2011年5月分


・本
 『やまとなでシコ』/上連雀三平(茜新社)
 『スターマイン(1〜2)』/ストロマ(一迅社)


2011-05-26.

『僕は友達が少ない』の「肉」こと柏崎星奈の名前を見るたび『紅 醜悪祭』の星噛絶奈を思い出す焼津です、こんばんは。あの人も巨乳だけど肉自体はあんまり残ってなさそうだな。

AXLの新作『愛しい対象(カノジョ)の護り方』、嘘粗筋覚書。

 19日、『侵略!イカ娘』ネタ(『魔法少女まどか☆マギカ』の小ネタもあり)。20日、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ネタ。21日、『咲―Saki―』ネタ。22日、『日常』ネタ。23日、『IS』ネタおよび『魔法少女まどか☆マギカ』ネタ。24日、『アスタロッテのおもちゃ』ネタおよび『魔法少女まどか☆マギカ』ネタ。25日、『にょろーん☆ちゅるやさん』ネタ。26日、『進撃の巨人』ネタ。発売当日はパロネタをやらないので明日は多分なし。こうして見るとまどマギネタ(というかマミられネタ)多いな。『愛しい対象の護り方』に登場するヒロインの一人が「シャルロッテ」という名前で、お菓子の魔女(シャルロッテ)と同名シャル繋がりロッテ繋がりと、ネタにしやすかった事情もあるのでしょう。急性肝不全で入院という状況の中でもカウントダウンを続けた執念には舌を巻きますが、今はひたすら養生に励んでほしい気持ちでいっぱい。

蒼樹うめの同人誌『RKGKMDK』、とらのあな通販は5月29日(日)午前3時販売開始

 5月29日(日)午前3時――ワルプルギスの夜、襲来。

 なにが襲来だ、バカバカしい。おめーんとこの鯖が激弱なだけだろーが。と前回1時間も張り付いた末に買い逃した身としては怨嗟の声が噴き上がってきたりしますが、開始時間が遅い&用意した部数が前回の2倍以上(概算で4000〜5000部と推測)&既にそれなりのファンが入手済、といった条件が揃って今回はさほど熾烈な争奪戦には発展しない……はず。正直、かなり願望の混じった見込みです。同人誌の再販をほとんどしない蒼樹うめが「今回ばかりは」と特例で追加した奇跡の増刷分ゆえ、これを買い逃すとあとはもう中古品のみが最後に残った道しるべとなる恐れ大。なんとしてもこのラストチャンスを活かさねば。

『ジョジョの奇妙な冒険』ノベライズ企画“VS JOJO”第1弾『恥知らずのパープルヘイズ』(上遠野浩平)は夏発売予定

 やはりアンソロジーではなく個別に発刊していくのか。『The Book』の延長と捉えても構わない雰囲気ですね。先陣を切るのは上遠野浩平、自他ともに認めるJOJOスキー。「パープルヘイズ」だけに第5部が舞台となる模様だ。前にも書きましたがパープルヘイズは第5部に出てくるフーゴというキャラクターのスタンド(守護霊のようなもの、それぞれ異なる特殊能力を発揮する)で、フーゴは第5部の途中から出番がなくなり、「あいつはどうなったんだろう?」という話題が定期的にJOJOファンの間で交わされる仕様となっています。死んだという話は出てこないので生きてるはずなんですが、物語に一切絡まなくなったからいろいろな憶測が飛び交ってるんですよね。「設定したスタンドが強力すぎて使いにくく、扱いに困って退場させた」とか「味方が多すぎるので間引かれた」とか「後でもっぺん出す気だったけど作者が存在を忘れてしまった」とか。以前にも「その後のフーゴ」を題材としたノベライズ(『ジョジョの奇妙な冒険U  ゴールデンハート/ゴールデンリング』)が発売されていますが、こちらの評判はあまり芳しくなかった。果たして上遠野版フーゴは前回のノベライズを踏襲したものになるのか、はたまた丸っきり無視した形のものになるのか。そしてJOJOまで上遠野ワールドにリンクさせるつもりなのか(上遠野浩平の小説はすべて同一の世界を舞台にしており、作品と作品の間に何らかの接点が用意されている)。楽しみにして夏を待つ。

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』GA文庫史上最速の初動で、早くもシリーズ累計10万部突破(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 「シリーズ累計」ってことは、現在発行されている1巻の累計部数と来月発売予定の2巻の初版部数を合わせているんでしょうね。なんか公式サイトも出来てるし、このままアニメ化に向かって一直線で突き進みそうな勢いだ。好調なのは喜ばしいことだが、好調すぎてもう一つのシリーズである『踊る星降るレネシクル』が打ち切りというかほったらかしにならないか不安。俺修羅に釣られてるるルの売上も伸びているそうですから、そこまでヤバい状況でもありませんけどね。

・ストロマの『スターマイン(1〜2)』読んだー。

「私にも抱っこしてナデナデーってして かわいいかわいいって囁きなさいよッ!!」
「なんでよ! なんでよ! 猫にはしたのに! ちくしょう!!」

 これは良いラブコメ。というわけで、ある日流星群に向かって「彼女! 彼女超欲しい!」と願った結果、空の彼方から9人もの「彼女候補」がやってきた――という、なかなか無茶な設定で送るハーレム系ラブコメです。無茶が通れば道理は引き篭もる。いま小森霧や更級もうふや藤和エリオのようなビジョンの「道理たん」が脳裏を亜音速でよぎったがそれはどうでもいい。4コマ形式で進行しますが、各エピソードごとに一貫したストーリーを紡いでいるため、4コマ漫画にありがちなネタの細切れ感はありません。それでいて毎回4コマ目ではちゃんと落としているから良心的な作品と言えましょう。しかし9人(+α)って、いくらハーレムものでもヒロイン多すぎじゃね? ってのが読み出して早々に感じる偽りなき気持ちであります。巻頭のカラーページでキャラ紹介を行っていますけれど、到底一発では頭に入らない。始まった直後もゴチャゴチャしていて状況を掴みにくい。出だしからいきなり好印象を稼ぐタイプではありません。

 が、読んでいるうちにだんだんとキャラの区別が付いてきて、全員とは行かなくとも気に入った子の名前ぐらいは覚えられるようになってくる。そうなればあとはこちらのもの。「気に入った子」を軸とする人間関係が飲み込めてきて、キャラ同士の掛け合いが格段に面白くなります。感覚としてはベイビープリンセスに近いものがある。考えてみればあちらは19人もいるのです、10人少々のヒロインが覚えられないはずがない。つってもまあ、これだけいると影の薄いヒロインとかも出てきますけどね……潮とか。正直、もうちょっと少人数に絞っても良かったのではないかと思わなくもないです。クラスメイトの七海なんてサブキャラ通り越して空気に近くなってますし。一方、単なる一発ネタかと思われた小原はちょくちょく出てきて妙な存在感を醸し出していたり。普通にイイ奴そうなのでヒロインの誰かとくっついたりするのかもしれない。んなことになったらその子のファンは怒り心頭に発して猛烈な抗議活動を開始するかもしれませんが。その展開は、まるで狂おしく身を捩らせるように走り抜けるという……「悪魔のNTR」がファンを死に誘う『湾岸STARMINE』の開幕だな。

 4コマ漫画として読んでもコミカル且つテンポ良くて楽しいし、ラブコメとして読んでも存分に頬を歪ませニヤニヤと堪能できる。タイトルの「スターマイン」は「速射連発花火」、つまり花火大会でよく見られる立て続けに打ち上げられる花火の群れを意味するそうで、それに相応しい明るく賑やかな仕上がりとなっています。個人的なお気に入りは風見と郷。牧乃と鈴も捨てがたいが、三角関係で盛り上がりそうなのはカザキョウコンビなんですよね。ヤキモチ程度ながら随所に嫉妬要素が仕込まれていて大変おいしゅうございます。

・拍手レス。

 メルカトルかく語りき、が一遍毎に本を壁になげつけたくなる素敵な仕上がりで嬉しいです
 投げつけ用と保存用の2冊を買わなきゃですね。

 俺つばアニメですが、7話だけは見る価値があるかもしれません。ガルーダさん、いいわぁ……。狂気を暴力的ではない落とし所にしたのは善き悪しきありますが。
 王雀孫が脚本書いた回ですか。レンタル始まったら7話が入ってる巻だけ借りてみようかな。

 AXLの嘘予告、全員マミられると見た
 しかし「マミる」という言葉、まさか流行るとは思わなかった。


2011-05-19.

・AXLの新作『愛しい対象の護り方』発売が迫ってきてカウントダウンに緊張している焼津です、こんばんは。

 解説しますと、AXLは新作ソフトが発売する10日前くらいにマスターアップ告知イラストを公開し、発売1週間前の時期に差し掛かったところで今度は嘘予告カウントダウンを始める習わしとなっています。もう5年くらいやっていますので、ブランドファンにとってはスッカリお馴染みの儀式。んで、嘘予告カウントダウンとは何か? と申しますと、その名の通り発売寸前の新作に関するストーリーをデタラメな内容の1ページ漫画で紹介する、一種のジョーク企画です。「嘘粗筋」とも呼ばれる。毎回必ず何らかのパロディで、特にカイジやバキ、シグルイといった特徴的なパロについては絵柄まで似せる芸の細かさを発揮します。一方で『シゴフミ』『美女で野獣』など、「元ネタなんなの?」という質問が頻出するようなマイナーネタまで飛び出してくる。近年はだいたいアニメネタで固めていますが、放送中のものもあれば懐かしいものまで色とりどり。AXLの顔たる原画家・瀬之本久史(通称せのぴー)は元アニメーターで、現在もアニメ大好きな生粋のアニヲタですから、パロにも愛と情念が感じられて楽しい。嘘予告カウントダウン自体、アニメーター経験があって非常に手の早いせのぴーだからこそ実現可能な企画と言えます。時間を掛けて用意しているわけじゃなく、マスターアップ後の余力で描いているらしいですからね、あれ。「(仕事の)絵を描いて疲れた、(趣味の)絵を描いて息抜きしたい」みたいな発言を目にしたことがありますし、心底絵を描く行為が好きなのでしょう。

 で、今度の嘘粗筋は何が来るかなー、と予想して盛り上がるのもAXLファンの風物詩。当方は「今年だとまどかマギカは鉄板、あとはISこれゾンGOSICKあの花あたり、去年のだと俺妹イカ娘、あとはミルキィホームズくらいだろうか」って読んでました。そしたら初日(今日)はイカ娘ネタ。順当に当たりましたが、微妙にまどマギネタを使っている(「マミィッ」のところ)のでまどマギ嘘粗筋はないかもしれませんね。

ライトノベルの最終兵器 「僕は友達が少ない」 が新聞広告欄で大々的に『アニメ化』の発表キタ━━━(゚∀゚)━━━!! 「はがない」ブーム到来!?(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 散々「重大発表をする」と予告していましたし、新聞広告を見たときは「やっぱりな」って思いました。アニメ化する前の現時点で200万部、公称とはいえ単巻30万部を超える勢いの人気シリーズですからね。これでアニメにならないわけがない。たとえアニメ自体の出来が残念だったとしても原作はより一層売れる事でしょう。しかし、平坂読のライトノベルがTVアニメになるとはな。改めて考えると感慨深い。読たん、やっと星を掴んだんですね……キャストは当然のようにドラマCDと一緒。ドラマCD付き特装版も発売間近だ。

HUNTER×HUNTER 28巻に続き29巻も連続刊行決定!!(暇人\(^o^)/速報)

 「働かない漫画家」の象徴であった冨樫もようやく働き出す兆しが……『HUNTER×HUNTER』は今でも面白いと思って読んでいますが、正直早く終わってほしいです。だってもう開始から13年ですよ……1年に4冊出したときもあるのに、もはや年2冊のペースさえ怪しくなっている始末。完結したら1巻から読み直すつもりですが、その頃には所持している単行本がすっかり茶色くなってそうだな。

・公式発売日の前にネタバレが出回ってちょっとした騒ぎになった『俺の妹がこんなに可愛いわけがない8』を読み終えましたが、いいラブコメだった……前巻の最後に書かれた通り、主人公が黒猫と付き合い出すところから始まり、お互いに手探り状態でデートを重ねていく初々しいイベントの数々にニヤニヤしました。瑠璃かわいいよ瑠璃。アニメで描かれた(らしい)黒猫の家庭に関してもフィードバックされています。黒猫好きは安心して読むといい。ただ黒猫の可愛さが鰻のぼりとなっている一方で主人公のキモさというか変態指数が急上昇していて苦笑い。アニメから入った人は原作の一人称に幻滅しないのかしらん。このまま完結してもよさそうな流れで幕を引きますが、シリーズ自体はまだ続くようです。そりゃコミックもアニメもゲームも成功している以上、まだまだ原作は終われませんわな。そろそろネタギレも心配になってくる時期ですが、なんとか頑張って2桁の大台に乗ってほしい。しかし作中でやたらとあやせを推しているのはゲーム版の宣伝だろうか。あやせルートのシナリオは作者本人が書き下ろしたって話ですし。あと帯イラストのキュゥべえは存在感ありすぎて異様。

・拍手レス。

 うめ先生のまどマギ本。私も敗北しました。わけがわからないよ
 次はもっと多く刷るそうなので、入手もしやすくなる……はず。

 焼津さんが以前総集編でたら買う(うろ覚え)といっていた「収穫の十二月」なんですが先日コミック1巻が出てるのにも驚いたんです原作まとめて出さないのかなと思っていたら原作も「収穫の十二月〜四季」のタイトルで総集編がでてますよ。追加シナリオ+サントラで2500円は数年前の作品とはいえ良いですね
 マジかよ速攻ポチったわ。当方もコミック版を店頭で見かけて「総集編が出る予感……!」と胸躍らせ検索しましたが、そのときは見つけられず。今発見できて歓喜の念が迸りました。本当にありがとうございます。他の方々とも喜びを分かち合うためにリンク張っておきましょう。(とらのあな/通販サイト)(めろんぶっくす/通販サイト)(talestune/公式サイト)

 ナタリー・ポートマンというといまだにレオンが思い浮かぶ。しかし、消えていったり薬に手を出したりする子役が多い中で、彼女は見事に大成しましたね。
 レオンはリュック・ベッソンにとって急拵えの資金集め映画だったそうですが、ジャン・レノやナタリー・ポートマンの存在感も相俟って不朽の名作となっちゃいましたね。

 読むまで表紙の ゆま を おりこ だと思い込んでいた罠。ムラ黒江さんの絵は賛否両論あるけど狂気的な目は好きだなあ。ほむほむの睨む目付きとか最高
 当方もゆまをおりこと思い込んだクチです。ほむほむのガン飛ばし、迫力ありますね。ありすぎてほとんど別キャラに近くなってますが。


2011-05-14.

・ナタリー・ポートマン主演の映画『ブラック・スワン』を観に行って圧倒された焼津です、こんばんは。

 前評判がやけに高かったから期待していましたが、いやあ、イマジネーションの限界を突破する迫力でした。ストーリーは「『白鳥の湖』の主役に抜擢されたバレエダンサーのニナ(ナタリー・ポートマン)が様々なストレスとプレッシャーから精神に変調を来していく」程度で済むごくシンプルな代物。分類すればサスペンスに当たるのでしょうけれど、演出はほとんどホラー映画の域に達しています。観客ビビらせる要素を挙げていけば枚挙に暇がない。ちょっと過保護で奇矯な母親に育てられたせいで抑圧傾向のあるニナが己の心に圧し掛かる錘を取り払い、「完璧(パーフェクト)」と形容する次元へ飛翔する様を気色悪いくらいの生々しさで描いています。精神の均衡が崩れ、だんだん現実と幻覚の区別がつかなくなっていくあたりはこの手のお約束ですが、『ブラック・スワン』の凄まじいところは恐怖と狂気が両隣に居座っている状況さえも「普通」になってしまうところ。訳が分からなくても、着々と上演に向けての準備が進んでいく。訳が分からないまま踊るしかない。たとえそこが地獄であろうと、過ごしてしまえばただの日常となる。綱渡りのような展開が繰り広げられるクライマックスは圧巻。「正気にては大業ならず」や「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと」を地で行く映画でした。主人公の追い詰められぶりから『レクイエム・フォー・ドリーム』を思い出したが、調べてみたら同じ監督(ダーレン・アロノフスキー)。さもありなん。

\まどか完売/『まどか☆マギカ』とら店舗のうめ先生の同人誌販売に行列→完売店舗続出(萌えオタニュース速報)

 本日未明、とらのあな通販で争奪戦に参加したものの、負けました……惨敗です。あらかじめログインを済ませ、日付が14日に変わると同時に専用ページを更新して速攻でカゴに放り込むことには成功しましたが、その後の注文手続きがうまく行かなくて、まごまごしているうちに終了。手続きの最後に出てくる「注文する」のボタンは押したんですが、エラー発生して注文が通らなかった次第。泣いた。とら通販のサーバーはもともと脆く、夏コミ新刊入荷直後の時期には激重でまともに買い物もできなくなるショボさですが、まさか蒼樹うめの同人誌1冊だけでここまで重たくなるとは。想像を絶していました。短時間に殺到したため上限数を超え、注文は完了したのにキャンセルメールを喰らった人もいるとのこと。0時ちょうどに受付を開始して、1時10分か20分頃には完売しましたから「1時間以上は保った」と言えなくもありませんが、その1時間ずっと満足に注文もできない状態だったわけですから、もしとらのサーバーが万全だったら30分保ったかどうかも怪しい。なんにしろ当方の1時間に渡る苦闘は徒労と相成りました。希望から絶望への相転移でブラック・スワンになるかと思うほど落ち込んだ。マジで頭ん中に「白鳥の湖」の曲が流れましたからね。蒼樹うめは本来だと同人誌を再販しないタイプの作家ですが、さすがに特例ってことなのか今回は再販を予定しているそうです。そっちを待つより他なし。

 ちなみにこの『RKGKMDK ラクガキマドカ』が何なのか一応解説しておきますと、『魔法少女まどか☆マギカ』のキャラクターデザイン原案を担当した漫画家・蒼樹うめによる非公式ラクガキ本です。仕事としてではなく、単に個人の趣味として発刊された14ページ程度の薄い冊子で、イラストを何点かとおまけの漫画を収録している模様。ファンでなければ特に手を伸ばす必要もない一品ですが、熱心なファンにとっては喉から触手が射出されるほど欲しい代物です。そしてBDやDVDの1巻が初週だけで6万本以上も売れたまどマギは「熱心なファン」に事欠かない。上記したとらの通販もざっと2000冊か2500冊くらいは用意していたものと想像されるのに、あっという間になくなってしまいました。他の通販分や店頭での販売分を合わせると、ほんの一日でいったい何千冊が売れたことになるのやら。それでいて当方含め相当数の人が買い逃したのですから恐ろしい。

lightの新作『神咒神威神楽』、発売予定日決定(2011年9月22日)

 夏予定っつってたから7月か8月かなー、って思ったら9月かよおい。秋じゃないですか。とはいえ今年中に出れば御の字なので別に構わない。体験版の第2弾もそろそろですかね。

・原案:Magica Quartet、原作:平松正樹、漫画:天杉貴志の『魔法少女かずみ☆マギカ(1)』と原案:Magica Quartet、漫画:ムラ黒江の『魔法少女おりこ☆マギカ(1)』読んだー。

 『RKGKMDK ラクガキマドカ』が買えなかったことでクサクサしていましたが、いつまでも凹んでいたってしょうがないので新刊の消化に掛かりました。両方ともアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のスピンオフ漫画です。おりこは本編以前の出来事を描く前日譚、かずみは本編以前か以後か不明ですが「見滝原市」ではなく「あすなろ市」を舞台とする番外編。おりこの方には杏子、マミ、ほむら、まどかといった本編キャラも登場します(さやかは見かけなかったな……)が、かずみの方は今のところ共通するキャラクターは出てきていません。また肌露出全開の際どい衣装を纏いながら必殺技叫んで戦う普通の魔法少女みたいなノリのかずみ、どこか暗く静かで煤けた雰囲気の漂うおりこと、双方ともに本編とは異なるムードを発揮しているため、まどマギファンにオススメできるかと訊かれれば迷うところだ。

 『かずみ☆マギカ』は現在も雑誌で連載中の作品。副題「The innocent malice」は「無邪気な悪意」という意味、『破線のマリス』のマリスですな。全裸のまま記憶を失っていて「かずみ」という自分の名前しか思い出せない少女が、「わたし、魔法が使えるみたい」と魔法少女たる己を自覚していくストーリー。記憶喪失と言っても始まって早々に以前の自分を知る仲間たちと再会するのですから、サスペンスとかミステリとかそういう盛り上がりはほとんどなし。更に「プレイアデス聖団」とか言い出して大量の魔法少女が一気に現れるから、正直誰が誰やら区別つきません。掴みとしてはあまり巧くない感じです。記憶喪失でしかも魔法を使える――という異様な状況に立っているにも関わらず、かずみ本人の困惑があくまでコメディの延長線上に存在するものとして処理されるあたりなど、読み手のテンションと描き手のテンションの間に浅からぬ溝ができている。展開も駆け足気味で、いろいろな説明を端折りつつ突っ走っていくから乗り切れません。感想は「ポカーン」の一言に尽きます。聞くところによればこの次に来るエピソードがかずみの転換点になるとかで、「だったらそれも収録しろや」と思わないでもありませんが、最後まで見届けたい気持ちもあるので我慢して2巻も買ってみます。本編ファンの方は素直にスルーされるか、それとも怖いもの見たさであえて読んでみるか、あるいは2巻が刊行されるまで様子見に徹することをオススメする。

 『おりこ☆マギカ』は全編描き下ろし。「ラスボスみたいな主人公」として設定された魔法少女・美国織莉子を巡るストーリーとなっています。視点的な意味で言えば杏子やマミの方が主人公っぽいけれど。杏子が魔女に両親を殺された幼女・ゆまを拾うなど、オリキャラ絡みの展開が多いため、なんとなく公式スピンオフってよりは二次創作のSSを読んでいるときの印象に近いものがある。ネタバレなので伏せますが、前日譚と言ってもほむらが転校してくる前とかではなく、「本編以前の別時間軸」を舞台としており、ひとりぼっちで浮かれていないマミがさりげなくシャルを屠ったりしています。ほむらの目つきは本編以上に殺伐としていてマミをビビらせたりしている。あれは躊躇わない眼だ……さやかも人知れず闇に葬る気ではあるまいか。杏子は割と通常運行。アクションの描写が少し分かりづらくていまいち燃えないっつー難点はありますが、本編との接点もあるおかげで興味深く読めます。絵柄は完全に蒼樹うめの画風とは別物になっていますが、個人的にこれはこれでアリ。なんだか最近、ちょっと古臭いぐらいの方が安心して読めるようになりました。タイトルにもなっている織莉子がいったい何を企んでいるのか判明しないまま次巻へ続くとなりますが、2巻は来月発売予定ですのでさほど熱が冷めないうちに読めるでしょう。しかしあれですね、織莉子のポジションがやけに既視感を誘うと思ったら、あれだ。『お・り・が・み』の視姦魔人マリーチだ。冷静に考えるとそんなに似てないけど、織莉子の言動には億千万的な厭らしさと荒みを感じさせる。

・拍手レス。

 前期今期のみならず来期にも期待が持てる謎の豊作…世はまさにアニメ黄金期ですなぁ。
 夏期が少し薄いけど、秋期で補えそうですね。ガンダムの新作もそろそろ来るんではないかという噂もありますし。

 かずみマギカとおりこマギカの感想も期待しております
 かずみは正直「えぇ……?」という出来でオススメしがたいが、4話以降が本番らしいのでとりあえず2巻も買います。おりこはまあまあ。絵柄さえ合えば楽しめる。

 まどマギのジャケット絵は、このままジャケット絵詐欺で行くんじゃないんでしょうか。もし最終巻だけシリアスな絵だったら「え?」と驚きますが。
 最終巻、まどかとほむらが裸で抱き合うジャケットだったらお店で買えませんね。

 明日香姫のねんぷちが発売されましたね!http://ameblo.jp/gsc-mikatan/theme2-10004583548.html#main 5体セットなので入手が難しい一品ですが、非常〜に可愛いです。
 予想以上にねんぷち映えしてますね、明日香。特に髪フェチとしては髪の振る舞いがたまらない。単品での販売がないのは残念、ってか立体は一度手を出したら最後、確定的に歯止めが利かなくなるので単独発売でも涙を堪えてスルーしたでしょうが。

 ノエインは地味な名作ですよne。当時、批判厨だった私が手放しで絶賛
 してました。恥ずかしい思い出ですけど

 ぶっちゃけ放映期間中はタイトルさえ認知しておりませんでした。終わった後でようやく名前を見かけて、ポツポツと評価を目にした程度。


2011-05-11.

・あまりにも蒸し暑くて室内の除湿を開始した焼津です、こんばんは。

 一瞬「もう梅雨の季節か」と勘違いしそうになりました。ここ数年、異常気象が多くて季節感は損なわれる一方ですね。過ごしやすい気候に安定することを強く望みます。そう、常に全裸で待機することが可能なサラッサラの気候に……麻耶雄嵩の『メルカトルかく語りき』は無事届きましたが、除湿に忙しく、服脱いで待機するの忘れていました。

『境界線上のホライゾン』、アニメは10月から開始

 『Fate/Zero』も10月からなので同期ってことになりますね。『Fate/Zero』はPVが公開され、予想を上回る武内絵の再現ぶりに驚かされた。今から秋アニメが楽しみ。

『魔法少女まどか☆マギカ』BD/DVDの3巻、ジャケット絵公開

 爽やかすぎる……結局ジャケット絵に関してはずっとこの方向で行くつもりなのだろうか。本気でキッズアニメと勘違いしているレンタル店もあるそうですが。冷静に考えればあのジブリでさえ早すぎた巨神兵とか「人がゴミのようだ」とか、幼児にトラウマを与えるようなシーンはあったわけで、いちいち騒ぐほどじゃないのかもしれない。単純に最近はトラウマ級のアニメが減っているから目立つだけですね。しかし、ジャケ絵は決まっても特典の内容はまだハッキリしてないのな。1巻がドラマCD、2巻がサントラ第1弾なので、奇数巻はドラマCD、偶数巻はサントラって構成になるんじゃないかと睨んでいる。

『ノエイン』『巌窟王』Blu-ray BOX化キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!(萌えオタニュース速報)

 おお、どっちも評価高くて気になっていたアニメだ。DVD-BOXを見送っておいて正解だった。発売は両方とも8月。さすがにBOX2つを同時に買うのはキツいが、まだ先のことだからなんとか資金も工面できるかな。8月は『るろうに剣心 追憶編』のBDも欲しいところだし、現段階では確定的じゃありませんけれど。ついでに書くと、アニメではないんですが『永遠のこどもたち』『片腕ドラゴン』の廉価版も個人的にはマストバイなDVDであり既に予約済。

・拍手レス。

 まどか続編はあるんじゃないですかね。物語は完結してても創り手的にはやり残した部分が多そうだし。かのハリウッド映画界にも「『2』までなら確実に名作だ」って格言があるとか無いとか聞きますし。
 確かな実績を出して、スタッフもプロデューサーも乗り気なんですから、どういう形にしろ続編はあるでしょうね。今度はいきなりハードルが高い状態で開始することになりそうですけども。

 >『NAMIDAME GIRLS』、メロン通販で入荷確認しましたよー(5/7) つか最近はとらよりメロンばっか使っていますわ>通販
 虎の方で注文しました。メロンは送料高いのがネック。ある程度欲しい本がまとまらないと頼めない。

 アザゼルさん成功の最大の要因は、やはりキャスティングに尽きるでしょうね。ニコ動のタグに「まんまですよ、オノサカさん」とあったのには思わず笑いました
 ラジオ聞いても素と演技の違いが分からないくらいハマリ役ですね。


2011-05-06.

ニコニコチャンネルで最新話だけ無料配信している『よんでますよ、アザゼルさん。』のアニメが予想外に面白くて喜んだ焼津です、こんばんは。

 「悪魔召喚」をテーマにしたややブラックなスラップスティック・コメディ。シモネタやグロネタが嫌いな人にはオススメしませんが、そういうのが大丈夫なら是非観てほしい。15分枠のアニメだけに尺が短く、話をかなり無理矢理に詰め込んでますけど、それがマイナスになるどころかむしろプラスに働いている。原作はここまでハイテンポじゃなく、むしろ緩い部類に入るくらいです。その緩さが合わなかったせいで途中リタイアしてしまいましたが、アニメの面白さに負けて未読の既刊を買いに走ってしまいました。アザゼルさん、始まる前は大して話題にならなかったのに、いざアニメが放送された途端に原作も売れ始め、一部の地域では品切しているそうな。うちは地方なので余裕でした。正直、ページをめくり始めた当初は「やっぱこのノリ合わねぇな……」と嘆いたものの、読んでいるうちにアザゼルさんの声が小野坂昌也で脳内再生され、以降はすらすらと堪能することができました。これに関してはアニメ化して正解だったと言わざるを得ない。アニメ化の報をキャッチしたときに「どんな判断だ、グリモアをドブに捨てる気か」と思ったことを謝罪したい。どん判と言えば『変ゼミ』もアニメ化されているそうだが、あれは本当にノリとかテンポとかを超えた次元で合わなかったのでスルーさせていただく。あれを虚心に楽しめる人は相当な練達者でしょう。

新ブランド「てぃ〜ぐる」のデビュー作は衣笠彰梧とトモセシュンサクの『暁の護衛』コンビ

 あかべぇ系列なのかそうじゃないのかよく分かりませんが、とりあえずコンビ復活。このふたり、本当は『暁の護衛』1作目を発売した時点で別の新作を考えていたそうですが、『暁の護衛』が好評&終わり方が中途半端だったので続きつくれという要望が殺到したため、都合3年に渡ってシリーズ展開することを余儀なくされました。衣笠はバトルとかシリアスを書くよりもギャグやコメディを書く方が合ってるライターなので、今度の新作は楽しくて笑えて最後の〆でほんのちょっとしんみりする程度でまとめてほしいな。

ダークエルフの魅力(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 『ダークエルフ物語』の魅力を存分に語る機会かと思ったらダークエルフ娘のスレか。ドリッズト・ドゥアーデンは男なので話題に出すべくもない。このシリーズ、売上も厳しいだろうに細々と続刊を出してくれているので、なんとしても買い支えなくちゃな、って思います。シリーズ初期の巻が絶版になっているせいでオススメしても購入手段を提示することのできない点は歯痒いばかりですか。

【まどか☆マギカ】この作品に2期や続編は必要?望まない人も多い模様 他(まとめいと)

 1クールだけやってブームを巻き起こし爆売れ、というパターンだと「じゃあ次は2クールでキャラいっぱい増やそう」ってなる恐れもありますからね。キャスト総とっかえでやるにしても、設定は最終話後に合わせるのかどうか、という点がネックになる。監督とプロデューサーは乗り気で、脚本の虚淵も次の展開は考えているところだそうですから、何かしらの動きはあるはずですが……ガチ続編か、ふもっふ的なコメディか、歴代魔女の過去を綴るスピンオフか。いっそもうガンダムシリーズにおけるGガンダムみたいなまったく違う方向を目指して欲しい、というのが当方個人の勝手な要望。たとえ商業的に大コケしてもまどかの稼ぎ分が凄まじいからさして痛手でもないでしょう。

 そして相変わらず同人誌も買い漁っています。今回は気に入った本を2冊ご紹介。一つ目は『My Best Friend's Girl』、まどかのことが大好きすぎるほむらの暴走気味な日常を綴ったコメディ系。転校初日に唇を奪ってしまうなど、安定のほむほむ。というか「まどかのことが大好きすぎるほむらの暴走」ってネタ多いすなぁ。やはり10話目の効果がデカかったか。11話の「違う時間を生きているんだもの!」トテトテ、がばっ(抱擁)もダメ押しになった模様。まぁいくら読んでも読み飽きないからバッチコイですが。もう一つは『まど☆マギ☆わはー』、「ちゅるやさん」のネタで有名になったえれっとの新刊です。表紙通りメガほむとまどかの話ながら、ストーリーは本編準拠じゃなく、ほむらがループしないまま魔法少女になっている。そのくせ手榴弾を炸裂させたりと、所謂「御都合処理」が施されていますので、設定遵守にこだわる人は避けた方がいいかも。「クラスのみんなにはナイショだよ!」で鼻血を垂らして惚れてしまったほむらがまどかと仲良くなろうとしてQBに横槍かまされる、定番と言えば定番のつくりであり、手堅く丁寧に描いています。基本的にプラトニックな微百合。巧いだけにページ量は少々物足りないが、続刊も期待。

・上連雀三平の『やまとなでシコ』読んだー。

 前作『アナルエンジェル』が男同士の肛門姦淫コミックであったのに対し、今回はレズセックスもの。同性愛という点では共通していますか。百合百合な雰囲気の女子校を舞台に、少女たちが土俵でイかせ合う架空の競技「レ相撲(れずもう)」を描く。その合間合間に普通のセックスも挟む、という構成。「レ相撲ではなく相撲がしたい」と主張する先輩にまわし一つでぶつかってレ相撲の良さを訴えるなど、話の流れとしてはスポ根パロディですね。ぶっちゃけ微塵もエロくありません。まあそれは当方がレズセックスに対してまったく興味がないせいかもしれませんが……女同士だとなんか「穢している」っつー印象が薄くていまいち燃えないんですよね。率直に述べると女同士よりも男同士を描写される方が興奮するくらい。もちろん異性姦(ヘテロセックス)が一番ですけども。そんなわけで成年コミックとしての有用性はなきに等しかったが、「元気ないじゃない? おしりの穴なめようか?」など、イカれにイカれた上連雀節は今回も健在で、「ああやっぱこの人天才だな。天才というか真性だな」と思わざるをえなかった。美しいHENTAIの姿がここにある。「なんだろう? いろんなおしっこが入り交じったニオイがする……」や「おしっこにだらしない娘にはしたくないんです。尿は一日一時間までです!」というセリフ、凡人には決して発想できません。

 レ相撲部部以外にも「ノーパンテニス部」や「盗撮オナニー部」と頭のおかしい部が登場します。最終話が雑誌に掲載されたのは6年前で、以降ずっと単行本化を見送られてきた所謂ところの「封印作品」だったわけですけど、それが今頃になって日の光を浴びたのは不祥事続きで権威が失墜しているリアル角界と何か関係があるのかないのか。「神聖な土俵も幾度となく自分のおしっこで汚してきました」とか、世が世なら発禁モノです。普通に相撲マンガが読みたいのであれば『バチバチ』を推しますけれど、「女相撲」の響きに胸がときめく方はこちらをどうぞ。ちなみに女相撲をテーマにした作品は他に『つっぱれ有栖川』『どすこい!女雪相撲』などがあります。『やまとなでシコ』は「アレがはやっていた時にアレをいかにおとしめるかって考えたら『女ズモウしかない!!』ってことになった」そうで、一応マリみてがモチーフらしいが時間経ちすぎて分かりにくくなってます……もう百合モノは広がりきって一つのジャンルを成してますし。にしてもマリみて懐かしい。リアルタイムでレイニー止めを喰らった層なので未だに「レイニー止め」という用語を使ってしまうが、マリみてそのものはもう何年も読んでません。確か完結したって聞いたような……って、調べてみたらまだ続いてるのですか。スピンオフ含めて43冊ってすごいな。とっくに読むのやめたシリーズであっても、長寿化していることを知るとなぜか安心してしまう不思議。

・拍手レス。

 そういえばまどかマギカ、全話終了してメイン5人の内、一番のお気に入りは誰になりました?
 全員好きなんですが、強いて言えばほむら。眼鏡で気弱で三つ編みで病弱でドジっ子だった少女が泰然自若のクールビューティーを装っているんですからね。滾るわ。しかしまどマギはキャラ愛の深い人が多いと申しますか、某同人誌に「杏子ちゃんがかわいくて良い子すぎるから狂人を生み出してしまう」「現に杏子ちゃんが好きすぎで狂った人を何人か知ってる」と書かれていて噴きました。

 「バンド・デシネ」への言及で漫画版UCの「バンデシネ」の意味を初めて知りました・・・ モチーフになったタペストリーよろしく装飾に満ちたユニコーンもいいなぁ
 そういやUCって逆シャアの後のエピソードなんですってね。ガンダムのアニメはファーストしか見てないのでタイムスケジュールがまったく把握できていない。

 マミさんもですが、ほむほむの二次創作でのネタキャラぶりもかなりですよね。もう、ほむらさんと聞くと、パンツ被った変態しか思い浮かびませんもん。
 ストーカーじみた付け回しのせいですっかり変態キャラに固定されている悲劇。忍耐強すぎてMに見えるせいか、ドS化したまどかに嬲られる役も多い。「キュゥべえと契約してほしくないなら、わたしの肉奴隷になってよ!」 本編で良い子すぎた反動か、二次創作のまどかはしばしばドス汚れている。

 「とちりマミた」って半泣きのマミさんとかエントロピーを超越する可愛さだろオイ…………。よく思い付くなこんなフレーズ!閃いてくれてありがとうございます!
 ピクシブ百科事典やニコニコ大百科を見ていると「よく思い付くなこんなフレーズ」の目白押しですね。スペースホムラとか「独りえっちは、寂しいもんな」とか。


2011-05-01.

・「わたし、オムライス食べられないんですよね〜」「ホビロン!」 ここまでしっくり来る使い方もないと思った焼津です、こんばんは。ホビロンはバロット(孵化する前のアヒルを卵ごと茹でた料理)のことなのでノー画像検索。「だって、卵割ったらヒヨコが死んじゃうじゃないですぁっ!」「卵の殻を破らねば、雛鳥は生まれずに死んでいく……世界を革命するために!」って、このネタはちょっと古いか。

ジョイ君「フキンの消臭できても、君の体臭は無理やでwww」(暇人\(^o^)/速報)

 言ってることはひどいがジョイ君だと不思議に憎めなくて笑ってしまう。これがジョイ君の人徳というか洗徳か。

『魔法少女まどか☆マギカ』1巻特典のドラマCD「Memories of you」を聴き終えた。

 特典のドラマCDなんて所詮オマケなんだから、他愛もない日常を描いてるくらいだろうな、と思ってましたが意外としっかり本編の内容を補完する話となってました。ちょいネタバレなので伏せますが、10話における冒頭5分くらいの、いわゆる1周目の世界、ほむらがまだ三つ編みで眼鏡を掛けていた時代のエピソードです。詰まるところ、メガほむ(未契約ver)が主人公。シナリオは一部本編のものを流用しているため大まかなストーリーこそ被っているものの、本編では端折られていたほむらとまどかの会話が収録されていたり、マミさんが先輩らしい威厳を示していたりと、聴きどころはいくつかありました。長さはちょうどアニメ1話分くらい。オープニングで意味ありげに顔を出していた黒猫(名前はエイミーというらしい)も登場します。あれはシャフトのスタッフが勝手に出した猫で、全話脚本を手掛けた虚淵もオープニングの試写を観て「え? この黒猫なんなの?」と初めて知ったくらいなので、当然の如く本編には一切出てきません。なのでドラマCDの内容も純然たる後付なんですが、「元からそういう設定だったんじゃないか」と錯覚するぐらいまとまっています。てっきり初周まどかはケーキのために契約したんじゃないかと勘繰っていたのに、こう来るとは。やはり虚淵の仕事ぶりは丁寧だな。好きなところは、渡り廊下を歩くことを「空を飛んでいるみたいじゃない」と形容するところ。目を閉じながら堪能していただけに、ありありと情景が瞼の裏に浮かんだ。ファンなら聴いて損なしの一品。メガほむとまどかのカップリングを嗜好する人なら必聴です。マミさん好きもちょっと嬉しい。補完系だから目を瞠るような目新しさってのはないものの、この調子でまたドラマCDの制作を検討してくんねぇかな。

 でも冷静に考えると、(ふたたびネタバレ→)10話目を観てからでないと意味が分からないドラマCDを1巻(収録範囲は1話から2話)の特典に付けるなんて、そんなの絶対おかしいよ、って気もします。1話目を観ると10話目冒頭を観返したくなる、というファンの心理を読んだ巧い一編だとは思いますが、「本放送は未視聴」という一見層をまったく考慮していませんよね、これ。きっとシャフトもアニプレも「アニメのBDやDVDは高いし、一見客はまず来ないから、テレビ放送を最後まで付き合ってくれたファンに狙いを絞って売ろう」と計算したのだろう。コミカライズの慌しい展開といい、つくづく「ここまで盛り上がるとは想像していなかった」という作り手や売り手の思惑が透けるアニメだ。(←ネタバレ終わり)ああそうそう、ついでに本編の感想を書いておきますが、やっぱBDだと受ける印象違いますねぇ。うちは地方なので全話ニコニコ動画で観たのですが、くっきりとした大画面で眺めるイヌカレー空間の迫力とクリアな音響の素晴らしさは比較にならないです。平穏極まりない雰囲気に包まれた1話、やや不穏ではあるがまだ平和な2話、今観ると感慨深い。ほむらがまどかのことをじっと睨んでいるシーン一つ取っても、ひっそり胸に湧き上がってくるものがある。コメンタリーはネタバレを避けるため口に何か物が挟まったような会話がちょくちょく繰り広げられ、「あーもう言っちゃえよYOU」ともどかしさから呼びかけたくなる一方、「あーわかるわかる。そこはまだ言えないよね」と共感する部分もあったり。来月出る2巻のコメンタリーのゲストは巴マミ役の水橋かおり(3話担当)と虚淵玄(4話担当)、一言で述べると「うわあ……」ですね。

『魔法少女まどか☆マギカ』BD/DVD1巻、本編ディスクおよびブックレットの一部内容に誤り

 やってくれた喃、アニプレ。ブックレットの歌詞誤植はまだいいとして、本編の音声ミスが痛い。「キュゥべえに選ばれた女の子が契約によって生み出す宝石よ」というマミのセリフへ、直前にあったセリフである「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても人事じゃないものね」を上書きして消してしまった模様。このせいで会話が噛み合わなくなっている。「キュゥべえに選ばれた」という喋り出しが共通しているせいで編集する際に間違えたんでしょうね……これがエロゲーならパッチ当てて直して終了(元の音源データがある場合に限る、音声収録自体が漏れていた場合はセリフを丸ごと削って地の文にされてしまう)ですが、アニメの場合はBDやDVDを再プレスして交換しないといけませんから途轍もない手間を招くことになってしまう。ディスクの中身が丸ごと違っていたとか、ディスクが読み込めないとか、なんか画面全体が妙に赤いとかに比べれば些細な問題ですけれど、看過できるほど軽くもない。やってしまった度で言ったらソニーの個人情報流出が遥かに上なのでこの時期大して話題にならない気もしますが、さて。修正版の発送は5月下旬より開始予定、交換の期限は11月末日までですから、2巻が出るまで手元に置いておくかな。BDが初日だけで2万2000枚も売れたそうですから、かなり大掛かりな交換作業となりそうですし。

 テレビ放送中に流れたCMが元ネタである謎の白い液体すら貪欲に取り込むファンたちのこと、きっとこの騒動もネタにしてしまうに違いない。ただでさえ二次創作で「ぼっち」「厨二病」のキャラを強要されていたマミさんに、新たな非公式属性が追加されるな。「キュゥべえに選ばれた以上、あなたたちにとっても人事じゃないものね(キリッ)」「あれ? それって、さっきも言いましたよね?」「え?」「なんで二回言うんですか、マミさん」「……」「マミさん?」「とち……」「はい?」「とちりマミたぁ!」「うわ噛みっ噛みだなこの人!」といった具合に「シリアスな顔してセリフをトチってしまう先輩失格なマミさん」をフォーカスする『魔法少女とちり☆マミた』とか、「自分でカッコイイと思っている決めゼリフを周りの雰囲気無視して連呼してしまうナルキッソス魔法少女」、ノムリッシュならぬマミリッシュとか。巴マミというキャラは「飲み込みが悪いわね、見逃してあげるって言ってるのよ」や「逝ってしまったわ、円環の理に導かれて……」など芝居掛かったセリフが多いうえに外見的特徴の一つである縦ロールを常に崩さなかったり戦闘終了後どっかから取り出した紅茶を優雅極まりない仕草で飲んだりとキメッキメな振る舞いを見せることから「厨二病」、魔法少女の活動が忙しくて恋人はおろか友達もつくれず両親はとうに亡くなっている不憫な境遇から「ぼっち」と見做されており、二つを総合すると「いつか出来るであろう後輩魔法少女のために紅茶の淹れ方やケーキのつくり方を勉強し、勧誘するときのセリフも台本書いてしっかり練り込んでいる」イメージが成立するのです。舞い上がっちゃって頭が真っ白、体は軽くなり、ついセリフをとちってしまうマミさん。考え抜いた決めゼリフを誉めてほしくて連呼するマミさん。可愛いので誰かが薄い本を書いてくれることを期待しています。ああ、「わたしの音声ミスが回収を生むなら……みんな死ぬしかないじゃない! シャフトも! アニプレも!」みたいなブラックジョークは勘弁な。

 にしてもまどマギは二次創作や同人界隈の盛り上がりが凄まじいですね。カンブリア大爆発かってくらい。「勢いすげぇな、夏コミ始まるまでに100冊超えるんじゃないか」と驚嘆した時期もあったが、もはやそのレベルに留まらない増殖ぶりとなっている。リストを眺めていて古事記王子の名前を見つけ少し懐かしくなったり、エレクトさわるまでいて驚いたり。あまりに熱気が激しすぎて逆にすぐ燃え尽きてしまわないか心配ですが、不安になっても仕方ないのでここを先途とばかりに同人誌を買い込んでいます。そろそろ資金が続くかどうか心配になってきた段階なのに、まだまだ気になる新刊が通販サイトへ矢継ぎ早に登録されていくという悪夢のような幸福。「キャラクターに思い入れがあるので18禁は買わない」と己へルールを課してなお、余りある新刊群が物欲を苛む。まどマギって意外と全年齢の比率が高いんですよね。18禁と半々どころか、全年齢の方が多くね? 売れ行き自体は18禁の方が上っていう話もありますけど。調べによるとリリカルなのはも実は全年齢向けの方が多いらしいし、これはまどマギ自身の性質がどうこうってよりも魔法少女というジャンルが持つ特徴なんでしょうか。正直、一つ一つサンプルをチェックするのに疲れてきましたよ。贅沢な悩みだ。ちなみに読んだ中で当方が気に入っている分は、前にも書きましたが『まじかる☆ま〜じなる』です。可愛い絵柄とコミカルなネタのハーモニー、完全にツボりました。2冊目も発行されており、更に3冊目を出す意欲もあるようでありがてぇ、ありがてぇ。それ以外だと『天国的なとこ』、独特のテンポを有した脱力系ギャグですが、「ああ、これ描いている人ホントにまどマギ好きなんだな」というのが伝わってくるあたりグッド。ほか、桜沢いづみとミヤスリサの合同誌という「なにそのドリームタッグ……俺得すぎ」な『NAMIDAME GIRLS』の委託開始を今か今かと待ち構えている。蒼樹うめ本人による非公式ラクガキ本も欲しいが、充分な数が入荷されないと争奪戦になりそうな気配。

『魔法少女まどか☆マギカ』 ほむほむが銃火器類を軍から盗んだ事に対して軍事板の考察がパネェwww(やらおん!)

 古処誠二の『未完成』(文庫版はタイトルが変わって『アンフィニッシュト』)なんて小銃一丁が消えただけで「世界の常識がひっくりかえっても表沙汰にすることができない大事件」扱いですからね。朝霞二尉シリーズ、地味ながら結構面白かったんだけどもう続編出ないのかなぁ。

『メガストア』6月号の表紙に書かれた「虚淵玄」の名前が大きすぎる

 デケェ……巴マミがオンエアで初登場したときに持っていたソウルジェム並みにでかいです。当方が虚淵玄の名前を初めて見たのは『PCエンジェル』の特集記事、『ファントム』発売後のインタビューで、まだそのときは『ファントム』やってなかったから「エロゲーなのに銃とか車にこだわるメーカー? 変なトコだなぁ」と呆れた記憶があります。しかも長らく忘れていて、何年か前に掘り返して「ああ、これ虚淵だったのか」と思い出したほど。あれから10年以上、よもやここまで出世しようとは。まどマギが流行り始めた頃、「脚本手掛けたアニメがこんなにヒットしてしまうとエロゲー界に戻ってこないのでは……」と危惧しましたけれど、エロゲー雑誌のインタビューを受けるってことはまだカムバックする意志がある……ってことなんだろうか。まどかとZero以外にも水面下でアニメの企画が動いているらしいので、復帰するとしても時間掛かりそうですけれど。前にも書きましたが当方は虚淵テキストが好きなので、やっぱり小説やエロゲー(別にシュタゲーみたいな全年齢向けでも構わないが)を主戦場にしてほしい。

創元推理文庫5月の新刊が遂にこんな値段に

 どういうことだおい……こいつ、1500円超えじゃねぇか! 一瞬ハードカバーかと思いましたが文庫本だったでござる。学術系の文庫本は2000円超えるのとかもありますけど、エンターテインメント系で1500円ってのはよっぽど分厚いのでもないかぎりそうそう見掛けない。海外ミステリ翻訳市場、ホントに大丈夫なのか、これ。

・今月の購入予定。

(本/小説)

 『メルカトルかく語りき』/麻耶雄嵩(講談社)
 『マルドゥック・フラグメンツ』/冲方丁(早川書房)
 『煉獄姫 三幕』/藤原祐(アスキー・メディアワース)
 『ねじまき少女(上・下)』/パオロ・バチガルピ(早川書房)
 『慈しみの女神たち(上・下)』/ジョナサン・リテル(集英社)

(本/漫画)

 『魔法少女おりこ☆マギカ(1)』/ムラ黒江(芳文社)
 『魔法少女かずみ☆マギカ(1)』/平松正樹(芳文社)
 『岸辺露伴ルーヴルへ行く』/荒木飛呂彦(集英社)
 『ブロッケンブラッドZ』/塩野干支郎次(少年画報社)
 『かへたんていぶ(2)』/藤代健(スクウェア・エニックス)

 文庫化情報。注目は何と言ってもやっぱり上橋菜穂子の『天と地の守り人』三部作です。第一部から第三部までまとめて刊行されます。“守り人”シリーズ完結編に当たりますが、実はこの後にも『流れ行く者』という短編集があるのでまだ終わらない。もうちょっとだけ続くんじゃよ。

 『メルカトルかく語りき』は銘探偵・メルカトル鮎が登場する一冊。書き下ろし。「メルカトル」は地図の表記法。地図は普通平面上に描かれますが、これはどうしても無理が出てきます。地球は言うまでもなく球状であり、球は展開して広げても平面にならないからです。無理を承知で平面化するとなると、現実との誤差を最小限に抑える工夫が必要になってくる。メルカトル図法はその一種であり、当方の理解ではうまく説明できないため、詳しいことはぐぐられたし。「鮎」は推理作家・鮎川哲也が由来。そして「銘探偵」とは、「こいつが事件を解決する、と作者が請け負っている探偵」の意、つまるところ銘菓の探偵版。あまりにも推理力が高くて見抜けぬものがなく、どんな謎もあっさり解き明かしてしまうため作者ですら投入するタイミングに迷う難物、それがメルカトル鮎なのです。推理力の高さ以上に性格の悪さでつとに有名であり、発見した死体を放置して通報しないぐらいは序の口、犯人を真っ先に特定して強請るなど「ホントに探偵かよ」な振る舞いを数えていくと枚挙に暇がありません。いつ殺されてもおかしくないくらい各方面から恨みを買っている鮎さんの極悪な活躍がこの目で見られるだなんてボカァ果報者だなぁ。『マルドゥック・フラグメンツ』は“マルドゥック”シリーズの短編集。雑誌等に発表したまま散り散りになっていたエピソードをやっとまとめるようです。そのいくつかはアンソロジー類に収録し直されているから熱心なファンはとうに読んでいるでしょうが、書き下ろしもあるとのことでやっぱり読まなきゃ。『マルドゥック・スクランブル』のアーキタイプ『事件屋稼業』も一部収録するとのこと。『事件屋稼業』は某出版社で出す予定があったけど、原稿読んだ先方が乗り気じゃなくて有耶無耶のまま流れてしまったとかいう話でしたね。『煉獄姫 三幕』はアルトかわいいよアルト、な異世界魔法アクション。異世界っつってもヨーロッパを下敷きにしていて、ロンドンみたいな街で錬金術ならぬ煉禁術を駆使して陰惨な暗闘を繰り広げます。ライトノベルとしては暗くてエグい部類に入りますが、作者にしてはまだマイルドな方。今後グロブーストが掛からないか心配。でもアルトのために読み続ける。ライトノベルは今月『涼宮ハルヒの驚愕』初回限定版とドラマCD付『僕は友達が少ない6』特装版が出ますね。楽しみ。『ねじまき少女』はタイトルで気が抜けますけれど、ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞と海外の主要SF賞を総なめにした話題作です。少女型アンドロイドを主人公にした冒険SFらしい。それにしても邦題はもうちょっとどうにかならんかったのか。『サッカー・パンチ』を『エンジェル ウォーズ』にしてしまうくらいのダサさ。『慈しみの女神たち』は元ナチス親衛隊将校の回想を綴る大長編小説。作者のジョナサン・リテルはスパイ小説で有名なロバート・リテルの息子です。フランスの主要文学賞であるゴンクール賞とアカデミー・フランセーズ賞を『慈しみの女神たち』で受賞しており、上下併せて9000円弱という価格には怯むが、資金を工面することができたら是非とも買いたいです。

 『魔法少女おりこ☆マギカ』と『魔法少女かずみ☆マギカ』は先月無事完結した『魔法少女まどか☆マギカ』のスピンオフ。本来は同時刊行じゃなくて二ヶ月連続刊行になる予定でしたが、震災の影響でまどかが放送休止に陥ったため、おりこが延びてこういった事態に。まあ、来月に2巻が出る予定だから、却って良かったのかもしれない。本編コミカライズの最終巻は今月末に出ますので、かなりキッツキツなスケジュール。おりこは本編で語られなかったエピソードを綴るといった方針で、巴マミや佐倉杏子に関するエピソードが収録されているとのこと。2巻は表紙がほむまどなので二人に関するエピソードか? かずみは雑誌連載されている番外編、今のところ共通のキャラクターは出ていないっぽい。まどかと比べて雰囲気が違いすぎるためファンの反応は芳しくないみたいですが、ええい、まどかを喰らわば皿まで。ぶっちゃけまどかに関しては最終話で満足してしまって「もう何も恐くない」状態ですから、たとえ派生商品がガッカリする出来であっても落ち込みません。ゆえに一切の区別なく我が宇宙(ヴェルトール)に呑み込む。やったらまずコケる危険性が高いであろう2期も最後まで付き合う所存。『岸辺露伴ルーヴルへ行く』は荒木飛呂彦の手掛けるバンド・デシネ。ルーヴルの許可はちゃんと得ているというかむしろ元々はルーヴル美術館の展開するプロジェクトだったみたいです。「バンド・デシネ」はフランスにおける漫画の形式であり、基本的にフルカラーで、非常に緻密な線で描き込まれた絵が特徴。バンド・デシネはページ数よりも絵の完成度を重視し、1冊分の原稿が溜まるまで数年掛かることも珍しくないという。『岸辺露伴ルーヴルへ行く』は去年 "Rohan au Louvre" と題打ってフランスで発売されており、かねてから日本語版の発売が待望されていました。今月それがようやく叶う模様。ワクワクする。『ブロッケンブラッドZ』は「いつまで続けるのよ、マンネリだろ」「いつまでも続けるよ、マンネリでも」な女装魔法少年スラップスティックコメディ。主人公の蠱惑的な可愛さでほぼ保っていると申しても過言ではない。だって毎回危険な時事ネタ(某都知事とか)まぶしてアホらしい悪事と腰砕けな末路を描くことがテンプレ化していて、もう目新しさなんてどこにもありませんよ。だが、それが――それこそが、ブロブラの辿り着いた熱的死境地なのだ。終わらない、終われない、終わるつもりもないコンテンツ。いいからそこらの女よりずっと可愛い男子高校生の女装姿に興奮してぺろぺろしとけ。『かへたんていぶ』は『ながされて藍蘭島』の作者による新シリーズ2冊目。新シリーズと言いましたが、『ながされて藍蘭島』はまだ終わっていません。あれもあれでマンネリズムの境地に達しているよな……ぽややんとしているようで名探偵の素質を持つ少女が曲者揃いの部活メンバーとともにあれやこれや楽しく平和な日々を過ごす。発生する事件もごくごく小規模なものです。言ってみりゃ単なる日常系なんですが、主人公含めて面子がちょっとヤバいくらいに個性的なので飽きません。表紙で見ると絵が微妙そう(塗りが少し……)なのにいざ読んでみると不思議なほど心地良い。欲を言えばもうちっと刊行ペース早めてほしいが、藍蘭島もあるから難しいか。しょうがない。

(ゲーム)

 『鬼哭街』(ニトロプラス)

 やっぱりこれかな。リメイク版、レーティングは「15歳以上推奨」です。まどか☆マギカが面白かったのでご祝儀めいた意味合いもあるけれど、やっぱり『鬼哭街』は思い入れの深い一本なので。選択肢ゼロ、最後まで黙々とシナリオを読み進めながらCGとBGMを鑑賞する「サイバー紙芝居」であり、本来はハロワのおまけとして制作されたらしいが結局単品で世に出ることとなったソフトです。虚淵玄の、B級香港映画や武侠小説に対する愛がこれでもか、と詰まっている。趣味全開、100パーセント中の100パーセント虚淵です。元は18禁だったのに主人公は最後までセックスしませんでした。一瞬たりともチ○コ出さずに終わった主人公、いつまで経っても魔法少女に変身しなかったまどかのルーツはここにあるかもしれんな。もっともらしい薀蓄の数々で内家拳法の凶手がサイボーグ武芸者どもを血祭りに上げていくボンクラ度MAXハートの展開が震えるくらいにいとおしい。実は数年前にたった一度プレーしたきりなんですが、それでもいくつかの場面はハッキリ覚えてますよ。エロゲーの規格から外れすぎている『鬼哭街』は、それゆえに普段エロゲーをやらない者の人生まで狂わせてきた過去があり、かの『Dies irae』のシナリオライター・正田崇も「だって俺なんか、初エロゲが鬼哭街だぜ」と語っています。当方はエロゲー雑誌の広告で『ヴェドゴニア』を知って衝撃を受け、まだ発売されていなかったから先に『ファントム』を買いました。あとは言わずもがな。虚淵はいったいどれだけの人生を狂わせてきて、これからどれだけの人生を狂わせていくのだろう。ニトロプラスの社長も「身も蓋もないこというQBが虚淵にしか見えない罠」と述懐しております。

・拍手レス。

 まどマギのラストは、虚淵玄の考えうる、ご都合主義にならないギリギリラインでのハッピーエンドだったのではないでしょうか。自分は、死の否定はできなくても、生の肯定はできる、ということを伝えたかったのではないかと思いました。なんにせよ、伏線をしっかり回収しつつ、物語を破綻させずにまとめあげた手腕は、さすがというほかありません。
 魔法という人の倫(みち)から外れた力に縋って願いを叶えておきながら何のペナルティも払わずに済むだなんてムシが良すぎるし、望みうるかぎりで納得の行く結末だと思います。

 まどマギ11話と12話にジョイまっくすがいるような夢を見たんだ。
 「ジョイ」という文字列でまどマギ世界にジョイ君が現れる様子を想像してしまった。「僕ならソウルジェムの汚れもほら、ピッカピカやで」 って、検索したらこのネタ既にあった

 12話は話の規模といい流れといい、デモべの某ルートを髣髴とさせて、雑誌インタビューの「鋼屋の影響は絶大だった」ってのは本気だったんだなぁと変なところでシミジミしてしまいました。 地球を取り囲む魔女まどかが出て来たシーンでは人類全滅エンドを覚悟しましたが
 虚淵は後発のライターたちにかなり影響を与えたけど、自身も彼らの影響を受けていろいろ吸収してますね。ファントムの時点で作風の完成度が高かったから分かり辛いですけど、歳を重ねるごとに着実に成長していってるので、追う方も飽きません。

 まどマギ、各所で長い論考がされてるけど、オリジナルアニメで多重解釈が出来る作品はエヴァ以来かと。まどマギ大乗仏教説なんてのもあるけど、意図にそうした理由でもないんだろうけど。あと、虚淵御大、次の野望はガンダムらしいっす。
 野望がガンダムってのは『ニトロプラスコンプリート』でインタビューされた時の発言なので、もう1年半以上前ですね。虚淵儲でさえ「将来はガンダムの脚本書きたいとかw」「ガンダムなら皆殺ししても大丈夫だもんな!」とまったく真に受けておりませんでした。当方も去年「アニメ企画として『まどか☆マギカ』や『Fate/Zero』も始まる手筈となっており、2011年は御大の年となりそうな気配です」と書きましたけど、まさかここまで虚淵イヤーに化すとは想像だにしておりませんでした。

 世界のルールを塗り替えて神(座)になった、と考えると、魔法少女まどか☆マリィな訳ですが、その延長でさやかがシュピーネに見えてきて困る今日この頃。「シュピーネって言うな!」さやか可愛いよさやか。
 「願いと祈り」が「渇望」に重なるし、どちらもモチーフは『ファウスト』ですから、ついつい比較しちゃいますね。まどマギとDies。正田卿本人は観ているかどうか分かりませんが、ツイッターの呟きからするとキュゥべえネタが流行っていることは知っていたみたい。

 まどかの言葉を信じられるかどうかが賛否の分け目なのではないかと思います。これは『悠木碧』の力が通じたかどうかとも言える。あるいは…「英雄の居ない物語」を真に受け入れられるかどうかですね。『鹿目まどか』は英雄にも悪魔にもならないからこそ『鹿目まどか』なのだ…と。そんな所でしょうか。
 各々の祈りと各々の戦いを尊重した結果がアレなんでしょうね。正直、御大のイメージとそぐわない「魔法少女」というジャンルでここまで突き詰めてくれるとは思わなかったです。突き詰めすぎて魔法少女モノという枠から一歩外に出てしまった気もしますけど……辛うじて片足が枠内に留まっている感じ。


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