2011年12月分


2011-12-27.

TYPE-MOON稀代の延期ゲーとなっている『魔法使いの夜』の体験版をプレーした焼津です、こんばんは。

 もうとっくに入金済みで後は製品版が届くのを待つだけだからわざわざ体験版をプレーする必要もないのだが、虚淵玄と東出祐一郎と鋼屋ジンの座談会目当てで買った“TYPE-MOONエース”に付いて来たのでせっかくだからやってみよう、と手を出してみました。まず、「まほよ」こと『魔法使いの夜』が何であるかを解説。もともとは奈須きのこが書いた小説で、執筆時期は『空の境界』よりも古く、1997年頃の作品です。作者曰く「生まれて初めてきちんと完結させた長編小説」。本(コピー誌)にはなったものの頒布されず、「関係者しか読むことが出来ない幻の作品」としてTYPE-MOONの会議室にひっそりと安置され続けているそうな。ゲーム版シナリオはその小説がベースになっていますが、ほとんど書き直したためか作風は今現在の奈須きのこに近く、根幹は初期作ながらもらっきょに見られた「読みにくさ」はありません。

 作中の時代設定は80年代後半、主人公は蒼崎青子。『空の境界』に登場した人形師・蒼崎橙子の妹であり、『月姫』にもちょっとだけ出てきたキャラクターです。『MELTY BLOOD』に参戦したことで知られるが、メルブラ以外では戦闘シーンを描写されたことはない。彼女は奈須きのこワールドにおいて5人しか存在しない(うち1名は既に死亡している)「魔法使い」の1人ですが、まだ魔法使いと呼ばれる前、一介の魔術師に過ぎなかった少女時代を綴るストーリーこそが『魔法使いの夜』、というわけです。2008年に制作発表され、「2010年9月30日」と一旦発売日が決まったのに、延期して「今冬」「2011年内」を経て現在は2012年4月12日発売予定……「ノベルゲーとしては話が短い」「ボイスは付かない」「Hシーンもなくて全年齢向け」とファンがガッカリするような材料を積み重ねた末の長延期ですから、堪忍袋の緒が切れた人もいたことでしょう。当方もよく考えずに入金してしまったことを幾度悔やんだことか。なぜそんなに時間が掛かったのか、は体験版をプレーして理解しました。つくりものじの演出がすごい。すごいというか、凄まじい。手間掛け過ぎで、「そりゃ年単位の延期もかますわ」と納得。今はなきLittlewitchFFDminori『ef』と同じく、実装するにはかなりの技術とコストと気合と時間が要りそうで、真似して追随してくるブランドは恐らく現れないだろうと思われます。

 ただ、すごいことはすごいが、個人的には「頑張りすぎ」と感じられていまいち寛げなかった。ノベルゲー、詰まるところ「字を読ませることに特化したゲーム」の演出は年々強化される一方で、体験版をやるたび「すげー、エロゲー(PCで発売されるノベルゲーはほとんどが18禁)もここまで来たのか」と感銘を受けますが……やはり、英里子さんの付けまつ毛みたいに「頑張りすぎ」なムードが伝わってくると寛ぎにくい。『明日の君と逢うために』くらいが心地良くて寛げます。単に当方が旧い世代だからかもしれませんが、激しい戦闘シーンは別として、単なる日常シーンはテキストやCGをじっくり読ませて/見せてくれればそれでいいと思ってしまう。視線がうろうろすると、どうにも落ち着かない。草取りのシーンも凝っているしすごいが、果たしてそれは本当に必要な「すごさ」なのだろうか。前回の更新で古橋作品について「密度が均一になっている(常に濃い)せいで却って平坦な印象を受ける」と書きましたが、まほよも「常にすごい」せいで却って平坦な印象を受けます。体験版は奈須きのこに言わせれば「ベンチマーク」であり、いくつかのシーンを切り出して貼り合わせている(冒頭をそのまま収録するとネタバレになってしまうらしい)ので話が飛び飛びになっており、演出とは無関係に集中し辛くなっていますから、実際に製品版をプレーすればもう少し感想は変わってくるかもしれません。つくりものじの情熱が空転しないことを祈りつつ、発売を待ちます。

『境界線上のホライゾン』アニメ版、2期は2012年夏放送開始予定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 内定していた2期目は来年の夏、7月あたりに開始ですか。原作の新刊もその時期に合わせてきそう。2期は1期と同じく1クールなのか、それとも増量して2クールなのか。ファンとしては後者を願いたいが、分割で最初は1クール、次は2クールってパターンは記憶にないから不安。2巻は1巻よりもページ数が多く、新キャラも続々と出てくる(冒頭の登場人物紹介に記載されているキャラクターが50人を突破している)ので1クールだと早送り再生でもしないかぎり収まりそうにありません。しかし、2クールあったらあったでエピソードの切り所が難しそうだ。境ホラはかなり頻繁に視点が切り替わり、少しずつ情報を積み重ねながら進めていく形式なので、章によってはほとんど話の動かないところもあります。ネタが山盛りなので飽きませんけど、アニメは小ネタをだいぶ削る方針で行っているため、2期に入ってドッと情報量が跳ね上がったらノリも変わってしまいそうだ。後半はひたすら戦闘シーンが乱打されるし、サンライズの体力が続くかどうかも心配。さて、どうなることか。

境界線上のホライゾンBlu-ray1巻 アキバほぼ完売。アマゾンもプレミア(アキバBlog)

 ちゃんと予約しておいてよかったです。しかし、放送前からは考えられない事態だ。川上稔にはよく訓練されたファンが付いており、「必ず買う層」があったことは確かですが、そういう層は買い逃しを恐れて早期に予約を済ませているはずですし、発売直後に店頭分が売り切れるなんて想像しがたい。結構新規のファンが築かれていた、ということなのでしょうか。これは2期どころか3期も視界に入ってきましたね。いやはや信じられません。過去に「この企画に手を伸ばしたサンライズは勇気があるっつーか、ぶっちゃけ狂しておられるな」と失礼なコメントをしてしまったことをトリプルアクセル土下座で謝罪したい。

【訃報】「YU-NO」「EVE」などを手掛けた菅野ひろゆき氏逝去(萌えオタニュース速報)

 素で「嘘だろ!?」と叫んでしまった。蛭田昌人と並んで90年代のエロゲーを代表するゲームデザイナーでありシナリオライターです。古参のエローゲーマーには「剣乃ゆきひろ」と表記した方がピンと来るでしょうか。90年代がどんどん思い出と化していくことに慄然とする。ご冥福をお祈りします。

・さて、年末恒例の「この一年を振り返る」的なことを。

 2011年、今年は何と言っても震災が一番の出来事でした。まさか人生において二度も「震災」と呼ばれるものを目にすることになろうとは。数日は気が塞ぎっぱなしでどんな本を読んでも中身に集中できず、『けいおん!』のBDを毎夜1枚ずつ視聴することで辛うじて精神の均衡を保っていた有様でした。おかげで『けいおん!』のEDを観ると自動的に震災が発生した頃を思い出してブルーになってしまう。OPではなくEDなのは、頭の片隅に追いやっていた現実感がEDのあたりで戻ってくるからですよ。なんとありがたくない後遺症。それ以外だと、エジプト革命でムバラクが失脚したり、ビンラディンが殺されたり、ノルウェーで大規模なテロがあったり、リビア暴動の末にカダフィ大佐が殺されたり、北朝鮮の金正日が死んだり……到底一年間の出来事とは思えない密度。まさに「激動の一年」でした。年の初めに話題となった「スカスカおせち」が遥か遠くのことに感じられる。有名人死去のニュースも相変わらず多かった。アニメ監督の出崎統を始め、松野秋鳴や団鬼六、和田慎二、小松左京、青山景、土屋隆夫、市川森一、そして上にも書いた菅野ひろゆき。海外では『ファイアフォックス』のクレイグ・トーマスや『悪童日記』のアゴタ・クリストフも亡くなっています。

 オタク業界に目を向けますと、アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のヒットが一年通して話題になりました。1話目と2話目は「普通に好評」って塩梅でしたけれど、3話目で一気に火が点いて以降は燃え広がる一方。「虚淵玄がシリーズ構成と全話脚本を担当しているから」という理由で注目していた当方も毎週毎週続きが気になって仕方がありませんでした。放送終了後も3部作の劇場版が制作決定するなど、飛ぶ鳥墜とす勢いが収まらない。去年の今頃に「アニメ企画として『まどか☆マギカ』や『Fate/Zero』も始まる手筈となっており、2011年は御大の年となりそうな気配です」と書きましたが、まさにその通りとなった。書いた本人でも信じられない。あれって更新した後で「ちょっと誇張表現だったかしら、てへぺろ☆(・ω<) 」と軽く反省したくらいなのに。これほど随所で「虚淵玄」という名前を見かけた年はなかったし、これほど御大のインタビュー記事を読まされた年もなかった。かなり仕事が殺到しているみたいで、「のんびりプラモでも作って余生を過ごす」という野望からは遠ざかってしまったようだ。まどかやZero以外にもアニメ企画に携わっていて、来年に情報公開されるみたいです。ワクワクしながら待つとします。アニメは他に『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『TIGER & BUNNY』『輪るピングドラム』など原作の付かないオリジナル作品が次々と話題になりました。おかげで当方も本格的にアニメ視聴に目覚めた次第。その流れがなければ年末の『蒼穹のファフナー』一挙配信もスルーするところでした。ファフナーは前半が少し盛り上がりに欠けますが、後半はもう怒涛の面白さが押し寄せてきます。今年観たアニメでは『魔法少女まどか☆マギカ』と『蒼穹のファフナー』が個人的に二大トップでした。『Fate/Zero』『境界線上のホライゾン』といった原作付きアニメも素晴らしい出来で満足。両方とも2期目には期待している。『うさぎドロップ』『ちはやふる』はまだ観ていませんが、評判良くて楽しみ。『俺たちに翼はない』はさして話題にならなくて残念でしたね。王雀孫がキャラクターコメンタリーを書き下ろしたり、購入特典として田中ロミオや丸戸史明が加わった書き下ろしアンソロジー小説の全プレ企画を実施(まだ応募期間内なので気になる方はお早めに)したり、ファン向けにいろいろと頑張っていたのに……ちなみに当方はもう俺翼にお金を使うことに疲れましたので、ドラマCDの3rdシーズンしか買っていません。エロゲー原作アニメは『ましろ色シンフォニー』『真剣で私に恋しなさい!』もそれぞれ違う意味で残念。前者は紗凪や愛理の報われなさに、後者はシリアス展開のアレさ加減に。ただ、マジ恋は最終回のクッキー第四形態でもう突き抜けちゃった感があって批判する気も失せました。あとは『gdgd妖精s』の脱力感が絶妙――と、だいたいこんなところでしょうか。

 映画も結構観に行きました。大半が洋画で、邦画は『ワイルド7』(※音が出ます、注意)の1本だけ。原作読んでいる人からすれば「こんなの『ワイルド7』じゃない」って感想になるかもしれませんが、原作読んでいない身としてはなかなか楽しめた。邦画のアクションはどことなくショボいイメージがありますけど、これは派手なシーンてんこ盛りで予想以上に迫力があって楽しめました。銃弾が当たったらちゃんと血飛沫が舞うのもイイ。洋画は20本くらい観ましたけど、だいたい面白かったです。「面白くないな」と思ったのはせいぜい3、4本。具体的に挙げちゃうと『ツリー・オブ・ライフ』とか。壮大な映像には圧倒されたものの、観て即「面白い!」と感激するような娯楽映画ではありませんでした。そういう意味に沿って言えば今年は『ブラック・スワン』が最高。映像に圧倒されたうえ、観て即「面白い!」と感激した。他に胸躍った映画は『アンストッパブル』『エンジェル ウォーズ』『ワイルド・スピード MEGA MAX』『ミッション:8ミニッツ』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』など。当方はとにかくスペクタクル要素やサスペンス要素やバイオレンス要素のある、つまりド派手だったりハラハラしたりドンパチ撃ち合ったりドカバキ殴り合ったりする映画が好きなんですよ。『ザ・タウン』の銃撃戦には興奮したし、『リアル・スティール』のロボットボクシングには熱くなった。そういった要素を排した路線では『英国王のスピーチ』が出色だった。アカデミー賞受賞ってことで観ましたけど、派手なシーンが一個もないにも関わらず最後まで退屈せずに楽しめました。ついでに、映画じゃなくてドラマですけどDVDを一気観した『木更津キャッツアイ』も素晴らしかったな。居間で観てたら母も大いに笑っておりました。

 アニメと映画に力を注ぎ過ぎたせいで漫画と小説は少々手薄になってもうた。漫画は『ぱら☆いぞ(1)』(危険なネタを詰め合わせた4コマ漫画、これと『ヴォイニッチホテル』で道満晴明にハマったが、既刊がほぼ絶版していて収集に苦労しました。来月の『ニッケルオデオン』は買い逃さないようにしないと)、『エクゾスカル零(1)』『覚悟のススメ』の続編ながら、『シグルイ』を経ているせいか随分と作風が変わってます。前作も前作で好きだが、個人的にはこちらがより好み)、『天空の扉(1)』『魔法少女プリティ☆ベル』の作者が書いたファンタジーコミック、無論一筋縄では行きません。あらゆるコマで殺されている、見た目は可愛いが最悪の害獣であるゴブリンに、えも言われぬ感情を喚起させられる)、『銀の匙(1〜2)』(農業高校を舞台にした青春漫画、ライトノベルの『のうりん!』ともども農校ブームの起爆剤となるか。『のうりん!』で思い出しましたが『のりりん』も面白いっスよね、来月4巻が出ます)あたりが今年の注目作。また既刊をまとめて読んだ『そらのおとしもの(1〜13)』『喧嘩商売(1〜24)』にもがっつりハマった。それと今年はまどマギに熱を上げるあまり同人誌も買いまくって読み耽りました。ハルトモ(春野友矢)の『東方総集編バックドラフト!!!』には東方ネタ知らない当方も大満足。まどマギ同人誌はシリアス系なら桜沢いづみの『GOLDEN CAGE』、ギャグ系なら『天国的なとこ』『マギカ☆ですよ』などが良かった。まどマギ同人は始まったばかりのジャンルにしてはラインナップが潤沢に揃っていてホクホク顔。「半公式」とさえ言われる蒼樹うめの同人誌『RKGKMDK』を買い逃したことは未だに「うぎぎ……」ですが。この開いた傷口、癒えぬ病巣を見るがいい。成人コミックは『みだらなけもの』『はじらいブレイク』『淫靡テンプテーション』がベスト3。歳のせいか、極度のロリ物はだんだんキツくなってきました。しかし『おにいちゃんが、すき。』の犬星や『ろりるれろ』の姫野蜜柑が持つ独特なセンスは買いたい。ロリ物はキツくなってきたが、ロリコンのみが抱く情念(妄念?)は依然として大好物です。

 小説はなんと今年200冊も読まなかった。小説以外の本をよく読むようになったのでそちらを含めますと250冊くらいになりますが、最大で年間500冊近く小説を読んでいた人間がこの体たらくとは不甲斐ない。『マリアビートル』『堂島物語』『11 eleven』『衛星を使い、私に』『魔弾の王と戦姫』『僕と彼女のゲーム戦争』『0能者ミナト』『ブラッド・スパート』『花咲けるエリアルフォース』あたりがオススメしたい面白さだった。小説以外では森博嗣がデビューまでの経緯や創作に対する姿勢を語った『小説家という職業』、平山夢明のほのぼのと狂った日常を掬い取ったエッセイ『どうかと思うが、面白い』、岡田斗司夫がガイナックスの歴史について解説する『遺言』を興味深く読んだ。

 ゲームは……悲惨な状況。体験版はいくつかクリアしましたが、製品版は10個くらいやってるにも関わらず、コンプしたものはゼロ。せめて年が明けるまでに『神咒神威神楽』だけでも目処を付けてしまいたい。

・拍手レス。

 個人的にPSP版のDiesで追加してほしいものと言ったら螢ルートアフターですかね。スケルツォの流出とか出し惜しみが結構残っていたはずなので。
 螢ルートアフターは香純の娘がどんなふうか気になるところ。でも正田本人は新作書きたがってるみたいですね。

 正田卿のツイッター曰く、明日の晩に双首領降臨。ハイドリヒ卿また何やってんすか。これに食いついた中の人的に考えてあの女傑も来たら超俺得。(※確か以前はバレンタインで、今も双首領+αの漫才の画像があるはず)
 エレ姐に続き獣殿とニートの限定アカウント作ったのですか。あいにく見逃してしまったけど、ファーブラからのこの2年ずっと精力的で嬉しい。

 PSP版Diesの豪華さに狂喜する一方で、話が続くほどややこしくドロドロしてきている物語シリーズの展開にションボリしてみたり。頼むから登場人物を殺してくれるなよと祈らざるを得ない
 西尾は読者の足に縄を結んで馬で引きずり回すような真似が好きな作家だとつくづく思う。

 菅野ひろゆき逝ったああああ!?
 最近はあまり良い噂聞かなかったけど、やはり訃報にはショックを受けました。

・次は来年あたりの更新を予定しております。では皆様良いお年を。


2011-12-23.

・先月頃にまとめ買いした『喧嘩商売』(既刊24冊)をようやく読み切った焼津です、こんばんは。チクショウ、物凄く面白そうなところで「第一部完」にしやがって……ちゃんと第二部あるんですよね、これ? 未だに連載再開していないという話ですし、すごく不安だ。

 いじめられっ子の少年だった佐藤十兵衛があるキッカケから一念発起して喧嘩の腕を磨き、遂にはヤクザすら恐れず殴り飛ばしてしまうようになる。面子を潰されたヤクザは十兵衛を叩きのめすために伝説の喧嘩屋・工藤優作を雇う……という展開に入るのが、なんと6巻目です。ヤクザに暴力振るったのが1話目なんで、落とし前をつけさせるまでかなり時間が掛かってます。基本的には「喧嘩」を主題とした格闘漫画ですが、随所に木多康昭特有の不謹慎ギャグが盛り込まれており、1巻から5巻あたりにかけてはとにかく話の進みが遅い。「何が本題だったっけ?」と忘れそうになることもしばしば。6巻で後々ライバルとなる工藤が出てきたことにより格闘漫画として盛り上がっていきますが、それでもまだ不謹慎ネタは多く、『喧嘩商売』という作品の目指す地点がなかなか見えてきません。10巻を超え、徐々に格闘家が揃ってきて、「ああ、これは最強決定戦をやろうとしているのか」と分かったところで俄然面白くなってきます。腕っ節の強さや技の多彩さよりも「戦いの主導権を取ること」を重視しており、普通の格闘漫画だったら「卑怯」と謗られそうな策もバンバン飛び出してくる。気が抜けず、程好い緊張感を保ってくれます。

 進むにつれてギャグエピソードもだんだんなくなってきますが、それでもやはり展開は遅い。遅いが、その分じっくりと各キャラクターの強さを魅せてくれるので飽きない。通常、バトル系のコミックは強敵を逐次投入することで定期的に山場を作ろうとするもので、「あとあと重要な出番があるキャラだから、あらかじめ出しておこう」なんて思わせぶりな真似はそう何度もできません。いきなり出てきて否応もなく戦うハメになることが普通です。しかし、『喧嘩商売』はかつてこれほど丹念に数多の「あとあと重要な出番があるキャラ」を描いた作品があるだろうか、と疑問になるロングパスを次々と放ってくる。リアルタイムで漫然と読んでいたら到底全容を掴むことなどできない。第一部のみとはいえ、一気読み出来たことが嬉しくなる凝り様でした。

 天下一武道会を始めとするトーナメント方式バトルは参加者が2の乗数分参加する(シード選手が存在するケースなどもあり、必ずしもそうなるわけではないが)ため、だいたい8人とか16人、32人とか64人のキャラが覇を競うことになります。8人くらいならまだしも、16人とか32人とかになるとそれだけのキャラを用意する労力だけでも相当キツくなりますし、また一回戦のみで8戦や16戦も費やすとなると読者の方がダレかねない。64人のトーナメントや、100人超のトーナメントなんて、じっくり追っていたらいつ終わるかも知れません。ゆえに大抵の場合だと、主人公やその仲間、あるいは敵やライバルなど物語上必要なキャラの対戦に絞って綴っていくことになります。実際に描かれる戦闘はせいぜい10前後。30戦以上のトーナメントをほとんど省略することなく描いた(確か1戦だけ端折られた回があったような気がする)『グラップラー刃牙』コミック版『餓狼伝』は異例中の異例です。刃牙は週刊連載なのに3年半くらい掛かりましたね、『餓狼伝』はだいたい6年くらい。『喧嘩商売』のトーナメントは16人参加で16戦(優勝者は主催者の田島彬と対戦する)と、刃牙や『餓狼伝』に比べれば小規模ながら、前準備の段階からしっかりと参加者たちをアピールしてきたこともあって戦いへのワクワク感は両作品にも匹敵する。ぶっちゃけ既に一回戦が終了している程度の緊張感が漂っています。それだけに、このまま連載が再開しないでトーナメント描かれずじまいだったら……って考えると恐ろしくなる、本当に。当方は小説版『餓狼伝』をまだ諦めていないような人間なので、待つことはできますから、どうか続きをお願いします、木多先生。あと個人的には梶原修人が好き。

【西尾維新】「憑物語」「終物語」「続終物語」ファイナルシーズン3作発売決定!!(まとめいと)

 なんか海外ドラマの如き様相を呈してきましたな。「セカンドシーズン」とか言っていた時点で続きをやる気満々なのは窺えましたが。そういえば忍野メメを主人公に据えた過去編やりたいみたいな発言してましたけど、それはこの3つの中に含まれているのか、あるいは別立てで書くつもりなのか。何にしろ、来年も西尾はバリバリ働くみたいですね。

古橋秀之は大きな起承転結の中に小さな起承転結を作るのが大変拙い(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 古橋作品は全編ネタの密度が均一になっている(常に濃い)せいで却って平坦な印象を受ける気がします。鋭い針もたくさん集めて束ねると、「刺す」よりも「押す」に近い感じとなって逆に痛みがなくなる。特に『ブライトライツ・ホーリーランド』の密度は異常で、どのページを切り出して読んでもメチャ面白いという状態になっていますが、おかげであらゆるシーンが頭に焼き付いてしまって「他のページに比べ、際立って印象的だった」と指差せるところがまったく存在しない。全部が全部、破格なまでに印象的。何度読んでも「すげぇ」と唸る出来ながら、終始テンションが一定(ほとんどブチ切れる寸前)で、起伏と呼べるものはまるでありません。全力全開すぎて凹凸を作るのが苦手な作風なのだと思います。『ケルベロス壱』ではだいぶ改善されていましたが、まだまだ力の入れどころと抜きどころが掴み切れていない雰囲気でした。庵野秀明も「アニメの制作はダメージコントロールでしかない」と語っていますし、構成面が不安な古橋にアニメの脚本執筆は不向きでしょう。が、むしろ苦手を克服するためにチャレンジしてほしい、というファンの欲望もなくはない。日日日によると、まどかの成功を受けて二匹目のドジョウを狙う企画屋が方々に声を掛けているっつー話で、再来年くらいには「意外な組み合わせのスタッフによる意外なストーリーのアニメ」が飛び出してくるかもしれません。その中に古橋が紛れていない、とも言い切れないのです。

『黄昏乙女×アムネジア』TVアニメ化決定!2012年春放送予定 制作:SILVER LINK(萌えオタニュース速報)

 夕子さん横ぴぃーす。凛々蝶と一緒に並ぶと違和感が凄い。てなわけでアムネジも遂にアニメ化ですか。ヒロインの夕子さんは霊感がある人しか見えない幽霊少女で、記憶喪失(アムネジア)に陥っているため自分がどんな人間だったか、なぜ死んだかさえよく思い出せない。主人公は夕子さんとイチャイチャしながら、「学校の怪談」と化している彼女のルーツを探っていく……という学園青春ホラーです。とにかく夕子さんが可愛い、そしてエロい。他の人には見えないからと授業中でも構わずちょっかい掛けてくる夕子さんに胸がときめかぬ理由などあろうか。長黒髪・黒スト・黒セーラーのフル武装で、構われたがり属性まで帯びた夕子さんマジ最強。いい体してるだろ……死んでるんだぜ、それ。数十年前に死んだはずなのにあのナイスバディって、時代考証ブッチギッてる気がしないでもない。が、いいんだよ、なぜ夕子さんが時代に従う必要があるんだ。むしろ時代が夕子さんに従えよ。

ニコニコ動画の「2012年冬アニメ」配信ラインナップ発表!(萌えオタニュース速報)

 来期も観たいアニメがたくさんあって大変です。積読が消化されそうにない。ネット配信は地方でも観れることと、期間内だったら何時でも観れることがイイ。放送前は関心がなくてスルーしていたアニメでも、放送後の評判を見聞きしてすぐに追い直すことができますし。可能なら全作品、1話目だけでも観てみようかしらん。『魔法少女まどか☆マギカ』のおかげですっかりアニメ好きの血が目覚めてしまった。

京アニ『氷菓』キービジュアルが良すぎる!音楽:田中公平 シリーズ構成:賀東招二 キャラデザ:西屋太志 監督:武本康弘(萌えオタニュース速報)

 天使チタンダエル、降臨せり。このキービジュアルで一気に期待が跳ね上がりました。奉太郎がイケメンすぎてちょっとイメージに合わないけど、たぶん観ているうちに慣れるでしょう。最近は原作ファンが満足できる高クオリティなアニメが増えてきてるし、理想的な仕上がりになることを期待できるかしら。当方、とっても気になります。

今月発売の“メガストア”の付録DVDに『Clover Point』が完全収録

 「よるよる」こと小鳥遊夜々が無双の魅力を振り撒く「レッツ背徳♪」エロゲー、それが『Clover Point』。2007年12月21日発売なので、かれこれもう4年前のソフトになりますか。当方は2008年4月に体験版をプレーしてよるよるの可愛さにノックダウンしたのですが、感想を書いた翌日にMeteorが解散するというショッキングな事態に遭遇しました。ファンが待ち望んだ「よるよるとキャッキャウフフしまくるFD」の夢は途絶えたのです。Meteorのスタッフは現在Cometというブランドに移ってますが、あそこも2009年にソフトを一本出したきりで音沙汰ないですね。少なくともまだ解散はしていないみたいですが……ともあれ、1390円でクロポがプレーできるなら安い。是非とも買わねば。ぶっちゃけクロポはマイナーゲーですけれど、よるよる人気って妙に根強いんですよね。今年の夏にも18禁な薄い本が出てましたし。見つけて歓喜し、買い逃して哀絶。さりながら、これで真のよるよるに逢えることを思えば昂揚するしかございませぬ。甘々しいラブコメ描写が苦手な方はご注意ください。「おにいチェア」を始めとする高密度なイチャつき連打に耐え切れず、起源弾喰らったケイネス先生並みの血反吐をブチ撒けて倒れること必至。そして目が覚めたら鬼嫁ソラウどころではない「レッツ背徳♪」という名のロールシャッハにベキベキと指を折られて悶えるのだ。いえ、「レッツ背徳♪」は体験版の収録範囲外なんで当方も実際に見たことはないんですけどね。

lightの『Dies irae〜Acta est Fabula〜』、PSPに移植決定

 据置機ではなく携帯機とは。スパロボのシオニーちゃんに釣られてPSP本体を購入したのは正解だったか。シナリオの追加もたくさんあるみたいなので、ファンなら要チェックですね。判明している追加要素を挙げていきますと、まず「過去に出たドラマCD部分も全てゲームバージョンで収録」。DiesのドラマCDは5年前の冬コミで先行販売され、現在入手困難になっている『Wehrwolf』(司狼を象徴するセリフ「女の陰でバトルの解説なんかをしてる男は、死んでいいだろ」あり)、黒円卓が結成される前夜を綴った『Die Morgendammerung』最初のサントラに収録された「Anfang」の続きですが、「Anfang」は既に本編へ組み込み済)、本編より11年前の出来事について触れる『Verfaulen segen』(設定としては本編が2006年なので、これは1995年のことになる)、完全版のサントラに付いてくる『Zwei Wirklichkeit』(玲愛ルートの後日談、実はまだ聴いてません)、感謝キャンペーンパッケージの特典である『Schlamm Leuchten』(Dies関連のユーザー登録してればOHPからダウンロードできる)の5つがあります。あとはボーナストラックの「1945」も入るかな、結構重要な伏線ですし。ファーブラのショップ特典ミニドラマCDはさすがに除外されそう。他は「マリィENDアフター」、「香純ルートを加筆」、そして「某ルートの分岐追加」で「別パターンのエンディングが発生」、更には「出来ればやりたいところはカップル投票の10位ぐらいまでの内容は何かしらで追加したい」とのこと。マリィENDアフターはみんなとの再会がメインになるのかな……波旬は出てくるなよ、いいか、絶対に出てくるなよ! あいつ出てきたら感動ブチ壊しすぎ。香純ルートの加筆はあれですかね、やっぱり学園戦の前後? あのへんは07年版からずっと直ってなくて、バトルがひどく低調でしたから直してくれたら超幸いです。心残りの一つが完全に消え去ります。ついでに綾瀬博士に関しても掘り下げられるかも。「某ルートの分岐追加」はいったい何だろう……螢ルートのベアトリスか、玲愛ルートのルサルカ? 判断材料が少なくて何とも推測しがたい。カップル投票は、1位から10位を列挙しますと「ロートス×ルサルカ」「藤井蓮×櫻井螢」「藤井蓮×ロートス」「藤井蓮×マリィ」「ヴィルヘルム×鈴」「メルクリウス×ラインハルト」「櫻井戒×ベアトリス」「櫻井戒×エレオノーレ」「ベアトリス×エレオノーレ」「ラインハルト×シュライバー」。「意地でもやりたいのはマキナ×ロートス」つってるけど、「マキナ×ロートス」は16位です。ただ「やはり見たいという方は多いようで。俺も結構書きたいです。あー、誰か超越の物語使ってください。マジで時間が足りないですよ」とコメントしており、正田崇にとって大きな心残りではあったみたい。しかしこれ、冷静に考えて追加要素多すぎじゃない? もはやFD作るのと大差ない気がします。

 ところで神咒のVFB『神咒神威神楽 繪草子』の「繪草子」が「綿菓子」に見えた当方は明らかに疲れているので更新が終わったらさっさと寝ようと思う。

・拍手レス

 かかかの拍手レスをものすごーく楽しみにしているのですが、プレイ状況は如何でしょう?更新頑張ってくだしあ
 拍手レスて・・・テキストページにあるような感想を楽しみにしているということです///

 現在は三週目の途中、宗次郎が紫織を性的な意味で襲おうとしているところまで。コンプまでもうちょっとなので集中してやり込みたいところですが、気分的にまほよの体験版が終わってからになりそう。

 Dies iraeコンシューマ版がPSP・・・だと・・・ 神咒もそうなりそうですが、それだと縦書き読みにくそうですね
 PSP、本体買っていて良かった。神咒は縦書きに加えて難しい漢字も多いのであの画面はキツそうですね。テレビ出力するためにケーブル買っておいた方がいいのかな。


2011-12-18.

・「つくもたん」を見るたびになぜか『てのひらを、たいように』の永久を思い出すなぁ、っていうかキャラデザひょっとしておーじじゃね? と今更気づいた焼津です、こんばんは。

 埋もれたエロゲーとなって久しいてのたい(あるいは、ひらたい)ですが、未だにヒロインの夏森永久は忘れられません。あの子がきっかけでまきいづみにハマったんですよね。最初にボイス聞いたときは「おいおいマジかよ、この声……」って反応でしたけど、あっさり順応して、いつしかすっかり蕩けていた。おーじ原画のCGも素晴らしかったです。プレーした当時の感想でも「おーじが原画じゃなかったらたぶんやってなかった、このゲーム」とぶっちゃけているほどだ。発売からそろそろ9年か。おーじはエロゲーから離れてしまったけど、二人いたシナリオライターのうちメイン担当だった冬雀は現在クロシェットで活躍中。雀と言えば、王雀孫はちゃんと仕事してるんだろうか。最近Navelの動きはチェックしてなくて、俺翼ドラマCDの3rdシーズンが出ていることもさっきぐぐって初めて知ったぐらいですよ。とりあえずこれ買っとくか。次の予定は『ネブ*プラス』っていうFD? 俺翼アニメの仕事で燃え尽きたかと思いきや、意外と頑張ってますね。でもネーブルガールズはいい加減に更新してくださいよ、雀孫さん。

『ましろ色シンフォニー』第11話「ましろ色シンフォニー」

 最終回みたいなタイトルですけど、もう1話残ってます。紗凪の号泣が響き渡る中で幕を下ろした第10話に続き、紗凪ファンには過酷な展開が待ち受けています。失恋のショックで寝込む紗凪、「このままフェードアウトしてしまうのでは」と危惧したものの、すぐに復帰して表面上は元通り。むしろあのままフェードアウトしていた方が良かったかもしれない、と思うくらい未練たらたらの態度をチラチラと覗かせる。想えば想うほど報われない徒労の恋に胸軋むばかり。正妻と化したみうが新吾と乳繰り合っている頃、明らかにルーザーとなってしまった残りのヒロインたちが半ばヤケクソめいた女子会を開くシーンがなんとも侘しかった。あたかも「選ばれなかったヒロインたち」を見せ付けることによって「エロゲーのアニメ化がもたらすものは、つまるところこのようなもの」「それともファンは……マルチエンディングを引き替えにされてもこのようなものが御覧になりたいと仰せられるか?」と訴えているかのようだ。その問いに是と答える当方は間違いなく暗君。たまには痛みを知るのも悪くない。諦めが悪いくせに思い切った行動を取らない(取れない)紗凪の消極的かつ後ろ向きな献身を伴った態度は「自己憐憫」という謗りを免れないかもしれませんが、嫉妬・修羅場・三角関係においてあるまじき「潔い敗北(なっとく)」を迷いの末に選び取ったいじらしい慎ましさ、それが彼女というキャラクターにもう一つの見えない輪郭を与えているのだと思います。アニメ版の方針には賛否が分かれているみたいですけれど、個人的には肯定したい。その一方で、紗凪がもっと積極的に救われてほしいという欲望もある。結局、紗凪ルートが唯一実装されているPSP版を買うしかないのか……。

西尾維新『悲鳴伝』2012年春刊行!西尾維新史上最長巨編 (萌えオタニュース速報)

 普通に考えたら「すごく分厚い本なんだろうな」と思いますが……講談社ノベルスで一番厚いのって確か『カーニバル・デイ』でしたっけ。当方が知るかぎり唯一の1000ページ超え。京極夏彦でも最長は800ページちょっとだったりする。でも、「最長」がどんな定義かにもよりますよね。『ネコソギラジカル』の上中下巻が現時点での最長(1152ページ)と見做すんなら1000ページでも足りないし、『刀語』全12話をも超えねばならぬとなれば、もはや製本不可能です。そもそも1000ページ超えてたら素直に分冊するでしょう、きっと。「1000ページを超えたりはしないけど、1冊の本としては最長」なのか、または「複数の巻に跨るけど、全体のページ数は優に『刀語』を超える」なのか、それとも裏をかくようなオチがつくのか。何にせよ楽しみに待つ。でも『緋色の英雄』と『ぼくの世界』はそろそろ目処をつけてほしい。りすかは……機会があればでいいや。

ポケモン新作キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! その名は「ポケモン+ノブナガの野望」!! は?(>【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 最初に聞いたときはてっきりジョークかと思いました。よもやマジネタとは。「どういう組み合わせだよ……」と呆れつつ情報を漁ってみると、あれ? 意外に面白そうな気がしてきました。要はポケモンを使い魔のポジションに組み込むのであり、感覚としては『装甲悪鬼村正』に出てくる劔冑の独立形態に近いか。これでたとえば家康が「厭離穢土、欣求浄ォォ土」と見得を切ったら従えているポケモンと一体化、なんて要素が盛り込まれていればより村正っぽくなりますね。ルックスはもちろん大狸。冗談はさておくとしても、戦国時代を舞台に「人と人でないモノとの絆」を盛り込むのはなかなか画期的。武将とポケモンだなんて、よくもまあ思いつけたものだ。しかし当方はポケモンを一度もやったことがないのでピカチュウくらいしか知らず、具体的なイメージが膨らまないのが残念である。巨大な蜘蛛に乗った松永久秀とか、鹿をおんぶしている本多忠勝とか、もう本人がそのまんま虎になっている藤堂高虎とか、そんな光景ばかり浮かびます。戦国で当たったらオールタイムで日本史ネタをやるのもいいな。「八咫烏、君に決めた!」みたいな感じで。悪路王をモンスターボールに詰め込んだ坂上田村麻呂とか、「酒呑童子の首、ゲットだぜ!」な源頼光とか。ラスボスはヤマタノオロチを引き連れたスサノオ。

『ゆるゆり』TVアニメ2期制作決定きたああああああああああ(萌えオタニュース速報)

 当然来るものだと認識していましたが、こうして明示されると嬉しい。なもりの執筆速度からして、2期が始まる頃には3期がやれるだけの原作は溜まってるでしょうな。あかり姉ことあかねの登場に期待。

『ヨルムンガンド』TVアニメ化決定!制作はWHITE FOX(萌えオタニュース速報)

 まだアニメ化していなかったことにむしろ驚いた。武器商人や元少年兵が活躍する、少しミリタリー色の入ったガンアクション漫画です。アニメ化するとなると、鍵になるのはやはり銃撃戦か。そこに迫力がないと盛り上がりのない仕上がりになってしまいそう。どうなることか。ちなみにガンアクション漫画と言えば、園田健一の『ブレット・ザ・ウィザード』が面白い。「ウィザード」は主人公の通り名か何かだろう、と早とちりしていたら、本当に魔法が飛び交うストーリーになってて驚嘆しました。撃った弾が自動的に標的を追尾する銃とか、発想自体はありふれているものの、「どういう原理で追尾するのか?」といった部分に説明を割くなどの地道な作り込みが光っています。ディテールの細かさで、銃と魔法、異なる要素が違和感なしに溶け合っている。魔法を使ってはいるけれど、あたかもスタンドバトルのような理屈の鬩ぎ合いであり、うまい具合に銃撃戦を白熱させてくれます。アニメにしたら結構映えそうだけど、ともあれまずは順調に巻を重ねていってほしいものです。あれが打ち切られたら当方は泣く。

『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』を視聴。

 『蒼穹のファフナー』の劇場版です。最終回から2年が経った竜宮島を舞台にした後日談。TV版ファフナーの最終回は2004年12月放送で、この劇場版『HEAVEN AND EARTH』(以下HAE)は2010年12月公開。つまり実時間ではちょうど6年が経過しています。ちなみに前日談の『RIGHT OF LEFT』(以下ROL)は2005年12月に放送されている。ニコニコでの一挙配信も今年の12月なので、ファンの間では「12月はファフナーの月」という認識になっているらしい。さてHAE、後日談なのでファフナーを知らない人が観ても正直あまり面白くないだろうと思います。派手なアクションシーンはそこそこ盛り込まれているので、ストーリーを無視してもそれなりに楽しめる部分はあるけれど、人類が戦っている「フェストゥム」という存在は何なのか――劇場版だけで理解することは難しい。先に必ず本編を最後まで視聴しておきましょう。

 フェストゥムとの決戦「蒼穹作戦」を終え、平和を取り戻した竜宮島。真壁一騎は視力と、親友たる皆城総士を失いながらも穏やかな日常を過ごしていた。だがある日、竜宮島に正体不明の船が漂着する。唯一の乗組員であった少年は「来主操」と名乗り、島の住民たちにある要求を突きつけてきた……。始まって早々に炸裂する核攻撃を観て「おいィィィ、新国連ンンンン!」と新八顔で叫びたくなった人間は当方だけではあるまい。足を引っ張ることに定評のある人類軍は今回も健在だったか。核の炎で総士がいきなり殺されかける展開に焦ったが、さすがにここで死んじゃったら話にならないと、辛うじて生存を果たす。ギリギリのところで生き延びた総士は無事に一騎と再会できるのか、ってところがHAEの肝となるわけです。別れのとき以降、ふたりが頻繁にクロッシング状態を持っていたという事実に驚き、「え? それってトイレで踏ん張ってるときもクロッシングして『一騎、前屈みになるんじゃない。ふんぞり返れ』とか言っちゃってるってこと?」と我ながら尾篭なことを考えてしまった。フィニッシュではそれぞれの顔左半分と右半分を繋ぎ合せるように表示して「騎士一体!」と覚悟のススメっぽい画面が出てくるのだ。本気でどうでもいい話は置いといて、HAE、率直に申し上げますと「良くできているけれど最初から着地点が見えていてハラハラしない」という感じでございました。ニコニコの配信で視聴して得た熱が冷めやらぬ中、期待のゲージを上げれるだけ上げて臨んだせいか、正直ちょっと物足りなかったです。広登や里奈、芹といった後輩たちが遂にファフナーへ搭乗して実践投入されるものの、パイロットとしてのキャラ立ちが主要陣に比べるとやや弱い気もします。里奈と芹が咄嗟に区別できないシーンもいくつかあった。TV版の後半が疾風怒濤の展開を見せてくれたぶん、映画は話運びがゆったりしているように思えて仕方なかったです。本編から間を置かずに観たため、リアルタイムで追っていた人よりも思い入れが浅く、「あのキャラたちとふたたび会える!」って感動がなかったのも盛り上がりが薄くなった一因かと。ドラマ的な部分はTV版に軍配が上がる。

 しかし、バトルの方に目を向ければ、こうはもう歴然としてTV版を上回ってます。「生きるか死ぬか」といった緊張感が減じたせいで、却ってじっくりと戦闘シーンに集中することができました。ホント、TV版の後半は「みんなどうなっちゃうんだよ」とそればかり気になって、ファフナーやフェストゥムによる激しいアクションが繰り広げられてもいまいち頭に残らなかった。噛ませ犬でお馴染みの島の防衛システムも、とっくり観ればなかなかカッコイイ。ドラマ面もまったく見所がなかったわけではなく、たとえばROLのL計画がチラッと話題になるところもあって、胸が熱くなったりした。物語が連綿と続いて「今」に至っていることを実感します。全体の緊張感は薄らいでいるにせよ、燃えるセリフとシチュが目白押しであることに変わりはなかった。来年は続編の『EXODUS』も制作されるらしいが、やはり12月にこだわっていくんでしょうか。2クールと仮定した場合、放送が始まるのは7月? いったいどんな話になるんでしょうね。EXODUSというからには竜宮島を脱してみんなどこかへ行くんだろうか。海を割って現れるマークモーセ。関係ないけどエクソダスと聞いたらエクスデスを連想してしまう当方はFFだと5が一番好き。単に他のはほとんどやってないからですが。エクスデスソウルだと連鎖的にシールドドラゴンを思い出して嫌な気分になる。

・拍手レス。

 リアルスティールの息子が最後に来ていたシャツが物販で出ないかと期待します。
 どんなTシャツだったか覚えてないのでぐぐったら“ロボット”と(カタカナで)描かれたTシャツでしたか。というか、ロボットバトルは日本で始まった設定だったのか。


2011-12-14.

『プラモ狂四郎』をハリウッド風にしたようなロボットファイト映画『リアル・スティール』を観に行った焼津です、こんばんは。

 登場人物の誰も彼もが見たまんまの性格と申しますか、完全に「そのキャラクター」に徹し切っていて人間臭さがあまりなかったところは物足りなかったけど、さすがにロボ同士のバトルは迫力があって見応え充分でした。ノイジーボーイの「超悪男子」というペイントに脱力したり、双頭ロボの噛ませ犬っぽさが異常で白熱しなかったり、アトムの「倒れても倒れても何度でも立ち上がる」という主役機補正めいた戦い方に少々辟易したりで、絶賛するにはいくつか苦しい部分があるけれど、「ろくでなしの男が息子とともに再生する」ベタなストーリーを一貫して守り抜いたおかげで視聴後は爽やかな気分になれました。観る前は「もうちょっと設定にヒネリが欲しいな」と思いましたが、観終わってみると「変なヒネリがなくて良かったな」と思う。ストレートだからこそ、ツッコミどころはあるにせよ勢い殺さず突っ走れた。予告編では主人公のダメさ加減だけ強調していて、息子の性格については特に触れなかったから「ダメなパパを必死で励ますイイ子ちゃん」ってイメージを持っていたマックスですが……やはり血は争えなかったのか、「てめぇ、俺の親権を金で売りやがったなクソ親父! 半分よこせ!」と食って掛かる、イイ子ちゃんというよりもイイ性格したガキで面白かったです。ダメ親父とクソ息子のコンビ、マイナスとマイナスでプラスに転じています。派手なクラッシュシーンはあるものの、何せロボなので血飛沫とかないし、残虐さを意識せずスカッと観れますね。大人も子供も揃って楽しめそうな映画。こういう人間よりちょっと大きいくらいのサイズをしたロボットが殴り合うバトルは個人的にツボです。軽すぎず、重々しすぎず、ちょうどいい感じ。

 しかし、マックスが全国中継でアトムを「廃品置き場で拾ってきたロボット」とはっきり言っちゃってますが、あれで問題にならなかったのだろうか。元の持ち主とかメーカーとかでいろいろと揉めそうな気がしないでもない。

第32回日本SF大賞 決定!(日本SF作家クラブ)

 なぜか『魔法少女まどか☆マギカ』が候補作に上がっていて皆が驚いた第32回日本SF大賞ですが、ごく順当な結果に収まった模様。『華竜の宮』『SFが読みたい!』国内編第1位を獲得してますし、概ね下馬評通りか。上田早夕里はデビュー作の『火星ダーク・バラード』だけ読みましたが、刊行当時はあまり評価されていなかったですね。個人的には好きだったので、ちょっと歯痒かった記憶があります。自分の書いた紹介文および感想文を引用しますと「30過ぎの熱血刑事と15歳の少女が出会って様々な陰謀劇が繰り広げられるポリス・アクション小説」「大筋で言えば従来のSFエンターテインメントとかけ離れた部分はなく、オーソドックスな内容」「テーマ性を追及したというよりも、『絵になる』ことを重視したタイプの作品」「冤罪という逆境においてもグジグジ悩まずポジティヴに行動する水島の熱さ、それと、特殊な環境下で育ってきたアデリーンが水島との交流で劇的に変容していく様が読んでいて楽しかった」ってな感じ。『火星ダーク・バラード』の文庫版は「ハードカバー版とほぼ別物」と言われるくらい加筆修正されているらしいので、いずれ読まないと。評価が上向いてきたのは『魚舟・獣舟』あたりからかな。著者がSFから離れかけていたところで出版され、好評を博して「SF作家・上田早夕里」のイメージを築き直した印象があります。今回の受賞作は著者が出した中でも最長のページ数を誇っており、刊行当初より「相当な力作にして傑作」と評判で、分厚い本好きの当方としても買わずにいられなかった。この人の作品群はあっちこっちで繋がりがあるらしいので、まとめて読む機会が訪れればいいな、って思います。あと、7年以上に渡って放置が続いている『ゼウスの檻』も文庫化されることを期待したい。

トモセ×衣笠コンビの新作『レミニセンス』は暁の護衛の未来が舞台のスピンオフ作品である事が判明、やはり???のキャラは絆なのか・・・(あしたがみえない)

 『暁の護衛』『罪深き終末論』の途中までしかやってないので絆というキャラはよく知りませんが、要するに『Dies irae』にとっての『神咒神威神楽』みたいな位置付けになるんでしょうか。あるいはチッセ・ペペモル・サーガ。果たして衣笠は第二のお朱門ちゃん(朱門優)となるや否や。それにしても朱門優は放浪しすぎだろ……C's ware→キャラメルBOX→Lump of Sugar→propeller→mephistoと渡ってきて、現在フリー。いつか彼に安住の地が訪れますように。

TYPE-MOON『魔法使いの夜』発売日が2012年4月12日に決定!!(あしたがみえない)

 やっと決まったのか……来年の2月くらいかと思ったら4月かよ。当初の予定が2010年9月30日でしたから、もし上記通りに発売されたとしても1年半以上は延期した計算になります。エロゲー(まほよは全年齢対象ですけど)で1年半程度なら「まあ、フツー」ってもんですが、TYPE-MOONはかれこれ8年くらい純粋な新作出していませんから、「どんだけ待たせれば気が済むんだ」と思ってしまう。『月姫』のリメイクに関してはずっと音沙汰なしだし、『Girls'Work』も気がつけばアニメ企画になっていてゲームに関してはどうなってるのか不明だし……Fate一本で食っていける状況がTYPE-MOONから焦りを奪ってしまったのでしょうか。ヒットしすぎるのも考え物ですね。

ガガガ文庫『ささみさん@がんばらない』アニメ化決定!(ひまねっと)

 日日日作品のアニメ化は『狂乱家族日記』以来。目を引くのは何と言っても左のイラストであり、これをアニメでどこまで再現できるかに掛かっているでしょう。当方も左絵に釣られて1巻と2巻を買った。1巻は読みましたが、2巻は紛失して今どこにあるのか分かりません。ストーリーを要約して説明しますと――「ささみさん」はパジャマっぽい格好をしたふわふわ髪の子で、ぶっちゃけ引き篭もり。部屋の中でパソコンを使って「お兄ちゃん」を監視することに時間を費やしている。物語はこの「お兄ちゃん」を軸にラブコメっぽく進んでいきますが、語り手はあくまで「ささみさん」。会議室でモニタ越しに現場の推移を見守るような、そういう雰囲気のライトノベルです。軽くネタバレかましますと、実はこれ日本神話をベースとしたシリーズであり、日常モノかと思いきや結構派手な展開がある。そういう意味ではアニメ向きかもしれません。『人類は衰退しました』(水無神知宏の応援コメントが気合入りすぎで噴いた)同様、ガガガの未来を懸けたアニメ企画ですな。ガガガというと個人的には『されど罪人は竜と踊る』のアニメが観たいところですけど、あれは制作陣にホライゾン並みのガッツが必要となりそうですし、難しいか。真面目に考えますと、次に来そうなのは『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』。既にオファーが殺到しているらしく、もはや時間の問題だと思います。

・拍手レス。

 RIGHT OF LEFTは前日譚なのに完成度が高いですよね。あと、犬の使い方がずるかったですよ、あれは泣く
 冲方だけにヴェロシティのオセロット思い出して余計に切なくなりました。

 ハヤカワ+SF=星界の戦旗の新刊はまだですか・・・
 森岡浩之の新刊は来月出ますよ、星界じゃないですけれど。


2011-12-10.

『蒼穹のファフナー CD-BOX』のパッケージイラストが外人4コマに見えてしまう焼津です、こんばんは。シーンとしている総士がバッフェラーデンの如き雄々しさで立ち上がるビジョンを幻視した。ファフナーにはいろんな用語が出てきたけど、一番口にしたくなるのは「バッフェラーデン起動!」ですね。響きよすぎ。

 配信観てるときはストーリーに夢中であんまり意識していませんでしたけど、少し時間を置いて振り返ると「BGM、素晴らしいな」と気づいた。BGM自体は7年前にも耳にしていて、そのときにさして感銘を受けなかったことを思うと、これはストーリーの面白さがBGMへフィードバックしたのではなかろうか。BGMがストーリーを盛り上げ、ストーリーがBGMをより印象的なものとして補強する。往還する相互関係。曲を聴いていて「あ、これってあのシーンで掛かっていたな」と思い出せなきゃ結局胸に残んないです。サントラよりもドラマCDが目当てで買ったBOXですけど、なかなかに満足の行く商品でした。

まんがタイムきらら連載『あっちこっち』TVアニメ化決定!(萌えオタニュース速報)

 あっちこっちそっちこっち丁稚。というわけで遂に異識のマンガがアニメ化ですか。いわゆる日常系の4コマで、ヒロインは広義のツンデレに分類されるタイプですけれど、「恥ずかしくて素直になれない、そのことが周りにはバレバレでニヤニヤされている」というタイプです。ヒロインのつみきがとにかく可愛くて、ハマる人はハマりますが、薦められるかどうかでは迷うところ。少なくともネタの面白さで魅せる路線ではない。異識と言えば挿絵を手掛けたライトノベル『ゴミ箱から失礼いたします』が地味に好きだった。作者の岩波零は来月久々に新作を出すそうな。

2011年、本好きが選んだいちばん面白い本 TOP10(VIPPERな俺)

 今年刊行された本では津原泰水の『11 eleven』が抜きん出ていた。この人の文章はいつも惚れ惚れとするくらい澄み切っていて、おぞましくすらある。「清冽」という言葉がよく似合う。津原泰水は読んだ事がない、という方には『綺譚集』もオススメ。読みやすさに関しては『蘆屋家の崩壊』が随一。「今年読んだ本」って括りなら『マリアビートル』『堂島物語』の二強ですね。特に『堂島物語』は今年文庫版も出ましたので、尚更推しておきたい。タイトルを見てもパッとイメージが浮かびにくい(ちなみに当方は京極堂シリーズの堂島大佐を連想した)ことと、あらすじを読んでも「地味そう」という印象を受けることからか、さして話題になっておりませんがこれはもう一気読み必至の面白さです。「米相場」という、漠然としか知らなかった世界を少年の成長とともに学べる興奮。「試しに1冊」でもいいから是非とも読んで欲しい小説です。今年はあまり積読を消化ではなかったため、ズラズラとタイトルを列挙することができないのは情けないやら寂しいやら。まだ年が終わるまで少しあるし、せいぜい時間を有効利用して積読解消に励みたいところです。

『アクセル・ワールド』『ソードアート・オンライン』両作品とも2クールキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !! 放送時期も決定!(ひまねっと)

 両方2クールか、これは嬉しい報せですね。SAOは1クール目で「アインクラッド」、2クール目で「フェアリィ・ダンス」みたいな具合になるのかしら。AWは2クールかけて4、5巻あたりまで消化しそう。来年には恐らくホライゾンの2期も来るでしょうし、川上と川原、電撃両川フィーバー到来の予感。

SFエンタテインメントの新叢書 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ

 銀背復活だと? ハヤカワ始まりましたな。この御時勢に翻訳SFへここまで力を注ぎ込むなんて、いい意味で正気じゃない。SF方面に疎い当方でも「ほほう、これはこれは」と唸るラインナップであり、その意気込みを評価して全部買わせてもらう。注目はやはりコニー・ウィリスの『ブラックアウト』と『オール・クリア』ですね。『ドゥームズデイ・ブック』『犬は勘定に入れません』に続く“オックスフォード大学史学部”シリーズの新作。タイムスリップが可能となった世界で「実際に過去へ遡って歴史を研究する」という連作です。時間モノに興味がある方は是非どうぞ。当方は揃えているものの、まだ読んでおりません。『オール・クリア』が出る頃までには崩したいが……。

・拍手レス。

 ちなみに、ファフナーの素晴らしさの一つに音楽があると思います。
 同じ曲でも使う場面によって印象が変わり、なおかつそれが不自然じゃない。まさに見えない功労者。


2011-12-07.

『未来日記』の原作者である「えすのサカエ」が手掛ける新作『ビッグオーダー』がどうしても巨大ロボットバトルにしか思えなくなる奇病に罹った焼津です、こんばんは。

 『未来日記モザイク消し』に折り込まれていた試読版からすると巨大ロボットは別に出てこなそうですけれど、タイトルが『THEビッグオー』を連想させて仕方ないため、ついユッキーが巨大ロボを操縦しているイメージが頭に浮かんでしまう。ビッグオーに出てくるロボは「メガデウス」って呼ばれてますし、「いっけェェェ! デウスパァァァンチ!」とか自然に発想しちゃう。まさに幕引きの一撃。当然ムルムルはサポートプログラムな。さておき、『ビッグオーダー』は主人公が何か特別な力を持っているっぽく、彼に対し恨みを抱いているヒロインが刺客として襲い掛かってくる……みたいな、ちょうど『未来日記』の「ユッキー、守るよ!」な由乃を反転させたポジションとなっています。『未来日記』のアニメが予想よりも面白く、久々にえすのサカエの漫画が読みたくなってきたので、買ってみようかなぁ。

・ここ数日は公開された『映画けいおん!』を観に行ったり、ニコニコチャンネルで配信開始した『蒼穹のファフナー』を無料期間中に一気観したりと、アニメ漬けの生活を送りました。

 『映画けいおん!』は主人公の唯たちが高校を卒業する少し前まで遡り、卒業旅行のドタバタや、後輩である梓に「先輩らしいこと」をしてあげようと頑張る姿を描く。いかにも劇場版、と言った雰囲気の番外編です。公開初日に足を運びましたが、地方の劇場だしそんなに席は埋まっていないだろう……と思っていたのに、結構沢山の観客が入っていて驚きました。しかも客層は「見るからにオタク」といった人ばかりでなく、カップルや親子連れも意外に多かったです。んで、肝心の内容はと申しますと。観る前は正直「わざわざ卒業前に遡って新規エピソードねじ込むなんて、蛇足にならないかなぁ」と不安でしたが、ハッキリ言ってそうした蛇足感はまったくありませんでした。卒業間近の時期を選びつつ、しんみりとした話はなるべく避け、「感動させることよりも楽しませること優先」といったテイストで本編との差をうまく出しながら進行していきます。ファンが観れば感極まるであろう場面は用意されているものの、露骨にお涙頂戴路線で攻めるわけではない。笑えるシーンもちょいちょい挟まれ、館内は終始和やかなムードに包まれていました。卒業旅行にロンドンへ行く前半はなかなか思い切った展開ですけれど、「旅先で大騒動に巻き込まれる」という感じではなく、せいぜいが中騒動です。キャラや曲やネタではなくストーリーに期待していた人からすれば、「小騒動の寄せ集めじゃねぇか」と落胆するかも。

 率直に申し上げまして、あまり派手な内容ではございません。見所と聴き所が盛り沢山で、ボリューム的には満足すること間違いなしながら、「劇場版にしてはスケールが小さいな」ってのが本音です。娯楽アニメとしては文句なしだけど、「劇場版ならでは」と太鼓判を押せるほどのインパクトはなかった。恐らく誰が観ても一定以上の楽しみは得られるはずですし、繰り返し視聴してもファンならまったく苦にならない域のクオリティには達しています。手堅いというか、無難というか、良くも悪くも均質的。ひたすら楽しかったし、暇があればもう一度観に行きたいくらいですが、「観ようかどうか迷っている人の背中を押せるか」と訊かれたら返答に窮する。「映画」や「ロンドン」という点に期待しすぎないで観ればきっと満足できますよ、ってところでしょうか。最初から最後まで一貫して「先輩と後輩」っつーいとおしい距離感をゆっくりじっくりと偏執的なほど丁寧に描いているので、そういう意味では本編以上にグッと胸へ届く部分もあります。あずにゃんペロペロ(^ω^)、みたいな邪念がフッと抜けて、「我々から見れば幼くすら感じられる唯も、『先輩』と呼ぶ梓にとっては大きく見えるんだろうな」と切なくなる瞬間があった。「大きく見える」ことそのものが何よりも失えない輝きとして映るのだ。にしても、全編通して脚の作画が凄かったですね。あのラインにはほとんど執念を感じます。つくづく『けいおん!』は脚アニメであることよなぁ、おい。

 『蒼穹のファフナー』は冲方丁がスタッフとして参加している、ってことで注目していたアニメですが……詳しい設定を説明せず、思わせぶりなセリフと固有の用語を連発し、視聴者置いてけぼりのままどんどんストーリーを進めていくタイプの作品だったため、リアルタイム視聴時は途中で付いていけなくなって脱落してしまいました。しかし終了後は「後半で盛り返した」と評判になり、特に冲方が脚本へ加わった12話以降のエピソードは「それまでとほとんど別物」らしいから、観たいとは思っていましたがなかなか再チャレンジする踏ん切りがつかなかった。放送から7年、遂にニコニコで期間限定ながら無料配信が始まり、これを逃すともう一生観ないままになりそうだから――と一念発起して第1話から再視聴に臨みました。冲方自身が手掛けた小説版『蒼穹のファフナー』を読んである程度は設定が頭に入ったおかげか、初見のときは「いまいちノり切れず」と不満をこぼした第1話や第2話もそれなりに把握して楽しむことができた。というか、7年前はぶっちゃけつまんないと思っていた前半が予想外に面白くてビックリ。『蒼穹のファフナー』はとにかく設定や状況を理解できているかどうかで面白さが全然違ってきます。小説版はアニメ版とはまた違う話になっているんですけど、内容を掴むための補助線としてかなり有効に機能する。総士や一騎を「何考えてるのかイマイチわかんない奴ら」と受け取ってしまったら、その時点で『蒼穹のファフナー』が有する魅力は瓦解してしまう。前半がネックとなる要因は、何と申しましてもキャラの内面を推し量りにくい(推し量る材料が乏しい)ってこと。ゆえに、そこさえ突破できれば後は悠々と楽しめる。

 11話で少しダレかけたが、折り返しも近くなってきた12話から加速が始まり、どっと物語の勢いが増していきます。ポツポツ程度だったセリフの量が一気に増え、キャラたちの存在感も膨らむ一方。たとえばファフナーとパイロットを接続する際、かなりの痛みが生じるみたいでほとんどのパイロットは悲鳴を上げるのですが、12話の小楯衛は呻き声一つなく耐え抜いて「よし!」と力強く言い放つ。容姿からギャグ要員と見做していた衛が不意打ちで示したカッコよさ、一瞬ドキッとしました。13話の前半で説明ゼリフ群が怒涛の如く押し寄せてきたときは辟易したけれど、後半で熱い展開に入って「いよいよ面白くなってきたな」と実感。ストーリー上大きな区切りとなる15話目に達して、不覚にも涙腺が緩んだ。ああ、自分が当初期待していた『蒼穹のファフナー』というアニメがまさしくここにある、と。7年前に途中で視聴を打ち切ってしまった己の判断を、今更恨みたくなりました。スロースターターにもほどがあるよ、ファフナー。一日あたり5話(最後は6話)と多めの配信であったため、始めのうちは合間合間に休憩を挟みながらちょっとずつ消化していましたが、16話以降は「早く次が観たい!」という気持ちを抑えられず、ほぼ休憩なしで観耽ってしまいました。終わり頃になると「いっそ、配信を待たずにDVD借りてこようか……」って悩みましたが、少しの辛抱だと言い聞かせて己を宥めた次第。これが毎日配信ではなく毎週配信だったら確実にDVDレンタルへ走ってましたね。ストーリーに関する感想を書き出すと長くなってしまうので割愛しますが、16話から先はとにかく泣かせ所が多くてハンカチ手放せなかったです。いかにも冲方らしい灼熱の暗黒が噴出しまくりであり、コックピットのタッチダウンとかヒドすぎてリアルに叫んでしまいました。ひと通り観終わった後、特別編『RIGHT OF LEFT』を即座に借りに行ったことは言うまでもない。劇場版の『HEAVEN AND EARTH』はBD出てるしせっかくだから購入しました。次はドラマCDあたりを検討している。

 あと『真剣で私に恋しなさい!!』の第9話「真剣で私にカミングアウトしなさい!!」がギャグ調ながらもド修羅場回で、当方はすごく満足致しました。最近アニメが面白い。

アニメ「ましろ色シンフォニー」の10話で夜中の2ちゃんねるが阿鼻叫喚の大騒動にwwwww(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 なんというレッドパージ。みうルートに進んでいる気配は濃厚だったし、予想していたけど、辛い。当方がフェストゥムなら「これが……憎しみ!」とマークニヒト化しているところですよ。紗凪の名前をずっと「沙凪」と誤記していたほどヌルめのファンである当方でさえも痛みを覚えるくらいなんですから、心底紗凪が好きな人たちの胸中を思うと言葉がなくなります。でもまだだ、まだ紗凪が救われる未来を諦めない……!

トム・クルーズ、日本のライトノベルの映画化に出演「ラノベニュースオンライン」経由)

 『All You Need is Kill』、「WBが映画化権取得」の報せからだいぶ時間が経過して、「結局権利取得しただけで、映画は制作しないのかな」と思っていましたが、どうも着々と進んでいる模様。しかしトム・クルーズ主演か……キリヤとトムって、全然イメージ合わねぇですな。『All You Need is Kill』はループ現象のせいで死んでは生き返り、死んでは生き返りと反復し、初年兵である主人公が初年兵のまま「歴戦のツワモノ」へと変貌していく妙味が読みどころの一つですので、トム・クルーズだとそうした味わいは消えてしまう。なんだか原作とは別物になってしまいそうですけど、たとえ原作とかけ離れた内容であっても映画としての出来さえ良ければそれでいいかな、と思わなくもない。

【アニメ新作】スーパーダッシュ文庫『カンピオーネ!』TVアニメ化決定!!(まとめいと)

 やはり来ましたか。正直、時間の問題だとは思ってました。2008年の1巻発売当初から人気があったんで、弾の少ないスーパーダッシュがこれをアニメ化しないわけがない。むしろ発表が遅かったくらいだ。恐らくタイミングを見計らっていたんでしょう。そのときが来るまでずーっと大事に抱え持っていた、切り札。電撃文庫で言うと『とある魔術の禁書目録』みたいな存在だったわけです。今月に出る新刊はもう11巻目ですし、ストックは充分すぎるほど充分。ただ、問題は構成ですね。『カンピオーネ!』の1冊目を読んだ人たちが口を揃えて「え? これ本当に1巻なの? 間違えて2巻を買っちゃったかと思った」と述べるくらい、原作小説は話の成立過程をすっ飛ばしている。普通なら「主人公はごくありふれた少年→しかし非日常的な事件と遭遇→ヒロインとの邂逅→いろいろあって人知を超えた力がその身に宿る→いざ戦いの運命へ」って段取りを踏むところなのに、開始時点で既に主人公は異能を獲得していて、ヒロインとも知り合い済なんですよ。そして過去の激戦についてもちょいちょい文中で触れる。忠実に原作再現したら訳が分からなくなる視聴者続出するはずです。また、肝心のバトルも映像化しにくい「活字ならでは」の表現が目立ち、不安を増幅させる。京極堂の憑き物落としみたいに滔々と薀蓄を垂れ流し、胡乱なモノの正体を明確にする――みたいなのは、どう考えてもアニメ映えしないし。一種の「俺TUEEEEE!」系ではありますが、エフェクト乱打して戦闘シーンを派手に描いても原作ファンは大して喜ばないものと思われる。ファンが暗い気持ちになるのは、ひとえにアニメが素晴らしい出来となるビジョンを思い描きにくいからです。しかし、まだ諦めるには早い。おとなしく続報を待つ。

・拍手レス。

 >狂三さん 一番初めに思い浮かんだのが葉鍵ロワイヤルの御堂で、思わず「古っ!?」とセルフ突っ込みしてしまった。もう何年前になるんだ葉鍵ロワイヤル。超大作になった上に一応は完結を見た、奇跡のようなリレーSSだったなぁ。
 ハカロワとはまた懐かしい。それこそ10年くらい前になるんじゃないですか。紙媒体だと3000ページ超えるって話ですし、よくそれだけのボリュームでまとまったものだ。

 ディーふらぐ ふと手にとって風間と一緒にツッコミながら読んでるけど病気じゃないよ!!
 脳内ツッコミならともかく本気で口に出してツッコむ癖を付けると劇場で映画観るときに苦労する。『映画けいおん!』も何度ツッコミを入れたくなったことか。

 焼津さんとは逆に修羅場の苦手な自分は、その「限界」に迫っていく空気が本当にしんどいわぁ。なので、今期のアニメで一番お気に入りはWORKING2。カップリングが安定してるので、見てて安心してニヤニヤほのぼのできるわぁ。
 ワーキンは基本設定さえ押さえておけばどこからでも観れる、ってのが気楽でいいですね。「ぽぷらが成長期を迎えて身長2メートルになりました、これからは種島ばおばぶと呼んでください」みたいなこともありませんし。

 ニコ動でファフナーが一挙配信されていたので見てきましたが、すげー面白かったです。沖方丁の小説も読んでみたくなりました
 すげー面白かったですね。小説はパラレルですが、アニメ前半の補完めいた部分もあるのでオススメしたい。あとお約束ですが「冲方」(さんずいではなくにすい)ですね。


2011-12-02.

・不意に「白馬に乗った王仁三郎様」というフレーズが脳裏をよぎった焼津です、こんばんは。

 「女の子はね、いつだって白馬に乗った王仁三郎様が迎えに来てくれるのを待っているのよ」――絶対にこれ発言者の中ではBASARA並みのイケメン改変を施されているな。同系列のネタで思い浮かぶのはやはり『テニスの王仁三郎様』か。「ワシのお筆先は108式まであるぞ」と豪語するなおが目に浮かぶ。

『ましろ色シンフォニー』第9話「おなじ色のフタリ」視聴。

 加速する沙凪イジメ展開に当方の心も「やめたげてよお!」と軋んでおります。「おなじ色のフタリ」ってタイトル、本当に「敗色濃厚の二人」という意味なのか……ギャルゲーやエロゲーをアニメ化する場合、原作がマルチシナリオであってもアニメは一ルートに絞らないといけない(『アマガミ』『ヨスガノソラ』みたくヒロインごとにパラレルなストーリーを用意する例もあるが、これはこれで話の密度および一貫性が希薄になる難点を抱え込む)ため、共通ルート的な前半はともかく個別ルート的な意味合いが強くなってくる後半でどうしても転がし方に苦労する。見せ場のあるヒロインが固定化されてきて、また一方で割を食ってだんだん空気になり始めるヒロインも出てきます。やがて、主人公は選択を迫られる。手堅くメインヒロインを選ぶか、意表を突いてサブヒロインの誰かを選ぶか、あるいは全員選んでハーレムを形成するか、誰も選べなくて「俺たちの青春はこれからだ!」とお茶を濁すのか。主人公――というより、制作サイドはポップアップする選択肢を前に深く深く懊悩することを余儀なくされる。

 このジャンル(ギャルゲー系アニメ)は様々な試行錯誤を繰り返してきた歴史があり、中でも主人公が6組12人の双子に言い寄られる企画先行アニメ『双恋』、あれの終盤に見え隠れする畳みようがないものを畳まなくてはならない脚本家の涙ぐましさ(「俺がやたらと双子に好かれるのは双子塚の呪いなんだよ! そうに決まってる!」「たたかわなきゃ、げんじつと」)は生半可なものじゃありませんでした。複数のヒロインが一人の主人公を巡って恋の鞘当を繰り広げたら当然、人間関係は麻の如く乱れる。その乱れから目を逸らしてラブコメやり続けようとしても、いずれ限界が来るわけです。『ましろ色シンフォニー』も徐々に抜き差し不能な「限界」へ達しつつある。それが嫉妬・修羅場好きとしてたまらない。すごくたまらない。本当に嬉しいなぁ。

 あとは限界をどう凌ぐかに掛かっています。彼らはオルタードラインを越えてしまうのか、踏みとどまるのか。今期のアニメは『Fate/Zero』(グラニアが可愛すぎて辛い、9話の配信が待ち遠しい)や『境界線上のホライゾン』(遂に総員進撃)などクオリティの素晴らしい作品が数多くありますが、修羅場スキーとして一番先が気になるのは『ましろ色シンフォニー』ですね。沙凪が救われる未来を望みますけど、どう考えても無理っぽいか。

『〈古典部〉シリーズ』「氷菓」アニメ化決定(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 これは予想外。“古典部”シリーズのアニメを京都アニメーションが制作するのか。『氷菓』は米澤穂信のデビュー作で、“古典部”シリーズの第1弾。ジャンルはミステリですが、殺人事件や誘拐事件といった大掛かりな犯罪は取り扱わず、日々の生活で遭遇するちょっとした謎を解く、いわゆる「日常の謎」に分類される作品です。謎は謎だけど、無視して通り過ぎてもいいようなレベルの出来事ばかりで、実際に主人公の折木奉太郎はことごとくスルーしようとする。が、ヒロイン・千反田えるの決めゼリフである「わたし、気になります」を浴びせかけられることによって渋々謎解きを行うハメになります。で、謎とは具体的にどんなものなのか? あらすじから引用しますと「いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実―」ってな具合。強烈なフックが何一つなく、非常に地味な内容となっています。ロジック展開が丁寧で、スケールは小さいながらもよくまとまっている。ミステリ好きならニヤニヤできるでしょう。しかし“古典部”はそうした部分よりも、濃やかな文章が紡ぎ出す雰囲気やキャラクターの存在感が魅力的なシリーズと言えます。正直、『氷菓』の時点ではまだそれほど際立って面白くはありません。「解決編のない映画」を推理する『探偵映画』めいた趣向の『愚者のエンドロール』、文化祭で多発する盗難事件――を尻目に、作り過ぎてしまった文集を売り捌こうと古典部の面々が奔走する『クドリャフカの順番』と、作を重ねるごとにキャラの厚みが増し、話の構造もどんどん凝ってきて、めきめきと素晴らしいシリーズになっていく。個人的には是非とも『クドリャフカの順番』までやってほしいところだ。もし成功すれば“小市民”シリーズもアニメ化されるかな。米澤穂信は『インシテミル』実写映画が相当ひどい出来だったらしく、今のところ映像化に恵まれておりませんが……「よねぽの映像作品はことごとくアレな仕上がり」なんてジンクスが根付かぬよう、どうかこの『氷菓』で状況を打破してほしい。

 このほか、『はぐれ勇者の鬼畜美学』アニメ化決定『この中に1人、妹がいる!』満を持しての重大発表など、新たなラインナップが出揃い始めています。今後の傾向としては、日常系やラブコメ系、あと「俺TUEEEEE!」系が続々と来そうなムード漂う。『ソードアート・オンライン』みたく清々しいほど主人公無双な話が重なりそうなんですよね。あんまり強すぎると緊張感がなくなってしまうけれど、少なくとも「女の陰でバトルの解説」よりは獅子奮迅の活躍を見せてくれる主人公の方がいいかな。あと漫画ですけど『鬼灯さん家のアネキ』もアニメ化企画進行中で驚いた。あれって確か次の巻で完結だったような……『未来日記』も完結してからアニメが始まったし、最近の角川は「終わってからアニメ化」路線で行くつもりなのでしょうか? アニメで作品を知った人が完結済の原作をまとめ買いできるし、アニメも最後をきっちりと〆ることができるので、一石二鳥っちゃ一石二鳥ですが。

『ミルキィホームズ』キルミーベイベーの公式サイトを侵略!かわえええええ(萌えオタニュース速報)

 意外とこの発想はなかった。そういえば、ミルホはDVD買ったけど途中まで(具体的に書くと3巻まで)しか観てなかったなぁ。2期が始まるまでに崩さないと。別に観てなくても付いていけそうな気もしますけど。

・今月の予定。

(本/小説)

 『キングを探せ』/法月綸太郎(講談社)
 『JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』/西尾維新(集英社)
 『死体泥棒』/唐辺葉介(星海社)
 『或るろくでなしの死』/平山夢明(角川書店)
 『レイセン4』/林トモアキ(角川書店)

(本/漫画)

 『健全ロボ ダイミダラー(3)』/なかま亜咲(エンターブレイン)
 『うるわし怪盗アリス(1)』/鈴見敦、田中ロミオ(アスキー・メディアワークス)
 『ジョジョリオン(1)』/荒木飛呂彦(集英社)
 『ディーふらぐ!(5)』/春野友矢(メディアファクトリー)
 『竹刀短し恋せよ乙女(1)』/神崎かるな、黒神遊夜(角川書店)

 文庫化情報。宮本昌孝の代表作『剣豪将軍義輝』の続編、『海王』が文庫化。あと東直己の『後ろ傷』が『ボーイズ・ビィ・アンビシャス』とタイトルを変更して文庫化されます。『ススキノ・ハーフボイルド』の続編。タイトル変更と言えば、ジェニファー・リー・キャレルの『シェイクスピア・シークレット』も『骨とともに葬られ』と改題したうえで文庫化される。ハードカバー刊行当時はシェイクスピアに興味がなかったのでスルーしたが、最近は『7人のシェイクスピア』で少し興味が出てきたので買ってみようと思います。あと乙一が書いたJOJO第4部の小説『The Book』が新書サイズで出るみたいですね。

 『キングを探せ』は法月綸太郎久々の新作。書き下ろしだそうです。現時点では『しらみつぶしの時計』が法月綸太郎の最新刊となっていますが、これでも3年前の本です。『しらみつぶしの時計』は短編集で、10年前の作品さえ収録していたのですから、この作家の寡作ぶりが大いに伝わろうというもの。書き下ろし新作は『怪盗グリフィン、絶体絶命』以来5年ぶりとなりますが、児童向けじゃない長編となるとそれこそ『生首に聞いてみろ』まで遡らないといけません。実に7年ぶりですよ。ライトノベル作家の新作が7年ぶりとかだったりしたら、なんと申しますか気が遠くなりそうな感覚に陥りますが、ミステリ作家だとそれほどでもない気がするのはどうしてでしょう。「あ、今回はちょっと長かったな」程度の感想しかない。ジャンルによって時間の流れって結構違いますよね。『JOJO'S BIZARRE ADVENTURE OVER HEAVEN』は西尾維新による小説版JOJO。上遠野の『恥知らずのパープルヘイズ』に続く“VS JOJO”第2弾です。DIOが主人公ということで、楽しみに待っている。西尾は今月“物語”シリーズの最終巻『恋物語』も発売する予定。来月には『偽物語』のアニメが開始され、原作を担当している『めだかボックス』もアニメ化決定済なんですから、まさに破竹の進撃としか言いようがない。進撃の維新。『死体泥棒』はタイトルでギョッとしつつ作者名で納得した唐辺葉介の新刊。ヒロインがいきなり死ぬらしいから、その死体を盗んで乱歩の「虫」みたいな展開へ入っていくのかしら。そういえば小説版『CARNIVAL』の主人公がネクロフィリアだったっけ。『或るろくでなしの死』は散々延期して、一旦発売中止になったけどまた復活した平山夢明の新刊。そろそろ小説家として復帰するつもりなんでしょうか。『レイセン4』は『お・り・が・み』の続編である『戦闘城塞マスラヲ』の後日談に当たる新シリーズの4冊目。と書いたら手を伸ばしにくい印象が湧くかもしれませんけれど、主人公のヒデオがとってもイイ味出しているキャラですので、別にここから読み始めても構いません。読んで気になったらマスラヲやお・り・が・みに遡っていくって方針でOK。今月のライトノベルは、「絶対にライトじゃないでしょ、物理的にヘヴィでしょ」な『境界線上のホライゾンW(下)』(価格が1000円超えてます、U下よりは安いけど)、口絵はポルノポルノしているのに中身は意外とまっすぐな成り上がりストーリーである『魔弾の王と戦姫3』、異能はないけど口先と機転で怪異を丸め込む『0能者ミナト3』、不思議な煙草を吸って幻覚で戦い合う『ブラッド・スパート3』(悲しいけどこれって最終巻なのよね)も期待大。海外小説はミネット・ウォルターズの『破壊者』だけでも押さえておきたいところです。

 『健全ロボ ダイミダラー(3)』はパイロットの煩悩で駆動する「健全」とは名ばかりな巨大ロボ「ダイミダラー」が活躍します。主人公がエロいことをするのはロボットを動かすためであって、あくまで合法的スケベ、つまりヒロインのおっぱいを揉むのも単なる読者サービスではなく必要エロなんですよ。なんと素晴らしい設定。「おっぱい揉み飽きて興奮が薄くなった」→「よりエロいことをしなければ!」という流れ、実に滑らかすぎます。中学生の頃に読んでいたらもっと夢中になっていたことでしょう。2巻ではいきなり主役コンビが交代する展開に入り、1巻のコンビが好きだった身としてはややトーンダウンしましたが、設定が気に入っているので買い続ける態度に変わりはない。関連作『火星ロボ大決戦!』も来月復刊されますし、なかま亜咲を読むなら今が旬。『うるわし怪盗アリス(1)』は田中ロミオ原作ということで注目しました。「でもロミオが原作だったとしても、絵がアレだったらなぁ……」と危惧も一瞬抱きましたが、名前を確認して即座に安心しました。『Venus Versus Virus』の人であり、画力は確かなもの。この布陣なら普通に期待できる。『ジョジョリオン(1)』は連載開始からそろそろ四半世紀は経とうかという長期シリーズ“JOJO”の最新作。第8部に相当しますが、既刊が100冊を超えてしまった現在、シリーズ未読の方に「あらかじめ過去作は全部読んでおきましょう」とは言いにくくなってしまった。ガンダムの過去作全部を観るのに比べればまだ楽だとは思いますが……たぶんここから読み始めてもある程度は大丈夫なように描かれているでしょうけれど、未読の方は余裕があれば過去作もチェックしてほしいところ。『ディーふらぐ!(5)』は徐々にアニメ化のフラグが立ちつつあるような気がしてならない不条理部活ギャグ。どこが面白いのかと訊かれたら返答に困るのでなかなか薦める機会はないものの、個人的にすごく好きな漫画です。主に勢いと絵柄が好き。ハルトモ絵が好きすぎて東方ネタよくわかんないのに東方同人誌の総集編も買っちゃいましたが、うん、全然平気。まだ全然病気じゃないです。暇があればハルトモ絵を見てニヤニヤしてるけどそんな当方マジ正常。『竹刀短し恋せよ乙女(1)』は諸事情あって途中終了していた剣道バトル漫画『しなこいっ』の続編。続編なので話は途中から再開します、未読の方は『完全版 しなこいっ』にも目を通しておきましょう。上巻が先月発売済で、下巻は『竹刀短し恋せよ乙女(1)』と同発。「剣道バトル漫画って、剣道なのかバトルなのかハッキリしろよ!」とツッコまれそうですが、うーん、剣道漫画と言ってもバトル漫画と表現してもしっくりこないんですよね。やってることは剣道の延長線上にあるんですけど、ほとんどの場面が試合ではなく私闘なので、「剣道バトル」と呼んだ方がイメージに合う。魔剣なんたらかんたら、みたいな必殺技も飛び出しますが、超自然的な現象ではなく割合地味な術理で成り立っていて面白い。忍者の能力は正直ちょっとチートですが。

(ゲーム)

 『漆黒のシャルノス Full voice ReBORN』

 恐らく資金不足のせいでパートボイス(声が部分的にしか付いていない)という仕様を余儀なくされていたライアーソフトの旧作をフルボイスにする試み、「Full voice ReBORN」。3本あるうちでもっとも思い入れの深い『漆黒のシャルノス』――スルーしえないので買うより他ない。3本まとめた『大機関BOX』の方がオトクなのは理解していますが、そっちを購入してもたぶん『漆黒のシャルノス』以外プレーしないで積むだろうなぁ、と容易に想像できますので、多少割高であろうとバラ売りされている分を買う。てかバラでも安いですよ、メーカー希望小売価格3990円(税込)。他はLeafの『WHITE ALBUM2 -closing chapter-』も気になっていますが、あれはマスターアップしてから考えることにします。今度こそ延期しない、だなんて、どうやって信じればいいのやら。

・拍手レス。

 え、「きょうぞう」って読むんじゃなかったの?殺されかけてるきょうぞうさんを守るとか、そんな話だと思ってました。デートアライブはなぁ。一巻を読んだのですがノリきれなかったのが現状です。いっそカルマぐらいバカやってくれれば気にせずに済んだのでしょうけれども。
 1巻や2巻はまだそれほど明確な盛り上がりもないですからね。やっぱり狂三が出てきてハッキリと面白さが変わった気がします。3巻はまたイイところで終わるから続きが読みたくて仕方ない。

 狂三さんの最期が私の脳内でも鮮明に再生されました。この展開が来なかったら詐欺と言って良いレベル。あと、平山夢明の仕事が捗るというのは精神的に良い影響と言えるのか疑問。
 平山夢明と言えば結局『シエスターズ』は11月に出なかった……あと狂三さんはいませんけど、狂三はええキャラですよ。あの子のおかげで当方の意欲も弥増した。Diesで喩えたら、ルサルカが登場したときのようなテンションになる。


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