対する僕の感情は、誰がどう見たって私怨に過ぎない。もしかすると、あんなクズでも世の中の役に立っているのかも知れない。であれば、奴を生かしたまま、僕だけくたばる方が良い。そこの見極めが、まだできていない。良い事をして死にたいという気持ちはあるが、人様に迷惑は掛けたくないのだ。もちろん、この場合の人様とは岡谷以外の人間を言う。

 物事を判断しようとする理性が、どこかで齟齬を来している。判断を必要としない局面でさえ、判断に縋ろうとする。狂ってもいないがまともではない、どこか不自然な精神構造が4編の語り手すべてを支配しています。単に不快とは切り捨てられない、ヒリヒリとスリリングでサスペンスフルな焦燥感に繰り返し直面する。それのどこが良いのかをうまく伝えることは難しいけれど、合わない人はとことん合わず、気に入る人は果てしなく気に入りる作風でしょう。「学校を囲うフェンス沿いに植えられた染井吉野は咲き乱れ、真下を歩く学生たちに死んだ花弁を投下している」といった素っ気なくネガティブな文章が不思議なほど胸に染み入ってくる。ところどころで異様な緊張感が漲っていて、隙を衝いて棘が飛び出してくるのもたまらない。1と言うからには2も出るでしょう。楽しみだ。

西尾維新史上、最長巨編『悲鳴伝』4月26日講談社ノベルスより刊行予定

 来月ですか、思ったより早い。全然続報が来ないのでもっと先かと思ってました。予定日が分かっただけで、相変わらず『悲鳴伝』自体は謎に包まれていますね。果たしてどんな作品なのでしょうか。あと「最長巨編」って、どれだけの分厚さになるのか。それが一番楽しみだったりする。

第46回吉川英治文学賞は夢枕獏『大江戸釣客伝』、第33回同新人賞は西村健『地の底のヤマ』に決定!(ぶく速)

 『大江戸釣客伝』は泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞も獲っていますから、これで三賞受賞になるんですよね。「釣り」という狂気に魅入られて人生の粗方を擲った男が出てくるあたりなど、『鮎師』の流れを汲む釣り小説でありながら、要素として生類憐みの令や元禄赤穂事件(「忠臣蔵」で有名なアレ)を取り入れた時代小説でもあり、夢枕獏の集大成とも言える内容ですが……ぶっちゃけ「いつもの獏」なので、普段から夢枕小説を読んでいる人からすれば「なんで唐突にこれだけ高評価に?」と戸惑う厚遇。題材の違いはあれど、たとえば『シナン』も同程度の気合が入った作品でした。あれが文学賞からはさして評価されなかったことを考えると不思議でならない。出来の差はほとんどないと申しますか、個人的にはむしろ『シナン』の方を推したい気分。

 一方、西村健は純粋に驚いた。あの人は完璧にエンターテインメント方面へ特化した内容の小説を書く作家で、こうした文学賞とは無縁だっただけに、思わず文面を二度見してしまった。『地の底のヤマ』は完成に至るまで5年もの月日を掛けた超大作らしく、分厚い本好きの当方はメッチャ期待していましたが、「こんなに厚くて高い本、売るのに苦労するだろうな……大丈夫かしら」と半ば心配交じりでしたよ。どうやら杞憂に過ぎなかったようです。西村健の文章はザクザクとブツ切りで荒っぽく、「力強い」とも「雑」とも表現できる代物ですが、篭もった熱量は確かなものなのでハマる人はとことんハマります。デビュー作の『ビンゴ』がオススメ。ゴールデン街を舞台に派手なドンパチが巻き起こります。結構無茶苦茶だけど、とにかく全編が勢いに満ちている。『地の底のヤマ』同様執筆に5年掛けた超大作『劫火』(第24回日本冒険小説協会大賞受賞作)は既刊のキャラクターが勢揃いするオールスター小説ゆえ、先に既刊を読んでおくべし。文庫版も出ていますが、新書版では時系列に沿って並べていたストーリーを各キャラクターごとにまとめ直したとかで、かなり構成が変わっているみたいです。評価されているのは新書版の方ですし、なるべくそちらを探した方が宜しいかと。

 基本的に好きな作家です。ただ、10年ほど前に読んだ『あぶく銭』はつまらなかった……ずっと文庫化されていないだけのことはあります、って書いてから調べたら去年『マネー・ロワイヤル』とタイトルを変えて文庫化されていました。題名がダサくてスルーしていたけど、あれ『あぶく銭』だったのか。もっとカッコいいタイトルに変えられていたらよく調べずに買っちゃっていたかもしれない、危なかった。文庫化されていないと言えば、『あぶく銭』よりも更に長く放置されていた『ギャップ』が来月やっと文庫化されるようです。急に扱いが良くなってきましたね。これは西村健、遂にブレイクのときが近づいてきたか?

『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』アニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 予感的中。アニメ向きとは言いにくいZeroすらアニメ化したくらいだから、プリズマイリヤも絶対アニメにするだろうな、と睨んでいました。『プリズマ☆イリヤ』はFateのパラレルストーリーに当たるスピンオフ漫画で、当初は「イリヤがマジカルルビーと契約して魔法少女になっちゃった!」っていう一発ネタのつもりだったらしいけれど思いのほか反響が大きかったせいか、予想を超えて長期化しています。1期目に相当する無印が全2冊で完結した後、2期目に当たる『ツヴァイ!』が開始、今月発売される5巻でまた完結となるみたいですが、どうせ『ドライ!』と銘打って3期目をやるつもりでしょう。『プリズマ☆イリヤ』の世界は「切嗣が第四次聖杯戦争で聖杯よりも妻子を優先していたら」というIFストーリーになっており、一応はFateの世界観を守っていますけど、心底やりたい放題やってるので「Fateとは別作品」と考えた方が精神衛生的に宜しいです。『天地無用!』に対しての『魔法少女プリティサミー』、『とらいあんぐるハート』に対しての『魔法少女リリカルなのは』みたいなのものと捉えればOK。「スピンオフで魔法少女」って割と鉄板ですからね。『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』とか『新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん』とか。『ぷにぷに☆ぽえみぃ』……はちょっと違うか。

 ゼルレッチ翁が作った魔術礼装である「カレイドステッキ」に宿った精霊が「マジカルルビー」であり、『Fate/hollow ataraxia』のおまけシナリオにおいて遠坂凜が例によって例の如くうっかり使用して魔法少女に変身してしまった姿が「カレイドルビー」。杖=カレイドステッキ、精霊=マジカルルビー、魔法少女=カレイドルビーと覚えるべし。要約すると「カレイドステッキに宿ったマジカルルビーと契約した者がカレイドルビーになる」ので変身したイリヤもカレイドルビーへ分類されるわけであり、正確な名称は「魔法少女カレイドルビー・プリズマ☆イリヤ」なんですが、ややこしいので通常「カレイドルビー=魔法少女になった凜」「プリズマイリヤ=魔法少女になったイリヤ」と呼び分けています。サーヴァントをカード形式にし、クロウカードならぬクラスカードとして使用するなど、Fate本編の設定をうまく流用していて面白い。あまりにもネタ臭いビジュアルのためFateファンでさえも食わず嫌いしている人が少なくない作品ですが、意外と正統派の熱血友情(ちょっと百合)ストーリーに仕上がっています。ギャグもダイナミックで楽しく、遣り方次第では元ネタのFateを知らない人すら引き込みそうだ。OVAなのか、はたまたTVアニメなのか。続報を待つばかり。

エロゲ会社「他社のエロゲが強すぎて延期」 → 強すぎるエロゲ会社の社員「マジでイライラする。それなら公式サイトにその理由を書くべき」(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 ビッグタイトルと発売予定日が被ったので延期、という話はエロゲーのみならず一般ゲーム業界でもちょくちょく聞く話ですが、ここまでハッキリとぶっちゃける例は珍しい。どちらかと言えば暗黙の了解でしたからね。しかしドラクリが怖いならむしろドラクリとコラボ企画組むくらいのことはすればいいのに、と思わなくもない。あえて火中の栗を拾う戦法。ふと記憶が甦ったけど、『おたく☆まっしぐら』の体験版も同日発売する他社ソフトのネタ飛ばしてファンを無駄にヒヤヒヤさせていましたな。同日発売ソフトを意識しないメーカーはまずいないのでしょう、たぶん。

ハンター×ハンターまさかの劇場版wwwwwwwwwwwwwww (暇人\(^o^)/速報)

 ああ、そういえばまだ映画はやってなかったか。キメラアント編並みのエグい展開を期待したいけど、普通のジャンプ映画になりそうな予感。旅団絡みの話だったら観たいかもしれません。

Fate/Zero : BDボックスが初登場首位 4万3000セットで“ハルヒ超え”の歴代トップ(まんたんウェブ)

 BDボックスとしては過去最高の売上。とはいえハルヒは先にDVDリリースしてましたから、単純に比較できるものではないでしょうが……それでもあのお高いBOX(39900円)が初週のみで4万セット以上売れただなんて、すごい話だ。今後もこういう「いきなりBOX」みたいな売り方はちょくちょく出てくるかもしれませんね。よほど自信のある作品でないとなかなか難しいだろうけれども。

・拍手レス。

 戦塵外史、双帝興亡記……兄帝と道化の悲哀に、恥ずかしながらガチ泣きし……女帝も好きなのですが、彼女の存在の全てが兄の悲劇を引き立てるという……私にとってあの物語は、あくまでもヴァルキールのものでした。当然、真逆もまた真実なのですが…… 素晴らしい小説でした。
 花田小説は大事に溜め込んでいるので読むのが楽しみです。最近『創世の契約』を崩し始めましたけど、期待通りの面白さ。早く全部読み尽くしたい反面、なるべくゆっくり消化したい気持ちもあり、ジレンマ。


2012-03-10.

アニメ『化物語』の最終巻を今頃になって視聴した焼津です、こんばんは。

 アニメの『化物語』は全15話なのですが、1話から12話までがテレビ放映され、残り3話分はWEB配信された、ってことはリアルタイムで観ていた人ならご存じのことかと思われます。当方はWEB配信が話題になっていることを知ってアニメを13話から観始めたクチで、14話配信のときに「次で最終話だし、せっかくだからちゃんと1話から観よう」と考え、当時はまだそんなに品薄じゃなかった『化物語』のBDをチマチマと収集していきました。で、ゆっくり時間を掛けて1話また1話と観ていくうちに、「最終話をまだ観ていない」ことを忘れてしまって、「第六巻のエピソードは既に視聴済だし、暇なときでいいや」と後回しにしちゃった次第。『偽物語』のニコ配信を眺めながら「あ、そういや『化物語』の最終話ってまだ観てなかったじゃん!」と気づいて、どこにやったか分からなくなっていたBD6巻の発掘作業に入ったわけです。14話も改めて観直しましたが、何せ配信が2年前だったからスッカリ忘れている……こともなく、結構しっかり覚えていてビックリしました。

 さておき、この最終巻で一番面白かった箇所はあれですね、15話のオーディオコメンタリー。アニメ『化物語』のBDとDVDには副音声として、劇中のキャラクターが自分たちの姿を観ながらコメントする、という通称「キャラコメ」が付いています。原作者である西尾維新の書き下ろし。最近だと『境界線上のホライゾン』も原作者書き下ろしのキャラコメ付けてますが、あれはアニメの進行とタイミングを合わせるのが難しいらしく、脚本を書く原作者も演技しつつ読み上げる声優もかなりの苦労を強いられるとかで、やってる作品はそんなに多くないようです。物によっては本編の雰囲気がブチ壊しになりかねませんし。化物語やホライゾンは比較的「なんでもあり」だから許容されている面がある。化物語のキャラコメは評判が高く、ぶっちゃけ当方はこれを聴くために(そして何度でも聴き返せるようにするために)BD買い集めたようなもんですわ。本編観たいだけならレンタルで充分ですからな。

 撫子とメメ、という異色の組み合わせが光る『なでこスネイク』もさることながら、最終話である15話も副音声が素晴らしかった。阿良々木暦と羽川翼――組み合わせ自体は普通ですけれど、暦の方は今までコメンタリーに出てこなかったキャラだけに激レアです。いつも通りのノリでボケとツッコミを繰り返しながらダラダラとくっちゃべるのかな、と思いきや、いきなり「おい阿良々木」と来る。まさかの呼び捨て。羽川もとい羽川さんが溜まりに溜まった鬱憤を阿良々木にブチ撒ける、「これが本当のブラック羽川じゃないか?」と言いたくなる仕上がりになっています。恨み節の全力全開、見えぬ爪を突き立てて、虎も裸足で逃げ出すような勢いで引っ掻き千切る。原作読者なら骨の髄まで思い知らされていることですが、羽川翼というヒロインは出番が多い割に扱いが不遇……いやもう率直に申せば「報われない子」である。それぞれのヒロインに一定数のファンが付いていて、各々の愛の深さは様々であり負けず劣らずですけれども、流した血涙の量で言えば紛うことなく翼ファンたちが圧倒的でしょう。底抜けの悲憤、狂わんばかりの慟哭、そして――「西尾、丸々書き直せ」という極限の懇願に他ならなかった。『傷物語』読み返すにつけ「どうして羽川さんが正ヒロインじゃないん?」って不思議になります。まぁ暦と翼が恋仲にならなかった理由は『猫物語(黒)』で語られてますけどね。彼女の遣り場のない切なさが、キャラクターコメンタリーというメタ空間において遂に発散されるわけで、これをおめおめと聴き逃していた当方は実にバカだった。原作読んでストーリーは全部知っている、という人であってもキャラコメ目当てにアニメ版を観るだけの価値があります。今なら全話収録したBlu-ray Disc Boxも発売されており、大変お買い求めしやすい……と書きたいところですが、amazonの値引き込みでも2万円以上するアニメのBOXってやっぱり高いな。たぶんレンタルでも聴けると思いますので、未聴の方はまずそちらからどうぞ。

アドリブの新作『アオリオ』、主人公の名前が佐藤大輔

 わざとなのか? どうしても『皇国の守護者』の作者が脳裏をよぎってしまうが。舞台がレッドサンブラッククロスな日本だったりしないだろうな。それにしてもこの『アオリオ』の絵柄、「最近どっかのアニメで見たような……」っていうデジャヴ感がすごい。わざとなのか? これもわざとなのか? キャラ自体はそんなに似てないのに、半端ねぇ既視感がごっつい勢いでオーバードライブします。

『Dies irae』のPSP移植版、タイトルは『Dies irae 〜Amantes amentes〜』に決定、6月28日発売予定

 副題は「アマンテース アーメンテース」と読む。意味は「愛する者は正気なし」とのこと。恋に狂う、みたいな意味らしいが、そういやDiesのキャラってだいたい愛のせいで頭がおかしなことになっている人ばっかりだな。それにしてもTOP絵の蓮がカッコ良くて溜息が出ます。ギロチンの刃に黄昏さんが映っている演出が心憎いばかり。神咒を経た後だとこの姿にジーンと来ます。TOPでは「2012年夏発売予定」と表記されていますがPRODUCTのページやバナーだと6月28日になってる。なんでやろ。ともあれ、もうマスターアップに入っているような時期らしいので、よほどのことが起こらないかぎり予定通り発売されるそうな。あと3ヶ月ちょっとか……全然実感ないけど、とりあえずスケジュールに記載しておこう。あ、そういえばこの日は『魔女と百騎兵』(※音鳴ります、注意)の発売予定日か。

・拍手レス。

 最後の記憶…って確か文中でことあるごとに …バッタが。…バッタの跳ぶ音が。 みたいなフレーズが繰り返されるやつでしたっけ。綾辻はあの手の語り手の妄想系ストーリーが好きですよね。私はついていけませんでした。
 囁き3部作以上に趣味性が強い印象を受けました。『深泥丘奇談』も趣味に走ってそうで一旦敬遠しましたけど、文庫化した際に購入して今パラパラ読んでるところです。

 戦塵外史、最終巻になってたのか。戦士の法じゃないですよね? 気付かなかった、探そう。花田一三六は自分も大好きな作家なんだけど、他人にどう勧めたらいいのか分からんし、大ヒットするという光景も想像できん人だなぁ。いっそ、設定だけはコッテコテの売れ線狙いな話とかを書いてみてほしい気もする。学園ハーレムラブコメとか。それでもなお鉄槌や削り出しの大剣が飛び交い、教師のおっさんの渋い過去話とかが語られそうだけど。少なくとも、萌えとは違うが魅力的な女性を書ける作家さんだとは思うんだ。
 花田一三六は「評価が高い」「でも読まれていない」というイメージのまま十数年が経過してしまった不遇な作家。士伝記が戦塵外史として復刻・完結しただけでも恵まれています(同じGA文庫所収である高瀬彼方のカラミティナイトはオルタナティブとして再出発したのに2冊で打ち切られた)が、もっとスポットが当たっていい作家だよなぁ、と。

 猛鷲(エル・アゾゥル)の立体化物、電撃通販で売ってましたよ。
 マジですか。立体化されているのは聞き及んでいましたけど、まさか作例のみならず販売までされていたとは……ぐぐったら出てきましたけど、予約受付終了で、19000円(税込)で、ガレージキット(自分で組み立てて塗装する必要あり)。泣けばいいのか笑えばいいのか。


2012-03-06.

『スカイブルー(5)(完)』という表記を見てやっと打ち切りのことを知った焼津です、こんばんは。

 なんてことだ、色彩戦争は始まったばかりだというのに……近所の書店へ新刊を買いに行くたび「配本全然増えてねぇな、売れてないのか?」とちょっぴり危惧したものですが、まさか本当に打ち切られるとは。『魔人探偵脳噛ネウロ』だって最初は配本少ないどころか平台に並ばず直で棚差だったのに進むにつれて平台へ山積みになっていったから、『スカイブルー』もそのうち扱い変わるだろう、と楽観していた面がありました。残念だ。画力がもう一つなところが祟ったのか? それともこういう異能系バトルはもう流行らないのか? どちらにしても寂しいことこの上ないです。

古賀亮一の旧『ゲノム』再編集版、『ゲノム金』『ゲノム銀』のタイトルで4月25日に刊行予定

 予価はそれぞれ1470円(税込)。前々から出すって話はありましたが、ようやく来ました。『ゲノム』はかつてビブロスという出版社から4巻まで刊行されていたギャグ漫画で、ビブロスが倒産したことにより未完となり、コアマガジンに移籍して『新ゲノム』とタイトルを改めて再開しました。ファンの間では『ゲノム』を旧ゲノム、『新ゲノム』を新ゲノムと呼び分けているものの、別にキャラや設定が変わっているわけではないのでまとめて「ゲノム」と称することが多く、新規ファンが比較的入手の容易な『新ゲノム』しか読めず、旧ゲノムのネタが通じないため温度差が生じるっつー事態に見舞われていました。当方も『新ゲノム』から読み出したクチであり、ここからでも充分楽しめたんですが、やはりどうしても旧ゲノムの内容が気になって……結果、割と高価な古本セットを買い求めてしまった次第。いずれ復刻版を出すつもり、という話は何年か前からありましたが、ようやく実現した模様です。全4冊を2冊にまとめ直すのだから、かなり分厚くなるだろうと思います。ハッキリ言って旧ゲノムの最初あたりは絵柄が古く、古賀特有のノリもまだ完成していない頃ですから、今の古賀に慣れている人が読むと少しばかり辛く感じられる。ゆえに「強烈にオススメ」とは言い難い。でも、旧ゲノムあってこその新ゲノムですから、未読の方は是非この際チャレンジしてほしい。当方みたく、いきなり新ゲノムから読み出して、気になったら『ゲノム金銀』にも手を伸ばす――という方法でも宜しいかと。ネタを積み重ねる形式ではあれども、常に一定のパターンに則って展開する単発ギャグですから、途中から読み出したとしても特に差し支えありません。

『境界線上のホライゾン』浅間智と本田正純のエロい抱き枕カバー登場!巨乳と尻どちらがお好み?(萌えオタニュース速報)

 なんと浅間しい乳であることか……さすが浅ま痴、伊達に浅ましくない。ホライゾンはあまりグッズ類が充実してなかったけど、BDが売れたおかげか、二期に合わせて展開しているのか、徐々に増えてきていますね。個人的に是非とも期待したいのが猛鷲(エル・アゾゥル)の立体化、普段立体モノを買わない当方でもあれが出たら財布の紐をブッ千切らずにはいられない。

マンガやアニメの「絶対的ヒロイン」、いなくなってない?(萌えオタニュース速報)

 来月からアニメが始まる『黄昏乙女×アムネジア』の夕子さんは作品を象徴するヒロインであり、あらゆる面において他を圧倒する勢いで突出しています。彼女ナシでは話が成立せず、もはや絶対的と評しても過言ではない。ただ、『Dies irae』ルサルカとか、作り手側が思いも寄らなかったようなキャラが異様なくらい人気出てメイン喰っちゃった(感謝キャンペーンパッケージまで生産された)りするとかで、狙って「絶対的なヒロイン」を生み出すのはやっぱり難しいでしょうね。物語の構造上は絶対的ヒロインであっても読者(視聴者)人気では他と競り合うレベルになる、って事態はしばしば起こりうる。『とある魔術の禁書目録』なんて、1巻発売当時からビリビリ(御坂美琴)の人気が凄かった。1巻のヒロインはあくまでインデックスであり、美琴は本筋に絡まないチョイ役だったというのに。あとエロゲーでは女装主人公が絶対的なヒロインとして認識されちゃうケースがポツポツありますね。『処女はお姉さまに恋してる』『恋する乙女と守護の楯』『るいは智を呼ぶ』、etc。奴らはピンで登場するだけで「あ、おとぼくだ」「あ、恋楯だ」「あ、るい智だ」と判別してしまえる。そして各所に配置され、優秀な初見トラップとして機能するわけです。「ヒロインだと思っていたのに男かよぉぉっ! でも、これはこれで……」 六道を高速輪廻し急速に業(カルマ)を蓄積していくルーキーに幸あれ。

・拍手レス。

 マージナルオペレーションに興味をひかれて最前線で一章を読みました。青いボタンの話でエンダーのゲームを思いだした人は大勢いたでしょうね。命令と良心の関係も踏まえていますからパクリという気分は全くしませんでしたが。ちなみに一番ファンタジーだと思ったのが自分の成績にあわせてスコアを付けてくれるシステム。kikaiga 教材として使っているからには中の人が居るとも思えず、
 スコアを付けてくれるシステム。機械がそこまで判断できるのなら機械にやらせれば良いよなあ。教材として使っているからには中の人が居るとも思えず、
 居るとも思えませんので!…さっきから途中送信ばかりだ、寝よう

 『エンダーのゲーム』と言えば、映画化されるって噂があったのになかなか具体的な話が聞こえてきませんね。ハリウッドじゃよくあることですけれども。

 空気抵抗が皆無なために大気圏突入後も減速しないのが強みですね>超電磁鈴蘭
 きっと地上の目撃者が「われ天より閃く電光のごとく鈴蘭の落ちしを見たり」と語り継いでくれるでしょう。


2012-03-01.

『マージナル・オペレーション01』を読んで「下手なところで出していたら『ニートが民間軍事会社に就職しました』式の文章タイトルを付けられていたかもしれないな」と思った焼津です、こんばんは。

 『高機動幻想ガンパレード・マーチ』で有名なゲームデザイナー・芝村裕吏が初めて手掛けた小説。ガンパレは興味があったけど結局やってないので、最初はスルーしておりました。「平和の温故知新@はてな」の感想読んで少し関心を惹かれ、外出時に寄った書店でたまたま見かけて深く検討せずに購入。何となくパラパラ読み始めて、気がついたら読み通していました。本当にこの作品、読みやすいです。読みやすいっつーか、引っ掛かりを覚える箇所がなくてスルスルとページをめくってしまう。一個一個のシーンを細かく区切っているおかげでテンポが良く、理解も早いため、集中力が却って持続します。

 失業してからずっとニート生活を続け、三十路迎えてから焦り出した主人公が「年収600万」という条件に釣られて民間軍事警備会社に就職し、職場に馴染んでトントン拍子で海外の戦地へ――といったふうに話は進んでいく。入社時の試験である「青いボタンを押す」をオペレーターという任務の象徴に仕立てていくなど、さりげない配慮が上手い。あっさりと馴染みました。淡々とした文章が逆に好印象。主人公が勇猛果敢な性格ではなく、理性的なのにどこかボンヤリとしていて、ただ流されるまま状況に身を委ねていくところが絶妙なニート感を湛えています。主人公は「記憶力が優れている」という設定だけど、「一瞬ですべてを頭の中にインプットする」みたいな瞬間記憶じみたチート能力の持ち主ではなく、ギリギリありえそうな範囲で有能さを示す。そのバランス感覚もグッドでした。自宅警備員だった男が齢三十にして戦場警備員となり、流されるままの人生から脱却する。1冊全体が長大なプロローグといった塩梅で、早く続編が読みたい、って気分になります。ただエルフの件ではズッコけましたね。「01」ってくらいだから「02」も出るんだろうけど、変人オンパレード・マーチになりそうな予感。

貴志祐介の人気SF小説「新世界より」がテレビアニメ化 製作:A-1 Pictures、監督:石浜真史、キャスト:花澤香菜他(萌えオタニュース速報)

 貴志作品がアニメ化とは、すごい時代になったものだ。確か“防犯コンサルタント・榎本径”シリーズも今度ドラマ化されるんですっけ。『黒い家』『ISOLA』『青の炎』など初期の何作かは映画化されているものの、重厚かつ凄惨な作風のためか近年はあまり映像化と縁がなかった貴志祐介。遅筆病も徐々に癒えているみたいですし、ふたたびブレイクの兆しが見えてきましたね。『新世界より』は既に文庫化されていますが、全3冊の文庫版に対しノベルス版は全1冊にまとまっているので、分厚い本がお嫌いでなければこちらをオススメしたい。『悪の教典』も新書版が全1冊なのでオトクですぞ。こうして全1冊にまとめてくれるだなんて、分厚い本好きにとってはまことにありがたい作家だ。「貴志作品はまったく読んだことないし、どこから手を付けたものか……」と逡巡している方は“ユリイカ”の貴志祐介特集号がうってつけの指標となるかもしれない。ならないかもしれない。ずっと積んでいるのでまだ読んでないんですよね、あれ。

『Another』綾辻行人先生、次は「Another 〜episode S」(仮題)という長編を書く予定(萌えオタニュース速報)

 『Another』のスピンアウトらしい。続編は別に構想中とのこと。アニメ化の影響で原作やコミカライズの売れ行きが良くなっているそうで、何かやるかな、とは思ってました。ただ、綾辻は予告してからが長い作家ですからね……年単位の待機は覚悟せざるをえない。幸い綾辻の本は積んでいる分も多いので、焦らずゆっくり待つことができます。確か最後に読んだのは『最後の記憶』だったかな。ハードカバーは2002年刊行だからほぼ10年前か。あれの出来がイマイチだったんでちょっと離れちゃったんですよね。おかげで備蓄は豊富。

 綾辻と言ったら何はともあれ“館”シリーズ(中村青司という謎の建築家を焦点にしつつ各地の館で次々と事件が起こるシリーズ、タイトルが『○○館の殺人』で統一されている)ですが、それ以外にも『殺人鬼』『フリークス』『眼球綺譚』といった毛色の変わった作品も執筆しており、「何か試しに1冊だけ読んでみたい」ってんであればそこらへんを推しておきます。気に入ったのであれば“館”シリーズや『殺人方程式』に挑んでみるのも一興。『霧越邸殺人事件』『どんどん橋、落ちた』は綾辻の作風に慣れてきてから読まないと面食らうかもしれません。“囁き”3部作は個人的にあまり好きじゃなかったけど、今読み直したら感想が変わるかな。

アメリカが宇宙兵器 『神の杖』を研究開発、衛星の誘導で地球上のすべてのターゲットを攻撃可能!(オレ的ゲーム速報@刃)

 『蒼穹の槍』かよ。あと詳細は忘れたけど、され竜にも衛星軌道へ昇って攻撃するシーンがあったような……みんな「超高空からの攻撃」が好きですね。個人的にはこういうワンサイド・シューティングよりも単騎特攻系、つまり「生身で自由落下」みたいな方にワクワクします。刃牙幼年編の勇次郎とか『モエかん』の隷とか。でも「超高空からの攻撃」も、これはこれで嫌いではない。となると答えは一つ、「衛星軌道上からの超電磁鈴蘭」ですな。地上のどこにでも攻撃できるのだから、「どこでも鈴蘭」と名付けよう。

20年後のキートンを描く新作『MASTERキートン Reマスター』 が3月19日ビッグコミックオリジナルで連載開始!(萌えオタニュース速報)

 それで復刻していたのか。キートンは今ちまちまと読んでいるところですが、エピソードが短くまとまっているあたりがイイですね。最近の浦沢は長編物が多くて、進めば進むほどスケールが大きくなっていって疲れますから、こういう一話完結タイプは安心して寛げる。続編も一話完結方式を貫いてほしいですね。世界を揺るがす大事件の渦中へ呑み込まれていくキートン……みたいなビッグスケールの話は勘弁。

【凄杉】磁気モノポールを簡単な構造で作成できることを理論的に示す…首都大学東京(暇人\(^o^)/速報)

 そういえば『9S(ナインエス)』の新刊が今月出ますね。本編11冊目、番外編2冊も加えると13冊目。あらすじからするとまだ完結ではないみたい。

『E.G.コンバット』1巻がamazonマーケットプレイスで4,561円(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 EGF、出るかどうかもまだ分からないけど、もし出るのであれば既刊の新装版も一緒に発売されそうな気がします。あるいは合本形式で分厚いハードカバーの上下巻とか。当方は新装版ごと買う気満々です。当方が買った分は、田舎のデパートの隅っこに設えられた申し訳程度の小さな書籍売り場(もう10年くらい前に撤去された)で入荷したときから恐らくずっと放置されていたであろう茶色く日焼けた初版本であり、ハッキリ言って最初から状態が悪かった。なので買い直すことにいささかも躊躇いがないです。しかし懐かしいな、あの書籍売り場……デパートの商品券を貰って、他に使い道がないから仕方なく足を運んだんですが、地元で新品の『E.G.コンバット』売っていたのはあそこだけでした。当時は田舎だとライトノベルの扱いが少なくて、欲しい本を探すときに苦労しましたね。品揃えが悪いことはもちろん、新刊の入荷自体が遅かったし。今はどこもかしこもコーナーが拡充されて、入ってくるのもちょっと早くなった。ただ、書店の数はどんどん減ってきているんで、蔵書整理しているときに「ああ、これはあそこの本屋で買った奴だ。あの頃は小遣いが乏しかったから、買おうかどうか真剣に悩んだもんだ。同時期に出ていた奴は指を咥えて見送ってしまったなぁ……」と追憶に耽り、「あの書店も、今はもうない」って切なくなることしばしば。話を戻して『E.G.コンバット』。「あきやまみ」なる文字列を見れば「お」ではなく「ずひと」と続けずにはいられない人間たちが抱き枕代わりにしている共通の言葉を記して結びとさせていただきます。EGFマダー?

・今月の予定。

(本/小説)

 『百鬼夜行 陽』/京極夏彦(文藝春秋)
 『怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る』/竜騎士07(星海社)
 『BASTARD!! 暗黒の破壊神 NINJAMASTARガラ外伝』/萩原一至、古橋秀之(集英社)
 『パラダイス・ロスト』/柳広司(角川書店)
 『オワ・ランデ!えろすとら』/神秋昌史(集英社)

 文庫化情報。今月の目玉は何と言っても村上春樹の『1Q84』でしょう。BOOK1が前後編で発売されます。他はデニス・ルヘイン(レヘイン)の『運命の日(上・下)』とか、両角長彦の『ラガド 煉獄の教室』とか、深見真の『猟犬』とか、伊藤計劃の『The Indifference Engine』とか。ああ、そうそう、本多孝好の『WILL』も出ます。『MOMENT』の続編。花村萬月の『私の庭』三部作完結編『北海道無頼篇(上・下)』も。あと今月目立つのは文庫化ならぬ再文庫化ですね。一度文庫で発売した奴の新装版とか新訳版がいろいろ刊行されます。たとえば『義輝異聞 将軍の星』、『剣豪将軍義輝』の番外編に当たる短編集で、長らく絶版していましたがようやく再刊される。香納諒一の『梟の拳』も、以前講談社文庫に収録された奴がなぜか徳間文庫にお出まし。盲目の元ボクサーが主人公、ということしか知らなかったので「なんで?」と思ってあらすじ読んだら「原子力産業の闇に、視力を失った元チャンプが素手で立ち向かう!」。そういえば『原子炉の蟹』も新装版出してたな……あまり嬉しくないブームだ。文庫じゃないけど講談社ノベルスは『翼ある闇』の新装版を発売、十数年来の麻耶ファンである当方に避ける術はない、粛々と買おう。文春文庫は高野和明の『13階段』と柴田よしきの『桜さがし』を再文庫化。高野和明は『ジェノサイド』で話題になってるから分からんでもない(『グレイヴディッガー』も再文庫化してたし)が、柴田よしきの方はなぜ? 不明です。

 最後に、早川もいくつか。ル・カレの『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』新訳版。これは映画化に絡んででしょうね。映画版邦題は『裏切りのサーカス』。ハッキリ言って……ダサい! ジョージ・R・R・マーティンの『七王国の玉座(上・下)』は「改訂新版」と謳っている。『七王国の玉座』は“氷と炎の歌”という大河ファンタジーの第1部で、日本だと比較的マイナーながら本国ではドラマ化されるほど人気があります。既に一度文庫化されていますが、そのときはライト層を取り込みたかったのか「1冊あたりを薄くして全5冊で刊行」とうセコい戦法に踏み切り、当方を始めとするファンに罵られました。『デルトラクエスト』じゃないんだから薄くしたって売れるわけないですよ。その後、“氷と炎の歌”は第4部『乱鴉の饗宴』で訳者と訳語を一新して「えっ、なにこれ。人物名や用語が変わってる!?」と既存のファンを混乱させる事態を引き起こします。たとえば「夜警団(ナイツウォッチ)」が「冥夜の守人」になっていたり、「ティレル家」が「タイレル家」になっていたり。「原語のイメージに近づけるため、あえて刷新した」とアナウンスされていますが、この件に関してはファンの間でも未だに意見が分かれています。今回の「改訂新版」はつまり既刊を第4部の訳語に直していくという意味で、旧訳語に親しみを覚えている身としてはやや納得が行きませんが、未読の方はここから読み出せば混乱が少なくなるはずなので一応オススメしておきます。

 『百鬼夜行 陽』は、ファンならタイトルでピンと来たはず。そう、『百鬼夜行 陰』と対を成す一冊です。『陰』のハードカバー新装版も同時発売されますが、本の性質からして主に買うのは既存の京極ファンでしょうな。『百鬼夜行』は“京極堂”シリーズのスピンオフみたいな位置付けの短編集ですんで、シリーズ未読の方は先に一連の長編を読んでおくとベターです。『怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る』は以前雑誌に掲載された作品。コミカライズされていたものの、単行本には収録されていなかった。最近の竜騎士07はなんだか毀誉褒貶が激しいけれど、個人的にはまだ飽きてないので追い続けるつもり。星海社FICTIONSというレーベルの新刊で、同日に虚淵玄の『白貌の伝道師』も発売されます。これは平たく言えば同人誌として刊行していたものを商業ベースに乗せ直すだけなので、別に新作ではありません。『Fate/Zero』と同じパターン。『BASTARD!! 暗黒の破壊神 NINJAMASTARガラ外伝』はノベライズ作品。原作最新刊(27巻)と同時発売予定。バスタード、実はハマっていた時期もありましたが、25巻まで読んで脱落しました。刊行ペース遅すぎだし、デジタル化した原稿には馴染めないし、と。でも今回のノベライズは『NINJAMASTARガラ外伝』なので、原作追ってなくても楽しめそうだ。ちなみに古橋秀之は今月もう一冊『ZETMAN』のノベライズも上梓します。ダブルフノレハシと来たか。ワクワクが止まんないな。『パラダイス・ロスト』は“D機関”シリーズと呼んだ方がいいのか、“結城中佐”シリーズと呼んだ方がいいのか、“ジョーカー”シリーズと呼んだ方がいいのか。迷うけれど、とにかくシリーズの3冊目です。いまどき珍しいスパイ物ってことで話題になっている。読みやすいので、「スパイ物は読んだことないなぁ」という人にこそオススメしたいシリーズ。『オワ・ランデ!えろすとら』は去年完結したシリーズの番外編。これが文字通りの「終わらんで」、とドヤ顔する作者が目に浮かぶ。コミカライズ版も同じ時期に発売されるはずです。ほか、リストには挙げていませんが山田正紀のオペラ3部作完結編『ファイナル・オペラ』、有川浩の『三匹のおっさん』続編『三匹のおっさん ふたたび』、水村美苗10年ぶりの新作小説『母の遺産』も購入予定。

(本/漫画)

 『ウィッチクラフトワークス(3)』/水薙竜(講談社)
 『エクゾスカル零(2)』/山口貴由(秋田書店)
 『黄昏乙女×アムネジア(6)』/めいびい(スクウェア・エニックス)
 『放課後プレイR』/黒咲練導(アスキー・メディアワークス)
 『HELLSINGファンブック』/平野耕太(少年画報社)

 『ウィッチクラフトワークス』は一部で熱い支持を受けているマンガ。「主人公よりも長身のヒロイン」、つまり巨娘属性好きにはたまらない作品です。ウィッチだけに魔法も飛び交いますが、今のところ大きなストーリーは動いていない。主人公を狙う勢力があり、ヒロインはそれに対抗すべくチョコチョコと小競り合いを繰り返している。正直現時点では物語として面白いわけではないが、細かい部分の作り込みが非常に執拗で、読めば読むほど面白くなる。1巻の時点では「微妙……」と思っていた当方も2巻では熱烈にハマって悶えた。極度のブラコンな妹も可愛いし、これは是非とも打ち切られることなく末永く続いて欲しいものだ。アニメ化すると却って寿命が縮まりそうなのでひっそりほそぼそとやってほしい。あ、そういえば『巨娘』の新刊も同日に出るらしいです。5年ぶりくらいか? 『エクゾスカル零(2)』は待ってましたの第2巻。『覚悟のススメ』を今の山口貴由が描いたら……というファンの夢想に余すところなく応えてくれる。『シグルイ』の再開も待ち遠しいが、今はこのエクゾスカルを堪能させてもらおう。チャンピオンと言えば『ウルフガイ』、今月の新刊(12巻)で完結しますね。8巻以降の展開が長引きすぎたこともあり、「やっと終わるのか……」と溜息が出た。『黄昏乙女×アムネジア』はアニメ化も決まった学園ホラー。1巻刊行当初から人気があったので、なるべくしてなった感じではある。要約すると「ヒロインの夕子さんが可愛すぎて死にたい」の一言に尽きる。ホラーなので若干怖いシーンもありますが、そんなもの夕子さんが放つ魅力の前には跡形もなく消し飛ぶ。アニメは夕子さんのシャルムをどれだけ見事に再現してくれるのか。それに尽きます。アニメと言えば『妖狐×僕SS』のオフィシャルガイドが同日到来。普段こういうの買わないけど、アニメ版の出来が良かったからたまには買ってみよう。『放課後プレイR』は「おなじみの面々」がテーブルトークRPGをする話だそうな。好きは好きだけど、黒咲作品って年々語ることがなくなっていくな。もうそこにあるのが当たり前、みたいな具合で、良くも悪くもありがたみを感じない自然な存在になりつつある。アスキー・メディアワークスと言えば『境界線上のホライゾン』のコミカライズも出ますぞ。夏の第2期に対する復習として一冊どうぞ。『HELLSINGファンブック』は気になってるけど、どんな内容か詳細不明。平野耕太だけに、まだ詳細が決まってないのかもしれん。でも『THE DAWN』再録だったらガッカリするな、“アワーズ”の付録でゲットしたばかりなんだし。

(ゲーム)

 『‘&’−空の向こうで咲きますように−』(暁WORKS)
 『DRACU-RIOT!』(ゆずソフト)

 『‘&’−空の向こうで咲きますように−』はるい智スタッフの新作。タイトルはそのまま「アンド」と読む模様。前作がるい智FDでしたから、純粋な新作としては『コミュ−黒い竜と優しい王国−』以来、約2年半ぶりとなる。今回はるい智スタッフを信用してあえて体験版をやらずに待機しているため、どんな内容かサッパリ分からないが、とりあえず延期だけしないで無事に出してもらえたらな、と。『DRACU-RIOT!』は着実に知名度を上げて行ってるゆずソフトの新作。タイトルは「ドラクリオット」と読みます。直訳すると「吸血鬼騒動」か? 吸血鬼と人間の共生する島「アクア・エデン」にやってきた主人公が吸血鬼になってしまって本土に戻れなくなる、という設定の現代ファンタジー。要するにヴァンパイアバンドか。ゆずソフトは伝統的に「キャラはいいけどシナリオが……」なソフトばっかり作ってきたので、率直に申し上げてストーリーは期待していない。ただただ魅力的なヒロインが登場することのみを祈る。

・拍手レス。

 オクルトゥムの情報を初めて目にした時の胸の高鳴りは今でも思い出せます。待つんだ。たとえ発売の可能性が那由多の彼方でも。
 末期少女病やEGFだって動きがあったんです。永劫の永劫倍に耐え抜けば、きっとオクルトゥムだって。

 ここ1年ほど、毎月日本人作家SF小説購入キャンペーンを個人展開しています。今月発売された、尻Pこと野尻砲介先生の新刊が面白かったです。ニコ動とボーカロイドを楽しめのでしたらお奨めです。
 野尻先生は『天穹の羅針盤』と『素数の呼び声』と『シエナの花園』とロケガ新作を出す気はまだあるんだろうか……それはそれとしてピアピア動画はちょうど今読んでるところです。

 しかし、花田一三六の戦塵外史六巻が十年近くぶりで本を読んでてガチ泣きしそうになった本という事実。もっとああいうラノベ“も”あってもいいと思うんけどなあ……
 花田作品は相手を試し読みさせるところまで連れていけば高確率でそのまま引き込めるんですが、売れ線から外れすぎていてまず手に取ってもらえないんですよね。もうジブリあたりがアニメ化してくれないことには「売れない」という現実を覆せそうにない。

 『紅』は完全に漫画版の方に移行した印象ですね。小説版よりボリュームが増えてもうコッチが原作みたいに。
 そのうち「え? 『紅』ってライトノベルが原作だったの?」と驚く人が出てくるのかもしれない。


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