2010年10月分


・本
 『レイセン2』/林トモアキ(角川書店)
 『オワ・ランデ!』/神秋昌史(集英社)
 『白銀ジャック』/東野圭吾(実業之日本社)
 『どつぼ超然』/町田康(中央公論社)
 『ヤングガン・カルナバル グッドバイ ヤングガン』/深見真(徳間書店)

・映画
 『エクスペンダブルズ』


2010-10-27.

・5巻目に当たる『じんわり君臨!!邪神大沼』を刊行した邪神大沼シリーズ、あとがきにおける作者の口振りからして6巻目も出せるみたいでホッとしている焼津です、こんばんは。

 ライトノベルにしては珍しいショートギャグ主体のナンセンスコメディで、毎回決まったテーマはあるもののストーリー性が薄く、シリアス要素なんて泥ひばりの少年たちでも漁り出せないほどひたすら「笑い」に特化した内容がごく一部の層にウケまくっています。が、売上が芳しくないということで、ファンのみんなは「いつ打ち切られることか」って戦々恐々とする日々を送っています。今回は「生徒会選挙」をテーマに、効果的な賄賂の贈り方や礼儀正しくない怪文書の作法などを交えていつも通りのバカバカしさを貫き通す、「マンネリって批難する奴の方がマンネリじゃボケカス!」な平常運転ぶり。差し当たって6巻が最終巻にならないことを祈りつつ待つとします。ほぼ同時期に始まった『這いよれ!ニャル子さん』の方は売上的な心配こそないものの、今後の方針を巡って悩んでいるそうですね。同時期デビューと言えば『今日もオカリナを吹く予定はない』の原田源五郎はどうなってるんだろう。ガ報の12月予定になかったし、出るとしても来年か? オカリナは恐ろしいくらい話題にならなかったが、個人的には気に入っているので新シリーズを期待したい。

初の2人受賞 福山ミステリー文学新人賞

 受賞作のタイトルが『鬼畜の家』と『檻の中の少女』、なんだかエロゲーみたいですな。というか、まきいづみのエロゲデビュー作『檻の中のわたし』を思い出しました。取説の「シャホニ刀学習帳」がごく一部で話題になりましたっけ。

シャフト『虚淵玄x蒼樹うめ』魔法少女アニメっぽいシルエットに見える・・・(萌えオタニュース速報)

 このシルエットからすると片脚マジカルはなさげか。じゃあ今度は「魔法少女が光の射し込まない海底でアクティブ呪文とパッシブ呪文を使い分けながら生身の雷撃戦を繰り広げる『深く静かに詠唱せよ』」に賭けておこう。深海なので画面は常に真っ暗闇です。

・深見真の『ヤングガン・カルナバル グッドバイ ヤングガン』読んだー。

 シリーズ最終巻です。YGCは作者の出世作であり、思い入れも深いのか、今回は完結記念として特別にあとがきも付いています。毎回ダラダラしたところがなく、スピーディな展開と簡潔かつ派手なアクションの連続で畳み掛けるように話を進めてくれるところが魅力的だったシリーズだけに、「ああ、終わってしまうのか……」って少ししんみりしちゃいます。とはいえシリーズ開始から既に5年半近く、巻数も番外編を含めて12冊に達していますので、そろそろ幕を引く頃合ではありました。ともあれ、最後の本ということでボリョームも大増量、これまでは200〜250程度が基本的なページ数だったのに、かつてシリーズ最長であった『バウンド・トゥ・バイオレンス』(2巻目)をも上回って300ページ近い内容量となっています。新書2段組ですから、文庫に換算すると約1.5倍の450ページくらいに相当するんじゃないかな。「約1.5倍」の根拠は『空色勾玉』の新書版文庫版の比より。

 YGCはヤングガン、つまり「現役高校生の若き殺し屋たち」を主人公に据えたB級色の強いアクション小説で、ライトノベルというより、それ以前に流行ったバイオレンスものが有するノリに近い。兵器の名称や武術の薀蓄を垂れ流し、ひたすら銃撃戦と格闘戦に明け暮れる内容ですので、個々の巻におけるストーリーは若干印象が希薄ですけれど、懐かしむ意味も込めて各巻を振り返っていきます。1巻目はただの無印の『ヤングガン・カルナバル』、この時点ではまだ続刊が決まってなかったそうです。殺し屋の少年と殺し屋の少女、所属する組織も一緒という同僚なのに決して恋愛関係にあるわけではなく、それどころか私生活では顔を合わせる機会もほとんどなく、友人とすら言いにくいふたりをあえて主人公に設定したところが珍しかった。「少女」の方に当たる鉄美弓華はレズビアンで、ある女生徒に思いを寄せており、この1巻目で両想いフラグも立てるのだが……「正体を明かすわけにはいかない」ってな理由から結ばれたくても結ばれないジレンマに陥ってしまう。このシチュエーションが受けたのか、YGCはアクション好きのみならず百合好きからの支持も得ました。amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」を見ると深見作品に紛れて百合漫画がちょこちょこ散見され、少しシュールな光景です。2巻目の『バウンド・トゥ・バイオレンス』は「少年」の方に当たる木暮塵八の生い立ちが明かされ、宿敵と強敵も出現し、アクションシーンはますます過激にヒートアップしていく。1巻目は「へえ、深見にしてはうまくまとまってるじゃないの」程度の評価でまだそんなにはハマってなかったのですが、この2巻目で襟を正して「YGCは今後追うべきシリーズ」と認識しました。またこの巻で当方の好きなキャラのひとり、ダニエラが登場しますけれど、作者が持て余したのか以降の巻では思ったほど見せ場がなくて残念でした。ちなみにダニエラ以上に好きなキャラもいましたが、その人はヒドい目に遭って死にました。YGCって魅力的なキャラでも容赦なく殺したり拷問したり陵辱したりと結構ハードなんで侮れません。新刊を読むたびにドキドキハラハラしたものです。3巻目の『銃と恋人といま生きている実感』からクオリティは安定期へ入りました。確か新沼分隊と戦う巻だったっけ。殺し屋集団対特殊部隊。アクションものとしては他にもっと盛り上がる巻がありますけど、バトルものとしてはシリーズで一番スッキリとしたまとまりを見せます。個人的に気に入っている一冊。

 4巻目の『天国で迷子』は前後編の前編に当たり、ここまでしか揃えていないとレイニー止め状態になります。いや、「レイニー止め」って用語はもう古いか……要するに「おい、これ続きはどうなるんだよ、メッチャ気になるじゃないか!」と詰め寄りたくなるのです。悪いことは言わないから5巻目の『ドッグハウス』をあらかじめ買っておきましょう。『ドッグハウス』でYGCのストーリーも一旦区切りがつき、いわゆる「第一部・完」になります。人気がなかったらたぶんここで打ち切られていたんじゃないかな。でも幸い売れ行きも良かったようで次の6巻目、『そして少女は消えた』から新展開に突入します。新章開始ってことで、ここからでも読み始められるような工夫が凝らされていますが、やっぱり順番通りに読んでいった方が良いかと。7巻目の『愛しき日々、やがて狩の季節』は修学旅行編、韓国へ行った塵八が現地でドンパチする。弓華は韓国に行ってないのでそちらの方でも何かストーリーがあったはずだが、まったく覚えていない。この巻はそれまで脇役の位置付けにあったチェ・ミナがヒロイン級の活躍を示すところが印象的だった。作者が気に入って大抜擢したんじゃないかな、と勘繰ったり。8巻目の『前夜祭・標的は木暮塵八』から遂にシリーズの本題「カルナバル」に向けて動き出す。隠すと説明しにくいのでバラしますと、「カルナバル」とは各組織が代表の殺し屋を出して競い合わせ、その勝敗によって組織間の揉め事を決着させる、言わば麻雀漫画の「代打ち」ならぬ「代撃ち」です。8巻目は準備段階で、本番は9巻目の『開催・バンケットの死闘』以降ですが、「殺し屋のバトルロイヤル」という派手な展開にワクワクすることしきり。アクションものとしてはこのカルナバル編が最高潮。是非とも10巻目の『後夜祭・ラストマンスタンディング』まで用意し、一気に読み通して堪能すべし。11巻目の『ファイトバック・ホンコン』は『ヤングガン・カルナバル・スペシャル』と銘打たれていることからも分かる通り、番外編です。毒島が回想する過去の事件などを綴った短編集で、ファンには嬉しいっちゃ嬉しいですが、それまで860円(税込)だったのを900円(税込)に値上げしといて200ページ足らず、シリーズ最短のボリュームってのは納得いかなかった。何せ前巻から1年以上も間を空けた末に訪れた久々の新刊でしたから尚更……2ヶ月とか4ヶ月、遅くとも半年以内という非常に良いペースを保っていたYGCがここに来て遅れ出したのは、深見が他の作品の執筆で多忙になってきたからでしょうか。12巻目となる最終巻『グッドバイ ヤングガン』も同じく1年以上掛かってます。こちらは先にも述べた通りボリュームたっぷりで、話の内容もみっちり詰まっていますから文句はありませんが。ハイブリッド(弓華と塵八の所属する組織)本社への襲撃という一大イベントが発生し、ヤングガンたちは最大の危機に晒される。冗談抜きで全滅エンドがありえると思ってましたから読んでいて気が気じゃなかったです。果たして彼・彼女らは生き延びることができるのか……結末はどうぞご自身の目でご確認ください。

 シリーズとして見ればあくまでカルナバル編の3冊が最高潮で、あとの2冊は残務処理というか伏線消化試合なところがなきにしもあらずですけれど、やはり作者の思い入れが半端じゃないシリーズなんでしょう、熱意を込めてこれでもかこれでもかとネタを詰め、期待以上の面白さを提供してくれました。まさしくシリーズの総決算に相応しい内容です。作者が反省しているようにすべての要素がうまく消化できたわけではなく、「ここはもうちょっとこうしていれば良かったのではないか」な部分が多々あるものの、これだけガンガンやってくれれば充分でしょう。かつては地雷作家呼ばわりされていた深見もYGC以降は吹っ切れて、今や普通に「新刊が楽しみな作家」のひとりになりました。「普通に」とわざわざ断りを入れたのは、昔は「(ネタ的な意味で)新刊が楽しみな作家」と言えなくもなかったからです。ホント、よくあの頃からここまで伸びてくれたなぁ。

・完結と言えば、『シグルイ』も遂に終わりましたね。

 正確に申せば「無明逆流れ編」の終幕。30ページ少々の短編である原作を漫画単行本15冊にまで膨らませる(「がま剣法」とか他の試合に関するエピソードも多少混ざっていますが)のはいくら何でもやりすぎだという気がし、新刊に目を通すたび「まだ決着がつかないのか!」と焦れた時期もありました。が、やはり最終巻となると読むこちら側のテンションも段違い。ページをめくるごとに様々な想念が去来していく。戦いの趨勢そのものはやや呆気ないけれど、おっぱい眼や掛川天女など、一見して「?」なイメージの群れがその後の応酬を示唆しているあたりには舌を巻く。「栄光なき強者たち」が迎える結末としてこれ以上に残酷かつ無惨なものはあるまい。謳い文句に相応しいピリオドであり、歴史と時代に名を刻むことなく退場した者どもの幸と不幸、綯い交ぜになった軌跡が胸に迫る。「やっと終わった」という思いが湧く一方で、「ようやく始まった」って気もします。失うことから(以下略)。1巻から15巻まで、今後何度となく繰り返し読み返すことになるでしょう。オチをバラされるのが嫌で読んでいなかった原作の『駿河城御前試合』にもこれで着手できる。というか「無明逆流れ」だけ読んだけど、虎眼先生まともすぎ。目が点になった。

・拍手レス。

 ウロさんは最前線ていうWEB雑誌の連載もありますよー。
 星海社のですね。単行本の発売予定がいつの間にか11月から「2010年冬」になっていてションボリしました。

 「今回は純愛だよ! ガンアクションとかやらないよ!」とか言って出てきたのが沙那の唄だったり、久々の新作が殺戮のジャンゴだったりする人だから、全く油断が出来ないなぁ。ニトロがあんだけ尖がったライターの集団になったのは、間違いなく虚淵御大が原因の一部だと思う。しかし、Fate Zeroの後書きを読むと、なんか物書きであることに行き詰ってるようなこと言ってたけど、復活したのだろうか。
 『アイゼンフリューゲル』である程度吹っ切れたんじゃないかな、と思う。そしてニトロは虚淵御大がいなかったら尖る尖らない以前に1作目で消えていた公算が高い。つまり尖るしか道がなかったわけで。

 猫物語(白)、予約可能となったみたいです。ただ、アニメの化物語と同じように、また延期ラッシュにならないか、それだけが心配ですね。まぁ、発売日通り発売されればそれに越したことは無いんですけどね…。
 既に入荷しているところもある模様。都心では早売りされているのかしら。


2010-10-22.

・「しでん晶」の文字列を見るたびに「紫電掌」を連想してしまう焼津です、こんばんは。読みは「あきら」らしいのですが、どうしても濤羅の大哥(アニキ)が脳裏をよぎってしまう。やはり『鬼哭街』は忘れじの一本ですなぁ。

リーク通り! 『新房昭之×虚淵玄×蒼樹うめ×シャフト』 でオリジナル新作アニメをやるぞー(今日もやられやく)

 で、その『鬼哭街』のシナリオライターを務めた虚淵玄に関する最新情報がこちら。蒼樹うめと虚淵玄って組み合わせが異次元。魔法少女ものとのことですが、虚淵がやったら――男であることを隠しながら魔女活動を行っていた主人公、しかし正体が露見し、片眼と片脚とあそこをもぎ取られた末に魔女っ娘界から追放される。雌伏の時をしばし挟んで、彼はマジカルステッキを文字通り杖代わりに使いながら「案山子娘!」「人間独楽!」「ウィッチマン!」と罵るかつての仲間たちに対し容赦なき報復を遂げていく。必殺技はマジカルアイパッチ(龍紋様の眼帯)を当てた隻眼から放たれる怪光線で首を薙いで斬り落とすドラゴニックギロチン。杖はミスディレクションだった。やがて各国から招集された機甲箒パイロットの魔女っ娘たち(箒に跨る者あり、横座りする者あり、鉄棒よろしくぶら下がる者あり、サーファー姿勢を取る者あり、乗り方も国によって様々)と南海で空中決戦を繰り広げることになり――ってな『片脚マジカル対空とぶウィッチーズ』とか、そういうイカれたシナリオを上げてくることになるのではないか。「一本だったら〜、ニンジン♪」という架空のOPソングまで聞こえてくるぞ。ともあれ詳報を楽しみにしています。

第1回講談社ラノベ文庫新人賞募集「平和の温故知新@はてな」経由)

 なんで選考委員に読たんが混じっているんだろう? ともあれ、遂に講談社で少年向けライトノベルのレーベルが設立される模様です。少女向けのX文庫はあるのに少年向けがなく、青い鳥文庫はライトノベルってよりも児童文学だったので、実業之日本社文庫同様「やっとか」って感じ。で、レーベル立ち上げとなるとまずラインナップが気になるところですね。西尾維新の投入はほぼ確実と見られますが、他に目玉となるような作家は揃えられるんでしょうか。また例によってエロゲーライターばっかりだったりして。個人的には中島望のバイオレンスものをふたたび要求したいところですが……ルシフェルよりもフルコンタクト・ゲームの系統を特に希望。格闘要素のあるライトノベルは割と多いけど格闘に特化した作品はあまりないし、あっても続かないのが泣き所。電撃の『学園武芸帳』は好きだったのに2冊で打ち切られ、その後の新シリーズも同じく2冊で終了、そして作者である白井信隆(三雲岳斗や志村一矢と同期)はそのまま消えてしまった。思い出すだに遣る瀬無い。

・町田康の『どつぼ超然』を読んだ。

 ただ、死ぬまでは超然と生きる、ということである。というか、超然と生きざるを得ない、ということか。
 ほほほ。
 善哉。

 飄然たる人生を標榜して東京のあちらこちら、具体的には「早稲田、江の島、上野、銀座、高円寺など」へ赴いて遭遇した出来事やそれについて思ったことを綴る、小説ともエッセイともつかない散歩記『東京飄然』の続編。思い立って「田宮」というところに引っ越す場面から始まりますが、連載時のタイトルが『熱海超然』であったことを考えると「田宮」は「熱海」のもじりなんでしょう。つまり、前作よりも虚構性が強まった内容になっています。「本作品はフィクションであり、実在する人物、および団体等とは一切関係ありません」なる但し書きも付いているものの、たぶん実際に出くわしたイベントをそれなりの頻度で織り込んでいるんだろうし、やっぱり小説とは言い切れないかな。もともと町田康の読み物は虚構と現実の区分けが曖昧で、エッセイなのに無茶苦茶なオチをつけることもたびたびあり、深く勘繰らずに読むべきと判断いたします。

 飄然としたかったけど全然ちっとも飄然とすることができなかった、という形で終わった『東京飄然』に対し、今回は趣旨を変えて「超然」の境地を目指すというか体現しようと悪戦苦闘いたします。何が起ころうと少しも動じず「ほほほ。善哉。善哉」で乗り切ろうとして、時には乗り切れるが、乗り切れず腹を立てることもある。そんな日々をみみっちくナンセンスな筆致でおかしみ込めて垂れ流していく。「喜怒哀楽を自らの意思で自在自由にリミックスしながら」という一文が本書を分かりやすくアテンドしています。もっともらしい理屈を捏ねつつ、明らかにいい加減な解説を加える町田節は健在だ。『二十四の瞳』を「瞳が二十四ある女教師」の話であると言い出す(それはどこの複眼令嬢だ)くらいは軽い方、終いには「山羊たちは国家と触れ合っていた」などという迷文句が飛び出す始末。不味さの表現として喩えに出される「味覚の自爆テロ」といい、いったいどこから湧いてくるのか不思議でやまない言葉の数々に脱力して放屁すること請け合いです。「超然」という遥かな到達点のずっと前の段階で試行錯誤し、思考を煮詰めていく作者の凛々しい横顔が時として空想されるが、恐らく錯覚であり気の迷いだろう。

 ビーチで浴衣を着たままキャッチボールする娘――その超然たる有様に敗北を認め、「余はこの世を去ることにするよ」と死に場所を求めて島に行き彷徨する第二章の「渡海」が100ページ以上も延々と話を引っ張り続けるため、さすがにそこはダレたというか読んでいて疲れたが、第三章の「触れ合い」や第四章「ただ一切が過ぎていく」は程好い分量に収まっていて良かった。が、『東京飄然』を読んだことがない人、そもそも町田康の本を手にしたことがない人には薦めづらい一冊であったし、正直町田ファンに対しても「すごくオススメ」と推せるほどの内容ではなかった。インスタント味噌汁にお湯を注ぎすぎて味が薄くなったものを「アメリカン味噌汁」と称したりするが、その伝でいけばアメリカン町田な感じか。「定期的に町田成分を摂取しないと死ぬ」って人は推されるまでもなく目を血走らせて引っ掴み、ゴクゴクと一気に読み干すでしょうから、どうせ無理してヨイショする必要もない。今月の本命は書き下ろしの『人間小唄』ですね。これとこれがほぼ同時発売なんて嬉しすぎて中身を読む前から絶頂。

・拍手レス。

 『化物語アニメコンプリートガイドブック』がアマゾンで予約可能となりましたが、猫物語(白)と同時発売まであと一週間というところまで来て、発売延期なんてことにならなければよいのですけれどね・・・。講談社は僕のチャット仲間の間でも「小説の延期をしすぎだ」「流水大説改めpowersの選評が編集員達の胸先三寸で選んでいる節がある」「流水大説とpowersの受賞者を使い捨ての消耗品にしている」と評判が悪く、週刊マガジンの最近のメディアミックス展開においても「ネギま!やフェアリーテイルばかりをプッシュしすぎて萎える」「ジャンプは色々と言われているけれどワンピースやナルトやバクマンなど、アニメ化・ドラマ化・実写映画化された作品はきちんとメディア関連の記事で宣伝してるのに、マガジンはネギま!とフェアリーテイルの二作品しか宣伝しないのか」「絶望先生のアニメやハンマーセッション、ブラッディ・マンディのドラマが放映されていた頃は全然取りあげてなかったくせに、ネギま!のOADやフェアリーテイルのアニメの情報を載せているのは、編集部に偏見的な何かがあるとしか思えない」と、マガジン編集部に対しての批判を言っていました。講談社BOXにしろ、週刊マガジン編集部にしろ、AKB48のような阿漕な売り方をしたり、特定の作品しかプッシュしなかったりと、かなり汚い商売をしてますよね。まぁ、汚い商売をしていてもそれなりに実績のある出版社の方が買い手にとって一番いいのは分かってるんですけど、それでも講談社は作品の売り方を少し見直した方が良いのではと思うのですが・・・。京極夏彦先生が講談社の編集者であった太田氏と京極堂シリーズの売り方について大喧嘩して、京極堂シリーズを別の出版社に移籍させたというのは、有名な話ですしね・・・。
 『猫物語(白)』、この期に及んでまだ注文可能にならないというのも凄い。日に日に「本当に出るのか?」ムードが高まっていきます。


2010-10-18.

・藤原祐の新作『煉獄姫』をやっとのことで読み終えた焼津です、こんばんは。発売が8月で、買った直後からちまちま読み進めていましたので、かれこれ2ヶ月以上も掛かった計算になります。話がつまらないとか盛り上がらないとかではなく、「無垢なる毒花」を体現するヒロインのアルトがめっさ可愛くて一気に読み通すのが勿体無かったため、舌先でゆっくりと焦らすように味わっておりました。「電撃文庫の黒い太陽」とも称される藤原の作品にしては今回毒っぽさが弱い(皆無ではありませんが)こともあり、過度にドキドキハラハラせず安心して堪能できたって事情も絡んでいます。

 生まれつき「煉獄」と呼ばれる毒気に満ちた異界と繋がっているせいで地下の牢獄に幽閉されている王女と、彼女を守るために身を尽くす少年騎士、このふたりを軸とする魔法ファンタジーです。ちょっとばかしダークな要素も絡んできますが、読者の心をベッキベキに折るほどではない。毒々しいまでの個性で鳴らした藤原祐にしてはえらくおとなしめの内容です。なのでファンは戸惑うかもしれませんが、新規の読者にはちょうどいいかも。主人公とヒロインの戦力が反則気味に高くて敵を一方的に叩き潰す感じだから手に汗握るバトルを求める方には合わないでしょうけれど、「主人公が弱いとイライラする」って人には最適な無双ぶりであるかと思われます。そして無造作に雑魚を殺戮する凶悪さとは裏腹な可愛い側面をちょくちょく覗かせるヒロインには心の芯まで蝕まれること請け合い。どっちかっつーとアルトは普通の物語じゃ悪役サイドに位置するタイプの造形をしているんですよね。「言われるがままに殺す、生きた兇器」みたいな娘。そういう子が登場するたび「こっちがヒロインだったらいいのに、凍てついた心を溶かしたいのに」って考える当方にはまさしくうってつけの一冊でした。続刊も楽しみですが、あとがきの「二巻はできれば今年中にお届けしたく思います」はどうやら叶えられそうにない。12月までの刊行予定にありませんので。でも打ち切りではない、きっと来年には出るはず……と信じて待つより他ない。来月は来月でまた別の新作が発売されますから、これっぽっちも寂しくないですよ。

light、『PARADISE LOST』新装版の公式ページをオープン

 発売は2011年とだけあり、価格も未定と、製品仕様に関する詳細はあんまり決まってないのが難。用語解説等が記載されたGlossaryは読んでいて楽しいものの、「ちなみに、ヒロインであるリルは〜」とあっさり設定を明かしている箇所もあるため、ネタバレを気にする方は注意してください。正田崇とGユウスケの新作体験版も付くという話だし、これは買わねばなるまい。新作体験版がなくても追加エピソード5本(「Judgment Days」「The Liar」「An Old Snake」「Apostle of Sin」「Overthrow of Kaether」)を目当てに購入していたであろうが。

あの漫画家、あの作者は今・・・(ハムスター速報)

 小川雅史はどうしてんのかなー、と思ったら来月に『キン肉マンレディー』の2巻が出るみたいですね。作家だと高畑京一郎、『キッドナップ・ブルース』はどうなってるんですか……メディアワークス文庫の創刊からそろそろ1年が経つというのに、創刊前から告知されていた高畑の新作が未だに出てないなんてあんまりですよ。他は横山秀夫とか宇月原晴明とかが気になる。特に横山秀夫は『64(ロクヨン)』の告知が何度か出ていただけに「まだなの?」感が募ります。海外作家ではジェイムズ・エルロイの邦訳がここ数年出ていませんが、去年に“アンダーワールドU.S.A.”三部作の完結編に当たる "Blood's a Rover" が原書で発売されましたので、そう遠くないうちに日本語版も出るはず。相当な大作らしいです。エルロイは今年にも "The Hilliker Curse: My Pursuit of Women" という回想録めいたエッセイ集を出版しているそうで、これもいずれ翻訳されるかと。

『エクスペンダブルズ』観てきましたー。

 タイトルは「消耗品」とか「使い捨て」の意。この映画、予告編を観て「豪華キャストだけが取り柄の、文字通り『消耗品』な映画だろうな」と感じた方も多いでしょう。当方もそう思ってました。実際否定はできない。シルヴェスター・スタローン 、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、ミッキー・ローク……本当に出演陣は絢爛たるもので、「あとはこいつらの見せ場を作ればいいだけじゃん、それで終わりじゃん」であり、シナリオづくりは単調極まりなく、心底やる気が感じられません。予告編でストーリーに全然触れられていなかったことからそっち方面にはまったく期待していなかったが、案の定「傭兵軍団が独裁者の支配する島で大暴れ!」の一言で済む内容に留まりました。「消耗品」というタイトルから「俺たちの代わりなんていくらでもいるんだぜ、ベイベー」な自虐的哀愁を嗅ぎ取ろうと身構えていたのに、本編はそういう気配が希薄。ないでもないかな、程度。これなら邦題を『おまかせ!悪党どもブチ殺しファッキン・ソルジャーズ』とか『脳筋ゴミ屑バスターズ、南米に行く』に変えられても疑問は湧かなかったに違いない。とりあえず、人間が一瞬でミンチ肉になる描写を眺めて「楽しい」と思わない方にはオススメできません。

 なんかもうアレですね、中学生レベルを通り越して小学生レベルに達してますね。「ズガンズガンズガン! ドカッ! バキッ! バンバンバン! ドッカーン! ボッカーン!」と口で叫ぶだけでテンションが上がっていく、あの小児めいたノリに近い。でもR-15指定なので子供は見ちゃダメです。音響・火薬・細切れカメラワークの厚化粧でごまかしている部分も結構あるものの、なんだかんだで見せ場に入ればアドレナリンが噴出しまくることは確かであり、頭からっぽにして観れるド派手アクション映画が好きな人は是非とも公開しているうちに劇場へ走るべきです。空薬莢と血飛沫と爆発音が織り成す野卑で粗暴な男の子ファンタジーを隅々まで堪能し存分に興奮するがいい。スタローンの「マッチョパンチ! マッチョキック! マッチョ飛びつき腕ひしぎ十字固め!」と年甲斐もなさが炸裂する各種アクションは大味なため正直言ってだんだん飽きてくるが、ステイサムの適度にケレン味が入った戦闘スタイルは個人的にツボでした。肉弾戦とガンアクションを程好くミックスさせたガン=カタチックなバトルシーンは勃起モノ。それらに加えて更にクナイ風のスローイングナイフまで飛び出すのだから射精級です。

 「金ばかり掛かったクソ映画」と謗られても仕方ない面は確かにありますけども、生半な批判など柳にWindのド迫力。クソはクソでもここまで行けば快便でしょう。スカッとするような頭の悪さで、凶暴かつ純真な童心を忘れないろくでなし野郎の股間とハートを鷲掴みします。女優もそれなりに活躍しますが、あくまでメインは暑苦しいタフガイども、始まりから終わりまで一貫してムサい男祭りだ。ウブな子供に見せたらたちまち精通することになりかねない野蛮なエクスタシィが破裂寸前まで詰まっている。難しいことを抜きにしてただひたすら滾りたい人にはうってつけの一本でした。ちなみに、チョイ役ながらアーノルド・シュワルツェネッガーやブルース・ウィリスも出演しています。シュワとのツーショットは別撮りかと疑うほどハメコミ臭がすごくて笑える。Wikipediaの記述によるとセガールやヴァン・ダムにも出演依頼があったそうだが、もし実現していたら笑いが止まらなかっただろうな。続編もマッシヴ楽しみ。

・ふとカウンターを見て20万ヒット超えてることに気づいて驚きました。移転前の旧ページが80万超なので、合わせると100万ヒット突破じゃないですか。うちのカウンターは何度か消えたりやり直したりしてるのであまり正確な数字じゃないですけれど、それでも感慨深い。いつの間にやら開設から7年半。今後もちまちま好きなようにやってこうと思います。


2010-10-15.

・不意に「『ショート寸前』と『どつぼ超然』は少し似てる」と思った焼津です、こんばんは。疲れているのだと思います。思考回路はどつぼ超然。今すぐ読みたいよ。

「痛み」って生存センサーとして過剰すぎなくないか?痒み程度の感覚で良かったよね(暇人\(^o^)/速報)

 「痛みを恐れることで行動が慎重になる」という効用はあるかもしれませんが、「時として死を選ぶほどの痛み」が存在することは本末転倒としか思えない。『闇よ、我が手を取りたまえ』にも「痛覚は過剰すぎる。神はなぜそれを人に与えたのか」という問いが出てきたが、それに対する答えが書かれていたかどうか記憶に残っていない。それはそれとして足の親指の爪が剥がれた際に生じた痛みはハッキリ言って地獄でした。親指を治療するため、剥がれかかっている爪をバリッと完全に剥がさなくてはならないって知ったときの衝撃と言ったらもう。反対に足の小指の爪は剥がれてもしばらく気づかないほどだった。

・東野圭吾の『白銀ジャック』読了。

 実業之日本社文庫、創刊ラインナップの一冊です。帯にデカデカと「東野圭吾待望の新刊 いきなり文庫!」って書かれているせいで勘違いしそうになりますが、本書は別に文庫書き下ろし作品というわけではありません。一昨年から今年にかけて雑誌連載したものを、通常ならば一旦ハードカバーで出版して3年後くらいに文庫化するところを、特例としてハードカバーの過程をすっ飛ばしていきなり文庫版で出した――ってな意味。東野圭吾くらいのベストセラー作家が「ハードカバーの過程をすっ飛ばす」というのはかなり異例です。ハッキリ言って懐に入る印税様が全然違ってきます。創刊第1弾の目玉としてはこれくらい欲しい、と実業之日本社も気張ったのでしょう。ぶっちゃけ少しビックリしたぞ実業之日本社文庫。関係ないけどレーベル名長くていちいちタイピングするのが面倒くさいぞ実業之日本社文庫。ていうか、むしろ今までなかったのが不思議な方だぞ実業之日本社文庫。ここは小説系新書レーベル(ジョイ・ノベルズ)を持っているのに小説系文庫レーベルがずっとなくて(漫画文庫はあったらしい、検索しても『静かなるドン』しかヒットしないが)、自社で出した東野圭吾作品、たとえば『殺人現場は雲の上』『交通警察の夜』(文庫版は『天使の耳』と改題)、『レイクサイド』など、全部他社の文庫レーベルに取られていたんですよね。Wikipediaによると創業は明治30年、なんと前々世紀であり、113年に渡って「実業之日本社文庫」が存在しなかったというのだから「むしろ今までなかったのが不思議」という意見がこぼれるのも仕方ないことです。ちなみに来月には念願の『狙うて候』文庫版が刊行されますよヒャッホイ。村田銃の製作者にスポットを当てた内容で、長さ(文庫だと860ページもある)に見合う読み応えが詰まっており、とてもオススメです。

 脱線が激しくてすみません、話題を『白銀ジャック』に戻します。タイトルの「白銀」で連想される通り、舞台は雪上、もっと言えばスキー場です。「ゲレンデのどこかに爆弾を仕掛けた、客の命が惜しければ身代金を払え」と書かれた脅迫文が届けられ、これにどう対応するかスキー場の関係者が頭を悩ませる……というもの。ゲレンデは広いし、パッと見ただけでどこに爆弾が埋まっているかも分からない、客を全員避難させ、警察を呼んで捜索してもらったとしても、爆弾を見つけるかあるいは「爆弾はどこにも仕掛けられていない」と証明することは甚だ難しい。だいたい、ジャック犯にタゲられたことが世間に知れた時点で風聞被害は相当なものになるだろう。客は去り、代わりにハイエナのようなマスコミが群がって、スキー場の経営は終わったも同然となる。苦境に立たされた職員たちは、それでも己のできることを精一杯やって事態に対処しようと懸命に頑張ります。「雪上のミステリ」ということで『鳥人計画』を思い出しましたが、野心的な作品であったあちらに対してこちらはやや保守的な仕上がりとなっている。スキー場の関係者たちを中心に、様々な登場人物の思わせぶりな行動を綴っていくストーリーはなるほどなかなかサスペンスフルですが、「脅迫者との遣り取り」を主眼として展開していく物語は面白さこそあるものの新鮮味に欠き、あんまり波乱に満ちていないため緊迫感も薄めで、ともすれば「地味」という印象を得る場面もあります。ちょっとした工夫(脅迫犯におとなしく従おうとする派と、「脅迫犯の尻尾を掴もう」と積極的になる派に分かれたりする)で読者の興味をそそって簡明な文章を保ったまま最後までぐいぐいと引っ張っていく腕はさすがなものの、クライマックス付近はちょっと「キャラが作者の都合によって動かされている」感じがしました。もっとキャラの個性を光らせる筋書きも組めたのでは、と惜しまれる。

 面白かったけど、更に練り込んで目玉となる要素を増やして欲しかったな、ってところ。裏表紙に書かれているあらすじもいささか煽りが過剰気味です。「山中でのトリッキーな身代金奪取」とか「血に染まった禁断のゲレンデ」とか「犯人との命を賭けたレース」とか「圧倒的な疾走感で読者を翻弄する」とか、いくら何でもフカシすぎでしょう……まるでC級映画をごまかすアルバトロスのような口振り。読み終わった後に見ると素で笑ってしまいますよ。新作なのに安価で手を伸ばしやすい、という点は賞賛いたしますが、過大な期待を抱かせる宣伝には感心しません。あらすじに関しては半分くらい割り引いておくべし。

・拍手レス。

 イマコシステム買いました!前々からネットで画像(媚薬のくだり)をみてイナフ!と一人悶えていたので衝動買いしてしまいました。自分もメガネっ娘は好きではないですがイマコさんは違うよさがありますよね
 イマコさんは眼鏡ありのシーンと眼鏡なしのシーンがあって、個人的には眼鏡なしの方が好きですが、それでも眼鏡掛けてるシーンで「眼鏡外してくれよ」とは思わなかった。着脱を超えた魅力がヒシヒシと伝わってきます。


2010-10-10.

・普段は眼鏡っ娘にいまひとつ食指が動かないけれど、『イマコシステム』のイマコさんは辛抱たまらんかった焼津です、こんばんは。

 主人公を蹴ったり叩いたりなど暴力的なシーンはいくつかありますが、小柄でパワーの出力も低いため痛くないそうです。威嚇しながら「撫でて」オーラを出しているような構われたがりのヘタレ勝気っぽさが実にそそる。ぶっちゃけ、エロシーンの大半が妄想で、それを気づかせるために非処女だったイマコさんが処女に戻ったりなど矛盾する要素をわざと仕込んでおり、読む人によっては「ナシだろ、これ」と非難したくなるかもしれません。が、慣れてくれるとこれが妙に癖になって繰り返し読みたくなってくる。一歩踏み外せば「誰得」と謗られて終わりになるところでしたが、うまく踏みとどまって俺得マンガに仕上がってくれました。つまりこれは誰もが持ち得るプライベート・ヘブンとプライベート・ヘルを巡る物語ではないかと。うーむ、ネタバレを避けようとするとどうしても奥歯に物が挟まったような言い方になっちゃう。オススメするには躊躇うが見かけたらとりあえずチェックしてみて、といった塩梅。

lightのwebラジオ「Happy light Cafe」が最終回、パラロス再販とかDiesの赤本とか正田の次回作とかてんこ盛り

 ま、待て待て待て……新情報が多すぎて混乱するじゃないか。順々に整理していこう。まずパラロスこと『PARADISE LOST』。近日中(今月中旬くらい)に新しいOHPが公開されるそうです。旧版のページはロットアップに伴って消されちゃったんですよね。で、再販verの追加部分は“TECH GIAN”のおまけシナリオ3本と、販促用小冊子に掲載されていたショートストーリー2本。TG版のみならずSSの方も素材を作り足したうえゲーム形式で収録するんだとか。また来年発売予定の正田崇新作の体験版も併録されるらしいが、これについてはまた後ほど触れます。次にDiesの赤本(仮)。これは黒本・白本に収録できなかったCGを中心とした冊子になるとのこと。冬のイベントに向けて企画進行中、おまけ要素もいろいろ入る模様です。「俺(正田崇)の脳内を垂れ流す」という発言も。クンフトが黒(マキナ)でファーブラが白(シュライバー)だったから、満を持しての赤(エレオノーレ)。正田も「俺の嫁」と言い張っています。「エレオノーレのCGだけ、俺がエレオノーレについてアツく語る」「どれだけこいつが可愛いかっていうのを俺が語り尽くす。100ページくらい書く」とエレ姐愛にまみれたライター特権レーヴァテイン抜き放って俺得祭りを開催しようとするも「やめろっつってんだよ」と周りから制止され矛を収めていた。で、皆さんお待ちかねの正田崇シナリオ次回作。タイトルはまだ公開されていませんが、「早口言葉みたいなタイトル(日本語)」で、完全和風テイスト。シナリオから外来語を排し、CGの塗りも変え、BGMも尺八とかでやる予定と語っています。再販版『PARADISE LOST』に体験版を収録することを目指して制作進行してるそうです。赤本にも情報を載せる予定。OHPの公開は年末か年明けくらいになりそう。正田曰く「ヴィルヘルムファンとシュライバーファンは絶対やれって感じ」。こりゃ新作にもきーやん出てくるフラグ立ったかな。ほか、正田の新作以外にも未発表の新作があるそうな。超能力とか出てきてバトルもあるけどバトルオンリーじゃない、ヴァンパイアをモチーフにした伝奇ものっつってるが、そういえば以前のラジオで語っていた「スペースオペラとかSF要素入った新作」と「アンドロイドみたいな人形が出てくる、部分的にDiesとネタが被った伝奇もの」はどうなってるんだ? ポシャッたの?

 最終回なのにほとんど正田関連の話題に占められていたわけですが、ホントに正田は働くときと働かないときの差が激しい。それに付き合うディレクターのまゆきも大変だな。

秋の新アニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』第1話・・・ある意味オリジナルアニメだけどどうなんでしょ(今日もやられやく)

 とりあえずヒロインの名前が探偵由来であることは分かった。上からシャーロック・ホームズ、ネロ・ウルフ、エルキュール・ポアロ、コーデリア・グレイ。ヒロインの名前がシャーロックというのも大概だが、エルキュールって……ヘラクレスのフランス語読みじゃないですか。それで怪力設定になっているのかしら。

・拍手レス。

 レイセンは読みきりの銃神様が出てきたのが驚きました。まさかこの人が敵役とは……
 「まっくるいぇーがー、ばんばん!」なんて読み切りがあったんですか。『不夜城』のせいで「半々(バンバン)」を連想してしまうがどうでもいい。

 講談社BOXの編集長はあくどい売り方するくせにやけに人望がありますよね。
 買い手としても「良心的な商売に努めた結果潰れる」ところより「阿漕な売り方をしてでも生き延びる」ところの方がいいんですよね、本当は。後者は「まだ買い続ける/買うのやめる」と選択の余地がありますけれど、前者は「もう買えない」の一択ですから。


2010-10-07.

・処女のヒロインたちが何か発言するたぴ「うるせえ! 黙れよこの在庫が!」と喚き散らす非処女厨が主人公のエロゲー『いん・すとっく!』を戯れに構想してみる焼津です、こんばんは。

 「中古」の対義語は「新品」ですけど、それだと罵りのニュアンスが出ないなぁ……かと言って「デッドストックマ○コ」はキツすぎるし……と思いながらamazonのページを眺めていてアイデアが浮かんだ次第。18禁らしく「いん」を「淫」に変えてもいい気がするけど、ネタとして分かりにくいし、やっぱりひらがなでいいか。要は『厨恋 −処女厨は中古に恋してる−』の逆パターンです。純真・清楚・無垢・貞潔・一途、なのにそれぞれ淫蕩の素質を持つという、まさに男の欲望を凝り固めたような周囲の生娘たちに違和感を禁じえず「お前らは存在そのものが不自然だ」と唾棄してビッチ信仰へ傾斜していく主人公。とりあえず乙女臭い言動と仕草を排して経験者ぶってみようとするが、過剰な恥じらいと曖昧すぎる口調が邪魔をして、結局鼻で笑われるヒロイン。

「く、口でするのって、あれのことだよね。し、知ってるもん、余裕で知ってるもん」
「あれって?」
「へ、へらちお……」
「舌が回ってねえぞ」

 彼女たちは隠しても隠し切れぬ未通女オーラにただただ苦悩する。「他の男で捨てる」という選択肢はその純真さ、その清楚さ、その無垢さ、その貞潔さ、その一途さが許さない。

「つまり、くぱぁって確認するまでは処女と非処女が重ね合った状態……こうした『シュレディンガーの膜』的な思考実験に従えば、私=半非処女と申しても過言ではありません!」
「真性のアホがここにいることは理解できた」

 拙き篭絡の腕を振るっては空回る穢れなきヨゴレたち。押してもメイデン、引いてもメイデン。いつまで経っても品切れなしの「在庫あり」。千日手のような関係にピリオドが打たれるときは来るのか。キャッチコピーは「聖らかなること、それが女の救い難き原罪」――あれ? どっかで見たような記憶が。

 何であれ、処女だの非処女だのという「聖女と売女」めいたレッテル貼りは男の業としてもっと掘り下げていっそのこと貫通してほしいテーマだが、今の時代の流れからするとエロゲーでそこらへんを攻めるのは難しいでしょうね。『この中に1人、経験済がいる!』とかせいぜい低価格ソフトでやるのが関の山。

 どうでもいいが「せいそ」と打つたびに「しんえんかんぎちょう」と続けたくなる戦国七雄の呪いは未だに健在で軽く畏怖しました。覚えてからほとんど使う機会ないのに、それでも忘れられないとは。暗記って不思議。

『いつか天魔の黒ウサギ』アニメ化企画進行中(主にライトノベルを読むよ^0^/)

 あの不憫可愛いサイトヒメアが遂にアニメで動くのか。しかし榎宮祐の絵は色の使い方からしてあんまりアニメ向きではない気がして不安高まる。反面、いつ天がうまく行けば連鎖的にグリパケもアニメ化するのでは……と期待漲る。ケータイで魔法をダウンロードしてバトる描写はアニメ映えするだろうからいっぺん観てみたいです。

理論社が民事再生法申請

 ここの出版物で比較的最近に読んだのは『倒立する塔の殺人』。っていうか“ミステリーYA!”終了か……まだいくつか刊行予定があったはずだけど、それはどうなるんだろう。

【ノーベル文学賞】ペルー出身の作家、バルガス・リョサ氏が受賞 村上氏は逃す

 リョサは最近『緑の家』の新装版が岩波文庫から出ましたね、タイミングがいい。当方が読んだことあるのは『楽園への道』だけですが、登場人物に向かって語りかけるような文体がハマっていて面白かったです。来年1月には『チボの狂宴』という大作も出版されます。税込で5000円を超えるんで、あんまり買う人いないのでは……と他人事ながら不安でしたけど、こうして話題になればまず安泰でしょう。よかったよかった。

・神秋昌史の『オワ・ランデ!』読んだー。

 第9回スーパーダッシュ小説新人賞「大賞」受賞作。副タイトルは「ヤレない貴族のオトシ方」とありますが、応募時は「夢魔の貴族は焦らし好き」だったそうです。応募時の副タイトルを見れば分かりますように、本書のヒロインは夢魔――いわゆるサキュバスです。訳によってはスクブスとも表記されますけれど。エロゲーではちょくちょく見かけるサキュバスヒロインなれど、ライトノベルでメイン級に持ってくるのは珍しい……と言いたいが実はそんなに珍しくない。『ご愁傷さま二ノ宮くん』のメインヒロインもサキュバス(ただし男性恐怖症)だったし、『ツイてない!』なんて副タイトルが「悪魔のしもべはサキュバス男子」であり、つまり主人公が性転換させられたうえサキュバスになってしまう話らしい。読んでないので詳しいことは知りません。ともあれ、『オワ・ランデ!』。「ヒロインがサキュバス」というだけでは売りとして弱い。そこで作者はいくつか捻りを加えてきました。まず、サキュバスはサキュバスでも下級のそれではなく、強大な力を持った貴族ということにされている。彼女、ロセリアーニは生まれつき並外れた吸精力を持ち合わせており、本気で行くと相手を吸い殺してしまう。そのためまだ一度も性交渉をしたことがないという、ガチガチ鉄壁の処女サキュバスなのです。ゆえに副タイトルに「ヤレない貴族」なる珍妙な言い回しが出てくるわけだ。童貞を捨てたくてサキュバスを召喚したのに、「セックスどころか素肌に触るだけで死にますよ?」とやんわり断られてしまい、悔しくて切なくてヤリたくて諦められない主人公はあの手この手を駆使して迫ったり飛び掛ったり、どう考えても寸止めに終わる運命の蛮勇を「草食系なんてマジ勘弁」とばかりに延々と振るい続ける。ライトノベルでここまで執拗にヒロインをレイプしようとする主人公もなかなかいません。

 「ライトノベルだからあまり露骨なエロシーンは書けない」という制約を逆手に取り、「ヤレない状況」そのものを読みどころにしているのが巧い。ヒロインはサキュバスなので人間的な貞操観念を持ち合わせておらず、主人公のがっつきをいなしつつも決してセックスそのものを忌避しているわけではありません。その証拠に、サキュバスの誘気に当てられて性欲亢進しているひめみ(主人公の幼馴染み)を指して「今すぐにでもできますよ!」と笑顔で言ってのける。なんという女衒。なんという遣り手婆。彼女が主人公を拒否するのは、ひとえに主人公を死なせないようにするためです。相手のことを想って吸精しないのです。「好きだから、吸わない」に近いんですよ。主人公が蛾とすれば、ロセリー(ロセリアーニの愛称)は火。飛び込もうとする蛾を焼かぬようヒラリヒラリと躱しているわけなので、通常のラブコメに見られる「乙女の貞操を守るため、エッチな主人公の仕掛けるセクシャルハラスメントを100tハンマーとかで叩きのめす」ギャグ描写とは根本的に異なります。優しさゆえに拒む、この倒錯にグッと来る。ロセリーが主人公を心底うざったい、死ねばいい、消えろ、と願うなれば、好きに飛びつかせてそのまま吸い殺せばいいのであって、彼女の接し方は「焦らしこそ思い遣り」ってことをこれ以上なく伝えてくれます。男はどうしても「ヤラせてくれない女なんて……」と思ってしまいがちなので、たとえ物語の上であっても「焦らし」を正当化するのは難しいんですよね。その点『オワ・ランデ!』は寸止めの理由付けがヒロインの魅力に直結する形式となっていて、実に無駄がない。「必ずエロがなくてはならない」っちゅう、ライトノベルとは逆の制約に悩まされるエロゲーじゃ決して実現できない発想です。まあ「仏の顔も三度まで」という諺もありますし、たーまにロセリーの我慢も底を尽きそうになったりしますが。ちなみに、気になっている人もいるでしょうからいい加減解説しますが、何度見ても関西弁を連想せずにはいられないタイトルの『オワ・ランデ!』、これはサキュバスを始めとする異形が棲む世界「シンティア」の言語で、呪文の結びとして唱えられます。マントラで言うところの「ソワカ」であり、作中では「めでたしめでたし(オワ・ランデ)」って感じでルビとして振られている。関西弁っぽいのは、シンティア語の仕様です。中には「タコヤーキ」という作者自身意味の分からない単語まで存在する始末。

 設定の妙味もさることながら、ヒロインたるロセリーも単純明快に可愛いです。深くローブを被った姿で登場し、「ツラ見せんかい」と要求する主人公に向かって素顔を晒し『わたしのツラですっ』とにっこり微笑むシーンでもうギュンと来たね。心臓がこう、ギューンって。愛読書がエロ本なのに読んでいる様子が変にほんわかしているのもたまりません。前々から主人公たちの住む世界「アンツェ」に憧れており、召喚されて「わあアンツェだアンツェだ〜」と子供の如く瞳をキラッキラさせて喜んでいるのがマジかあいいっス。新人ながら掛け合いのテンポが良く、キャラの個性を際立たせるのと並行して無理なく萌えとギャグを両立させている。少なくとも会話芸に関しては合格でしょう。絶対に2巻も買わねば、と思う出来でした。しかし、すべてを手放しで賞賛できるかと言われたら、そうでもない。引っ掛かる部分もいくつかあります。

 たとえば、進行の遅さ。掛け合いの楽しさを重視するあまりか、ストーリー展開が「これってエロゲーの体験版か何かか?」と錯覚しそうなほど遅々とした歩みになっています。主人公がヒロインを召喚する場面から始まるのに、「街を案内しよう」と外に出るのが91ページ目。それまではずっと設定説明を交えた会話とドタバタラブコメ的な遣り取りが続く。気の短い人やノリが合わない人は早々に放り出してしまうかもしれません。全体が370ページと結構なボリュームだから冒頭の展開が異常に尺を喰っているわけじゃありませんが、以降もそんな調子ですので、起こるイベント自体はごく少ない。ネタバレしない範囲で1巻の内容をまとめると、「主人公がヒロインを召喚する→ヒロインと外出する→家に戻る→翌朝学校に行く→帰宅する→翌日学校をサボってある場所に行く→エピローグ」です。時間経過で申せば、たった3日間の出来事。思い返して濃密な3日間であったかと言ったら、そうでもない。実際の量はともかく、体感的にはなんだか短く思えるんですよね。それだけ夢中で読み耽っていたのだ、とも言えなくはないんですが……それと、問題はシリアスパート。話をまとめるためにギャグやラブコメでは足りないからと、「召喚の負の側面」に焦点を絞っていきますが、それが面白さに貢献しているかどうかは微妙なところ。主人公も性欲を満たすことばかりが目的ではなく、他の狙いもあって召喚に踏み切った事情があり、またロセリー以外の貴族の思惑なども絡めて結末に向かっていくけれど、コメディパートの凝り具合や熱の入りように比べて地味な印象は拭えません。エグいところが多いのもアレですね。ヒムラーが魔王を召喚するためにユダヤ人を生贄にしただとか、サキュバスの貴族がその気になったら人間界は簡単に滅びかねないとか、洒落で片付けられない要素が転がっていて軽くヒきます。見た目と内容の乖離だと、危うくヒロインの顔が硫酸で焼かれるところだった『スイーツ!』の方が上であり、『オワ・ランデ!』はまだいくらかコメディとシリアスの棲み分けがきっちり為されている。が、ふたつがハイブリッドするところまでは行かず、やっぱり乖離感は多少残ってしまう。率直に述べれば「読んでいて満遍なく面白かったけど、ここぞという場面での盛り上がりに欠ける」ってふうになります。

 タイトルが脱力モノだし、「サキュバスを召喚してヤリまくりハッピーライフのはずが、呼ばれて飛び出てきたのは超が付くほどのノットさせ子で絶望!」というあらすじにも「やれやれ末世な末世なマッセナ」と溜息をついて、事前にはまったく期待していなかった(それどころか半ば地雷処理のつもりで挑んだ)のに、いざ目を通してみれば思わぬアタリ。歓喜が止まりません。難点もあるにせよ、ヒロインが魅力的かつ読んでいて退屈しない時点で個人的には買った甲斐があった。萌えに頼ると「本文<イラスト」になってしまいがちなのがライトノベルの宿命だけど、これに関しては本文の良さとイラストの良さがイイ調子で拮抗しています。曲がりなりにも大賞を取っただけのことはあるぜ。同時受賞作の『ニーナとうさぎと魔法の戦車』も、まだ読み始めたばかりだが面白そうだ。跪いて命乞いしてでもサバイヴしようとする主人公の生き汚さが良い。期待できる。期待させてもらうとしよう。

・拍手レス。

 猫物語 白 10月発売確定したみたい。
 講談社BOXの「確定」はいまひとつ信用ならない。『四方世界の王6』とか『東山エクレール』とか、いつの間にか予定から消えてますし。

 「さよならシネっ」は確かに萌えた。あれはフラグ立ってるんですかね?それにしても婦人警官出てこないな…。
 婦人警官……? と一瞬素で忘れかけていました。今回登場した中でも、読み終わってからぐぐって「ああ、あの人か」と思い出したキャラもいるし、そろそろ全体を把握し切れなく……。

 四十七人目の男』は、衝撃的でした 他の外国人作家さんと言い 素材としての日本のイメージってずっとこのままなのでしょうか アニメ・ゲームとかの知識をもとに再イメージした日本とか面白いかも
 ああいう「勘違いジャパン」を割り切って面白がる向きもあるそうですが、好きな作家がろくに調査もしないってことを知るのは辛い。

 >シリアスなシーンの最中でも平気で破壊的なギャグを混ぜる ハーメルンが、というか当時のガンガンの特徴みたいなもんですね。マテリアルパズルとかもそうでしたし
 マテパは読んだことないです……いつかまとめて読みたいなぁ。

 化物語のガイドブックも白と一緒に出るみたいですね。でも3000円は高い・・・短編だけ別で売ってくれないだろうか。
 講談社に良心的な商売を期待しても無駄です。まして講談社BOXになど。

 ダイヤボーの件、教えて頂き有難うございます。焼津様は本当に頭の良いお方。
 質問されてから必死でぐぐったのはここだけの秘密。

 村枝先生の軸のブレなさは凄いですよねぇ。あの人は絵が上手い云々とかじゃなくて、漫画家そのものとしての技量が凄いと思う。絵柄が変わったよなー、と強く思うのは自分はヒラコー。初期の絵柄のまま最終回まで行ってたらどうなってたんだろ。というか、あの作品構想は最初からあったのかね。ミレニアムとかは、意外と初期から伏線張ってたけど
 ヘルシングは確かに絵柄変わりましたけど、なにげに初期から描き込みの細かさが凄かったですね。「これだけこだわってちゃんとペース配分できるのか?」と心配になり、案の定休載連発……それにしても「THE DAWN」は早急になんとかすべき。あれもちゃんと構想があってスタートした企画なんだろうか。

 地雷ゲーを抱えて現実逃避すれば何か化学変化が起こり、燃えゲーなり萌えゲーなり、全く別の名作に成るとでも?馬鹿な!
 「オチがひどい」と評判のストーリーだって、オチさえ見なければそれはそれで。

 スワスチカの話題を聞くたびに某怒りの日の阿鼻叫喚の様が思い出され、あそこからここまで持ち直したというのは、本当にエロゲー史に太文字赤線で残されるような物凄いことなのではないか、と思う。まあ、偉業だ快挙だと手放しに称賛できるかといえばあれだけど。あと、なんだかんだで付き合ってしまうユーザーの業の深さも凄かった。
 『Garden』も同じように持ち直してくれるって信じています。いつかきっと、「おかえり、アイの庭」と涙を流して讃える日が来る。


2010-10-04.

『fortissimo//Akkord:Bsusvier』の出来がスワスチカ開くレベルとの噂を聞きましたが、気にしないで、私は平気。一緒に注文していた『魔法使いの夜』が延期したおかげでとりあえず問題を先送りにすることができた焼津です、こんばんは。先送りにしただけであって、キャンセルはできませんからいずれ着弾するわけですが……そうだ、ここは「スワスチカなんてないさ スワスチカなんてうそさ」と現実から目を逸らし、「最強さんマジ最強」と思い込んだまま敢然と積もう。そうすれば、傑作化した『fortissimo//Akkord:Bsusvier』が自分の胸の中にだけ現れるはず。と脳内修正主義者ぶってみましたが、無理ありありだな。「後退? 俺は、敵の方に向かっていったんだぜ。しかも、背中を相手に向けたままだ」などという最強台詞を口にする境地には程遠い。

ハーメルンのバイオリン弾き読み返した(すくいぬ)

 当方はサイザー派。始まった当初はギャグムード濃厚で、1巻だとハーメルにヒーローらしいところはまるでなかったという記憶があります。敵らしい敵が出てきて、だんだんバトル系ファンタジーらしくなっていった。ヴォーカル編が長すぎてダレてしまったけど、オル・ゴール戦のあたりは好きだったな。このマンガの特徴は「シリアスなシーンの最中でも平気で破壊的なギャグを混ぜる」ところで、瀕死の重傷を負ってボロボロになっている状況でも漫才やったりするハチャメチャなノリが印象的でした。今でも、シリアスとギャグが渾然一体になっている作品を見つけるたび「『ハーメルンのバイオリン弾き』みたいな」と形容してしまう。最近だと『踊る星降るレネシクル』がそんな調子でした。ニトロの『装甲悪鬼村正』も割とちょくちょくギャグ要素が乱入してきますね。江ノ島インパクトとか、ジーグとか、金神様がビッグ○○化したりとか、正宗の存在そのものとか。

キアヌ主演の「忠臣蔵」クル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!(こっちは必死なんだよ(#^ω^))

 『四十七人目の男』の悪夢が脳裏をよぎった。あれは現代モノですけど「忠臣蔵」がベースになっていて、ラストシーンはまんま雪降る中の討ち入り。自衛隊員たちが「職務なんてクソくらえですよ!」とばかりにポン刀提げて行進する光景は思い出すだに眩暈がします。で、キアヌの方のタイトルは "47Ronin" になるみたいだが、そういえばデ・ニーロとジャン・レノが共演した『RONIN』なんて映画あったなぁ。用済みで仕事にあぶれた工作員を浪人に見立てただけだったものの、カーチェイス・シーンにおける迫力はかなりのものでした。しかし「忠臣蔵」をハリウッド映画化するくらいなら『乱神』か、あるいは来月刊行の『友を選ばば柳生十兵衛』でも使えばいいのに。

「同じ作者とは思えない・・・」って漫画なんかある?(カゼタカ2ブログch)

 木村紺の漫画は一作ごとに作者が入れ替わっているんじゃないかと思う。他だとスレにも出ているが押切蓮介、ギャグとシリアスのギャップがかなりキてる。『でろでろ』『ミスミソウ』は間に銀河がすっぽり入るくらいかけ離れています。福本伸行も人情物とギャンブル物とで結構差がある。『グラップラー刃牙』『範馬刃牙』は内容的なクオリティの隔たりが言葉に尽くせないほどで泣くのを通り越して笑いたくなる。画力面で挙げれば枚挙に暇がありません。大抵はぐんぐん巧くなっていく「進化」パターンですが、中には妙な方向に走っていく「珍化」パターンや描き込みが雑になっていく「冨樫」パターンなどもあり、「漫画の絵って案外儚いものだな……」と思いますね。「久しぶりに描いたら自分のキャラなのに似てなかった」みたいにボヤく漫画家もいますし。けど『少女ファイト(7)特装版』のおまけに付いてくる「少年ファイト」で藤田和日郎の描くうしおととらを一コマだけとはいえ超久々に拝むことができたときは目頭が熱くなりました。

 逆に、ブレのなさで驚いた漫画は『俺たちのフィールド』。1巻から最終巻までまとめて読んだのに、根本的な部分が少しも揺らがなくてビビった。7年近く連載してこれだけ一貫している漫画というのも恐ろしい。芯の強さが並みじゃないです、村枝賢一は。

・林トモアキの『レイセン2』読み終わった。

 ひでおアフターの第2弾。と言っても全体の半分を占める書き下ろし中編「隠斬り」は長谷部翔香がメインの番外編であり、ヒデオの出番は正味半分しかない。そのためヒデオ好きにはややガッカリな構成となっていますが、某シリーズに目を通している方なら「うおっ!」と呻くような人が登場することもあり、トモアキファンならばガッツリ楽しめる仕様となっています。その代わり、他のシリーズをまったく読んでないと諸設定や相関関係が分かりにくく、「何が何やら……」と戸惑うこと請け合い。でも信じられるか……レイセンの1巻はマスラヲの5巻よりも売れたそうだぜ……新シリーズの魔力恐るべし。

 ヒデオがちゃんと活躍する前半は新展開を迎え、「フォース」という四人組の精霊使いと相対します。高校生くらいの少年少女なので、ぶっちゃけこちらの方がライトノベル的には主人公チームっぽい雰囲気が漂う。「邪霊眼」の彼岸士夜火斗(ヒガシ・ナイト)は特に存在感が強く、ヒデオでなければいろんな意味で喰われていたことだろう。他の面々も一応それなりに強いみたいだが……基本的にフォースの連中って二対一とか四対二とか数が勝っている状況でしかバトルしていないため、いまひとつ脅威としてのイメージは薄いです。ピンで出てきて見映えがしそうなのは、やっぱり彼岸士だけかなぁ。ヒデオを圧倒するビジョンは全然浮かびませんが。むしろ「兄者!」とか呼んで舎弟になりそうな気がする。気のせいだといい。実現すると暑苦しくてどうしようもない。後半の「隠斬り」はヒデオと睡蓮が不在でやや華に欠けますけれど、そのぶんバトルの凄愴さがうまく引き出されている感じ。ただ180ページもあるのでちょっと長いかな、とは思う。

 途中で予想外のゲストが出現する(「さよならシネっ」に軽く萌えた)など、前巻に引き続きファンサービスの様相が濃い一冊でした。マスラヲもお・り・が・みもミスマルカも(ばいおれんす・まじかるは……別にいいか)知らずにこれだけ読み通すのはアレなので、順番が前後しても構いませんからレイセンでトモアキ・ワールドに入った方は是非他のシリーズもまとめ買いしてご堪能されたし。それにしても今回はウィル子がすごく空気だったな……このままじゃどこぞの修道女みたいになってしまうんだよ。

・拍手レス。

 念願の隻眼の少女を手に入れたぞ。・・・あれ表紙実写?隻眼じゃない?
 ゲットした瞬間ウルトラヘヴン級の恍惚に襲われましたが、キャッチコピーの「ちょっぴりツンデレ」に腰が砕けました。

 fortissimoがスワスチカ認定されたみたいです。まあ、自分には見えている地雷としか思えなかったので、もとからスルーの予定でしたが
 思ったより安かったし、まほよだけだと送料が勿体無い気がして、つい頼んでしまった……。


2010-10-01.

・いつの間にか“小説フランス革命”が全12巻構想になっていて寝耳に水な焼津です、こんばんは。

 始まったときは確か全10巻構想だったような……構想が膨らんじゃったのだろうか。予定の方も当初は再来年くらいに終わるはずだったのに、2013年に延びています。まあ、2冊も増えたんだから、1年くらい延びるのは当然かもしれません。今月刊行された6巻で第1部完となり、2012年6月予定の7巻から第2部開始となる模様です。着々と著者のライフワークになりつつある“小説フランス革命”、今はまるっきり積んでますが、完結した暁には一気に崩そう、などと企んで悦に入っております。佐藤賢一の文体は特徴的で、少量だと馴染みにくさが際立つ反面、まとめ読みしてどっぷり浸かる分にはうってつけ。

マ ン ガ で 燃える展開(カゼタカ2ブログch)

 序盤であっさり主人公に負けたので単なる噛ませ犬だろうと思っていた奴が、実は主人公の能力と相性が悪いだけで、ランク的には意外と強かったことが判明して颯爽と活躍しちゃう展開。

 孤立して敵に取り囲まれたヒロインをサクッと華麗に救出してみせたりなんかしたらたまりませんね。そいつの使う技が雑魚敵を一掃するのに丁度いい範囲攻撃だったりすると見栄えもグッド。また、「あいつには使わなかったが、とっておきの奥義がある」と嘯いたりするのにもゾクゾクする。単に出し惜しみしていたのではなく、条件が整わなかったせいで発動しなかった、って方が個人的には好みかな。もし、その奥義を主人公に向けて行使していたら……などと想像するのも楽しい。

わるきゅーれの新作『デブプラス』

 (えっ、すっげデブじゃねぇかこいつ……でもヤらせてくれるんなら……)と体目当てで妥協気味に付き合い始めた主人公が、彼女の良いところを知ってだんだん本当に好きになっていく、みたいな「エロから純愛へ」路線だろうか。それとも「デブこそ至高! 贅肉は正義! ビバラ出腹!!」と太り肉の魅力に目覚めていく肥満偏愛ストーリー? ぽっちゃり系は意外と需要があるみたいなので、広報展開次第ではうまく話題を掻っ攫っていくかもしんないな。

・今月の購入予定。

(本/小説)

 『レイセン File2』/林トモアキ(角川書店)
 『どつぼ超然』/町田康(毎日新聞社)
 『人間小唄』/町田康(講談社)
 『ヤングガン・カルナバル グッドバイ ヤングガン』/深見真(徳間書店)
 『猫物語(白)』/西尾維新(講談社)

(本/マンガ)

 『鉄風(3)』/太田モアレ(講談社)
 『木曜日のフルット(1)』/石黒正数(秋田書店)
 『男爵校長Hight!(1)』/OYSTER(双葉社)
 『狼の口(2)』/久慈光久(エンターブレイン)
 『シグルイ(15)』/山口貴由(秋田書店)

 なんとなく今月は小説とマンガの2種類に分けてみた。まずは小説から。『レイセン File2』は待ってましたのひでおアフター第2弾。ヒデオ大好きっ子ゆえ、凶悪なヒキを見せた『ミスマルカ興国物語』の次巻よりも『レイセン』の2巻を渇望していました。今回から新しい展開を見せるという話もありましたが、いったいどうなるか。己の目で確かめてみます。あ、ヒデオを知らない人は先に『戦闘城塞マスラヲ(全5巻)』をお読みください。更にそれより先に『お・り・が・み(全7巻)』をお読みいただければ物語の細部まで分かってベターです。『どつぼ超然』と『人間小唄』はまさかの町田康同月最新刊。『テースト・オブ・苦虫』の4巻も同時期に文庫化されますので、今月はちょっとしたマーチダ祭りと申せましょう。『どつぼ超然』は「出掛けよう、行く雲、流れる水のように。なぜなら余は超然者。小心ながらも泰然自若。自意識が暴走する傑作長編小説」、『人間小唄』は「作家を拉致監禁し、「短歌を作る」「ラーメンと餃子の店を開店し人気店にする」「暗殺」のどれか1つを強要した俺。だが、事態は思わぬ方向へ」と、あらすじを見ただけで特異な言語感覚や横溢する奇想が伝わって伝わって仕方ない。ふと思い出しましたが、若き日の町田康(町田町蔵名義)が出演するカルト映画『爆裂都市 BURST CITY』廉価版も、11月1日なので時期は少しズレますが発売されますね。東映の廉価版は割とあっさり売り切れることもあるので興味がある人はお早めに確保されたし。『ヤングガン・カルナバル グッドバイ ヤングガン』はシリーズの完結編。3冊使った「カルナバル編」が終わったことでシリーズも最終コーナーに差し掛かったみたいだ。現役高校生にして殺し屋である主人公が所属する組織「ハイブリッド」の本社が襲撃されるとかで、シリーズの総決算に相応しいガンファイトが繰り広げられることを期待する。『猫物語(白)』は『猫物語(黒)』の続編。ここから新章突入だとか。講談社は出す気満々みたいだが、作者自身は「無理」と発言しており、ファンは半信半疑です。『アニメ化物語 コンプリートガイドブック』の刊行と合わせたいのだろうけれど、さてはて。ほか、貫井徳郎版『喪服のランデヴー』(飛行機から投げ捨てられた壜が女性に直撃して死亡、取り残された恋人が復讐に燃えるサスペンス)となる『灰色の虹』(500ページを超える大作の模様)、森見登美彦初の新聞連載作をまとめた『聖なる怠け者の冒険』、ジェフリー・ディーヴァーの最新刊『ロードサイド・クロス』も要チェック。

 ではマンガ。『鉄風(3)』は才能溢れる大女が「敗北と屈辱を知りたい」とばかりに歪んだ努力を重ねまくる……にも関わらず、読んでいて妙に熱く清々しいヘンテコ青春スポ根。絵柄はちょっと地味ながら、話が進むほど作者の腕もめきめき成長していくのが分かって面白い。女子ばっかりの格闘技マンガってなんかヌルそう、という意見はこの際棚に上げて試しのつもりで読んでみてください。「おっ」となるシーンがいくつか見つかるかもしれません。『木曜日のフルット(1)』はそれ町のアニメ化が決定して今脂に乗っている石黒正数の新作。この人のマンガはハマると全作読みたくなるくらいの中毒性がある反面、合わないと一冊で切りたくなるからオススメする側としては慎重にならざるをえない。当方自身フルットはまだ読んでいないので何とも言えませんが、価格も安い(税込420円)し、ちょいとチャレンジしてみてはいかがだろう。既刊なら『ネムルバカ』を推します。1冊でそれなりにまとまっていてちょうどいい。『男爵校長Hight!(1)』の作者は、何度でも書きますが、成年マンガのオイスターとは別人物です。表記がめんどうで省いていますが、こっちのOYSTERはOにウムラウト(‥)が付きます。さておき、『男爵校長Hight!』は男爵校長シリーズの第3期で、1巻は通算5冊目に当たります。無印→DS→High!の順。キャラの性格や人間関係を把握したいのでしたら、無印1巻から刊行順に沿って読むことを推奨します。細かいこと抜きでOYSTERの活気良い4コママンガを味わいたいなら、別にテキトーなところから読み出しても構いません。あるいは巻数の少ない『光の大社員』から入るのも一つの手。『狼の口(2)』は「ヴォルフスムント」と読む、今注目の中世コミック。タッチはやや古臭いながら新人離れした技量が光ります。絶対的強者である圧政側と、悲しくなるほど脆弱なレジスタンスとの対立をシビアに描いており、「舞台がほぼ限定されている」くせしてなかなか飽きさせません。そんなに長く続かないかもしれませんが、先が楽しみ。『シグルイ(15)』は遂に最終巻……って、「無明逆流れ編」の、という意味でですよね? まさか散々伏線を張った他試合を一切描かないまま終わるなんてことは……と不安に駆られつつ、藤木と伊良子の決着がどうなるか、己が目で確かめてみんとす。

(BD、DVD)

 『疾風!アイアンリーガー DVD-BOX1』(アニメ)
 『いばらの王-King of Thorn-(DVD)』(アニメ)
 『serial experiments lain Blu-ray BOX』(アニメ)
 『牙狼 TV-SERIES DVD COMPLETE BOX』(特撮)

 今月は買う予定のゲームが一個もなかったので急遽BDとDVDの予定に差し替えました。ほとんどアニメです。『疾風!アイアンリーガー』はタイトルを見て懐かしい気持ちに襲われる方もおられるのではないだろうか。デフォルメされたロボットが繰り広げるスポ根モノ、と概要を書くとなんだかギャグじみているが、とにかく「熱い」ということで評判だったアニメです。機会がなくて一度も観たことがなかったから、是非この廉価版を押さえておかねばなりません。スポ根と言えばカレイドスターもそろそろ廉価版出ないかな。あれも機会がなくて観逃しているんですよね。おもいでBOXは言うに及ばず、アンコールDVD-BOXもちょっと高いし。次、『いばらの王』は完結済のマンガを原作にした劇場アニメ。近くでやってる映画館がなかったから、仕方なくDVDで観ることに。BDもありますが、思ったより価格差がある(税抜価格で2000円差)ため迷った末にDVDで妥協。これに関してはレンタルも視野に入れており、金銭事情が厳しかったら購入を取りやめるやもしれません。『serial experiments lain Blu-ray BOX』は一時ポシャりそうな気配を示したものの、何とか発売まで漕ぎ着けられたらしい。元は12年も前のアニメなので、BD化に合わせての作業も大変だった様子。lainは我が青春のアニメであり、高校時代に観た作品の中では一、二を争うほど印象に残っています。現実世界と電脳世界が混濁していくストーリーは説明がし辛く、「どこらへんが魅力なのか」をうまく伝えられないことがもどかしい。既に廉価版DVDが出ていますから未見の人にはそちらをオススメ。BD-BOXは主にファン向けの商品になるかと思われます。これが届いた暁には、長年積んでいたPS版lainの封印も解こう……知らない間にプレミア化していてビックリしたな、あれ。『牙狼』は特撮にしては珍しく、深夜番組として放映された作品。観たことはないんですが、ちょくちょく評判を耳にしていたので気にはなっていた。劇場版の公開に合わせて廉価版がリリースされることになった模様。同時発売される『牙狼 スペシャル 〜白夜の魔獣〜 長編版』と一緒に購入したい。劇場版はどうせ近くでやらないだろうから、公開期間なんて気にせずのんびりテレビ版を観るとしよう。

 ちなみに、最近観たDVDは『ウェイヴ』『世紀末オカルト学院1』

 『ウェイヴ』は「ドイツでは二度と独裁など起こらない……本当に?」という、テーマこそ刺激的ながらストーリーはやや地味めの洋画。最初から最後まで事前に予想した通りの展開が続くため、クライマックスで大きなサプライズが来るタイプのサスペンスを好む人には薦めにくいものの、映像はしっかりしているし、ドイツの少年少女があっという間に波(ウェイヴ)に呑まれていく様子は妙な生々しさがあって面白く、終始退屈することなく眺めることができます。ただ、不気味さはあまりないですね。「独裁」を実感させるためにまず教師がやったことは、自由な配列だった机と椅子を規則正しく並べ、勝手に決めた席順を強い、生徒が発言する際は必ず挙手させたうえで起立して行わせ、教師に対して「様」付けすることを強制する……「様」付けはないにしても、授業風景が日本の学校にとっては至極ありふれたものなので、「この程度で洗脳されるのかよ!」って愕然としちゃいます。こいつら、よっぽど「支配されること」に慣れていないんだな……なんだか不気味どころか、逆に可愛いとすら思えてくる始末。するすると自然に「独裁のある風景」が馴染んでしまいます。『女王の教室』とかに比べればヌルいかもしれませんが、ヌルいからこそ却って恐ろしい。『ウェイヴ』の怖さは「不気味なところ」ではなく、むしろ「不気味ではないところ」に宿っているのです。『es[エス]』スタンフォード監獄実験をモデルにしたドイツ映画)を彷彿とさせる一本ながら、アプローチに少々異なる趣を感じました。

 『世紀末オカルト学院』はマヤの予言(2012年に人類が滅亡する)とノストラダムスの大予言(1999年に人類が滅亡する)を繋げ、「人類が滅亡する直前の2012年から1999年にタイムスリップし、滅亡を招く要因を取り除く」という趣旨でストーリーを紡ぐオカルト活劇アニメ。コメディ色が強く、ややホラーな描写はあるにせよ、基本的に気楽な姿勢で観れます。とにかくこのアニメはヒロインのマヤが可愛い。1999年が主舞台なのでキャラデザは古めだけど、「現在でも通じる古さ」を模索したかのようで堪能に際してまったく支障はありません。充分にハァハァできる。というかぶっちゃけマヤ目当てで買いましたからね、『世紀末オカルト学院』。クールっぽいキャラの割に表情豊かでアクションも多く、観ていて飽きません。特に幼少期は絶品で、思わず抱き締めたくなります。1巻なので物語の核心はおぼろげに覗く程度、盛り上がるのはまだまだこれからといったところだが、とりあえずマヤの素晴らしさだけで視聴は継続すると決めました。「まずは試すつもりで」と1巻だけ注文しましたけど、観終わって1時間もしないうちに残りのDVD5本すべての予約を済ませてしまいました。2巻から5巻まではマヤ&亜美の小学生時代を描いたスピンオフ「よろしくツッチー」が収録されるとあって胸が高鳴るー。BDにしようかとも迷ったが、BDは限定版しかなくてちょっと高かったため断念。DVDの通常版がお手頃です。画質もそんなに悪くありませんでしたしな。

・拍手レス。

 天下五剣とか剱冑にして欲しいですねえ。戦隊モノのカラーリングでイメージしたのは気の迷いという事で。
 各々がポーズを取って背後で爆発エフェクトが入る天下五剣を想像してしまった。

 『末期、少女病』といえば製作再開したという噂が流れてます。あくまで噂なので本当かどうかはわかりませんが、本当なら今年一番のサプライズかも
 噂はだいぶ前から流れてますね。公式サイトができるのはいつ頃かしら。早くしろ! 戦車が壊れてしまう!

 ダイヤボーって何やねんwww素で吹いたww調べてもわかんないっす。
 確か若ギースの勝ちゼリフだったかな。『嘘喰い』にも「DIE YOBBO(弱者は死ね)」と出てきますね。「YOBBO」は「Young Boy」のスラングだそうな。

 自分のサイトからリンク貼ってもいいですか?
 相互リンクは募集していますか?

 貼ったり切ったりは自由です。相互は募集していません。

 逆説の日本史やQEDばりにリンクさせたくなってきました
 製鉄技術を持ったタヌキが狡猾な兎に騙される見せかけ大逆襲な感じで

 本当は必死こいて走ってた兎を「遅っ! オメ昼寝しながら走ってんのかよw」とボーントゥビワイルドな格好で追い抜いていく「ウサギとカーメーダビッドソン」まで行くとリンク不可能。


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