2011年4月分


・本
 『花物語』/西尾維新(講談社)
 『跪き、道の声を聞け』/ヒキタクニオ(PHP研究所)
 『成金』/三三珂(学習研究社)

・アニメ
 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』第1話「超平和バスターズ」
 『魔法少女まどか☆マギカ』第11話「最後に残った道しるべ」および第12話「わたしの、最高の友達」


2011-04-26.

『えむえむっ!』の作者である松野秋鳴が急逝したという報せに驚き言葉がない焼津です、こんばんは。

 まだ若かったろうに……『えむえむっ!』はまさかのアニメ化を果たして波に乗りましたけれど、未完で終わってしまうのでしょうか。遣る瀬無いです。どうか安らかに。

第64回日本推理作家協会賞受賞作、麻耶雄嵩の『隻眼の少女』と米澤穂信の『折れた竜骨』に決定

 短編部門は深水黎一郎が受賞。見事に本格寄りの面子で固まりましたね。ここ数年は意外と本格系の受賞作が少なかったから珍しい。当方自身は本格ミステリって最近あまり読まなくなったけど、決して途絶えてはいないという事実を確認するだに嬉しくなる。久々に何か積読崩すべえかな。

「のぼうの城」約1年公開延期「水攻めの表現ふさわしくない」

 忍城攻防戦が眼目の映画だけに、小手先の変更もできませんからね。中止ではなく延期で済んだことがせめてもの救い、と考えるべきか。

読売新聞が売り切れてしまった? 「まどか☆マギカ」全面広告のチカラ

 新聞に載せた広告が新聞を売る広告になった不思議。記事の結びから「ホントにそんなに売れたのかよ」という疑問は残りますが、始まる前ではなく、最終回に一面広告を出したからこそファンが飛びついたって部分はあると思います。広告のおかげか、あるいは最終回効果なのか、HMVでは1巻のBD/DVDが発売前にポスター特典付き初回入荷分完売など各店で予約打ち切りが続いている様子から、どうも予約なしに店頭で購入することが難しそうな雰囲気に。もちろん当方は予約してますけど、amazonだからなぁ……konozama喰らわないか心配。と気を揉んでいましたが、実はもう手元に届いています。やったね! 商品登録された初日に雲耀の速さで予約入れたくらいだから、もし買えなかったら袖に涙を零して泣き濡れるところでしたよ。「虚淵玄がシリーズ構成・全話脚本を手掛けるアニメなんてこの先二度と現れるかどうか……是非とも買い支えねば!」と儲たる使命感に燃えて気負った3ヶ月前が遠い日のように思える。正直、こんなに評判が高まり、話題が話題を呼んで売れまくる作品になろうとは予想だにしていなかった。「ニトロが関わったアニメはむにゅむにゅな仕上がりになる」というジンクスも遂に終焉か。しかし『咎狗の血』は未だにDVDを発売する目処が立っていないみたいだな……。

『魔法少女まどか☆マギカ』第11話「最後に残った道しるべ」および第12話「わたしの、最高の友達」視聴。(ネタバレに対する配慮なし、観てない人は注意)

 日曜日、これらを観るために早く眠っておこうかな――と計画立てつつも寝れなくて結局徹夜する形で配信を迎えることになった。月曜は寝不足で確実に眠気がヤバい、と覚悟していたにも関わらず、いざ視聴し終えてみるとまるでシャブでも喰ったみたいに過覚醒状態となり、一向に差し支えることがありませんでした。念のために書いておきますが実際にシャブを喰ったことはありません、あしからず。

 さておき、待ちに待って待ち焦がれた第11話。怒りの日・完全版到来を希求し続けた経験のある身としては「結構あっという間だったな」って感じですが、ともあれ待たされた分だけテンションは最初からMAX。アバンでキュゥべえが「まどかのポテンシャルが異常なほど巨大なのはほむらが時間遡行を繰り返したせい」と指摘し、「まどかを救うために奮闘し遡行を繰り返した結果、却ってまどかを救いがたい存在にしてしまった」という皮肉が明らかになります。良かれと願って頑張った結果が裏目に出る報われなさ、厭らしい合理性はいかにも虚淵節。キュゥべえの説明口調が若干ウザったいが、OP明けに始まるさやかの葬式シーン(かなりあっさりとした描写だった)の後、帰宅したまどかに性懲りもなく語りかけて「ウザい」の一言では済まされない不快感を沸き立たせる。「人類の家畜に対する扱いよりも、知的生命体として扱っている分だけ自分たちの方がずっと譲歩している」的な発言は理屈として合っている部分もある反面、あまりの詐欺師臭い口振りに神経を逆撫でされます。「インキュベーターは有史以前から人類に干渉してきた!」「な、なんだってー」とトンデモ歴史授業がスタートし、クレオパトラ、卑弥呼、ジャンヌ・ダルクといった有名どころを挙げていきます。「みんながみんな魔法少女だった」と。ジャンヌはまだ分からんでもないが、「卑弥呼は魔法少女」だと何だかギャグっぽい。カモられようとしている卑弥呼を救うため未来からやってきたメッセンジャーほむらが古代QBと戦う『時砂の焔』を妄想してしまった。にしてもキュゥべえ、「感情は極めて稀な精神疾患」とか、いちいち言い回しが勘に障る。少し超先生の「感感俺俺」を思い出してしまったではないか。その次のシーンは先生とまどかママンの会話、名前で呼んでるところからして古い付き合いの友人なんでしょう。これまで描かれなかった「大人同士の遣り取り」がここに来て挿入されており、何か新鮮だ。さすがにママンもまどかの態度から何かを感じ取っていたか。一方、心配されているまどかは深夜に家を抜け出してほむらの家、通称「ほむホーム」を訪ねます。ほむらは「ワルプル? 具現すりゃ数千人が犠牲になるけど、自分強いっスから、ホントは杏子の協力も必要なくてただ奴の顔立てて誘ってやっただけですから」とワンパン余裕な虚勢を張るも、涙を流して「ほむらちゃんのこと信じたい、嘘つきだと思いたくないのに……全然大丈夫だって気持ちになれない」と言い募るまどかにッパーンと感情決壊。たまらずにまどかへ駆け寄って抱きついてしまいます。ほむまど派が歓喜するような絵面だ……そしてドSまどかネタを好む人はここで「はしゃいでんじゃねぇよ」とほむらに腹パンする光景を想像しそう。未来からやってきたことを告げ、涙ながらに心情を吐露するほむら、温度差に戸惑うまどか。すれ違うふたりの気持ちが切ないのを通し越して痛々しい。10話でかなりほむらに肩入れしたせいもあって、肺腑を抉られます。

 ラスト10分はいよいよ眼目となるワルプル戦、マミの戦闘スタイルを拡大したような重火器オンパレードはもう魔法少女ってレベルじゃねぇぞ。「見滝原の火薬庫」とでも呼びたくなるワンマンアーミーぶり。中んずく「タンクローリーだッ!」な特攻は笑ってしまった。ほむランボー、怒りの弾幕。このワルプル戦を見て確信したが、10話の初周から三周目まではワルプルギスの夜を斃せていなかったんでしょうね。マミが死に、まどかも倒れ、街を根こそぎ破壊してからワルプルは去っていき、辛うじてほむらだけが生き延びたんだと思う。街を破壊し尽くすあたりは描写的にエグいから省いたんでしょう。だってワルプル、避難所直撃コースを進んでますからね……砂を落とし切ってしまったせいで時間停止が使えなったほむらは、窮地に追い込まれます。ほむらの盾は砂時計になっていて、中の砂が落ちている間だけ時間停止を行使することができますが、落ち切るとそれができなくなる。砂時計をひっくり返す(時間を一ヶ月巻き戻す)ことでふたたび時間停止は使えるようになります。敗色濃厚になってほむらは盾を回転させようとしますが、冒頭でキュゥべえに言われたことを思い出して躊躇う。繰り返せば、その分だけまどかの因果は深まる。自分のしてきたことは徹底的に無駄だったのか……心が折れ、ソウルジェムが濁っていくほむら。そこに現れ「もういい」と諭すまどか。足元には白き淫獣。避けがたい運命を目前にして11話は終了。ワルプル戦があまりにも大規模で違うアニメを観ているような錯覚に陥りかけましたが、「これ本当にまどか☆マギカ?」ってくらい作画が向上していてビックリしました。明らかに予算が増えている……始めの方だけ作画が気合入ってて、終盤で息切れするパターンは珍しくない(EVAのTV版は息切れとかいう次元ではなかったな……カレカノの方が例としては適切か)けれど、こういうのはそうそうないでしょう。劇場版クラスっつったらちょっと言い過ぎにせよ、軽く深夜アニメのレベルを超えています。弥が上にも12話への期待が高まる。

 そして12話にして最終話、「わたしの、最高の友達」。まどかは遂に叶えたい願い事を見つけ、「この命を使う」と宣言します。すべてを知ったうえでなお、魔法少女を志す。たとえそれが冥府魔道に連なる選択であっても。苛酷な決断であり、最初からクライマックスってムードの展開。まどかの願い、それは「すべての魔女を、生まれる前に消し去る」こと。これには感情のないキュゥべえも驚愕する。「時間干渉なんてレベルじゃない、因果律そのものに対する叛逆だ!」 叫びを押しのけて輝くソウルジェム。ありとあらゆる魔法少女が悲しみに滑り落ちていく不条理なシステムなんて、そんなのわたしが許さない、と苛烈な愛に満ちた彼女の魂から絆(レギオン)が溢れ出す。「ルールを変えろ、ゲームを変えろ、何もかも変えてしまうんだ。まどかのルールに。まどかのゲームに」とばかりに、駒ではなく盤そのものをひっくり返す荒業。タイトルコールの後でいきなりマミさんと杏子が出てきて虚を衝かれる(そしてさやかの出番がないことに泣く)けれど、あれはDiesで喩えるところのマリィがいた永遠に黄昏が続く波打ち際だろうか。変身し、弓ひいてセフィロトの樹みたいな魔法陣を空に描きつつ無数の矢を放ち、時空を超えて魔女堕ちしかけている魔法少女たちを救う勇姿に「まどかが流出位階に到達」「まどかが英霊化」という言葉が脳裏をよぎりました。他では「かみさまどか」とか「まどか如来」とか「デウス・エクス・マギカ」と言われていて噴いた。時空跳躍して様々な時代の様々な少女が持つグリーフシード化寸前のソウルジェムに接触して片っ端から溜まった呪いと絶望を吸い取り、ワルプルギスの夜さえも微笑みで迎え入れる。「わたしが受け止めるから」と。戦いを止めるためには、敵をも救わねばならない。その境地に辿り着いた模様。吸い取った呪いそのものが消えるわけではなく、集積された呪いは一つの宇宙を滅ぼす規模に膨らみ果てるが、「魔女を産まない」という願いを叶えた以上、「もう絶望する必要なんて、ない!」。このときに見せる神々しいまでのまどか、一瞬ながら強いインパクトを与えてくる。ニトロ繋がりで覚醒イグニスを思い出したりした。この状態を指して「女神まどか」と呼ぶ向きがあり、こりゃメガミマガジンとのコラボ企画もあるで。救済の祈りで世界を塗り替え、「個人」から「概念」へと変貌しつつあるまどか、彼女はすべての過去とすべての未来を視ることができるようになってようやくほむらの孤闘を知り、抱き締めて「あなたはわたしの最高の友達だったんだね」と過去形で告げます。そう、過去形。愛と勇気は勝利した。夢と希望は残った。しかし代償は支払われねばならない。「消失」と紙一重の関係にある「偏在」へ至ったまどかは「いつでもそばにいるよ」と請け合いながらもう二度と会うことはできない。きっと忘れてしまうけど、もしかすると忘れないでいられるかもしれないから――とリボンを託し、「本当の奇跡」を示唆しつつ去っていきます。「わたし、みんなを迎えにいかないと」が8話の「わたし、さやかちゃんを探さないと」に繋がっている芸の細かさに舌を巻きつつ、円環の理(今度の世界では力を使い切ってソウルジェムを浄化できなくなると魔女堕ちする寸前にユビキタスまどかがインタラプトして救済するため傍目にはただ消滅しているかの如く見えるようになった)に導かれて退場するさやかは不遇の極みと思わざるを得なかった。しかしマミさんは二次創作だと厨二病キャラが定着してきていますが、サラリと「円環の理」って言い出したことからますますその流れが加速するな。あと杏子の「せっかく友達になれたのに……」が愛しすぎて辛い。そしてリボンを抱いて「まどか……」と呻くほむらが虎眼先生の「いく、いくぅ」を彷彿とさせた。あのリボンをくんくんぺろぺろする同人誌がいったい何冊出ることか。とりあえずリボンで股間を摩擦するイラストは確認した。ついでに言うとリボンの巻き方が酔っ払いのネクタイ鉢巻に見えて仕方ない。魔女がいなくなったことで呪いや絶望は「魔獣」という新たな形態を取るようになり、ほむらやマミ、杏子の魔法少女としての戦いは「まどか世(ゆー)」においてなおも続く。さやかは上記通り退場しましたが……さすが「安定のさやか」と言われるだけのことはある。虚淵はやっぱりこういう「人生は続く、戦いも続く」エンドが好きですな。戦って戦って戦い抜いて、その果てにほむらは円環の理に導かれたのだろうか。「コネクト」明けのシーン、荒野で月光蝶のような禍々しい翼を広げながら魔獣たちと戦うシーンでまどかの声が聞こえたことからして、ほむらの限界はすぐそこまで迫っているのではないか、との見方もあります。ほむランボー、最後の戦場。

 感想をまとめますと、思った以上にハッピーエンド(ややほろ苦かったが)で驚いたし心温まった。結構賛否両論な終わり方だったと聞いて不安でしたが、畳むべきところはしっかり畳んでいたし個人的には「賛」派。ご町内規模だったストーリーが宇宙規模に達して法則改変とか、急激極まりないスケールの拡大ぶりに戸惑うところもあるものの、戦いという魔法少女の運命そのものがなくなって、みんながみんな平和な日常を手に入れる……という甘すぎて御都合的に感じられるエンドにしなかった点は好みに合った。結局QBをブッちめることができなかった点は残念だけど、落とし所としては悪くない。いや、いい! 「微妙」と語る人の気持ちも分からなくないし、当方も初見ではモヤモヤしたが、二度目の視聴でだいぶ理解が進んで肯定する側に回った。二期への含みを残しつつ、主要な謎を軒並み消化して投げっぱなしにしないで綺麗にFinとしたことは大いに誉めたい。謎を撒くだけ撒いてろくに回収しないツインピークスもどきはいい加減うんざりしてましたからね。まだ二回程度観ただけなので咀嚼し切れないところもあり、もう四度、五度は観返してみようと考えています。なんだかんだで当方はやっぱりまどマギにハマっている。否、イカレていると言っていい。しばらく抜け出せそうにありません。まずはBD観て、特典のドラマCD聴いて、そこから11話と12話をリピートしよう。「最終話観た後に1話目から観返したくなるアニメ」ってのが制作スタッフの目指したところらしいですが、まさにそうなってますね、まどマギ。

・拍手レス。

 死ねー すみませんコピペで
 読み直しにで気づきませんでした

 ネタが通じてホッとしました。敬称抜けはあまり気にしませんが、AKIRAネタを使いたくなる誘惑には勝てない。

 成金、超面白かったです。愚直で一途な主人公が愛苦しく、涎垂らしてぬふぬふ笑う雪さんに割と萌えました。売れて欲しいですねー。
 ああいうヘタレ系じゃない主人公はいいですね。せめて次回作が出せる程度には数字出るといいなー。

 マスラヲもミスマルカも、漫画は4巻で終わっちゃいましたね〜。なかなかよく出来てただけに残念。アニメ化されなかったのが敗因か……
 魔殺商会を抹殺するようならアニメ化はなくてもいい。いっそオリアニブームに乗っかって林トモアキ全話脚本の新作つくってほしい。

 まどか最終話、ついにニコニコでも配信した訳ですが……グッドENDではなくトゥルーEND。でも俺たちが望んでいたのはこれだったのかといわれると悩ましい、そんな終わり方だった気がします
 最初はスッキリしなかったけどもういっぺん観たら納得しました。もっとハッピーが欲しかった気持ちもないではないが、これ以上のエンドはちょっと自分にゃ想像がつきません。


2011-04-21.

あの花に「く」を足すと『惡の華』になるよね、ってわけで1巻から3巻までまとめて読んでみた焼津です、こんばんは。

 いったい何を考えてこんな「居たたまれなさ」の局地に君臨する漫画をポチってしまったんだ、深夜の自分……やはり午前零時を過ぎてからのネットショッピングは危険であると再確認しました。ボードレールの詩集『悪の華』をこよなく愛する男子中学生のしょーもない自意識を連綿と綴った負の青春漫画であり、「好きな子の体操服をうっかり出来心で盗んでしまってサア大変」と、肝心のストーリーまで実にしょーもない。盗む場面をクラス一の変人である女子に目撃されて、「クソムシ」が口癖であるその女子から次々と奇怪な要求を突きつけられて逆らえずに迷走する流れは喜劇的ですらありますが、とにかく主人公の言動がいちいち大袈裟っつーか「オレは一生この罪を償っていくよ」とか笑いを超越して気まずさしか漂わない。体操服を盗んだとか嗅いだとか着たままデートしたとか、そういう分かりやすい変態要素よりも「肥大する自我」に振り回される様子こそが不快の源泉となっています。懐かしくて忌まわしい、あの焦げつかんばかりの不快感。自分も中学生の頃、今から考えるとすっげぇくだらないことで頭を抱えて転げ回っていたな……「本好き」という点が被っているせいで記憶を刺激するトリガーも多く、居たたまれなさは加速する一方。進めば進むほど、『さくらの唄』を読んだときの悶えるような気分が甦ってくる。実際、この漫画も『さくらの唄』を意識して描いた部分があるそうです。「後ろめたさの結晶」とでも形容すべき作品。変人女子・仲村がササッと忍者みたいな挙動で尾行してくるシーンはさりげに可愛かった。

桜庭一樹の『GOSICK』、6月に出る最新刊で完結

 「アニメに合わせて完結させる」という話は聞き及んでいたので驚きはしなかったが、リンク先を見て「そうか、本当に終わるのか」と実感。率直に言ってしまえば、このシリーズはミステリとしてはあまり評価されず、「ヴィクトリカの可愛さと武田日向のイラストで保っている」と揶揄されたほど(実際、裏表紙まで使って描かれる美麗なイラストはインパクトがあった)でしたけれど、作者の出世作となった事実そのものに変わりはありません。『GOSICK』があればこそ、桜庭一樹は飛躍できた。開始から7年半、本編と番外編含めて12冊。4年近く中断した時期もあるとはいえ、打ち切りが日常茶飯事だった作者にとって紛れもなく最長のシリーズであります。一般文芸ばかりでなく、いずれまたライトノベルの新シリーズを開始してくれることを期待します。

「涼宮ハルヒの驚愕」初版51万3000セット ライトノベル初版の最高記録(萌えオタニュース速報)

 買い切り(返本できない)でこの量とは……角川、笑いが止まらんだろうな。ちなみに通常版は6月15日発売予定です。

・さて、いよいよ今夜『魔法少女まどか☆マギカ』の連続放送があるわけですが、新聞で最終回の一面広告という暴挙に噴いて噎せた。アニプレックスが本気すぎてちょっとヒく。ここまでやられると「却ってガッカリするようなオチがつくのではないか」と危険なフラグの匂いを嗅ぎ取ってしまう。でも虚淵なら……虚淵ならきっとやらかしてくれる! amazonでは最終回の放送を待たずにBD/DVD6巻の予約が開始され、早速上位に食い込んでます。ランキング眺めていたら『AKIRA』のBD廉価版が目に止まったので速攻ポチった。思えば当方が重度のオタクに傾斜するキッカケをつくったのは、小学生の頃に観たこれだったに違いない。観返すたびに「手描きいいなぁ」と惚れ惚れします。さておき、今宵の関東はアニメラッシュですごいことになってますね。初回から話題を喚んだあの花含むノイタミナ枠のほか、シャフトアニメがまどか以外にも2本、ニトロ繋がりでまどかともコラボしたことのある『STEINS;GATE』、あと『緋弾のアリア』とかいろいろ。ここまで密集すると徹夜を余儀なくされるアニオタも出てくるのではなかろうか。

 最終回とは別にオンリーイベント「もう何も恐くない」の開催ももうすぐ。とらやメロンではあれこれ同人誌の予約が始まってますが、ホント山のようにあって絞り込むのにひと苦労だ……嬉しい悲鳴とはこのことか。結局、1時間掛けて14冊買うことに決めました。送料や手数料も含めれば諭吉さんが一人ばかりティロフィナるけど後悔なんてあるわけない。アニメの本編は終わるけど、二次創作の戦場はこれからが始まりだー。

・拍手レス。

 レディー・ガガ姉さんが完全に創造位階に達してバイクと融合しちゃいましたね
 人器融合型か……見た目はカトル・カールっぽい。

 『C』がこれから面白くなる方に66兆2000億……!
 それにしてもタイトルはもうちょっと識別性を高めてほしかった。

 焼津に触発されてシュタインズ・ゲート ゲーム始めました 最初の何とも言えないワザとっぽい厨二違和感を突破すると一気に世界に浸れる良い作品ですね アニメの方は見てないのでゲームが終わってもまだ楽しみが続く幸せですなー
 さんを付けろよデコ助野郎! とお約束のツッコミを入れれつつ、ゲーム版シュタゲーは適度にダラダラできてええですね。アニメ版は少し忙しない感じがする。


2011-04-18.

・巷でやたらと評判のいいオリジナルアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』第1話を視聴した焼津です、こんばんは。

 タイトルが長ったらしいことに加えて、登場人物のあだ名は「あなる」――実にキワモノ臭くてスルーしたかったが、公式配信していたので「せっかくだから1話くらい……」とクリック。出だしが「やや薄めの滝本竜彦」と申しますか、世を拗ねて引き篭もっている登校拒否児がぶつぶつと怨嗟の呟きを漏らしながらゲームしている描写に居たたまれなさを覚えて2分くらいで一度視聴するのをやめてしまいました。鬱とかグロとか痛いのには耐性がありますけど、居たたまれない奴だけには弱いんですよ、ホント。その後各所で絶賛されているのを見て「ならば」と再挑戦、今度はギブアップすることなくラストまで付き合えました。あなる登場シーンまで耐えられるかどうか、ってのが一つの目安になってくると思います。

 昔は仲良し6人組「超平和バスターズ」のリーダー的存在だった主人公。ある事件がキッカケでバスターズ解散となったことから転落人生は始まる。志望校に落ちたことで徹底的にやる気を失いニート予備軍となってしまった彼は、虚ろな日々を死魚の目つきでやりすごす。地に足のつかない宙ぶらりんな存在と成り果て、事件から何度目かの夏を迎えた。「めんま」というあだ名の少女と再会(?)した彼は、やがて焦燥に駆られバスターズ再結成へ向けて動き出すこととなるが……。観ている側の気持ちが落ち込みすぎないよう、主人公に辛辣なセリフを吐いたキャラが後の場面で反省したり、他のメンバーに揶揄されたりと、フォローめいたシーンを挟んでいるあたりはヌルいと言えばヌルいが正直ホッとした。青春のどん底感やどん詰まり感を演出しつつ、「鬱アニメ」というレッテル貼りを躱すような配慮も随所に施されていて、なかなか丁寧かつ巧いつくりと言えます。まだ1話目なのにちゃんと見せ場も用意しており、不覚ながら涙腺が緩みました。主人公が最後まで拗ねてグダグダしたまま終わるのであればこれっきり観るのをやめていたところだけど、しっかりED曲に合わせて走り出すのでほんの少しとはいえ胸がスッとした。本当にまだ「走り出す」ところまでしか行ってないけれど、これなら期待が持てる。面白くなるかどうかは無論今後次第にせよ、オリジナルでこれだけ初回から引きつけてくれたら充分だ。やっぱりオリジナルはいいですね、続きが気になる。ノイタミナ枠で、夏にはもう次の予定が入っているから1クール確定、あと10話か11話。無事にバスターズのメンバーを集め直すことはできるのだろうか。ちなみにバスターズというネーミングで『リトルバスターズ!』を連想した人もいるみたいだが、当方が思い出したのは『友井町バスターズ』だった。

・ついでに同じノイタミナ枠の『C』も観ましたが、こちらは1話じゃまだちょっと分かんない感じですね。経済モノとか金融モノみたいなストーリーを想像していたものの、現時点では「金のパワーで能力バトル」程度しか読み取れない。「金融街」と呼ばれる異空間で、アントレプレナー(起業家)はアセット(資産)っつースタンドみたいなものを操り、他のアントレと戦う。勝ったら相手のアセットや金を奪える……のかなぁ。アセットを運用したり能力を使ったりすると金が減っていくらしく、「金を稼ぐためには大きな力が必要で、大きな力を得るためには金が必要」という構図を持ち込むあたりはグリパケ(『グリードパケット∞』、ケータイで魔法をダウンロードして化け物と戦う。化け物を仕留めると莫大な賞金が貰えるが、強大な化け物を斃すための強大な魔法をダウンロードするには莫大な資金が必要、斃しても収支が合わなければ借金を負うことになる)を彷彿とさせます。アントレはみな「自分の未来」を担保にすることで金を得、バトルやギャンブル、投資によって収益を上げていく模様。キャッチコピーの「買い戻せ、未来」はたぶんそのへんに掛かっているのだと思われる。実況スレの「キャッシュカードで戦う遊戯王」という身も蓋もない形容に笑ったが、盛り上がるのはまだこれからって雰囲気だ。主人公もただ流されるだけで、金に対する執着心も希薄、明確な目標とか見えてこない。しばらくは様子見かな。完結して評判が良かったら、2話目以降はDVDで観ます。画質や音質の高さで楽しむタイプの作品じゃないですから、BDはスルーしてもいいかなー、と。

『魔法少女まどか☆マギカ』脚本家の辻真先先生もまどかを見る ほか小ネタ色々(萌えオタニュース速報)

 さすが3年前の時点で“文学少女”や“シュピーゲル”を読んでいただけのことはあります。最新作のチェックは抜かりない。Wikipediaで調べると『魔法使いサリー』の脚本も書いたことがあるみたいですね、この人。脚本家時代は常軌を逸した筆の早さで永井豪も圧倒し、永井は喫茶店で打ち合わせしながらガリガリとホンを書く辻の姿に感銘を受けたそうな。脚本を担当した作品の欄を眺めると気が遠くなる。他に作家だと芦辺拓もまどか☆マギカにハマっているらしい。小川一水は前から気になっていたけど原稿が片付かなかったとかで、今月になってようやくまとめて視聴した模様。「あのアニメ、後からずっしり来る。これきっと新しい作家を生むぞ」とのこと。

・三三珂の『成金』読んだー。

 堀江貴文の著書にまったく同じ題名の本がありますけど、もちろんそれとは何の関係もありません。第1回メガミノベル大賞「編集部特別賞」受賞作。作者名は「さざんか」と読みますが、本人的には「みみがー」と呼ばれても別に構わないらしい。「成金趣味」とかいった俗語めいた意味ではなく、「歩が金に成る」という本来の意味に沿った内容となっています。とはいえ将棋モノではありません。作中に将棋を指すシーンもありますが、メインとなる要素は他にある。端的に述べれば、格闘。プロレスとか総合とか、いかにも『餓狼伝』を想起させる泥臭いストーリーです。プロローグの改行乱打ぶりも夢枕獏っぽい。あくまでプロローグだけで、本編は改行控え目ですから、夢枕文体が苦手な人も臆さなくてOK。

 しかし、メガミノベル大賞なんて、Wikipediaから引用すれば「特別審査員に毎回、著名イラストレーターを迎え出版時に特別審査員が挿画を担当する特別審査員賞及びヒロインの萌え属性を特に評価対象とする「属性賞」が用意されているのが特徴」であり、「萌えとイラストで売っていこう」という態度があからさまな賞ですよ。知る人ぞ知るというか、ほとんどの人が知らない(べっかんこうが『ももとせ花火』のイラスト手掛けていることを果たしてどれほどのエロゲーマーが知っているだろうか)ドマイナー賞だけに、趣旨をハッキリさせて固定層を掴むことが重要になってくる。なのに、萌えもクソもない、今更『餓狼伝』路線の格闘モノを取るとは……審査も紛糾したらしく、同期の作品がほとんど2009年に刊行されているのに対し、これだけ2年近く遅れて刊行されています。出版社にとっても刷るのが冒険だったんでしょう。正直、売れる気はしません。微塵もしません。何せカラーイラストは表紙を含めてたった3点(うち1点は見開き)、モノクロイラストに至っては2点しかなく、しかも両方が野郎の肉体と来る。イラスト買いの層はまず釣れない。表紙を見れば分かりますようにヒロインのルックスはそこそこ美麗ながら、なんというか、姫川勉を女にしてもっと野卑な性格に直したようなキャラなんで、個性的ではあるが萌えとは程遠い仕上がりとなっています。進むにつれて見せ場も減っていきますし、ラブコメチックな部分も取って付け臭いし、ヒロイン目当てで読むことはオススメしませんね。

 当方は格闘モノの小説が好きです。実際の試合や映画の格闘シーンを観ても、どういった攻防や駆け引きが行われているのかいまいち分かりにくいし、目で追えない部分も出てくる。けれど小説なら、ゆっくり自分のペースで戦況を確認できる。格闘漫画も格闘漫画で好きですが、どうしても大ゴマ使って迫力あるシーンを描くことに傾注しがちで、薀蓄や解説といった要素はおろそかになりがちですから読んでいて物足りない部分も出てきます。そんなわけで格闘モノの小説を見かけるとつい買ってしまうわけですが、漫画に比べると格闘を中心に据えた作品は少ない。少ないながらも、ライトノベルでは過去に『学園武芸帳』などがあり、ライトノベル外でも『Kの流儀』なんてのがありまして、どちらも結構ツボに入る出来で続きを楽しみにしていたのに、両方ともほんの2作でシリーズ打ち切りとなってしまった。「存在自体が珍しいうえ、続かない」っていうのが格闘小説です。『餓狼伝』とか『獅子の門』はなかなか終わらないことでファンからボヤかれていますが、新刊が出ないにせよあれだけ続くシリーズというのは率直に言って希少。この『成金』も面白かった(特にクライマックスが熱かった)けれど、「次の展開なんて多分ないだろうな」と思うと寂しいやら悲しいやら。

 お世辞にも美少年とはいえないゴツくて芋臭い容姿をした主人公が、才に溺れて獣と化しつつあるヒロイン・日下部雪を打ちのめして人に還らせる――前半100ページほどの展開は「役割が男女逆じゃね?」という声が聞こえてきそうだけど、むしろそれがいい。本書は徹頭徹尾、主人公が我が身を鍛え抜いて己の道を脇目も振らずひた走る、ただそれだけの物語になっていますから、必然ヒロインの扱いは軽くなる。これで雪がお上品にお嬢様なんかやってたら、速攻で空気と化すでしょう。涎垂らしてぬふぬふ笑いながら襲い掛かってくるぐらいでちょうどいい。来いよ日下部、萌えなんか捨ててかかってこい! これは「病弱ヒロイン」ならぬ「病強ヒロイン」にカテゴリするべきかしらね。そんなヒロインすら凌駕する存在感に溢れた主人公は「愚直」の一言に尽きます。素質も才能もなく、ただ魂が持つ執念だけで戦って戦って戦い続ける。「俺にはこれしかできない、だからこれで勝つ」 闘志の塊みたいな野郎で実に清々しかった。構成がシンプルすぎてハラハラしないと申しますか、もうちょい「先の読めないスリル」が欲しかったけれど、新人のデビュー作としては充分。もしあるなら、次回作にも期待したい。

・拍手レス。

 最近のは視聴者の視点をあえて複数に分散して平行させるのがメイン手法って感じしますね。「あの子もいいけどこの子もいいよね」ってなるように。あまり一直線に道をひた走ったりしないし、当然ヒーローorヒロイン一人勝ちにもなりづらい。
 あんまり一つの視点に固執すると飽きてくる、というのもありますね。小説は常に「視点のぶれ」を警戒しますが、映像は逆に「視点の固定化」を恐れている気がします。

 liqueurの購入迷っていましたが、レビューをみて購入を決意しました。来週買ってきますー。
 どぞどぞ。2集目も期待しているのでアンケートハガキ出してきました。


2011-04-15.

・「豪華執筆陣!」という売り文句はよく見かけるけど実際確認したら「そんなに豪華ってほどでも……」と苦笑することが多く、あまり真に受けないようにしていますが、ブラコンアンソロジーの『Liqueur(リキュール)』は本当に執筆陣が豪華だったのでたまらず買ってしまった焼津です、こんばんは。

 カトウハルアキ、草野紅壱、水上悟志、朝木貴行、春野友矢、押切蓮介、高崎ゆうき……こんな面子見せられたら買うしかないじゃないですか。しかもこれ全体のページ数が250ページ超と、コミックの単行本にしてはやや厚い部類に属する。漆原友紀の『水域(上)』とだいたい一緒くらいです。フレックスコミックスみたいなマイナーレーベルにしちゃ頑張った方で、コスパも悪くありません。普段アンソロジーに興味を示さない当方もこれはさすがに誉めておきたい。

 気に入ったのは水上悟志とハルトモのですね。水上の奴はカニバサミで兄に抱きついて「あーもう抱いてー!!」と叫びながらぐりぐりする妹が出てくる話、ハルトモの奴は未来からやってきた年上の妹が現在の妹と自分罵倒合戦を繰り広げる話です。どちらも趣旨という名の頚椎を背後からコキャッとへし折るようなセガールい代物だが面白ぇから別に差し支えない。しかし押切蓮介の浮きっぷりがすごいな。内容も「親戚にこんな兄妹がいた」っていう単なる思い出話です。現時点では未定らしいけれど、好評なら次号も出るとのこと。アンケートハガキ送ってみようかしらん。

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』「〜Amazonでしか読めない“修羅場”入門編〜」を大公開(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 ほんの十数ページでサラリと読めます。「入門編」だけに設定説明もあり、1巻読んでなくても大丈夫なよう配慮されていますが、先に本編読んでおいた方が雰囲気掴みやすいかも。本編の試読体験版もありますので興味がある方はどうぞ。俺修羅(「おなる」という略称もあったり)は売れ行き好調みたいであり、これでライトノベル界に修羅場ブームが来たら嬉しいな。甘修羅もいいけどハードコアな修羅場モノも是非欲しいところだ。

『魔法少女まどか☆マギカ』、最終回を目前に控え公式サイトリニューアル

 彼奴め、遂に牙を剥きよったか。もはや本性を隠す気ゼロみたいであります。放映まであと一週間。当方が視聴予定のニコニコ動画は4月25日配信なので3日ほどズレるわけですが、待ち遠しいどころか逆に「は? そんな早いの!?」と驚いてしまう。今月以内に観ることはできないかもしれないが、それでも諦めずに希望を持とう――とキメ顔で覚悟していただけになんだか拍子抜け。今からちょうど10日後か……まどかの日、未知の結末を見る。

ちょぼらうにょぽみの新刊同人誌は『ティロぼっちマミ』

 『まどかペロペロ会場』とかいう合同誌に参加していることは知っていたが、まさかこの短期間で個人誌まで出すとは。これまで同人誌は極力買わない主義だった当方ですが、まどか本に関しては「積極的に購入を検討していく」方針へ切り換えております。欲しいのはギャグとかコメディとか、あとはしんみり系とかハッピーパラレル系ですかね。エロはあんまり要らない気分。既に買った中で気に入った奴は『まじかる☆ま〜じなる』です。ディフォルメの利いた可愛らしい絵柄と、程好い切れ味のセンスでクスリと笑える4コマパロディ。コマがワイド形式なので1ページにつき1本、表紙等を含めたページ数が20ページ(中身は実質14ページ)だからちょっと慊いけれど、次のオンリーイベントに合わせて新刊(タイトルは『まじかる☆ま〜じなる〜紅茶二杯目〜』)を描いているらしいのでそちらを楽しみに待つ。ほか、「まどかにハマっていて、確実に新刊で扱いそうな同人作家」数名に目を付けています。桜沢いづみはミヤスリサとの合同誌を出す模様。チェックしないと。

【2011年本屋大賞】令嬢刑事と毒舌執事の活躍描く『謎解きはディナーのあとで』に決定

 これ相変わらずメチャクチャ売れてるそうですね。公称「100万部突破」、今回の受賞でもっと増えることでしょう。本屋大賞は「ただでさえ売れている本をもっと売れるようにするための賞」と言われるほど分かりやすい賞なので、ごくごく順当な結果。有名になった反動でamazonレビューの評価はボロクソとなっていますが、個人的に結構好きなシリーズなので続編を期待している。今年あたり雑誌掲載分がまとまるかな。しかしまさか東川の本がここまで売れる時代が来るとは。嬉しい一方で少し寂しくもある。

『30歳の保健体育』実写パートが1話限りで打ち切りにwwww (やらおん!)

 あんまりにもあんまりな内容だったから多分そうなるんじゃないかな、とは思っていました。あれは三方一両損どころか三方全損事故ってレベル。放送中止に伴いメディアへの収録も立ち消えになったみたいですね。映像特典として残されることすらないとは……名実ともに黒歴史認定されたこととなります。「いのこりのくせに早退だよバカヤロウ!!」に苦笑。しかし枠の半分を占めるパートが丸ごと消滅だなんて、番組としての体裁が保つのかしら。2回目の放送は「アニメ第1話(再放送)とアニメ第2話の連続放送」という形式になるみたいだが、3回目は同じ形式で「アニメ第2話(再放送)とアニメ第3話の連続放送」ってなるのかな。再放送なしで毎回2話流すとなると制作が保たないだろうし……始まって早々ここまで暗雲が立ち込めるアニメも珍しい。

・ヒキタクニオの『跪き、道の声を聞け』読了。

 タイトルからどんな内容か想像することは難しいであろうと思いますが、要約すると「こんにちは、ヤクザ専門の探偵です。ヤクザの親分が不自然な失踪を遂げたので、依頼を受けて探し回ることになりました。明らかにヤバいムードぷんぷんだけど、話を聞いた以上はもう断れないぞ♪」ってな具合のハードボイルドです。主人公はあくまで「ヤクザ専門の探偵」であってヤクザ組織には属しておらず、一匹狼を貫いている。おかげで痛い目に遭うことも多く、服を脱げば全身傷だらけ、まるで地図のようだからと「マップマン」なんてあだ名まで囁かれている始末。暴力的なシーンも出てくるし、当然の如く死体もいくつか転がるが、B級バイオレンスめいた展開を期待すると少し意表を突かれるかもしれません。会長失踪事件から漂う得体の知れなさ、気色の悪さが読みどころです。

 広域指定組織暴力団、関東十四会の今切会長が姿を消した――まるでボディガードたちの目を盗むようにして、だ。自らの意思で失踪した疑いもあるが、何の前触れもなく、また連絡ひとつせずに消息を絶ち続けている状況はいかにも不自然だった。警察権力の介入を厭う裏社会の住人たちを顧客とする探偵・時園は、若頭補佐の君島から依頼されて会長の行方を追うことになる。尾行していたのに会長を見失った間抜けなボディガード・菅田まで押し付けられ、「子守でもあるまいに」と不満たらたらの時園。調べを進めるうちに会長の足取りは少しずつ掴めてくるが、居場所を突き止めるところまでは行かない。そんな最中、組事務所に会長のものとおぼしき切断された小指が送りつけられる。断面に生活反応があるところからして、少なくとも切断の際にはまだ生きていたようだった。しかし、届いたのは小指だけで、他に如何なる声明も要求も脅迫もなかった。いったい、「犯人」は何を考えてこんな真似を仕出かしているのか。なおも捜査を進め、やがて時園は「消し屋」と呼ばれる存在の関与を突き止めるが……。

 『凶気の桜』『消し屋A』『遠くて浅い海』と、ヒキタクニオ作品にちょくちょく登場する「消し屋」がまたしてもストーリーに絡んでくる一作。消し屋は殺し屋と同じく職業名であって、特定の個人を指し示すものではない(作中でも「俺の知っている消し屋は〜」とか「こいつは凄腕の消し屋だ」と、消し屋の存在が裏社会ではごく一般的であるかのように触れられている)のですが、作品によってはリンクしているみたいです。あまり熱心に読み込んでないので、具体的な繋がりとかはよく知りませんが。ただ殺すのではなく、痕跡ごと人間を消してしまうことから「消し屋」と呼ばれる連中。まるで映画から抜け出してきたような存在感があり、登場するや話の雰囲気がガラッと変わってしまいます。作者のファンは「消し屋キター!」と喜ぶかもしれませんが、これが初読の人はちょっと面食らうかも。あくまで消し屋はストーリーの一部であって、メインはヤクザの方だけど、先に既刊を読んでおいた方が宜しいやもしれません。

 ヤクザが切ったり殴ったりドンパチしたりするシーンがある割にあんまり荒っぽくないと申しますか、「チャカは西のヤクザの言い方、東のヤクザはハジキと言う」などといった細かいトリビア系薀蓄がふんだんに盛り込まれていて、なんというか説明的で理屈っぽい文章になっています。それがまどろっこしく感じられるところもありますけれど、通常のヤクザものでは解説抜きでずんずん進行していくような場面でも立ち止まってあれこれ言及してくれますから、ゆっくり読む分にはちょうどいい情報量である。主人公とかヤクザの親分とかの過去も回想形式で綴っており、だんだん湿っぽくなっていくあたりはハードボイルドとしてどうかとも思ったが、「ああ、いや、別にハードボイルドじゃなくてもいいや」と開き直って読めば問題なく楽しめた。後半は特にスピード感が増すので、一気に読めます。決して「すごい傑作」と謳いたくなるような長編ではなく、読み終わってみると「なんだか呆気ない結末だったな」って感想が残るにせよ、時園を主人公に据えた続編が見たい――と願うだけの魅力は詰まってました。長く続く余韻はない、でも読んでる間は面白くて、読み終わったら次が欲しくなる。抑制の利いた良質なエンターテインメントだと思います。

・拍手レス。

 少なくとも2期はかずみマギカやおりこマギカが終わってからでしょうなぁ。人気的には確かに充分ですが、どうなることやら
 『おりこ☆マギカ』はまだ1巻出てないのに2巻が6月発売予定とのこと。2期もいいけど芳文社は早く作家を集めてまどかアンソロジー組むべき。


2011-04-11.

『魔法少女まどか☆マギカ』の放送日が決定したことで歓喜アンストッパブルな焼津です、こんばんは。

 今月21日の木曜日(深夜だから、日付としては22日の金曜日ですが)、関西では11話と12話、関東では10話〜12話の連続放送になる模様。もともと視聴可能な地域じゃなかったのでリアルタイムで観ることはできませんが、恐らくネット配信もするであろうし、歯噛みする必要もないと判断致します。叶うことならネタバレ喰らうことなしに視聴したいものですが、さすがにこれだけを目当てに放送地域へ出掛けることとかできませんし……すげえ観たいですけど……何であれ、無事完結する目処が立ったことを今はただ寿ぎたい。まどか特集の『オトナアニメ』を読んだ直後にこのニュースを目にすることができたのでテンション上がりっぱなし、全然下がりません。先に観た方々の反応を想像するだけでゾクゾクする。ほんの10日ですが、待ち遠しくて仕方がない。

『まどか☆マギカ』虚淵氏「今は必死に次の「まどか」の展開を考えている所です」 (萌えオタニュース速報)

 この発言が2期を指しているかどうかは不明確ですが、そらあんだけ話題になりゃ「1クールだけやってハイ終了」とはなりませんわな。無理矢理でも続きをつくれ、ってなるでしょう。虚淵はこれまで続編展開をしないタイプのライターだったけど、そろそろ「続きモノ」にチャレンジしてもいい頃だとは思う。が、一方で「まどかは1クールだけでキッチリ綺麗に終わってほしかったな」という思いもなくはない。複雑な心境、と言うより他なし。もし仮に2期が来るとしたらキャラ総取っ替えになるのかな……まどかたちゴレンジャーも何らかの形で噛んでほしいけど、難しいでしょうか。ああキュゥべえ、おまえはもう要らんぞ。超新星爆発でも喰らって散ってくれ。

『境界線上のホライゾン』アニメPV公開!全2期構成で2011年10月放送予定(やらおん!)

 戦闘シーンがちょっとスピード感に欠ける気はするが、思ってたよりずっといいPVでした。特に武神周りは期待していいんじゃないかしら。英国の面子が出てるってことは2巻までやるのかな? 好評だったら3巻以降も……という感じで。これが成功すれば『終わりのクロニクル』もいずれアニメ化するであろうし、期待させてもらう。

『BASTARD!!』古橋秀之がノベライズ(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 これは古橋がベニー松山化するフラグ? というかベニー松山はいっそ山下卓みたく一般文芸デビューしてほしい。同期、と言っていいのかどうか分からんけど、WIZ小説繋がりだった馳星周や古川日出男はもうとっくにそっちで頭角を現しているわけだし……あ、話題が古橋からだいぶズレてしまった。古橋はいいから『ケルベロス壱』の続き書け。

『30歳の保健体育』Lesson1「はじめてのセックス」、ニコニコ動画にて視聴。

 ひどいアニメだ……シモネタ好きの当方さえ「これはひどい」と絶句するクラス。規制の凄まじさでも話題になっており、伏字(というか伏画)が多すぎてわけがわからないよ、な場面もいくつかありました。「セックス」すらアウトなので、セリフにしょっちゅう「チョメチョメ」などといった隠語消しが入る始末。規制というか検閲ですね、ここまで来ると。戦前の読めないくらいベタ消しされた本を思い出す。ある程度はニュアンスで読み取れるからだいたいのストーリーは分かるにせよ、「観ていてストレスが溜まる」という意見が出てくるのも当然な仕様である。童貞を捨てることに消極的な主人公へ発破を掛けようと「俺のアスホールを使いなよ、YOU!」ってケツを差し出す神だとか、全体的にお下品かつハイテンションで、当方もストレスまでは感じないにせよ「観ていて疲れるな……」とぐったりしました。半分は実写パートなんで、アニメパートは前半の12分足らずしかありません。が、あのノリが合わないと、エンディングが流れ出したところで「ああ、30分経ったのか」と錯覚しそうになるほど疲弊すること請け合い。しかし神のシリアナいろんなものを吸い込みすぎだろ。アスホールどころかブラックホールじゃねぇか。マ○コが四次元ポケットで、ハメたら下半身丸ごと飲み込まれた――っつードラ○もんパロのエロゲー『ぱちもそ』を思い出したぞ。ちなみに『ぱちもそ』のパチ公は「みみず千匹」という秘密道具を使うことで普通に性交することが可能です。

 安藤なつを始めとするキャラは絵の良さもあってなかなか可愛らしいが、1話目の時点ではほとんど出番がないため癒し効果は無に等しい。ヒロインと過ごすエロし恥ずかしなイベントを期待して観た人はガッカリするでしょう。正直当方もちょっとガッカリした。安藤なつはキャラデザ的にどストライクなので、2話目も観ようと考えています。ぶっちゃけ安藤なつが出てこなければ1話目の途中で切るところだった。いやそれどころか、そもそも最初から観ようとしていなかったでしょう。あと、後半の実写パートは素でキツかったので飛ばし飛ばしにしか観ておりません。いったい誰が得するんだ、あのパート……次回はアニメパートだけ視聴しよう。

・春アニメは他に『シュタインズ・ゲート』『花咲くいろは』もニコニコで視聴。

 『シュタインズ・ゲート』はかなり駆け足気味な展開でしたね。ある程度ゆっくりしたペースで進まないとシュタゲの魅力は伝わりにくいように思う。2話目以降は観ないでゲーム版のプレーだけに徹する所存。『花咲くいろは』はいきなり夜逃げ、いきなり告白、いきなり旅館で労働っつー「いきなり」三連コンボな勤労少女アニメ。散々言われているがNHKでやってる朝の連続テレビ小説みたいなノリです。「働く意欲」を持つことも「働く意義」を見出すこともできていない、端的に述べて「仕事を舐めている」主人公と、時に頑迷で理不尽な要求を突きつけてくる厳しい祖母。世代が違う両者の対立に『てっぱん』を想起した人も少なくないはず。岸田メルのキャラクター原案による緒花は非常に可愛らしい見た目で、作画も高いレベルで安定しており、「ぼんやり観るアニメ」としては悪くない出来だった。むしろ、充分すぎるくらいのクオリティ。ただ、集中して観るとシナリオが……ってションボリするところはあります。シーンとシーンとの繋がりが弱く、細切れのエピソードを縒り合わせているような感覚が強い。路線がハッキリしているおかげで、シーン間の接続が多少不自然でも混乱はしませんけれど……また、告白して返事も聞かずに走り去る孝一や厨房で叱られている民子を庇いに入る緒花など、いくつか唐突な行動も見受けられるし、「キャラが動いているのではなく、脚本の都合でキャラが動かされている」って雰囲気も濃いです。そのため1話目の時点では誰に肩入れしたものか、態度をハッキリすることができません。全員やってることは別に大きく間違っていないのだけれど、今のところ取り立てて応援したくなる人もいないなぁ、と。視聴者の関心が一点に定まらず、全体に拡散しちゃっている感じ。総合的に弾き出されるポテンシャルは高い部類ですから、2話、3話と続けていくにつれどんどん盛り上がっていく可能性は否定できない。とりあえず当分は視聴を継続します。

・拍手レス。

 >「あらすじ」や「世界観」を読んでもさっぱり〜  まったくですね。ソルイルナというのはスペイン語の"Sol y Luna"でまんま「太陽と月」でしょうかね。とすると世界観はスペインみたいなイメージなんでしょうか…
 スペイン……レコンキスタとか異端審問を絡めてくるのかしら。

 焼津さんは『やる夫の白い切り身』読んでます?かなりブッ飛んだ下ネタだけど、一度読み出したらスルメみたいなやる夫シリーズなんでオススメ。
 ぐぐってみましたが、サガノヘルマーみたいなアイデアですね。サガノヘルマーといえば、『BLACK BRAIN』の続編(『PURPLE BRAIN』というらしい)がいつの間にか始まっていて驚いた。

 某所で『沃野』読ませていただきました。実に良かったです。久々にヤンデレ系でこりゃすげえ!と言ってしまいました。
 「沃野」か、懐かしいな……と思いつつぐぐったら胡桃のAAとかあって噴いた。ともあれ、お楽しみいただけたのであればこれに勝る幸いはありません。

 境界線上のホライゾンのPVで全裸が全裸してなかった、詐欺だ(笑)
 ゴッドモザイクとワカメ、ふたつの真打を投入するにはまだ早い……機が熟すのを待ちましょう。


2011-04-07.

『アラクニド(3)』を読んだら「アリス様は好きな男の子とかいるんですの? いたら殺しますけど!」とほざくレズや「あの男は俺にとって師であり同志であり そして最愛の男性(ひと)だった」とのたもうホモが出てきて「やべえ、このマンガ、出てくる奴が変態ばっかりだ」と改めて実感した焼津です、こんばんは。

 本編ではもったいぶって隠していた敵の正体を帯文でバラしてしまうあたりはアレながら、今回も順調に面白かった。節足動物に見立てられた殺し屋たちが戦う一種の能力バトルもので、巻を追うごとにアクションの迫力が増幅していきます。1巻の頃に比べると絵柄もだいぶ変わってきましたね。個人的には今の方が好みです。ゴキブリこと沖めぐみは相変わらず変態可愛いが、残念ながら3巻はカッコイイ見せ場がなく、噛ませ犬兼驚き役となっていますね。その代わり主人公・藤井アリスのカッコ良さは倍増。決めシーンである「生きるためには 殺すしか無い」は見るたびにゾクッとします。「人」はおろか「獣」の領域すら超えて「虫」の次元で殺し合う。是非これはアニメ化まで辿り着いてほしいな。まだまだエピソードが溜まってませんので、現時点では夢物語ですが。

『境界線上のホライゾン』10月TV放送スタート(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 秋か。「さとやす絵をアニメで再現するのは難しそうだな」と予想していたが、案の定キャラデザは微妙。メカとかそっちの方に期待した方がいいだろうか。個人的には三征西班牙の武神に期待しているんですけども。

電撃文庫6月の新刊(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 「マジかよ」な奴が混ざってます。しかも完結だと……? これが非常に巧妙な釣りだったら憤死するところですが、疑うことはやめにして、まず喜びたい。ヒャッホウ! それはそれとして川原礫は依然隔月状態ですな。AWはまだ7巻を読み出してすらいない……。

・西尾維新の『花物語』読んだー。

 キャッチコピーの「君を知り」が「君の尻」を連想させてエロいな、などとくだらないシモネタを入れて補いたくなるほどコメディ要素の薄い“物語”シリーズ最新刊。通算9冊目ですね。前作『傾物語』では阿良々木暦の一人称に戻っていた語りが、今回は前々作『猫物語(白)』のパターンを踏襲するかのように「ヒロインの一人称」となっています。今回のエピソードは第変話「するがデビル」であり、当然の如くヒロインは神原駿河です。個性的ではあるものの、正直言って人気がいまひとつで、アニメのBD/DVDも他に比べて累計販売数が少なかった不遇な子。彼女が初登場した「するがモンキー」、話としては面白い部類に属すると思うんですけどね……アニメ版は忍野メメの「いいよ」という演技に喰われちゃった印象が強いが。さておき、『花物語』。タイトルのインパクトという点では『傾物語』に完璧に負けてるうえ、吉屋信子の同題作品があるせいでよりいっそう目立たなさに拍車が掛かっている。本音を申せば、当方もこのエピソードにはあまり期待していなかった。「するがモンキー」が話として面白かったことは確かだが、逆に言えばキッチリ面白くまとまっているおかげで、下手に弄ってあれこれ付け加えると蛇足になりかねない雰囲気があったからです。結果としては、蛇足にならずうまくまとめ直してくれましたが……率直に述べると、「地味」の一言に尽きる話となっています。

 阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎ、羽川翼が卒業し、神原駿河が最上級生になった春――と、ストーリーの開始点が一気に飛んでいるせいもあって最初は「は?」となりました。整理しますと、“物語”シリーズで一番古いエピソードに当たる『傷物語』が暦たちの高校2年生から3年生に移行する春休みを描いたもので、『化物語(上・下)』は彼ら3年生(駿河は2年生)の1学期(厳密に説明すると5月のGW終了後から6月まで)、『偽物語(上・下)』は夏休み、『猫物語(黒)』は『傷物語』と『化物語』の間に当たるゴールデンウィーク、『猫物語(白)』は夏休み明け、つまり2学期が始まるあたり、『傾物語』は2学期が始まる直前あたり……といったタイムスケジュールになっています。だから当然「『花物語』は2学期の出来事を書くんだろうな」と決め込んでいましたが、2学期はおろか3学期さえもすっ飛ばして「翌年の1学期」から始まるわけです。8ヶ月近く話をジャンプさせている。発売前に「暦たちが卒業した後の駿河の物語」であることは明かされていましたが、あらすじを知らずに読み出した人はキングクリムゾンを発動された気分に陥るでしょう。あらかじめ知っていた当方も、前置きなしでホントにいきなり「先輩方は卒業してしまった」なところから始まるので「は?」となった次第。連載漫画だったら打ち切りを心配する展開ですな。

 で、卒業してしまった以上、暦たちの出番はほとんどありません。あちこちで折に触れて彼らの現況について言及されますが、直接的な出番は数えるほど。しかも話題に上がるだけで出番ゼロのキャラも多い。撫子に至っては話題が出たかどうかすらあやふやだ。また、「ヒロインの一人称」という語り口の性格上、ノリも『猫物語(白)』同様しっとりと落ち着いた調子になっており、はっちゃけたギャグやドタバタコメディ、軽快な会話劇といった『化物語』を特徴づける要素はほとんどなくなっています。もしかすると『猫物語(白)』以上にアニメ化するのが困難なのではないか、ってほど心理描写を重視している。「変人の極み」と申しても過言でないほどキャラ崩壊していた駿河が3年生になるやここまで落ち着いてしまうとは……無駄にページを食う掛け合いがないせいもあって、ストーリーは順調に展開し順調に収束する。

 が、順調すぎて少々退屈な感は否めませんでした。これまでの“物語”シリーズ既刊はだいたい1日か2日かそこらで貪るように読み尽くしたものでしたけど、『花物語』に限っては何度も中止を挟んで結局1週間掛かりましたよ。程好いペースで進行し、程好いサプライズを投下し、程好いエンディングを迎える。この点だけ取れば“物語”シリーズ上もっともまとまりのあるエピソードと言えなくもない。実際、たらたらと時間ばかり掛けてなかなか読み切ろうとしなかった当方も、最後の最後は「イイハナシダナー」と感じ入りました。でもやっぱり、ハッキリ言って地味です。終始ひたすら淡々と進む。「先が気になる!」とページをめくる手を早めさせるような盛り上がりはついぞ訪れなかった。イイハナシだけどたまに眠くなるところがある、と書けばだいたいのニュアンスは伝わるでしょうか。重要人物が「これまでの経緯」を長口上でもって延々と解説する件が2回もあり、さすがに2回目は読んでいて寝落ちしそうになりました。「どこがキョンシーやねん」とツッコまれた『傾物語』に対し、今回は感心するくらい「デビル」というタイトルに相応しい仕上がりとなっていますので、叶うことなら誉めちぎりたい。でも読み返したところで「地味」という結論は揺るがない。ひっそりとした静けさをじっくり噛み締めてほんのり味わうテンション低めの話ゆえ、賑々しさを求める向きには合わないかと。

 派手にやらかしてくれた『傾物語』とはまた違った意味で評価に困る一作。西尾もやることが両極端だよな。コメディパートがほとんどないのは無念ですけれど、悲しさや寂しさを織り交ぜ、日々のさなか不意に立ち止まり「これから何をどうしたらいいか、わからない」って呆然とするような思春期の茫漠感はうまく描けているように思える。終わり頃になるまで話の道筋が見えてこないあたり、賛否の分かれるポイントとなりそう。「先の見通しが立たない」ことをただの退屈と切り捨てるか、懐かしい焦燥と受け容れて物語に耽るか。卒業してしまった暦ですが、作中のセリフによれば次回から何事もなかったように高校3年生に戻るとのことであり、ホント好き放題してくれる。『猫物語(白)』で謎として残った部分や、語られざる2学期および3学期も『囮物語』『鬼物語』『恋物語』で消化してくれるのだろうか。あえて消化しない、という道を選びそうな気がしないでもない。にしてもアドビ木のシスコンぶりがヤバい。本気で妹の処女もらう気じゃないよな、あいつ……。

・拍手レス。

 JOJO のノベライズといえば、乙一を思い出します。久しく新刊読んでないな…
 乙一は確か先月に新刊出ましたね。「オツイチ小説再生工場」って企画をまとめた分ですが。


2011-04-04.

・前々回の更新で麻耶雄嵩の新刊について触れましたが、「そうえいば『翼ある闇』の単行本が出版されたのは1991年5月……あれからもう20年が経つのかよ!」と愕然たる心境に陥った焼津です、こんばんは。

 当方が新本格ミステリにハマったのはもうちょっと後だからリアルタイムで知っていたわけじゃありませんが、麻耶雄嵩が「気鋭の新人」扱いされていた頃を覚えている身としてはひたすら気が遠くなる。90年代も遠くなりにけり、ですね。スーパーファミコンだってもう20年以上前のハードになってしまいましたし、「次世代機」と呼ばれていたPSやサターンも既にレトロ品と化しつつある。当時のライトノベルも、今見るとイラストが古臭く感じられて異常にしんみりしてしまう。こういう話題で盛り上がると、「歳を取った」と否応なく実感させられます。

上遠野浩平、西尾維新、舞城王太郎が『ジョジョの奇妙な冒険』を小説家する企画“VS JOJO”発動

 開設日が4月1日だったこともあってエイプリルフールネタかとも疑われましたが、どうやらマジモノだった模様。かどちんは前に言っていた「恥知らずのパープルヘイズ」だろうか? 西尾がJOJO好きであることは有名だし、よくコラボ企画に関わる作家なので、遅かれ早かれ西尾版JOJOは出るだろうと確信していました。舞城だけ異色というかちょっと意外。でも文体を考えるとあまり違和感がない。続報を楽しみに待つとします。

「盾」と聞いて真っ先に思い浮かんだキャラクター(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 『傭兵ピエール』のかわせみマルク。カワセミのような雄叫びを上げながら大盾を持って走ってくる。機動性を高めるために鎧を薄くしすぎて死んでしまった哀れな奴です。エロゲーだと『Rumble〜バンカラ夜叉姫〜』の江里盾子。うろ覚えだけど、盾子は確かクライマックスのあたりで見せ場があったんですよね。『Rumble』は攻略が非常に面倒な仕様となっているせいで、結局盾子エンドと凛奈エンドくらいしか見なかった。どんなエンドだったか記憶がハッキリしないのをいいことに、当方の脳内では「主人公による初回のレイプで孕んでしまい、なし崩しにデキ婚かまして元気な赤ちゃんを産んで、微笑みながらあやしている盾子の一枚絵」が出来上がっている。クセの強いキャラがてんこ盛りな『Rumble』において比較的常識人だった盾子はオアシスにも等しい存在でした。他の子が犠牲にならないようにと渋々主人公に犯されるシーンも割と興奮しました。昔のエロゲーは「陵辱モノと和姦モノ」とか、「鬼畜モノと純愛モノ」とか、そういうふうにキッチリ色分けされておらず平然と混ざり合っていて、今はあまり見られなくなったそのカオスさ加減が少し懐かしかったりする。

新興ブランド「MEPHISTO」のデビュー作『天使の羽根を踏まないでっ』

 そろそろ情報が出揃ってきたので改めてご紹介。シナリオは朱門優、原画は蛇足せんたろうです。どうも魔術とかが出てくる異世界の学園モノみたいだが、「あらすじ」や「世界観」を読んでもどんな話だかさっぱりイメージが掴めない……この感じ、きっ澄みのときと一緒だ。だったらイケるぜ。舞台となるのは「聖ソルイルナ学園」というところで、同じ名前だけど「太陽の学園」と呼ばれるところと「月の学園」と呼ばれるところがあって……と、初手からいきなり混乱します。「神の声が聞こえる存在」ではなく「神に声を届かせる存在」が物語の鍵になるらしい。聖ソルイルナ学園は女学園なので百合モノか、と思いきや「主人公が女装して入学」っつーお決まりのパターンみたい。しかも妹は男装っ娘。それなんて『まりあ†ほりっく』? 「――きっとこれは、神様を×す、物語。」ってコピーが物騒なイメージを掻き立てるが、お朱門ちゃんは既に神殺しの話を書いてるから二度ネタはないだろうな、たぶん。今回も朱門節は全開みたいだし、原画も好みなので、素直に期待させていただくとする。発売予定は初夏。しかし、せんたろうは本当に眼鏡好きだな。「どの絵にもメガネ差分をいれるのはお止めなさい」と言われた件に噴きました。

『STEINS;GATE』はチャプター2「空理彷徨のランデヴー」まで進みました。

 期待通り、というか想像以上に面白い。もっと盛り上がるまでに長く掛かるような話かと思い込んでいたが、ほんの30分くらいで引き込まれました。主人公の邪気眼っぷりといい、ダルのオタ言動といい、まゆりの気が抜ける声といい、ひたすら脱力系の雰囲気を醸している反面、「電話レンジ(仮)」を巡るストーリーでプレーヤーの興味を強力に牽引していく。ただただ単純に先が気になりますね。「早く続きが知りたい」という気持ちを焦らすかのように「思わせぶりだけど特に意味がないセリフ」を何度も繰り返し垂れる主人公に時折イラッと来るものの、不快なレベルにまでは達していないので、どうにかストレスを覚えることなくプレーできます。薀蓄や注釈は多いが、非常に整理されていて分かりやすいシンプルな筋立てとなっているおかげで「今日は時間がないから10分だけしよう」って日でも問題なく楽しめる点がありがたい。細切れにプレーしても面白い、ってゲームは意外と少ないですから。進行速度は遅いにせよ、この分なら最後までやり通せそうです。つーか、もったいぶらずにもっと早く崩しておけばよかったな。今のところ特に好きなキャラクターはいない(ストーリーの方がずっと気になる)けれど、嫌いなキャラもいないので、安心してハマっている。正直、こんな愚にも付かない感想書く暇あったら続きやりたいくらいだ。というかさっき中断してちょっとだけやってきた。舞い上がっちゃってますね、当方。今月中に終わらせることを目標に据えてガンガンやりまくっちゃいますからねー。

・拍手レス。

 先越された…シュタゲは評判からすると間違いなく名作でやり始めれば止まらない可能性もあるのにインスコする気も起きない。ゲームする気力が年を経るごとに削れてくる。代わりなのか読書欲が微増中、戦闘妖精雪風の新刊とか出たし
 昔は「本なんか読むのかったりぃ」と思っていたのに今は「ゲームやるのかったりぃ」な有様。ゲームって結構時間食いますし……本は持ち歩いて空いた時間にちょこちょこ読めるから気楽です。

 ネット中が馬鹿に沸き立つ日にもあえて「例年通り」のことをやった嘘屋&めておに乾杯したい。
 ライアーは新作の情報公開していたんですか。原画は『霞外籠逗留記』や『黄昏乙女×アムネジア』のめいびいで、シナリオは睦月たたらか……『妖刀事件』の出来がアレだっただけに様子見に徹する。

 夜都賀波岐、予想はついてましたが「なれの果て」ですな…
 さう思わせるための壮大な釣りである可能性を否定し切れない。


2011-04-01.

・あとちょっとしたらアニメも始まるし、いい加減崩さないとな……って一念発起してPC版『STEINS;GATE』をインストールした焼津です、こんばんは。

 インストール済ませた後にネット認証して、無事起動するかどうか確認して、ダウンロードしてきたアップデートパッチを適用して、そのうえ更にライセンス開放パッチを新たにダウンロードして適用して、不要になったソフト電池をアンインストールして、忘れかけていた予約特典のコスプレパッチもダウンロード&適用して……と、プレーするまでに至る準備がやたら多くて気力を使い果たした。PCゲームは売るのが面倒で押入れに仕舞いっぱなしにしているから中古売買不可なのはどうでもいいけど、アクチのせいで正規ユーザーがこんなに苦労しなければならんとは……正直、ニトロゲーに対する購入意欲が減退する。『鬼哭街』のリニューアルも、改めて買うべきかどうか検討し直さなければ。

 疲れてぐったりしたせいで本編は動作確認程度にしかやってません。まだプロローグの途中。全体的に動作がもっさりしているのは「いつものニトロ」といった具合ですが、そこを除けば雰囲気もキャラも悪くない感触。邪気眼ぶった言動を振り撒くくせしてたまに小心者の素顔を見せるオカリンには親近感が湧く。『CHAOS;HEAD』に比べて随分と馴染みやすい印象を受けます。アニメが始まるまでにクリアするのは絶対に無理だろうけど、せめてアニメが終わる前にはコンプしたいなぁ。

2011年 エロゲメーカー エイプリルフール ネタまとめ(【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´))

 やはりと言うか何と言うか、まどかネタ多し。脚本が虚淵でキャラデザが蒼樹だからニトロとねこねこの反応は当然っちゃ当然ですが……しかしニトロ、ムービーまでつくるとは。ニトロヒロインたちがチラッと出てくる演出は実に心憎い。中んずくアルのところが良かったです。

西尾維新の“物語”シリーズ最新刊『花物語』発売、そして『傷物語』劇場映画化決定、公開は2012年

 『傷物語』の映画化はだいぶ前から情報漏れてたので今更感が漂うけれど、ともあれ西尾維新原作のアニメが映画館のスクリーンで上映される時代が来ようとは……単行本の発売は2008年5月ですが、先に『パンドラ』で全文一挙掲載された経緯があり、発表から既に3年が経ったことになります。もともと「こよみヴァンプ」は設定だけで実際に執筆される予定はなかったそうですが、『化物語』が非常に好評だったため、急遽書き足す事態となったらしい。良くも悪くも“物語”シリーズって行き当たりばったりっつーか出たとこ任せなんですよね。話全体の着地点を考えているかどうかも怪しい。『恋物語』の後に平然とアヒィ木さんの子供が出てきて新々章開始する可能性とてゼロではない。初恋の相手は撫子おばさんだったりして。

携帯の説明書の女の子に萌えてしまった件(ゴールデンタイムズ)

 判明した絵師に驚愕。まさかあの人とは……。

・今月の購入予定。

(本/小説)

 『レイセン3』/林トモアキ(角川書店)
 『踊る星降るレネシクル4』/裕時悠示(ソフトバンククリエイティブ)
 『金の瞳と鉄の剣』/虚淵玄(星海社)
 『ムーンライト・マイル』/デニス・レヘイン(角川書店)
 『ですぺら ロマンアルバム』/安倍吉俊、小中千昭(徳間書店)

(本/漫画)

 『ウチはおおきい』/ざら(講談社)
 『ましろのおと(3)』/羅川真里茂(講談社)
 『四季おりおりっ!(3)』/稲城あさね(一迅社)
 『やまとなでシコ』/上連雀三平(茜新社)
 『シマウマ(2)』/小幡文生(少年画報社)

 文庫化情報。逢坂剛のライフワークである“イベリア・シリーズ”の第5弾『鎖された海峡』が文庫落ちします。それも久々に上下巻ではなく1冊こっきりで。結構な分厚さになるであろうと今からワクワクしている。北森鴻の“香菜里屋シリーズ”完結編『香菜里屋を知っていますか』も延期の末やっと今月文庫落ちすることが決まった模様。作者が亡くなってから1年以上が過ぎましたが、なんだかもっと時間が経ったような、それでいてあっという間のような、不思議な感覚がします。未完の長編『鏡連殺』は残された構想ノートをもとに、誰か所縁のある作家が続きを書き足して完成させたうえで近々発売する予定だそうだ。

 『レイセン3』は番外編というかアフターストーリーみたいな位置づけなのに、下手すると本編のときより盛り上がっているかもしれないシリーズ。禁書目録にとっての超電磁砲に相当する存在感。2巻は主人公・川村ヒデオの出番が半分程度しかなかったせいでヒデオファンには不評でしたが、修行編も終わったことだし、今度こそヒデオ祭りになってくれるはず。ハッキリ言ってストーリーよりもヒデオに期待してますからね、当方は。スニーカー文庫はアニメ化が決定した『ダンタリアンの書架』の最新刊も出します。ヒロインの声優は真紅を演った人だけどキャラ的には翠星石だったり。『踊る星降るレネシクル4』は俺修羅こと『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』でスマッシュヒットを飛ばした作者の新刊。俺修羅に釣られてるるルの売上もアップしているみたいなので今後は安泰、だといいなぁ。単純な読みやすさでいえば俺修羅に軍配が上がるものの、キャラの多彩さとネタの無軌道さは断然るるルが上であり、絶対に打ち切られてほしくない。程好い巻数でまとめてから俺修羅に本格移行してほしい。『金の瞳と鉄の剣』は『魔法少女まどか☆マギカ』の脚本で一躍有名になった虚淵玄の小説最新刊。WEB連載されていた作品ながら、「紙媒体で読みたい」と思って今までずっとスルーしてきました。なのでどんな話かも知りません。まどかは最後の2話を残して放映休止という残念な事態に陥っていますが、制作自体が中止したわけじゃないし、これから『Fate/Zero』の放映も控えているし、まだまだ虚淵フェアは終わらない。『ムーンライト・マイル』は“パット&アンジー”シリーズの第6弾。前作から10年くらい掛かっているのでまさに「ファン待望の1冊」です。あらすじの時点で既刊ネタバレが入っていますからシリーズ未読者にはオススメしがたいが、「いっそこの機会にシリーズ全部(第1弾第2弾第3弾第4弾第5弾)揃えちまえよ!」と言っちゃいたい。『ムーンライト・マイル』含めてもだいたい6000円ぐらいです。うーん、ちょっとキツいか。『ですぺら ロマンアルバム』は「安倍吉俊、小中千昭」の組み合わせにピンと来たら買うしかない。そう、『serial experiments lain』のふたりです。玲音(れいん)に対抗して「あいん」というヒロインを出すなど、少しあざとい気もするけど、それがどうした。『serial experiments lain』こそ我が青春のシンボルであり、回避不能。あと今月はスティーヴン・キングの極大長編『アンダー・ザ・ドーム(上・下)』が出るそうです。2冊併せて6000円、ページ数は14000超えるとか超えないとか。キングのことだからたぶん2段組でしょうね。『ザ・スタンド』級を覚悟した方がいいかもしれません。

 『ウチはおおきい』は超高密度4コマ漫画『ふおんコネクト!』でコアな人気を獲得したざらの新刊。やっと出ます。巻数表記がないことからして全1冊か? 『みちかアクセス!』といい『ヘカトンテイル』といい『わがままDIY』といい、この人の仕事はなかなか単行本にまとまらないので、今回の報せは干天の慈雨にも等しい。新連載も始まったようだし、待っていればいいことあるんですね。『ましろのおと(3)』は津軽三味線と部活モノを掛け合わせた異色の青春コミック。異色っつっても『なずなのねいろ』みたいな前例もあるわけですが。もともとが少女マンガの作家だっただけに「少年マンガでやられるか?」的不安はあったが1巻であっさり払拭し、2巻からこっちは加速する一方。この調子で進むなら、まだまだどんどん面白くなるはずです。『四季おりおりっ!(3)』は季節それぞれの名前が配された四姉妹によるホームコメディチックな4コマ漫画。背景に手を抜かなかったり、構図に凝ってみたりと、確かな努力が感じられる出来です。隠れた傑作と申しますか、正直もっと話題になるべき。きゆづきさとこが好きな人にはオススメしたい。『やまとなでシコ』は「ああ、いかにも上連雀らしいタイトルだな……」と遠い目をしたくなるエロマンガ。続きモノらしいけど、きっと最初からクライマックスで、読み終わる頃には読者の精神を別天国へ誘っているに違いあるまい。この人の本は気がついたら品切れになってることが多いですから、買えるうちに買った方がいい。『シマウマ(2)』は凄惨なバイオレンス描写で話題を呼んだコミック。話そのものは大して動いてないからまだ何とも言いかねる部分があります。が、暴力の果てにあるものを見せてくれるのではないか、という期待はある。しかし『ステゴロ』の方はどうなってるんだろ?

(ゲーム)

 なし

 予定していた『Rewrite』が延期しちゃったし、『大帝国』でも買おうかな、と検討してみたが「恐らく途中で投げ出してしまうだろう」と容易に予測できたため今月は0本。SLGってだいたいやり込む前に飽きちゃうんですよね。根気とか堪え性とか、そういうの全然ないせいで熱意が最後まで続かない。『大番長』も結局クリアせず終いだった。アニメのDVD/BDは先月から延期してきた『魔法少女まどか☆マギカ1』と、『機動戦士ガンダム0080』の廉価版を押さえるつもり。

・拍手レス。

 そもそも俺つばアフターの第5次人気投票って結果発表まだっすよね。ソフトはともかく結果発表でこれはなんか熱が冷めるというか……。それともHP以外での発表とかあったんでしょーか。ないだろうけども。
 アフつばのプレーが途中で止まっているためNavelの更新はほとんどチェックしておらず、第5次人気投票が行われていたこと自体知らなんだです。

 海羽版シュタゲを読みましたが、良作止まりでした。ゲームとも大きく異なるわけではないらしいので、少し拍子抜け。
 今やってるPC版クリアして、公式資料集読んで、積んでるドラマCD崩して、それからやっとノベライズに取り掛かれる……海羽の文章、少しは読みやすくなっているのだろうか。

 拍手のコメを受けて拍手失礼します。まどマギ十話はワル夜に破壊された世界として『水没したガレキの街』が出るからさすがに放送できなかったんじゃないかなと。
 ワル夜自体が一般人には大災害として認識される魔女らしいですし、11話以降の放映もキツそう……そしてチュアブルソフトの『アステリズム』はもっと深刻な状況に陥っている模様。

 「デジャヴ」個人的にはオススメです。展開は全くだれることなく、結末はタイムトラベル物の先入観をさっくりひっくり返してくれて。いいSF感でした。
 DVDは持ってるのでいずれ観るつもりではありますが、時間の捻出がなかなか……。

 lightのエイプリルフールの二言感想。 ●●、あんた何やってんすか。  え、彼らの初登場がこれかよ!?(リアクションに困る)
 「特殊な状況でフィニッシュするとHシーンに突入」に噴いた。ちょっとやってみたくなったじゃないですか。「かじり」は最初何なのか分からなかったけど、もしかしてこれが八柱?

 花物語を購入したのはいいものの勿体なくて読めないジレンマ。読みたい・・・でも勿体ない・・・板挟みになったので傾物語を読み直す。忍可愛いよ忍。
 まだちょろっと読んだだけですが、今回は猫白と似た感じでコメディ要素薄めっぽい。


>>back